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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122711
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】配管用継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 33/20 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
F16L33/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020133
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】長澤 範明
【テーマコード(参考)】
3H017
【Fターム(参考)】
3H017GA03
(57)【要約】
【課題】ソケットをニップルに加締めて取り付ける作業を省略できる配管用継手を提供すること。
【解決手段】ニップル圧接壁1806は、ニップル外周面1804に設けられている。ニップル環状壁1810は、ニップル圧接壁1806に沿ってニップル外周面1804に設けられている。ソケット圧接壁2004は、ソケット20の端部の内周面に設けられている。ニップル環状壁1810およびニップル圧接壁1806をそれぞれソケット欠部2006からソケット20の内部に挿入し、ニップル18とソケット20とを相対的に回転させ、ニップル圧接壁1806とソケット圧接壁2004を圧接させる。この圧接によりニップル18とソケット20とはそれらの軸心方向に移動不能にかつそれらの軸心の周りに回転不能に結合される。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口金部とホース継手部とを備え、前記ホース継手部は、ホース挿入部を有するニップルと、前記ホース挿入部の周囲を囲むソケットとを備える配管用継手であって、
前記ニップルの前記口金部側の端部のニップル外周面に、前記ニップル外周面の半径方向外側に突出しつつ前記ニップル外周面の周方向に延在するニップル圧接壁が設けられ、
前記口金部側に位置する前記ソケットの端部のソケット内周面に、前記ソケット内周面から半径方向内側に突出しつつ前記ソケット内周面に沿って延在するソケット圧接壁が設けられ、
前記ニップル圧接壁を通る前記ニップル外周面の周方向において前記ニップル圧接壁を除いた箇所は、前記ソケット圧接壁の通過を可能としたニップル欠部となっており、
前記ソケット圧接壁を通る前記ソケット内周面の周方向において前記ソケット圧接壁を除いた箇所は、前記ニップル圧接壁の通過を可能としたソケット欠部となっており、
前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁とを前記ニップルおよび前記ソケットの軸心方向において同一の位置に位置させて前記軸心の周りに前記ニップルと前記ソケットとを相対回転させると、前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁とは、前記ニップルおよび前記ソケットの軸心方向に移動不能にかつ前記軸心回りに回転不能に圧接される、
ことを特徴とする配管用継手。
【請求項2】
前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁とが圧接した状態で、前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁の一方に係止凹部が設けられ、他方に前記係止凹部に係止する係止突起が設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の配管用継手。
【請求項3】
前記ニップル圧接壁の前記ホース挿入部寄りの前記ニップル外周面の箇所に、前記ニップル圧接壁よりも前記ニップル外周面の半径方向外側に突出しつつ前記ニップル圧接壁に沿って前記ニップル外周面の周方向に延在するニップル環状壁が設けられ、
前記ソケット欠部は、前記ニップル環状壁の通過を可能に形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の配管用継手。
【請求項4】
前記ソケット圧接壁よりも前記ソケットの端部の前記ソケット内周面の箇所に、前記ソケット内周面から前記ソケット圧接壁よりも半径方向内側に突出しつつ前記ソケット圧接壁に沿って延在するソケット環状壁が設けられ、
前記ニップル欠部は、前記ソケット環状壁の通過を可能に形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の配管用継手。
【請求項5】
前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁の一方は、前記軸心の周りに変位するにつれて前記軸心からの距離が次第に変化する圧接用周面を含んで構成され、他方は前記圧接用周面に圧接可能な被圧接用周面を含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1~4に何れか1項記載の配管用継手。
【請求項6】
前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁の少なくとも一方は、前記軸心方向において互いに対向する一対の壁部で構成され、他方は一対の壁部の間に圧入される壁部で構成されている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載の配管用継手。
【請求項7】
前記ニップル圧接壁と前記ニップル欠部とは、前記ニップル外周面の周方向に間隔をおいて複数設けられ、
前記ソケット圧接壁と前記ソケット欠部とは、前記ソケット内周面の周方向に間隔をおいて複数設けられている、
ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項記載の配管用継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニップルとソケットとを有する配管用継手に関する。
【背景技術】
【0002】
ニップルとソケットとを有する配管用継手はホースの端部に結合され、ホース内を流れる流体を適宜機器に供給し、あるいは、適宜機器から排出させるものである。
従来、工場において、ニップルとソケットとを有する配管用継手をホースの端部に連結する場合、まず、ニップルをソケットに挿入し、専用の加締め機を用いてソケットの端部をニップルの端部の環状凹部に加締めて取り付ける作業がなされる。
次に、ニップルの外周面とソケットの内周面との間の環状空間にホースの端部を挿入し、加締め機を用いてソケットを加締め、ホースの端部をソケットとニップルとに一体化する作業がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-278975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、従来の配管用継手では、専用の加締め機を用いてソケットをニップルに取り付ける作業を行なう必要があり、配管用継手を簡単に製作することができず、配管用継手とホースとの連結作業の効率化を図る上で不利があった。
また、予めソケットをニップルに取り付ける作業を行なうと、在庫管理が必要となり、コストダウンを図る上で不利となる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、ソケットをニップルに加締めて取り付ける作業を省略して配管用継手を簡単に製作でき、したがって、予めソケットがニップルに取り付けられた配管用継手の在庫を確保する必要もなくなり、さらには、ソケットの内径、外径を小さくでき、配管用継手とホースとの連結作業の効率化、コストダウンを図る上で有利な配管用継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、口金部とホース継手部とを備え、前記ホース継手部は、ホース挿入部を有するニップルと、前記ホース挿入部の周囲を囲むソケットとを備える配管用継手であって、前記ニップルの前記口金部側の端部のニップル外周面に、前記ニップル外周面の半径方向外側に突出しつつ前記ニップル外周面の周方向に延在するニップル圧接壁が設けられ、前記口金部側に位置する前記ソケットの端部のソケット内周面に、前記ソケット内周面から半径方向内側に突出しつつ前記ソケット内周面に沿って延在するソケット圧接壁が設けられ、前記ニップル圧接壁を通る前記ニップル外周面の周方向において前記ニップル圧接壁を除いた箇所は、前記ソケット圧接壁の通過を可能としたニップル欠部となっており、前記ソケット圧接壁を通る前記ソケット内周面の周方向において前記ソケット圧接壁を除いた箇所は、前記ニップル圧接壁の通過を可能としたソケット欠部となっており、前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁とを前記ニップルおよび前記ソケットの軸心方向において同一の位置に位置させて前記軸心の周りに前記ニップルと前記ソケットとを相対回転させると、前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁とは、前記ニップルおよび前記ソケットの軸心方向に移動不能にかつ前記軸心回りに回転不能に圧接されることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁とが圧接した状態で、前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁の一方に係止凹部が設けられ、他方に前記係止凹部に係止する係止突起が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記ニップル圧接壁の前記ホース挿入部寄りの前記ニップル外周面の箇所に、前記ニップル圧接壁よりも前記ニップル外周面の半径方向外側に突出しつつ前記ニップル圧接壁に沿って前記ニップル外周面の周方向に延在するニップル環状壁が設けられ、前記ソケット欠部は、前記ニップル環状壁の通過を可能に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記ソケット圧接壁よりも前記ソケットの端部の前記ソケット内周面の箇所に、前記ソケット内周面から前記ソケット圧接壁よりも半径方向内側に突出しつつ前記ソケット圧接壁に沿って延在するソケット環状壁が設けられ、前記ニップル欠部は、前記ソケット環状壁の通過を可能に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁の一方は、前記軸心の周りに変位するにつれて前記軸心からの距離が次第に変化する圧接用周面を含んで構成され、他方は前記圧接用周面に圧接可能な被圧接用周面を含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記ニップル圧接壁と前記ソケット圧接壁の少なくとも一方は、前記軸心方向において互いに対向する一対の壁部で構成され、他方は一対の壁部の間に圧入される壁部で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記ニップル圧接壁と前記ニップル欠部とは、前記ニップル外周面の周方向に間隔をおいて複数設けられ、前記ソケット圧接壁と前記ソケット欠部とは、前記ソケット内周面の周方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、ニップル圧接壁とソケット圧接壁とが圧接することで、ニップルとソケットとはそれらの軸心方向に移動不能にかつそれらの軸心の周りに回転不能に結合される。
したがって、従来のようにニップルの端部の環状凹部に専用の加締め機を用いてソケットの端部を加締める必要がなくなり、ニップルとソケットとをそれらの軸心回りに相対的に回転させ、ニップル圧接壁とソケット圧接壁とを圧接させる作業により配管用継手が構成されることから、配管用継手を簡単に製作することができ、配管用継手とホースとの連結作業の効率化を図る上で有利となる。
また、ニップルの端部の環状凹部にソケットの端部を加締めてソケットをニップルに結合させる作業を省略できるので、従来のように予めソケットをニップルに取り付ける作業を行なっていた場合の在庫管理も不要となり、配管用継手のコストダウンを図る上で有利となる。
また、従来のようにニップルの端部の環状凹部にソケットの端部を加締める作業がなくなり、ソケットがニップルに取り付けられた状態でソケットは均一の外径を有していることから、ソケットの小径化を図る上で有利となり、配管用継手の軽量化、コストダウンを図る上で有利となる。
また、ニップル圧接壁とソケット圧接壁とが圧接した状態で、ニップル圧接壁とソケット圧接壁の一方に係止凹部を設け、他方に係止凹部に係止する係止凸部を設けると、係止凹部と係止凸部が係止する際に生じるクリック感により、作業者は圧接用周面と被圧接用周面とが確実に圧接したことが判断でき、したがってニップルに対するソケットの組み付け作業の効率を高める上で有利となり、ニップルとソケットとのそれらの軸心の周りの相対的な回転をより確実に阻止する上で有利となる。
また、ニップル圧接壁よりもニップル外周面の半径方向外側に突出するニップル環状壁を設けると、あるいは、ソケット圧接壁よりもソケット内周面の半径方向内側に突出するソケット環状壁を設けると、口金部から離れる方向へのソケットの移動をより確実に阻止する上で有利となり、ニップルからのソケットの抜け落ちを阻止する上でより有利となる。
また、ニップル圧接壁とソケット圧接壁とは、ニップルとソケットの径方向において圧接させてもよく、あるいは、ニップルとソケットの軸心方向に圧接させてもよい。
また、ニップル圧接壁、ニップル欠部、ソケット圧接壁、ソケット欠部を複数設けると、ニップルに対するソケットの回転および直線動を安定した状態で阻止する上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態に係る口金部とニップルの斜視図である。
図2】第1の実施の形態に係る口金部とニップルの斜視図である。
図3】第1の実施の形態に係る口金部とニップルの側面図である。
図4】ニップル環状壁側から見たニップル圧接壁の正面図である。
図5】ニップル環状壁側から見たニップル圧接壁の拡大正面図である。
図6】第1の実施の形態に係るソケットの斜視図である。
図7】第1の実施の形態に係るソケットの斜視図である。
図8】第1の実施の形態に係るソケットの断面側面図である。
図9】ソケット圧接壁と反対側から見た第1の実施の形態に係るソケットの正面図である。
図10】ソケット圧接壁の拡大正面図である。
図11】ホース挿入部をソケットの内部に挿入する状態の斜視図である。
図12】ニップル圧接壁をソケットの内部に挿入しニップルとソケットを相対回転させニップル圧接壁とソケット圧接壁とが圧接した状態の斜視図である。
図13】ホース挿入部、ニップル環状壁、ニップル圧接壁をソケットの内部に挿入した状態の断面側面図である。
図14】ニップル圧接壁とソケット圧接壁とが圧接した状態の断面側面図である。
図15】ニップル圧接壁をソケットの内部に挿入した状態をソケット圧接壁と反対側のソケット端部から見た図である。
図16】ニップル圧接壁をソケットの内部に挿入した状態をニップル環状壁から見た図である。
図17】ニップル圧接壁とソケット圧接壁とが圧接した状態をソケット圧接壁と反対側のソケット端部から見た図である。
図18】ニップル圧接壁とソケット圧接壁とが圧接した状態をニップル環状壁から見た図である。
図19】(A)~(D)は第1の実施の形態の継手本体の変形例の斜視図である。
図20】第2の実施の形態に係る口金部とニップルの斜視図である。
図21】第2の実施の形態に係るソケットの斜視図である。
図22】ニップル圧接壁をソケットの内部に挿入した状態の断面側面図である。
図23】ニップル圧接壁とソケット圧接壁とが圧接した状態の断面側面図である。
図24】第3の実施の形態に係る口金部とニップルの側面図である。
図25】第3の実施の形態に係るソケットの断面側面図である。
図26】ニップル圧接壁をソケットの内部に挿入した状態の断面側面図である。
図27】ニップル圧接壁とソケット圧接壁とが圧接した状態の断面側面図である。
図28】第4の実施の形態に係る口金部とニップルの側面図である。
図29】第4の実施の形態に係るソケットの断面側面図である。
図30】ニップル圧接壁をソケットの内部に挿入した状態の断面側面図である。
図31】ニップル圧接壁とソケット圧接壁とを圧接した状態の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の第1の実施の形態を図1図18を参照して説明する。
図14に示すように、第1の実施の形態の配管用継手10は、口金部12と、ホース継手部14とを備え、口金部12とホース継手部14の内部には、流体通路16が貫通形成されている。
口金部12は、六角部1202として形成された大径部と、六角部1202に続く環状凹部1204と、環状凹部1204の端部に設けられた環状凸部1206と、環状凹部1204に回転可能に結合されたナット1208とを含んで構成されている。
なお、大径部は六角部1202としてではなく円筒面などで形成される場合もあり、また、口金部12は本実施の形態の構造に限定されず、単に雄ねじで構成されている場合もあり、あるいは、相手側の流体通路16にロー付けされる筒状体で構成されている場合もあり、あるいはホース継手部14で構成されている場合など、従来公知の様々な構造が適用可能である。
【0009】
ホース継手部14は、図1図3に示すニップル18と、図6図8に示すソケット20とを備えている。
ニップル18は口金部12と同軸上に設けられている。
ニップル18は、ホース挿入部1802と、ニップル外周面1804と、ニップル圧接壁1806と、ニップル欠部1808と、ニップル環状壁1810とを含んで構成されている。
ホース挿入部1802は、ホースの内部に挿入される箇所であり、表面にホースとの結合用の凹凸部1812が設けられている。
ニップル外周面1804は、ホース挿入部1802と同一の軸心を有し、ホース挿入部1802の口金部12側の端部にホース挿入部1802の外径よりも大きい寸法の外径で設けられている。
図4図5に示すように、ニップル圧接壁1806は、ニップル外周面1804の六角部1202寄りの箇所に、ニップル外周面1804の半径方向外側に突出しつつニップル外周面1804の周方向に延在して設けられている。
ニップル圧接壁1806は、ニップル18の軸心の周りに変位するにつれてニップル18の軸心からの距離が次第に大きくなる圧接用周面1806Aを含んで構成されている。
圧接用周面1806Aの周方向の中央部に係止凹部1806Bが設けられている。
圧接用周面1806Aは六角部1202に接続され、六角部1202の圧接用周面1806A側に位置する側面は六角部側面1202Aとして形成されている。
【0010】
図1図3に示すように、ニップル環状壁1810は、ニップル圧接壁1806のホース挿入部1802寄りのニップル外周面1804の箇所に、ニップル圧接壁1806よりもニップル外周面1804の半径方向外側に突出しつつニップル圧接壁1806に沿ってニップル外周面1804の周方向に延在して設けられている。
口金部12方向に向いたニップル環状壁1810の側面は、ニップル環状壁前面1810Aとして形成されている。
本実施の形態では、ニップル環状壁1810の延在長さはニップル圧接壁1806と同一であり、ニップル外周面1804の周方向においてニップル環状壁1810はニップル圧接壁1806と同一の箇所に設けられている。
ニップル圧接壁1806を通るニップル外周面1804の周方向においてニップル圧接壁1806を除いた箇所は、後述するソケット圧接壁2004の通過を可能としたニップル欠部1808となっている。
ニップル欠部1808はニップル外周面1804で形成されている。
本実施の形態では、ニップル圧接壁1806とニップル環状壁1810とニップル欠部1808とは、ニップル外周面1804の周方向に等間隔をおいて複数設けられている。
なお、本実施の形態では、環状凹部1204、六角部1202、ホース挿入部1802、ニップル外周面1804、ニップル圧接壁1806、ニップル欠部1808と、ニップル環状壁1810により継手本体22が構成されている。
【0011】
図6図8に示すように、ソケット20は、均一外径のソケット本体2002と、ソケット圧接壁2004と、ソケット欠部2006とを有している。
ソケット本体2002の内周面には、ホースとの結合用の突起2008が設けられている。
ソケット圧接壁2004は、口金部12側に位置するソケット20の端部の内周面に、周方向に等間隔をおいて複数設けられている。
図9図10に示すように、ソケット圧接壁2004は、ソケット20の端部の内周面からニップル外周面1804が挿入される内径で突出しつつソケット20の端部の内周面に沿って環状に延在している。
ソケット圧接壁2004は、図6図7に示すように、被圧接用周面2004Aと、ソケット圧接壁前面2004Bと、ソケット圧接壁後面2004Cとを有している。
被圧接用周面2004Aは、ソケット20の軸心を中心とした均一内径の円筒状の内周面で圧接用周面1806Aに圧接可能に形成されている。
被圧接用周面2004Aの延在方向の中央には係止凹部1806Bに係止可能な係止凸部2004Dが形成されている。
ソケット圧接壁前面2004Bは、口金部12方向に向いたソケット圧接壁2004の側面で構成され、ソケット圧接壁後面2004Cは、ホース挿入部1802の先端方向に向いた圧接壁2004の側面で構成されている。
ソケット圧接壁前面2004Bとソケット圧接壁後面2004C間の寸法、すなわち、ソケット20の軸心方向に沿ったソケット圧接壁2004の厚さは、六角部側面1202Aとニップル環状壁前面1810A間に装脱可能に挿入される寸法で形成されている。
また、ソケット圧接壁2004を通るソケット20の端部の内周面の周方向においてソケット圧接壁2004を除いた箇所はソケット欠部2006となっている。
ソケット欠部2006は、ソケット20の内部へのニップル環状壁1810の挿入が可能な大きさで形成されている。
【0012】
なお、本実施の形態では、ニップル外周面1804の周方向に沿ったニップル圧接壁1806およびニップル環状壁1810の幅と、ソケット20の端部の内周面の周方向に沿ったソケット圧接壁2004の幅はほぼ同一の寸法で形成されている。
また、ニップル外周面1804の周方向に沿ったニップル欠部1808の幅と、ソケット20の端部の内周面の周方向に沿ったソケット欠部2006の幅もほぼ同一の寸法で形成されている。
そして、ニップル外周面1804の周方向に沿ったニップル圧接壁1806およびニップル環状壁1810の幅と、ソケット20の端部の内周面の周方向に沿ったソケット圧接壁2004の幅と、ニップル外周面1804の周方向に沿ったニップル欠部1808の幅と、ソケット20の端部の内周面の周方向に沿ったソケット欠部2006の幅とはほぼ同一の寸法で形成されている。
【0013】
次に、配管用継手10の使用方法について説明する。
まず、図1図3に示すナット1208が回転可能に設けられた継手本体22と、図6図8に示すソケット20とを用意する。
次に、作業者は、図11に示すように、ニップル18のホース挿入部1802をソケット20の内部に挿入し、図13図15図16に示すように、複数のニップル環状壁1810およびニップル圧接壁1806をそれぞれソケット欠部2006からソケット20の内部に挿入する。
そして、作業者は、ソケット20の軸心方向において、ニップル環状壁1810がソケット圧接壁2004を通過したところで、ニップル18とソケット20とを相対的に回転させ、図12図14図17図18に示すように、圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとを圧接させる。
このニップル18とソケット20との相対的な回転は、手で行なってもよく、あるいは、治具を用いて行ってもよい。
圧接用周面1806Aの全域と被圧接用周面2004Aの全域とが圧接したところで、係止凹部1806Bと係止凸部2004Dが係止し、手ごたえや音などのクリック感が生じ、作業者は圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとが確実に圧接したことが分かる。
【0014】
このように圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとが圧接することで、ニップル18とソケット20とはそれらの軸心方向に移動不能にかつそれらの軸心の周りに回転不能に結合される。
本実施の形態では、圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとが圧接した状態で、係止凹部1806Bと係止凸部2004Dとが係止しているので、ニップル18とソケット20とのそれらの軸心の周りの相対的な回転をより確実に阻止する上で有利となっている。
このように圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとを圧接し、ニップル18とソケット20を結合したならば、ホース挿入部1802の外周面とソケット20の内周面との間の環状空間にホースを挿入し、ソケット20を加締め機により加締めてホースとソケット20、ニップル18とを一体的に結合する。
【0015】
したがって、本実施の形態の配管用継手10によれば、従来のようにニップル18の端部の環状凹部に専用の加締め機を用いてソケット20の端部を加締める必要がなくなり、ニップル18をソケット20の内側に入れ、ニップル18とソケット20とをそれらの軸心回りに相対的に回転させ、圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとを圧接させる作業により配管用継手10が構成されることから、配管用継手10を簡単に製作することができ、配管用継手10とホースとの連結作業の効率化を図る上で有利となる。
また、ニップル18の端部の環状凹部にソケット20の端部を加締めてソケット20をニップル18に結合させる作業を省略できるので、従来のように予めソケット20をニップル18に取り付ける作業を行なっていた場合の在庫管理も不要となり、配管用継手10のコストダウンを図る上で有利となる。
また、ニップル18の端部の環状凹部にソケット20の端部を加締めてソケット20をニップル18に結合させる従来の配管用継手では、環状凹部にソケット20の端部を加締めることからソケット20の環状凹部側の内径は環状凹部に近づくにつれてその内径が次第に小さくなっていることから、ホースの端部がソケット20の内部の所定の箇所まで入るように、その分ソケット20の内径、外径を大きく形成しているものが多い。
これに対して、本実施の形態の配管用継手10では、従来のようにニップル18の端部の環状凹部にソケット20の端部を加締める作業がなくなり、ソケット20がニップル18に取り付けられた状態でソケット20は均一の外径を有していることから、ソケット20の小径化を図る上で有利となり、配管用継手10の軽量化、コストダウンを図る上で有利となる。
【0016】
また、本実施の形態では、圧接用周面1806Aに係止凹部1806Bを設け、被圧接用周面2004Aに係止凸部2004Dを設けたので、係止凹部1806Bと係止凸部2004Dが係止する際に生じるクリック感により、作業者は圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとが確実に圧接したことが判断でき、したがって継手本体22に対するソケット20の組み付け作業の効率を高める上で有利となる。
また、圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとが圧接した状態で、係止凹部1806Bと係止凸部2004Dとが係止しているので、ニップル18とソケット20とのそれらの軸心の周りの相対的な回転をより確実に阻止する上で有利となり、ニップル18からのソケット20の抜け落ちを阻止する上でより有利となる。
【0017】
また、本実施の形態では、ニップル圧接壁1806のホース挿入部1802寄りのニップル外周面1804の箇所に、ニップル圧接壁1806よりもニップル外周面1804の半径方向外側に突出しつつニップル圧接壁1806に沿ってニップル外周面1804の周方向に延在するニップル環状壁1810を設けた。
そのため、圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとが圧接した状態で、ソケット圧接壁2004のソケット圧接壁後面2004Cにニップル環状壁前面1810Aが位置するので、口金部12から離れる方向へのソケット20の移動をより確実に阻止する上で有利となり、ニップル18からのソケット20の抜け落ちを阻止する上でより有利となる。
【0018】
なお、本発明では、圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとを圧接させることで、ニップル18とソケット20とはそれらの軸心方向に移動不能にかつそれらの軸心の周りに回転不能に結合され、ニップル18からのソケット20の抜け落ちを阻止できるため、係止凹部1806Bや係止凸部2004D、ニップル環状壁1810は不要であり、省略してもよい。
しかしながら、圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとに互いに係止可能な係止凹部1806Bと係止凸部2004Dとを設けると共に、ニップル環状壁1810を設けると、圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとの圧接の度合いを弛めて係止凹部1806Bと係止凸部2004Dとの係止によりニップル18とソケット20とをそれらの軸心の周りに回転不能に結合すれば、ニップル環状壁1810によりソケット20が口金部12から離れる方向への移動が阻止されているので、ニップル18からのソケット20の抜落を阻止でき、ニップル18からのソケット20の抜け落ちを阻止することができる。
そして、圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとの圧接の度合いを弛めると、作業者は手作業によりソケット20をニップル18に簡単に組み付けでき、配管用継手10とホースとの連結作業の効率化を図る上で有利となる。
この場合、ソケット20の軸心方向に沿ったソケット圧接壁2004の厚さを、六角部側面1202Aとニップル環状壁前面1810A間にソケット20の軸心方向においてがたつくことなく装脱可能に挿入される寸法で形成しておくと、圧接用周面1806Aと被圧接用周面2004Aとが圧接した状態で、ソケット圧接壁後面2004Cとニップル環状壁前面1810Aとが接触しあるいは近接するため、ニップル18からのソケット20の抜け落ちを阻止する上でより有利となる。
【0019】
なお、本実施の形態では、ニップル圧接壁1806に、ニップル18の軸心の周りに変位するにつれてニップル18の軸心からの距離が次第に大きくなる圧接用周面1806Aを形成し、ソケット圧接壁2004に、ソケット20の軸心を中心とした均一内径の円筒状の内周面からなり圧接用周面1806Aに圧接可能な被圧接用周面2004Aを形成した場合について説明したが、ニップル圧接壁1806に、ニップル18の軸心を中心とした均一内径の円筒状の外周面からなる被圧接用周面を形成し、ソケット圧接壁2004に、ソケット20の軸心の周りに変位するにつれてソケット20の軸心からの距離が次第に大きくなる圧接用内周面を形成するようにしてもよい。あるいは、ニップル圧接壁1806に、ニップル18の軸心の周りに変位するにつれてニップル18の軸心からの距離が次第に大きくなる圧接用周面を形成すると共に、ソケット圧接壁2004に、ソケット20の軸心の周りに変位するにつれてソケット20の軸心からの距離が次第に小さくなる圧接用内周面を形成してもよい。
【0020】
また、本実施の形態では、ニップル圧接壁1806、ニップル欠部1808、ソケット圧接壁2004、ソケット欠部2006を3つずつ設けた場合について説明したが、ニップル圧接壁1806、ニップル欠部1808、ソケット圧接壁2004、ソケット欠部2006は1つずつ設けてもよい。ただし、実施の形態のようにニップル圧接壁1806、ニップル欠部1808、ソケット圧接壁2004、ソケット欠部2006を複数設けると、ニップル18に対するソケット20の回転および直線動を安定した状態で阻止する上で有利となる。
図19(A)はニップル18のニップル外周面1804にニップル圧接壁1806とニップル欠部1808とを2つずつ設けた場合を示し、図19(B)はニップル18のニップル外周面1804にニップル圧接壁1806とニップル欠部1808とを4つずつ設けた場合を示し、図19(C)はニップル18のニップル外周面1804にニップル圧接壁1806とニップル欠部1808とを5つずつ設けた場合を示し、図19(D)はニップル18のニップル外周面1804にニップル圧接壁1806とニップル欠部1808とを6つずつ設けた場合を示している。
【0021】
次に、図20図23を参照して第2の実施の形態について説明する。
なお、以下に述べる実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付してその説明を省略しまたは簡略し異なった箇所を重点的に説明する。
第2の実施の形態の配管用継手10は、第1の実施の形態のニップル環状壁1810を省略し、ニップル環状壁1810の代わりにソケット環状壁2010を設けたものである。
詳細に説明すると、図20に示すように、ニップル圧接壁1820は、ニップル外周面1804のホース挿入部1802側の端部に、ニップル外周面1804の半径方向外側に突出しつつニップル外周面1804の周方向に延在して設けられている。
ニップル圧接壁1820は、ニップル18の軸心の周りに変位するにつれてニップル18の軸心からの距離が次第に大きくなる圧接用周面1820Aを含んで形成されている。
圧接用周面1820Aの周方向の中央部に係止凹部1820Bが設けられている。
口金部12方向に向いたニップル圧接壁1820の側面は、ニップル圧接壁前面1820Cとして形成されている。
ニップル圧接壁1820を通るニップル外周面1804の周方向においてニップル圧接壁1820を除いた箇所は、後述するソケット環状壁2010の通過を可能としたニップル欠部1822となっている。
ニップル欠部1822はニップル外周面1804で形成されている。
【0022】
図21に示すように、ソケット20の内周面の口金部12側の端部にソケット環状壁2010とソケット圧接壁2012が設けられている。
ソケット環状壁2010は、ソケット20の端部の内周面からニップル外周面1804が挿入される内径で突出しつつソケット20の端部の内周面に沿って環状に延在している。
ソケット環状壁2010は、ソケット20の内周面に、周方向に等間隔をおいて複数設けられ、ソケット圧接壁2012よりもソケット20の半径方向内側に突出している。
ソケット環状壁前面2010Aは、口金部12方向に向いたソケット環状壁2010の側面で構成され、ソケット環状壁後面2010Bは、ホース挿入部1802の先端方向に向いたソケット環状壁2010の側面で構成されている。
ソケット環状壁前面2010Aとソケット環状壁後面2010B間の寸法、すなわち、ソケット20の軸心方向に沿ったソケット環状壁2010の厚さは、六角部側面1202Aとニップル圧接壁前面1820C間に装脱可能に挿入される寸法で形成されている。
ソケット圧接壁2012はソケット環状壁2010のソケット環状壁後面2010Bに沿って設けられ、ソケット20の内周面から突出している。
ソケット環状壁2010とソケット圧接壁2012とは、ソケット20の内周面の周方向において同一の位相でかつ同一の長さで設けられている。
【0023】
ソケット圧接壁2012は、ソケット20の半径方向内側に向いた被圧接用周面2012Aを有している。
被圧接用周面2012Aは、ソケット20の軸心を中心とした均一内径の円筒状の内周面で圧接用周面1820Aに圧接可能に形成されている。
被圧接用周面2012Aの延在方向の中央には係止凹部1820Bに係止可能な係止凸部2012Bが形成されている。
また、ソケット環状壁2010およびソケット圧接壁2012を通るソケット20の端部の内周面の周方向においてソケット環状壁2010およびソケット圧接壁2012を除いた箇所はソケット欠部2014となっている。
ソケット欠部2014は、ソケット20の内部へのニップル圧接壁1820の挿入が可能な大きさで形成されている。
【0024】
次に、第2の実施の形態の配管用継手10の使用方法について説明する。
作業者は、図22に示すように、ニップル18のホース挿入部1802をソケット20の内部に挿入し、複数のニップル圧接壁1820をそれぞれソケット欠部2014からソケット20の内部に挿入する。
そして、作業者は、ソケット20の軸心方向において、ニップル圧接壁1820がソケット環状壁2010を通過したところで、ニップル18とソケット20とを相対的に回転させ、図23に示すように、圧接用周面1820Aと被圧接用周面2012Aとを圧接させる。
このニップル18とソケット20との相対的な回転は、手で行なってもよく、あるいは、治具を用いて行ってもよい。
圧接用周面1820Aの全域と被圧接用周面2012Aの全域とが圧接したところで、係止凹部1820Bと係止凸部2012Bが係止し、手ごたえや音などのクリック感が生じ、作業者は圧接用周面1820Aと被圧接用周面2012Aとが確実に圧接したことが分かる。
【0025】
このように圧接用周面1820Aと被圧接用周面2012Aとが圧接することで、ニップル18とソケット20とはそれらの軸心方向に移動不能にかつそれらの軸心の周りに回転不能に結合される。
本実施の形態では、圧接用周面1820Aと被圧接用周面2012Aとが圧接した状態で、係止凹部1820Bと係止凸部2012Bとが係止しているので、ニップル18とソケット20とのそれらの軸心の周りの相対的な回転をより確実に阻止する上で有利となっている。
第2の実施の形態では、圧接用周面1820Aと被圧接用周面2012Aとが圧接した状態で、ソケット環状壁後面2010Bにニップル圧接壁前面1820Cが位置するので、口金部12から離れる方向へのソケット20の移動をより確実に阻止する上で有利となり、ニップル18からのソケット20の抜け落ちを阻止する上でより有利となっている。
このように圧接用周面1820Aと被圧接用周面2012Aとを圧接し、ニップル18とソケット20を結合したならば、ホース挿入部1802の外周面とソケット20の内周面との間の環状空間にホースを挿入し、ソケット20を加締め機により加締めてホースとソケット20、ニップル18とを一体的に結合する。
このような第2の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
【0026】
次に、図24図27を参照して第3の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態の配管用継手10では、ニップル圧接壁1806とソケット圧接壁2004とをニップル18およびソケット20の径方向において圧接させていたが、第3の実施の形態の配管用継手10では、ニップル圧接壁1830とソケット圧接壁2020とをニップル18およびソケット20の軸心方向において圧接させている。
第3の実施の形態の配管用継手10では、ニップル圧接壁1830とソケット圧接壁2020の少なくとも一方は、ニップル18およびソケット20の軸心方向において互いに対向する一対の壁部で設けられ、他方は一対の壁部の間に圧入される単一の壁部で構成されている。
【0027】
詳細に説明すると、図24に示すように、ニップル圧接壁1830は、ニップル外周面1804に、ニップル18の軸心方向において互いに対向する一対の壁部で構成されている。
一対の壁部の一方は、ホース挿入部1802側のニップル外周面1804の端部に、ニップル外周面1804の半径方向外側に突出しつつニップル外周面1804の周方向に延在して設けられた第1ニップル圧接壁1832である。
第1ニップル圧接壁1832は、ニップル外周面1804の周方向に等間隔をおいて複数設けられている。
第1ニップル圧接壁1832は、口金部12側に向いた第1圧接面1832Aと、ホース挿入部1802側に向いた側面1832Bとを有している。
第1圧接面1832Aは、ニップル外周面1804の時計回りの周方向に至るにつれて側面1832Bからの距離が次第に大きくなる傾斜面で形成されている。
第1ニップル圧接壁1832を通るニップル外周面1804の周方向において第1ニップル圧接壁1832を除いた箇所は、後述するソケット圧接壁2020の通過を可能としたニップル欠部1834となっている。
一対の壁部の他方は、六角部1202で構成され、六角部1202のホース挿入部1802側に向いた六角部側面1202Aは、第2圧接面1836を構成している。
【0028】
これに対してソケット圧接壁2020は、図25に示すように、第1ニップル圧接壁1832と六角部1202との間に圧入される壁部で構成されている。
ソケット圧接壁2020は、口金部12側に位置するソケット20の端部の内周面に、周方向に等間隔をおいて複数設けられている。
ソケット圧接壁2020は、ソケット20の端部の内周面からニップル外周面1804が挿入される内径で突出しつつソケット20の端部の内周面に沿って環状に延在している。
ソケット圧接壁2020は、ソケット20の端部の内周面の周方向に等間隔をおいて複数設けられている。
ソケット圧接壁2020は、ソケット圧接壁前面2020Aと、ソケット圧接壁後面2020Bとを有している。
ソケット圧接壁前面2020Aは、口金方向に向いたソケット圧接壁2020の面で構成されている。
ソケット圧接壁後面2020Bは、ホース挿入部1802の先端方向に向いたソケット圧接壁2020の面で構成されている。
ソケット圧接壁後面2020Bは、ソケット20の内周面の時計回りの周方向に至るにつれてソケット圧接壁前面2020Aからの距離が次第に小さくなる傾斜面で形成されている。
また、ソケット圧接壁2020を通るソケット20の端部の内周面の周方向においてソケット圧接壁2020を除いた箇所はソケット欠部2022となっている。
ソケット欠部2022は、ソケット20の内部への第1ニップル圧接壁1832の挿入が可能な大きさで形成されている。
【0029】
次に、第3の実施の形態の配管用継手10の使用方法について説明する。
図26に示すように、作業者は、ニップル18のホース挿入部1802をソケット20の内部に挿入し、第1ニップル圧接壁1832をそれぞれソケット欠部2022からソケット20の内部に挿入する。
そして、作業者は、ソケット20の軸心方向において、第1ニップル圧接壁1832がソケット圧接壁2020を通過したところで、ニップル18に対してソケット20を反時計回りに回転させ、図27に示すように、第1圧接面1832Aとソケット圧接壁後面2020Bとを圧接させ、第2圧接面1836とソケット圧接壁前面2020Aとを圧接させる。すなわち、ソケット圧接壁2020を第1ニップル圧接壁1832と六角部1202との間に圧入する。これによりソケット圧接壁2020は、第1ニップル圧接壁1832と六角部1202とで挟持され固定される。
このニップル18に対するソケット20の回転は、手で行なってもよく、あるいは、治具を用いて行ってもよい。
【0030】
このようにソケット圧接壁2020が、第1ニップル圧接壁1832と六角部1202とで挟持され固定されることで、ニップル18とソケット20とはそれらの軸心方向に移動不能にかつそれらの軸心の周りに回転不能に結合される。
したがって、口金部12から離れる方向へのソケット20の移動をより確実に阻止する上で有利となり、ニップル18からのソケット20の抜け落ちを阻止する上で有利となっている。
このようにニップル18とソケット20を結合したならば、ホース挿入部1802の外周面とソケット20の内周面との間の環状空間にホースを挿入し、ソケット20を加締め機により加締めてホースとソケット20、ニップル18とを一体的に結合する。
このような第3の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
【0031】
次に、図28図31を参照して第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態の配管用継手10は、第3の実施の形態の配管用継手10の変形例であり、第3の実施の形態の配管用継手10では、ソケット圧接壁2020をニップル18側の一対の壁部で挟持し固定したのに対して、第4の実施の形態の配管用継手10では、ニップル圧接壁1840をソケット20側の一対の壁部で挟持し固定している。
【0032】
詳細に説明すると、図28に示すように、ニップル圧接壁1840は、ニップル18の軸心方向におけるニップル外周面1804の中間箇所に、ニップル外周面1804の半径方向外側に突出しつつニップル外周面1804の周方向に延在して設けられている。
ニップル圧接壁1840は、ニップル外周面1804の周方向に等間隔をおいて複数設けられている。
ニップル圧接壁1840は、口金部12側に向いたニップル圧接壁前面1840Aと、ホース挿入部1802側に向いたニップル圧接壁後面1840Bとを有している。
ニップル圧接壁前面1840Aとニップル圧接壁後面1840Bとは、ニップル外周面1804の反時計回りの周方向に至るにつれて次第に近づく傾斜面でそれぞれ形成されている。
したがって、ニップル圧接壁1840は、ニップル18の軸心方向に沿った厚さが、ニップル外周面1804の反時計回りの周方向に至るにつれて次第に小さくなるように形成されている。
ニップル圧接壁1840を通るニップル外周面1804の周方向においてニップル圧接壁1840を除いた箇所は、後述するソケット圧接壁2030の通過を可能としたニップル欠部1842となっている。
【0033】
これに対してソケット圧接壁2030は、図29に示すように、ソケット20の端部の内周面に、ソケット20の軸心方向において互いに対向する第1ソケット圧接壁2032と第2ソケット圧接壁2034との一対の壁部で構成されている。
第1ソケット圧接壁2032は、ソケット20の端部の内周面に設けられ、第2ソケット圧接壁2034は第1ソケット圧接壁2032からソケット20の軸心方向に離れたソケット20の内周面の箇所に設けられている。
第1ソケット圧接壁2032と第2ソケット圧接壁2034は、ニップル外周面1804が挿入される高さでソケット20の内周面の半径方向内側に突出しつつソケット20の内周面の周方向に延在して設けられている。
第1ソケット圧接壁2032と第2ソケット圧接壁2034とは、ソケット20の内周面の周方向に等間隔をおいて複数設けられている。
第1ソケット圧接壁2032は、第2ソケット圧接壁2034に対向する第1ソケット圧接面2032Aを有し、第2ソケット圧接壁2034は第1ソケット圧接面2032Aに対向する第2ソケット圧接面2034Aとを有している。
第1ソケット圧接面2032Aと第2ソケット圧接面2034Aとは、ソケット20の内周面の時計回りの周方向に至るにつれてそれらの距離が次第に大きくなる傾斜面で形成され、第1ソケット圧接面2032Aと第2ソケット圧接面2034Aとは、ニップル圧接壁前面1840Aとニップル圧接壁後面1840Bとに圧接可能に形成され、言い換えると、ニップル圧接壁1840が圧入され、挟持されて固定されるように形成されている。
第1ソケット圧接壁2032と第2ソケット圧接壁2034とを通るソケット20の内周面の周方向においてそれら第1ソケット圧接壁2032と第2ソケット圧接壁2034を除いた箇所は、ニップル圧接壁1840の通過を可能としたソケット欠部2036となっている。
【0034】
次に、第4の実施の形態の配管用継手10の使用方法について説明する。
図30に示すように、作業者は、ニップル18のホース挿入部1802(図28参照)をソケット20の内部に挿入し、ニップル圧接壁1840をソケット欠部2036からソケット20の内部に挿入する。
そして、作業者は、ソケット20の軸心方向において、ニップル圧接壁1840が第1ソケット圧接壁2032を通過したところで、ニップル18に対してソケット20を時計回りに回転させ、ニップル圧接壁前面1840Aと第1ソケット圧接面2032Aとを圧接させ、ニップル圧接壁後面1840Bと第2ソケット圧接面2034Aとを圧接させる。すなわち、ニップル圧接壁1840を第1ソケット圧接壁2032と第2ソケット圧接壁2034との間に圧入する。これによりニップル圧接壁1840は、第1ニップル圧接壁1832と第2ソケット圧接壁2034とで挟持され固定される。
このニップル18に対するソケット20の回転は、手で行なってもよく、あるいは、治具を用いて行ってもよい。
【0035】
このようにニップル圧接壁1840が、第1ソケット圧接壁2032と第2ソケット圧接壁2034とで挟持され固定されることで、ニップル18とソケット20とはそれらの軸心方向に移動不能にかつそれらの軸心の周りに回転不能に結合される。
したがって、口金部12から離れる方向へのソケット20の移動を確実に阻止する上で有利となり、ニップル18からのソケット20の抜け落ちを阻止する上で有利となっている。
このようにニップル18とソケット20を結合したならば、ホース挿入部1802の外周面とソケット20の内周面との間の環状空間にホースを挿入し、ソケット20を加締め機により加締めてホースとソケット20、ニップル18とを一体的に結合する。
このような第4の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
【0036】
なお、継手本体22と、ソケット20とを組み付けせずにばらばらとした形態で配管用継手10を市場に流通させてもよく、また、継手本体22と、ソケット20とを組み付けた形態の配管用継手10を市場に流通させてもよい。
【符号の説明】
【0037】
10 配管用継手
12 口金部
1202 六角部(大径部)
1202A 六角部側面
1204 環状凹部
1206 環状凸部
1208 ナット
14 ホース継手部
16 流体通路
18 ニップル
1802 ホース挿入部
1804 ニップル外周面
1806 ニップル圧接壁
1806A 圧接用周面
1806B 係止凹部
1808 ニップル欠部
1810 ニップル環状壁
1810A ニップル環状壁前面
1812 凹凸部
1820 ニップル圧接壁
1820A 圧接用周面
1820B 係止凹部
1820C ニップル圧接壁前面
1822 ニップル欠部
1830 ニップル圧接壁
1832 第1ニップル圧接壁
1832A 第1圧接面
1832B 側面
1834 ニップル欠部
1836 第2圧接面
1840 ニップル圧接壁
1840A ニップル圧接壁前面
1840B ニップル圧接壁後面
1842 ニップル欠部
20 ソケット
2002 ソケット本体
2004 ソケット圧接壁
2004A 被圧接用周面
2004B ソケット圧接壁前面
2004C ソケット圧接壁後面
2004D 係止凸部
2006 ソケット欠部
2008 突起
2010 ソケット環状壁
2010A ソケット環状壁前面
2010B ソケット環状壁後面
2012 ソケット圧接壁
2012A 被圧接用周面
2012B 係止凸部
2014 ソケット欠部
2020 ソケット圧接壁
2020A ソケット圧接面前面
2020B ソケット圧接壁後面
2022 ソケット欠部
2030 ソケット圧接壁
2032 第1ソケット圧接壁
2032A 第1ソケット圧接面
2034 第2ソケット圧接壁
2034A 第2ソケット圧接面
2036 ソケット欠部
22 継手本体
図1
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