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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122664
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 5/50 20060101AFI20220816BHJP
   B60R 1/00 20220101ALI20220816BHJP
【FI】
G06T5/50
B60R1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020038
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】梁井 慶一
(72)【発明者】
【氏名】田野井 務
(72)【発明者】
【氏名】福井 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】本多 浩一郎
【テーマコード(参考)】
5B057
【Fターム(参考)】
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE08
5B057DA07
5B057DA08
5B057DA15
5B057DA16
5B057DB02
5B057DB09
(57)【要約】
【課題】利用者にとって乗降しやすい車両の停止位置を運転者に促すことのできる表示制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、車両10のドア開口部21,22の周辺を含むエリアを撮影するカメラと、カメラが撮影した画像を表示する表示部と、を備える車両10に適用される。制御装置は、ドア開口部21,22の位置を示す開口位置表示M1を画像に重ねて表示させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア開口部を有する車体と、前記ドア開口部の周辺を含むエリアを撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を表示する表示部と、を備える車両に適用される表示制御装置であって、
前記ドア開口部の位置を示す開口位置表示を前記画像に重ねて表示させる表示制御部を備える
表示制御装置。
【請求項2】
前記車両の走行速度である車速を取得する速度取得部を備え、
前記表示制御部は、前記車速が判定速度未満である場合に、前記開口位置表示を前記画像に重ねて表示させる
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記車両の位置を取得する位置取得部を備え、
前記表示制御部は、前記車両が前記車両を停止させる停止位置に接近した場合に、前記開口位置表示を前記画像に重ねて表示させる
請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記車両は、前記ドア開口部を介して前記車体から飛び出す態様で利用され、ユーザの前記車両に対する乗降を支援する乗降支援装置を備えるものであり、
前記表示制御部は、前記乗降支援装置の利用時に専有するエリアを示す専有エリア表示を前記画像に重ねて表示させる
請求項1~請求項3の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
ドア開口部を有する車体と、前記ドア開口部の周辺を含むエリアを撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を表示する表示部と、前記ドア開口部を介して前記車体から飛び出す態様で利用され、ユーザの車両に対する乗降を支援する乗降支援装置と、を備える前記車両に適用される表示制御装置であって、
前記乗降支援装置の利用時に専有するエリアを示す専有エリア表示を前記画像に重ねて表示させる表示制御部を備える
表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記乗降支援装置に対してユーザが乗降するエリアを示す乗降エリア表示を前記画像に重ねて表示させる
請求項4又は請求項5に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記乗降支援装置は、前記車両から展開される展開位置及び前記車両に格納される格納位置の間で駆動され、
前記表示制御部は、前記乗降支援装置が前記展開位置及び前記格納位置のどちらに位置しているかを前記表示部に表示させる
請求項4~請求項6の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記乗降支援装置は、前記ドア開口部の底部と路面とを接続するスロープを有する
請求項4~請求項7の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記カメラが撮影した前記画像に基づいて、前記ドア開口部の周辺に存在する動体を判定する動体判定部を備え、
前記表示制御部は、前記ドア開口部の周辺に前記動体が存在する場合、前記動体を強調する強調表示を前記画像に重ねて表示させる
請求項1~請求項8の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記ドア開口部を開閉するドアは、前記ドア開口部を全閉する全閉位置及び前記ドア開口部を全開する全開位置の間で駆動され、
前記表示制御部は、前記ドアが前記全閉位置及び前記全開位置のどちらに位置しているかを前記表示部に表示させる
請求項1~請求項9の何れか一項に記載の表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、車椅子のユーザの車両に対する乗降を支援する装置として、車両の乗降口の底面から歩道に架け渡されるスロープ板が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-44442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車道と歩道との間には、例えば、フェンス及び街路樹といった障害物が存在することがある。このため、上記のような車両を停止する場合には、車椅子のユーザの乗降を妨げないように、ドア開口部と障害物とを車両の幅方向に対向させないことが好ましい。こうした実情は、車椅子のユーザに限らず、一般のユーザの車両に対する乗降時にも概ね共通する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する表示制御装置は、ドア開口部を有する車体と、前記ドア開口部の周辺を含むエリアを撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を表示する表示部と、を備える車両に適用される表示制御装置であって、前記ドア開口部の位置を示す開口位置表示を前記画像に重ねて表示させる表示制御部を備える。
【0006】
表示制御装置を備える車両の運転者は、表示部を見ながら、例えばバス停などの任意の停止位置に車両を停止させることができる。このとき、表示部には、ドア開口部の位置を示す開口位置表示が表示される。このため、運転者は、車両幅方向にドア開口部が障害物と対向しないように、車両を停止させることができる。したがって、表示制御装置によれば、運転者は、ユーザにとって乗降しやすい位置に車両を停止させることができる。
【0007】
上記表示制御装置は、前記車両の走行速度である車速を取得する速度取得部を備え、前記表示制御部は、前記車速が判定速度未満である場合に、前記開口位置表示を前記画像に重ねて表示させることが好ましい。
【0008】
上記構成の表示制御装置は、車両が停止する間近に限り開口位置表示を表示できる。言い換えれば、表示制御装置は、車両が高速で走行する場合など、車両を停止させる状況にない場合において、開口位置表示を不要に表示させることを抑制できる。
【0009】
上記表示制御装置は、前記車両の位置を取得する位置取得部を備え、前記表示制御部は、前記車両が前記車両を停止させる停止位置に接近した場合に、前記開口位置表示を前記画像に重ねて表示させることが好ましい。
【0010】
上記構成の表示制御装置は、車両が停止する間近に限り開口位置表示を表示できる。言い換えれば、表示制御装置は、車両を停止させる状況にない場合において、開口位置表示を不要に表示させることを抑制できる。
【0011】
上記表示制御装置において、前記車両は、前記ドア開口部を介して前記車体から飛び出す態様で利用され、ユーザの前記車両に対する乗降を支援する乗降支援装置を備えるものであり、前記表示制御部は、前記乗降支援装置の利用時における専有するエリアを示す専有エリア表示を前記画像に重ねて表示させることが好ましい。
【0012】
上記構成の表示制御装置によれば、運転者は、乗降支援装置の専有エリアを確保できる位置に車両を停止できる。このため、表示制御装置は、運転者が車両を一度停止させた後に、ユーザが乗降支援装置を利用できない事態を回避できる。
【0013】
上記課題を解決する表示制御装置は、ドア開口部を有する車体と、前記ドア開口部の周辺を含むエリアを撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を表示する表示部と、前記ドア開口部を介して前記車体から飛び出す態様で利用され、ユーザの車両に対する乗降を支援する乗降支援装置と、を備える前記車両に適用される表示制御装置であって、前記乗降支援装置の利用時に専有するエリアを示す専有エリア表示を前記画像に重ねて表示させる表示制御部を備える。
【0014】
表示制御装置を備える車両の運転者は、表示部を見ながら、例えばバス停などの任意の停止位置に車両を停止させることができる。このとき、表示部には、専有エリア表示が表示される。このため、運転者は、乗降支援装置のユーザにとって乗降しやすい位置に車両を停止させることができる。つまり、表示制御装置は、運転者が車両を一度停止させた後に、ユーザが乗降支援装置を利用できない事態を回避できる。
【0015】
上記表示制御装置において、前記表示制御部は、前記乗降支援装置に対してユーザが乗降するエリアを示す乗降エリア表示を前記画像に重ねて表示させることが好ましい。
上記構成の表示制御装置によれば、運転者は、乗降支援装置に対するユーザの乗降エリアを確保できる位置に車両を停止できる。このため、表示制御装置は、運転者が車両を一度停止させた後に、ユーザが乗降支援装置を利用できない事態を回避できる。
【0016】
上記表示制御装置において、前記乗降支援装置は、前記車両から展開される展開位置及び前記車両に格納される格納位置の間で駆動され、前記表示制御部は、前記乗降支援装置が前記展開位置及び前記格納位置のどちらに位置しているかを前記表示部に表示させることが好ましい。
【0017】
上記構成の表示制御装置によれば、運転者は、乗降支援装置の展開状態を把握できる。
上記表示制御装置において、前記乗降支援装置は、前記ドア開口部の底部と路面とを接続するスロープを有することが好ましい。
【0018】
上記構成の表示制御装置によれば、運転者は、スロープを正しく設置できる位置に車両を停止できる。
上記表示制御装置は、前記カメラが撮影した前記画像に基づいて、前記ドア開口部の周辺に存在する動体を判定する動体判定部を備え、前記表示制御部は、前記ドア開口部の周辺に前記動体が存在する場合、前記動体を強調する強調表示を前記画像に重ねて表示させることが好ましい。
【0019】
上記構成の表示制御装置によれば、運転者は、ドア開口部の周辺に存在する通行人などに注意を払うことができる。
上記表示制御装置において、前記ドア開口部を開閉するドアは、前記ドア開口部を全閉する全閉位置及び前記ドア開口部を全開する全開位置の間で駆動され、前記表示制御部は、前記ドアが前記全閉位置及び前記全開位置のどちらに位置しているかを前記表示部に表示させることが好ましい。
【0020】
上記構成の表示制御装置によれば、運転者は、ドアの位置を把握できる。
【発明の効果】
【0021】
表示制御装置によれば、運転者は、利用者が乗降しやすい位置に車両を停止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】一実施形態に係る車両の模式図。
図2】車両の制御構成を示すブロック図。
図3】車両の表示部に表示される画像を示す模式図。
図4】車両の走行中に制御装置が実施する処理の流れを示すフローチャート。
図5】車両の走行中に制御装置が実施する処理の流れを示すフローチャート。
図6】走行中の車両の表示部に表示される画像を示す模式図。
図7】バス停に接近する車両の表示部に表示される画像を示す模式図。
図8】バス停に停止後の車両の表示部に表示される画像を示す模式図。
図9】スロープを展開中の車両の表示部に表示される画像を示す模式図。
図10】スロープを展開後の車両の表示部に表示される画像を示す模式図。
図11】バス停から発進する直前の車両の表示部に表示される画像を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、表示制御装置を備える車両の一実施形態について説明する。なお、本実施形態の車両は、バスである。
図1及び図2に示すように、車両10は、車体20と、第1ドア31及び第2ドア32と、第1ドア駆動装置33及び第2ドア駆動装置34と、スロープ41と、スロープ駆動装置42と、ドア制御装置51と、スロープ制御装置52と、を備える。また、車体20は、カメラ60と、表示部70と、室外スピーカ81及び室内スピーカ82と、制御装置90と、を備える。
【0024】
図1に示すように、車体20は、第1ドア31に開閉される第1開口部21と、第2ドア32に開閉される第2開口部22と、を有する。第1開口部21及び第2開口部22は、車体20の側面に開口する。第1開口部21及び第2開口部22は、側面視において、矩形状をなしている。第1開口部21は、車体20の前方寄りに位置し、第2開口部22は、第1開口部21よりも後方に位置している。第2開口部22の幅は、第1開口部21の幅よりも大きくなっている。以降の説明では、第1開口部21及び第2開口部22を総称して「ドア開口部21,22」ともいう。
【0025】
第1ドア31及び第2ドア32は、スライドドアであってもよいし、グライドドアであってもよいし、折りたたみ式のドアであってもよい。第1ドア31は、第1開口部21を全閉する全閉位置及び第1開口部21を全開する全開位置の間で作動する。第2ドア32は、第2開口部22を全閉する全閉位置及び第2開口部22を全開する全開位置の間で作動する。第1ドア駆動装置33は、第1ドア31を駆動し、第2ドア駆動装置34は、第2ドア32を駆動する。
【0026】
スロープ41は、矩形板状をなしている。スロープ41は、車両10から展開される展開位置及び車両10に格納される格納位置の間で作動する。展開位置は、スロープ41がユーザに利用されるときの位置であり、格納位置は、スロープ41がユーザに利用されないときの位置である。スロープ41は、展開位置において、第2開口部22の底部と歩道R1などの路面とを接続する。つまり、スロープ41は、第2開口部22を介して車体20から飛び出す態様で利用され、車両10に対するユーザの乗降を支援する。スロープ駆動装置42は、スロープ41を展開作動させたり、スロープ41を格納作動させたりする。本実施形態では、スロープ41とスロープ駆動装置42とを含んで「乗降支援装置」の一例が構成されている。
【0027】
ドア制御装置51は、第1ドア駆動装置33及び第2ドア駆動装置34を制御する。ドア制御装置51は、例えば、運転者が運転席に設けられたスイッチを操作したときに、第1ドア31及び第2ドア32を開閉作動させる。また、ドア制御装置51は、第1ドア31及び第2ドア32の位置情報を制御装置90に出力する。同様に、スロープ制御装置52は、スロープ駆動装置42を制御する。スロープ制御装置52は、例えば、運転者が運転席に設けられたスイッチを操作したときに、スロープ41を展開作動させたり格納作動させたりする。スロープ制御装置52は、スロープ41の位置情報を制御装置90に出力する。
【0028】
カメラ60は、少なくともドア開口部21,22の周辺を含むエリアを撮影する。カメラ60は、例えば、車両10の周辺のエリアを撮影する1台のカメラであってもよいし、車両10の周辺を分割したエリアを個別に撮影する複数のカメラであってもよい。また、カメラ60の撮影エリアは、ドア開口部21,22を含んでもよいし含まなくてもよい。カメラ60は、撮影した画像を制御装置90に出力する。
【0029】
表示部70は、カメラ60が撮影した画像を表示する。表示部70は、運転席の周囲に設置されるディスプレイである。表示部70は、例えば、カーナビゲーションシステムを構成するディスプレイであってもよいし、車両10に乗車しているユーザに運行情報などを知らせるディスプレイであってもよいし、カメラ60が撮影した画像だけを表示させる専用のディスプレイであってもよい。運転者は、表示部70を見ることで、車両10の周辺の状況を判断することができる。
【0030】
室外スピーカ81は、車両10の外側、例えば、ドア開口部21,22の周囲に設置される。室外スピーカ81は、各種の情報を車外のユーザに音声で伝達する。室内スピーカ82は、車両10の内側、例えば、運転席の周囲に設置される。室内スピーカ82は、車両10の各種の情報を運転者に音声で伝達する。室外スピーカ81及び室内スピーカ82を用いることで、運転者は、車外のユーザと会話することもできる。
【0031】
次に、制御装置90について説明する。
図2に示すように、制御装置90は、位置取得部91と、速度取得部92と、動体判定部93と、表示制御部94と、を有する。本実施形態において、制御装置90は、「表示制御装置」の一例に相当する。
【0032】
位置取得部91は、カーナビゲーションシステムなどのGPS装置から出力される信号に基づいて車両10の現在位置を取得する。
速度取得部92は、現在の車両10の走行速度(以下、「車速VB」という。)を取得する。速度取得部92は、例えば、カーナビゲーションシステムから車速VBを取得してもよいし、ブレーキ制御装置などの他のECUから車速VBを取得してもよい。
【0033】
動体判定部93は、カメラ60の撮影エリアに動体(以下、「動体MV」という。)が存在しているか否かを判定する。動体判定部93は、時間的に連続する画像を比較することで動体MVが存在しているか否かを判定する。すなわち、動体判定部93は、オプティカルフローに基づき、動体MVが存在しているか否かを判定する。
【0034】
表示制御部94は、カメラ60が撮影した画像を表示部70に表示させる。表示制御部94は、車両10の周辺を含むエリアを撮影するカメラ60が複数ある場合には、複数のカメラ60が撮影した画像を適切に合成する。また、表示制御部94は、カメラ60の撮影エリアにドア開口部21,22が含まれない場合には、カメラ60が撮影した画像に車両10を模した画像を合成する。つまり、カメラ60の撮影した画像にドア開口部21,22が映るか否かに関わらず、表示部70に表示される画像にドア開口部21,22及びドア開口部21,22の周辺の状況が映る。本実施形態において、表示制御部94が表示部70に表示させる画像は、車両10を上方から見たときの画像であって、車両10の周辺360°の範囲をカバーする画像である。つまり、表示制御部94が表示部70に表示させる画像は、車両10のトップビュー画像である。
【0035】
次に、表示制御部94の処理の詳細について説明する。
本実施形態の車両10は、バス停などの事前に決められた位置に停止することで、ユーザを乗車させたり降車させたりする。ところが、車両10は大型であるため、運転者は、バス停において、車両10を適切な位置に停止させることが難しい。例えば、車両10が停止したときに、ドア開口部21,22がフェンスFなどの障害物と対向していると、ユーザの車両10に対する乗降が困難となったり、スロープ41を展開作動させることができなくなったりする。
【0036】
そこで、図3に示すように、表示制御部94は、車両10がバス停に向けて減速する状況下において、ドア開口部21,22の位置を示す開口位置表示M1を表示部70の画像に重ねて表示させる。このため、運転手は、ドア開口部21,22と障害物との位置関係を確認しながら車両10を停止させることが可能となる。なお、表示制御部94は、開口位置表示M1を画像中の車両10の位置を基準に表示させる。
【0037】
表示制御部94は、車両10がバス停に向けて減速する状況下であるか否かを、車両10の現在位置及び車両10の現在の車速VBを用いて判定する。詳しくは、表示制御部94は、位置取得部91が取得した車両10の現在位置と事前に記憶されたバス停の位置とを比較することにより、車両10がバス停に接近しているか否かを判定する。例えば、表示制御部94は、車両10からバス停までの距離が「数m」~「数十m」となったときに、車両10がバス停に接近していると判定すればよい。さらに、表示制御部94は、車速VBが所定の第1判定速度VBTh1未満であるか否かを判定することにより、車両10が停止間近であるか否かを判定する。第1判定速度VBTh1は、車両10がバス停で停止しそうであるか否かを判定するための「判定速度」である。第1判定速度VBTh1は、例えば、「数km/時」~「30km/時」の間で設定することが好ましい。
【0038】
バス停によっては、歩道R1が車道R2に対して高くなっている場合、言い換えれば、歩道R1及び車道R2の間に段差が生じている場合がある。こうしたバス停に車両10が停止した状況下において、車両10が歩道R1から幅方向に離れていると、スロープ41を展開作動しても、スロープ41の先端が歩道R1に掛からないおそれがある。
【0039】
そこで、図3に示すように、表示制御部94は、車両10がバス停に向けて減速する状況下において、展開位置に位置するスロープ41が専有するエリアを示す専有エリア表示M2を表示部70の画像に重ねて表示させる。専有エリア表示M2は、スロープ41の利用時にスロープ41が専有するエリアである。図3に示すように、スロープ41の専有エリアA1は、矩形の領域である。専有エリア表示M2は、スロープ41の先端位置を示す第1ラインL1と、スロープ41の歩道R1に対する掛かり代を考慮した第2ラインL2と、を含むことが好ましい。ここで、第1ラインL1及び第2ラインL2の間の部分が歩道R1に掛かっていれば、展開位置に位置するスロープ41が安全に機能する。なお、表示制御部94は、専有エリア表示M2を画像中の車両10の位置を基準に表示させる。
【0040】
バス停によっては、歩道R1に街路樹及び標識などの障害物が存在している場合がある。このため、街路樹及び標識などの障害物を避けつつスロープ41を展開作動できても、ユーザがスロープ41に対して乗降するためのスペースが確保できないおそれがある。
【0041】
そこで、図3に示すように、表示制御部94は、車両10がバス停に向けて減速する状況下において、スロープ41に対するユーザの乗降エリアA2を示す乗降エリア表示M3を表示部70の画像に重ねて表示させる。表示制御部94は、障害物と専有エリアA1が重なる場合及び障害物と乗降エリア表示M3が重なる場合には、運転者に対してその旨の報知をしてもよい。表示制御部94は、乗降エリア表示M3を画像中の車両10の位置を基準に表示させる。
【0042】
歩道R1を通行する通行人が存在する場合には、スロープ41を展開作動させると、通行人の歩行の妨げとなる可能性がある。そこで、図3に示すように、表示制御部94は、バス停で車両10が停止する状況下において、動体判定部93が車両10の周辺に動体MVが存在していると判定する場合には、動体MVを強調する強調表示M4を表示させる。強調表示M4は、図3に示すように、動体MVの輪郭を囲って動体MVの位置を特定させてもよいし、単に動体MVが存在していることを知らせるだけでもよい。強調表示M4を表示する場合には、動体MVの移動方向DRを合わせて表示することが好ましい。
【0043】
さらに、表示制御部94は、スロープ41の展開作動中に専有エリアA1及び乗降エリアA2に接近する動体MVが存在する場合、動体MVの強調表示M4に加えて、注意表示M5を表示部70の画像に重ねて表示させることが好ましい。注意表示M5は、例えば、点滅させるなど、他の表示よりも目立たせることが好ましい。なお、車両10の周辺とは、歩道R1及びバスベイなどを含むエリアである。
【0044】
また、表示制御部94は、運転者に第1ドア31及び第2ドア32の状態を知らせる目的で、第1ドア31及び第2ドア32が全開位置及び全閉位置のどちらに位置しているかを示す表示を表示部70の画像に重ねて表示させる。同様に、表示制御部94は、運転者にスロープ41の状態を知らせる目的で、スロープ41が展開位置及び格納位置のどちらに位置しているかを示す表示を表示部70の画像に重ねて表示させる。
【0045】
なお、制御装置90は、室外スピーカ81及び室内スピーカ82を介して、運転者及び車両10の外側に存在する人に注意喚起などの各種の情報を音声で伝達することもできる。例えば、スロープ41の展開作動中にスロープ41に接近する動体MVが存在する場合には、制御装置90は、外部スピーカに注意喚起の音を出力させてもよい。
【0046】
本実施形態において、バス停は、車両10に対してユーザを乗降させるために車両10が停止する「停止位置」の一例に相当する。つまり、制御装置90は、バス停に限らず、上記の目的で車両10が停止する場合に、上記処理を行ってもよい。
【0047】
次に、図4及び図5に示すフローチャートを参照して、制御装置90が実施する処理の流れ、言い換えれば本実施形態に係る画像処理方法について説明する。本処理は、車両10の運行中に所定の制御サイクルで繰り返し実行される処理である。
【0048】
図4及び図5に示すように、制御装置90は、車両10の現在位置を取得する(S11)。続いて、制御装置90は、車両10の現在位置がバス停付近であるか否かを判定する(S12)。車両10の現在位置がバス停付近でない場合(S12:NO)、制御装置90は、本処理を一旦終了する。一方、車両10の現在位置がバス停付近である場合(S12:YES)、制御装置90は、現在の車速VBを取得する(S13)。
【0049】
続いて、制御装置90は、現在の車速VBが第1判定速度VBTh1未満か否かを判定する(S14)。現在の車速VBが第1判定速度VBTh1以上の場合(S14:NO)、言い換えれば、車両10がすぐに停止しない場合、制御装置90は、本処理を一旦終了する。一方、現在の車速VBが第1判定速度VBTh1未満の場合(S14:YES)、言い換えれば、車両10がもう少しで停止する場合、制御装置90は、開口位置表示M1、専有エリア表示M2及び乗降エリア表示M3をオンにする(S15)。
【0050】
その後、制御装置90は、現在の車速VBを取得する(S16)。続いて、制御装置90は、現在の車速VBが第2判定速度VBTh2未満か否かを判定する(S17)。第2判定速度VBTh2は、車両10が停止したか否かを判定するための判定値である。このため、第2判定速度VBTh2は、例えば、「0km/h」又は「0km/h」に近い値に設定される。現在の車速VBが第2判定速度VBTh2以上の場合(S17:NO)、言い換えれば、車両10がまだ停止していない場合、制御装置90は、ステップS16に処理を移行する。一方、現在の車速VBが第2判定速度VBTh2未満の場合(S17:YES)、言い換えれば、車両10が停止した場合、図5に示すように、制御装置90は、第1ドア31及び第2ドア32並びにスロープ41の位置表示をオンにする(S18)。
【0051】
図5に示すように、制御装置90は、第1ドア31及び第2ドア32が開作動されたか否かを判定する(S19)。第1ドア31及び第2ドア32が開作動されていない場合(S19:NO)、制御装置90は、第1ドア31及び第2ドア32が開作動されるまで待機する。一方、第1ドア31及び第2ドア32が開作動されている場合(S19:YES)、制御装置90は、カメラ60が撮影する画像に基づいて、動体判定処理を実施する(S20)。続いて、制御装置90は、動体判定処理の結果に基づいて、カメラ60の撮影エリアに動体MVが存在しているか否かを判定する(S21)。撮影エリアに動体MVが存在していない場合(S21:NO)、制御装置90は、動体MVの強調表示M4をオフにする(S22)。その後、制御装置90は、ステップS29に処理を移行する。
【0052】
一方、撮影エリアに動体MVが存在している場合(S21:YES)、制御装置90は、動体MVの強調表示M4をオンにする(S23)。その後、制御装置90は、スロープ41が展開作動中であるか否かを判定する(S24)。スロープ41が展開作動中でない場合(S24:NO)、制御装置90は、ステップS29に処理を移行する。一方、スロープ41が展開作動中である場合(S24:YES)、制御装置90は、展開作動中のスロープ41の先端の位置表示をオンにする(S25)。続いて、制御装置90は、専有エリアA1及び乗降エリアA2に動体MVが接近しているか否かを判定する(S26)。専有エリアA1及び乗降エリアA2に動体MVが接近していない場合(S26:NO)、制御装置90は、注意表示M5をオフにする(S27)。一方、制御装置90は、専有エリアA1及び乗降エリアA2に動体MVが接近している場合(S26:YES)、注意表示M5をオンにする(S28)。このとき、制御装置90は、室外スピーカ81及び室内スピーカ82に注意喚起の音声を出力することが好ましい。
【0053】
その後、制御装置90は、スロープ41が格納作動されたか否かを判定する(S29)。スロープ41が格納作動されていない場合(S29:NO)、例えば、スロープ41が展開位置に位置する場合、制御装置90は、ステップS20に処理を移行する。一方、スロープ41が格納作動された場合(S29:YES)、言い換えれば、スロープ41が格納位置に位置する場合、制御装置90は、第1ドア31及び第2ドア32が閉作動されたか否かを判定する(S30)。第1ドア31及び第2ドア32が閉作動されていない場合(S30:NO)、例えば、第1ドア31及び第2ドア32が全開位置に位置する場合、制御装置90は、第1ドア31及び第2ドア32が閉作動されるのを待機する。
【0054】
一方、第1ドア31及び第2ドア32が閉作動された場合(S30:YES)、言い換えれば、第1ドア31及び第2ドア32が全閉位置に位置する場合、制御装置90は、各種表示をオフにする(S31)。なお、各種表示をオフするタイミングは、適宜に変更してもよい。例えば、開口位置表示M1は、車速VBが第2判定速度VBTh2未満となった場合に、オフにしてもよい。その後、制御装置90は、本処理を終了する。
【0055】
本実施形態の作用について説明する。
詳しくは、図6図11を参照して、走行中の車両10がバス停に停止するときの作用について説明する。図6図11は、表示部70の画面を模式的に図示している。図6図11に示す表示部70の画面には、歩道R1及び車道R2が表示されている。歩道R1には、車道R2との境界となる位置にフェンスFが設置されている。以降の説明では、歩道R1及び車道R2の間を行き来するためにユーザが通過する部分、すなわち、フェンスFが途切れている部分を乗降口ともいう。
【0056】
図6に示すように、車両10が車道R2を走行する状況下では、表示部70は、車両10の周辺の状況のみを表示する。言い換えれば、表示部70は、開口位置表示M1などの各種の表示を表示しない。
【0057】
図7に示すように、車両10がバス停に向けて減速する状況になると、表示部70は、開口位置表示M1、専有エリア表示M2及び利用エリア表示を表示する。このため、運転者は、開口位置表示M1に基づいて、ドア開口部21,22がフェンスFと対向しないように車両10の停止位置を調整する。言い換えれば、運転者は、開口位置表示M1が乗降口と重なるように車両10の停止位置を調整する。また、運転者は、専有エリア表示M2に基づいて、フェンスFを歩道R1に掛け渡すことのできる位置に車両10の停止位置を調整する。詳しくは、運転者は、専有エリア表示M2内の第2ラインL2が歩道R1と重なるように車両10の停止位置を調整する。
【0058】
なお、図7に示す場合と異なり、バス停によっては、歩道R1に街路樹及び案内標識といった障害物が存在する場合もある。この場合、運転者は、専有エリア表示M2及び乗降エリア表示M3に基づいて、車両10を停止させることが好ましい。詳しくは、運転者は、専有エリアA1及び乗降エリアA2が障害物と重ならないように車両10の停止位置を調整することが好ましい。
【0059】
図8に示すように、車両10がバス停に停止すると、第1ドア31及び第2ドア32が開作動される。その結果、車両10に対してユーザが乗降可能となる。また、車両10がバス停に停止すると、表示部70は、第1ドア31及び第2ドア32並びにスロープ41の位置を表示する。図8に示す表示は、第1ドア31及び第2ドア32が開位置に位置していることを示し、スロープ41が格納位置に位置していることを示している。さらに、表示部70は、車両10の周辺に動体MVが存在している場合には、当該動体MVに対して強調表示M4を表示する。さらに、表示部70は、上記動体MVの移動方向DRを表示する。ここでいう動体MVは、車両10に対して乗降するユーザと、車両10の側方を通過する通行人と、を含む。
【0060】
図9に示すように、第1ドア31及び第2ドア32が開作動されると、必要に応じて、スロープ41が展開作動される。スロープ41が展開作動される場合、表示部70は、展開作動中のスロープ41の先端位置を示す第1ラインL1を表示する。スロープ41の位置表示もスロープ41が展開作動中であることを示す表示に更新される。また、スロープ41の展開作動中に、専有エリアA1及び乗降エリアA2に接近する動体MVが存在する場合には、表示部70は、その旨の注意表示M5を表示する。
【0061】
図10に示すように、スロープ41の展開作動が完了すると、スロープ41の位置表示がスロープ41が展開位置に位置していることを示す表示に更新される。スロープ41を利用して車両10に対して乗降するユーザが存在するとき、当該ユーザは動体MVに該当する。このため、当該ユーザは強調表示M4の対象となる。
【0062】
図11に示すように、スロープ41が格納作動され、第1ドア31及び第2ドア32が閉作動されると、表示部70は、各種の表示を表示しなくなる。この後、運転者は、車両10を発進させる。
【0063】
本実施形態の効果について説明する。
(1)表示部70は、車両10がバス停に向けて減速する際、ドア開口部21,22の位置を示す開口位置表示M1を表示する。このため、運転者は、ドア開口部21,22がフェンスFと対向しないように、車両10を停止させることができる。したがって、運転者は、ユーザにとって乗降しやすい位置に車両10を停止させることができる。
【0064】
(2)表示部70は、車両10がバス停に向けて減速する際、スロープ41が専有するエリアである専有エリアA1を表示する。このため、運転者は、スロープ41の専有エリアA1を確保できる位置に車両10を停止できる。したがって、制御装置90は、運転者が車両10を一度停止させた後に、ユーザがスロープ41を利用できない事態を回避できる。
【0065】
(3)表示部70は、車両10がバス停に向けて減速する際、スロープ41に対するユーザの乗降エリアA2を示す乗降エリア表示M3を表示する。このため、運転者は、スロープ41に対するユーザの乗降エリアA2を確保できる位置に車両10を停止できる。したがって、制御装置90は、運転者が車両10を一度停止させた後に、ユーザがスロープ41を利用できない事態を回避できる。
【0066】
(4)表示部70は、車両10がバス停に向けて減速する際、スロープ41の歩道R1に対して必要な掛かり代を示す第2ラインL2を表示する。このため、運転者は、車道R2よりも上方にせり上がった歩道R1に対してスロープ41を架け渡すことのできる位置に車両10を停止できる。したがって、制御装置90は、運転者が車両10を一度停止させた後に、ユーザがスロープ41を利用できない事態を回避できる。
【0067】
(5)表示部70は、車両10がバス停で停止する際、スロープ41の位置を表示したり、第1ドア31及び第2ドア32の位置を表示したりする。このため、運転者は、スロープ41の展開状態を把握できたり、第1ドア31及び第2ドア32の開閉状態を把握できたりする。
【0068】
(6)表示部70は、車両10の周辺に動体MVが存在している場合、当該動体MVに対する強調表示M4を表示する。さらに、表示部70は、動体MVの移動方向DRを表示する。このため、運転者は、ドア開口部21,22の周辺に存在する通行人などに注意を払うことができる。
【0069】
(7)制御装置90は、車速VBが第1判定速度VBTh1未満となった場合に、開口位置表示M1の表示を開始する。さらに、制御装置90は、車両10がバス停に接近した場合に、開口位置表示M1の表示を開始する。このため、制御装置90は、車両10を停止させる状況にない場合において、開口位置表示M1を不要に表示させることを抑制できる。
【0070】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・車両10は、スロープ駆動装置42を備えなくてもよい。つまり、スロープ41は、車両10の運転者及び乗務員が手作業により設置するスロープ41であってもよい。この場合であっても、上記実施形態の効果(1)~(4)を得ることができる。
【0071】
・制御装置90は、開口位置表示M1を除く表示を表示部70に表示させなくてもよい。この場合、上記実施形態の効果(1)を得ることができる。また、制御装置90は、専有エリア表示M2を除く表示を表示部70に表示させなくてもよい。この場合、上記実施形態の効果(2)を得ることができる。
【0072】
・制御装置90は、開口位置表示M1として、専有エリア表示M2のような矩形のエリア表示を用いてもよい。つまり、開口位置表示M1は、車両10の運転者がドア開口部21,22の位置を特定できる表示であればよい。
【0073】
・制御装置90は、例えば、運転者が運転席に設けられるスイッチの操作に基づき、各種の位置表示のオンオフを切り替えてもよい。この場合、制御装置90は、車速VB及び車両10の現在位置に基づいて、各種の位置表示のオンオフを切り替える必要がなくなる。
【0074】
・制御装置90は、例えば、バス停に設置された通信装置と無線で通信を行うことで、車両10がバス停に接近しているか否かを判定してもよい。
・制御装置90は、何らかの手段により、スロープ41を利用したいユーザの有無を検出できる場合、その検出結果に基づいて、専有エリア表示M2及び乗降エリア表示M3を表示させるか否かを判定してもよい。
【0075】
・制御装置90が表示部70に表示させる画像は、車両10のトップビュー画像でなくてもよい。制御装置90が表示部70に表示させる画像は、カメラ60が撮影する画像そのものであってもよい。この場合、カメラ60は、第2開口部22と第2開口部22の周囲とを撮影できるように車体20に設置されることが好ましい。
【0076】
・車両10は、スロープ41などの乗降支援装置を備えない車両であってもよい。この場合であっても、上記実施形態の効果(1)を得ることができる。
・車両10は、ミニバンなどの一般車両をベースに改造された福祉車両であってもよい。この場合、スロープ41は、車体20の側方に開口するドア開口部21,22の底部と路面とを接続してもよいし、車体20の後方に開口するドア開口部21,22の底部と路面とを接続してもよい。
【0077】
・乗降支援装置は、車室外の展開位置及び車室内の格納位置の間で作動するシート又はリフトを備えてもよいし、車体20から側方に延びる展開位置及び車体20に格納される格納位置の間で作動するステップを備えてもよい。
【0078】
・制御装置90、ドア制御装置51及びスロープ制御装置52は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア(特定用途向け集積回路:ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路又はこれらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ、すなわち記憶媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0079】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
上記課題を解決する表示制御方法は、ドア開口部を有する車体と、前記ドア開口部の周辺を含むエリアを撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を表示する表示部と、を備える車両に適用される表示制御方法であって、前記ドア開口部の位置を示す開口位置表示を前記画像に重ねて表示させる表示制御工程を備える。
【0080】
上記課題を解決する表示制御プログラムは、ドア開口部を有する車体と、前記ドア開口部の周辺を含むエリアを撮影するカメラと、前記カメラが撮影した画像を表示する表示部と、を備える車両のコンピュータに実行される表示制御プログラムであって、前記ドア開口部の位置を示す開口位置表示を前記画像に重ねて表示させる。
【符号の説明】
【0081】
10…車両
20…車体
21,22…ドア開口部
31…第1ドア(車両ドアの一例)
32…第2ドア(車両ドアの一例)
41…スロープ
60…カメラ
70…表示部
90…制御装置(表示制御装置の一例)
91…位置取得部
92…速度取得部
93…動体判定部
94…表示制御部
A1…専有エリア
A2…乗降エリア
F…フェンス(障害物の一例)
M1…開口位置表示
M2…専有エリア表示
M3…乗降エリア表示
M4…強調表示
M5…注意表示
MV…動体
R1…歩道
R2…車道
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11