特開 2022-122501 洗面台

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022122501

(43)【公開日】2022-08-23

(54)【発明の名称】洗面台

(51)【国際特許分類】

   A47K 1/00 20060101AFI20220816BHJP

   A47K 1/04 20060101ALI20220816BHJP

【ＦＩ】

A47K1/00 A

A47K1/04 A

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021019767

(22)【出願日】2021-02-10

(71)【出願人】

【識別番号】520424733

【氏名又は名称】折口 英明

(74)【代理人】

【識別番号】100134072

【弁理士】

【氏名又は名称】白浜 秀二

(72)【発明者】

【氏名】折口 英明

(57)【要約】      （修正有）

【課題】園児などが接触や衝突しても衝撃を吸収し怪我を防止することができる洗面台を提供する。
【解決手段】洗面台１は、洗面器２とこの洗面器２を載置する載置台３とを備え、これら洗面器２および載置台３はポリウレタンのような軟質部材で構成する。洗面器２の下面側には嵌合部１２を設け、載置台３の上面側に嵌合することで一体化し、洗面器２の前面および両側面は、それぞれ載置台３の前面、両側面と面一になるようにすることで、園児などの接触や衝突時の怪我を防ぐことができる。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

洗面器とこの洗面器を載置する載置台とを備え、これら洗面器および載置台は、軟質部材で構成したことを特徴とする洗面台。

【請求項2】

前記洗面器および前記載置台は、前記洗面器の下面側が前記載置台の上面側に嵌合する構成としたことを特徴とする請求項１に記載の洗面台。

【請求項3】

前記洗面器および前記載置台は、それぞれ前面および両側面を備え、前記洗面器の前面と前記載置台の前面および前記洗面器の両側面と前記載置台の両側面をそれぞれ面一に形成したことを特徴とする請求項１または２に記載の洗面台。

【請求項4】

前記軟質部材は、材質がポリウレタンであることを特徴とする請求項１～３のいずれかに記載の洗面台。

【請求項5】

前記洗面器および前記載置台は、モールドコート発泡成形で形成したことを特徴とする請求項１～４のいずれかに記載の洗面台。

【請求項6】

前面を有する洗面器と、
前面を有し、前記洗面器を載置する載置台と、
前記洗面器の少なくとも前面を覆う洗面器カバーと、
前記載置台の少なくとも前面を覆う載置台カバーと、
を備え、
前記洗面器カバーおよび前記載置台カバーは、軟質部材で構成した、
ことを特徴とする洗面台。

【請求項7】

前記軟質部材は、ウレタン素材で構成したことを特徴とする請求項６に記載の洗面台。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、たとえば園児などの利用に適した洗面台に関する。

【背景技術】

【0002】

手洗いや洗顔等を行う洗面台は、一般に硬質素材で構成されているため、洗面器の前縁部やその下方のキャビネットなどに身体が接触や衝突すると、怪我を被る場合がある。

【0003】

特に、たとえば園児などが利用する場合は、手や顔のみならず、身体の色々な部分が接触や衝突する可能性があり、注意が必要である。

【0004】

従来、特許文献１には、洗面器の前縁下部に配設される幕板の前面に、ウレタン素材等の軟質部材を付設し、柔かい使用感を呈するようにした洗面台が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】実開平３－９２１８６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

しかしながら、特許文献１に開示の洗面台は、柔かい使用感を得ることを目的とするもので、怪我防止を意図したものではない。

【0007】

しかも、軟質部材以外の洗面器やキャビネットなどは、硬質素材で構成されているため、この軟質部材によって洗面台への接触や衝突による怪我の防止を図ることはできず、園児などの利用においてはさらなる対策が必要となる。

【0008】

本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、園児などが接触や衝突しても衝撃を吸収し怪我を防止することができる洗面台を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0009】

上記課題を解決するために、本願の第１発明は、洗面器とこの洗面器を載置する載置台とを備え、これら洗面器および載置台は、軟質部材で構成したことを特徴とするものである。

【0010】

洗面器および載置台は、洗面器の下面側が載置台の上面側に嵌合する構成とするのが好ましい。

【0011】

また、洗面器および載置台は、それぞれ前面および両側面を備え、洗面器の前面と載置台の前面および洗面器の両側面と載置台の両側面をそれぞれ面一に形成するのが好ましい。

【0012】

さらに、軟質部材は、材質がポリウレタンであることが好ましい。

【0013】

さらに、洗面器および載置台は、モールドコート発泡成形で形成するのが好ましい。

【0014】

さらに、本願の第２発明は、前面を有する洗面器と、前面を有し、洗面器を載置する載置台と、洗面器の少なくとも前面を覆う洗面器カバーと、載置台の少なくとも前面を覆う載置台カバーとを備え、洗面器カバーおよび載置台カバーは、軟質部材で構成したことを特徴とするものである。

【0015】

軟質部材は、ウレタン素材で構成するのが好ましい。

【発明の効果】

【0016】

本発明によれば、園児などが接触や衝突しても衝撃を吸収し怪我を防止することができる洗面台を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0017】

図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。

【図1】本発明の第１実施形態に係る洗面台を示す斜視図。

【図2】同洗面台を分解して示す斜視図。

【図3】同洗面台を分解して下方から示す斜視図。

【図4】本発明の第２実施形態に係る洗面台を示す斜視図。

【図5】同洗面台を分解して示す斜視図。

【図6】本発明の第３実施形態に係る洗面台を示す斜視図。

【図7】同洗面台を分解して示す斜視図。

【図8】本発明の第４実施形態に係る洗面台を示す斜視図。

【図9】同洗面台を分解して示す斜視図。

【図10】本発明の第５実施形態に係る洗面台を分解して下方から示す斜視図。

【発明を実施するための形態】

【0018】

＜第１実施形態＞
以下、図面を参照しながら本発明の第１実施形態について説明する。

【0019】

図１および図２は、第１実施形態に係る洗面台１を示している。

【0020】

この洗面台１は、水平断面の外形がほぼ方形に形成された洗面器２および載置台３を備え、洗面器２は、載置台３に載置されている。

【0021】

そして、洗面器２の前面２aと載置台３の前面３ａ、および洗面器２の両側面２ｂ，２ｂと載置台３の両側面３ｂ，３ｂは、それぞれ面一に形成されている。

【0022】

なお、洗面台１は、たとえば園児用としては、高さ４０ｃｍ、奥行き４０ｃｍ、幅４０ｃｍ程度に形成されている。

【0023】

また、洗面台１の洗面器２の上面２ｃ奥側には、水栓４が設けられ、その水栓４の手前側には、洗面可能な凹部５が形成されている。

【0024】

この凹部５の底には排水口６が設けられている。

【0025】

載置台３は、図２および図３に示すように、水平断面がコ字状に形成され、奥側が開放している。

【0026】

載置台３の両側面部の内側上部には、載置台３を受ける一対の受部７，７が一体的に設けられている。

【0027】

この受部７，７は、両側面部の内側から内方に突出し、かつ手前から奥側に水平に延びる凸状に形成されている。

【0028】

また、載置台３の両側面の内側下端部には、内方に突出する補強部８，８が水平に設けられている。

【0029】

一方、洗面器２の下面部には、載置台３の内側かつ受部７，７の上側に嵌合する嵌合部１２が一体的に設けられている。

【0030】

この嵌合部１２は、前面側と両側面側とでコ字状にかつ下方へ突出して形成されている。

【0031】

また、嵌合部１２のコ字状内の空間には、排水口６に接続する排水用配管９が設けられている。

【0032】

さらに、洗面器２の後部下面には、下方側および奥側に開放する凹部１０が形成され、この凹部１０には、水栓４に接続する水道用配管１１が設けられている。

【0033】

このように構成された洗面器２および載置台３は、全体がたとえば発砲ウレタンなどの軟質部材で形成されている。すなわち、たとえばポリウレタンのモールドコート発泡成形により形成されている。

【0034】

以上の構成によれば、園児などが接触や衝突しても衝撃を吸収し怪我を防止することができる。

【0035】

＜第２実施形態＞
次に、図４および図５を参照しながら本発明の第２実施形態について説明する。

【0036】

第１実施形態では、洗面器２および載置台３を軟質部材で構成したが、本実施形態では、洗面器２および載置台３は硬質部材で構成され、洗面器２には洗面器カバー３１が、載置台３には載置台カバー３２が、それぞれ被せられるように構成されている。

【0037】

なお、洗面器２および載置台３の形状や配置等の構成は、特に限定されないが、第１実施形態と同様の構成として同一符号を付して説明を省略する。

【0038】

洗面器カバー３１および載置台カバー３２は、軟質部材たとえばウレタン素材や弾力性のある部材などで形成されている。

【0039】

洗面器カバー３１は、上面３１ａ、前面３１ｂ、後面３１ｃ、両側面３１ｄ，３１ｄを備え、これらが一体に形成されている。したがって、下面は開放されている。

【0040】

洗面器カバー３１の上面３１ａには、洗面器２の凹部５および水栓４に対応した開口部３３が形成されている。

【0041】

すなわち、この開口部３３は、凹部５に対応した凹部用開口３３ａおよび水栓４に対応した水栓用開口３３ｂからなり、水栓用開口３３ｂは、凹部用開口３３ａの奥側に形成された切欠きで構成されている。

【0042】

そして、洗面器２に上方から嵌め込まれるようになっている。

【0043】

一方、載置台カバー３２は、前面３２ａ、両側面３２ｂ，３２ｂを備え、これらが一体に形成されている。したがって、上面、下面、および後面は、開放されている。

【0044】

また、載置台カバー３２の両側面３２ｂ，３２ｂの後端側には、係止片３５，３５が一体的に設けられている。

【0045】

そして、載置台３に前方から嵌め込まれ、係止片３５，３５が載置台３の後面に係合するようになっている。

【0046】

以上の構成でも、園児などが接触や衝突しても衝撃を吸収し怪我を防止することができる。

【0047】

＜第３実施形態＞
次に、本発明の第３実施形態について説明する。

【0048】

図６および図７に示すように、洗面器カバー３１には、周囲に水平の凸状部５１が設けられ、載置台カバー３２には、水平方向の複数の凸状部５２…が設けられている。

【0049】

このように構成することにより、怪我の防止を向上させることができ、しかも凸状部５１，５２により洗面器カバー３１および載置台カバー３２の補強が行える。

【0050】

＜第４実施形態＞
次に、本発明の第４実施形態について説明する。

【0051】

上述の第２実施例では、洗面器カバー３１は、上面３１ａに洗面器２の凹部５および水栓４に対応する開口部３３を設けたが、本実施形態では、図８および図９に示すように、洗面器カバー３１は、洗面器２の凹部５を覆う凹部カバー部６１を設けるとともに、水栓４に対応する開口６２および排水口６に対応する開口６３を形成した構成となっている。

【0052】

このように構成することにより、凹部５での怪我も防止することができる。

【0053】

＜第５実施形態＞
次に、本発明の第５実施形態について説明する。

【0054】

本実施形態では、上述の第４実施形態の開口６２の代わりに、図１０に示すように、洗面器カバー３１の後端に開口する切欠き７１を設けた構成となっている。

【0055】

このように構成することにより、洗面器カバー３１の装着が容易に行える。
なお、上記第１～４実施形態において、水栓４を覆う水栓カバーを設けてもよく、水栓４を軟質部材で構成してもよい。

【0056】

また、上述の各実施形態では、軟質部材として、ウレタン素材を用いたが、ウレタン素材に代えて弾力性を有する素材を用いても良く、要するに、怪我を防止できる部材であれば限定されることはない。

【0057】

さらに、ウレタン材質では水の切れが悪いので、洗面台全体を撥水加工し水の切れをよくするのが好ましい。

【0058】

さらに、上述の実施形態では、洗面器カバーは、洗面器の前面および両側面、さらに上面を覆う構成とし、載置台カバーは、載置台の前面および両側面を覆う構成としたが、本発明はこれに限定されることはなく、洗面器カバーは、洗面器の少なくとも前面を覆う構成、載置台カバーは、載置台の少なくとも前面を覆う構成であればよい。

【符号の説明】

【0059】

１ 洗面台
２ 洗面器
３ 載置台
２ａ 前面
２ｂ 側面
３ａ 前面
３ｂ 側面
３１ 洗面器カバー
３２ 載置台カバー

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】