(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122589
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】煙監視システム
(51)【国際特許分類】
G08B 17/00 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
G08B17/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019929
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 正樹
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸口 隆文
(72)【発明者】
【氏名】荒木 拓海
【テーマコード(参考)】
5G405
【Fターム(参考)】
5G405AA01
5G405AA06
5G405AA08
5G405AB02
5G405AD01
5G405AD07
5G405BA01
5G405CA06
5G405CA18
5G405CA22
(57)【要約】
【課題】煙警報盤を要する第1煙センサと煙警報盤を要しない第2煙センサとを監視装置を用いて一括して監視できるようにする。
【解決手段】煙監視システム10は、煙警報盤100と、第1信号線500を介して煙警報盤100と接続されている従属型煙センサ200と、独立型煙センサ300と、第2信号線510を介して煙警報盤100及び独立型煙センサ300と接続されている監視装置400とを備える。従属型煙センサ200は、周囲の煙を検出し、煙の検出結果を煙警報盤100に送信する。煙警報盤100は、従属型煙センサ200から受信した煙の検出結果を監視装置400に送信する。独立型煙センサ300は、周囲の煙を検出し、煙の検出結果を監視装置400に送信する。監視装置400は、独立型煙センサ300及び煙警報盤100から受信した煙の検出結果を表示部に表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙警報盤と、第1信号線を介して前記煙警報盤と接続されている第1煙センサと、第2煙センサと、第2信号線を介して前記煙警報盤及び前記第2煙センサと接続されている監視装置とを備える煙監視システムであって、
前記第1煙センサは、周囲の煙を検出し、前記煙の検出結果を前記煙警報盤に送信し、
前記煙警報盤は、前記第1煙センサから受信した前記煙の検出結果を前記監視装置に送信し、
前記第2煙センサは、周囲の煙を検出し、前記煙の検出結果を前記監視装置に送信し、
前記監視装置は、前記第2煙センサ及び前記煙警報盤から受信した前記煙の検出結果を表示部に表示する
煙監視システム。
【請求項2】
前記第1煙センサは、前記煙の検出結果に応じて、複数の警報レベルの少なくともいずれかに該当するか否かを判定し、前記複数の警報レベルの判定結果を前記煙警報盤に送信し、
前記煙警報盤は、前記第1煙センサから受信した前記判定結果を前記監視装置に送信し、
前記第2煙センサは、前記煙の検出結果に応じて、前記複数の警報レベルの少なくともいずれかに該当するか否かを判定し、前記複数の警報レベルの判定結果を前記監視装置に送信し、
前記監視装置は、前記第2煙センサ及び前記煙警報盤から受信した前記判定結果に応じて該当する警報レベルを表示する
請求項1に記載の煙監視システム。
【請求項3】
前記監視装置は、前記第1煙センサ及び前記第2煙センサに対する操作を受け付け、前記第1煙センサに対する前記操作に応じた信号を前記煙警報盤に送信し、前記第2煙センサに対する前記操作に応じた信号を前記第2煙センサに送信し、
前記煙警報盤は、前記監視装置から受信した前記信号を前記第1煙センサに送信し、
前記第1煙センサは、前記煙警報盤から受信した前記信号に応じた処理を行い、
前記第2煙センサは、前記監視装置から受信した前記信号に応じた処理を行う
請求項1又は2に記載の煙監視システム。
【請求項4】
前記監視装置は、第1動作モードと第2動作モードとを有し、
前記第2動作モードにおいては、前記第1動作モードに比べて前記第1煙センサ及び前記第2煙センサに対する操作が制限される
請求項3に記載の煙監視システム。
【請求項5】
前記煙警報盤と前記第1煙センサとは、第1通信方式に従って通信を行い、
前記煙警報盤と前記監視装置とは、前記第1通信方式とは異なる第2通信方式に従ってと通信を行い、
前記第2煙センサと前記監視装置とは、前記第2通信方式に従って通信を行う
請求項1から4のいずれか1項に記載の煙監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、煙監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
煙検知器を用いて火災を検知するシステムが知られている(例えば特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4381767号公報
【特許文献2】特表2020-533726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
煙センサには、煙警報盤を要する従属型の煙センサと、煙警報盤を要しない独立型の煙センサとがある。従属型の煙センサと独立型の煙センサとは、一つの煙監視システムの中に混在する場合がある。しかし、従属型の煙センサについては煙警報盤を用いて監視することができるが、独立型の煙センサについては煙警報盤を用いて監視することができない。そのため、従属型の煙センサと独立型の煙センサとは、煙警報盤の設置場所と、各々の独立型の煙センサの設置場所とで別々に監視する必要があり、一括して監視することができない。
【0005】
本発明は、煙警報盤を要する第1煙センサと煙警報盤を要しない第2煙センサとを監視装置を用いて一括して監視できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、煙警報盤と、第1信号線を介して前記煙警報盤と接続されている第1煙センサと、第2煙センサと、第2信号線を介して前記煙警報盤及び前記第2煙センサと接続されている監視装置とを備える煙監視システムであって、前記第1煙センサは、周囲の煙を検出し、前記煙の検出結果を前記煙警報盤に送信し、前記煙警報盤は、前記第1煙センサから受信した前記煙の検出結果を前記監視装置に送信し、前記第2煙センサは、周囲の煙を検出し、前記煙の検出結果を前記監視装置に送信し、前記監視装置は、前記第2煙センサ及び前記煙警報盤から受信した前記煙の検出結果を表示部に表示する煙監視システムを提供する。
【0007】
前記第1煙センサは、前記煙の検出結果に応じて、複数の警報レベルの少なくともいずれかに該当するか否かを判定し、前記複数の警報レベルの判定結果を前記煙警報盤に送信し、前記煙警報盤は、前記第1煙センサから受信した前記判定結果を前記監視装置に送信し、前記第2煙センサは、前記煙の検出結果に応じて、前記複数の警報レベルの少なくともいずれかに該当するか否かを判定し、前記複数の警報レベルの判定結果を前記監視装置に送信し、前記監視装置は、前記第2煙センサ及び前記煙警報盤から受信した前記判定結果に応じて該当する警報レベルを表示してもよい。
【0008】
前記監視装置は、前記第1煙センサ及び前記第2煙センサに対する操作を受け付け、前記第1煙センサに対する前記操作に応じた信号を前記煙警報盤に送信し、前記第2煙センサに対する前記操作に応じた信号を前記第2煙センサに送信し、前記煙警報盤は、前記監視装置から受信した前記信号を前記第1煙センサに送信し、前記第1煙センサは、前記煙警報盤から受信した前記信号に応じた処理を行い、前記第2煙センサは、前記監視装置から受信した前記信号に応じた処理を行ってもよい。
【0009】
前記監視装置は、第1動作モードと第2動作モードとを有し、前記第2動作モードにおいては、前記第1動作モードに比べて前記第1煙センサ及び前記第2煙センサに対する操作が制限されてもよい。
【0010】
前記煙警報盤と前記第1煙センサとは、第1通信方式に従って通信を行い、前記煙警報盤と前記監視装置とは、前記第1通信方式とは異なる第2通信方式に従ってと通信を行い、前記第2煙センサと前記監視装置とは、前記第2通信方式に従って通信を行ってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、煙警報盤を要する第1煙センサと煙警報盤を要しない第2煙センサとを監視装置を用いて一括して監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る煙監視システム10の一例を示す図である。
【
図2】煙警報盤100の構成の一例を示す図である。
【
図3】従属型煙センサ200の構成の一例を示す図である。
【
図4】独立型煙センサ300の構成の一例を示す図である。
【
図5】監視装置400の構成の一例を示す図である。
【
図6】従属型煙センサ200及び独立型煙センサ300を一括して監視するための動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図9】監視画面600のさらに別の例を示す図である。
【
図10】監視装置400を用いて従属型煙センサ200及び独立型煙センサ300を操作する際の動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
構成
図1は、実施形態に係る煙監視システム10の一例を示す図である。煙監視システム10は、サーバー室、データセンター、クリーンルーム等の防火対象物に設置される。煙監視システム10は、防火対象物の環境空気の状態を監視することにより火災の予兆を検知する。このように、火災の予兆を検知することにより、初期段階で迅速に対処することが可能となる。
【0014】
煙監視システム10は、複数の煙警報盤100と、複数の従属型煙センサ200と、複数の独立型煙センサ300と、監視装置400とを備える。各煙警報盤100には、第1信号線500を介して複数の従属型煙センサ200が接続されている。第1信号線500は、RS-485規格に基づくコンピュータネットワークである。各煙警報盤100とその煙警報盤100に接続されている従属型煙センサ200とは、RS-485規格に従って通信を行う。RS-485規格は、本発明に係る「第1通信方式」の一例である。なお、煙警報盤100と従属型煙センサ200との通信に用いられる通信方式は必ずしもRS-485規格に限定されず、RS-485以外のシリアル通信規格等の他の通信方式であってもよい。
【0015】
複数の煙警報盤100、複数の独立型煙センサ300、及び監視装置400は、第2信号線510を介して接続されている。第2信号線510は、IP(Internet Protocol)に基づく汎用のコンピュータネットワークである。第2信号線510の一例は、LAN(Local Area Network)である。監視装置400と各煙警報盤100、監視装置400と各独立型煙センサ300とは、それぞれIPに従って通信を行う。IPは、本発明に係る「第2通信方式」の一例である。
【0016】
煙警報盤100は、従属型煙センサ200から煙の検出結果を受信し、この煙の検出結果に応じて警報を出力する装置である。
【0017】
従属型煙センサ200は、通信タイプの煙センサとも呼ばれ、煙警報盤100に従属する煙センサである。ここでいう「従属」とは、煙警報機能の一部を煙警報盤100が担うことをいう。従属型煙センサ200は、周囲の煙を検出し、煙の検出結果を煙警報盤100に送信する。従属型煙センサ200は、本発明に係る「第1煙センサ」の一例である。
【0018】
独立型煙センサ300は、スタンドアローンタイプの煙センサとも呼ばれ、煙警報盤100を要さずに独立して動作する煙センサである。ここでいう「独立して動作」とは、他の装置によらず煙警報機能を実現し得ることをいう。独立型煙センサ300は、周囲の煙を検出し、煙の検出結果に応じて警報を出力する。独立型煙センサ300は、本発明に係る「第2煙センサ」の一例である。
【0019】
監視装置400は、従属型煙センサ200及び独立型煙センサ300による煙の検出結果を収集し、これらの検出結果を一括して監視できるように表示する。また、監視装置400は、煙警報盤100、従属型煙センサ200、及び独立型煙センサ300に対する遠隔操作を実現すべく、これらの装置に対する操作を受け付ける。監視装置400は、保守員と一般ユーザーの両方により使用される。
【0020】
図2は、煙警報盤100の構成の一例を示す図である。煙警報盤100は、制御部101と、記憶部102と、第1通信部103と、第2通信部104と、操作部105と、表示部106と、音出力部107とを備える。これらの部位は、バスを介して接続されている。
【0021】
制御部101は、自装置の各部の制御及び各種の処理を行うプロセッサである。制御部101には、例えばCPU(Central Processing Unit)が含まれる。記憶部102は、自装置の機能を実現するためのプログラム及び各種のデータを記憶するメモリである。記憶部102には、例えばROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及びRAM(Random Access Memory)のうち少なくとも一つが含まれる。
【0022】
第1通信部103は、自装置を第1信号線500に接続するための通信インターフェースである。第1通信部103は、例えばRS-485に従って第1信号線500を介して接続された他の装置と通信を行うために用いられる。第1通信部103には、例えばRS-485に対応するネットワークアダプタが含まれる。
【0023】
第2通信部104は、自装置を第2信号線510に接続するための通信インターフェースである。第2通信部104は、例えばIPに従って第2信号線510を介して接続された他の装置と通信を行うために用いられる。第2通信部104には、例えばLANに対応するネットワークアダプタが含まれる。
【0024】
操作部105は、自装置の操作に用いられる。操作部105には、例えば操作ボタンが含まれる。表示部106は、各種の情報を表示する。表示部106には、例えば7セグメントディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)、及び液晶ディスプレイのうち少なくともいずれかが含まれる。音出力部107は、各種の音を出力する。音出力部107には、例えばスピーカーが含まれる。
【0025】
制御部101は、第1受信手段111と、出力手段112と、第1送信手段113と、第2受信手段114と、第2送信手段115として機能する。これらの機能は、制御部101が記憶部102に記憶されたプログラムを実行して、制御部101が演算を行い又は煙警報盤100の各部を制御することにより実現される。
【0026】
第1受信手段111は、従属型煙センサ200から煙の検出結果を受信する。
【0027】
出力手段112は、第1受信手段111が受信した煙の検出結果に応じて警報を出力する。この警報の出力には、表示部106上での警報の表示、外部装置への移報信号の出力、及び音出力部107からの警報音の出力のうち少なくともいずれかが含まれる。
【0028】
第1送信手段113は、第1受信手段111により受信された従属型煙センサ200の煙の検出結果を監視装置400に送信する。
【0029】
第2受信手段114は、監視装置400において自装置に接続されている従属型煙センサ200又は自装置を対象とする操作が行われると、監視装置400からこの操作に応じた信号を受信する。
【0030】
第2送信手段115は、第2受信手段114が従属型煙センサ200を対象とする操作に応じた信号を受信すると、この信号を操作の対象となる従属型煙センサ200に送信する。
【0031】
図3は、従属型煙センサ200の構成の一例を示す図である。従属型煙センサ200は、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、煙検出部204とを備える。これらの部位は、バスを介して接続されている。
【0032】
制御部201、記憶部202、及び通信部203は、それぞれ、上述した制御部101、記憶部102、及び第1通信部103と同様である。ただし、記憶部202には、従属型煙センサ200の機能を実現するためのプログラムが記憶される。
【0033】
煙検出部204は、周囲の空気を吸引して煙濃度を測定する。これにより、煙検出部204は、周囲の空気中に存在する煙を検出する。煙検出部204が測定し得る煙濃度の範囲は、例えば0.0001%/mから20.0%/mである。煙の検出には、例えば総散乱光方式や二受光方式が用いられる。ただし、煙を検出する方法はこれらの方式に限定されず、他の方式であってもよい。
【0034】
制御部201は、判定手段211と、送信手段212と、受信手段213として機能する。これらの機能は、制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムを実行して、制御部201が演算を行い又は従属型煙センサ200の各部を制御することにより実現される。
【0035】
判定手段211は、煙検出部204による煙の検出結果に応じて複数の警報レベルの少なくともいずれかに該当するか否かを判定する。一例として、複数の警報レベルは、「アラーム1」、「アラーム2」、「アラーム3」という三段階の警報レベルである。「アラーム1」は、最も低い警報レベルである。「アラーム2」は、二番目に低い警報レベルである。「アラーム3」は、最も高い警報レベルである。
【0036】
送信手段212は、煙検出部204による煙の検出結果を煙警報盤100に送信する。この煙の検出結果には、判定手段211による判定結果が含まれる。
【0037】
受信手段213は、監視装置400において自装置を対象とする操作が行われると、この操作に応じた信号を煙警報盤100を介して受信する。
【0038】
図4は、独立型煙センサ300の構成の一例を示す図である。独立型煙センサ300は、制御部301と、記憶部302と、通信部303と、煙検出部304と、操作部305と、表示部306と、音出力部307とを備える。これらの部位は、バスを介して接続されている。
【0039】
制御部301、記憶部302、通信部303、操作部305、表示部306、及び音出力部307は、それぞれ、上述した制御部101、記憶部102、第2通信部104、操作部105、表示部106、及び音出力部107と同様である。ただし、記憶部302には、独立型煙センサ300の機能を実現するためのプログラムが記憶される。
【0040】
煙検出部304は、周囲の空気を吸引して煙濃度を測定する。これにより、煙検出部304は、周囲の空気中に存在する煙を検出する。煙検出部304が測定し得る煙濃度の範囲は、例えば0.0001%/mから20.0%/mである。煙の検出には、例えば総散乱光方式や二受光方式が用いられる。ただし、煙を検出する方法はこれらの方式に限定されず、他の方式であってもよい。
【0041】
制御部301は、判定手段311と、出力手段312と、送信手段313と、受信手段314として機能する。これらの機能は、制御部301が記憶部302に記憶されたプログラムを実行して、制御部301が演算を行い又は独立型煙センサ300の各部を制御することにより実現される。
【0042】
判定手段311は、煙検出部304による煙の検出結果に応じて複数の警報レベルの少なくともいずれかに該当するか否かを判定する。一例として、複数の警報レベルは、上述した「アラーム1」、「アラーム2」、「アラーム3」という三段階の警報レベルである。
【0043】
出力手段312は、判定手段311の判定結果に応じて警報を出力する。この警報の出力には、表示部306上での警報の表示、外部装置への移報信号の出力、及び音出力部307からの警報音の出力のうち少なくともいずれかが含まれる。
【0044】
送信手段313は、煙検出部304による煙の検出結果を監視装置400に送信する。この煙の検出結果には、判定手段311による判定結果が含まれる。
【0045】
受信手段314は、監視装置400において自装置を対象とする操作が行われると、監視装置400からこの操作に応じた信号を受信する。
【0046】
図5は、監視装置400の構成の一例を示す図である。監視装置400には、例えば汎用のコンピュータが用いられる。監視装置400は、制御部401と、記憶部402と、通信部403と、操作部404と、表示部405とを備える。これらの部位は、バスを介して接続されている。
【0047】
制御部401、記憶部402、通信部403、操作部404、及び表示部405は、それぞれ、上述した制御部101、記憶部102、第2通信部104、操作部105、及び表示部106と同様である。ただし、記憶部402には、監視装置400の機能を実現するためのプログラムが記憶される。操作部404には、例えばキーボード及びマウスが含まれる。
【0048】
制御部401は、受信手段411と、表示制御手段412と、送信手段413として機能する。これらの機能は、制御部401が記憶部402に記憶されたプログラムを実行して、制御部401が演算を行い又は監視装置400の各部を制御することにより実現される。
【0049】
受信手段411は、煙警報盤100及び独立型煙センサ300から煙の検出結果を受信する。
【0050】
表示制御手段412は、煙警報盤100及び独立型煙センサ300から受信した煙の検出結果を表示部405に表示する。
【0051】
送信手段413は、操作部105を用いて従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300に対する操作が行われると、この操作に応じた信号をその操作の対象となる従属型煙センサ200が接続されている煙警報盤100又はその操作の対象となる独立型煙センサ300に送信する。
【0052】
動作
図6は、従属型煙センサ200及び独立型煙センサ300を一括して監視するための動作の一例を示すシーケンスチャートである。この動作は、例えば所定の時間間隔で繰り返し行われる。
【0053】
ステップS11において、各従属型煙センサ200の煙検出部204は、周囲の空気の煙濃度を測定する。ステップS12において、各従属型煙センサ200の判定手段211は、ステップS11において測定された煙濃度を用いて警報レベルに該当するか否かを判定する。
【0054】
各従属型煙センサ200には、「アラーム1」、「アラーム2」、「アラーム3」という三段階の警報レベルを判定するために、第1閾値、第2閾値、及び第3閾値が予め設定されている。第1閾値、第2閾値、及び第3閾値は、予め煙警報盤100から各従属型煙センサ200に送信され、各従属型煙センサ200の記憶部202に記憶されている。第1閾値、第2閾値、及び第3閾値は、例えば0.01%/mから20.0%/mの範囲内で設定される。第1閾値は、三つの閾値の中で最も小さい。第2閾値は、第1閾値より大きく、第3閾値より小さい。第3閾値は、三つの閾値の中で最も大きい。
【0055】
判定手段211は、煙検出部204により測定された煙濃度と、第1閾値、第2閾値、及び第3閾値とを比較することにより、警報レベルを判定する。例えば判定手段211は、煙濃度が第1閾値以下である場合には、「アラーム1」~「アラーム3」のいずれの警報レベルにも該当しないと判定する。判定手段211は、煙濃度が第1閾値超第2閾値以下である場合には、「アラーム1」という警報レベルに該当すると判定する。判定手段211は、煙濃度が第2閾値超第3閾値以下である場合には、「アラーム2」という警報レベルに該当すると判定する。判定手段211は、煙濃度が第3閾値超である場合には、「アラーム3」という警報レベルに該当すると判定する。
【0056】
ステップS13において、各従属型煙センサ200の送信手段212は、自装置の検出結果を煙警報盤100に送信する。この検出結果には、従属型煙センサ200を一意に識別する識別子と、ステップS11において測定された煙濃度とが含まれる。この煙濃度は、アナログ値である。また、ステップS12において「アラーム1」~「アラーム3」のいずれかの警報レベルに該当すると判定された場合、この検出結果には、該当する警報レベルを示すアラーム情報が含まれる。
【0057】
ステップS14において、各煙警報盤100の第1受信手段111が自装置に接続されている従属型煙センサ200から煙の検出結果を受信すると、第1送信手段113は、この検出結果を監視装置400に送信する。
【0058】
ここで、従属型煙センサ200から受信した煙の検出結果に、アラーム情報が含まれる場合には、煙警報盤100の出力手段112は、そのアラーム情報により示される警報レベルに応じた警報を出力する。この警報の出力には、表示部106上での警報の表示、外部装置への移報信号の出力、及び音出力部107からの警報音の出力のうち少なくともいずれかが含まれる。
【0059】
ステップS15において、各独立型煙センサ300の煙検出部304は、周囲の空気の煙濃度を測定する。ステップS16において、各独立型煙センサ300の判定手段311は、上述したステップS12の処理と同様に、ステップS15において測定された煙濃度を用いて警報レベルに該当するか否かを判定する。独立型煙センサ300においても、第1閾値、第2閾値、及び第3閾値が予め設定され記憶部302に記憶されている。判定手段311は、ステップS15において測定された煙濃度と、第1閾値、第2閾値、及び第3閾値とを比較することにより、警報レベルに該当するか否かを判定する。
【0060】
ここで、「アラーム1」から「アラーム3」のいずれかの警報レベルに該当すると判定された場合には、独立型煙センサ300の出力手段312は、警報を出力する。この警報の出力には、表示部306上での警報の表示、外部装置への移報信号の出力、及び音出力部307からの警報音の出力のうち少なくともいずれかが含まれる。
【0061】
ステップS17において、各独立型煙センサ300の送信手段313は、自装置の検出結果を監視装置400に送信する。この検出結果には、独立型煙センサ300を一意に識別する識別子と、ステップS15において測定された煙濃度とが含まれる。また、ステップS16において「アラーム1」~「アラーム3」のいずれかの警報レベルに該当すると判定された場合、この検出結果には、該当する警報レベルを示すアラーム情報が含まれる。
【0062】
なお、ステップS11からS14の処理とステップS15からS17の処理とは並行して行われてもよいし、ステップS15からS17の処理がステップS11からS14の処理より前又は後に行われてもよい。
【0063】
ステップS18において、監視装置400の受信手段411は、煙警報盤100又は独立型煙センサ300から検出結果を受信すると、この検出結果を記憶部402に記憶させる。このとき、一の検出結果に含まれる識別子、煙濃度、及びアラーム情報は、互いに関連付けて記憶される。これにより、記憶部402には、複数の従属型煙センサ200の検出結果と複数の独立型煙センサ300の検出結果とが記憶される。
【0064】
ステップS19において、監視装置400の表示制御手段412は、操作者の操作に応じて、記憶部402に記憶された検出結果を示す監視画面600を表示部405に表示する。この操作者は、保守員であってもよいし、一般ユーザーであってもよい。
【0065】
図7は、監視画面600の一例を示す図である。監視画面600は、選択領域610と、表示領域620と、イベント領域640と、操作領域650とを有する。選択領域610は、煙警報盤100又は独立型煙センサ300を選択する操作を受け付ける。ここでは、煙警報盤100には、煙警報盤100Aと煙警報盤100Bとが含まれるものとする。この場合、選択領域610には、煙警報盤100Aの選択に用いられる選択ボタン611と、煙警報盤100Bの選択に用いられる選択ボタン612と、独立型煙センサ300の選択に用いられる選択ボタン613とが含まれる。
【0066】
表示領域620には、選択領域610において選択された煙警報盤100に接続されている従属型煙センサ200又は選択領域610において選択された独立型煙センサ300の検出結果が表示される。表示領域620には、選択領域610において選択された煙警報盤100に接続されている従属型煙センサ200又は選択領域610において選択された独立型煙センサ300の数だけ、センサ領域621が表示される。なお、表示領域620には、最大表示数が決められていてもよい。センサ領域621の数が最大表示数より多い場合には、センサ領域621が複数の頁に亘って配置され、次の頁に移動する操作に応じて、次の頁に配置されたセンサ領域621が表示されてもよい。
【0067】
各センサ領域621には、煙濃度領域622と、バーグラフ623と、「アラーム1」~「アラーム3」という警報シンボル624~626とが含まれる。煙濃度領域622には、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300により測定された煙濃度が表示される。バーグラフ623には、この煙濃度を示すバーが表示される。警報シンボル624は、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300により測定された煙濃度に応じて「アラーム1」~「アラーム3」のうち少なくともいずれかの警報レベルが判定された場合に点灯表示される。警報シンボル625は、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300により測定された煙濃度に応じて「アラーム2」又は「アラーム3」のいずれかの警報レベルが判定された場合に点灯表示される。警報シンボル626は、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300により測定された煙濃度に応じて「アラーム3」という警報レベルが判定された場合に点灯表示される。この点灯表示とは、赤色等の点灯色で目立つように表示することをいう。
【0068】
ここでは、煙警報盤100Aには、従属型煙センサ200A~200Cが接続されているものとする。この場合、操作部404を用いて選択ボタン611を押す操作が行われると、表示領域620には、煙警報盤100Aに接続されている従属型煙センサ200A~200Cにそれぞれ対応するセンサ領域621-1~621-3が表示される。また、記憶部402から従属型煙センサ200A~200Cの識別子に関連付けられた検出結果が読み出され、それぞれ、センサ領域621-1~621-3に表示される。
【0069】
例えば従属型煙センサ200Aにより測定された煙濃度が0.01%/mであり、「アラーム1」~「アラーム3」のいずれの警報レベルにも該当しないと判定された場合には、
図7に示されるように、センサ領域621-1の煙濃度領域622には、0.01%/mという煙濃度が表示される。センサ領域621-1のバーグラフ623には、0.01%/mという煙濃度を示すバーが表示される。「アラーム1」~「アラーム3」という警報シンボル624~626はいずれも消灯表示される。この消灯表示とは、グレー等の消灯色で目立たないように表示することをいう。
【0070】
また、従属型煙センサ200Bにより測定された煙濃度が0.04%/mであり、「アラーム1」という警報レベルに該当すると判定された場合には、
図7に示されるように、センサ領域621-2の煙濃度領域622には、0.04%/mという煙濃度が表示される。センサ領域621-2のバーグラフ623には、0.04%/mという煙濃度を示すバーが表示される。「アラーム1」という警報シンボル624は点灯表示される。「アラーム2」という警報シンボル625及び「アラーム3」という警報シンボル626は消灯表示される。
【0071】
さらに、センサ領域621-3により測定された煙濃度が0.15%/mであり、「アラーム3」という警報レベルに該当すると判定された場合には、
図7に示されるように、センサ領域621-3の煙濃度領域622には、0.15%/mという煙濃度が表示される。センサ領域621-3のバーグラフ623には、0.15%/mという煙濃度を示すバーが表示される。なお、
図7に示される例ではバーグラフ623の最大値は0.10%/mであるため、最大値を超える分はバーグラフ623に表示されない。「アラーム1」~「アラーム3」という警報シンボル624~626は、いずれも点灯表示される。
【0072】
センサ領域621-1~621-3の表示は、従属型煙センサ200A~200Cの新たな検出結果が記憶部402に記憶される度に更新される。そのため、センサ領域621-1~621-3には、従属型煙センサ200A~200Cの検出結果がリアルタイムで表示される。
【0073】
ここで、
図7に示される例では、従属型煙センサ200B及び200Cにより測定された煙濃度に応じて、それぞれ、「アラーム1」及び「アラーム3」という警報が発生している。この場合、監視画面600には、従属型煙センサ200B及び200Cの検出結果が優先して表示される。例えば操作者が煙警報盤100Aの選択に用いられる選択ボタン611を押す操作を行わなくても、表示領域620には、煙警報盤100Aに接続されている従属型煙センサ200の検出結果が表示される。また、
図7に示されるように、煙警報盤100Aの選択に用いられる選択ボタン611には、警報の発生を示す付加画像615が付加される。さらに、
図7に示されるように、イベント領域640には、従属型煙センサ200Bの識別子と「アラーム1」という警報レベルとを含むイベント情報643と、従属型煙センサ200Cの識別子と「アラーム3」という警報レベルとを含むイベント情報641とが表示される。
【0074】
図8は、監視画面600の別の例を示す図である。ここでは、独立型煙センサ300には、独立型煙センサ300A及び300Bが含まれるものとする。この場合、操作部404を用いて選択ボタン613を押す操作が行われると、表示領域620には、独立型煙センサ300A及び300Bにそれぞれ対応するセンサ領域621-4及び621-5が表示される。また、記憶部402から独立型煙センサ300A及び300Bの識別子に関連付けられた検出結果が読み出され、それぞれ、センサ領域621-4及び621-5に表示される。
【0075】
例えば独立型煙センサ300Aにより測定された煙濃度が0.01%/mであり、「アラーム1」~「アラーム3」のいずれの警報レベルにも該当しないと判定された場合には、
図8に示されるように、センサ領域621-4の煙濃度領域622には、0.01%/mという煙濃度が表示される。センサ領域621-4のバーグラフ623には、0.01%/mという煙濃度を示すバーが表示される。「アラーム1」~「アラーム3」という警報シンボル624~626はいずれも消灯表示される。
【0076】
また、独立型煙センサ300Bにより測定された煙濃度が0.08%/mであり、「アラーム2」という警報レベルに該当すると判定された場合には、
図8に示されるように、センサ領域621-5の煙濃度領域622には、0.08%/mという煙濃度が表示される。センサ領域621-5のバーグラフ623には、0.08%/mという煙濃度を示すバーが表示される。「アラーム1」という警報シンボル624及び「アラーム2」という警報シンボル625は点灯表示される。「アラーム3」という警報シンボル626は消灯表示される。
【0077】
センサ領域621-4及び621-5の表示は、独立型煙センサ300A及び300Bの新たな検出結果が記憶部402に記憶される度に更新される。そのため、センサ領域621-4及び621-5には、独立型煙センサ300A及び300Bの検出結果がリアルタイムで表示される。
【0078】
ここで、
図8に示される例では、独立型煙センサ300Bにより測定された煙濃度に応じて、「アラーム2」という警報が発生している。この場合、監視画面600には、独立型煙センサ300Bの検出結果が優先して表示される。例えば操作者が独立型煙センサ300の選択に用いられる選択ボタン613を押す操作を行わなくても、表示領域620には、
図8に示される独立型煙センサ300の検出結果が表示される。ただし、独立型煙センサ300Bにより測定された煙濃度に応じて、「アラーム2」という警報とともに、従属型煙センサ200Cにより測定された煙濃度に応じて「アラーム3」という警報が発生している場合には、「アラーム3」の警報レベルが高いため、表示領域620には、独立型煙センサ300の検出結果ではなく、従属型煙センサ200Cの検出結果が優先して表示されてもよい。また、
図8に示されるように、独立型煙センサ300の選択に用いられる選択ボタン613には、警報の発生を示す付加画像615が付加される。さらに
図8に示されるように、イベント領域640には、独立型煙センサ300Bの識別子と「アラーム2」という警報レベルとを含むイベント情報642が表示される。
【0079】
また、センサ領域621には、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の検出結果に加えて、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の状態が表示されてもよい。従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の状態は、例えば煙警報盤100、従属型煙センサ200、又は独立型煙センサ300から監視装置400に従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の状態を示す信号が送信される場合には、この信号に応じて表示されてもよい。或いは、監視装置400が従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の状態を制御する場合には、この制御内容に応じて従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の状態が表示されてもよい。
【0080】
従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の状態には、正常な状態、異常な状態、及び遮断された状態が含まれる。なお、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の状態は、正常な状態、異常な状態、及び遮断された状態に限定されない。従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の状態には、各種の試験を実行している状態、環境モニタリングを実行している状態、及び気流正規化を実行している状態のうち少なくともいずれかが含まれてもよい。
【0081】
図7又は
図8に示される例では、センサ領域621には、正常な状態を示す正常シンボル627と、異常な状態を示す異常シンボル628と、遮断された状態を示す遮断シンボル629とが含まれる。例えば従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300が正常である場合には、対応するセンサ領域621に含まれる正常シンボル627が点灯表示され、異常シンボル628が消灯表示される。一方、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300に異常がある場合には、対応するセンサ領域621に含まれる異常シンボル628が点灯表示され、正常シンボル627が消灯表示される。従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の移報が遮断されている場合には、対応するセンサ領域621に含まれる遮断シンボル629が点灯表示される。
【0082】
なお、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300に異常がある場合には、その従属型煙センサ200が接続されている煙警報盤100又は独立型煙センサ300の選択に用いられる選択ボタンに、異常の発生を示す付加画像が付加されてもよい。さらに、イベント領域640には、異常がある従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の識別子と異常の発生を示すメッセージとを含むイベント情報が表示されてもよい。
【0083】
図9は、監視画面600のさらに別の例を示す図である。
図9に示される例では、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の検出結果が地
図630上に表示される。
図7又は
図8に示される監視画面600と
図9に示される監視画面600とは、操作者の操作に応じて切り替えられてもよい。例えば監視画面600には、「並べて表示」というタブ項目661と「地図表示」というタブ項目662とが表示される。操作部404を用いて「並べて表示」というタブ項目661を選択する操作が行われた場合には、
図7又は
図8に示される監視画面600が表示される。一方、操作部404を用いて「地図表示」というタブ項目662を選択する操作が行われた場合には、
図9に示される監視画面600が表示される。
【0084】
図9に示される例では、表示領域620には、選択領域610において選択された煙警報盤100に接続されている従属型煙センサ200又は選択領域610において選択された独立型煙センサ300の設置場所を示す地
図630が表示される。例えば操作部404を用いて選択ボタン611を押す操作が行われると、表示領域620に含まれる地
図630上に、煙警報盤100Aに接続されている従属型煙センサ200A~200Cを示すアイコン631~633が表示される。また、記憶部402から従属型煙センサ200A~200Cの識別子に関連付けられた検出結果が読み出され、それぞれ、アイコン631~633の近傍に表示される。
【0085】
例えば従属型煙センサ200Aにより測定された煙濃度が0.01%/mであり、「アラーム1」~「アラーム3」のいずれの警報レベルにも該当しないと判定された場合には、
図9に示されるように、アイコン631の近傍に0.01%/mという煙濃度が表示される。アイコン631の色は、警報が発生していないことを示す白色となる。
【0086】
また、従属型煙センサ200Bにより測定された煙濃度が0.04%/mであり、「アラーム1」という警報レベルに該当すると判定された場合には、
図9に示されるように、アイコン632の近傍には、0.04%/mという煙濃度が表示される。アイコン632の色は、警報の発生を示す赤色となる。
【0087】
さらに、従属型煙センサ200Cにより測定された煙濃度が0.15%/mであり、「アラーム3」という警報レベルに該当すると判定された場合には、
図9に示されるように、アイコン633の近傍には、0.15%/mという煙濃度が表示される。アイコン633の色は、警報の発生を示す赤色となる。
【0088】
なお、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300に異常がある場合には、異常がある従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300を示すアイコンの色が黄色に変更されてもよい。ただし、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300に異常があり、且つ、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の検出結果に応じて「アラーム1」~「アラーム3」の少なくともいずれかの警報レベルに該当すると判定された場合には、対応するアイコンの色は赤色に変更されてもよい。
【0089】
地
図630の表示は、従属型煙センサ200A~200Cの新たな検出結果が記憶部402に記憶される度に更新される。そのため、地
図630には、従属型煙センサ200A~200Cの検出結果がリアルタイムで表示される。
【0090】
ここで、
図9に示される例では、従属型煙センサ200B及び200Cにより測定された煙濃度に応じて「アラーム1」及び「アラーム3」という警報が発生している。この場合、監視画面600には、従属型煙センサ200B及び200Cの検出結果が優先して表示される。例えば操作者が煙警報盤100Aの選択に用いられる選択ボタン611を押す操作を行わなくても、表示領域620には、煙警報盤100Aに接続されている従属型煙センサ200の設置場所を示す地
図630が表示される。また、
図9に示されるように、煙警報盤100Aの選択に用いられる選択ボタン611には、警報の発生を示す付加画像615が付加される。さらに、イベント領域640には、従属型煙センサ200Bの識別子と「アラーム1」という警報レベルとを含むイベント情報643と、従属型煙センサ200Cの識別子と「アラーム3」という警報レベルとを含むイベント情報641とが表示される。
【0091】
図10は、監視装置400を用いて従属型煙センサ200及び独立型煙センサ300を操作する際の動作の一例を示すシーケンスチャートである。監視装置400には、
図7~
図9に示される監視画面600が表示される。監視画面600の操作領域650は、煙警報盤100、従属型煙センサ200、及び独立型煙センサ300に対する操作を受け付ける。
【0092】
監視装置400は、主に保守員が利用する設定モードと、主に一般ユーザーが利用するユーザーモードとを有する。これらの動作モードは、例えば監視画面600上における操作者の操作に応じて切り替えられる。設定モードにおいては、全ての操作が許可される。一方、ユーザーモードにおいては、設定モードに比べて操作が制限される。一例として、ユーザーモードでは、点検や保守のための操作及び誤操作により重大な問題が発生する可能性のある操作は禁止される。設定モードは、本発明に係る「第1動作モード」の一例である。ユーザーモードは、本発明に係る「第2動作モード」の一例である。
【0093】
設定モードにおいては、
図7~
図9に示されるように、操作領域650には、「制御」という操作画像651と、「試験」という操作画像652と、「遮断」という操作画像653と、「データベース」という操作画像654と、「設定」という操作画像655と、「復旧」という操作画像656と、「音響停止」という操作画像657とが表示される。
【0094】
「制御」という操作画像651は、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の機器情報の表示、イベントログの収集及び保存、環境モニタリングの実行、気流正規化の実行、スイッチ操作の無効化、フィルタの交換周期のリセット、イベントログの消去、ソフトウェアバージョン情報の収集、及びフィルタの交換時から経過した時間の表示に関する操作に用いられる。「試験」という操作画像652は、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300の火災試験の実行、異常試験の実行、及び対向試験の実行に関する操作に用いられる。「遮断」という操作画像653は、火災信号の遮断、異常信号の遮断、及び移報の遮断に関する操作に用いられる。「データベース」という操作画像654は、煙警報盤100、従属型煙センサ200、又は独立型煙センサ300のデータベースの変更に関する操作に用いられる。「設定」という操作画像655は、警報レベルの判定に用いられる閾値の変更に関する操作に用いられる。「復旧」という操作画像656は、煙警報盤100、従属型煙センサ200、又は独立型煙センサ300の復旧に関する操作に用いられる。「音響停止」という操作画像657は、煙警報盤100、従属型煙センサ200、又は独立型煙センサ300の警告音の停止に関する操作に用いられる。
【0095】
一方、ユーザーモードにおいては、操作領域650には、「遮断」という操作画像653、「設定」という操作画像655、「復旧」という操作画像656、及び「音響停止」という操作画像657が表示される一方、「制御」という操作画像651、「試験」という操作画像652、及び「データベース」という操作画像654等を非表示にすることができる。そのため、ユーザーモードでは、例えば操作画像653及び655~657を用いた操作を行うことはできるが、操作画像651、652、及び654を用いた操作を行うことはできない。
【0096】
図10に戻り、ステップS31において、監視装置400の操作部404は、操作者による煙警報盤100、従属型煙センサ200、及び独立型煙センサ300のうち少なくともいずれかに対する操作を受け付ける。ステップS32において、監視装置400の送信手段413は、ステップS31において受け付けた操作が独立型煙センサ300を対象とするか否かを判定する。
【0097】
独立型煙センサ300を対象とする操作である場合(ステップS32の判定がYES)、ステップS33において、監視装置400の送信手段413は、ステップS31において受け付けた操作に応じた処理の実行を指示する信号を、操作の対象となる独立型煙センサ300に送信する。ステップS34において、独立型煙センサ300は、受信手段314が監視装置400からこの信号を受信すると、この信号に応じた処理を実行する。
【0098】
一方、従属型煙センサ200を対象とする操作である場合(ステップS32の判定がNO)、ステップS35において、監視装置400の送信手段413は、ステップS31において受け付けた操作に応じた処理の実行を指示する信号と、操作の対象となる従属型煙センサ200の識別子とを、この従属型煙センサ200が接続されている煙警報盤100に送信する。
【0099】
ステップS36において、煙警報盤100の第2受信手段114が監視装置400からこの信号及び識別子を受信すると、第2送信手段115はこの信号を操作の対象となる従属型煙センサ200に送信する。操作の対象となる従属型煙センサ200は、信号とともに受信した識別子により識別される。ステップS37において、従属型煙センサ200は、受信手段213が煙警報盤100からこの信号を受信すると、この信号に応じた処理を実行する。
【0100】
ステップS34又はS37において実行される処理には、機器情報の表示、イベントログの収集及び保存、環境モニタリングの実行、気流正規化の実行、スイッチ操作の無効化、フィルタの交換周期のリセット、イベントログの消去、ソフトウェアバージョン情報の収集、フィルタを交換してから経過した時間の表示、火災試験の実行、異常試験の実行、対向試験の実行、火災信号の遮断、異常信号の遮断、移報の遮断、データベースの変更、警報レベルの判定に用いられる閾値の変更、復旧、及び警告音の停止に関する処理のうち少なくともいずれかが含まれる。
【0101】
例えば保守員が操作部404を用いて
図7~
図9に示される「試験」という操作画像652を選択して独立型煙センサ300Aの火災試験の開始を指示する操作を行うと、火災試験の試験開始信号が監視装置400から独立型煙センサ300Aに送信される。この試験開始信号を受信すると、独立型煙センサ300Aは火災試験を開始する。
【0102】
一方、保守員が操作部404を用いて
図7~
図9に示される「試験」という操作画像652を選択して従属型煙センサ200Aの火災試験の開始を指示する操作を行うと、火災試験の試験開始信号と従属型煙センサ200Aの識別子とが監視装置400から煙警報盤100Aに送信される。煙警報盤100Aは、この試験開始信号を従属型煙センサ200Aに送信する。この試験開始信号を受信すると、従属型煙センサ200Aは火災試験を開始する。
【0103】
以上説明した実施形態によれば、監視装置400に表示される監視画面600には、従属型煙センサ200による煙の検出結果と独立型煙センサ300による煙の検出結果とが含まれるため、煙警報盤100を要する従属型煙センサ200による煙の検出結果と、煙警報盤100を要しない独立型煙センサ300による煙の検出結果とを監視装置400を用いて一括して監視することができる。また、従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300による煙の検出結果に応じて警報が発生した場合には、その警報レベルに対応する警報シンボル624~626が点灯表示されるため、警報の発生及び警報レベルを容易に認識することができる。
【0104】
また、監視装置400に表示される監視画面600は、煙警報盤100を要する従属型煙センサ200及び煙警報盤100を要しない独立型煙センサ300の操作を受け付けるため、監視装置400を用いて従属型煙センサ200と独立型煙センサ300の両方を操作することができる。ここで、監視装置400は、保守員だけでなく、一般ユーザーにも使用されるため、一般ユーザーが誤って重大な問題が発生する可能性のある操作を行う懸念がある。しかし、監視装置400は設定モードとユーザーモードとを有するため、例えばユーザーモードにおいて重大な問題が発生する可能性のある操作を行うことができないように制限すれば、一般ユーザーが誤ってこのような操作を行うことが防止される。
【0105】
さらに、煙警報盤100は、従属型煙センサ200が対応する通信方式に従って従属型煙センサ200から煙の検出結果を受信し、監視装置400が対応する通信方式に従って監視装置400にこの煙の検出結果を送信する。また、独立型煙センサ300は、監視装置400が対応する通信方式に従って監視装置400に煙の検出結果を送信する。これにより、従属型煙センサ200が対応する通信方式と独立型煙センサ300が対応する通信方式とが異なる場合であっても、監視装置400は従属型煙センサ200の検出結果と独立型煙センサ300の煙の検出結果とを両方とも取得することができる。その結果、従属型煙センサ200による煙の検出結果と独立型煙センサ300による煙の検出結果とを監視装置400を用いて一括して監視することができる。
【0106】
さらに、複数の煙警報盤100、複数の独立型煙センサ300、及び監視装置400は、LAN等の汎用のコンピュータネットワークを介して接続されているため、例えばユーザーが既に汎用のコンピュータネットワークを有する場合には、この汎用のコンピュータネットワークを利用して煙監視システム10を構築することができる。
【0107】
変形例
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態は、以下の変形例のように変形して実施されてもよい。実施形態と変形例とは、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。同様に、以下の変形例は、組み合わせて用いられてもよいし、実行に伴って切り替えて用いられてもよい。
【0108】
上述した実施形態において、煙警報盤100の表示部106にも、その煙警報盤100に接続されている従属型煙センサ200の検出結果が表示されてもよい。表示部106には、煙警報盤100に接続されている各従属型煙センサ200について、
図7に示されるセンサ領域621に含まれる情報が表示されてもよいし、センサ領域621に含まれる情報の一部だけが表示されてもよい。同様に、独立型煙センサ300の表示部306にも、その独立型煙センサ300の検出結果が表示されてもよい。表示部306には、独立型煙センサ300について、
図7に示されるセンサ領域621に含まれる情報が表示されてもよいし、センサ領域621に含まれる情報の一部だけが表示されてもよい。
【0109】
上述した実施形態において、
図9に示される地図表示が行われる場合において、同一の設置場所に従属型煙センサ200と独立型煙センサ300とが両方とも設置されているときは、地
図630上に従属型煙センサ200及び独立型煙センサ300とが両方とも表示されてもよい。この場合、選択領域610には、設置場所の選択に用いられる選択ボタンが表示される。ここでは、一階には、従属型煙センサ200A~200Cと独立型煙センサ300Aとが設置されているものとする。この場合、操作者が操作部404を用いて一階という設置場所を選択する操作を行うと、従属型煙センサ200A~200Cをそれぞれ示すアイコン631~633と独立型煙センサ300Aを示すアイコンとが地
図630上に表示される。
【0110】
上述した実施形態において、従属型煙センサ200及び独立型煙センサ300は、必ずしも煙濃度を測定しなくてもよい。例えば従属型煙センサ200及び独立型煙センサ300は、周囲の空気中の煙の濃度が所定の濃度以上になると煙を検出し、煙を検出したことを示す煙検出信号を送信してもよい。
【0111】
上述した実施形態において、煙監視システム10の構成は上述した例に限定されない。煙監視システム10は、上述した装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、煙監視システム10の機能を有する主体は、上述した例に限定されない。例えば煙警報盤100が従属型煙センサ200に代えて判定手段211を有してもよい。
【0112】
上述した実施形態において、煙監視システム10の動作は上述した例に限定されない。煙監視システム10の処理手順は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。また、煙監視システム10の一部の処理手順が省略されてもよい。
【0113】
本発明の別の形態は、煙監視システム10、煙警報盤100、従属型煙センサ200、独立型煙センサ300、及び監視装置400のうち少なくともいずれかにおいて行われる処理のステップを有する方法を提供してもよい。また、本発明の更に別の形態は、煙警報盤100、従属型煙センサ200、独立型煙センサ300、又は監視装置400において実行されるプログラムを提供してもよい。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されて提供されてもよいし、インターネット等を介したダウンロードによって提供されてもよい。
【0114】
上述した実施形態において、監視画面600の構成は上述した例に限定されない。監視画面600は、従属型煙センサ200及び独立型煙センサ300の煙の検出結果を表示し、煙警報盤100、従属型煙センサ200、及び独立型煙センサ300に対する操作を受け付けるものであれば、どのような構成を有していてもよい。この構成には、色、配置、形状、構成要素、及び画面遷移が含まれる。例えば上述した実施形態において説明した
図9に示される監視画面600のアイコンの色は例示であり、これに限定されない。警報が発生していないことを示すアイコンの色は白色以外の色であってもよい。また、警報の発生を示すアイコンの色は、警報が発生していないことを示す色と異なる色であれば、赤色以外の色であってもよい。さらに、異常がある従属型煙センサ200又は独立型煙センサ300を示すアイコンの色は、警報が発生していないことを示す色及び警報の発生を示す色と異なる色であれば、黄色以外の色であってもよい。また、
図7~
図9に示される監視画面600の操作画像の数及び配置は例示であり、これに限定されない。監視画面600は、操作画像651~657とは異なる操作画像を含むように構成されてもよいし、一部の操作画像を含まずに構成されてもよい。
【0115】
上述した実施形態において、監視装置400は設定ツールとして使用されてもよい。この場合、監視装置400は、煙警報盤100、従属型煙センサ200、及び独立型煙センサ300のうち設定変更の対象となる装置に、第1信号線500及び第2信号線510とは異なる第3信号線を介して個別に接続される。第3信号線は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格に基づくコンピュータネットワークである。第3信号線を介して接続されると、監視装置400と設定変更の対象となる装置とは、例えばUSB規格に従って通信を行う。また、監視装置400は、設定ツールモードを有する。設定ツールモードは、設定モードと同様に、主に保守員が利用する動作モードである。設定ツールモードにおいては、例えば全ての操作が許可される。監視装置400は、設定ツールモードに移行すると、保守員の操作に応じて、設定変更の対象となる装置の設定を変更する。
【符号の説明】
【0116】
10:煙監視システム、100:煙警報盤、111:第1受信手段、112:出力手段、113:第1送信手段、114:第2受信手段、115:第2送信手段、200:従属型煙センサ、211:判定手段、212:送信手段、213:受信手段、300:独立型煙センサ、311:判定手段、312:出力手段、313:送信手段、314:受信手段、400:監視装置、411:受信手段、412:表示制御手段、413:送信手段