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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122636
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】ストレーナ
(51)【国際特許分類】
   B01D 35/02 20060101AFI20220816BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
B01D35/02 A
B01D29/10 510C
B01D29/10 520Z
B01D29/10 530A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021019994
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000152480
【氏名又は名称】株式会社日阪製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】淺井 萌
(72)【発明者】
【氏名】松下 稔
(72)【発明者】
【氏名】前田 絵梨奈
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA07
4D116BB01
4D116BC27
4D116BC44
4D116BC45
4D116BC47
4D116BC48
4D116BC75
4D116DD05
4D116DD06
4D116FF17B
4D116QA35C
4D116QA35D
4D116QA35F
4D116QB03
4D116QB13
4D116QB23
4D116QB24
4D116QB26
4D116RR02
4D116RR14
4D116UU08
4D116VV07
4D116VV10
(57)【要約】
【課題】ストレーナ本体からエレメントを引き抜くときに該エレメントが損傷し難いストレーナを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、所定方向に延びる筒状部位を有し、流体が筒状部位を外側から内側又は内側から外側に通過することで該流体を濾過するエレメントと、エレメントが収容される内部空間を規定する内面を有し、エレメントを所定方向に引き抜き可能に内部空間内に保持するストレーナ本体と、ストレーナ本体に着脱可能な少なくとも一つのガイド部材と、を備え、ガイド部材は、ストレーナ本体に取り付けられた状態では、内面から筒状部位に向けて延び且つ該ガイド部材の先端が筒状部位に当接しつつエレメントを所定方向に沿ってストレーナ本体から引き抜くことが可能な位置に配置されている、ことを特徴とする。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に延びる筒状部位を有し、流体が前記筒状部位を外側から内側又は内側から外側に通過することで該流体を濾過するエレメントと、
前記エレメントが収容される内部空間を規定する内面を有し、前記エレメントを前記所定方向に引き抜き可能に前記内部空間内に保持するストレーナ本体と、
前記ストレーナ本体に着脱可能な少なくとも一つのガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材は、前記ストレーナ本体に取り付けられた状態では、前記内面から前記筒状部位に向けて延び且つ該ガイド部材の先端が前記筒状部位に当接しつつ前記エレメントを前記所定方向に沿って前記ストレーナ本体から引き抜くことが可能な位置に配置されている、ストレーナ。
【請求項2】
複数の前記ガイド部材を備え、
前記ストレーナ本体の前記内面は、前記筒状部位と間隔をあけた状態で該筒状部位を周方向に囲う筒状の内周面を含み、
前記ストレーナ本体は、各ガイド部材が前記内周面における周方向に間隔をあけた位置からそれぞれ前記筒状部位に向けて延びる位置に前記複数の前記ガイド部材を取り付け可能に構成される、請求項1に記載のストレーナ。
【請求項3】
前記ストレーナ本体は、前記周方向に間隔をあけて配置される前記複数のガイド部材を組として、該組を前記所定方向に間隔をあけて複数取り付け可能に構成される、請求項2に記載のストレーナ。
【請求項4】
前記所定方向は、水平方向であり、
前記ストレーナ本体は、前記エレメントが引き抜かれるときに前記筒状部位を下側から支持できる位置に該ガイド部材を取り付け可能に構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のストレーナ。
【請求項5】
前記ストレーナ本体は、前記エレメントが引き抜かれる部位以外の部位において該ストレーナ本体の外部から前記ガイド部材を取り付け可能に構成される、請求項1~4のいずれか1項に記載のストレーナ。
【請求項6】
前記ストレーナ本体は、
前記エレメントの前記筒状部位と間隔をあけた状態で該筒状部位を周方向に囲う筒状の本体筒部と、
前記本体筒部から外側に向けて延び且つ該本体筒部の内部と外部とが連通する中空部を囲う管部と、
前記管部の先端に対して接離可能であり、該管部の先端と当接した状態で前記管部の開口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材を前記管部の先端に対して取り外し可能に固定する固定部材と、を有し、
前記ガイド部材は、
前記管部の先端に対して接離可能であり、該管部の先端と当接した状態で該管部に固定可能な被固定部と、
前記被固定部から前記管部の前記中空部を通じて前記エレメントの前記筒状部位に向けて延びる延伸部と、を有し、
前記固定部材は、前記ガイド部材の前記被固定部も前記管部の先端に対して取り外し可能に固定できる、請求項5に記載のストレーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を濾過するエレメントを内部に有するストレーナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発電所やプラント等において海水や河川湖沼水を冷却水として使用するために冷却水の取水口や配管の途中に配置され、該冷却水に含まれる種々の異物を除去するためのストレーナが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このストレーナは、図11に示すように、冷却水等の流体(液体)が通過することで該流体に含まれる異物を濾過(除去)するエレメント101と、該エレメント101を収容するストレーナ本体102と、を備える。
【0004】
エレメント101は、上下に延びる筒状であり、周面に多数の孔が形成されている。これら多数の孔を通じて流体がエレメント101を外側から内側に通過する際に該流体に含まれる異物の通過が阻止されることで該流体から異物が除去される、即ち、流体が濾過される。
【0005】
ストレーナ本体102は、有底筒状の本体有底外筒103と、本体有底外筒103の開口部を塞ぐ蓋板104と、を備え、本体有底外筒103と蓋板104とに囲まれた内部空間S1にエレメント101を収容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-151307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のストレーナ100では、メンテナンス等のために、エレメント101がストレーナ本体102から引き抜かれる(取り出される)ときがある。
【0008】
ストレーナ100が大型の場合には、エレメント101の重量が大きく、人がエレメント101を保持してストレーナ本体102から引き抜くことができないため、クレーン等によって吊り下げて引き抜かれるが、このとき、エレメント101が揺れる(即ち、位置が不安定になる)等によってエレメント101の下端部等が本体有底外筒103の内周面等に接触等し、エレメント101が損傷する場合があった。
【0009】
そこで、本発明は、ストレーナ本体からエレメントを引き抜くときに該エレメントが損傷し難いストレーナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のストレーナは、
所定方向に延びる筒状部位を有し、流体が前記筒状部位を外側から内側又は内側から外側に通過することで該流体を濾過するエレメントと、
前記エレメントが収容される内部空間を規定する内面を有し、前記エレメントを前記所定方向に引き抜き可能に前記内部空間内に保持するストレーナ本体と、
前記ストレーナ本体に着脱可能な少なくとも一つのガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材は、前記ストレーナ本体に取り付けられた状態では、前記内面から前記筒状部位に向けて延び且つ該ガイド部材の先端が前記筒状部位に当接しつつ前記エレメントを前記所定方向に沿って前記ストレーナ本体から引き抜くことが可能な位置に配置されている。
【0011】
かかる構成によれば、ガイド部材をストレーナ本体に取り付けた状態で、ガイド部材の先端に筒状部位を当接させつつエレメントをストレーナ本体から引き抜くことで、エレメント(筒状部位)とストレーナ本体(内面)との間に所定の間隔(ガイド部材の長さに相当する間隔)を保つことができ、これにより、エレメント(筒状部位)とストレーナ本体(内面)との接触に起因する該エレメントの損傷を防ぐことができる。
【0012】
また、前記ストレーナは、
複数の前記ガイド部材を備え、
前記ストレーナ本体の前記内面は、前記筒状部位と間隔をあけた状態で該筒状部位を周方向に囲う筒状の内周面を含み、
前記ストレーナ本体は、各ガイド部材が前記内周面における周方向に間隔をあけた位置からそれぞれ前記筒状部位に向けて延びる位置に前記複数の前記ガイド部材を取り付け可能に構成されてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、筒状部位の周方向の複数の位置にガイド部材の先端が当接することで、エレメントをストレーナ本体から引き抜くときに筒状部位の位置をより安定させることができ、これにより、エレメントをストレーナ本体から引き抜くときのエレメント(筒状部位)とストレーナ本体(内面)との接触をより確実に防ぐことができる。
【0014】
この場合、前記ストレーナにおいて、
前記ストレーナ本体は、前記周方向に間隔をあけて配置される前記複数のガイド部材を組として、該組を前記所定方向に間隔をあけて複数取り付け可能に構成されてもよい。
【0015】
このように、筒状部位の周方向の複数の位置にガイド部材の先端が当接する箇所が所定方向に間隔をあけて複数設けられることで、エレメントをストレーナ本体から引き抜くときの筒状部位とストレーナ本体との接触をさらに確実に防ぐことができる。
【0016】
また、前記ストレーナでは、
前記所定方向は、水平方向であり、
前記ストレーナ本体は、前記エレメントが引き抜かれるときに前記筒状部位を下側から支持できる位置に該ガイド部材を取り付け可能に構成されてもよい。
【0017】
かかる構成によれば、筒状部位の一方の端部を保持して水平方向に引き抜くときに、片持ち状態で引き抜くことになるが、筒状部位のガイド部材との当接部位が該ガイド部材によって下側から支持されるため、筒状部位(他方の端部)がストレーナ本体(内面)に当接することを防ぐことができる。
【0018】
また、前記ストレーナでは、
前記ストレーナ本体は、前記エレメントが引き抜かれる部位以外の部位において該ストレーナ本体の外部から前記ガイド部材を取り付け可能に構成されることが好ましい。
【0019】
かかる構成によれば、引き抜かれる部位を開閉することなく、ストレーナ本体へのガイド部材の取り付け及び取り外しを行うことができる。
【0020】
この場合、例えば具体的には、
前記ストレーナ本体は、
前記エレメントの前記筒状部位と間隔をあけた状態で該筒状部位を周方向に囲う筒状の本体筒部と、
前記本体筒部から外側に向けて延び且つ該本体筒部の内部と外部とが連通する中空部を囲う管部と、
前記管部の先端に対して接離可能であり、該管部の先端と当接した状態で前記管部の開口を塞ぐ蓋部材と、
前記蓋部材を前記管部の先端に対して取り外し可能に固定する固定部材と、を有し、
前記ガイド部材は、
前記管部の先端に対して接離可能であり、該管部の先端と当接した状態で該管部に固定可能な被固定部と、
前記被固定部から前記管部の前記中空部を通じて前記エレメントの前記筒状部位に向けて延びる延伸部と、を有し、
前記固定部材は、前記ガイド部材の前記被固定部も前記管部の先端に対して取り外し可能に固定できてもよい。
【発明の効果】
【0021】
以上より、本発明によれば、ストレーナ本体からエレメントを引き抜くときに該エレメントが損傷し難いストレーナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るストレーナの側面図である。
図2図2は、図1のII-II位置における切断部端面図である。
図3図3は、図1のIII-III位置における切断部端面図である。
図4図4は、図3のIV-IV位置におけるストレーナの断面図である。
図5図5は、前記ストレーナの管部から第二蓋部材及び第二固定部材が取り外された状態の拡大図である。
図6図6は、前記ストレーナが備えるエレメントの斜視図である。
図7図7は、前記ストレーナが備えるガイド部材の拡大図である。
図8図8は、図7のVIII-VIII位置の断面図である。
図9図9は、第二蓋部材がガイド部材に取り換えられた状態を示すストレーナの側面図である。
図10図10は、図9のX-X位置の断面図である。
図11図11は、従来のストレーナの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について、図1図10を参照しつつ説明する。
【0024】
本実施形態に係るストレーナは、図1図5に示すように、冷却水等の流体(液体)に含まれる異物を除去する(即ち、流体を濾過する)エレメント2と、内部空間Sにエレメント2を収容(保持)するストレーナ本体3と、を備える。本実施形態のストレーナ1は、冷却水として用いられる海水から異物を除去する。
【0025】
また、ストレーナ1は、メンテナンス等のためにエレメント2がストレーナ本体3から引き抜かれる(取り外される)ときに取り付けられる少なくとも一つのガイド部材5も備える(図9参照)。本実施形態のストレーナ1は、複数(図9に示す例では四つ)のガイド部材5を備える。
【0026】
エレメント2は、図6にも示すように、所定方向(図4の左右方向)に延びる筒状のエレメント本体(筒状部位)21と、エレメント本体21の一方の端部(基部)において前記所定方向と直交する面方向に広がる板状の鍔部22と、を有する。本実施形態のエレメント本体21は、水平方向に延びている。
【0027】
エレメント本体21は、流体が外側から内側又は内側から外側に通過することで該流体を濾過する。具体的に、エレメント本体21は、周面に、該エレメント本体21の内側(中空部)と外側とを連通する多数の貫通孔211を有し、多数の貫通孔211を通じた流体の通過を許容する一方、該流体に含まれる異物(詳しくは、貫通孔211の大きさより大きな異物)の通過を阻止することで、流体を濾過する。本実施形態のエレメント本体21は、流体が該エレメント本体21を外側から内側に通過するようにストレーナ本体3の内部に配置され、前記通過によって濾過(異物が除去)された流体を他方の端部(先端部)の端部開口212から流出させる。このエレメント本体21は、円筒状であり、前記所定方向における両端部を除いた部位(図6の符号210で示す範囲)が、多数の貫通孔211を有する所謂パンチングメタルによって構成されている。
【0028】
鍔部22は、エレメント本体21の一方の端部を塞ぐと共に外側に広がる板状の部位であり、エレメント2がストレーナ本体3に収容(保持)されたときに挟み込まれる部位である。本実施形態の鍔部22の周縁部は、周方向に間隔をあけた位置にエレメント本体21の径方向外側に延びる複数の延出片221を有し、各延出片221は、少なくとも一つの貫通孔222をそれぞれ有する。本実施形態の鍔部22は、四つの延出片221を有し、各延出片221は、エレメント本体21の周方向に間隔をあけて並ぶ二つの貫通孔222を有する。
【0029】
ストレーナ本体3は、エレメント2が収容される内部空間Sを規定する内面3aを有し、エレメント2を前記所定方向に引き抜き可能に内部空間S内に保持する。具体的に、ストレーナ本体3は、エレメント2が挿抜される開口(端部開口)301を有する本体30と、本体30の端部開口301を塞ぐ第一蓋部材38と、第一蓋部材38を本体30のフランジ部(開口周縁部)302に固定する複数の第一固定部材39と、を有する。
【0030】
本体30は、所定方向に延びる筒状の本体筒部31と、本体筒部31の内部(内部空間S)に流体を流入させる流入部32と、本体筒部31から流体を外部に流出させる流出部33と、本体筒部31から流体に含まれていた異物を外部に排出する排出部34と、を有する。また、本体30は、本体筒部31の内部と外部とを連通する少なくとも一つの管部35と、管部35の端部開口を塞ぐ第二蓋部材36と、第二蓋部材36を管部35の先端面(開口周縁部)351に固定する複数の第二固定部材Bと、を有する。また、本体30は、本体筒部31を支持する複数の脚37を有する。本実施形態の本体30は、複数(本実施形態に示す例では四つ)の管部35と、管部35の端部開口を塞ぐ複数(管部35の数に対応する数)の第二蓋部材36とを有する。
【0031】
本体筒部31は、エレメント本体21と間隔をあけた状態で該エレメント本体21を周方向に囲う筒状の部位であり、エレメント本体21と間隔をあけた状態で該エレメント本体21を周方向に囲う筒状の内周面31aを有する。この内周面31aは、ストレーナ本体の内部空間Sを規定する内面3aに含まれる。本実施形態の本体筒部31は、円筒状であり、本体筒部31(ストレーナ本体3)の中心線Cとエレメント本体21の中心線C1とは、一致又は略一致している。また、本体筒部31は、一方の端部から径方向に広がるフランジ部302を有する。このフランジ部302は、周方向に間隔をあけて配置される複数の貫通孔302aを有する。この本体筒部31において、一方の端部に開口する端部開口(フランジ部302に囲まれた開口)301は、本体筒部31の中心線C方向の他の部位(他方の端部の縮径している部位を除く)と同径であり、他方の端部は、縮径している。
【0032】
複数の脚37は、本体筒部31の中心線C方向の両端部から下方に延びている。本実施形態の本体30は、四つの脚37を有し、これら四つの脚37のうちの二つの脚37が本体筒部31の一方(端部開口301側)の端部から下方に延び、残りの二つの脚37が本体筒部31の他方(流出部33側)の端部から下方に延びている。この本体筒部31の他方の端部から延びている二つの脚37は、排出部34より一方の端部側に配置されている。これら各脚37は、本体筒部31に溶接によって接続されている。本実施形態の本体30では、本体筒部31の一方の端部から延びる二つの脚37と、他方の端部から延びる二つの脚37とは、脚37の溶接線WL(図1参照)を考慮して、中心線C方向における本体筒部31のできるだけ外側に位置するように配置されている。
【0033】
流入部32は、本体筒部31の中心線C方向における一方の端部に接続された筒状の部位であり、本体筒部31の内部と外部とを連通させる。流入部32は、本体筒部31に対して中心線Cと交差する方向に流体を流入させる。より具体的に、流入部32は、本体筒部31に対して中心線Cと直交する方向で且つ中心線C方向から見て偏心した位置に流体を流入させる。これにより、流入部32を通じて本体筒部31の一方の端部に流入した流体は、本体筒部31の内周面31aに沿って旋回しつつ(図2の矢印α参照)他方の端部に向かう。本実施形態の流入部32は、上下方向に延びており、流入部32の内径が、本体筒部31の径方向におけるエレメント本体21と本体筒部31(内周面31a)との間隔より大きい。
【0034】
流出部33は、本体筒部31の他方の端部から本体筒部31と同方向(中心線C方向)に延びる筒状の部位であり、本体筒部31の内部と外部とを連通させる。本実施形態の流出部33は、本体筒部31より径の小さな円筒状であり、中心線C2が本体筒部31の中心線Cと一致している。この流出部33にはエレメント本体21の先端部(他方の端部)が挿入されており、エレメント本体21の中空部と流出部33の中空部とが連通している。これにより、エレメント本体21を外側から内側(中空部側)に通過した流体が流出部33から外部に流出できる。
【0035】
排出部34は、本体筒部31の中心線C方向における他方の端部に接続された筒状の部位であり、本体筒部31の内部と外部とを連通させる。排出部34は、本体筒部31に対して中心線Cと交差する方向に流体を排出する。詳しくは、排出部34は、本体筒部31に対して中心線Cを直交する方向で且つ中心線C方向から見て偏心した位置から流体を排出する。より詳しくは、排出部34は、流入部32から流入して本体筒部31内を旋回している流体が流れ出やすいように、本体筒部31の他方の端部において旋回方向に沿った方向で且つ該他方の端部の接線方向に流体が流れ出るように配置されている(図2参照)。本実施形態の排出部34は、水平方向に延びており、排出部34の内径が、本体筒部31の径方向におけるエレメント本体21と本体筒部31(内周面31a)との間隔と、同じ若しくは僅かに小さい。
【0036】
複数の管部35のそれぞれは、本体筒部31から外側に向けて延び(本実施形態の例では、本体筒部31の径方向に延び)且つ該本体筒部31の内部と外部とが連通する中空部350を囲う。各管部35の先端面351は、第二固定部材Bと係合する複数の係合部352を有している。これら複数の係合部352は、管部35の周方向に間隔をあけて配置されている。本実施形態の管部35は、円筒状の部位である。また、各係合部352は、ネジ穴であり、先端面351において周方向に等間隔に配置されている。
【0037】
これら複数の管部35は、本体30において、周方向に間隔をあけて配置されている(図3参照)。具体的に、複数の管部35は、本体30の中心線C方向における同じ位置において、周方向に間隔をあけて配置されている。本実施形態の本体30では、中心線C方向の同じ位置において、二つの管部35が本体30の下部(中心線Cの位置より下側の部位)に周方向に間隔をあけて配置されている。これら二つの管部35は、本体30(本体筒部31)の横断面において、縦中心線C3に対して対称な位置に配置され、例えば、縦中心線C3に対して管部35の開口中心が30~45°の位置(図3の符号βで示す角度が30~45°の位置)となるように配置されている。
【0038】
また、本体30において、中心線C方向の同じ位置に配置された複数(本実施形態の例では、二つ)の管部35を組(管部の組)35kとして、該管部の組35kが中心線C方向に間隔をあけて複数配置されている。本実施形態の本体30では、管部の組35kが二つ配置され、本体筒部31の一方の端部側の脚37と他方の端部側の脚37との間に配置されている。また、中心線C方向において、これら二つの管部の組35kは、エレメント2の重心G(図4参照)が間に位置し、且つ、各脚37の溶接線WLを考慮してできるだけ中心線C方向の間隔が大きくなるように配置されている。より詳しくは、エレメント2が本体30から所定方向に引き抜かれるときに、流出部33に挿入されていたエレメント本体21の先端部が該流出部33から抜け出た位置において、エレメント2の重心Gが二つの管部の組35k間に位置するように、二つの管部の組35kが配置されている。
【0039】
複数の第二蓋部材36のそれぞれは、管部35の先端面(先端)351に対して接離可能であり、管部35の先端面351と当接することで管部35の端部開口を塞ぐ。具体的に、第二蓋部材36は、管部35の端部開口と対応する大きさ(径)の円盤状の部材であり、管部35の先端面351に重ねられることで該管部35の端部開口を塞ぐ。各第二蓋部材36は、周縁部に複数の貫通孔361を有する。各貫通孔361は、第二蓋部材36を厚さ方向に貫通する孔であり、管部35の先端面351に配置された複数の係合部352と対応する位置(係合部352と重なる位置)に配置されている。
【0040】
複数の第二固定部材Bのそれぞれは、第二蓋部材36の貫通孔361を挿通した状態で第二蓋部材36を管部35の先端面(開口周縁部)351に固定する。本実施形態の第二固定部材Bは、ボルトであり、第二蓋部材36の貫通孔361を挿通した状態で管部35の先端面351の係合部(ネジ穴)352に螺入されることで、第二蓋部材36を管部35に固定する。この第二固定部材Bは、ガイド部材5を管部35に固定するときにも用いられる。
【0041】
第一蓋部材38は、本体筒部31(ストレーナ本体3)の端部開口301と対応する大きさ(径)の円盤状の部材であり、本体筒部31のフランジ部302に重ねられることで該本体筒部31の端部開口301を塞ぐ。第一蓋部材38は、周縁部に複数の貫通孔381を有する。各貫通孔381は、第一蓋部材38を厚さ方向に貫通する孔であり、本体筒部31のフランジ部302に配置された複数の貫通孔302aと対応する位置(貫通孔302aと重なる位置)に配置されている。本実施形態の第一蓋部材38は、本体筒部31のフランジ部302との間にエレメント2の鍔部22の周縁部(詳しくは、複数の延出片221)を挟み込んだ状態で、該フランジ部302に重ねられる。
【0042】
複数の第一固定部材39のそれぞれは、第一蓋部材38の貫通孔381と、本体筒部31(ストレーナ本体3)のフランジ部302の貫通孔302aとを挿通した状態で第一蓋部材38を本体筒部31のフランジ部302に固定する。本実施形態の第一固定部材39は、ボルト391とナット392とを有する。このボルト391が第一蓋部材38の貫通孔381と本体筒部31のフランジ部302の貫通孔302aとを挿通した状態、又は第一蓋部材38が本体筒部31のフランジ部302との間にエレメント2の鍔部22(延出片221)を挟み込んだ位置では、第一蓋部材38の貫通孔381とエレメント2の鍔部22(延出片221)の貫通孔222と本体筒部31のフランジ部302の貫通孔302aとを挿通した状態で、ナット392が該ボルト391と螺合して締め付けられることで、第一蓋部材38が本体筒部31のフランジ部302に固定される。
【0043】
複数のガイド部材5のそれぞれは、エレメント2がストレーナ本体3から引き抜かれる(取り外される)ときに、第二蓋部材36の代わりに管部35(ストレーナ本体3)に取り付けられる。具体的に、各ガイド部材5は、図7図10に示されるように、管部35に取り外し可能に固定できる被固定部51と、被固定部51から延びる延伸部52と、を有する。
【0044】
被固定部51は、管部35の先端面351に対して接離可能であり、該管部35の先端面351と当接した状態で該管部35に固定可能な部位である。具体的に、被固定部51は、管部35の開口と対応する大きさ(径)の円盤状の部位であり、管部35の先端面351に重ねられることで該管部35の開口を塞ぐ。この被固定部51は、周縁部に複数の貫通孔511を有する。各貫通孔511は、被固定部51を厚さ方向に貫通する孔であり、管部35の先端面351に配置された複数の係合部352と対応する位置(係合部352と重なる位置)に配置されている。これら複数の貫通孔511は、ガイド部材5をストレーナ本体3に取り付けるとき(詳しくは、被固定部51を管部35に固定するとき)に、用いられる。具体的には、第二固定部材(ボルト)Bが、被固定部51の貫通孔511を挿通した状態で管部35の先端面351の係合部(ネジ穴)352に螺入されて締め込まれることで、被固定部51が管部35に固定される。
【0045】
延伸部52は、ガイド部材5がストレーナ本体3に取り付けられたときに、被固定部51(即ち、本体筒部31の内周面31a)からエレメント本体21に向けて延びる部位である。この延伸部52の先端は、エレメント2がストレーナ本体3から引き抜かれるときにエレメント本体21に当接する。具体的に、延伸部52は、被固定部51から延びる延伸部本体53と、延伸部本体53の先端部に配置されるローラ部54と、を有する。
【0046】
延伸部本体53は、ガイド部材5がストレーナ本体3に取り付けられたときに、被固定部51(詳しくは、被固定部51の内側を向いた面)からエレメント本体21に向けて本体筒部31の径方向に延びる部位である。具体的に、延伸部本体53は、平行に延びる一対の柱状部材531によって構成され、一対の柱状部材531の先端部間にローラ部54が配置されている。延伸部本体53の長さ寸法は、ガイド部材5が管部35に取り付けられた状態で、ローラ部54とエレメント本体21との間に隙間(本実施形態の例では、0.5~1cm程度:図10参照)が生じるように設定されている。
【0047】
この隙間によって、エレメント2を本体30から引き抜くためにガイド部材5が管部35に取り付けられたときに、エレメント本体21の外周面に異物が付着等していても、ガイド部材5(延伸部52)によってエレメント本体21が上方に押し上げられることを防ぐことができる。これにより、エレメント2を本体30から引き抜くときに、エレメント本体21が押し上げられて流出部33に挿入されているエレメント本体21の先端部が該流出部33から抜けなくなる又は抜け難くなるのを防ぐことができる。
【0048】
また、エレメント本体21の先端部が流出部33から抜け出たときに、該先端部が延伸部52に当接するまで下がる(即ち、エレメント本体21の先端部が前記隙間の分だけ落下するが、前記隙間は、落下して延伸部52に先端に当接したときの衝撃によってエレメント本体21が損傷しない大きさ(寸法に)設定されている。
【0049】
ローラ部54は、ローラ本体541と、ローラ本体541から延びる軸部542と、を有する。軸部542が延伸部本体53を構成する一対の柱状部材531の先端部に設けられた穴に挿入され、ローラ本体541は、延伸部本体53に対して軸部542周りに回転自在である。本実施形態のローラ部54は、樹脂製であり、ローラ本体541と軸部542とは、一体成型されている。
【0050】
以上のストレーナ1では、流体が流入部32からストレーナ本体3(本体筒部31)内に流入する。このストレーナ1では、流入部32が、本体筒部31に対して中心線Cと直交する方向で且つ中心線C方向から見て偏心した位置に流体を流入させることで、該流体が、本体筒部31の内周面31aに沿って旋回(回転)しながら流出部33側に流れつつエレメント本体21を外側から内側に通過した後、流出部33から流出する。
【0051】
この旋回によって、流体に含まれる異物が遠心力によって内周面31a側に移動すると共に、流体が旋回しつつエレメント本体21を外側から内側に通過する(詳しくは、多数の貫通孔211通じてエレメント本体21を通過する)ときに、エレメント本体21が該流体に含まれる異物の通過を阻止することで、異物が除去された状態の流体が流出部33から流出する。
【0052】
このストレーナ1において、流体から除去された異物は、定期的に排出部34から排出される。このとき、流出部33に接続された配管のバルブ(弁)等が閉じられた状態、即ち、流出部33から流体が流れ出ない状態で排出部34に接続された配管のバルブ等が開かれ、これにより、排出部34から流体と共に異物が排出される。
【0053】
また、このストレーナ1では、エレメント2のメンテナンス等のためにエレメント2がストレーナ本体3から引き抜かれる(取り外される)ときに、各管部35にガイド部材5が取り付けられる。
【0054】
具体的には、流体が流入部32から流入しない状態で、ストレーナ本体3の内部の流体が排出部34や本体筒部31の最も低い位置に配置された内部流体排出用バルブ(図示省略)等から排出され、ストレーナ本体3の内部から流体が排出された後、各管部35において第二蓋部材36がガイド部材5に取り換えられる。
【0055】
詳しくは、第二蓋部材36を管部35に固定している複数の第二固定部材Bがそれぞれ取り外され、第二蓋部材36が管部35から取り外される。続いて、ガイド部材5の被固定部51が管部35の先端面351に当接するまで、管部35の中空部350を通じて延伸部52が本体筒部31内に挿入される。被固定部51が管部35の先端面351に当接すると、第二蓋部材36を固定していた第二固定部材Bを用いて、被固定部51が管部35に固定される。
【0056】
次に、第一蓋部材38を本体筒部31に固定している複数の第一固定部材39が全て取り外され、本体筒部31から第一蓋部材38が取り外される。この状態で、本体筒部31の端部開口301からエレメント2が中心線Cに沿って引き抜かれる。このとき、エレメント本体21の鍔部22近傍が作業者等に保持され又はクレーン等で吊り下げられた状態で、エレメント2が本体筒部31から引き抜かれる。
【0057】
流出部33に差し込まれていたエレメント本体21の先端部が該流出部33から抜け出た位置では、所定方向に間隔をあけて配置される二つのガイド部材の組5k間にエレメント2の重心Gが位置した状態となっているため、エレメント本体21の先端側の部位が上方や下方に移動して傾いた状態とならず、エレメント2は、二つのガイド部材の組5kによって安定して支持された状態となっている。
【0058】
さらに、エレメント2が引き抜かれてエレメント本体21の先端部が流出部33側のガイド部材の組5kより端部開口301側に移動すると、エレメント2が端部開口301側のガイド部材の組5kのみに支持された状態となるが、バランスをとりつつさらに引き出されることで、エレメント2全体が本体筒部31から引き抜かれる。
【0059】
一方、エレメント本体21の洗浄等が終了してエレメント2が本体筒部31に差し込まれる(取り付けられる)ときには、上記と逆の手順となる。即ち、エレメント本体21の基部が作業者等に保持され又はクレーン等で吊り下げられた状態で、エレメント本体21の先端部が端部開口301側のガイド部材の組5kの上に載せられ、この状態でバランスをとりつつエレメント2が押し込まれる。そして、エレメント本体21の先端部が流出部33側のガイド部材の組5kの位置まで押し込まれると、エレメント2が二つのガイド部材の組5kによって支持された状態となり、さらに、押し込まれる。そして、エレメント本体21の先端部が流出部33に差し込まれると、鍔部22がフランジ部(端部開口301の開口周縁部)302に当接した状態となり、第一蓋部材38がフランジ部302との間にエレメント2の鍔部22を挟み込んだ状態で各第一固定部材39によって本体30に取り付けられる(固定される)。その後、各ガイド部材5が第二蓋部材36に取り換えられることで、エレメント2のメンテナンス等が終了する。
【0060】
以上のストレーナ1によれば、ガイド部材5をストレーナ本体3に取り付けた状態で、ガイド部材5の先端にエレメント本体21を当接させつつエレメント2をストレーナ本体3から引き抜くことで、エレメント2(エレメント本体21)とストレーナ本体3(内周面31a)との間に所定の間隔(ガイド部材5、詳しくは、延伸部52の長さに相当する間隔)を保つことができ、これにより、エレメント2(エレメント本体21)とストレーナ本体3(内周面31a)との接触に起因する該エレメント2の損傷を防ぐことができる。しかも、ストレーナ本体3の内部空間S内を流体が流れるときに、ガイド部材5をストレーナ本体3から取り外しておくことで、流体の流通抵抗を抑えることができると共に、ガイド部材5が流体に曝されることによる該ガイド部材5の腐食等の発生も防ぐことができる。
【0061】
本実施形態のストレーナ1は、複数のガイド部材5を備える。そして、ストレーナ本体3の内面3aは、エレメント本体21と間隔をあけた状態で該エレメント本体21を周方向に囲う筒状の内周面31aを含み、ストレーナ本体3は、各ガイド部材5が内周面31aにおける周方向に間隔をあけた位置からそれぞれエレメント本体21に向けて延びる位置に複数のガイド部材5を取り付け可能に構成されている。このため、エレメント本体21の周方向の複数の位置にガイド部材5の先端(本実施形態の例では、ローラ本体541)が当接することで、エレメント2をストレーナ本体3から引き抜くときにエレメント本体21の位置をより安定させることができる。これにより、エレメント2をストレーナ本体3から引き抜くときのエレメント2(エレメント本体21)とストレーナ本体3(内面3a)との接触をより確実に防ぐことができる。
【0062】
また、本実施形態のストレーナ1のストレーナ本体3では、周方向に間隔をあけて配置される複数の管部35を管部の組35kして、該管部の組35kが所定方向に間隔をあけて複数配置されている。即ち、ストレーナ本体3は、周方向に間隔をあけて配置される複数のガイド部材5をガイド部材の組5kとして、該ガイド部材の組5kを所定方向に間隔をあけて複数取り付け可能に構成されている。このように、エレメント本体21の周方向の複数の位置にガイド部材5の先端が当接する箇所が所定方向に間隔をあけて複数設けられることで、エレメント2をストレーナ本体3から引き抜くときのエレメント本体21とストレーナ本体3との接触をさらに確実に防ぐことができる。
【0063】
また、本実施形態のストレーナ1では、ストレーナ本体3(本体筒部31)は、水平方向に延び、エレメント2が引き抜かれるときにエレメント本体21を下側から支持できる位置にガイド部材5を取り付け可能に構成されている。本実施形態のストレーナ1では、エレメント本体21の一方(鍔部22側)の端部を保持して水平方向に引き抜くときに、片持ち状態で該エレメント本体21を引き抜くことになるが、エレメント本体21のガイド部材5との当接部位が該ガイド部材5によって下側から支持されるため、エレメント本体21(詳しくは、他方(先端側)の端部)がストレーナ本体3(内周面31a)に当接することを防ぐことができる。
【0064】
また、本実施形態のストレーナ1において、ストレーナ本体3は、エレメント2が引き抜かれる部位(端部開口301及び該端部開口301を塞ぐ第一蓋部材38)以外の部位(本実施形態の例では、本体筒部31)において該ストレーナ本体3の外部からガイド部材5を取り付け可能に構成されている。このため、エレメント2が引き抜かれる部位(第一蓋部材38)を開閉することなく、ストレーナ本体3へのガイド部材5の取り付け及び取り外しを行うことができる。
【0065】
尚、本発明のストレーナは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0066】
上記実施形態のストレーナ1は、冷却水として用いられる海水から異物を除去するが、異物を除去される流体は、真水でもよい。また、前記流体は、冷却水でなくてもよく、液体であればよい。
【0067】
また、上記実施形態のストレーナ1では、本体筒部31が水平方向に延びる筒状であり、エレメント2が水平方向(本体筒部31の延びる方向)に引き抜かれる、いわゆる横型のストレーナであるが、この構成に限定されない。ストレーナ1は、本体筒部31が垂直方向に延びる筒状であり、エレメント2が垂直方向(上方)に引き抜かれる、いわゆる縦型のストレーナであってもよい。かかる構成によっても、ガイド部材5をストレーナ本体3に取り付けた状態で、ガイド部材5の先端にエレメント本体21を当接させつつエレメント2をストレーナ本体3から上方に引き抜くことで、エレメント2(エレメント本体21)とストレーナ本体3(内周面31a)との間に所定の間隔(ガイド部材5の長さに相当する間隔)を保つことができ、これにより、エレメント2(エレメント本体21)とストレーナ本体3(内周面31a)との接触に起因する該エレメント2の損傷を防ぐことができる。また、かかる構成によっても、ストレーナ本体3の内部空間S内を流体が流れるときに、ガイド部材5をストレーナ本体3から取り外しておくことで、流体の流通抵抗を抑えることができると共に、ガイド部材5が流体に曝されることによる該ガイド部材5の腐食等の発生も防ぐことができる。
【0068】
また、上記実施形態のストレーナ1では、ストレーナ本体3の内部において、流体が本体筒部31の中心線C周りに回転(旋回)する、いわゆる旋回流型のストレーナであるが、この構成に限定されない。例えば、ストレーナ1は、流体が本体筒部31の内部を旋回することなく流入部32から流出部33に向けて流れる構成でもよい。また、ストレーナ1は、ストレーナ本体3の内部において、流体がエレメント本体(筒状部位)21の内側から外側に流れることで濾過される構成でもよい。
【0069】
また、上記実施形態のストレーナ1では、中心線C方向の各位置におけるエレメント本体21の径は同じ(一定)であるが、この構成に限定されない。例えば、エレメント本体21は、テーパ状等でもよい。即ち、エレメント本体21の中心線C方向の各位置での径は、同じでなくてもよい。
【0070】
また、上記実施形態のストレーナ1では、複数のガイド部材5の全てがストレーナ本体3から取り外し可能であるが、この構成に限定されない。複数のガイド部材5のうちの少なくとも一つのガイド部材5がストレーナ本体3から取り外し可能であればよい。
【0071】
ストレーナ本体3に取り付けた状態のガイド部材5の具体的な配置は、限定されない。例えば、ガイド部材の組5kは、一組だけ配置される構成でもよく、三組以上配置されてもよい。また、ガイド部材5が本体筒部31の内周面31aの周方向において一つだけ配置される構成でもよく、三つ以上配置される構成でもよい。
【0072】
また、上記実施形態のストレーナ1では、各ガイド部材5の延伸部52が本体筒部31の径方向に延びている、即ち、中心線C方向からみて、ハの字状に延びているが、この構成に限定されない。例えば、各ガイド部材5の延伸部52が上下方向に延びる(互いに平行に延びる)構成でもよい。
【0073】
また、上記実施形態のストレーナ1では、ガイド部材5の先端、即ち、ストレーナ本体3からエレメント2が引き抜かれるときにエレメント本体21と当接する部位は、軸部542周りに回転自在なローラ部54であるが、この構成に限定されない。ガイド部材5の先端は、球面状等であってもよい。即ち、ガイド部材5の先端は、エレメント本体21を下側から支持した状態でエレメント2が引き抜かれるときに、抵抗が小さく且つエレメント本体21が傷つき難い形状であればよい。
【0074】
また、上記実施形態のストレーナ1では、ガイド部材5の被固定部51が管部35の先端面351に直接当接するように管部35に取り付けられる(固定される)が、この構成に限定されない。例えば、ワッシャやスペーサー等の板状の部材が、管部35の先端面351とガイド部材5の被固定部51との間に挟み込まれた状態で被固定部51が管部35に取り付けられてもよい。即ち、ストレーナ1は、この板状の部材を挟み込み、又は複数枚重ね合わせた状態で挟み込むことで、ガイド部材5の先端(本実施形態の例では、ローラ部54)とエレメント本体21との距離(間隔)を調整する構成でもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…ストレーナ、2…エレメント、21…エレメント本体、210…貫通孔の配置された範囲、211…貫通孔、212…端部開口、22…鍔部、221…延出片、222…貫通孔、3…ストレーナ本体、3a…内面、30…本体、301…端部開口(開口)、302…フランジ部(開口周縁部)、302a…貫通孔、31…本体筒部、31a…内周面、32…流入部、33…流出部、34…排出部、35…管部、35k…管部の組、350…中空部、351…先端面(開口周縁部)、352…係合部、36…第二蓋部材、361…貫通孔、37…脚、38…第一蓋部材、381…貫通孔、39…第一固定部材、391…ボルト、392…ナット、5…ガイド部材、5k…ガイド部材の組、51…被固定部、511…貫通孔、52…延伸部、53…延伸部本体、531…柱状部材、54…ローラ部、541…ローラ本体、542…軸部、100…ストレーナ、101…エレメント、102…ストレーナ本体、103…本体有底外筒、104…蓋板、B…第二固定部材、C、C1、C2…中心線、C3…縦中心線、G…エレメントの重心、S、S1…内部空間、WL…溶接線
図1
図2
図3
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図11