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特開2022-122511トレーニング管理システム、トレーニング管理方法及びトレーニング管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122511
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】トレーニング管理システム、トレーニング管理方法及びトレーニング管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20220816BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220816BHJP
【FI】
A63B69/00 C
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019794
(22)【出願日】2021-02-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】519344969
【氏名又は名称】株式会社PocketRD
(74)【代理人】
【識別番号】230112911
【弁護士】
【氏名又は名称】三和 圭二郎
(72)【発明者】
【氏名】香月 蔵人
(72)【発明者】
【氏名】籾倉 宏哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】利用者の負担を軽減し、客観的な情報に基づき効果的なトレーニング方法・トレーニングメニューを提供できるトレーニング管理システムを実現する。
【解決手段】利用者の基準体型データを生成する体型データ生成部1と、目標体型データを選択するための目標体型選択部2と、目標体型データと基準体型間の差分情報を導出する差分情報導出部3と、肉体の各部位に関するトレーニング内容を記録したトレーニングデータベース4と、差分情報に基づき利用者に必要なトレーニング内容を提案するトレーニング提案部5と、目標体型データのサンプルを記録した目標体型データデータベース6とを備える。実際の体型データと目標体型の差分に関する情報を用いることで、簡易かつ的確なトレーニング内容を提供できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理システムであって、
3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出手段と、
前記差分情報導出手段によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案手段と、
を備えたことを特徴とするトレーニング管理システム。
【請求項2】
前記差分情報導出手段は、前記特定部位における表面形状の相違に関する前記差分情報として数値情報を導出し、
前記トレーニング提案手段は、前記差分情報の絶対値が第1の閾値以上の場合にトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出することを特徴とする請求項1記載のトレーニング管理システム。
【請求項3】
前記基準体型データに対し前記トレーニング方法及び前記トレーニングメニューを所定期間実施した場合の予想体型変化分を付加した3次元的な表面形状を含む予想体型データと、トレーニング開始から所定期間経過した時点における実際の体型データである実体型データにおいて、前記特定部位に対応した領域中に存在し、前記予想体型データと前記日体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報であるトレーニング効果情報を導出するトレーニング効果導出手段と、
前記トレーニング効果情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニング方法の変更又は/及びトレーニングメニューの調整を行うフィードバック手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のトレーニング管理システム。
【請求項4】
前記トレーニング効果情報導出手段は、前記トレーニング効果情報として数値情報を導出し、
前記フィードバック手段は、前記トレーニング効果情報の絶対値が第2の閾値以上、第2の閾値よりも大きい第3の閾値未満の場合にトレーニングメニューの調整を行い、第3の閾値以上の場合にトレーニング方法を変更することを特徴とする請求項3記載のトレーニング管理システム。
【請求項5】
個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理方法であって、
3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出ステップと、
前記差分情報導出手段によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案ステップと、
を含むことを特徴とするトレーニング管理方法。
【請求項6】
個人の体型データに基づきコンピュータにトレーニング方法及びトレーニングメニューの提案を行わせるトレーニング管理プログラムであって、
3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出機能と、
前記差分情報導出手段によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案機能と、
を実現させることを特徴とするトレーニング管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人におけるトレーニング方法・メニューを提案する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
健康増進等の理由により、一般人においても本格的なトレーニングを行うことが増えている。従来はスポーツジム等でトレーナー等の専門家の指導に基づきトレーニング内容や負荷・頻度を定めてトレーニングを行っていたところ、最近は、コンピュータ処理を用いてトレーニング内容等を最適化する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、利用者のアディポネクチン値、体力及び医療検査値に関する最新値の入力値に基づきこれらに関する目標値を提示し、利用者の日常の活動度、日常運動強度及び医学的制限データに基づき、利用者が実施すべき運動強度のデータを提示する技術を開示している。
【0004】
また、特許文献2は、利用者の身体の動きの測定と利用者への質問に対する回答内容に基づき利用者の身体に生じうる課題を特定し、当該課題の改善に関するトレーニングメニューを提示する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-67781号公報
【特許文献2】特許第6811349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2にて開示された技術は、いずれも利用者からの具体的な情報入力を要するという問題がある。例えば、特許文献1の場合には血液検査等によって測定されるアディポネクチン値などの医療検査値をシステムに入力する必要があるため、特許文献1記載の技術を利用するために利用者は、医療検査値を入力する手間のみならず血液検査等を受診する等の負担を受忍せざるを得ない。特許文献2に開示された技術でも、身体部位に関する細かな質問について検討し回答を入力する手間が生じる。元々長期間にわたる継続的な実施が必要とされるトレーニングにおいて、このような手間は利用者のモチベーションを低下させ、トレーニングの継続を妨げる要因となるリスクがある。
【0007】
また、特許文献1、2に開示された技術は、利用者の好みや特性に着目したサービスが提供できないという問題がある。両技術とも、例えば利用者が希望する筋力の強度、体型等を実現するためのトレーニング内容を提示することはなく、また、利用者によっては筋力トレーニングの効果を得やすい体質・得にくい体質、部位ごとにトレーニングの効率が異なるといった特徴がありうるところ、特許文献1、2に開示された技術は、トレーニング効果に関する利用者の特徴に配慮したトレーニングメニューの提示はなされていない。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、利用者の負担を少なくしつつ、客観的な情報に基づき効果的なトレーニング方法・トレーニングメニューを提供できるトレーニング管理システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかるトレーニング管理システムは、個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理システムであって、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出手段と、前記差分情報導出手段によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案手段とを備えたことを特徴とする。なお、トレーニング方法について、腕立て伏せ、スクワットのような自重トレーニング、バーベルを用いたウェイトトレーニングなどの筋肥大を目的としたトレーニングの他に、体型を引き締めるための具体的な有酸素運動や食生活指導もトレーニング方法に含まれるものとする。また、トレーニングメニューはトレーニング方法の具体的な実施内容(負荷、1セットあたりの回数、セット数、頻度等、有酸素運動であれば継続時間、インターバル、食生活指導であれば具体的な品目及び量)を意味する。
【0010】
また、上記目的を達成するため、請求項2にかかるトレーニング管理システムは、上記の発明において、前記差分情報導出手段は、前記特定部位における表面形状の相違に関する前記差分情報として数値情報を導出し、前記トレーニング提案手段は、前記差分情報の絶対値が第1の閾値以上の場合にトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出することを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、請求項3にかかるトレーニング管理システムは、上記の発明において、前記基準体型データに対し前記トレーニング方法及び前記トレーニングメニューを所定期間実施した場合の予想体型変化分を付加した3次元的な表面形状を含む予想体型データと、トレーニング開始から所定期間経過した時点における実際の体型データである実体型データにおいて、前記特定部位に対応した領域中に存在し、前記予想体型データと前記日体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報であるトレーニング効果情報を導出するトレーニング効果導出手段と、前記トレーニング効果情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニング方法の変更又は/及びトレーニングメニューの調整を行うフィードバック手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するため、請求項4にかかるトレーニング管理システムは、上記の発明において、前記トレーニング効果情報導出手段は、前記トレーニング効果情報として数値情報を導出し、前記フィードバック手段は、前記トレーニング効果情報の絶対値が第2の閾値以上、第2の閾値よりも大きい第3の閾値未満の場合にトレーニングメニューの調整を行い、第3の閾値以上の場合にトレーニング方法を変更することを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するため、請求項5にかかるトレーニング管理方法は、個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理方法であって、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出ステップと、前記差分情報導出手段によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
また、上記目的を達成するため、請求項6にかかるトレーニング管理プログラムは、個人の体型データに基づきコンピュータにトレーニング方法及びトレーニングメニューの提案を行わせるトレーニング管理プログラムであって、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出機能と、前記差分情報導出手段によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案機能とを実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、利用者の負担を少なくしつつ、客観的な情報に基づき効果的なトレーニング方法・トレーニングメニューを提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施の形態1にかかるトレーニング管理システムの構成を示す模式図である。
図2】実施の形態1にかかるトレーニング管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図3】実施の形態2にかかるトレーニング管理システムの構成を示す模式図である。
図4】実施の形態2にかかるトレーニング管理システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態においては、本発明の実施の形態として最も適切と考えられる例について記載するものであり、当然のことながら、本発明の内容を本実施の形態にて示された具体例に限定して解すべきではない。同様の作用・効果を奏する構成であれば、実施の形態にて示す具体的構成以外のものであっても、本発明の技術的範囲に含まれることは勿論である。
【0018】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかるトレーニング管理システムについて説明する。図1に示すとおり、本実施の形態1にかかるトレーニング管理システムは、利用者の現時点における体型データである基準体型データを生成する体型データ生成部1と、トレーニングの目標となる体型データである目標体型データを選択するための目標体型選択部2と、目標体型選択部2にて選択した目標体型データと基準体型データを比較し、両体型データ間の差分情報を導出する差分情報導出部3と、肉体の各部位に関するトレーニング内容を記録したトレーニングデータベース4と、導出された差分情報に基づき利用者に必要なトレーニング内容を提案するトレーニング提案部5と、目標体型データのサンプルを記録した目標体型データデータベース6を備える。
【0019】
体型データ生成部1は、利用者がどのようなトレーニングを行うべきか判定するための前提として、トレーニング開始時における利用者自身の体型データ等を生成するためのものである。具体的には、体型データ生成部1は、利用者の体型の撮像データを取得する撮影部7と、撮影部7にて取得した撮像データに基づき、利用者の肉体の3次元的な表面形状に関する情報である表面形状情報を生成する形状情報生成部8と、3次元的な表面形状情報を2次元画像に変換する2次元画像生成部9と、2次元画像中から特徴点抽出を行う特徴点抽出部10と、抽出された特徴点を3次元の表面形状情報中に付加する特徴点付加部11と、付加された特徴点について、汎用素体(後述)に備わる骨格構造との対応関係を判別する骨格対応関係判別部12と、利用者の表面形状情報中に付加された特徴点の3次元分布と適合するように汎用素体の骨格構造を調整する骨格調整部13と、利用者の表面形状に適合するよう汎用素体の表面形状を調整する表面調整部14とを備える。
【0020】
表面形状情報とは、人体における皮膚の部分等の外表面形状の3次元形状に相当する、3次元コンピュータグラフィックスの表面形状に関する情報である。情報の形式としては、情報処理の際の負担軽減の観点から、いわゆるモデリング処理を行い、所定数の頂点及び頂点間の接続態様を規定することによって、外表面の3次元形状を表現した形式とすることが望ましい。モデリング処理を行った場合には、表面形状情報の内容として頂点及び頂点間の接続態様に関する情報に基づき頂点間を結ぶ辺が形成され、3本以上の辺によって囲まれた領域が面(ポリゴン)として定義され、面の集合(メッシュ)によって具体的な表面形状が特定される扱いとなる。
【0021】
ただし、本発明の適用対象はこれらに限定されるものではなく、形状情報としては、表面形状に対応して配置された複数の頂点及び/又は複数の面の位置情報を含んで構成されるものであれば、本発明における表面形状情報として使用することが可能である。また、「頂点」といっても位置のみの情報からなるものに限定せず、微小単位の体積からなるボクセル等も含むものとし、多数のボクセルの位置情報を記録することによりボクセル間の接続態様が規定された表面形状に関する情報についても、本実施の形態1においては表面形状情報に含まれるものとする。
【0022】
また、頂点の位置情報に関しては、絶対的な位置に関する情報と、ジョイント、ボーンからなる骨格構造に対する相対的な位置に関する情報のいずれか一方を含む形式が望ましい。本実施の形態1では前者のみならず後者の位置情報も含むものとし、ジョイントの位置変化、ボーンの位置、長さ等の変化に応じて、各頂点は相対的な位置関係を維持しつつ位置が変化するものとする。
【0023】
骨格情報とは、人体における骨格等に相当する、3次元コンピュータグラフィックスにおいて動作を作出する際などにおいて基準となる内部構造に関する情報である。情報の形式としては、人体における骨格構造と同様に所定の太さ、大きさを有する骨や関節に相当する具体的部位からなる骨格構造としてもよいが、いわゆるスケルトンと称される、人体における関節等に相当するジョイント(点として表現される。)と、ジョイント間に位置し、人体における骨に相当するボーン(線として表現される。)の集合によって表現される形式とすることが望ましい。ただし、本発明の適用対象がこれらの情報形式に限定されることはなく、関節等のように平行移動・回転移動可能であると共に隣接部分との関係で支点としても機能する部分(本発明ではこれらを総称して「ジョイント」という。)と、骨等のように平行移動・回転移動のみ可能とした部分(これらを総称して「ボーン」という。)に関する情報によって構成されたものであれば、他の形式であってもよい。
【0024】
関連性情報とは、骨格構造と表面形状との間の関連性を規定する情報であり、より具体的には、骨格構造に含まれるジョイント、ボーンの動作に対し、表面形状を形成する各頂点がどの程度追従して動作するかについて規定する情報である。仮に表面形状がジョイント、ボーンの動作に100%追従する構成の場合、人間等のキャラクターであるにもかかわらずブリキ製ロボットのような動作となり現実感に乏しいキャラクターとなってしまう。そのため、人物等の3次元コンピュータグラフィックスを生成する際には、表面形状の各部分ごとに、近接するボーン、ジョイントの移動に対しどの程度追従するかに関する情報を予め設定することが望ましい。本実施の形態1においても、表面形状情報を構成する各頂点に関して、これと近接するボーン及び/又はジョイントに対する追従性を示す数値情報を設定したものを関連性情報として設定する。なお、関連性情報の生成作業はスキニング処理、ウェイト編集等と称され関連性情報についてもウェイト値が一般に使用されるところ、本発明における関連性情報はこれらに限定されることはなく、上述の条件を満たす情報全てを含むこととする。
【0025】
汎用素体とは、利用者の体型の3次元データを生成するための材料であって、具体的には、例えば平均的な体格からなる人体の3次元コンピュータグラフィックス情報である。汎用素体は、3次元の表面形状に関する表面形状情報と、動作等を制御するための骨格構造に関する骨格情報と、表面形状と骨格構造の間の関連性に関する情報である関連性情報とを備える。利用者の撮像データから抽出された表面形状情報及び骨格情報を汎用素体に適用し、両者間の関係をもとより備わる関連性情報にて規定することによって、利用者の体型データが構成される。
【0026】
次に、体型データ生成部1の各構成要素について説明する。まず、撮影部7は、利用者の体型データの元画像となる3次元画像を取得するためのものである。具体的には、撮影部7は、被写体に対し複数の異なる方向から画像を取得する機能を有し、これらの画像を合成することによって被写体に関する3次元画像を生成する。具体的な構成としては、全方向から一度に画像を取得する多数のカメラ及び多数のカメラによって取得された画像に対する合成処理を行う電子計算機を備えたものが好適であるが、例えば、単一もしくは少数のカメラを撮影時に適宜移動させることによって全方向から画像を取得する構成等とすることも可能である。
【0027】
形状情報生成部8は、撮影部7にて取得された利用者の撮像データに基づき、利用者の表面形状に関する情報である3次元の表面形状情報を生成するためのものである。形状情報生成部8が生成する表面形状情報は、表面形状に対応して配置された複数の頂点の位置情報を含んで構成された情報をいい、3次元画像データの分析処理を自動的に、あるいは半自動的に行うことによって生成される。
【0028】
2次元画像生成部9は、形状情報生成部8にて生成された3次元の表面形状情報に基づき2次元画像を生成するためのものである。2次元画像として2次元マッピング情報を生成する扱いとしてもよいが、本実施の形態1においては、3次元の表面形状情報を、1方向に投影することによって2次元画像を生成することとする。
【0029】
特徴点抽出部10は、2次元画像生成部9にて生成された2次元の形状情報に基づき、骨格構造に対応した特徴点の位置を抽出するためのものである。特徴点抽出部10は、姿勢推定技術等の2次元画像分析技術を利用することにより、例えば対象となる人物について、首、肩、肘、手首、指先、腰、膝、足首等の関節等を示す内部構造上の特徴点の位置を判定する。なお、特徴点抽出部10の具体的構成としては、例えば深層学習、機械学習等によって実現した他の画像認識技術を利用してもよいし、複数の画像認識技術を組み合わせたものとしてもよい。また、判定対象の2次元画像についても、1方向に投影した1つの2次元画像のみならず、異なる方向に投影した他の2次元画像も併用して特徴点分析を行うこととしてもよい。
【0030】
特徴点付加部11は、特徴点抽出部10にて抽出された特徴点に関する情報を、表面形状に関する3次元の表面形状情報に付加するためのものである。本実施の形態1においては、特徴点付加部11は、特徴点に関する情報として、特徴点の位置と及び意義(肩に対応した点である、膝関節に対応する点である、等)に関する情報を付加する機能を有する。
【0031】
例えば、3次元画像データにおける人物等の顔面に対する法線方向をZ軸とし、これと直交する2軸(例えば、人物が直立する方向と両目の目尻間を結んだ直線方向)をX軸、Y軸と設定する。このように設定すると、Z軸正方向の投影図である2次元画像にて特定された特徴点のX座標及びY座標は、そのまま3次元画像データにおけるX座標及びY座標に相当する。
【0032】
また、関節等を示す内部構造上の特徴点の場合のZ座標は、当該X座標、Y座標に位置する外表面上の点(2か所)のZ座標Z1、Z2(Z1<Z2とする)を用いてZ1<Z<Z2と表現される。特徴点付加部11においては、例えば、簡易な位置特定を用いる場合は外表面上の点(2か所)の中点((Z1+Z2)/2)とする。また、特定の特徴点についてZ座標に関する統計データ等の情報がある場合は、それに従って(aZ1+bZ2)/(a+b)(a、bは統計データ等によって導かれる定数)のように表現してもよい。また、特徴点抽出部10において、投影方向の異なる複数の2次元画像によって特徴点の位置を分析した場合、例えばZ軸方向と直交する方向であるY軸方向に投影した2次元画像を分析すれば、特徴点のZ座標を具体的に把握することが可能である。このように、複数の2次元画像を分析することによって、特徴点の位置情報を3次元のものに変換する態様としてもよい。
【0033】
骨格対応関係判別部12は、3次元の位置情報を付された特徴点のうち内部構造上の特徴点について、汎用素体における骨格構造すなわちジョイント・ボーンとの対応関係について判別するためのものである。具体的には、骨格対応関係判別部12は、利用者の3次元の表面形状全体に対する特徴点の位置と、汎用素体中の表面形状全体に対するジョイント・ボーンの位置とを比較対照することによって、ある内部構造に関する特徴点が、汎用素体中の骨格構造のどの構成要素に対応するものであるかについて、判別処理を行う。
【0034】
汎用素体中の骨格構造の構成要素に対応する特徴点が抽出されていない場合は、骨格対応関係判別部12によって、対応するべき特徴点の存在及び位置を推測する。例えば、特徴点抽出部10が左膝に相当する特徴点を抽出した一方で、右膝に相当する特徴点を抽出しなかった場合、骨格構造において人体が左右対称性を有する点を利用して、利用者の3次元の表面形状における右膝に相当する特徴点を抽出した上で、汎用素体中の骨格構造との対応関係を判別する。具体的には、右膝のように人体の正中線から離れた場所に位置する特徴点の場合は、正中線に対し、左膝と対称の位置に特徴点が位置するものとして、3次元の表面形状中における位置を決定する。
【0035】
骨格調整部13は、汎用素体の骨格情報を、ジョイント・ボーン等の構成要素間の接続関係を維持しつつ、特徴点抽出部10によって抽出された内部構造に関する特徴点の分布に整合するように、骨格情報を構成するジョイント及びボーンの位置を調整するためのものである。骨格調整部13は、利用者の表面形状情報の内部構造に関する特徴点と対応する素体中のジョイント・ボーンを判定し、当該ジョイント・ボーンの位置情報を、対応する特徴点と同様の位置情報に変換する。利用者の表面形状情報の内部構造に関する特徴点との対応関係が判明しなかったジョイント・ボーンに関しては、基準素体内におけるジョイント・ボーン相互間の接続関係を維持しつつ、対応関係が判明したジョイント・ボーンの位置変化に応じた位置変化を行う。例えば、特徴点抽出部10によって右肩、右手先に相当する内部構造上の特徴点が抽出され、右肘に相当する特徴点が抽出されなかった場合右肩、右手先に相当するジョイントの位置情報が対応する特徴点の位置情報に変換されると共に、それらの間に位置する右肘に相当するジョイントは、右肩、右手先との内分比率を維持するように位置情報が変換される。
【0036】
具体的には、骨格調整部13は、特徴点抽出部10によって抽出され、特徴点付加部11によって3次元的な位置情報に変換された内部構造に関する特徴点の情報と、汎用素体における骨格情報とを比較し、互いの対応関係、例えば、内部構造に関する特定の特徴点A、B、C・・・は、それぞれ、汎用素体における骨格情報を構成するジョイント1、2、3・・・に相当するといった関係性を導出する。その上で、骨格調整部13は、汎用素体中の骨格構造の位置関係を、内部構造に関する特徴点の位置関係と一致するよう、移動させる。上記の例でいうと、汎用素体におけるジョイント1の位置(x、y、z)、ジョイント2の位置(x、y、z)・・・を、それぞれ対応する内部構造に関する特徴点Aの位置(X、Y、Z)、特徴点Bの位置(X、Y、Z)・・・に移動させる。ジョイントの移動に伴い、ジョイント間に形成されるボーンの位置、形状(長さ)も変化し、さらに、ジョイント及びボーンとの相対的な位置関係の情報を保有する、汎用素体の表面形状に関する情報を形成する頂点についても、ジョイントの移動に応じた位置変化がなされる
【0037】
また、特徴点抽出部10によって抽出できない特徴点が存する場合でも、骨格調整部13は、対応特徴点が存しないジョイント・ボーンを削除することなく、かつ、ジョイント・ボーン間の接続関係を維持しつつ、抽出した特徴点の分布に整合するように、これらのジョイント・ボーンについても位置調整を行う。かかる機能により、汎用素体のコンピュータグラフィックスとしての機能を損なうことなく、ジョイント・ボーンの位置返変換処理が行われる。
【0038】
以上の骨格調整部13による処理により、汎用素体は、利用者の3次元的な表面形状情報と、腕の長さ、足の長さ、胴の長さ、肩幅等の骨格構造に起因した部分がほぼ一致する内容に変化する。
【0039】
表面調整部14は、骨格調整部13によって骨格構造の位置調整がなされた汎用素体の表面形状を構成する頂点及び/又は面の位置を変化させて、汎用素体の表面形状を、利用者の外表面形状と同一化させるためのものである。
【0040】
具体的には、表面調整部14は、最初に、汎用素体の表面形状を構成する各頂点と、利用者の3次元画像データについて形状情報生成部8によって生成された形状情報に含まれる各頂点とを対比し、汎用素体の各頂点α、β、γ・・・が、3次元画像データに基づく表面形状に含まれる各頂点a、b、c・・・に相当する、といった対応関係を導出する。その上で、表面調整部14は、汎用素体の表面形状情報に含まれる頂点の位置関係を、これに対応する利用者の表面形状情報における頂点の位置関係と一致するよう、移動させる。上記の例でいうと、汎用素体の頂点αの位置(xα、yα、zα)、頂点β(xβ、yβ、zβ)・・・を、それぞれが対応する3次元画像データに基づく外表面形状の頂点aの位置(X、Y、Z)、頂点b(X、Y、Z)・・・に移動させる。頂点の移動に伴い、頂点間を結ぶ辺、3本以上の辺によって構成される面(ポリゴン)、面の集合(メッシュ)の位置、形状も変化する。
【0041】
頂点間の対応関係導出について、本実施の形態1では次の手法を用いる。まず、汎用素体と3次元画像データに基づく表面形状情報について、それぞれを同一空間上にて、骨格構造の位置関係が一致する態様にて配置する。次に、汎用素体の表面形状を構成する面(ポリゴン)のそれぞれについて、法線方向に位置する3次元画像データに基づく表面形状の面(ポリゴン)を探索し、最も距離が近いものを対応面として特定する。そして、対応面を構成する頂点のうち、汎用素体における面を構成する頂点と最も距離が近いものを対応する頂点として特定し、この作業を全ての頂点に関して行う。
【0042】
なお、汎用素体の表面形状を構成する各頂点の一部において利用者の表面形状情報を構成する頂点との対応関係が判明しない場合は、当該各頂点の一部については、周囲の頂点移動に応じて、相互の位置関係を維持しつつ移動する。以上の表面調整部14の処理により、汎用素体は、利用者の3次元画像データと、3次元的な表面形状においてほぼ一致する内容に変化する。
【0043】
また、表面調整部14による処理としては、頂点の移動によるものの他に面の位置を調整する方法も有効である。例えば、汎用素体の表面形状を構成する面(ポリゴン)のそれぞれについて、法線方向に位置する利用者の3次元画像データに基づく表面形状の面(ポリゴン)を探索し、最も距離が近いものを対応面として特定する。その後、汎用素体の表面形状を構成する面を対応面の場所まで移動し、かつ、面の向きを対応面の向きと一致するよう回転させる。以上の処理によって、汎用素体について、利用者の3次元画像データと、3次元的な表面形状においてほぼ一致する態様に変化させることが可能である。
【0044】
なお、表面調整部14の処理において、骨格情報と表面形状情報の関係性を規定する関連性情報は変化することなくそのまま維持される。関連性情報は、骨格構造に含まれるジョイント、ボーンと表面形状を構成する頂点との間の関連性を示す情報であるところ、ジョイント、ボーン、頂点共に、3次元画像データに一致させるよう位置が移動するのみであってそれぞれの同一性を喪失することがないため、これらの相関関係を示す関連性情報が変化することはない。
【0045】
したがって、表面調整部14の処理が完了した時点で、汎用素体は骨格構造、3次元的な表面形状及び骨格構造と表面形状の間の関連性情報の全てを維持しつつ、骨格構造において利用者の体型の内部構造の特徴点の位置と整合性を有し、かつ、表面形状において利用者の表面形状とほぼ一致し、かつ、表面形状と骨格構造の関連性情報を完全に具備した3次元コンピュータグラフィックスとなり、これをもって利用者の体型データが完成する。
【0046】
次に、目標体型選択部2について説明する。目標体型選択部2は、トレーニングの目標とする体型に関するデータである目標体型を選択するためのものである。具体的には、目標体型選択部2は、目標体型データベース6に記録された体型データを表示し、表示された体型データの中から選択されたものを目標体型に設定する機能を有する。目標体型選択部2の具体的構成としては、例えば目標体型データベース6に記録された体型データを入力して視覚的に表示する画像表示装置と、表示された体型データのうち目標体型データとすべきものを選択するためのポインティングデバイスとを備えたものが好ましい。なお、画像表示装置としてはホログラムのように体型データを3次元的に表示するものでもよいし、2次元の表示画面上で視覚的に表示した体型データを拡大・縮小、回転等の操作を可能とすることで利用者に体型データの3次元形状を認識させる構成としてもよい。また、比較のため利用者自身の体型データを一緒に表示することとしてもよいし、比較を容易にするために目標体型データベース6から入力された体型データと、利用者自身の体型データとを重ね合わせて(例えば、骨格調整部17によって両体型データの骨格構造が一致するよう調整した後の体型データを、骨格構造を一致させた態様にて)表示することとしてもよい。
【0047】
目標体型データベース6は、目標体型選択部2及び差分情報導出部3に対して出力する体型データについて記録するものである。記録される体型データの形式としては、体型データ生成部1にて生成される利用者の体型データと同形式であることが望ましい。また、記録する体型データは既存のものであってもよいし、利用者の体型データと同様に、体型データ生成部1によって生成されたものを記録してもよい。
【0048】
差分情報導出部3は、目標体型選択部2にて選択された目標体型データと利用者の体型データである基準体型データを比較し、両体型データ間の差分情報を導出するためのものである。差分情報導出部3は、目標体型データ中の骨格構造を基準体型データの骨格構造に一致させるよう調整を行う骨格調整部17と、骨格構造の調整済みの両体型データ間の表面形状の比較を行う形状比較部18と、形状比較部18によって得られた比較結果に基づき差分情報を生成・出力する差分情報出力部19とを備える。
【0049】
骨格調整部17は、目標体型データと基準体型データを比較する前提として、目標体型データにおける骨格構造を構成するジョイント、ボーンの位置を、基準体型データにおけるジョイント、ボーンの位置と一致するよう調整する機能を有する。具体的構成は骨格調整部13と同様のものであり、骨格調整部17は、目標体型データ中のジョイント・ボーンの位置情報を、対応する基準体型データ中のジョイント・ボーンの位置情報に変換する機能を有する。なお、本実施の形態1にかかる表面形状情報は骨格構造に対する相対的な位置に関する情報も含んでおり、また、骨格構造と表面形状間の関連性を規定する関連性情報も存在することから、ジョイント・ボーンの位置調整に応じて、表面形状を構成する各頂点は相対的な位置関係を維持しつつ自らの位置を変化させることとなる。そのため、骨格調整部17による調整の結果として、目標体型データにおける骨格的特徴、例えば身長、腕の長さ、足の長さ、指の長さ等が、基準体型データのものと整合するよう変化する。
【0050】
形状比較部18は、骨格由来の体格的特徴が整合した目標体型データと基準体型データとを比較するためのものである。具体的には、形状比較部18は、目標体型データ及び基準体型データの表面形状を構成する各頂点について、互いに対応関係にある頂点(基準体型データ、目標体型データ共に汎用素体によって形成されているため、汎用素体において同一頂点とされていたものが、互いに対応関係にある頂点となる。)間の位置関係に関する情報を導出する。
【0051】
差分情報出力部19は、差分情報を出力するためのものである。差分情報の内容としては、形状比較部18によって判定された、目標体型データと基準体型データの表面形状情報のうち互いに対応関係にある頂点の位置関係そのものとしてもよいが、本実施の形態1では、表面形状のうち筋力トレーニングによる形状変化が見込まれる特定部位に対応した頂点群に関する差分情報、より具体的には胸囲、腹回り、腕回り、太もも回り等の部位の計測値(数値情報)の差分値の絶対値を差分情報として出力するものとする。
【0052】
次に、トレーニング提案部5について説明する。トレーニング提案部5は、差分情報出力部19より出力された差分情報に基づき、基準体型データの表面形状が目標体型データの表面形状に接近するために有用なトレーニング方法を選択するトレーニング方法選択部21及び選択されたトレーニング方法の具体的なメニューを導出するトレーニングメニュー導出部22を備える。
【0053】
トレーニング方法選択部21は、差分情報に記述された情報のうち特定部位に対応した頂点群間の位置関係から導出される差分情報に基づき、基準体型データの表面形状を目標体型データの表面形状に変化させるために有用なトレーニング方法を選択するためのものである。具体的には、トレーニング方法選択部21は、差分情報から導出される胸囲、腹回り、腕回り、太もも回り等の特定部位に関する目標体型データと基準体型データの差分値の絶対値が所定の第1の閾値以上である場合に、トレーニングデータベース4に記録されたトレーニング方法の中から、当該特定部位の筋力の増大に有用なトレーニング方法を選択する。例えば、胸囲の差が第1の閾値以上の場合には腕立て伏せ、ベンチプレス等のトレーニング方法を選択し、太もも回りの差が第1の閾値以上の場合にはスクワット、デッドリフト等のトレーニング方法を選択する。なお、トレーニング方法によっては対象となる特定部位以外の部位の筋力増強効果を生じるものもあるため、複数のトレーニング方法を選択できるケースにおいては、トレーニング方法選択部21は、差分値の絶対値が第1の閾値未満の部位への影響が少ないものを選択する機能を有することが好ましい。
【0054】
トレーニングメニュー導出部22は、トレーニング方法選択部21にて選択されたトレーニング方法の具体的なメニュー(負荷、1セットあたりの回数、セット数、頻度等)を導出するためのものである。具体的には、トレーニングメニュー導出部22は、特定部位における差分情報の具体値と、予め設定されているトレーニング期間と、基準メニューにてトレーニング方法を実施した場合の筋肥大の程度に基づき、トレーニング期間内にて特定部位における表面形状が目標体型データのものと一致する程度にまで筋肥大するのに必要なトレーニングメニューを導出する。
【0055】
トレーニングデータベース4は、トレーニング方法について記録するためのものである。具体的には、トレーニングデータベース4は、トレーニング方法について、どの特定部位の筋肥大に効果があるのかの情報に加え、当該トレーニングを基準メニューにて所定期間だけ実施した場合の標準的な筋肥大効果に関する情報が記録されている。前者の情報がトレーニング方法選択部21によって使用され、後者の情報がトレーニングメニュー導出部22によって使用される。
【0056】
次に、本実施の形態1にかかるトレーニング管理システムの動作のうち、差分情報の導出及びトレーニングメニューの導出処理について説明する。まず、選択された目標体型データについて、骨格構造が利用者の基準体型データと整合するよう骨格調整処理を行う(ステップS101)。具体的には、骨格調整部17において基準体型データにおける骨格情報を抽出してジョイント、ボーンの位置情報を把握し、これに整合するように目標体型データの骨格情報を変換する。本ステップの処理により、目標体型データにおける身長等の骨格的特徴が基準体型データのものと一致するよう変化する。
【0057】
その後、骨格的特徴を一致させた状態にて目標体型データと基準体型データを対比して、特定部位に関する差分情報を導出する(ステップS102)。具体的には、形状比較部18において、目標体型データと基準体型データとを骨格構造が重なるように表示した上で、3次元的な表面形状を比較し両体型にて対応する頂点同士の位置関係に関する情報を導出し、これに基づき差分情報出力部19にて特定部位に関する差分情報を出力する。
【0058】
その後、特定部位における差分情報が第1の閾値以上であるか否かの判定を行い(ステップS103)、第1の閾値以上であった場合(ステップS103、Yes)には、トレーニング方法を選択し(ステップS104)、選択したトレーニング方法における具体的なトレーニングメニューを導出する(ステップS105)。
【0059】
トレーニングメニューの導出が終了した後、あるいは差分情報が第1の閾値未満であった場合(ステップS103、No)には、全ての特定部位に関する処理が終了したか否かの判定を行い(ステップS106)、終了していない場合(ステップS106、No)には、ステップS102に戻って他の特定部位に関する処理を行う。
【0060】
すべての特定部位に関する処理が終了した場合(ステップS106、Yes)には、全ての特定部位のうち差分情報が第1の閾値以上のものについてトレーニング方法及びトレーニングメニューの内容を出力し(ステップS107)、全ての処理が終了する。
【0061】
次に、本実施の形態1にかかるトレーニング管理システムの利点について説明する。まず、本実施の形態1にかかるトレーニング管理システムは、利用者にとって煩雑な情報入力等を行わなくても効果的なトレーニングメニューを作成できるという利点がある。例えば、本実施の形態1では、目標については視覚的に図示された体型データの中から自らが希望する体型を選択するのみで設定され、トレーニングメニューについても、目標体型データとの相違点に着目して自動的に導出されている。このため、本実施の形態1にかかるトレーニング管理システムは、利用者が煩わしい情報入力等を行うことなく適切なトレーニングメニューを取得できるという利点を有している。
【0062】
また、本実施の形態1にかかるトレーニング管理システムは、トレーニング目標とする体型のデータである目標体型データと、現時点での利用者のリアルな体型のデータである基準体型データに基づきトレーニングメニューを導出する構成としている。そのため、利用者の申告やトレーナーの判断等に基づくトレーニングの場合と比較して、本実施の形態1にかかるトレーニング管理システムは、利用者やトレーナーの主観に囚われずに客観的なトレーニングメニューを導出できるという利点がある。
【0063】
利用者が、自身の体型について過度に劣悪であるとか、逆に運動経験等に影響されて現実よりも体型が優れているとの錯覚に陥ることは珍しくなく、そのような錯覚に基づきトレーニングメニューを作成してトレーニングを行っても、目標体型に到達することは困難である。本実施の形態1ではそのような錯覚等が影響することはないため、本実施の形態1にかかるトレーニング管理システムは、利用者等の主観に左右されない客観的に適切な内容のトレーニングメニューを導出できるという利点を有する。
【0064】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかるトレーニング管理システムについて説明する。実施の形態2において、実施の形態1と同一名称かつ同一符号を付した構成要素に関しては、特に言及しない限り、実施の形態1における構成要素と同一の機能を発揮するものとする。
【0065】
図3に示すとおり、本実施の形態2にかかるトレーニング管理システムは、実施の形態1の構成要素に加え、トレーニング開始から一定期間が経過した時点におけるトレーニング方法等の調整を行うための構成を有する。具体的には、本実施の形態2にかかるトレーニング管理システムは、トレーニング開始時における利用者のデータを記録する初期状態記録部25と、初期状態記録部25に記録されたデータに基づきフィードバック時における利用者の基準体型データを予想する予想体型導出部26と、予想体型導出部26によって導出された予想体型データと、フィードバック時における利用者の実際の基準体型データである実体型データの比較結果に基づいてトレーニング効果情報を導出するトレーニング効果情報導出部27と、トレーニング効果情報に基づきトレーニング方法の変更・トレーニングメニューの調整を行うフィードバック部28とを備える。
【0066】
初期状態記録部25は、トレーニング開始時における利用者のデータを記録するためのものであり、具体的には、トレーニング開始時における利用者の基準体型データ、トレーニング方法及びトレーニングメニューを記録する。初期状態記録部25の具体的構成としては、トレーニングデータベース4、目標体型データベース6と同様のものを用いることが可能であり、これらと一体的に構成することとしてもよい。
【0067】
予想体型導出部26は、トレーニング開始時における利用者のデータに基づき、フィードバック時点での利用者の体型として予想される体型データである予想体型データを導出するためのものである。具体的には、予想体型導出部26は、初期状態記録部25に記録されているトレーニング開始時の基準体型データを前提として、トレーニング開始時に定めたトレーニング方法及びトレーニングメニューをフィードバック時まで継続的に実施した場合に生じるものと予想される筋肥大分を加算することによって、フィードバック時点における利用者の体型の予想値である予想体型データを導出する機能を有する。
【0068】
トレーニング効果情報導出部27は、予想体型導出部26によって導出された体型データと、フォードバック時点における利用者の実際の体型データである実体型データとを比較し、トレーニング方法及びトレーニングメニューが設定されている特定部位に関する双方の表面形状の相違に関する情報であるトレーニング効果情報を導出するためのものである。ここで実体型データは、体型データ生成部1によってトレーニング開始時に行ったものと同様の手法によって生成されるものとし、トレーニング効果情報導出部27は、体型データに包含される3次元的な表面形状のうちトレーニングメニューが設定されている特定部位に対応した領域の頂点について、対応関係にある頂点間の位置関係に基づき導出される。本実施の形態2においては、実施の形態1における形状比較部18と同様に、胸囲、腹回り、腕回り、太もも回り等の特定部位のうちトレーニングメニューが設定されている箇所に関する差分値(数値情報)を、トレーニング効果情報として導出する。
【0069】
フィードバック部28は、トレーニング効果情報導出部27が導出したトレーニング効果情報(本実施の形態2における差分値の絶対値)が所定の第2の閾値以上、第3の閾値未満となる特定部位について、トレーニングメニューを調整する機能を有する。具体的には、フィードバック部28は、対象となる特定部位に関して、実体型データが予想体型データよりも小さい(筋肥大の効果が低い)値の場合には、それまでのトレーニングメニューを筋肥大効果が大きくなるメニュー(例:負荷、1セットあたりの回数、セット数、頻度等を増加させる。)に変更し、実体型データが予想体型データよりも大きい(筋肥大の効果が大きい)値の場合には筋肥大効果が小さくなるメニューに変更する機能を有する。
【0070】
また、フィードバック部28は、トレーニング効果情報導出部27が導出した比較結果における差分値の絶対値が第3の閾値以上となった場合に、トレーニング方法そのものを調整する機能を有する。第3の閾値は、同一トレーニング方法におけるメニュー変更では筋肥大効果の差を補えない程度の差分値として設定されており、本実施の形態2にかかるトレーニング管理システムでは、かかる第3の閾値以上の差分値となった場合にメニュー調整ではなくトレーニング方法そのものを変更することとしている。フィードバック部28によってトレーニング方法そのものが変更された場合には、さらにトレーニング調整部28によって、当該トレーニング方法におけるトレーニングメニューの調整が行われることとなる。
【0071】
次に、本実施の形態2にかかるトレーニング管理システムの動作について説明する。まず、予想体型導出部26によって、トレーニング開始時の基準体型データにトレーニング実施による筋肥大分を加算した体型データを予想体型データとして導出する(ステップS201)。トレーニング開始時の基準体型データは初期状態記録部25に記録されたデータを用いるものとし、トレーニング実施による筋肥大分については、トレーニング開始時からフィードバック時に至るまで、初期状態記録部25に記録されたトレーニング方法及びトレーニングメニューどおりにトレーニングを実施した結果として予想される値とする。
【0072】
他方で、体型データ生成部1によって、フィードバック時における利用者の実際の体型データである実体型データを生成する(ステップS202)。実体型データの生成方法は、トレーニング開始時に利用者の基準体型データを生成するのと同じ方法にて行うものとする。
【0073】
そして、トレーニング効果情報導出部27によって、予想体型データと実体型データの比較を行う(ステップS203)。具体的には、体型データの表面形状のうち、トレーニング開始時にトレーニング方法及びトレーニングメニューが設定された特定部位に関する比較が行われ、トレーニング効果情報として、特定部位に関する体型データ間の差分値が出力される。
【0074】
その後、トレーニング効果情報としての差分値が第3の閾値以上であるか否かの判定を行い(ステップS204)、第3の閾値以上である場合(ステップS204、Yes)には、フィードバック部28によって、トレーニング方法の変更が行われ(ステップS205)、変更後のトレーニング方法に応じたトレーニングメニューの調整が行われる(ステップS206)。
【0075】
また、トレーニング効果情報が第3の閾値未満である場合(ステップS204、No)は、第3の閾値よりも小さい値である第2の閾値以上であるか否かの判定が行われる(ステップS207)。第2の閾値以上である場合(ステップS207、Yes)には、トレーニング効果を高めるためにトレーニングメニューの調整が行われる(ステップS208)。トレーニングメニューの調整(ステップS206、S208)が行われた後、あるいは第2の閾値未満と判定された場合(ステップS207、No)には、全ての特定部位に関する処理が終了したか否かを判定し(ステップS209)、終了していない場合(ステップS209、No)には、ステップS204に戻り他の特定部位に関する処理を行う。終了している場合(ステップS209、Yes)には、全ての特定部位に関する調整後のトレーニング方法及びトレーニングメニューを出力することで(ステップS210)、全ての処理が終了する。
【0076】
次に、本実施の形態2にかかるトレーニング管理システムの利点について説明する。本実施の形態2にかかるトレーニング管理システムは、トレーニングの途上において効果検証を行い、トレーニング効果が予想よりも低い場合にトレーニングメニューやトレーニング方法を調整できるよう構成されている。
【0077】
トレーニング開始時に設定したトレーニングメニュー・トレーニング方法にて期待される筋肥大効果は、あくまで統計上の一般的なデータに過ぎず、すべての利用者に対し正確に適用できるものではない。そのため、本実施の形態2にかかるトレーニング管理システムでは、一定期間経過後に効果検証を行ってトレーニング内容を調整することで、利用者の個性に応じた適正なトレーニング方法・トレーニングメニューを提供できるという利点を有する。
【0078】
また、本実施の形態2にかかるトレーニング管理システムは、差分情報に関して第2の閾値及びこれよりも大きい第3の閾値を基準として用いることで、よりきめ細やかなトレーニング方法・トレーニングメニューの調整を実現できるという利点を有する。すなわち、差分情報が第2の閾値未満となる特定部位に関しては、トレーニング開始時に設定したトレーニング方法・トレーニングメニューに問題がないとして変更はせず、第2の閾値以上、第3の閾値未満の場合には、トレーニング方法は変更しないものの、トレーニングメニューにおいてトレーニングの負荷、1セットあたりの回数、セット数、頻度を変更することで、トレーニング効果を調整することとしている。さらに、差分情報が第3の閾値以上の場合には、トレーニングメニュー調整のみでは足りないとの判断のもと、より筋肥大効果が大きいものと見込まれるトレーニング方法への変更を提案することとしている。このように第1、第3の閾値を基準とすることで、よりきめ細やかにトレーニング方法・トレーニングメニューの調整を行えるという利点が生ずる。
【0079】
以上、実施の形態において本発明の内容について説明したが、もとより本発明の技術的範囲は実施の形態に記載した具体的構成に限定して解釈されるべきではなく、本発明の機能を実現できるものであれば、上記実施の形態に対する様々な変形例、応用例についても、本発明の技術的範囲に属することはもちろんである。
【0080】
例えば、基準体型データ、目標体型データさらには予想体型データについて、実施の形態1、2で説明したように汎用素体を用いて生成するのではなく、3次元的な画像情報に基づき手作業あるいは何らかの自動処理を用いて表面形状、骨格構造及び両者間の関連性情報を生成することによって体型データを生成することとしてもよい。
【0081】
また、目標体型選択部2の構成についても、利用者が目標体型を選択する態様のみならず、利用者以外の第三者が選択する態様でもよい。さらには自動的に、例えば基3次元的な表面形状において準体型データとの相違点が少ない体型データを目標体型データとして選択する、あるいは利用者の属性(性別、年齢、人種、運動歴等)と共通する人物の体型データを目標体型データとして優先的に選択する、等の構成としてもよい。
【0082】
さらに、差分情報導出部3において導出する差分情報についても、胸囲、腹回りといった周状領域の測定値に関する情報に限定して解釈すべきではない。差分情報としては、例えば特定部位を構成する領域中の体積としてもよいし、スカラー量ではなくベクトル量としてもよい。
【0083】
また、差分情報を生成する対象となる「特定部位」について、胸囲、腹回りといった概括的な分類とするのみならず、例えば胸筋、背筋、上腕二頭筋といった筋肉ごととしてもよいし、さらには同一筋肉中でも複数領域に分けて特定部位とする扱いとしてもよい。
【0084】
さらに、トレーニング提案部5において、差分情報に基づいてトレーニング方法の選択及びトレーニングメニューの導出を行う際にも、差分情報の形態に応じて、単一の閾値を用いるのみならず複数の閾値にて判断を行う、ベクトル量の場合は方向も加味してトレーニングの要否を判断する等の態様としてもよい。
【0085】
また、実施の形態1、2ではトレーニング方法としてもっぱら筋力トレーニング、すなわち筋肥大を目的としたトレーニングを前提として説明を行っているが、筋肥大のためのトレーニング以外にも、体型を引き締めるためのトレーニング方法、例えば減量のための有酸素運動や食生活指導も、本発明におけるトレーニング方法に含まれるものと解釈してよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案する技術として利用可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 体型データ生成部
2 目標体型選択部
3 差分情報導出部
4 トレーニングデータベース
5 トレーニング提案部
6 目標体型データベース
7 撮影部
8 形状情報生成部
9 2次元画像生成部
10 特徴点抽出部
11 特徴点付加部
12 骨格対応関係判別部
13、17 骨格調整部
14 表面調整部
18 形状比較部
19 差分情報出力部
21 トレーニング方法選択部
22 トレーニングメニュー導出部
25 初期状態記録部
26 予想体型導出部
27 トレーニング効果情報導出部
28 フィードバック部
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理システムであって、
3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された、前記個人と共通する属性を有する人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出手段と、
前記差分情報導出手段によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案手段と、
を備えたことを特徴とするトレーニング管理システム。
【請求項2】
前記差分情報導出手段は、前記特定部位における表面形状の相違に関する前記差分情報として数値情報を導出し、
前記トレーニング提案手段は、前記差分情報の絶対値が第1の閾値以上の場合にトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出することを特徴とする請求項1記載のトレーニング管理システム。
【請求項3】
前記基準体型データに対し前記トレーニング方法及び前記トレーニングメニューを所定期間実施した場合の予想体型変化分を付加した3次元的な表面形状を含む予想体型データと、トレーニング開始から所定期間経過した時点における実際の体型データである実体型データにおいて、前記特定部位に対応した領域中に存在し、前記予想体型データと前記体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報であるトレーニング効果情報を導出するトレーニング効果導出手段と、
前記トレーニング効果情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニング方法の変更又は/及びトレーニングメニューの調整を行うフィードバック手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のトレーニング管理システム。
【請求項4】
前記トレーニング効果導出手段は、前記トレーニング効果情報として数値情報を導出し、
前記フィードバック手段は、前記トレーニング効果情報の絶対値が第2の閾値以上、第2の閾値よりも大きい第3の閾値未満の場合にトレーニングメニューの調整を行い、第3の閾値以上の場合にトレーニング方法を変更することを特徴とする請求項3記載のトレーニング管理システム。
【請求項5】
個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理方法であって、
3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された、前記個人と共通する属性を有する人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出ステップと、
前記差分情報導出ステップおいて導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案ステップと、
を含むことを特徴とするトレーニング管理方法。
【請求項6】
個人の体型データに基づきコンピュータにトレーニング方法及びトレーニングメニューの提案を行わせるトレーニング管理プログラムであって、
3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された、前記個人と共通する属性を有する人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出機能と、
前記差分情報導出機能によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案機能と、
を実現させることを特徴とするトレーニング管理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかるトレーニング管理システムは、個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理システムであって、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された、前記個人と共通する属性を有する人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出手段と、前記差分情報導出手段によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案手段とを備えたことを特徴とする。なお、トレーニング方法について、腕立て伏せ、スクワットのような自重トレーニング、バーベルを用いたウェイトトレーニングなどの筋肥大を目的としたトレーニングの他に、体型を引き締めるための具体的な有酸素運動や食生活指導もトレーニング方法に含まれるものとする。また、トレーニングメニューはトレーニング方法の具体的な実施内容(負荷、1セットあたりの回数、セット数、頻度等、有酸素運動であれば継続時間、インターバル、食生活指導であれば具体的な品目及び量)を意味する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、上記目的を達成するため、請求項3にかかるトレーニング管理システムは、上記の発明において、前記基準体型データに対し前記トレーニング方法及び前記トレーニングメニューを所定期間実施した場合の予想体型変化分を付加した3次元的な表面形状を含む予想体型データと、トレーニング開始から所定期間経過した時点における実際の体型データである実体型データにおいて、前記特定部位に対応した領域中に存在し、前記予想体型データと前記体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報であるトレーニング効果情報を導出するトレーニング効果導出手段と、前記トレーニング効果情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニング方法の変更又は/及びトレーニングメニューの調整を行うフィードバック手段とを備えたことを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、上記目的を達成するため、請求項4にかかるトレーニング管理システムは、上記の発明において、前記トレーニング効果導出手段は、前記トレーニング効果情報として数値情報を導出し、前記フィードバック手段は、前記トレーニング効果情報の絶対値が第2の閾値以上、第2の閾値よりも大きい第3の閾値未満の場合にトレーニングメニューの調整を行い、第3の閾値以上の場合にトレーニング方法を変更することを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、上記目的を達成するため、請求項5にかかるトレーニング管理方法は、個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理方法であって、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された、前記個人と共通する属性を有する人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出ステップと、前記差分情報導出ステップおいて導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案ステップとを含むことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、上記目的を達成するため、請求項6にかかるトレーニング管理プログラムは、個人の体型データに基づきコンピュータにトレーニング方法及びトレーニングメニューの提案を行わせるトレーニング管理プログラムであって、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された、前記個人と共通する属性を有する人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出機能と、前記差分情報導出機能によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案機能とを実現させることを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2021-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理システムであって、
3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出手段と、
前記差分情報導出手段によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案手段と、
複数の体型データについて記憶する目標体型データベースと、
前記目標体型データベースに記憶された複数の体型データから、前記個人と共通する属性を有し、3次元的な表面形状において基準体型データとの相違が少ない体型データを前記目標体型データとして選択する目標体型選択手段と、
を備えたことを特徴とするトレーニング管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理方法であって、
3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出ステップと、
前記差分情報導出ステップにおいて導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案ステップと、
目標体型データベースに記憶された複数の体型データから、前記個人と共通する属性を有し、3次元的な表面形状において基準体型データとの相違が少ない体型データを前記目標体型データとして選択する目標体型選択ステップと、
を含むことを特徴とするトレーニング管理方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
個人の体型データに基づきコンピュータにトレーニング方法及びトレーニングメニューの提案を行わせるトレーニング管理プログラムであって、
3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出機能と、
前記差分情報導出機能によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案機能と、
目標体型データベースに記憶された複数の体型データから、前記個人と共通する属性を有し、3次元的な表面形状において基準体型データとの相違が少ない体型データを前記目標体型データとして選択する目標体型選択機能と、
を実現させることを特徴とするトレーニング管理プログラム。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかるトレーニング管理システムは、個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理システムであって、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出手段と、前記差分情報導出手段によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案手段と、複数の体型データについて記憶する目標体型データベースと、前記目標体型データベースに記憶された複数の体型データから、前記個人と共通する属性を有し、3次元的な表面形状において基準体型データとの相違が少ない体型データを前記目標体型データとして選択する目標体型選択手段とを備えたことを特徴とする。なお、トレーニング方法について、腕立て伏せ、スクワットのような自重トレーニング、バーベルを用いたウェイトトレーニングなどの筋肥大を目的としたトレーニングの他に、体型を引き締めるための具体的な有酸素運動や食生活指導もトレーニング方法に含まれるものとする。また、トレーニングメニューはトレーニング方法の具体的な実施内容(負荷、1セットあたりの回数、セット数、頻度等、有酸素運動であれば継続時間、インターバル、食生活指導であれば具体的な品目及び量)を意味する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、上記目的を達成するため、請求項5にかかるトレーニング管理方法は、個人の体型データに基づきトレーニング方法及びトレーニングメニューを提案するトレーニング管理方法であって、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出ステップと、前記差分情報導出ステップにおいて導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案ステップと、目標体型データベースに記憶された複数の体型データから、前記個人と共通する属性を有し、3次元的な表面形状において基準体型データとの相違が少ない体型データを前記目標体型データとして選択する目標体型選択ステップとを含むことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、上記目的を達成するため、請求項6にかかるトレーニング管理プログラムは、個人の体型データに基づきコンピュータにトレーニング方法及びトレーニングメニューの提案を行わせるトレーニング管理プログラムであって、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様によって規定した個人の体型データである基準体型データと、3次元的な表面形状を複数の頂点及び頂点間の接続態様にて規定されトレーニング目標として選択された人物の体型データである目標体型データにおいて、特定部位に対応した領域中に存在し、前記基準体型データと前記目標体型データとで互いに対応関係にある頂点同士の位置関係に基づき、前記特定部位における表面形状の相違に関する情報である差分情報を導出する差分情報導出機能と、前記差分情報導出機能によって導出された差分情報に基づき、前記特定部位におけるトレーニングの要否、トレーニングを必要とする場合のトレーニング方法及びトレーニングメニューを導出するトレーニング提案機能と、目標体型データベースに記憶された複数の体型データから、前記個人と共通する属性を有し、3次元的な表面形状において基準体型データとの相違が少ない体型データを前記目標体型データとして選択する目標体型選択機能とを実現させることを特徴とする。