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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122710
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】配管用継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 33/20 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
F16L33/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020132
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】長澤 範明
【テーマコード(参考)】
3H017
【Fターム(参考)】
3H017GA03
(57)【要約】
【課題】ソケットをニップルに加締めて取り付ける作業を省略すること。
【解決手段】ニップル18の口金部12側の端部に形成された結合用外周面1804に結合用壁部1806が設けられている。結合用壁部1806を通る結合用外周面1804の周方向において結合用壁部1806を除いた箇所は結合用凹部1808となっている。ソケット20の端部に設けられた環状壁部2004を通るソケット20の端部の内周面の周方向において環状壁部2004を除いた箇所は挿脱用欠部2006となっている。結合用壁部1806が挿脱用欠部2006からソケット20の内部に入り環状壁部2004の背面2004Bに位置した状態で、挿脱用欠部2006と結合用凹部1808とにわたって挿入されニップル18に対するソケット20の回転を阻止する係止片2204が設けられている。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口金部とホース継手部とを備え、前記ホース継手部は、ホース挿入部を有するニップルと、前記ホース挿入部の周囲を囲むソケットとを備える配管用継手であって、
前記ニップルの前記口金部側の端部は、前記ホース挿入部と同一の軸心を有する結合用外周面として形成されると共に、前記結合用外周面の前記ホース挿入部側の端部に前記結合用外周面の前記口金部側の端部と間隔をおき前記外周面の半径方向外側に突出する結合用壁部が設けられ、
前記結合用壁部を通る前記結合用外周面の周方向において前記結合用壁部を除いた箇所は結合用凹部となっており、
前記口金部側に位置する前記ソケットの端部に、前記結合用外周面が挿入される内径で前記ソケットの端部の内周面に沿って延在し前記ホース挿入部の先端方向に向いた背面を有する環状壁部が設けられ、
前記環状壁部を通る前記前記ソケットの端部の内周面の周方向において前記環状壁部を除いた箇所は挿脱用欠部となっており、
前記結合用壁部が前記挿脱用欠部から前記ソケットの内部に入り前記環状壁部の背面に位置した状態で、前記挿脱用欠部と前記結合用凹部とにわたって挿入され前記ニップルに対する前記ソケットの回転を阻止する係止片が設けられている、
ことを特徴とする配管用継手。
【請求項2】
前記結合用壁部と前記結合用凹部とは、前記結合用外周面の周方向に間隔をおいて複数設けられ、
前記環状壁部と前記挿脱用欠部とは、前記ソケットの端部の内周面の周方向に間隔をおいて複数設けられ、
前記係止片は前記複数の挿脱用欠部と前記複数の前記結合用凹部とにわたってそれぞれ挿入されるように複数設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の配管用継手。
【請求項3】
前記複数の係止片は、前記ニップルの外周面と前記ソケットの内周面とで形成される環状空間を前記ソケットの軸心方向に移動可能な環状体に一体に設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載の配管用継手。
【請求項4】
前記結合用壁部は前記口金部側に向いた前面を有し、
前記前面と前記環状壁部の背面に互いに係止する係止部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項記載の配管用継手。
【請求項5】
前記結合用外周面の周方向に沿った前記結合用壁部の幅と、前記ソケットの端部の内周面の周方向に沿った前記環状壁部の幅はほぼ等しい、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載の配管用継手。
【請求項6】
前記係止片は前記結合用凹部に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項記載の配管用継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニップルとソケットとを有する配管用継手に関する。
【背景技術】
【0002】
ニップルとソケットとを有する配管用継手はホースの端部に結合され、ホース内を流れる流体を適宜機器に供給し、あるいは、適宜機器から排出させるものである。
従来、工場において、ニップルとソケットとを有する配管用継手をホースの端部に連結する場合、まず、ニップルをソケットに挿入し、専用の加締め機を用いてソケットの端部をニップルの端部の環状凹部に加締めて取り付ける作業がなされる。
次に、ニップルの外周面とソケットの内周面との間の環状空間にホースの端部を挿入し、加締め機を用いてソケットを加締め、ホースの端部をソケットとニップルとに一体化する作業がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-278975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、従来の配管用継手では、専用の加締め機を用いてソケットをニップルに取り付ける作業を行なう必要があり、配管用継手を簡単に製作することができず、配管用継手とホースとの連結作業の効率化を図る上で不利があった。
また、予めソケットをニップルに取り付ける作業を行なうと、在庫管理が必要となり、コストダウンを図る上で不利となる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、ソケットをニップルに加締めて取り付ける作業を省略して配管用継手を簡単に製作でき、したがって、予めソケットがニップルに取り付けられた配管用継手の在庫を確保する必要もなくなり、さらには、ソケットの内径、外径を小さくでき、配管用継手とホースとの連結作業の効率化、コストダウンを図る上で有利な配管用継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、口金部とホース継手部とを備え、前記ホース継手部は、ホース挿入部を有するニップルと、前記ホース挿入部の周囲を囲むソケットとを備える配管用継手であって、前記ニップルの前記口金部側の端部は、前記ホース挿入部と同一の軸心を有する結合用外周面として形成されると共に、前記結合用外周面の前記ホース挿入部側の端部に前記結合用外周面の前記口金部側の端部と間隔をおき前記外周面の半径方向外側に突出する結合用壁部が設けられ、前記結合用壁部を通る前記結合用外周面の周方向において前記結合用壁部を除いた箇所は結合用凹部となっており、前記口金部側に位置する前記ソケットの端部に、前記結合用外周面が挿入される内径で前記ソケットの端部の内周面に沿って延在し前記ホース挿入部の先端方向に向いた背面を有する環状壁部が設けられ、前記環状壁部を通る前記前記ソケットの端部の内周面の周方向において前記環状壁部を除いた箇所は挿脱用欠部となっており、前記結合用壁部が前記挿脱用欠部から前記ソケットの内部に入り前記環状壁部の背面に位置した状態で、前記挿脱用欠部と前記結合用凹部とにわたって挿入され前記ニップルに対する前記ソケットの回転を阻止する係止片が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記結合用壁部と前記結合用凹部とは、前記結合用外周面の周方向に間隔をおいて複数設けられ、前記環状壁部と前記挿脱用欠部とは、前記ソケットの端部の内周面の周方向に間隔をおいて複数設けられ、前記係止片は前記複数の挿脱用欠部と前記複数の前記結合用凹部とにわたってそれぞれ挿入されるように複数設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記複数の係止片は、前記ニップルの外周面と前記ソケットの内周面とで形成される環状空間を前記ソケットの軸心方向に移動可能な環状体に一体に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記結合用壁部は前記口金部側に向いた前面を有し、前記前面と前記環状壁部の背面に互いに係止する係止部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記結合用外周面の周方向に沿った前記結合用壁部の幅と、前記ソケットの端部の内周面の周方向に沿った前記環状壁部の幅はほぼ等しいことを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記係止片は前記結合用凹部に取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、従来のようにニップルの端部の環状凹部に専用の加締め機を用いてソケットの端部を加締める必要がなくなり、配管用継手を簡単に製作することができ、配管用継手とホースとの連結作業の効率化を図る上で有利となる。
また、加締め機を用いたソケットをニップルに加締めて結合させる作業を省略できるので、従来のように予めソケットをニップルに取り付ける作業を行なっていた場合の在庫管理も不要となり、配管用継手のコストダウンを図る上で有利となる。
また、本発明の一実施の形態の配管用継手では、ソケットがニップルに取り付けられた状態でソケットは均一の外径を有していることから、ソケットの小径化を図る上で有利となり、配管用継手の軽量化、コストダウンを図る上で有利となる。
また、結合用壁部、結合用凹部、環状壁部、挿脱用欠部、係止片を複数設けると、ニップルに対するソケットの回転を安定した状態で阻止する上で有利となる。
また、複数の係止片を環状体に一体に設けると、配管用継手を簡単に製作する上で有利となり、配管用継手とホースとの連結作業の効率を高める上で有利となる。
また、結合用壁部の前面と環状壁部の背面に互いに係止する係止部を設けると、環状壁部に対する結合用壁部の位置合わせを簡単に行なえ、ニップルに対するソケットの組み付け作業の効率を高めることができ、したがって、配管用継手のコストダウンを図る上で有利となり、また、配管用継手とホースとの連結作業の効率を高める上で有利となる。
また、結合用外周面の周方向に沿った結合用壁部の幅と、ソケットの端部の内周面の周方向に沿った環状壁部の幅をほぼ等しく形成すると、複数の結合用壁部をそれぞれ挿脱用欠部からソケットの内部に入れ、ニップルとソケットとを相対的に回転させて複数の結合用壁部と複数の環状壁部との位置合わせを行なう際に、この位置合わせを簡単に行なう上で有利となり、配管用継手を簡単に製作する上で有利となり、配管用継手とホースとの連結作業の効率を高める上で有利となる。
また、係止片を結合用凹部に取り付け、本発明の一実施の形態の配管用継手を市場に流通させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態に係る継手本体の斜視図である。
図2】実施の形態に係る継手本体の斜視図である。
図3】実施の形態に係る継手本体の正面図である。
図4】実施の形態に係るソケットの斜視図である。
図5】実施の形態に係るソケットの斜視図である。
図6】実施の形態に係るソケットの断面正面図である。
図7】(A)は実施の形態に係る係止部材の斜視図であり、(B)は3つの係止片の斜視図である。
図8】ニップルをソケットに挿入しる状態の斜視図である。
図9】結合用壁部を挿脱用欠部からソケットの内部に挿入した状態の斜視図である。
図10】挿脱用欠部と結合用凹部とを合わせ、係止部材をソケットの内部に挿入する斜視図である。
図11】は断面図ではなく、ニップル、ソケット、係止部材の位置関係を明確にするためハッチングを入れたものであり、(A)は挿脱用欠部に結合用壁部を合わせた状態をソケットの端部から見た図、(B)はソケットを回転させ挿脱用欠部と結合用凹部とを合わせた状態をソケットの端部から見た図、(C)は係止部材をソケットの内部に挿入した状態をソケットの端部から見た図である。
図12】(A)は図11(A)のX1-X1断面図、(B)は図11(B)のX2-X2断面図、(C)は図11(C)のX3-X3断面図である。
図13】(A)~(D)は継手本体の変形例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図10に示すように、配管用継手10は、口金部12と、ホース継手部14とを備え、それら口金部12とホース継手部14の内部には、図12(A)に示すように、流体通路16が貫通形成されている。
図12(A)に示すように、口金部12は、六角部1202と、六角部1202に続く環状凹部1204と、環状凹部1204に続く大径部1206と、環状凹部1204に回転可能に結合されたナット1208とを含んで構成されている。
なお、口金部12は本実施の形態の構造に限定されず、単に雄ねじで構成されている場合もあり、あるいは、相手側の流体通路にロー付けされる筒状体で構成されている場合もあり、あるいはホース継手部14で構成されている場合など、従来公知の様々な構造が適用可能である。
【0009】
図1図10図12に示すように、ホース継手部14は、ニップル18と、ソケット20と、係止部材22とを備えている。
図12(A)に示すように、ニップル18は口金部12と同軸上に設けられている。
図1図3に示すように、ニップル18は、ホース挿入部1802と、結合用外周面1804と、結合用壁部1806と、結合用凹部1808とを含んで構成されている。
ホース挿入部1802は、ホースの内部に挿入される箇所であり、表面にホースとの結合用の凹凸部1810が設けられている。
結合用外周面1804は、ホース挿入部1802と同一の軸心を有し、ニップル18の口金部12側の端部にホース挿入部1802の外径よりも大きい寸法の外径で設けられている。
結合用壁部1806は、結合用外周面1804のホース挿入部1802側の端部で結合用外周面1804の口金部12側の端部と間隔をおいた箇所に設けられている。
そして結合用壁部1806は、結合用外周面1804の周方向に等間隔をおいた箇所に結合用外周面1804の半径方向外側に突出して複数設けられている。
本実施の形態では、六角部1202の端面から間隔をおいた結合用外周面1804の箇所に外周面の周方向に等間隔をおいて複数設けられている。
複数の結合用壁部1806は同一の形状で形成されている。
結合用外周面1804上において六角部1202と結合用壁部1806との間の寸法は、後述する環状壁部2004がソケット20の軸心方向においてがたつくことなく回転できる寸法で形成され、ニップル18の短縮化が図られている。
【0010】
また、結合用壁部1806を通る結合用外周面1804の周方向において結合用壁部1806を除いた箇所は結合用凹部1808となっている。すなわち、結合用外周面1804の周方向において隣り合う結合用壁部1806の箇所は結合用凹部1808となっている。
各結合用壁部1806は、口金部12側に向いた前面1806Aを有し、前面1806Aには、係止部24として口金部12から離れる方向に窪んだ係止凹部24Aが設けられている。
なお、本実施の形態では、大径部1206、環状凹部1204、六角部1202、結合用外周面1804、結合用壁部1806、結合用凹部1808、ホース挿入部1802により継手本体26が構成されている。
【0011】
図4図6に示すように、ソケット20は、均一外径のソケット本体2002と、ソケット本体2002の口金部12側に位置する端部に設けられた環状壁部2004と挿脱用欠部2006とを有している。
ソケット本体2002の内周面には、ホースとの結合用の突起2008が設けられている。
環状壁部2004は、結合用外周面1804が挿入される内径でソケット20の端部の内周面に沿って環状に延在している。
環状壁部2004は、口金部12方向に向いた前面2004Aと、ホース挿入部1802の先端方向に向いた背面2004Bとを有している。
背面2004Bには、係止部24として係止凹部24Aに係止可能な係止凸部24Bが設けられている。
また、環状壁部2004を通るソケット20の端部の内周面の周方向において環状壁部2004を除いた箇所は挿脱用欠部2006となっている。
なお、本実施の形態では、結合用外周面1804の周方向に沿った結合用壁部1806の幅と、ソケット20の端部の内周面の周方向に沿った環状壁部2004の幅はほぼ同一の寸法で形成されている。
また、結合用外周面1804の周方向に沿った結合用凹部1808の幅と、ソケット20の端部の内周面の周方向に沿った挿脱用欠部2006の幅もほぼ同一の寸法で形成されている。
そして、結合用外周面1804の周方向に沿った結合用壁部1806の幅と、ソケット20の端部の内周面の周方向に沿った環状壁部2004の幅と、結合用外周面1804の周方向に沿った結合用凹部1808の幅と、ソケット20の端部の内周面の周方向に沿った挿脱用欠部2006の幅とはほぼ同一の寸法で形成されている。
【0012】
図7(A)に示すように、係止部材22は、ニップル18の外周面とソケット20の内周面とで形成される環状空間をソケット20の軸心方向に移動可能な環状体2202と、環状体2202の周方向に等間隔をおいた箇所にそれぞれ突設され環状体2202に一体に設けられた複数の係止片2204とを含んで構成されている。
係止片2204は、結合用壁部1806が挿脱用欠部2006からソケット20の内部に入り環状壁部2004の背面2004Bに位置した状態で、ソケット20の内部から挿脱用欠部2006と結合用凹部1808とにわたって挿入されニップル18に対するソケット20の回転を阻止するものである。
【0013】
次に、配管用継手10の使用方法について説明する。
まず、図1図3に示すように、ナット1208が回転可能に設けられた継手本体26と、図4図6に示すソケット20とを用意する。
次に、作業者は、図8に示すように、ニップル18がソケット20の内側に入るようにニップル18をソケット20に挿入し、図9図11(A)、図12(A)に示すように、複数の結合用壁部1806をそれぞれ挿脱用欠部2006からソケット20の内部に入れる。
そして、作業者は、ニップル18とソケット20とを相対的に回転させ、複数の結合用壁部1806の延在方向の端部の前面1806Aが環状壁部2004の背面2004B上に位置したならば、ニップル18とソケット20とをそれらの軸心方向において離しつつ相対的に回転させる。
ニップル18とソケット20とをそれらの軸心方向において離しつつ相対的に回転させると、図11(B)、図12(B)に示すように、係止凸部24Bが係止凹部24A上に位置した状態で係止凸部24Bが係止凹部24Aに係止するので、作業者は、ソケット20の内周面の周方向においてニップル18とソケット20とが位置決めされたことが分かる。
この状態で複数の結合用壁部1806の前面1806A全域がそれぞれ複数の環状壁部2004の背面2004B全域に位置し、また、結合用凹部1808と挿脱用欠部2006とが合致する。
【0014】
次に、作業者は、図10図11(C)、図12(C)に示すように、複数の係止片2204を先頭に係止部材22を、ホース挿入部1802の外周面とソケット20の内周面との間の環状空間に挿入し、複数の係止片2204をそれぞれ挿脱用欠部2006および結合用凹部1808に挿入する。
これにより継手本体26とソケット20とはその周方向に相対的な回転が阻止された状態となる。
言い換えると、複数の結合用壁部1806が環状壁部2004の背面2004Bに位置し、また、結合用凹部1808と挿脱用欠部2006とが合致した状態が保持された状態となる。
複数の係止片2204をそれぞれ挿脱用欠部2006および結合用凹部1808に挿入したならば、ホース挿入部1802の外周面とソケット20の内周面との間の環状空間にホースを挿入し、ソケット20を加締め機により加締めてホースとソケット20、ニップル18とを一体的に結合する。
【0015】
したがって、本実施の形態の配管用継手10によれば、従来のようにニップル18の端部の環状凹部に専用の加締め機を用いてソケット20の端部を加締める必要がなくなり、ニップル18をソケット20の内側に入れて相対的に回転させ、係止片2204をそれぞれ挿脱用欠部2006および結合用凹部1808に挿入する作業により配管用継手10が構成されることから、配管用継手10を簡単に製作することができ、配管用継手10とホースとの連結作業の効率化を図る上で有利となる。
また、ニップル18の端部の環状凹部にソケット20の端部を加締めてソケット20をニップル18に結合させる作業を省略できるので、従来のように予めソケット20をニップル18に取り付ける作業を行なっていた場合の在庫管理も不要となり、配管用継手10のコストダウンを図る上で有利となる。
また、ニップル18の端部の環状凹部にソケット20の端部を加締めてソケット20をニップル18に結合させる従来の配管用継手では、ニップル18の端部の環状凹部にソケット20の端部を加締めることからソケット20の環状凹部側の内径は環状凹部に近づくにつれてその内径が次第に小さくなっていることから、ホースの端部がソケット20の内部の所定の箇所まで入るように、その分ソケット20の内径、外径を大きく形成しているものが多い。
これに対して、本実施の形態の配管用継手10では、従来のようにニップル18の端部の環状凹部にソケット20の端部を加締める作業がなくなり、ソケット20がニップル18に取り付けられた状態でソケット20は均一の外径を有していることから、ソケット20の小径化を図る上で有利となり、配管用継手10の軽量化、コストダウンを図る上で有利となる。
【0016】
なお、結合用壁部1806の前面1806Aに設けた係止凹部24Aと、環状壁部2004の背面2004Bに設けた係止凸部24Bとを省略してもよいが、本実施の形態のような係止部24を設けると、環状壁部2004に対する結合用壁部1806の位置合わせを簡単に行なえ、ニップル18に対するソケット20の組み付け作業の効率を高めることができ、したがって、配管用継手10のコストダウンを図る上で有利となり、また、配管用継手10とホースとの連結作業の効率を高める上で有利となる。
また、本実施の形態では、結合用壁部1806、結合用凹部1808、環状壁部2004、挿脱用欠部2006、係止片2204を3つずつ設けた場合について説明したが、結合用壁部1806、結合用凹部1808、環状壁部2004、挿脱用欠部2006、係止片2204は1つずつ設けてもよい。ただし、実施の形態のように結合用壁部1806、結合用凹部1808、環状壁部2004、挿脱用欠部2006、係止片2204を複数設けると、ニップル18に対するソケット20の回転を安定した状態で阻止する上で有利となる。
図13(A)はニップル18の結合用外周面1804に結合用壁部1806と結合用凹部1808とを2つずつ設けた場合を示し、図13(B)はニップル18の結合用外周面1804に結合用壁部1806と結合用凹部1808とを4つずつ設けた場合を示し、図13(C)はニップル18の結合用外周面1804に結合用壁部1806と結合用凹部1808とを5つずつ設けた場合を示し、図13(D)はニップル18の結合用外周面1804に結合用壁部1806と結合用凹部1808とを6つずつ設けた場合を示している。
【0017】
また、本実施の形態では、図7(A)に示すように、複数の係止片2204が環状体2202に一体に設けられた係止部材22を用いたが、図7(B)に示すように、環状体2202を省略し、複数の係止片2204をそれぞれ挿脱用欠部2006から結合用凹部1808に挿入するようにしてもよい。
ただし、実施の形態のように、複数の係止片2204が環状体2202に一体に設けられた係止部材22を用いると、複数の係止片2204の挿脱用欠部2006から結合用凹部1808への挿入を簡単に行なえ、配管用継手10を簡単に製作する上で有利となり、配管用継手10とホースとの連結作業の効率を高める上で有利となる。
また、本実施の形態では、結合用外周面1804の周方向に沿った結合用壁部1806の幅と、ソケット20の端部の内周面の周方向に沿った環状壁部2004の幅をほぼ等しく形成したので、複数の結合用壁部1806をそれぞれ挿脱用欠部2006からソケット20の内部に入れ、ニップル18とソケット20とを相対的に回転させて複数の結合用壁部1806と複数の環状壁部2004との位置合わせを行なう際に、この複数の結合用壁部1806と複数の環状壁部2004との位置合わせを簡単に行なう上で有利となり、配管用継手10を簡単に製作する上で有利となり、配管用継手10とホースとの連結作業の効率を高める上で有利となる。
【0018】
さらに、継手本体26と、ソケット20と、係止部材22または係止片2204を組み付けせずにばらばらとした形態で配管用継手10を市場に流通させてもよいが、継手本体26と、ソケット20と、係止部材22とを組み付けた状態で市場に流通させてもよい。
この場合には、係止部材22または係止片2204が結合用凹部1808から抜けないように、複数の結合用壁部1806をそれぞれ挿脱用欠部2006からソケット20の内部に入れ、ニップル18とソケット20とを相対的に回転させ、複数の結合用壁部1806を環状壁部2004の背面2004Bに位置させ、複数の係止片2204をそれぞれ挿脱用欠部2006および結合用凹部1808に挿入する際に、係止片2204を結合用凹部1808に圧入する、あるいは、係止片2204を結合用凹部1808に接着剤を用いて接着するなど、係止片2204を結合用凹部1808に取り付けた状態で市場に流通させればよい。
【符号の説明】
【0019】
10 配管用継手
12 口金部
1202 六角部
1204 環状凹部
1206 大径部
1208 ナット
14 ホース継手部
16 流体通路
18 ニップル
1802 ホース挿入部
1804 結合用外周面
1806 結合用壁部
1806A 前面
1808 結合用凹部
1810 凹凸部
20 ソケット
2002 ソケット本体
2004 環状壁部
2004A 前面
2004B 背面
2006 挿脱用欠部
2008 突起
22 係止部材
2202 環状体
2204 係止片
24 係止部
24A 係止凹部
24B 係止凸部
26 継手本体
図1
図2
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