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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122575
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】物品管理タグ
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/07 20060101AFI20220816BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
G06K19/07 230
B65G61/00 432
G06K19/07 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019906
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】水流 慶太郎
(57)【要約】
【課題】複数の物品が存在する環境において、環境の影響を受けずに管理対象となる物品を簡易な構成で管理する。
【解決手段】管理対象物品に取り付けられ、予め付与されたタグIDを非接触通信によって送信することで管理対象物品を管理するための物品管理タグ1であって、ベース基材10と、ベース基材10に設けられた非接触通信用のアンテナ12と、ベース基材10に設けられ、光の受光を検知する受光素子13と、受光素子13における受光の検知状態を検出し、その検出結果を非接触通信時にタグIDとともにアンテナ12を介して送信するICチップ11とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象物品に取り付けられ、予め付与された識別情報を非接触通信によって送信することで前記管理対象物品を管理するための物品管理タグであって、
ベース基材と、
前記ベース基材に設けられた前記非接触通信用のアンテナと、
前記ベース基材に設けられ、光の受光を検知する光検知手段と、
前記アンテナ及び前記光検知手段に接続されて前記ベース基材に設けられ、前記光検知手段における受光の検知状態を検出し、その検出結果を前記非接触通信時に前記識別情報とともに前記アンテナを介して送信する検出手段とを有する、物品管理タグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触通信技術を用いて物品を管理するための物品管理タグに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の進展に伴って、商品等に添付されるタグに情報を記録し、このタグを用いての商品等の管理が行われている。このようなタグを用いた情報管理としては、タグに対して非接触通信によって情報の書き込みや読み取りを行うことが可能なRFIDタグがその優れた利便性から急速な普及が進みつつある。
【0003】
RFIDタグを用いた物品管理においては、識別情報となるIDが書き込まれたRFIDタグを管理対象となる物品に取り付けておき、このIDを非接触通信によって読み取ることで、物品を管理することができる。
【0004】
ところが、このような仕組みにおいては、例えば、管理対象となる物品をゲートを通過させ、その際に、物品に取り付けられたRFIDタグからIDを非接触通信によって読み取ることで物品を管理する場合、RFIDタグが取り付けられたその他の物品がゲートの周囲に存在すると、周囲に存在する物品に取り付けられたRFIDタグからもIDが読み取られてしまい、物品を正確に管理することができない。
【0005】
そこで、非接触通信用の電波強度を弱めることで、周囲に存在する物品に取り付けられたRFIDタグからIDが読み取られることを回避することや、IDの読み取り回数を規定することで、管理する物品と周囲に存在する物品とを区別することが行われている。
【0006】
また、特許文献1には、物流倉庫内で、RFIDタグが取り付けられた物品をフォークリフトで搬送しながら、リーダライタのアンテナを設置したゲートを通過させ、リーダライタにて各荷物に取り付けられたRFIDタグのID情報を読み取る物流管理方法において、フォークリフトがゲートを通過する前に、ゲートの周囲に配置されている他のRFIDタグのID情報を読み取っておき、他のRFIDタグのID情報を管理対象となる物品に取り付けられたRFIDタグのID情報と区別する仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014-131934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非接触通信用の電波強度を弱めることで、周囲に存在する物品に取り付けられたRFIDタグからIDが読み取られることを回避するものにおいては、例えば、物品をゲートを通過させて管理する場合に物品の通過速度が速いと、管理対象となる物品に取り付けられたRFIDタグからもIDを読み取ることができなくなってしまう虞がある。また、物品を管理する環境に応じて適当な電波強度を設定しなければならないという問題点がある。また、IDの読み取り回数を規定するものにおいても、物品を管理する環境に応じて、管理対象となる物品を特定可能となる読み取り回数を設定しなければならないという問題点がある。
【0009】
また、特許文献1に開示されたものにおいては、管理対象となる物品に取り付けられたRFIDタグ以外のRFIDタグのID情報を事前に読み取っておく際の環境と、ゲートにて実際にRFIDタグのID情報を読み取る際の環境との相違により、ゲートにて管理対象となる物品に取り付けられたRFIDタグ以外のRFIDタグから読み取られたID情報を、管理対象となる物品に取り付けられたRFIDタグのID情報と区別することができなくなってしまう虞がある。
【0010】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、複数の物品が存在する環境において、環境の影響を受けずに管理対象となる物品を簡易な構成で管理することができる物品管理タグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、
管理対象物品に取り付けられ、予め付与された識別情報を非接触通信によって送信することで前記管理対象物品を管理するための物品管理タグであって、
ベース基材と、
前記ベース基材に設けられた前記非接触通信用のアンテナと、
前記ベース基材に設けられ、光の受光を検知する光検知手段と、
前記アンテナ及び前記光検知手段に接続されて前記ベース基材に設けられ、前記光検知手段における受光の検知状態を検出し、その検出結果を前記非接触通信時に前記識別情報とともに前記アンテナを介して送信する検出手段とを有する。
【0012】
上記のように構成された本発明においては、管理対象物品に取り付けられ、予め付与された識別情報を非接触通信によって送信することで管理対象物品を管理するための物品管理タグにおいて、光検知手段にて光の受光が検知され、その検知状態が検出手段にて検出されて識別情報とともにアンテナを介して送信されるので、管理対象物品に取り付けられた物品管理タグのみに光を照射することで、識別情報とともに物品管理タグから送信されてきた検出結果に基づいて、管理対象物品に取り付けられた物品管理タグと、それ以外の物品管理タグとが区別されることになる。
【0013】
このように、管理対象物品に取り付けられた物品管理タグのみに光を照射し、物品管理タグから識別情報とともに送信されてきた受光の検知状態を示す検出結果を用いて、管理対象物品に取り付けられた物品管理タグと、それ以外の物品管理タグとが区別されることになるので、複数の物品が存在する環境において、環境の影響を受けずに管理対象となる物品が簡易な構成で管理されることになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、管理対象物品に取り付けられた物品管理タグのみに光が照射されることで、物品管理タグから識別情報とともに送信されてきた受光の検知状態を示す検出結果を用いて、管理対象物品に取り付けられた物品管理タグと、それ以外の物品管理タグとが区別されることになるため、複数の物品が存在する環境において、環境の影響を受けずに管理対象となる物品を簡易な構成で管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の物品管理タグの実施の一形態を示す図である。
図2図1に示した物品管理タグを用いて管理される物品の一例を示す外観斜視図である。
図3図1に示した物品管理タグを用いた物品管理システムの実施の一形態を示す図である。
図4図1に示した物品管理タグが図2に示したように取り付けられた物品を図3に示した物品管理システムにて管理する方法を説明するためのフローチャートである。
図5図4に示したフローチャートにて示される方法が実施される際のゲートと管理対象となる物品との関係を示す図である。
図6図1に示した物品管理タグを用いた物品管理システムの他の実施の形態を示す図である。
図7図1に示した物品管理タグを用いた物品管理システムの他の実施の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の物品管理タグの実施の一形態を示す図である。
【0018】
本形態における物品管理タグは図1に示すように、ベース基材10の一方の面に、非接触通信用のアンテナ12及び2本の検知用配線14a,14bが形成されるとともに、ICチップ11及び受光素子13が搭載されて構成された物品管理タグ1である。
【0019】
ベース基材10は、例えばフィルム等の非導電性材料から構成されている。ベース基材10の外形は特に限定されないが、例えば図1に示すように、長方形の4つの角部が欠けた形状が考えられる。
【0020】
アンテナ12は、ベース基材10の一方の面に、2つの二等辺三角形の導体が空隙を介して並ぶようにして形成されている。
【0021】
受光素子13は、本願発明にて光検知手段となるものであり、例えばフォトダイオード等から構成されている。受光素子13は、2つの端子(不図示)を有しており、通常は2つの端子間は導通していないものの、光を受光することで2つの端子間が導通し、それにより光の受光を検知する。受光素子13にて検知可能な光は、受光素子13の特性に応じて適宜選択することができるが、例えば赤外線レーザー等のコヒーレント光が、受光の安定した検知という観点から好ましい。
【0022】
2本の検知用配線14a,14bは、一方の端部がICチップ11に接続され、そこからそれぞれ互いに異なる方向に延び、受光素子13の2つの端子に接続されている。
【0023】
ICチップ11は、2つのアンテナ端子(不図示)と、2つの検知用端子(不図示)とが設けられており、これらアンテナ端子及び検知用端子が設けられた面が搭載面となって、ベース基材10のアンテナ12及び検知用配線14a,14bが形成された面に搭載され、異方性導電ペースト(不図示)によって固定されている。ICチップ11のアンテナ端子はそれぞれアンテナ12に接続され、ICチップ11の検知用端子は、検知用配線14a,14bのそれぞれの一方の端部に接続されており、異方性導電ペーストによって、アンテナ端子がアンテナ12に、検知用端子が検知用配線14a,14bにそれぞれ導通している。ICチップ11は、アンテナ12を介した非接触通信によって得た電力による電流を検知用配線14a,14bに流すことで検知用配線14a,14b間の抵抗値を検出し、その抵抗値に基づいて受光素子13における受光の検知状態を検出し、その検出結果をデジタル情報に変換してアンテナ12を介して非接触送信する。
【0024】
ベース基材10の表裏には、保護シートが積層されていてもよい。ただし、受光素子13が搭載された面に保護シートを積層する場合は、受光素子13における光の受光を遮らない色や材質の保護シートとする必要がある。また、ベース基材10の受光素子13が搭載された面とは反対側の面に粘着層を積層することで、物品管理タグ1を管理対象となる物品に取り付けやすくしてもよい。
【0025】
以下に、上記のように構成された物品管理タグ1を用いて管理対象となる物品を管理する方法について説明する。
【0026】
図2は、図1に示した物品管理タグ1を用いて管理される物品の一例を示す外観斜視図である。
【0027】
図1に示した物品管理タグ1を用いて物品を管理する場合は、図2に示すように、図1に示した物品管理タグ1を、管理対象となる物品2の1つの側面に貼着等の手段によって取り付けることが考えられる。
【0028】
図3は、図1に示した物品管理タグ1を用いた物品管理システムの実施の一形態を示す図である。
【0029】
本形態における物品管理システムは図3に示すように、図2に示したように物品管理タグ1が取り付けられて管理対象となる物品2が通過する領域に対向して設置された一対のゲート20a,20bと、RFIDリーダー3と、制御用PC4とを有して構成されている。
【0030】
一対のゲート20a,20bは、物品2が通過する領域に対向する面にそれぞれ、光照射器22a,22bと、非接触通信用のアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2とが取り付けられている。
【0031】
光照射器22a,22bは、物品2が通過する領域に、例えば赤外線レーザー等のコヒーレント光を照射することで、ゲート20a,20b間を通過する物品2に取り付けられた物品管理タグ1に対して光を照射する。
【0032】
アンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2は、RFIDリーダー3の制御によって、物品2に取り付けられた物品管理タグ1との間にて非接触通信用の電波を送受信する。
【0033】
RFIDリーダー3は、ケーブルを介してアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2と接続されている。RFIDリーダー3は、物品2に取り付けられた物品管理タグ1に対して、ICチップ11における検出結果を物品管理タグ1に予め付与された識別情報となるタグIDとともに送信する旨の命令をアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2を介して送信し、物品管理タグ1から送信されてきた検出結果及びタグIDをアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2を介して受信する。
【0034】
制御用PC4は、ケーブルを介してRFIDリーダー3と接続されている。制御用PC4は、RFIDリーダー3にて受信された検出結果及びタグIDに基づいて、物品管理タグ1が取り付けられた物品2を管理する。
【0035】
図4は、図1に示した物品管理タグ1が図2に示したように取り付けられた物品2を図3に示した物品管理システムにて管理する方法を説明するためのフローチャートである。図5は、図4に示したフローチャートにて示される方法が実施される際のゲート20a,20bと管理対象となる物品との関係を示す図である。
【0036】
図1に示した物品管理タグ1においては、図5に示すように、取り付けられた物品2a~2cが一対のゲート20a,20b間の領域を通過することで、光照射器22a,22bから照射されたコヒーレント光6が受光素子13にて受光されると(ステップS1)、受光素子13の2つの端子間が導通し、受光素子13がON状態となる(ステップS2)。一方、光照射器22a,22bから照射されたコヒーレント光6が受光素子13にて受光されていない状態においては、受光素子13の2つの端子間が非導通状態となったままであり、受光素子13がOFF状態となっている(ステップS3)。
【0037】
また、物品2a~2cが一対のゲート20a,20b間の領域を通過することで、RFIDリーダー3にて物品管理タグ1が検出されると(ステップS4)、まず、RFIDリーダー3から、アンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2を介して読み取り用電波5を用いて、物品管理タグ1に電力が供給されるとともに、受光素子13における受光の検知状態の検出及びその検出結果の送信をする旨の命令が物品管理タグ1に対して送信される(ステップS5)。
【0038】
RFIDリーダー3からアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2を介して供給された電力が物品管理タグ1にて得られるとともに、RFIDリーダー3からアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2を介して送信された命令が物品管理タグ1のアンテナ12を介してICチップ11にて受信されると(ステップS6)、RFIDリーダー3から供給された電力によって検知用配線14a,14b間に電流が供給される。
【0039】
ICチップ11においては、供給された電流を用いて検知用配線14a,14b間の抵抗値が検出されることで、受光素子13における受光の検知状態が検出されることになる(ステップS7)。ここで、受光素子13にて光照射器22a,22bから照射されたコヒーレント光6が受光されていない状態においては、上述したように、受光素子13の2つの端子間が非導通状態となったままであり、受光素子13がOFF状態となっている。そのため、その状態においては、RFIDリーダー3から供給された電力によって検知用配線14a,14b間に電流が供給されても、検知用配線14a,14b間には電流が流れず、それにより、ICチップ11において検出される抵抗値は、ほぼ無限大となる。
【0040】
ICチップ11においては、検出された抵抗値がほぼ無限大である場合は、受光素子13にて光が受光されていないと判断され、その判断結果が受光素子13における受光の検知状態の検出結果としてデジタル情報に変換されてフラグ“0”が設定される(ステップS8)。なお、受光素子13にて光が受光されている場合にICチップ11にて検出される抵抗値が、後述するように、検知用配線14aと検知用配線14bとが受光素子13を介して導通した抵抗値となることから、ICチップ11において、受光素子13にて光が受光されていないと判断するための抵抗値として、ほぼ無限大ではなく、検知用配線14aと検知用配線14bとが受光素子13を介して導通した抵抗値よりも大きな一定の閾値以上のものを用いてもよい。
【0041】
一方、受光素子13にて光照射器22a,22bから照射されたコヒーレント光6が受光されている状態においては、上述したように、受光素子13の2つの端子間が導通状態となり、受光素子13がON状態となっている。そのため、その状態においては、ICチップ11においては、検知用配線14aと検知用配線14bとが受光素子13を介して導通した抵抗値が検出されることになる。
【0042】
ICチップ11においては、検出された抵抗値が、検知用配線14aと検知用配線14bとが受光素子13を介して導通した抵抗値である場合は、受光素子13にて光が受光されていると判断され、その判断結果が受光素子13における受光の検知状態の検出結果としてデジタル情報に変換されてフラグ“1”が設定される。なお、受光素子13にて光が受光されていない場合にICチップ11にて検出される抵抗値が、上述したようにほぼ無限大となることから、ICチップ11において、受光素子13にて光が受光されていると判断するための抵抗値として、検知用配線14aと検知用配線14bとが受光素子13を介して導通した抵抗値ではなく、それのよりも大きな一定の閾値以下のものを用いてもよい。
【0043】
そして、ICチップ11からは、受光素子13における受光の検知状態の検出結果としてフラグ情報が、物品管理タグ1に予め付与されたタグIDとともにアンテナ12を介して非接触送信される(ステップS9)。
【0044】
上記のようにして物品管理タグ1からタグIDとともに非接触送信された検出結果がアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2を介してRFIDリーダー3にて受信されると(ステップS10)、RFIDリーダー3にて受信された検出結果はタグIDとともに制御用PC4に転送される(ステップ11)。
【0045】
RFIDリーダー3から転送されてきた検出結果が制御用PC4にて受信されると(ステップS12)、制御用PC4において、物品管理タグ1からアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2を介してRFIDリーダー3に非接触送信され、制御用PC4に検出結果として転送されてきたフラグ情報が確認される(ステップS13)。
【0046】
そして、制御用PC4において、物品管理タグ1からアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2を介してRFIDリーダー3に非接触送信され、制御用PC4に転送されてきたフラグ情報が“1”である場合は(ステップS14)、そのフラグ情報とともに転送されてきたタグIDによって特定される物品管理タグが取り付けられた物品が、管理対象となる物品であってゲート20a,20bを通過したものであると判断されて管理対象とされて管理される(ステップS15)。
【0047】
その後、制御用PC4から、管理対象であると判断された物品に取り付けられた物品管理タグ1に対して、RFIDリーダー3及びアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2を介して書き込み情報を送信すれば、管理対象となる物品に取り付けられた物品管理タグ1のみに所定の書き込み情報を書き込むことができる。
【0048】
一方、制御用PC4において、物品管理タグ1からアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2を介してRFIDリーダー3に非接触送信され、制御用PC4に転送されてきたフラグ情報が“0”である場合は、そのフラグ情報とともに転送されてきたタグIDによって特定される物品管理タグが取り付けられた物品が、管理対象ではない物品であってゲート20a,20bを通過したものではないと判断されて管理対象とされない(ステップS16)。
【0049】
このように、本形態においては、物品に取り付けられた物品管理タグ1から読み取られたタグIDによって物品を管理する場合に、ゲート20a,20b間を通過する管理対象となる物品に取り付けられた物品管理タグ1のみに光を照射することで、物品管理タグ1からタグIDとともに送信されてきた受光の検知状態を示す検出結果となるフラグ情報を用いて、管理対象となる物品に取り付けられた物品管理タグと、それ以外の物品管理タグとが区別されることになるため、複数の物品が存在する環境において管理対象とならない物品に取り付けられた物品管理タグからタグIDが読み取られたとしても、管理対象となる物品に取り付けられた物品管理タグと、それ以外の物品管理タグを区別することができ、環境の影響を受けずに管理対象となる物品を簡易な構成で管理することができる。
【0050】
また、管理対象となる物品に取り付けられた物品管理タグ1にコヒーレント光6を照射する光照射器22a,22bと、物品管理タグ1に読み取り用電波5を照射するアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2とが、管理対象となる物品が通過するゲート20a,20bに取り付けられていることにより、光照射器22a,22bやアンテナ21a-1,21a-2,21b-1,21b-2を設置するための新たな部材を用意することなく、これらを安定して設置することができる。
【0051】
なお、光照射器22a,22bから照射する光としては、赤外線レーザーの他に、可視光やミリ波、超音波等であっても、受光素子13としてそれらの光が照射された場合にその受光を検知できるものを用いれば適用することができる。
【0052】
(他の実施の形態)
図6は、図1に示した物品管理タグ1を用いた物品管理システムの他の実施の形態を示す図である。
【0053】
本形態における物品管理システムは図6に示すように、図3に示したものに対して、管理対象となる物品に取り付けられた物品管理タグ1にコヒーレント光106を照射する光照射器122と、物品管理タグ1に読み取り用電波を照射するアンテナ121-1,121-2とが、例えば物品が保管される倉庫内を移動する無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)120に取り付けられている点が異なるものである。
【0054】
上記のように構成された物品管理システムにおいては、縦横に積まれた複数の物品2のうち、例えば特定の段の物品2に取り付けられた物品管理タグ1にのみ光照射器122からコヒーレント光106を照射することで、アンテナ121-1,121-2を介してタグIDが読み取られた物品管理タグ1が取り付けられた物品2について、特定の段の物品2と、それ以外の物品2とを区別することができ、特定の段の物品2のみを管理対象として管理することができる。
【0055】
図7は、図1に示した物品管理タグ1を用いた物品管理システムの他の実施の形態を示す図である。
【0056】
本形態における物品管理システムは図7に示すように、図3に示したものに対して、管理対象となる物品に取り付けられた物品管理タグ1にコヒーレント光を照射する光照射器と、物品管理タグ1に読み取り用電波を照射するアンテナと、物品に取り付けられた物品管理タグ1に対して、ICチップ11における検出結果を物品管理タグ1にタグIDとともに送信する旨の命令をアンテナを介して送信し、物品管理タグ1から送信されてきた検出結果及びタグIDをアンテナを介して受信する受信手段と、受信手段にて受信された検出結果及びタグIDに基づいて、物品管理タグ1が取り付けられた物品を管理する管理手段とがハンディターミナル220に内蔵されている点が異なるものである。
【0057】
上記のように構成された物品管理システムにおいては、ハンディターミナル220に内蔵された光照射手段から可視光206を照射する構成とすることで、複数の物品2のうち管理対象となる物品2を肉眼によって判別してその物品2のみに光を照射することができ、それにより、ハンディターミナル220に内蔵されたアンテナを介してタグIDが読み取られた物品管理タグ1が取り付けられた物品2について、管理対象となる物品2と、それ以外の物品2とを区別することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 物品管理タグ
2 物品
3 RFIDリーダー
4 制御用PC
5 読み取り用電波
6,106 コヒーレント光
10 ベース基材
11 ICチップ
12,21a-1,21a-2,21b-1,21b-2,121-1,121-2 アンテナ
13 受光素子
14a,14b 検知用配線
20a,20b ゲート
22a,22b,122 光照射器
120 無人搬送車
206 可視光
220 ハンディターミナル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7