(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122459
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】水晶発振器
(51)【国際特許分類】
H03B 5/32 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
H03B5/32 H
H03B5/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019700
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】笠原 憲司
(72)【発明者】
【氏名】堀口 直樹
【テーマコード(参考)】
5J079
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA02
5J079BA43
5J079CA04
5J079CA16
5J079CB01
5J079HA07
5J079HA10
5J079HA16
5J079HA28
5J079HA30
(57)【要約】
【課題】二重容器構造を有した恒温槽型の水晶発振器において、加熱手段(ヒータ)を第1の容器の外部に設けた構造であって、かつ、温度制御に好ましい構造の水晶発振器を提供する。
【解決手段】水晶発振器10は、容器に密閉された水晶振動子11を内包する金属製の第1の容器13、水晶振動子用の発振回路15、水晶振動子用の加熱手段17、加熱手段用の温度制御回路19、及び、第1の容器を内包する金属製の2の容器21を備える。加熱手段を、第1の容器の外側面の底面に接しさせて設けてあり、第1の容器内を、ヘリウム雰囲気としてあり、第2の容器内を、減圧雰囲気としてある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に密封された水晶振動子と、前記水晶振動子を内包する金属製の第1の容器と、前記水晶振動子用の発振回路と、前記水晶振動子を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の温度制御回路と、前記第1の容器を内包する金属製の第2の容器と、を備える水晶発振器において、
前記加熱手段を、前記第1の容器の外側面の適所に接しさせて設けてあり、
前記第1の容器内を、ヘリウム雰囲気としてあり、
前記第2の容器内を、減圧雰囲気としてあること、を特徴とする水晶発振器。
【請求項2】
前記第2の容器は、金属及びガラスからなるハーメチック構造のベースと、前記第1の容器を第1の面に実装している実装基板と、前記第1の容器及び前記実装基板を当該第2の容器内で浮かすための金属製リードであって、当該水晶発振器内部と外部とを接続するための金属製リードと、前記第1の容器及び前記実装基板を内包する凹部を有し前記ベースに接合される金属製の蓋部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の水晶発振器。
【請求項3】
前記実装基板は、前記第1の面およびこの第1の面の反対面である第2の面を接続する窓部、を備えることを特徴とする請求項2に記載の水晶発振器。
【請求項4】
前記第1の容器は、金属及びガラスからなるハーメチック構造のベースと、当該ベースに設けられ当該第1の容器の内部と外部とを接続する金属製リードと、前記水晶振動子を収容する凹部を有し前記ベースに接合されている金属製の蓋部材と、を備え、
前記加熱手段は、前記第1の容器の外側底面に接して設けてあることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の水晶発振器。
【請求項5】
前記第1の容器は、内部に、前記水晶振動子を実装する実装基板を有し、かつ、前記水晶振動子は、当該実装基板の前記ベース側の面に実装してあることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の水晶発振器。
【請求項6】
前記発振回路は、前記第1の容器内に設けてあることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の水晶発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの金属製容器を用いた、二重の容器構造を有した、恒温槽型の水晶発振器(OCXO:Oven Controlled Xtal Oscillation)に関する。
【背景技術】
【0002】
高精度が要求される恒温槽型の水晶発振器では、水晶振動子、発振回路、温度制御手段を内包する容器に対し高い気密性が要求される。そのため、容器として、金属製容器が用いられている。
また、さらなる高精度化を図るため、2つの金属製容器を用いた二重容器構造を有した恒温槽型の水晶発振器(以下、水晶発振器と略称する場合もある。)が、例えば、特許文献1に開示されている。この水晶発振器は、水晶振動子及びヒータを内包している金属製の第1の容器と、この第1の容器を内包している金属製の第2の容器と、を具えている。
【0003】
この水晶発振器では、水晶振動子として、SCカット、M-SCカット等の2回回転の水晶振動子が用いられている(特許文献1の段落44、60)。また、ヒータとして、複数個のパワートランジスタが用いられている。また、第1の容器内は、窒素などの不活性気体、若しくは、大気圧又は真空とされ(同、段落54)、第2の容器内は、大気圧よりも低い雰囲気とされている(同、段落52)。
この従来の水晶発振器によれば、上記のような二重構造であるため、ヒータによる温度制御を安定に行えるという(同、段落52)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、二重容器構造を有した恒温槽型の水晶発振器において、特許文献1に開示されたように、ヒータを第1容器内に実装した場合、第1容器およびその内部の部品で構成された部分に何らかの不具合があると、それら部品全部が無駄になるおそれが高く、当然に、ヒータ自体に不具合がない場合もヒータが無駄になるおそれがある。
【0006】
さらに、特許文献1に開示された構造の場合、水晶振動子及びヒータは第1容器内に設けた第1基板上に配置され、かつ、ヒータは水晶振動子から離れた位置に配置されている(特許文献1の
図4)。従って、ヒータの熱は水晶振動子に、第1の基板を介して、及び、第1の容器内の雰囲気を介して、伝わる。すなわち、ヒータの熱は水晶振動子に、エポキシ基板等で構成される第1の基板での熱伝導によって、伝わる。さらに、第1の容器内が窒素封入されている場合は、ヒータの熱は水晶振動子に、窒素の熱伝導率(約0.026W/mK)に律速されて伝わり、第1の容器内が大気雰囲気の場合は、ヒータの熱は水晶振動子に、空気の熱伝導率(約0.027W/mK)に律速されて伝わり、第1の容器内が減圧雰囲気の場合は、ヒータの熱は水晶振動子に、極めて悪い熱伝導率によって伝わる。すなわち、特許文献1の水晶発振器の場合、第1の容器は、比較的、熱伝導を抑制して熱安定性を確保する構造になっている。
【0007】
従来の水晶発振器における上記のような状況を考えると、二重容器構造を有した恒温槽型の水晶発振器において、温度制御をするための構造として、他にも好ましい構造があると、この出願に係る発明者は考えた。
この出願は上記の点に鑑みてなされたものであり、従ってこの発明の目的は、二重容器構造を有した恒温槽型の水晶発振器において、加熱手段(ヒータ)を第1の容器の外部に設けた構造であって、かつ、温度制御に好ましいと考えられる構造を有した新規な構造の水晶発振器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的の達成を図るため、この発明の水晶発振器によれば、容器に密封された水晶振動子と、前記水晶振動子を内包する金属製の第1の容器と、前記水晶振動子用の発振回路と、前記水晶振動子を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の温度制御回路と、前記第1の容器を内包する金属製の2の容器と、を備える水晶発振器において、
前記加熱手段を、前記第1の容器の外側面の適所に接しさせて設けてあり、
前記第1の容器内を、ヘリウム雰囲気としてあり、
前記第2の容器内を、減圧雰囲気としてあること、を特徴とする。
【0009】
この発明を実施するに当たり、前記第2の容器は、金属及びガラスからなるハーメチック構造のベースと、前記第1の容器を第1の面に実装している実装基板と、前記第1の容器及び前記実装基板を当該第2の容器内で浮かすため金属製リードであって、当該水晶発振器内部と外部とを接続するための金属製リードと、前記第1の容器及び前記実装基板を内包する凹部を有し前記ベースに接合される金属製の蓋部材と、を備えることが好ましい。
また、この発明を実施するに当たり、当該第2の容器が、前記実装基板を有する場合は、前記実装基板に設けられ、前記第1の面および前記第1の面の反対面である第2の面を接続する窓部、を備えることがさらに好ましい。
【0010】
この発明を実施するに当たり、前記第1の容器は、金属及びガラスからなるハーメチック構造のベースと、当該ベースに設けられ当該第1の容器の内部と外部とを接続する金属製リードと、前記水晶振動子を収容する凹部を有し前記ベースに接合されている金属製の蓋部材と、を備え、
前記加熱手段は、当該ベースの、外側底面の、当該ベースを挟んで前記水晶振動子と対向する領域に、設けてあることが好ましい。
なお、前記第1の容器は、内部に、前記水晶振動子を実装する実装基板を有することが好ましく、然も、前記水晶振動子は、この実装基板の前記ベース側の面に実装することが好ましい。このように水晶振動子を配置すると、加熱手段を当該第1の容器のベースの外側底面に設けた場合に、加熱手段と水晶振動子とがベースのみを介して対向するので、熱伝導を高め易いからである。
【0011】
この発明を実施するに当たり、第2の容器内の減圧雰囲気は、例えば、10Pa以下が良く、より好ましくは1Pa以下が良く、より好ましくは0.5Pa以下とすることが良い。
【発明の効果】
【0012】
この発明の二重容器構造を有する恒温槽型の水晶発振器では、第1の容器内の雰囲気をヘリウムとしてある。ヘリウムの熱伝導率は、約0.144W/mKであるため、特許文献1の第1の容器の雰囲気である窒素(約0.026W/mK)、若しくは、大気(空気の熱伝導率:約0.027W/mK)又は減圧(真空の熱伝導率は実質的に0)に比べて、約5倍以上も高い。従って、加熱手段を第1の容器の外側面に接して設けても、加熱手段の熱は、第1の容器の内部に伝わり易く、従って、第1の容器内の水晶振動子も、上記の加熱手段及び温度制御回路で制御される所定温度にできる。しかも、二重容器構造を有する恒温槽型の水晶発振器の場合、ほとんどの場合、発振回路は第1の容器内に実装される。従って、加熱手段を、第1の容器の外側面の適所に接しさせて設けてあると、発振回路も水晶振動子と同一容器の外壁及び同一雰囲気からの熱を受けるので、発振回路も水晶振動子同様に安定した温度になるから、発振回路の温度特性も最小化できる。
一方、第1の容器を内包する第2の容器内の雰囲気は、減圧雰囲気としてあるので、第2の容器は、下界の雰囲気の第1の容器への影響を、遮断する。
これらことから、加熱手段(ヒータ)を第1の容器の外部に設けた構造であって、かつ、温度制御に好ましいと考えられる構造を有した新規な構造の水晶発振器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1(A)~(C)は、実施形態の二重容器構造を有する恒温槽型の水晶発振器10の、特に、第2の容器内の構造を説明する図である。
【
図2】
図2(A)~(C)は、実施形態の二重容器構造を有する恒温槽型の水晶発振器10の、特に、第1の容器内の構造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照してこの発明の水晶発振器の実施形態について説明する。なお、説明に用いる各図はこの発明を理解できる程度に概略的に示してあるにすぎない。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の説明中で述べる形状、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0015】
図1(A)は、実施形態の水晶発振器10の上面図、
図1(B)は、実施形態の水晶発振器10の側面図、
図1(C)は実施形態の水晶発振器10の底面図である。
また、
図2(A)は、実施形態の水晶発振器10の第1の容器13及びその内部構造を説明する上面図、
図2(B)は同じく側面図、
図2(C)は同じく底面図である。
なお、
図1(A)、(B)、
図2(A)、(B)の上面図及び側面図は、内部を透視した状態で示してある。
実施形態の水晶発振器は、水晶振動子11、第1の容器13、発振回路15、加熱手段17、温度制御回路19、第2の容器21、実装基板23、及び、窓部25を具えている。そして、本発明の特徴は、加熱手段17を、第1の容器13の外側面の適所に接しさせて設けてあり、第1の容器13内をヘリウム雰囲気としてあり、第2の容器21内を減圧雰囲気とした点にある。以下、各構成成分の具体的構成例を説明する。
【0016】
水晶振動子11は、容器に密封されたものである。具体的には、水晶振動子11は、水晶振動片が金属製容器に密封されたもの、又は、水晶振動片がセラミック製容器に密封されたもの等で構成できるが、好ましくは、水晶振動片が金属製容器に密封された、いわゆるリードタイプのものが好ましい。リードタイプのものの方が、高い気密信頼性を有するため、高精度が要求される水晶発振器(OCXO)に適している。水晶振動片としては、周知の2回回転の水晶振動片を用いる。
【0017】
第1の容器13は、ベース13a、金属製リード13b及び金属製の蓋部材13cを具えている。ベース13aは、金属及びガラスからなるハーメチック構造のものである。金属製リード13bは、ベース13aに設けられ第1の容器13の内部と外部とを接続するものである。金属製の蓋部材13cは、水晶振動子11を収容する凹部13caを有し、縁部がベース13aに接合されているものである。これらは、具体的には、以下のものを用いることが好ましい。
ベース13aは、平面形状が四角形状で、例えば、鉄又は洋白で構成されたもので、かつ、金属製リード13bが挿入された部分がハーメチックに適したガラス部となっているものを用いることが好ましい。金属製リード13bは、コバール製のリードを用いることが好ましい。蓋部材13cは、平面形状が四角形状のもので、ステンレス、洋白又は黄銅製のものを用いることが好ましい。ベース13aと蓋部材13cとは、ベースや蓋部材の構成材料に応じた好適な封止方法、例えば、抵抗溶接封止法、半田封止法等によって接合し、気密構造を実現している。
【0018】
発振回路15は、水晶振動子11を安定に発振できる構成であれば、特に限定されず、任意好適なもので良い。なお、この実施形態では、発振回路15を第1の容器13内に設けてあるが、設計によっては、第1の容器13の外に設ける場合があっても良い。
加熱手段17は、任意好適なもので構成できる。例えば、パワートランジスタによって構成できる。パワートランジスタを動作させた際に発生する熱を利用することで、目的の加熱を実現でき、動作時の通電電流を制御することで発熱温度を可変できる。この加熱手段17は、第1の容器13の外側面の適所に接しさせて設けるが、この実施形態では、第1の容器13の外側底面、すなわちベース13aの外側底面の、第1の容器13内に設けた水晶振動子11と対向する領域に、設けてある。こうすると、水晶振動子11と加熱手段17とが対向するため、加熱手段17の熱が水晶振動子11に伝わり易くなる。
温度制御回路19は、温度センサを含み、水晶振動子11の温度を適正に制御できるものであれば任意好適なもので良い。
【0019】
また、この実施形態の場合、特に
図2(B)に示したように、第1の容器13内に平
面形状が四角形状の実装基板23を設けてある。この実装基板23は、上記の金属製リード13bによって、第1の容器13内に浮いた状態で設けてある。この実装基板23は、任意好適なプリント配線基板で構成できる。そして、実装基板23のベース13aの側の面に水晶振動子11を設けてあり、その反対面に、発振回路15及び温度制御回路19を設けてある。なお、説明は省略するが、実装基板と水晶振動子、発振回路用部品などの電子部品とは、ハンダ等で接続してある。
【0020】
一方、第2の容器21は、ベース21a、実装基板21b、金属製リード21c及び金属製の蓋部材21dを具えている。ベース21aは、金属及びガラスからなるハーメチック構造のものである。実装基板21bは、平面形状が四角形状のもので、その第1の面21baに第1の容器13を実装しているものである。金属製リード21cは、第1の容器13及び第1の容器13内の実装基板23を、第2の容器21内で浮かすためのものであって、かつ、当該水晶発振器内部と外部とを接続するためのものである。金属製の蓋部材21dは、第1の容器13及び実装基板21bを内包する凹部21daを有し、縁部がベース21aに接合されているものである。これらは、具体的には、以下のものを用いることが好ましい。
【0021】
ベース21aは、平面形状が四角形状のもので、例えば、鉄又は洋白で構成されたもので、かつ、金属製リード21cが挿入された部分がハーメチックに適したガラス部となっているものを用いることが好ましい。
実装基板21bは、任意好適なプリント配線基板を用いることが好ましい。実装基板21bの第1の面に第1の容器13を実装してある。
なお、この実施形態の場合、実装基板21bは、第1の容器13を実装した領域の周囲の領域に、第1の面21baおよび第2の面21bbを接続する窓部25を備えている。窓部25は、実装基板21bの表裏の熱の移動を促進するので、当該水晶発振器10での温度制御性を高めることができる。この実施形態では、実装基板21bの第1の容器13を実装した領域の周囲の4カ所に、平面視で略くの字形状の窓部25を設けているが、窓部25の個数、平面形状や開口面積は、設計に応じて任意好適なものとできる。
金属製リード21cは、コバール製のリードを用いることが好ましい。蓋部材21dは、平面形状が四角形状のもので、ステンレス、洋白又は黄銅性のものを用いることが好ましい。
ベース21aと蓋部材21dとは、ベースや蓋部材の構成材料に応じた好適な封止方法、例えば、抵抗溶接封止法、半田封止法等によって接合されて、第1の容器13及び加熱手段17を密閉する気密構造を実現している。
【0022】
この実施形態の水晶発振器10では、加熱手段17を第1の容器の外側側面に設けてあり、第1の容器13内をヘリウム雰囲気としてあり、第2の容器21内を減圧雰囲気としてある。第1の容器13内をヘリウム濃度は高いほど好ましい。また、第2の容器21内の減圧雰囲気は、高真空度であることが好ましい。
【0023】
この実施形態の水晶発振器では、第1の容器13内のヘリウムの熱伝導率は、約0.144W/mKであるため、特許文献1の第1の容器の雰囲気である窒素(約0.026W/mK)、若しくは、大気(空気の熱伝導率:約0.027W/mK)又は減圧(真空の熱伝導率は実質的に0)に比べて、約5倍以上も高い。従って、加熱手段17を第1の容器13の外側底面面に設けても、加熱手段17の熱は、第1の容器13の内部に伝わり易く、従って、第1の容器13内の水晶振動子11も、加熱手段17及び温度制御回路19で制御されるので、所定温度にできる。また、第1の容器13を内包する第2の容器21内の雰囲気は、減圧雰囲気としてあるので、第2の容器21は、下界の雰囲気の第1の容器13への影響を、遮断できる。
これらことから、加熱手段(ヒータ)17を第1の容器13の外部に設けた構造であって、かつ、温度制御に好ましいと考えられる構造を有した新規な構造の水晶発振器を提供できる。しかも、加熱手段17は、第1の容器13及びその内部部品とは別に組み立てできるため、第1の容器13及びその内部部品に不具合があった場合も、加熱手段が無駄になるおそれを防止できる。
【符号の説明】
【0024】
10:実施形態の水晶発振器 11:水晶振動子
13:第1の容器 13a:ベース
13b:金属製リード 13c:金属製の蓋部材
15:発振回路 17:加熱手段
19:温度制御回路 21:第2の容器
21a:ベース 21b:実装基板
21ba:第1の面 21bb:第2の面
21c:金属製リード 21d:金属製の蓋部材
23:実装基板 25:窓部