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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122513
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】吸音部材、及び輸送機器
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/16 20060101AFI20220816BHJP
   G10K 11/168 20060101ALI20220816BHJP
   G10K 11/172 20060101ALI20220816BHJP
   B63B 73/20 20200101ALI20220816BHJP
   B63B 3/20 20060101ALI20220816BHJP
   B63B 15/00 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
G10K11/16 130
G10K11/168
G10K11/172
B63B73/20
B63B3/20
B63B15/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019796
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】大和 禎
(72)【発明者】
【氏名】大平 丈夫
(72)【発明者】
【氏名】西野 宏
(72)【発明者】
【氏名】植田 貴彦
【テーマコード(参考)】
5D061
【Fターム(参考)】
5D061AA06
5D061AA16
5D061BB02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効果的に吸音できる吸音部材及び輸送機器を提供する。
【解決手段】吸音部材70は、板厚方向に貫通する複数の孔部80bを有する多孔板80と、多孔板の板面80aに設けられて、外部から電圧が印可されることで板面に沿う方向に伸縮する圧電素子90と、を備える。これにより、多孔板は撓むように面外方向に変位するため、音波が入射する孔部の孔径が物理的に変化した時と同様の作用を見かけ上得ることができる。したがって、多孔板が効果的に吸音できる音波の周波数帯の範囲及び分布を変化させることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板厚方向に貫通する複数の孔部を有する多孔板と、
該多孔板の板面に設けられて、外部から電圧が印可されることで該板面に沿う方向に伸縮する圧電素子と、
を備える吸音部材。
【請求項2】
前記多孔板は一対が互いに板面同士を対向させるように積層されており、
前記一対の多孔板は互いに異なる材料から形成されており、
前記圧電素子は、前記一対の板面同士の間に挟み込まれるように設けられている請求項1に記載の吸音部材。
【請求項3】
前記圧電素子は、前記板厚方向に貫通する貫通孔を有し、
前記圧電素子は、該圧電素子の前記貫通孔と前記多孔板の前記孔部とが互いに重なるように前記板面に設けられている請求項1又は2に記載の吸音部材。
【請求項4】
外板を有する輸送機器本体と、
該輸送機器本体の内部で、前記外板に沿って、かつ、該外板と間隔をあけて設けられた請求項1から3のいずれか一項に記載の吸音部材と、
を備える輸送機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸音部材、及び輸送機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、多孔板の孔部を主流の流通方向に対して傾斜させ、騒音低減効果(吸音性能)を向上させたガスタービン等に用いられる音響装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-155705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された音響装置の多孔板では、特定の周波数帯の音波が発生する空間において吸音性能が発揮される。主機や補機等の種々の機械が動作し、多種多様な周波数帯の音波が発生する船舶等の輸送機器内の空間では、効果的に吸音することが難しい場合がある。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、効果的に吸音できる吸音部材、及び輸送機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る吸音部材は、板厚方向に貫通する複数の孔部を有する多孔板と、該多孔板の板面に設けられて、外部から電圧が印可されることで該板面に沿う方向に伸縮する圧電素子と、を備える。
また、本開示に係る輸送機器は、外板を有する輸送機器本体と、該輸送機器本体の内部で、前記外板に沿って、かつ、該外板と間隔をあけて設けられた上記の吸音部材と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、効果的に吸音できる吸音部材、及び輸送機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る吸音部材を備えた船舶の模式的な縦断面図である。
図2図1に示す右舷側の舷側外板の船首尾方向に直交する断面を船尾から見た時の拡大図である。
図3】本開示の第一実施形態に係る吸音部材の構成を示した図である。
図4】本開示の第二実施形態に係る吸音部材の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一実施形態)
(船舶)
以下、本開示の実施形態に係る吸音部材70を備えた船舶100について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の輸送機器である船舶100は、船体10と、居住区20と、主機40と、を備えている。
【0010】
船体10は、舷側11と、船底12と、上甲板13と、を有している。
舷側11は、左右の舷側11をそれぞれ構成する一対の舷側外板60(外板)から構成されている。
船底12は、これら左右の舷側11同士を下部で接続する船底外板から構成されている。
【0011】
上甲板13は、船底12よりも上方で左右一対の舷側外板60を接続している。上甲板13は、船首から船尾にわたって延びる全通甲板としての乾舷甲板である。上甲板13は水平方向に延びている。
【0012】
船体10は、これら舷側11、船底12、及び上甲板13によって、船首尾方向Dに直交する断面形状が、内部に空間を形成する略箱状に形成されている。該船体10内における船尾側の部分は、機関室14とされている。船体10内における機関室14よりも船首側の部分は、機関室14と隔壁によって区画されたカーゴホールド15とされている。
本明細書文中の船首尾方向Dとは、船体10の船尾から船首にかけて延びる方向である。即ち、船首尾方向Dは、船舶100の航行方向(進行方向)である。
【0013】
居住区20は、船体10の上部から上方に向かって延びるように設けられている。居住区20は、船体10の上部における船尾側に設けられており、機関室14の上方に設けられている。居住区20は、複数階層をなしている。居住区20の上層には、船舶100を操縦するための操縦室21が設けられている。該操縦室21は、船舶100の前方を高所から見渡せるように構成されている。
【0014】
主機40は、船体10内の機関室14に配置されている。主機40の駆動によって、船体10の船尾の下方に設けられたスクリュー41が回転し、該スクリュー41の回転により、船舶100が船首尾方向Dに航行する。
【0015】
次に、図2及び図3を参照して、吸音部材70について説明する。図2は、図1に示す右舷側の舷側外板60の船首尾方向Dに直交する断面を船尾側から見た時の拡大図である。
【0016】
(吸音部材)
吸音部材70は、船体10の内部で、舷側外板60に沿って、かつ、該舷側外板60と間隔をあけて設けられており、多孔板80と、圧電素子90と、を備えている。吸音部材70は、舷側外板60に設けられたT字状のリブ75を介して、舷側外板60に沿って位置決めされている。したがって、吸音部材70は、舷側外板60との間に隙間Sを区画している。
【0017】
リブ75は、基部75bと、頭部75aと、を有する吸音部材70を位置決めするための部材である。基部75bは、多孔板80と舷側外板60との間隔を規定する部分であり、該基部75bの一端は舷側外板60に固定され、他端は頭部75aに接続されている。頭部75aは、基部75bに対してフランジ状をなす部分(T字の頭に相当)であり、該頭部75aの船体10外部側を向く一方は、基部75bの他端に接続され、船体10内部側を向く他方は、多孔板80の船体10外部側を向く板面80aに接合されている。
多孔板80は、板厚方向に貫通する複数の孔部80bが形成された板状の部材である。孔部80bは、略等間隔に複数の列をなして配置されている。
【0018】
圧電素子90は、多孔板80の板面80aに複数設けられている。圧電素子90は、多孔板80の一端に位置する一列の孔部80bに対してそれぞれ一つずつ略等間隔に設けられている。
【0019】
圧電素子90は、船体10内部に存在する不図示の電源装置から延びる不図示のケーブルによって、該電源装置と電気的に接続されており、各圧電素子90は外部から電圧が印加されることで面内方向Aに伸縮する。圧電素子90は、電源から入力された電気信号を物理的な運動に変換する機械要素であり、電気信号が入力されることで当該電気信号の電圧の大きさに応じた所定の長さで伸縮する。本明細書文中の面内方向Aとは、多孔板80の板面80aに沿う方向を意味しており、面外方向Bとは、多孔板80の板面80aに直交する方向を意味する。
【0020】
電源装置から圧電素子90へ出力される電気信号の電圧の大きさは船体10内部に存在する不図示のコンピュータによって好適に制御されている。即ち、コンピュータによって各圧電素子90の伸び量が好適に制御されている。
【0021】
圧電素子90は、所定の板厚(高さ)を有した状態で縦と横の寸法が略同一の正方形状に形成されており、中央部に板厚方向に貫通する貫通孔90aが形成されている。圧電素子90は、該圧電素子90の貫通孔90aと多孔板80の孔部80bとが互いに重なるように多孔板80の板面80aに設けられている。したがって、圧電素子90は、板面80aにおいて多孔板80の孔部80bを該孔部80bの周囲から囲っている。
【0022】
(作用効果)
続いて、本実施形態に係る吸音部材70の動作について説明する。多孔板80に設けられた各圧電素子90に電圧が印加されると、各圧電素子90は面内方向Aに伸びる。圧電素子90は、多孔板80の一端に位置する一列の孔部80bに対応して一列に設けられているため、各圧電素子90の面内方向Aの伸びにつられて、多孔板80は撓むように面外方向Bへ強制的な変位を起こす。
【0023】
この多孔板80の面外方向Bへの変位では、各孔部80bの孔径はほとんど変化しないが、音波が入射する孔部80bの孔径が物理的に大きくなった時と同様の作用を見かけ上得ることができる。つまり、該変位により、多孔板80が効果的に吸音できる音波の周波数帯の範囲及び分布を変化させることができる。したがって、多種多様な周波数帯の音波が発生する船体10内部の空間において、幅広い周波数帯に対応しながら効果的な吸音を実現することができる。
【0024】
また、上記の構成では、多孔板80の孔径を変化させる加工をする必要がない。これにより、孔部80bの周囲に圧電素子90を設けるという簡易な構成で、多孔板80が効果的に吸音できる音波の周波数帯を大きく変化させることができる。
【0025】
(第二実施形態)
以下、本開示の第二実施形態の吸音部材70の構成について図4を参照して説明する。第二実施形態では、吸音部材70が備える多孔板80及び圧電素子90の構成以外は第一実施形態と同様の構成をなしている。第一実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0026】
(吸音部材)
吸音部材70は、一対の多孔板80と、圧電素子90と、を備えている。
一対の多孔板80は、板厚方向に貫通する複数の孔部80bがそれぞれ形成された板状の部材であり、互いに板面80a同士が対向するように積層されている。孔部80bは、略等間隔に複数の列をなして配置されており、一対の多孔板80の孔部80b同士は板厚方向に重なっている。さらに、一方の多孔板80の孔部80bと他方の多孔板80の孔部80bとが重なることで一つの連通孔が形成されている。
また、一対の多孔板80は、互いに異なる材料から形成されており、一方の多孔板80の材料は鉄であり、他方の多孔板80の材料はFRPである。
【0027】
圧電素子90は、所定の板厚(高さ)を有した状態で縦と横の寸法が略同一の正方形状に形成されており、中央部に板厚方向に貫通する貫通孔90aが形成されている。圧電素子90は、一対の多孔板80の一端に位置する一列の連通孔に対してそれぞれ一つずつ略等間隔に設けられている。より詳しくは、圧電素子90は、該圧電素子90の貫通孔90aと各多孔板80の孔部80bとが互いに重なるように、一対の多孔板80の対向する板面80a同士の間に挟み込まれるように設けられている。したがって、圧電素子90は、一対の板面80a同士の間において各多孔板80の孔部80bを該孔部80bの周囲から囲っている。
【0028】
(作用効果)
続いて、本実施形態に係る吸音部材70の動作について説明する。上記の構成では、多孔板80に設けられた圧電素子90に電圧が印加されると、圧電素子90は面内方向Aに伸びる。圧電素子90は、多孔板80の一端に位置する一列の連通孔に対応して一列に設けられているため、一対の多孔板80は各圧電素子90の面内方向Aへの伸びにつられて、撓むように面外方向Bへ強制的な変位を起こす。
ここで、一対の多孔板80は、互いに異なる材料から形成されているため、材料の硬さが互いに異なる。即ち、面外方向Bへの変位量が多孔板80間で互いに異なるため、音波が入射する孔部80bの見かけ上の孔径の大きさが一対の孔部80b間において異なる。
【0029】
この一対の多孔板80の面外方向Bへの変位では、一対の多孔板80の各孔部80bの孔径はほとんど変化しない。各孔部80bの孔径はほとんど変化しないが、音波が入射する孔部80bの孔径が物理的に大きくなり、かつ、連通孔はいわゆるザグリ加工が施された時と同様の作用を見かけ上得ることができる。つまり、該変位により、連通孔内部を通過する音波の吸音を2自由度で制御することが可能となり、多孔板80が効果的に吸音できる音波の周波数帯の範囲及び分布を大きく変化させることができる。したがって、多種多様な周波数帯の音波が発生する船体10内部の空間において、幅広い周波数帯に対応しながら効果的な吸音を実現することができる。
【0030】
また、上記の構成では、多孔板80の孔径を変化させる加工をする必要がない。これにより、連通孔の周囲に圧電素子90を設けるという簡易な構成で、多孔板80が効果的に吸音できる音波の周波数帯を大きく変化させることができる。
【0031】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は各実施形態の構成に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本開示は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0032】
なお、上記の実施形態では、圧電素子90が多孔板80の一部(一列)の孔部80bに設けられているが、多孔板80の全部の孔部80bに圧電素子90が設けられていてもよい。これにより、圧電素子90間で印加電圧の大きさを変化させることで、多孔板80の部位によって変位量を異ならせることができる。したがって、より広い周波数帯でユニークに吸音することができ、吸音性能を高めることができる。
【0033】
また、上記の実施形態では、圧電素子90が正方形状に形成されているが、正方形状に限定されることはなく、適宜の形状で形成してよい。
【0034】
また、上記の第二実施形態では、2種類の材料から形成されている多孔板80を組み合わせて一対の多孔板80としているが、それぞれ相異なる材料で形成された3つ以上の多孔板80を組み合わせ、各多孔板80の板面80a同士の間に圧電素子90を設ける構成であってもよい。これにより、より広い周波数帯で吸音することができ、吸音性能を高めることができる。
【0035】
また、上記の第二実施形態では、一対の多孔板80のうち一方の材料は鉄であり、他方の材料はFRPとされているが、これらの材料に限定されることはない。一対の多孔板80には互いに異なる適宜の材料を用いてよい。
【0036】
また、上記第一実施形態及び第二実施形態で説明された吸音部材70の構成は、それぞれ独立した構成に留まることはなく、適宜組み合わせて吸音部材70を構成してもよい。
【0037】
また、上記の実施形態で説明された吸音部材70は、船舶100の舷側外板60に設けられる吸音部材70であるが、船底外板に設けられてもよい。
また、上記の実施形態で説明された吸音部材70は、船舶100に限られることはなく、水中航走体や、航空機、自動車、鉄道車両等の外板を有する他の輸送機器に用いられてもよい。
【0038】
<付記>
実施形態に記載の吸音部材70、及び輸送機器は、例えば以下のように把握される。
【0039】
(1)第1の態様に係る吸音部材70は、板厚方向に貫通する複数の孔部80bを有する多孔板80と、該多孔板80の板面80aに設けられて、外部から電圧が印可されることで該板面80aに沿う方向に伸縮する圧電素子90と、を備える。
【0040】
これにより、多孔板80は撓むように面外方向Bに変位するため、音波が入射する孔部80bの孔径が物理的に変化した時と同様の作用を見かけ上得ることができる。したがって、多孔板80が効果的に吸音できる音波の周波数帯の範囲及び分布を変化させることができる。
【0041】
(2)第2の態様に係る吸音部材70は、(1)の吸音部材70であって、前記多孔板80は一対が互いに板面80a同士を対向させるように積層されており、前記一対の多孔板80は互いに異なる材料から形成されており、前記圧電素子90は、前記一対の板面80a同士の間に挟み込まれるように設けられていてもよい。
【0042】
これにより、一対の多孔板80の面外方向Bへの変位量が多孔板80間で互いに異なるため、一対の孔部80bによって形成される連通孔は、いわゆるザグリ加工が施された時と同様の作用を見かけ上得ることができる。つまり、連通孔内部を通過する音波を2自由度で制御することが可能となる。したがって、一対の多孔板80が効果的に吸音できる音波の周波数帯の範囲及び分布を大きく変化させることができる。
【0043】
(3)第3の態様に係る吸音部材70は、(1)または(2)の吸音部材70であって、前記圧電素子90は、前記板厚方向に貫通する貫通孔90aを有し、前記圧電素子90は、該圧電素子90の前記貫通孔90aと前記多孔板80の前記孔部80bとが互いに重なるように前記板面80aに設けられていてもよい。
【0044】
これにより、圧電素子90が多孔板80の孔部80bを塞ぐことなく多孔板80を好適に面外方向Bへ変位させることができる。したがって、より効果的に吸音することができる。
【0045】
(4)第4の態様に係る輸送機器は、外板を有する輸送機器本体と、該輸送機器本体の内部で、前記外板に沿って、かつ、該外板と間隔をあけて設けられた(1)から(3)のいずれかの吸音部材70と、を備える。
【0046】
これにより、効果的に吸音できる輸送機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0047】
10…船体 11…舷側 12…船底 13…上甲板 14…機関室 15…カーゴホールド 20…居住区 21…操縦室 40…主機 41…スクリュー 60…舷側外板(外板) 70…吸音部材 75…リブ 75a…頭部 75b…基部 80…多孔板 80a…板面 80b…孔部 90…圧電素子 90a…貫通孔 100…船舶 A…面内方向 B…面外方向 D…船首尾方向 S…隙間
図1
図2
図3
図4