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特開2022-122788内視鏡、内視鏡システム、及び内視鏡の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122788
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】内視鏡、内視鏡システム、及び内視鏡の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/07 20060101AFI20220816BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20220816BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
A61B1/07 730
A61B1/06 530
G02B23/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020259
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123962
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 圭介
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 延好
(72)【発明者】
【氏名】田村 和昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 良典
(72)【発明者】
【氏名】中上 友梨
(72)【発明者】
【氏名】大原 聡
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040CA02
2H040CA07
2H040CA11
4C161FF46
4C161FF47
4C161JJ06
(57)【要約】
【課題】組み立て効率の低下と空間利用効率の低下を防止することができる内視鏡、内視鏡システム、及び内視鏡の製造方法を提供する。
【解決手段】内視鏡は、把持部と、挿入部と、光源と、挿入部に設けられた出射部と、第1ライトガイドと、第2ライトガイドと、光接続部材と、を有する。第1ライトガイドは、光源側に位置する第1入射端と、光接続部材側に位置する第1出射端と、を有し、第2ライトガイドは、光接続部材側に位置する第2入射端と、出射部側に位置する第2出射端と、を有し、光接続部材によって、第1出射端から出射した光が第2入射端に入射する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、
挿入部と、
光源と、
前記挿入部に設けられた出射部と、
第1ライトガイドと、
第2ライトガイドと、
光接続部材と、を有し、
前記第1ライトガイドは、前記光源側に位置する第1入射端と、前記光接続部材側に位置する第1出射端と、を有し、
前記第2ライトガイドは、前記光接続部材側に位置する第2入射端と、前記出射部側に位置する第2出射端と、を有し、
前記光接続部材によって、前記第1出射端から出射した光が前記第2入射端に入射することを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記光源は、前記把持部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記光接続部材は、前記把持部に配置されていることを特徴とする請求項1、2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記光接続部材は、
前記第1出射端を保持する第1フェルールと、
前記第2入射端を保持する第2フェルールと、
前記第1フェルールと前記第2フェルールが挿入されるスリーブと、
前記スリーブを保持する保持部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記光源から出射した光を前記第1入射端に導くための光接続モジュールを有し、
所定の方向は、前記第1ライトガイドが直線状に配置されたときの前記第1ライトガイドの中心軸と直交する方向であり、
前記所定の方向における前記保持部材の最大断面は、前記所定の方向における前記光接続モジュールの最少断面よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記光接続部材を固定する固定部材を有し、
前記固定部材に対して、前記光接続部材の取り付けと、前記光接続部材の取り外しと、が行われることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記光接続部材を固定する固定用構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項8】
所定の方向は、前記第1ライトガイドが直線状に配置されたときの前記第1ライトガイドの中心軸と直交する方向であり、
前記所定の方向における前記光接続部材、又は当該光接続部材を構成する部品の最大断面は、前記所定の方向における前記挿入部の内側の断面よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項9】
請求項1に記載の内視鏡と、プロセッサと、を有することを特徴とする内視鏡システム。
【請求項10】
第1ライトガイドと第2ライトガイドを用意する準備工程と、
光源と前記第1ライトガイドを接続する光源接続工程と、
出射部と前記第2ライトガイドを接続する出射部接続工程と、
前記第1ライトガイドと前記第2ライトガイドを光接続部材で接続するライトガイド接続工程と、を有し、
前記光源接続工程と前記出射部接続工程が完了した後で、前記ライトガイド接続工程が実施されることを特徴とする内視鏡の製造方法。
【請求項11】
前記準備工程、前記光源接続工程、及び出射部接続工程の実施後で、且つ、前記ライトガイド接続工程の実施前に、
前記把持部に前記光源と前記第1ライトガイドを配置する光源配置工程と、
前記挿入部に前記出射部と前記第2ライトガイドを配置する出射部配置工程と、が実施されることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡、内視鏡システム、及び内視鏡の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
挿入部の先端に光源を配置した内視鏡が、先行文献1に開示されている。光源では熱が発生するため、光源を冷却する必要がある。しかしながら、挿入部の径は細いため、冷却機構を配置する空間を確保することは難しい。
【0003】
内視鏡で鮮明な観察を行うためには、照明光を明るくすれば良い。照明光を明るくするためには、光源から出射する光の光量を大きくすれば良い。しかしながら光源から出射する光の光量を大きくすると、熱の発生量も大きくなる。そのため、冷却機構を配置する空間の確保がより困難になる。光源を把持部に配置することで、光源を冷却することができる。
【0004】
光源を把持部に配置した内視鏡が、先行文献2に開示されている。この内視鏡では1本のライトガイドに、光源と出射部が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-77669号公報
【特許文献2】国際公開2020/012538号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
内視鏡の製造では、内視鏡の組み立て時の作業効率(以下、「組み立て効率」という)は高いほど良い。また、内視鏡では、挿入部の内部空間における利用効率(以下、「空間利用効率」という)が高いほど良い。
【0007】
内視鏡の組み立てでは、ライトガイドと光源の接続と、ライトガイドと出射部の接続が行われる。1本のライトガイドに光源と出射部を接続する場合、ライトガイドと光源の接続作業と、ライトガイドと出射部の接続作業に時間を要する。
【0008】
例えば、光源がライトガイドに接続された状態で、出射部をライトガイドに接続する場合、光源に注意を払いながら出射部の接続作業を行わなくてはならない。そのため、接続に時間を要する。
【0009】
接続が終了すると、光源、ライトガイド、及び出射部を、把持部と挿入部に格納する。光源、ライトガイド、及び出射部が一体になっていると、格納に時間を要する。また、挿入部では、格納のために必要な空間が大きくなる。そのため、挿入部の径が大きくなる。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、組み立て効率の低下と空間利用効率の低下を防止することができる内視鏡、内視鏡システム、及び内視鏡の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る内視鏡は、
把持部と、
挿入部と、
光源と、
挿入部に設けられた出射部と、
第1ライトガイドと、
第2ライトガイドと、
光接続部材と、を有し、
第1ライトガイドは、光源側に位置する第1入射端と、光接続部材側に位置する第1出射端と、を有し、
第2ライトガイドは、光接続部材側に位置する第2入射端と、出射部側に位置する第2出射端と、を有し、
光接続部材によって、第1出射端から出射した光が第2入射端に入射することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る内視鏡システムは、上述の内視鏡と、プロセッサと、を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る内視鏡の製造方法は、
第1ライトガイドと第2ライトガイドを用意する準備工程と、
光源と第1ライトガイドを接続する光源接続工程と、
出射部と第2ライトガイドを接続する出射部接続工程と、
第1ライトガイドと第2ライトガイドを光接続部材で接続するライトガイド接続工程と、を有し、
光源接続工程と出射部接続工程が完了した後で、ライトガイド接続工程が実施されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、組み立て効率の低下と空間利用効率の低下を防止することができる内視鏡、内視鏡システム、及び内視鏡の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態の内視鏡システムを示す図である。
図2】本実施形態の内視鏡システムを示す図である。
図3】本実施形態の内視鏡を示す図である。
図4】出射部を示す図である。
図5】従来の内視鏡の組み立ての様子を示す図である。
図6】本実施形態の内視鏡の組み立ての様子を示す図である。
図7】第1実施形態の内視鏡を示す図である。
図8】光接続部材を示す図である。
図9】本実施形態の内視鏡の組み立ての様子を示す図である。
図10】光源装置の断面図である。
図11】固定部材の断面図である。
図12】光接続部材を示す図である。
図13】光接続部材と挿入部の断面図である。
図14】好ましい実施形態の内視鏡を示す図である。
図15】好ましい実施形態の内視鏡を示す図である。
図16】好ましい実施形態の内視鏡を示す図である。
図17】光源装置の断面図である。
図18】固定部材の断面図である。
図19】保護ユニットを示す図である。
図20】光接続部材と調整部材を示す図である。
図21】関係式のパラメータを示す図である。
図22】関係式のパラメータを示す図である。
図23】光接続部材と調整部材を示す図である。
図24】光接続部材を示す図である。
図25】内視鏡の製造方法のフローチャートである。
図26】工程S2における測定の様子を示す図である。
図27】工程S3における測定の様子を示す図である。
図28】内視鏡の製造方法のフローチャートである。
図29】光接続モジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施例の説明に先立ち、本発明のある態様にかかる実施形態の作用効果を説明する。なお、本実施形態の作用効果を具体的に説明するに際しては、具体的な例を示して説明することになる。しかし、後述する実施例の場合と同様に、それらの例示される態様はあくまでも本発明に含まれる態様のうちの一部に過ぎず、その態様には数多くのバリエーションが存在する。したがって、本発明は例示される態様に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本実施形態の内視鏡システムを示す図である。内視鏡システム1は、内視鏡2と、プロセッサ3と、を有する。
【0018】
内視鏡2は、コードレス内視鏡である。コードレス内視鏡では、各種の信号の送受信が、無線によって行われる。内視鏡システム1では、内視鏡2とプロセッサ3の各々に、送受信部が設けられている。
【0019】
内視鏡2で、物体の画像が取得される。画像信号は、プロセッサ3に送信される。プロセッサ3では、画像信号に対して、様々な処理を行うことができる。プロセッサ3には、モニタ4を接続することができる。モニタ4では、プロセッサ3から送信された画像信号に基づいて、物体の画像が表示される。
【0020】
内視鏡2は、把持部5と、挿入部6と、ライトガイド7と、光接続部材8と、を有する。ライトガイド7では、2本のライトガイドが、光接続部材8で接続されている。把持部5は、操作部9を有する。操作部9には、アングルノブが設けられている。アングルノブを回動することで、挿入部6の先端を湾曲させることができる。
【0021】
挿入部6は、軟性部6aと、湾曲部6bと、先端部6cと、を有する。軟性部6aは、把持部5側に位置している。湾曲部6bは、アングルノブの回動に応じて、自在に湾曲する。先端部6cは、挿入部6の先端に位置している。
【0022】
把持部5には、光源(不図示)が配置されている。ライトガイド7は、光源から出射した光を、先端部6cまで導光する。先端部6cから出射した光によって、物体が照明される。先端部6cには、撮像ユニット(不図示)が配置されている。撮像ユニットによって、物体の画像が取得される。
【0023】
図2は、本実施形態の内視鏡システムを示す図である。内視鏡システム1’は、内視鏡2’と、プロセッサ3’と、を有する。
【0024】
内視鏡2は、非コードレス内視鏡である。非コードレス内視鏡では、各種の信号の送受信が、有線によって行われる。
【0025】
内視鏡2’で、物体の画像が取得される。画像信号は、プロセッサ3’に送信される。プロセッサ3’では、画像信号に対して、様々な処理を行うことができる。プロセッサ3’には、モニタ4’を接続することができる。モニタ4’では、プロセッサ3’から送信された画像信号に基づいて、物体の画像が表示される。
【0026】
内視鏡2’は、把持部5’と、挿入部6’と、ライトガイド7’と、光接続部材8’と、を有する。ライトガイド7’では、2本のライトガイドが、光接続部材8’で接続されている。把持部5’は、操作部9’を有する。操作部9’には、アングルノブが設けられている。アングルノブを回動することで、挿入部6’の先端を湾曲させることができる。
【0027】
挿入部6’は、軟性部と、湾曲部と、先端部と、を有する。軟性部は、把持部5’側に位置している。湾曲部は、アングルノブの回動に応じて、自在に湾曲する。先端部は、挿入部6の先端に位置している。
【0028】
プロセッサ3’には、光源(不図示)が配置されている。ライトガイド7’は、光源から出射した光を、先端部まで導光する。先端部から出射した光によって、物体が照明される。先端部には、撮像ユニット(不図示)が配置されている。撮像ユニットによって、物体の画像が取得される。
【0029】
本実施形態の内視鏡は、把持部と、挿入部と、光源と、挿入部に設けられた出射部と、第1ライトガイドと、第2ライトガイドと、光接続部材と、を有する。第1ライトガイドは、光源側に位置する第1入射端と、光接続部材側に位置する第1出射端と、を有し、第2ライトガイドは、光接続部材側に位置する第2入射端と、出射部側に位置する第2出射端と、を有し、光接続部材によって、第1出射端から出射した光が第2入射端に入射することを特徴とする。
【0030】
図3は、本実施形態の内視鏡を示す図である。内視鏡10は、光源11と、第1ライトガイド12と、第2ライトガイド13と、光接続部材14と、出射部15と、を有する。
【0031】
出射部15は、挿入部17に設けられている。光源11と出射部15の間に、第1ライトガイド12と、第2ライトガイド13と、光接続部材14と、が位置している。
【0032】
光源11から励起光が出射する。励起光は、第1ライトガイド12に入射し、第2ライトガイド13から出射する。続いて、励起光は、出射部15に入射し、出射部15から出射する。後述のように、出射部15では、励起光から蛍光が生じる。よって、物体は、励起光と蛍光で照明される。
【0033】
出射部15について説明する。図4は、出射部を示す図である。図4(a)は、第1例の出射部を示す図である。図4(b)は、第2例の出射部を示す図である。
【0034】
(第1例の出射部)
図4(a)に示すように、出射部20は、ホルダ21と、第1の波長変換部材22と、第2の波長変換部材23と、透明部材24と、反射部材25と、を有する。ホルダ21には、凹部21aと凹部21bが形成されている。
【0035】
凹部21aの形状は円柱である。凹部21aに、光ファイバ26が挿入されている。光ファイバ26は、コア26aと、クラッド26bと、を有する。
【0036】
凹部21bの形状は円錐台である。円錐台における2つの平面のうち、面積の小さい方を上底面、面積の大きい方を下底面とする。上底面は、光ファイバ26側に位置している。下底面は、出射口27側に位置している。
【0037】
凹部21bの内周面に、反射部材25が設けられている。反射部材25は、反射面25aを有する。
【0038】
凹部21bには、第1の波長変換部材22と第2の波長変換部材23が位置している。第1の波長変換部材22の周囲と第2の波長変換部材23の周囲は、透明部材24で満たされている。
【0039】
第1の波長変換部材22は、第1蛍光体を有する。第1蛍光体は、例えば、光源から出射した光の一部を吸収して、第1の波長変換光を出射する。第1の波長変換光は、蛍光である。光源から出射した光が青色の光の場合、第1の波長変換光は黄色の光である。
【0040】
第1蛍光体には、多結晶化されたYAGセラミックスを用いることができる。YAGセラミックスは、YAl12:Ceの組成で示される蛍光体である。YAGセラミックスの代わりに、YAG単結晶を用いることができる。また、第1蛍光体として、TbAl12:Ceの組成で示される蛍光体のセラミックスを用いることができる。
【0041】
光源から出射した光のうち、第1の波長変換部材22で吸収されなかった光は、第1の波長変換部材22を通過して、第2の波長変換部材23に入射する。
【0042】
第2の波長変換部材23は、第2蛍光体を有する。第2蛍光体は、例えば、光源から出射した光の一部を吸収して、第2の波長変換光を出射する。第2の波長変換光は、蛍光である。光源から出射した光が青色の光の場合、第2の波長変換光は緑色の光である。
【0043】
第2蛍光体には、多結晶化されたLuAGセラミックスを用いることができる。LAGセラミックスは、LuAl12:Ceの組成で示される蛍光体である。また、第2蛍光体として、Eu(ユーロビウム)賦活の酸窒化物系蛍光体、又はEu賦活のシリケート系蛍光体を用いることができる。
【0044】
第1蛍光体と第2蛍光体として、粉末蛍光体を用いることができる。この場合、第1の波長変換部材22と第2の波長変換部材23は、封止材を含む。封止材として、例えば、ガラス、又は透明樹脂を用いることができる。透明樹脂は、例えば、シリコーン樹脂である。
【0045】
封止材は、拡散粒子を含んでいても良い。この場合、拡散粒子の材料には、封止材の屈折率よりも高い屈折率を有する材料が用いられる。拡散粒子として、例えば、アルミニウムを用いることができる。
【0046】
光ファイバ26の端面は、出射口27と対向している。光ファイバ26から出射した光(以下、「励起光」という)は、出射口27に向かって進行する。光ファイバ26の端面と出射口27の間には、第1の波長変換部材22と第2の波長変換部材23が位置している。よって、第1の波長変換部材22と第2の波長変換部材23に、励起光が照射される。
【0047】
第1の波長変換部材22に励起光が入射すると、励起光の一部は、第1の波長変換部材22を通過する。また、第1の波長変換部材22から、第1の波長変換光が出射する。第1の波長変換光と励起光は、第2の波長変換部材23に入射する。
【0048】
第1の波長変換光と励起光の一部は、第2の波長変換部材23を通過する。また、第2の波長変換部材23から、第2の波長変換光が出射する。
【0049】
励起光は、発散光である。発散の度合いが大きい場合、励起光には、反射面25aに向かう光と、出射口27に向かう光が含まれる。反射面25aに入射した励起光の一部は、出射口27に向かって反射される。
【0050】
第1の波長変換光と第2の波長変換光は、蛍光である。蛍光は、あらゆる方向に進行する。よって、第1の波長変換光と第2の波長変換光には、出射口27に向かう光、反射面25aに向かう光、及び光ファイバ26の端面に向かう光が含まれる。反射面25aに入射した第1の波長変換光の一部と、反射面25aに入射した第2の波長変換光の一部は、出射口27に向かって反射される。
【0051】
出射口27からは、励起光、第1の波長変換光、及び第2の波長変換光が出射する。励起光、第1の波長変換光、及び第2の波長変換光によって、物体が照明される。
【0052】
(第2例の出射部)
図4(b)に示すように、出射部30は、ホルダ31と、第1の波長変換部材22と、第2の波長変換部材23と、透明部材24と、反射部材32と、を有する。ホルダ31には、凹部31a、凹部31b、及び凹部31cが形成されている。図4(a)と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0053】
凹部31aの形状は円柱である。凹部31aに、フェルール33と光ファイバ26が挿入されている。
【0054】
凹部31bの形状は円錐台である。上底面は光ファイバ26側に位置している。下底面は、出射口34側に位置している。凹部31cの形状は円柱である。凹部31cは、凹部31aと凹部31bの間に位置している。
【0055】
凹部31cの底面(円柱の底面)は、光ファイバ26の端面よりも広く、上底面よりも狭い。上底面は、第1の波長変換部材22の外径と等しいか、又は第1の波長変換部材22の外径よりも大きい。よって、第1の波長変換部材22と第2の波長変換部材23は、上底面で保持することができる。
【0056】
凹部31bの内周面と凹部31cの内周面に、反射部材32が設けられている。反射部材32は、反射面32aを有する。
【0057】
出射部30は、第1の波長変換部材22と第2の波長変換部材23を有する。そのため、励起光、第1の波長変換光、及び第2の波長変換光によって、物体が照明される。
【0058】
第1例の出射部と第2例の出射部では、2つの波長変換部材が用いられている。しかしながら、波長変換部材の数は2つに限られない。
【0059】
図3に戻って、説明を続ける。第1ライトガイド12は、第1入射端12aと、第1出射端12bと、を有する。第1入射端12aは、光源11側に位置する。第1出射端12bは、光接続部材14側に位置する。
【0060】
第2ライトガイド13は、第2入射端13aと、第2出射端13bと、を有する。第2入射端13aは、光接続部材14側に位置する。第2出射端13bは、出射部15側に位置する。
【0061】
図3では、光源11と第1入射端12aの間、第1出射端12bと第2入射端13aの間、第2入射端13bと出射部15の間に、わざと隙間を設けている。これは、ライトガイドの端面を見易くするためである。
【0062】
光源11から出射した励起光は、第1入射端12aから第1ライトガイド12に入射し、第1出射端12bから出射する。第1出射端12bには、光接続部材14が設けられている。光接続部材14は、第2入射端13aにも設けられている。
【0063】
ライトガイドは、コアとクラッドを有する。光接続部材14では、第1ライトガイド12のコアの中心と第2ライトガイド13のコアの中心が一致するように、第1出射端12bと第2入射端13aが位置決めされている。
【0064】
第1出射端12bから出射した光は、第2入射端13aに入射する。第1ライトガイド12のコアの中心と第2ライトガイド13のコアの中心は、一致している。そのため、第1出射端12bと第2入射端13aの間では、光量損失はほとんど生じない。
【0065】
第2ライトガイド13に入射した励起光は、第2出射端13bから出射する。更に、励起光は、出射部15に入射する。上述のように、出射部15では、第1の波長変換光と第2の波長変換光が発生する。そのため、励起光、第1の波長変換光、及び第2の波長変換光によって、物体が照明される。
【0066】
図5は、従来の内視鏡の組み立ての様子を示す図である。図5(a)は、第1の手順を示す図である。図5(b)は、第2の手順を示す図である。図5(c)は、第3の手順を示す図である。
【0067】
(第1の手順)
図5(a)に示すように、第1の手順では、出射部42の外径は、ライトガイド41の外径よりも大きい。そのため、基端部43a側からライトガイド41を格納する場合、挿入部43の内部に、ライトガイド41の外径よりも大きい空間44を確保しなくてはならない。
【0068】
ライトガイド41を挿入部43へ格納すると、ライトガイド41の周囲に、利用されない空間45が残る。そのため、空間の利用効率が低下する。
【0069】
挿入部43の直径は小さい方が好ましい。直径が小さいと、医療用内視鏡では、患者の負担低減や、比較的細い体腔への挿入を容易にする効果がある。また、工業用内視鏡では、比較的細い穴への挿入を容易にする効果がある。
【0070】
空間45が無ければ、挿入部43の直径は小さくすることができる。組み立てだけのために、空間45が残ることは好ましくない。
【0071】
(第2の手順)
図5(b)に示すように、第2の手順では、出射部42とライトガイド41を接続した後、ライトガイド41を挿入部43に格納する。ライトガイド41を挿入部43に格納した後、光源40とライトガイド41を接続する。
【0072】
出射部42はライトガイド41に接続されているが、光源40はライトガイド41に接続されていない。よって、ライトガイド41の41a側を挿入部43の43b側から格納する方が、41b側を43a側からよりも容易である。
【0073】
ライトガイド41に光源40が接続されていないので、挿入部43の内部に、ライトガイド41の外径よりも若干大きい空間46を確保すれば良い。この場合、第1の手順における空間45は発生しない。
【0074】
しかし、ライトガイド41が挿入部43に格納された状態で、光源40とライトガイド41を接続しなくてはならない。そのため、端部41b側のハンドリング容易性、固定容易性又は可撓性などが大きく低下する。また、挿入部43、出射部42の破損に注意しつつ当該接続をしなくてはならない。その結果、光源40とライトガイド41の接続時、組み立て効率が低下し易くなる。
【0075】
(第3の手順)
図5(c)に示すように、第3の手順では、光源40とライトガイド41を接続した後、ライトガイド41を挿入部43に格納する。ライトガイド41を挿入部43に格納した後、出射部42とライトガイド41を接続する。
【0076】
光源40はライトガイド41に接続されているが、出射部42はライトガイド41に接続されていない。よって、ライトガイド41の41b側を挿入部43の43a側から格納する方が、41a側を43b側からよりも容易である。
【0077】
ライドガイト41に出射部42が接続されていないので、挿入部43の内部に、ライトガイド41の外径よりも若干大きい空間46を確保すれば良い。この場合、第1の手順における空間45は発生しない。
【0078】
しかし、ライトガイド41が挿入部43に格納された状態で、出射部42とライトガイド41を接続しなくてはならない。そのため、端部41a側のハンドリング容易性、固定容易性又は可撓性などが大きく低下する。また、挿入部43、光源40の破損に注意しつつ当該接続をしなくてはならない。その結果、出射部42とライトガイド41の接続時、組み立て効率が低下し易くなる。
【0079】
これらに対して、内視鏡10では、光接続部材14によって、第1ライトガイド12と第2ライトガイド13の接続、及び第1ライトガイド12と第2ライトガイド13の分離を行うことができる。そのため、第1ライトガイド12と第2ライトガイド13を分離した状態で、内視鏡10の組み立てを開始することができる。
【0080】
図6は、本実施形態の内視鏡の組み立ての様子を示す図である。図3と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。図6(a)は、第1ライトガイドと光源の接続を示す図である。図6(b)は、第2ライトガイドと出射部の接続を示す図である。図6(c)は、第1ライトガイドと第2ライトガイドの接続を示す図である。
【0081】
図6(a)に示すように、光源11と第1ライトガイド12の接続では、第1出射端12b側のハンドリング容易性、固定容易性又は可撓性などは低下されない。加えて、挿入部43、出射部42の破損に注意しつつ当該接続をする必要もない。よって、光源11と第1ライトガイド12の接続時、組み立て効率の低下を防止することができる。
【0082】
図6(b)に示すように、出射部15と第2ライトガイド13の接続では、第2入射端13a側のハンドリング容易性、固定容易性又は可撓性などは低下されない。加えて、挿入部43、光源11の破損に注意しつつ当該接続をする必要もない。よって、出射部15と第2ライトガイド13の接続時、組み立て効率の低下を防止することができる。
【0083】
出射部15は第2ライトガイド13に接続されているが、光源11は第2ライトガイド13に接続されていない。よって、第2ライトガイド13の第2入射端13a側を挿入部43の先端部43b側から比較的容易に格納することができる。よって、組み立て効率が向上する。
【0084】
第2入射端13aには何も接続されていないので、挿入部43の内部に、ライトガイド13の外径よりも若干大きい空間46を確保すれば良い。この場合、図5(a)に示す空間45は発生しないので、空間利用効率の低下を防止することができる。
【0085】
図6(c)に示すように、光源11と第1ライトガイド12の接続後、第1出射端12bに光接続部材14を設けることができる。また、出射部15と第2ライトガイド13の挿入部43への格納後、第2入射端13aに光接続部材14に設けることができる。その結果、第1ライトガイド12と第2ライトガイド13を、容易に接続することができる。
【0086】
内視鏡10では、組み立ての開始時、第1ライトガイド12と第2ライトガイド13は分離されている。よって、光源11と第1ライトガイド12の接続作業と、出射部15と第2ライトガイド13の接続作業を、並列して行うことができる。その結果、組み立て効率を高めることができる。
【0087】
上述のように、第2の手順では、ライトガイド41に出射部42が接続され、その後に光源40が接続される。そのため、ライトガイド41に光源40を接続する際に、出射部42の取り扱いがおろそかになると、出射部42と挿入部43との間に余計な力が加わる可能性がある。余計な力が大きすぎると、出射部42が破損されてしまうおそれがある。そのため、組み立て時の歩留まりが低下し易いおそれがある。
【0088】
第3の手順では、ライトガイド41に光源40が接続され、その後に出射部42が接続される。そのため、ライトガイド41に出射部42を接続する際に、光源40の取り扱いがおろそかになると、光源40と挿入部43との間に余計な力が加わる可能性がある。余計な力が大きすぎると、光源40や挿入部43が破損されてしまうおそれがある。そのため、組み立て時の歩留まりが低下するおそれがある。
【0089】
これに対して、本実施形態の内視鏡では、1本のライトガイドに、出射部と光源のどちらか一方しか接続されない。よって、出射部の破損の可能性、又は光源の破損の可能性は低くなる。その結果、本実施形態の内視鏡では、組み立て時の歩留まりを向上させることができる。
【0090】
第1の手順、第2の手順、及び第3の手順では、1本のライトガイドに光源と出射部を接続しなくてはならないという、製造上の制約がある。これに対して、本実施形態の内視鏡では、この制約が無い。そのため、構造設計の自由度と、製造時の工程設計の自由度を確保し易い。それ故、空間利用効率と組み立て効率を向上し易い。
【0091】
本実施形態の内視鏡は、ディスポーザブル内視鏡として用いることができる。ディスポーザブル内視鏡は、1回使用したら廃棄される内視鏡である。1回の使用では、光源の劣化と出射部の劣化は、それほど大きくない。よって、光源と出射部は再利用することができる。
【0092】
光源と出射部を再利用するためには、廃棄前に、光源と出射部を内視鏡から取り出さなくてはならない。光源と出射部は、第1ライトガイド、第2ライトガイド、及び光接続部材と一緒に取り出される。前述の通り、光源とライトガイドの端面との位置合わせでは高い精度が要求されるので、当該位置精度を保った状態で光源とライトガイド1を取り出せると当該再利用の際の製造の手間とコストを抑えられる効果がある。同様に、前述の通り、出射部とライトガイドの端面との位置合わせでは高い精度が要求されるので、当該位置精度を保った状態で出射部とライトガイド2を取り出せると当該再利用の際の製造の手間とコストを抑えられる効果がある。
【0093】
1本のライトガイドに光源と出射部が接続されている場合、光源の取り出し時に、出射部の取り扱いに配慮が必要となるので作業性が低下するおそれがある。出射部を破損させてしまったり、当該出射部とライトガイド端面の位置合わせがずれてしまわないように配慮する必要があるからである。また、出射部の取り出し時に、光源の取り扱いに注意が必要となるので作業性が低下するおそれがある。光源を破損させてしまったり、当該出射部とライトガイド端面の位置合わせがずれてしまわないように注意する必要があるからである。
【0094】
これに対して、本実施形態の内視鏡では、第1ライトガイドと第2ライトガイドを分離することができる。この場合、光源の取り出しでは、光源と第1ライトガイドを取り出せば良いので、出射部に注意を払う必要がない。出射部の取り出しでは、出射部と第2ライトガイドを取り出せば良いので、光源に注意を払う必要がない。そのため、光源の取り出しと出射部の取り出しが、容易に行える。その結果、光源の破損、出射部の破損及び位置合わせのずれなどの発生を、抑えつつ、作業性を向上させ、組み立て効率の向上をはかることができる。
【0095】
光源の性能と出射部の性能が、予め決められた規格を満足する場合、これらの部品を再利用することができる。例えば、故障した内視鏡の修理又は新たな内視鏡の製造に、これらの部品を使用することができる。また、第1ライトガイドの性能、第2ライトガイドの性能、及び光接続部材の性能が、予め決められた規格を満足する場合、これらの部品を再利用することができる。
【0096】
内視鏡では、様々な組み合わせの光源と出射部が用いられる。1本のライトガイドに光源と出射部が接続されている場合、全ての組み合わせを、予め用意しておかなくてはならない。これに対して、本実施形態の内視鏡では、第1ライトガイドと第2ライトガイドを分離することができる。そのため、全ての組み合わせを、予め用意しておかなくても良い。その結果、少ない在庫で、容易に、修理又は仕様変更に対応することができる。
【0097】
本実施形態の内視鏡の好ましい態様について説明する。
【0098】
本実施形態の内視鏡では、光源は、把持部に設けられていることが好ましい。
【0099】
光源11は、把持部16に設けることで、コードレス内視鏡を実現することができる。尚、光源11は、本実施形態の様に把持部16に設けることに限定されず、例えばプロセッサ3’に設けることもできる。この場合、非コードレス内視鏡を実現することができる。
【0100】
(第1実施形態の内視鏡)
第1実施形態の内視鏡では、光接続部材は、把持部に配置されていることが好ましい。
【0101】
図7は、第1実施形態の内視鏡を示す図である。図3と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0102】
内視鏡50は、把持部51と、挿入部52と、を有する。把持部51は、光源11と、第1ライトガイド12と、光接続部材14と、を有する。光接続部材14は把持部51に配置されているため、第2ライトガイド13の一部は把持部51に位置するが、第2ライトガイド13のほとんどは挿入部52に位置している。
【0103】
挿入部52は狭い空間に挿入されるため、挿入部52の外径は小さい方が良い。挿入部52に光接続部材14が配置されていると、挿入部52の外径が大きくなる。よって、挿入部52に光接続部材14を配置することは好ましくない。
【0104】
把持部51には操作部が設けられているので、把持部51の外径は挿入部52の外径よりも大きい。よって、把持部51であれば、光接続部材14を配置する空間を十分に確保することができる。把持部51に光接続部材14を配置することで、組み立て効率と空間利用効率の低下を防止しつつ、挿入部52の外径の増大を防止することができる。
【0105】
把持部の外径と挿入部の外径の差が大きい場合、把持部と挿入部の間にテーパ状の中間部が設けられることがある。挿入部以外を把持部とすると、中間部は把持部の一部と考えれば良い。
【0106】
尚、図6(c)に記載の組み立て済みの光源11、第1ライトガイド12及び光接続部材14を挿入部51に組み付ける事に組立手順は限定されない。例えば、図6(a)を挿入部51に組み付けた後に、第1出射端12bと第2入射端13aを光接続部材14で接続しても良い。
【0107】
(第2実施形態の内視鏡)
第2実施形態の内視鏡では、光接続部材は、第1出射端を保持する第1フェルールと、第2入射端を保持する第2フェルールと、第1フェルールと第2フェルールが挿入されるスリーブと、スリーブを保持する保持部材と、を有することが好ましい。
【0108】
図8は、光接続部材を示す図である。光接続部材では、保持部材の内部に、フェルールとスリーブが位置している。図8では、見易さのために、フェルールとスリーブを保持部材から分離させている。
【0109】
光接続部材60は、第1フェルール61と、第2フェルール62と、スリーブ63と、保持部材64と、を有する。
【0110】
第1フェルール61は、第1ライトガイド65の第1出射端を保持している。第2フェルール62は、第2ライトガイド66の第2入射端を保持している。スリーブ63には、第1フェルール61と第2フェルール62が挿入される。
【0111】
保持部材64は、第1保持部材67と、第2保持部材68と、を有する。第1保持部材67は角柱形の本体部を有する。第2保持部材68は円柱径の本体部を有する。第1保持部材67の本体部と第2保持部材68の本体部では、外形は共に角柱形であっても、円柱形であっても良い。
【0112】
第1保持部材67は、第1フェルール61を保持している。第2保持部材68は、第2フェルール62を保持している。また、第1保持部材67と第2保持部材68の両方で、スリーブ63を保持している。
【0113】
第1保持部材67は、円筒形の先端部67aを有する。先端部67aには、突起67bが設けられている。第2保持部材68は、円筒形の先端部68aを有する。先端部68aには、ガイド溝68bが設けられている。ガイド溝68bは、軸69と平行な第1の溝と、軸69と直交する第2の溝と、を有する。
【0114】
先端部67aの外径は、先端部68aの内径よりも若干小さい。よって、先端部67aを先端部68aに挿入することができる。挿入では、突起67bは第1の溝の内側を直進する。ガイド溝68bでは、第1の溝の一端と第2の溝の一端は交差している。よって、2つの溝が交差している場所で、突起67bは停止する。
【0115】
突起67bが停止した状態で、第1保持部材67を軸69の周りに回転させる。回転方向には、第2の溝が位置している。第1保持部材67の回転に伴って、突起67bは第2の溝の内側を直進する。
【0116】
第2の溝の長さは有限なので、突起67bが第2の溝の端に突き当たる。これにより、第1保持部材67の回転が停止する。その結果、第2保持部材68に対して第1保持部材67が固定される。
【0117】
第1保持部材67は第1ライトガイド65を保持し、第2保持部材68は第2ライトガイド66を保持している。よって、上述の操作を行うことで、第1ライトガイド65と第2ライトガイド66を、容易に接続することができる。また、上述の操作と逆の操作を行うことで、第1ライトガイド65と第2ライトガイド66を、容易に分離することができる。
【0118】
保持部材64による接続は、光コネクタ接続とみなすことができる。光コネクタ接続では、2つの光コネクタが用いられる。第2実施形態の内視鏡では、一方の光コネクタは、第1フェルール61、第1ライトガイド65、及び第1保持部材67で形成され、他方の光コネクタは、第2フェルール62、第2ライトガイド66、及び第2保持部材68で形成されている。
【0119】
図9は、本実施形態の内視鏡の組み立ての様子を示す図である。図6と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。図9(a)は、第1ライトガイドと光源と第1フェルールの接続を示す図である。図9(b)は、第2ライトガイドと出射部と第2フェルールの接続及び挿入部への格納を示す図である。図9(c)は、第1ライトガイドと第2ライトガイドの接続を示す図である。図9(d)は、第1ライトガイドと光源と第1フェルールの把持部への格納を示す図である。
【0120】
第2フェルール62は小径に構成する事が比較的容易な為、十分細径に構成した第2フェルール62を用いる場合は、図5で説明した手順に替えて、以下の手順とすることもできる。
(手順1):図9(a)に示すように、第1ライトガイド12の第1出射端12bに第1フェルール61を取り付ける。図9(b)に示すように、第2ライトガイド13の第2入射端13aに第2フェルール62を取り付ける。
(手順2):図9(a)に示すように、光源11を第1ライトガイド12の第1入射端12aに取付ける。図9(b)に示すように、第2ライトガイド13の第2出射端13bに出射部15を取り付ける。
(手順3):図9(b)に示すように、第2ライトガイド13の第2入射端13a側を挿入部43b側から挿入して、第2ライトガイド13と出射部15を挿入部43へ格納する。
(手順4):第1フェルール61と第2フェルール62を、上述の通り図8を使って説明した態様で接合する。
その結果、図9(c)に示すように第1ライトガイド12と第2ライトガイド13を接続することができる。
【0121】
この手順の場合、第2フェルール62と第2ライトガイド13の接合時に、第2ライトガイド13や出射部15の破損に配慮をする必要がない。また、挿入部43によるハンドリング容易性、固定容易性又は可撓性などは低下しない。よって、より組み立て効率が向上する点で好ましい。
【0122】
また、上記手順に限定されない。例えば以下の手順でも良い。
(手順1)及び(手順2):上記(手順1)及び(手順2)と同様である。
(手順3):図9(b)に示すように、第2ライトガイド13の第2入射端13a側を挿入部43b側から挿入して、第2ライトガイド13と出射部15を挿入部43へ格納する。図9(d)に示すように、第1ライトガイド12と光源11と第1フェルール61を把持部51へ格納する。
(手順4):把持部51と挿入部43を組み付ける。その際第1フェルール61と第2フェルール62を、上述の通り図8を使って説明した態様で接合する工程も行う。
その結果、図7に示すように、光接続部材14を介して、第1ライトガイド12と第2ライトガイド13を接続することができる。
【0123】
この手順の場合、第2フェルール62と第2ライトガイド13の接合時に、第2ライトガイド13や出射部15の破損に配慮をする必要がない。また、挿入部43によるハンドリング容易性、固定容易性又は可撓性などは低下しない。加えて、把持部51と挿入部43を組み付ける工程の一つとして、第1フェルール61と第2フェルール62を接続するので、以下の様に作業を進める事ができる。この為、組み立て効率がより向上し得る点で好ましい。
(i)当該組み付け直前まで、把持部51と挿入部43を並行して別々に工程を進める事ができる。
(ii)第1フェルール61と第2フェルール62が分離している状態の方がやり易い当該組み付けに係る工程を実施した後に、第1フェルール61と第2フェルール62を接続する事もできる。
【0124】
(第3実施形態の内視鏡)
第3実施形態の内視鏡は、光源から出射した光を第1入射端に導くための光接続モジュールを有し、所定の方向は、第1ライトガイドが直線状に配置されたときの第1ライトガイドの中心軸と直交する方向であり、所定の方向における保持部材の最大断面は、所定の方向における光接続モジュールの最少断面よりも小さいことが好ましい。
【0125】
図10は、光源装置の断面図である。光源装置70は、光源71と、光接続モジュール80と、を有する。
【0126】
光接続モジュール80は、ホルダ81と、レンズ82と、を有する。ホルダ81は、中空の部材である。レンズ82は、ホルダ81の内部に位置している。
【0127】
ホルダ81の一端に、光源71が配置されている。ホルダ81の他端に、フェルール72と第1ライトガイド73が配置されている。第1ライトガイド73は、第1入射端73aを有する。光源71から第1入射端73aまでの間に、レンズ82が配置されている。
【0128】
光源71は、発光部71aを有する。発光部71aから発散光が出射する。発散光はレンズ82に入射する。レンズ82から、収斂光が出射する。収斂光の集光位置に、第1入射端73aが位置している。発光部71aから出射した光は、第1入射端73aに到達する。
【0129】
第1入射端73aでは、発光部71aから出射した光のほとんどが、第1入射端73aを通過する。第1入射端73aを通過した光は第1ライトガイド73で導光される。第1ライトガイド73は、第1出射端73bを有する。第1ライトガイド73で導光された光は、第1出射端73bから出射する。
【0130】
第1出射端73bには、光接続部材90が設けられている。光接続部材90では、第1保持部材91によって、第1ライトガイド73、第1フェルール92、及びスリーブ93が保持されている。光接続部材90は、図8に示す光接続部材60の一部である。よって、第1ライトガイド73は、光接続部材90を介して、第2ライトガイド(不図示)と光コネクタ接続を行うことができる。
【0131】
第1ライトガイド73は、可撓性を有する。そのため、第1ライトガイド73が直線状に配置されていない場合、第1ライトガイド73の中心軸の方向は、1つの方向に定まらない。
【0132】
光接続モジュール80に第1ライトガイド73が保持されている部分と、光接続部材90に第1ライトガイド73が保持されている部分では、第1ライトガイド73が直線状に配置されている。中心軸CXは、第1ライトガイドが直線状に配置されたときの第1ライトガイドの中心軸である。中心軸CXは、第2ライトガイドが直線状に配置されたときの第2ライトガイドの中心軸であっても良い。
【0133】
所定の方向は、中心軸CXと直交する方向である。光接続モジュール80では、位置P1で、所定の方向における断面の大きさが最も小さい。光接続部材90では、位置P2で、所定の方向における断面の大きさが最も大きい。
【0134】
第3実施形態の内視鏡では、所定の方向における光接続部材90の最大断面は、所定の方向における接続モジュール80の最少断面よりも小さい。接続モジュール80は把持部に配置されている。光接続部材90の最大断面が接続モジュール80の最少断面よりも小さいと、光接続部材90を容易に把持部に配置することができる。
【0135】
(第4実施形態の内視鏡)
第4実施形態の内視鏡は、光接続部材を内視鏡筐体に固定する固定部材を有し、固定部材に対して、光接続部材の取り付けと、光接続部材の取り外しと、が行われることが好ましい。
【0136】
図11は、固定部材の断面図である。図11(a)は、第1例の固定部材を示す図である。図11(b)は、第2例の固定部材を示す図である。図11(c)は、第3例の固定部材を示す図である。図8と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0137】
光接続部材100は、スリーブ63と、第1光接続部材101と、第2光接続部材102と、を有する。第1光接続部材101は、第1フェルール61と、第1保持部材67と、を有する。第2光接続部材102は、第1フェルール62と、第1保持部材68と、を有する。
【0138】
第1光接続部材101と第2光接続部材102を接続することで、第1ライトガイド65と第2ライトガイド66を、容易に接続することができる。第1光接続部材101と第2光接続部材102を分離することで、第1ライトガイド65と第2ライトガイド66を、容易に分離することができる。
【0139】
第1ライトガイド65又は第2ライトガイド66と比べると、光接続部材100の質量は大きい。そのため、光接続部材100を内視鏡筐体に固定しておかないと、光接続部材100が動くと、第1ライトガイド65の破損、第2ライトガイド66の破損、又は第1光接続部材101と第2光接続部材102の分離を誘発する恐れがある。
【0140】
(第1例の固定部材)
図11(a)に示すように、内視鏡は、固定部材110を有する。例えば、固定部材が内視鏡筐体に図示しないねじ等で固定され、又は、内視鏡筐体に一体成型され構成されている。固定部材110は、第1固定部材110aと、第2固定部材110bと、を有する。第1固定部材110aは、第1光接続部材101の全部と第2光接続部材102のほとんどの部分を保持している。第2固定部材110bは、第2光接続部材102の残りの部分を保持している。
【0141】
固定部材110で光接続部材100を保持することで、光接続部材100を内視鏡の筐体から動かないようにすることができる。その結果、ライトガイドの破損又は光接続部材の分離を防止することができる。
【0142】
固定部材110では、2つの部材が光接続部材100を保持している。固定部材110に対して、光接続部材100の取り付けと光接続部材100の取り外しが行われる。
【0143】
第1ライトガイド65と第2ライトガイド66の接続は、光接続部材100を固定部材110へ取り付ける前に行われるのが好ましい。また、第1ライトガイド65と第2ライトガイド66の分離は、光接続部材100を固定部材110から取り出した後に行われるのが好ましい。
【0144】
(第2例の固定部材)
図11(b)に示すように、内視鏡は、固定部材111を有する。例えば、固定部材が内視鏡筐体に図示しないねじ等で固定され、又は、内視鏡筐体に一体成型され構成されている。固定部材111は、第1固定部材111aと、第2固定部材111bと、を有する。第1固定部材111aは、第1光接続部材101だけを保持している。第2固定部材111bは、第2光接続部材102だけを保持している。
【0145】
固定部材111で光接続部材100を保持することで、光接続部材100を内視鏡筐体から動かないようにすることができる。その結果、ライトガイドの破損又は光接続部材の分離を防止することができる。
【0146】
固定部材111では、2つの部材が光接続部材100を保持している。固定部材111に対して、光接続部材100の取り付けと光接続部材100の取り外しが行われる。
【0147】
第1ライトガイド65と第2ライトガイド66の接続は、光接続部材100を固定部材111へ取り付ける前に行われるのが好ましい。また、第1ライトガイド65と第2ライトガイド66の分離は、光接続部材100を固定部材111から取り出した後に行われるのが好ましい。
【0148】
(第3例の固定部材)
図11(c)に示すように、内視鏡は、固定部材112を有する。ここでは固定部材が内視鏡筐体に図示しないねじ等で固定され、又は、内視鏡筐体に一体成型され構成されている。固定部材112で光接続部材101だけを保持している。
【0149】
固定部材112で光接続部材101を保持することで、光接続部材100を内視鏡筐体から動かないようにすることができる。その結果、ライトガイドの破損又は光接続部材の分離を防止することができる。
【0150】
固定部材112では、1つの部材が光接続部材100を保持している。固定部材112に対して、光接続部材100の取り付けと光接続部材100の取り外しが行われる。
【0151】
第1ライトガイド65と第2ライトガイド66の接続は、第1光接続部材101を固定部材112に取り付ける前と、第1光接続部材101を固定部材112に取り付けた後のどちらで行っても良い。取り付け後の場合は、固定部材112で第1光接続部材101を保持した後に、第1光接続部材101に第2光接続部材102を接続すれば良い。
【0152】
第1ライトガイド65と第2ライトガイド66の分離は、光接続部材100を固定部材112から取り出す前と、光接続部材100を固定部材112から取り出した後のどちらで行っても良い。取り出し前の場合は、固定部材112で第1光接続部材101を保持した状態で、第1光接続部材101から第2光接続部材102を分離すれば良い。
【0153】
第3例では、保持部材は、第1光接続部材101だけを保持している。しかしながら、保持部材は、第2光接続部材102だけ保持しても良い。
【0154】
固定部材110、固定部材111、及び固定部材112は、公知の技術を用いて実現すれば良い。
【0155】
(第5実施形態の内視鏡)
第5実施形態の内視鏡では、固定部材の機能を少なくとも第1光接続部材101と第2光接続部材102の一方に持たせた構成としている。
【0156】
固定部材110、固定部材111、及び固定部材112は、内視鏡の筐体(不図示)に固定される。内視鏡の筐体への固定では、直接筐体へ固定しても、他の部材を介して筐体へ固定して良い。
【0157】
光接続部材の固定では、接続部材に固定用構造、例えば穴又は切り欠きを形成しても良い。図12は、光接続部材を示す図である。図12(a)は、第1例の光接続部材を示す図である。図12(b)は、第1例の光接続部材の固定方法を示す図である。図12(c)は、第2例の光接続部材を示す図である。図12(d)は、第3例の光接続部材を示す図である。
【0158】
(第1例の光接続部材)
第1例の光接続部材を図12(a)に示す。光接続部材120は、第1光接続部材121と、第2光接続部材122と、を有する。第1光接続部材121は、第1ライトガイド123を保持している。第2光接続部材122は、第2ライトガイド124を保持している。
【0159】
光接続部材120では、第1光接続部材121に、長孔125が形成されている。内視鏡の筐体に雌ねじを形成しておけば、長孔125を介して、第1光接続部材121を内視鏡の筐体にねじ止めすることができる。その結果、光接続部材120を固定することができる。雌ねじは、内視鏡の筐体に固定された部材に形成しても良い。
【0160】
第1例の光接続部材の固定方法を図12(b)に示す。図12(b)は、図12(a)における切断線A-Aにおける断面図である。第1光接続部材121は角柱形の本体部を有する。本体部の内部に、ライトガイド123とフェルール127が配置されている。
【0161】
本体部の壁の内部には、貫通孔が形成されている。貫通孔は、図12(a)に示す長孔125である。貫通孔を介して、第1光接続部材121を固定することができる。第1光接続部材121を固定には、例えば、ねじ126を用いることができる。
【0162】
(第2例の光接続部材)
第2例の光接続部材を図12(c)に示す。光接続部材130は、第1光接続部材121と、第2光接続部材131と、を有する。第2光接続部材131は、第2ライトガイド124を保持している。
【0163】
光接続部材130では、第2光接続部材131にも、長孔132が形成されている。よって、長孔125を介して、第1光接続部材121を内視鏡の筐体にねじ止めすることができるだけでなく、長孔132を介して、第2光接続部材131を内視鏡の筐体にねじ止めすることができる。その結果、光接続部材130を固定することができる。
【0164】
光接続部材130の固定では、長孔125と長孔132のどちらか一方、又は長孔125と長孔132の両方を用いることができる。
【0165】
(第3例の光接続部材)
第3例の光接続部材を図12(d)に示す。光接続部材140は、第1光接続部材141と、第2光接続部材142と、を有する。第1光接続部材141は、第1ライトガイド123を保持している。第2光接続部材142は、第2ライトガイド124を保持している。
【0166】
光接続部材140では、第2光接続部材142に、切り欠き143が形成されている。針金、又はU字型の固定具で切り欠き143を押え付けることで、第2光接続部材142を内視鏡の筐体に固定することができる。その結果、光接続部材140を固定することができる。
【0167】
切り欠きは、第1光接続部材141と第2光接続部材142のどちらか一方、又は第1光接続部材141と第2光接続部材142の両方に形成することができる。
【0168】
(第6実施形態の内視鏡)
第6実施形態の内視鏡では、所定の方向は、第1ライトガイドが直線状に配置されたときの第1ライトガイドの中心軸と直交する方向であり、所定の方向における光接続部材の最大断面は、所定の方向における挿入部の内側の断面よりも小さいことが好ましい。最大断面は、光接続部材を構成する部品の最大断面でも良い。
【0169】
図13は、光接続部材と挿入部の断面図である。図11と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0170】
上述のように、所定の方向は、中心軸CXと直交する方向である。光接続部材100では、位置P3で、所定の方向における断面の大きさが最も大きい。挿入部150の内側では、どの位置でも、所定の方向における内側の断面の大きさは一定である。
【0171】
第6実施形態の内視鏡では、所定の方向における光接続部材100の最大断面は、所定の方向における挿入部150の内側の断面よりも小さい。光接続部材100の最大断面が挿入部150の内側の断面よりも小さいと、挿入部150の内部に、光接続部材100を容易に配置することができる。また、光接続部材100を挿入部に配置することも可能なので、設計の自由度が高まる。
【0172】
尚、ここで光接続部材100というのは、例えば図8における光接続部材60に限定されるものではなく、光接続部材100を構成する一部品のみを指し示す場合もあり得る。例えば図9で説明した組立手順の場合は、当該光接続部材100というのは図8の第2フェルール62のみを指し示す場合であっても、挿入部150の内側を通す工程手順(図9(b)参照)を実施できる効果を奏する。
【0173】
(第7実施形態の内視鏡)
第7実施形態の内視鏡は、光カプラと、第3ライトガイドと、第4ライトガイドと、複数の出射部と、を有し、複数の出射部は、第1出射部と、第2出射部と、を有し、第2出射端は、光カプラの入射端側に位置し、第3ライトガイドの入射端と第4ライトガイドの入射端は、光カプラの出射端側に位置し、第3ライトガイドの出射端側に、第1出射部が位置し、第4ライトガイドの出射端側に、第2出射部が位置していることが好ましい。
【0174】
図14は、好ましい実施形態の内視鏡を示す図である。図3と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0175】
内視鏡160は、光カプラ161と、第3ライトガイド162と、第4ライトガイド163と、複数の出射部と、を有する。
【0176】
光カプラ161は、融着された2本の光ファイバで形成されている。光カプラ161に入射した光は、2本の光ファイバから出射する。第3ライトガイド162は、第3入射端162aと、第3出射端162bと、を有する。第4ライトガイド163は、第4入射端163aと、第4出射端163bと、を有する。複数の出射部は、第1出射部164と、第2出射部165と、を有する。
【0177】
光源11から出射した励起光は、第1ライトガイド12と第2ライトガイド13で導光され、第2出射端13bに到達する。第2出射端13bは、光カプラ161の入射端側に位置している。励起光は、光カプラ161に入射する。
【0178】
第3入射端162aと第4入射端163aは、光カプラ161の出射端側に位置している。光カプラ161の出射端側には、2本の光ファイバが位置している。一方の光ファイバから出射した励起光は、第3入射端162aに入射する。他方の光ファイバから出射した励起光は、第4入射端163aに入射する。
【0179】
第3入射端162aに入射した励起光は、第3ライトガイド162で導光され、第3出射端162bに到達する。第3出射端162b側には、第1出射部164が位置している。励起光は、第1出射部164に入射する。
【0180】
第4入射端163aに入射した励起光は、第4ライトガイド163で導光され、第4出射端163bに到達する。第4出射端163b側には、第2出射部165が位置している。励起光は、第2出射部165に入射する。
【0181】
第1出射部164と第2出射部165には、蛍光体が配置されている。2つの蛍光体の種類が同じ場合、同じ波長帯域の光で照明を行うことができる。2つの蛍光体の種類が異なる場合、異なる同じ波長帯域の光で照明を行うことができる。
【0182】
第7実施形態の内視鏡では、光接続部材14によって、第1ライトガイド12と第2ライトガイド13の接続、及び第1ライトガイド12と第2ライトガイド13の分離を行うことができる。そのため、組み立て効率の低下と空間の利用効率の低下を防止することができる。
【0183】
また、複数の出射部を有することで、照明のバリエーションの自由度が高まる。また、光源、光カプラ、及び出射部の交換又は変更を別々に、しかも容易に行うことができる。よって、同じ在庫数で多くの製品バリエーションに対応する事が容易である。
【0184】
(第8実施形態の内視鏡)
第8実施形態の内視鏡は、複数の光接続部材と、第5ライトガイドと、第6ライトガイドと、を有し、複数の光接続部材は、第1光接続部材と、第2光接続部材と、第3光接続部材と、を有し、第1光接続部材は、第1ライトガイドと第2ライトガイドの間に位置し、第2光接続部材は、第3ライトガイドと第5ライトガイドの間に位置し、第3光接続部材は、第4ライトガイドと第6ライトガイドの間に位置し、第5ライトガイドの出射端側に、第1出射部が位置し、第6ライトガイドの出射端側に、第2出射部が位置していることが好ましい。
【0185】
図15は、好ましい実施形態の内視鏡を示す図である。図14と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0186】
内視鏡170は、複数の光接続部材と、第5ライトガイド171と、第6ライトガイド172と、を有する。
【0187】
第5ライトガイド171は、第5入射端171aと、第5出射端171bと、を有する。第6ライトガイド172は、第6入射端172aと、第6出射端172bと、を有する。複数の光接続部材は、第1光接続部材である光接続部材14と、第2光接続部材173と、第3光接続部材174と、を有する。
【0188】
光源11から出射した励起光は、第1ライトガイド12、光接続部材14、第2ライトガイド13、光カプラ161、第3ライトガイド162、及び第4ライトガイド163で導光され、第3出射端162bと第4出射端163bに入射する。
【0189】
第3出射端162b側には、第2光接続部材173と、第5入射端171aと、が位置している。励起光は、第2光接続部材173と第5入射端171aを介して、第5ライトガイド171に入射する。続いて、励起光は、第5ライトガイド171で導光され、第5出射端171bに到達する。第5出射端171b側には、第1出射部164が位置している。励起光は、第1出射部164に入射する。
【0190】
第4出射端163b側には、第3光接続部材174と、第6入射端172aと、が位置している。励起光は、第3光接続部材174と第5入射端172aを介して、第6ライトガイド172に入射する。続いて、励起光は、第6ライトガイド172で導光され、第6出射端172bに到達する。第6出射端172b側には、第2出射部165が位置している。励起光は、第2出射部165に入射する。
【0191】
第8実施形態の内視鏡では、複数の光接続部材によって、第1ライトガイドと第2ライトガイドの接続、第3ライトガイドと第5ライトガイドの接続、及び第4ライトガイドと第6ライトガイドの接続を行うことができる。また、第1ライトガイドと第2ライトガイドの分離、第3ライトガイドと第5ライトガイドの分離、及び第4ライトガイドと第6ライトガイドの分離を行うことができる。そのため、組み立て効率の低下と空間の利用効率の低下を防止することができる。
【0192】
また、出射部の交換又は変更を別々に、しかも容易に行うことができる。よって、同じ在庫数で多くの製品バリエーションに対応する事が容易である。
【0193】
(第9実施形態の内視鏡)
第9実施形態の内視鏡は、複数の光源と、複数の光接続部材と、複数の光カプラと、第5ライトガイドと、第6ライトガイドと、第7ライトガイドと、を有し、複数の光源は、第1光源と、第2光源と、を有し、複数の光接続部材は、第1光接続部材と、第2光接続部材と、を有し、複数の光カプラは、第1光カプラと、第2光カプラと、を有し、第1光源側に、第1入射端が位置し、第1光接続部材は、第1ライトガイドと第2ライトガイドの間に位置し、第2光源側に、第5ライトガイドの入射端が位置し、第2光接続部材は、第5ライトガイドと第6ライトガイドの間に位置し、第2出射端と第6ライトガイドの出射端は、第1光カプラの入射端側に位置し、第7ライトガイドの入射端は、第1光カプラの出射端側に位置し、第7ライトガイドの出射端は、第2光カプラの入射端側に位置し、第3ライトガイドの入射端と第4ライトガイドの入射端は、第2光カプラの出射端側に位置していることが好ましい。
図16は、好ましい実施形態の内視鏡を示す図である。図14と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0194】
内視鏡180は、複数の光源と、複数の光接続部材と、複数の光カプラと、第5ライトガイド181と、第6ライトガイド182と、第7ライトガイド183と、を有する。
【0195】
複数の光源は、第1光源である光源11と、第2光源184と、を有する。複数の光接続部材は、第1光接続部材である光接続部材14と、第2光接続部材185と、を有する。複数の光カプラは、第1光カプラ186と、第2光カプラである光カプラ161と、を有する。
【0196】
第1ライトガイド12と第2ライトガイド13は、光接続部材14(第1光接続部材)で接続されている。光源11(第1光源)から出射した励起光は、第1ライトガイド12と第2ライトガイド13で導光され、第2出射端13bに到達する。
【0197】
第5ライトガイド181は、第5入射端181aと、第5出射端181bと、を有する。第5入射端181aは、光源184側に位置する。第5出射端181bは、第2光接続部材185側に位置する。
【0198】
第6ライトガイド182は、第6入射端182aと、第6出射端182bと、を有する。第6入射端182aは、第2光接続部材185側に位置する。第6出射端182bは、第1光カプラ186側に位置する。
【0199】
光源184から出射した励起光は、第5入射端182aから第5ライトガイド181に入射し、第5出射端181bから出射する。第5出射端181bには、第2光接続部材185が設けられている。第2光接続部材185は、第6入射端182aに設けられている。第5出射端181bから出射した光は、第6入射端182aに入射する。第6ライトガイド182に入射した励起光は、第6出射端183bに到達する。
【0200】
第5ライトガイド181と第6ライトガイド182は、第2光接続部材185で接続されている。光源184から出射した励起光は、第5ライトガイド181と第6ライトガイド182で導光され、第6出射端182bに到達する。
【0201】
第2出射端13bと第6出射端182bは、第1光カプラ186の入射端側に位置している。励起光は、第1光カプラ186に入射する。
【0202】
第7ライトガイド183は、第7入射端183aと、第7出射端183bと、を有する。第7入射端183aは、第1光カプラ186の出射端側に位置している。第7出射端183bは、光カプラ161(第2光カプラ)の入射端側に位置している。励起光は、第7ライトガイド183で導光され、光カプラ161に入射する。
【0203】
光カプラ161の出射端側には、第3入射端162aと第4入射端163aが位置している。励起光は、第3ライトガイド162と第4ライトガイド163で導光され、第1出射部164と第2出射部165に入射する。
【0204】
2つの光源で励起光の波長帯域が異なる場合、異なる同じ波長帯域の光で照明を行うことができる。その結果、照明のバリエーションの自由度がより高まる。光源の点灯と消灯の切替え、又は光強度の比率の変更を行うことで、異なる波長帯域の光で照明することができる。
【0205】
第9実施形態の内視鏡では、光接続部材によって、第1ライトガイドと第2ライトガイドの接続、第5ライトガイドと第6ライトガイドの接続を行うことができる。また、第1ライトガイドと第2ライトガイドの分離、第5ライトガイドと第6ライトガイドの分離を行うことができる。そのため、組み立て効率の低下と空間の利用効率の低下を防止することができる。
【0206】
光源の数、光接続部材の数、光カプラの数、及び出射部の数は、特定の数に限定されない。
【0207】
(第10実施形態の内視鏡)
第10実施形態の内視鏡は、光源装置を有し、光源装置は、光源を駆動する光源ドライバと、光源ドライバを制御するコントローラと、光接続モジュールと、を有し、光接続モジュールは、ホルダと、レンズと、を有し、ホルダの一端に光源が位置し、ホルダの他端に第1ライトガイドが位置し、レンズは、光源と第1ライトガイドの間で、ホルダに保持されていることが好ましい。
【0208】
図17は、光源装置の断面図である。図17(a)は、第1例の光源装置を示す図である。図17(b)は、第2例の光源装置を示す図である。図10と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0209】
(第1例の光源装置)
図17(a)に示すように、光源装置190は、光源71と、光接続モジュール80と、光源ドライバ200と、コントローラ201と、を有する。光源ドライバ200は光源71と接続されている。光源71を駆動するために、光源ドライバ200は光源71に電圧又は電流を供給する。コントローラ201は、光源ドライバ200と接続されている。光源ドライバ200を制御するために、コントローラ201は光源ドライバ200に制御信号を送信する。また、コントローラ201は光源ドライバ200から応答信号を受信する。制御信号によって、光源71の点灯、消灯、及び励起光の光強度の変更を行うことができる。
【0210】
第10実施形態の内視鏡は、更に、光センサを有し、光センサは、ホルダに保持され、光センサから出力された信号は、コントローラに入力されることが好ましい。
【0211】
(第2例の光源装置)
図17(b)に示すように、光源装置210は、光センサ211を有する。光センサ211は、ホルダ81に保持されている。光センサ211は、レンズ82から第1入射端73bまでの間で、且つ、ホルダ81の内周面81aに配置されている。
【0212】
第1入射端73bでは、発光部71aから出射した励起光の一部が、第1入射端73bで反射する。第1入射端73bでは、入射面は平面で、第1ライトガイド73の中心軸に対して直交していない。そのため、第1入射端73bで反射した励起光は、内周面81aに到達する。
【0213】
内周面81aに到達した励起光は、内周面81aで反射する。内周面81aには、光センサ211が配置されている。第1入射端73bで反射した励起光の一部は、最終的に光センサ211で受光される。
【0214】
光センサ211で受光した励起光は、発光部71aから出射した励起光の一部である。光センサ211で受光した励起光は電気信号に変換され、光センサ211から出力される。光センサ211から出力された電気信号は、コントローラ201に入力される。この電気信号を用いることで、光源ドライバ200を制御することができる。その結果、例えば、適切な光強度の励起光を、光源71から出射させることができる。
【0215】
複数の光源を用いる場合、光源ごとに、光源ドライバとコントローラを用意することができる。また、複数の光源に対して、1つの光源ドライバと1つのコントローラを用意することができる。
【0216】
(第11実施形態の内視鏡)
第11実施形態の内視鏡は、固定部はライトガイド保持部を有し、ライトガイド保持部は、曲線状の案内溝を有し、案内溝で第1ライトガイドを保持することが好ましい。
【0217】
図18は、固定部材の断面図である。図11と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0218】
内視鏡は、固定部材220を有する。固定部材220は、第1固定部材221と、第2固定部材110bと、を有する。第1固定部材220は、第1光接続部材101の全部、第2光接続部材102のほとんどの部分、及び、第1ライトガイド65を保持している。
【0219】
第1フェルール61の端部222で、第1ライトガイド65が急に湾曲すると、第1ライトガイド65が破損する恐れがある。第1固定部材221には、曲線状の案内溝223が形成されている。案内溝223は、端部222から緩やかに湾曲している。よって、第1ライトガイド65を案内溝223で保持することで、第1ライトガイド65の破損を防止することができる。
【0220】
また、第1固定部材221で、光接続部材100の保持と第1ライトガイド65の保持を行っている。よって、部品点数を削減することができる。その結果、組み立て効率が向上する。
【0221】
図18では、見易さのために、案内溝222を大きく描いている。案内溝222では、第1ライトガイド65が極力動かない方が良い。よって、案内溝223の幅は、第1ライトガイド65の直径よりも僅かに大きければ良い。
【0222】
光接続部材100を把持部に配置する場合、位置決めされた第1ライトガイド65の全体形状は、直線と緩やかな曲線の少なくとも一方を含むと良い。把持部では、挿入部のような湾曲は生じない。そのため、第1ライトガイド65の全体形状は、位置決めされたときの形状から変化しない。全体形状が直線と緩やかな曲線の少なくとも一方を含んでいると、例えば、落下の衝撃で、第1ライトガイド65で破損が生じる可能性を非常に低くすることができる。
【0223】
ライトガイドで破損が生じると、ライトガイドから光が外に漏れ出る。漏れ出た光の光強度が大きいと、安全上好ましくない。
【0224】
上述のように、第1ライトガイド65で破損は生じる可能性は非常に低い。しかしながら、第1ライトガイド65では、例えば、クラッドの表面を樹脂等で被覆すると良い。被覆を施すことで、安全性をより高めることができる。
【0225】
被覆を樹脂製の単層のチューブで行うことで、コストを低減しつつ、安全性を高めることができる。樹脂としては、例えばPEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)を用いることができる。
【0226】
(第12実施形態の内視鏡)
第12実施形態の内視鏡は、挿入部に位置するライトガイドは、保護ユニットを有することが好ましい。
【0227】
ライトガイドの出射端に出射部が接続されている場合、ライトガイドの多くの部分が挿入部に位置する。挿入部では、大きな湾曲が発生する。挿入部が湾曲するので、ライトガイドも湾曲する。この場合、ライトガイドでは、破損が生じる可能性は高くなる。よって、保護ユニットでライトガイドを保護することが好ましい。
【0228】
図19は、保護ユニットを示す図である。図19(a)は、保護ユニットの斜視図である。図19(b)は、保護ユニットの断面図である。
【0229】
保護ユニットを有するライトガイド230(以下、「導光ユニット230」という)は、ライトガイド231と、保護ユニット240と、を有する。保護ユニット240は、摩擦緩和部材241と、保護部材242と、光拡散部材243と、間隔保持部材244と、遮光部材245と、を有する。
【0230】
摩擦緩和部材241は、ライトガイド231と保護部材242の間に位置している。摩擦緩和部材241には、摩擦係数が低い材料を用いることが望ましい。ライトガイド231と摩擦緩和部材241の間で生じる摩擦力は、ライトガイド231と保護部材242の間で生じる摩擦力よりも小さい。よって、ライトガイド231が摩擦によって傷つくことを防止することができる。
【0231】
保護部材242は、摩擦緩和部材241と光拡散部材243の間に位置している。保護部材242には、金属材料を用いることが望ましい。金属材料を用いると、図19(b)に示すように、ライトガイド231が折れても、保護部材242の内側に、ライトガイド231を閉じ込めることができる。よって、ライトガイド231が挿入部を突き破って外部に飛び出さないようにすることができる。
【0232】
保護部材242に、網状構造を有する金属材料を用いても良い。この場合、保護部材242の可撓性を高めることができる。
【0233】
光拡散部材243は、保護部材242と間隔保持部材244の間に位置している。光拡散部材243では、光の拡散が生じる。光拡散部材243が配置されていることで、図19(b)に示すように、ライトガイド231が折れても、単位面積当たりの光強度を、十分に弱めることができる。光拡散部材243の内部に拡散粒子を含ませることで、光を拡散できる。光拡散部材243の表面を拡散面にしても良い。
【0234】
間隔保持部材244は、光拡散部材243と遮光部材245の間に位置している。図19(b)に示すように、光拡散部材243で拡散された光の一部は、遮光部材245に到達する。遮光部材245に到達する光の光強度は、光拡散部材243と遮光部材245の間隔に応じで変化する。光拡散部材243と遮光部材245の間隔を、間隔保持部材244によって適切にすることで、遮光部材245に到達する光の光強度を弱めることができる。
【0235】
間隔保持部材244には、蛇管を用いることができる。蛇管を用いることで、光拡散部材243と遮光部材245の間隔を適切に保ちつつ、間隔保持部材244に可撓性を持たせることができる。
【0236】
遮光部材245は、間隔保持部材244の外側に位置している。遮光部材245には、遮光性が高い弾性部材を用いることが好ましい。上述のように、遮光部材245には、光拡散部材243で拡散された光の一部が到達する。よって、拡散光が遮光部材245の内側に閉じ込めつつ、遮光部材245の可撓性を高めることができる。
【0237】
第12実施形態の内視鏡では、挿入部に位置するライトガイドが破損しても、高い安全性を維持することができる。
【0238】
光源側に位置するライトガイドは、把持部に配置されている。把持部では、挿入部のように湾曲は発生しない。よって、ライトガイドをそのまま用いるか、又は、ライトガイド単層のチューブで被覆すればよい。しかしながら、ライトガイドを保護ユニットで保護しても良い。
【0239】
(第13実施形態の内視鏡)
第13実施形態の内視鏡は、光接続部材から出射部までの間に、調整部材を有し、調整部材は、円柱の側面を有し、側面に、出射部と接続されたライトガイドが巻き付けられ、ライトガイドが直線状に配置されたきのライトガイドの中心軸と平行な方向で、ライトガイドが側面に接するように、光接続部材と調整部材が位置決めされていることが好ましい。
【0240】
図20は、光接続部材と調整部材を示す図である。図20(a)は、中心軸に沿う方向の図である。図20(b)中心軸と直交する方向の図である。
【0241】
内視鏡は、光接続部材250と、調整部材260と、を有する。光接続部材250は、U字型の固定部材251を介して、ねじ252で固定されている。光接続部材250では、第1ライトガイド253と第2ライトガイド254が接続されている。第2ライトガイド254は、出射部(不図示)と接続されている。
【0242】
調整部材260は、光接続部材250から出射部までの間に配置されている。調整部材260は、円柱の側面261を有する。側面261に、第2ライトガイド254が巻き付けられている。
【0243】
第2ライトガイド254を調整部材260に巻き付けることで、第2ライトガイド254で発生した弛みを調整することができる。その結果、組み立て効率の低下を防止することができると共に、部品レイアウトの自由度を高めることができる。
【0244】
中心軸CXは、第1ライトガイドが直線状に配置されたきの第1ライトガイドの中心軸である。中心軸CXと平行な方向で、第2ライトガイド254は側面261に接している。そのため、第2ライトガイド254に、余計な張力が加わることを防止することができる。よって、接続後の第2ライトガイド254の信頼性を向上させることができる。
【0245】
(第14実施形態の内視鏡)
第14実施形態の内視鏡では、光接続部材から出射部までの間に、調整部材を有し、調整部材は、円柱の側面を有し、側面に、出射部と接続されたライトガイドが巻き付けられ、光接続部材は予め決められた範囲内で固定されることが好ましい。
【0246】
図21は、関係式のパラメータを示す図である。図20(a)と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。また、見易さのために、光接続部材を保持及び固定する部材は、図示を省略している。
【0247】
光接続部材250は、予め決められた範囲内で、移動可能になっている。移動方向は、中心軸CXと平行な方向である。光接続部材250は移動可能なので、第2ライトガイド254で発生した弛みを調整することができる。その結果、組み立て効率の低下を防止することができると共に、部品レイアウトの自由度を高めることができる。
【0248】
第14実施形態の内視鏡では、第1ライトガイドが直線状に配置されたきの第1ライトガイドの中心軸と平行な方向で、以下の関係式(1)が満たされていることが好ましい。
π×L<S<u (1)
ここで、
Lは、円柱の底面の直径、
Sは、予め決められた範囲における最大距離、
uは、光接続部材と調整部材の最大間隔、
である。
【0249】
上述のように、光接続部材250は、予め決められた範囲内で、移動可能になっている。光接続部材250は、実線で示す位置から2点鎖線で示す位置まで移動する。よって、Sは、予め決められた範囲における最大距離である。
【0250】
光接続部材250は、実線で示す位置で、調整部材260から最も離れている。よって、uは、光接続部材と調整部材の最大間隔である。調整部材260の形状は、円柱である。円柱の底面の形状は円なので、Lは、円柱の底面の直径である。
【0251】
Lは円柱の底面の直径なので、π×Lは円周を表している。側面261には、第2ライトガイド254が巻き付けられる。π×Lは、第2ライトガイド254を側面261に1周巻き付けたときの長さとほぼ等しい。
【0252】
よって、π×L<Sの関係を満たしていると、第2ライトガイド254で発生した1周分の弛みをほぼ無くすことができる。-π×L=Sの関係を満たしていると、最も少ない移動量で、第2ライトガイド254の弛みをほぼ無くすことができる。
【0253】
光接続部材250は、中心軸CXと平行な方向に移動する。中心軸CXと平行な方向には、調整部材260が位置している。S<uの関係を満たしていると、光接続部材250が調整部材260に向かって移動しても、光接続部材250と調整部材260の衝突を防止することができる。
【0254】
(第15実施形態の内視鏡)
第15実施形態の内視鏡では、光接続部材から出射部までの間に、調整部材を有し、調整部材は、円柱の側面を有し、側面に、出射部と接続されたライトガイドが巻き付けられ、以下の関係式(2)を満たすように、光接続部材と調整部材が位置決めされていることが好ましい。
L/2+d<D≦(π-1)1/2×L (2)
ここで、
Lは、円柱の底面の直径、
dは、光接続部材の中心から光接続部材の外周までの最大距離、
Dは、光接続部材の中心と調整部材の中心との間隔、
である。
ことが好ましい。
【0255】
図22は、関係式のパラメータを示す図である。図22(a)は、光接続部材と調整部材を示す図である。図22(b)は、弛み量を簡略に示す図である。図20(a)と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。また、見易さのために、光接続部材を保持及び固定する部材は、図示を省略している。
【0256】
点Aは、光接続部材250の中心位置を表している。点Bは、調整部材260の中心位置を表している。よって、Dは、光接続部材250の中心と調整部材260の中心との間隔である。光接続部材250の形状は長方形である。長方形では、角が中心から最も離れている。よって、dは、光接続部材の中心から光接続部材の外周までの最大距離である。
【0257】
第2ライトガイド254で発生した弛みは、調整部材260で調整することができる。弛みを調整するためには、接続部材250と調整部材260は離れていなくてはならない。L/2+d<Dを満たすことで、接続部材250と調整部材260を離すことができる。
【0258】
また、L/2≦Wを満たすことが好ましい。図22(b)では、弛みを2等辺三角形の辺で近似している。辺ACの長さと辺BCの長さが、弛み量を表している。弛み量をπ×Lとすると、辺ACの長さと辺BCの長さは、各々(π×L)/2で表わされる。
【0259】
三角形OBCでは、辺COの長さWは以下の式で表わされる、
W=[{(π×L)/2}+(D/2)1/2
よって、L/2≦Wは、以下の関係式で表わされる。
D≦(π-1)1/2×L
【0260】
D≦(π-1)1/2×Lを満たすことで、光接続部材250と調整部材260が離れ過ぎないようにすることができる。この構成による作用効果を以下に示す。
【0261】
交換作業又は修理作業(以下、「リペア作業」という)では、第1光接続部材と第2光接続部材を分離し、第2ライトガイド254を調整部材260から取り外す作業が発生する。
【0262】
光接続部材250と調整部材260の周りには、他の部品が配置されている。例えば、光接続部材250と調整部材260を覆うように、板状の部材が配置されている場合がある。この場合、リペア作業を行うためには、板状の部材を取り除く必要がある。
【0263】
光接続部材250と調整部材260が離れ過ぎると、光接続部材250を覆う部材と調整部材260を覆う部材が別々になりやすい。この場合、リペア作業では、2つの部材を取り除かなくてはならない。そのため、リペア作業における効率が低下する。
【0264】
光接続部材250と調整部材260が離れ過ぎていないと、例えば、1つの部材を取り外すことで、光接続部材250と調整部材260に触れることができる。そのため、リペア作業における効率が低下を防止することができる。また、最小限の領域でリペア作業と組み立て作業ができる。そのため、リペア作業における効率の低下と、組み立て効率の低下を防止することができる。
【0265】
また、図20(b)に示すように、中心軸と直交する方向では、光接続部材250の一部が、調整部材260で遮られている。この方向から、第2ライトガイド254を調整部材260から一巻分取り外してから、光接続部材を外すこともあり得る。
【0266】
この場合、D≦(π-1)1/2×Lを満たしていると、調整部材260を光接続部材250に向かって投影した領域から第2ライトガイド254がはみ出る。よって、光接続部材250と調整部材260の間隔が小さくても、光接続部材250と調整部材260の間に位置する第2ライトガイド254をハンドリングすることが比較的容易にできるので作業性が向上する。調整部材260から一巻分だけ第2ライトガイド254を外せば、第2ライトガイド254をハンドリングする際に、作業員の手や工具が光接続部材250と調整部材260と干渉しにくくなり作業がより容易となる。
【0267】
(第16実施形態の内視鏡)
第16実施形態の内視鏡では、光接続部材から出射部までの間に、調整部材を有し、調整部材は、円柱の側面を有し、側面に、出射部と接続されたライトガイドが巻き付けられ、光接続部材から調整部材までの間のライトガイドの曲げ半径が、ライトガイドの最少曲げ半径よりも大きくなるように、光接続部材と調整部材が位置決めされていることが好ましい。
【0268】
図23は、光接続部材と調整部材を示す図である。図20(a)と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。また、見易さのために、光接続部材を保持及び固定する部材は、図示を省略している。
【0269】
光接続部材250から調整部材260までの間では、第2ライトガイド254は、円弧状に配置されている。円弧状の第2ライトガイド254の曲げ半径を、第2ライトガイド254の最少曲げ半径よりも大きくすることで、第2ライトガイド254を伝搬する光の損失の増大を防ぐことができる。
【0270】
光接続部材250から調整部材260までの間に、第2ライトガイド254を固定する固定部材270を設けると良い。
【0271】
光接続部材250は、把持部に設けることができる。この場合、内視鏡の操作に応じて、把持部の向きは様々に変化する。第2ライトガイド254は、可撓性を有する。そのため、把持部の向きが変化すると、第2ライトガイド254が撓む。
【0272】
光接続部材250から調整部材260までの間でも、第2ライトガイド254は撓む。固定部材270を設けることで、第2ライトガイド254の撓みを抑えることができる。例えば、第2ライトガイド254が最少曲げ半径より小さくなることを防止することができる。この場合、第2ライトガイド254を伝搬する光の損失の増大を防ぐことができる。
【0273】
(第17実施形態の内視鏡)
第17実施形態の内視鏡では、出射部と接続されたライトガイドの可撓性は、光源と接続されたライトガイドの可撓性よりも大きいことが好ましい。
【0274】
出射部と接続されたライトガイド(以下、「ライトガイドIL」という)は、ほとんどの部分が挿入部に格納される。挿入部では、大きな湾曲が発生する。挿入部が湾曲するので、ライトガイドILも湾曲する。よって、ライトガイドILは、大きな可撓性を有する必要がある。
【0275】
一方、光源と接続されたライトガイド(以下、「ライトガイドLS」という)は、把持部に格納することができる。把持部では、挿入部のような湾曲は生じない。把持部は湾曲しないので、ライトガイドLSも湾曲しない。よって、ライトガイドLSは、小さな可撓性を有しておけば良いか、又は可撓性を全く必要としない。この場合、ライトガイドLSの径を太くすることができるので、光量を増やすことができる。そのため、出射部に光が到達するまでの間で光量損失が生じても、十分な光量の光を出射部に入射させることができる。
【0276】
ライトガイドILの可撓性をライトガイドLSの可撓性よりも大きくすることで、挿入部における滑らかな湾曲を維持しつつ、十分な光量の光を出射部に入射させることができる。
【0277】
また、製造中は可撓性の異なるライトガイドを光コネクタにより分離された状態でハンドリングできるので、複数の可撓性を有する1本のライトガイドをハンドリングするのに比べて、ハンドリング時に思ったより撓んで作業場の床に光ファイバが接して傷めてしまったり、思ったより撓まずに折ってしまったりということが発生しにくくなる。よって製造効率と歩留まりを向上させることができる。
【0278】
可撓性が異なるライトガイドで一本のライトガイドが形成されている場合、ライトガイドの取り扱いでは、可撓性が小さいライトガイドに注意を払う必要がある。第17実施形態の内視鏡では、ライトガイドILとライトガイドLSは、光接続部材で接続と分離を行うことができる。よって、ライトガイドILとライトガイドLSを分離された状態にすることで、ライトガイドILとライトガイドLSを別々に取り扱うことができる。その結果、組み立て効率と歩留まりが向上する。
【0279】
(第18実施形態の内視鏡)
第18実施形態の内視鏡では、光源と接続されたライトガイドは、第1の保護チューブを有し、出射部と接続されたライトガイドは第2の保護チューブを有し、第2の保護チューブの可撓性は、第1の保護チューブの可撓性よりも大きいことが好ましい。
【0280】
例えば、可撓性が大きい保護チューブの方が可撓性の小さな保護チューブよりも高価である場合、ライトガイドLSとライトガイドILドに可撓性が大きな保護チューブを用いるとコストが大きくなる。
【0281】
上述のように、ライトガイドILは、大きな可撓性を有する必要がある。ライトガイドLSは、小さな可撓性を有しておけば良いか、又は可撓性を全く必要としない。よって、ライトガイドILに可撓性が大きい保護チューブを用い、ライトガイドLSに可撓性が小さい保護チューブを用いることで、コストの増大を抑えることができる。
【0282】
また、製造中は可撓性の異なるライトガイドを光コネクタにより分離された状態でハンドリングできるので、複数の可撓性を有する1本のライトガイドをハンドリングするのに比べて、ハンドリング時に思ったより撓んで作業場の床に光ファイバが接して傷めてしまったり、思ったより撓まずに折ってしまったりということが発生しにくくなる。よって組み立て効率と歩留まりが向上する。
【0283】
(第19実施形態の内視鏡)
第19実施形態の内視鏡では、光接続部材は、溝が形成された第1基板と、第2基板と、固定具と、を有し、溝に、第1ライトガイドと第2ライトガイドが載置され、第1ライトガイドと第2ライトガイドは、第1基板と第2基板によって挟まれ、第2基板は、固定具によって第1基板に固定されることが好ましい。
【0284】
図24は、光接続部材を示す図である。光接続部材280は、第1基板281と、第2基板282と、固定具283と、を有する。第1基板281には、溝284が形成されている。溝284には、第1ライトガイド285と第2ライトガイド286が載置される。
【0285】
第1ライトガイド285と第2ライトガイド286は、樹脂で被覆されたライトガイドである。ライトガイドの先端側では、被覆が除去されている。そのため、被覆部は、被覆除去部よりも太い。被覆除去部は、コアとクラッドで形成されている。
【0286】
第1ライトガイド285は、被覆除去部285aと、被覆部285bと、を有する。第2ライトガイド286は、被覆除去部286aと、被覆部286bと、を有する。第1ライトガイド285は、挿入口287から溝284に挿入される。第2ライトガイド286は、挿入口288から溝284に挿入される。
【0287】
上述のように、被覆部は、被覆除去部よりも太い。よって、溝284の大きさは、第1基板281の周辺部で広く、第1基板281の中央部で狭い。第1ライトガイド285と第2ライトガイド286を溝284に挿入すると、被覆除去部285aと被覆除去部286aは第1基板281の中央部で保持され、被覆部285bと被覆部286bは第1基板281の周辺部で保持される。
【0288】
溝284の中央には、屈折率整合剤が充填されている。被覆除去部285aと被覆除去部286aは、屈折率整合剤を介して接続される。
【0289】
被覆除去部285a、被覆部285b、被覆除去部286a、及び被覆部286bでは、それらの一部が第1基板281の表面から突出している。突出部を第2基板282で押圧することで、第1基板281に対して、第1ライトガイド285と第2ライトガイド286を固定することができる。第2基板282による押圧は、第1基板281と第2基板282を固定具283によって挟み込むことで行われる。
【0290】
上述の操作を行うことで、第1ライトガイド285と第2ライトガイド286を、容易に接続することができる。また、上述の操作と逆の操作を行うことで、第1ライトガイド285と第2ライトガイド286を、容易に分離することができる。
【0291】
保持部材64による接続は、メカニカルスプライス接続とみなすことができる。
【0292】
本実施形態の内視鏡システムは、本実施形態の内視鏡と、プロセッサと、を有することが好ましい。
【0293】
本実施形態の内視鏡を備えているので、組み立て効率の低下と空間利用効率の低下を防止することができる。
【0294】
本実施形態の内視鏡の製造方法は、第1ライトガイドと第2ライトガイドを用意する準備工程と、光源と第1ライトガイドを接続する光源接続工程と、出射部と第2ライトガイドを接続する出射部接続工程と、第1ライトガイドと第2ライトガイドを光接続部材で接続するライトガイド接続工程と、を有し、光源接続工程と出射部接続工程が完了した後で、ライトガイド接続工程が実施されることを特徴とする。
【0295】
図25は、内視鏡の製造方法のフローチャートである。本実施形態の内視鏡の製造方法は、工程S1と、工程S2と、工程S3と、工程S4と、を有する。
【0296】
工程S1は、最初に実施される。工程S2は、工程S1が完了した後に実施される。工程S3は、工程S1が完了した後に実施される。工程S4は、工程S2と工程S3が完了した後に実施される。工程S2と工程S3は、どちらを先に実施しても良い。
【0297】
工程S1は、準備工程である。工程S1では、第1ライトガイドと第2ライトガイドを用意する。当該準備工程(工程S1)において第1ライトガイド12に光接続部材294を、第2ライトガイド13に光接続部材314をそれぞれ設けておくのが好ましいがこれに限定されない。遅くとも第1ライトガイドと第2ライトガイドを光コネクタで接続する工程S4より前にそれらを設けておく。
【0298】
工程S2は、光源接続工程である。工程S2では、光源と第1ライトガイドを接続する。工程S3は、出射部接続工程である。工程S3では、出射部と第2ライトガイドを接続する。工程S4は、ライトガイド接続工程である。工程S4では、第1ライトガイドと第2ライトガイドを光接続部材で接続する。
【0299】
工程S2では、光源と第1ライトガイドの端面を、高い精度で位置合わせしなくてはならない。精度の高い位置合わせには、第1ライトガイドから出射する光を、光パワーメータで測定して行うのが好ましい。
【0300】
図26は、工程S2における測定の様子を示す図である。図26(a)は、工程S2における測定の第1例を示す図である。図26(b)は、工程S2における測定の第2例を示す図である。図3と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0301】
工程S2では、光パワーメータ290が用いられる。光パワーメータ290は、光ファイバ291と、光接続部材292と、を有する。光ファイバ291の一端は、光パワーメータ290に接続されている。光ファイバ291の他端には、光接続部材292が設けられている。
【0302】
(工程S2における測定の第1例)
図26(a)に示すように、光源11は、光接続モジュール293に接続されている。光源11から出射した励起光は、光接続モジュール293に入射する。光接続モジュール293には、第1入射端12aが位置している。励起光は、第1入射端12aした後、第1ライトガイド12で導光され、第1出射端12bに到達する。第1入射端12bには、光接続部材294が設けられている。
【0303】
第1例では、光接続部材294と光接続部材292に、同じ光コネクタを用いている。よって、光接続部材292と光接続部材294を接続することで、第1ライトガイド12から出射した励起光を光パワーメータ290で測定することができる。測定値が予め決められた基準を満たしていれば、光源11と第1ライトガイド12が高い精度で接続されていると判断する。又、当該測定値が当該基準を超える、或いは最大になる様に測定値を見ながら調整する所謂アクティブアライメントをして光源11と第1ライトガイド12を接続しても良い。
【0304】
(工程S2における測定の第2例)
光接続部材292に用いる光コネクタが、光接続部材294に用いる光コネクタと異なる場合がある。この場合、パッチコードを用いれば良い。
【0305】
図26(b)に示すように、光接続部材292と光接続部材294の間に、パッチコード300が配置されている。パッチコード300は、光接続部材301と、ライトガイド302と、光接続部材303と、を有する。
【0306】
光接続部材301には、光接続部材294と同じ光コネクタを用いている。光接続部材303には、光接続部材292と同じ光コネクタを用いている。そのため、光接続部材294と光接続部材301の接続、及び光接続部材303と光接続部材292の接続を行うことができる。
【0307】
これらの接続を行うことで、励起光は、第1ライトガイド12とライトガイド302で導光され、光パワーメータ290に到達する。その結果、第1ライトガイド12から出射した励起光を、光パワーメータ290で測定することができる。想定値が予め決められた基準を満たしていれば、光源11と第1ライトガイド12が高い精度で接続されていると判断する。又、当該測定値が当該基準を超える、或いは最大になる様に測定値を見ながら調整する所謂アクティブアライメントをして光源11と第1ライトガイド12を接続しても良い。
【0308】
上記第1例、第2例どちらの場合も、第1ライトガイド12に光接続部材294を設けてある。そのため、容易に光源11と光パワーメータ290との間で、精度良く、再現性良く光学的な接続をする事ができる。その結果、精度良く、再現性良く正確な当該測定が容易にできる。
【0309】
基準は、光源11から出射した励起光に基づいて設定することができる。この場合、光源11を光接続モジュール293に接続する前に、光源11から出射した励起光を光パワーメータ290で測定すれば良い。
工程3では、出射部と第2ライトガイドの端面を、高い精で位置合わせしなくてはならない。位置合わせの精度は、第2ライトガイドから出射する光を、積分球で測定して行うのが好ましい。
【0310】
図27は、工程S3における測定の様子を示す図である。図27(a)は、工程S3における測定の第1例を示す図である。図27(b)は、工程S3における測定の第2例を示す図である。図3と同じ構成については同じ番号を付し、説明は省略する。
【0311】
工程S3では、積分球310と標準光源311が用いられる。標準光源311は、光ファイバ312と、光接続部材313と、を有する。光ファイバ312の一端は、標準光源311に接続されている。光ファイバ312の他端には、光接続部材313が設けられている。
【0312】
(工程S3における測定の第1例)
図27(a)に示すように、標準光源311から出射した励起光は、ライトガイド312で導光され、光接続部材313に到達する。第2入射端13aには、光接続部材314が設けられている。
【0313】
第1例では、光接続部材313と光接続部材314に、同じ光コネクタを用いている。よって、光接続部材313と光接続部材314を接続することで、励起光は第2ライトガイド13で導光され、第2出射端13bに到達する。
【0314】
第2出射端13bは、出射部15と接続されている。また、出射部15には、積分球310が配置されている。よって、出射部15から出射した光を、積分球310で測定することができる。測定値が予め決められた基準を満たしていれば、出射部15と第2ライトガイド13が高い精度で接続されていると判断する。又、当該測定値が当該基準を超える、或いは最大になる様に測定値を見ながら調整する所謂アクティブアライメントをして出射部15と第2ライトガイド13を接続しても良い。
【0315】
(工程S3における測定の第2例)
光接続部材313に用いる光コネクタが、光接続部材313に用いる光コネクタと異なる場合がある。この場合、パッチコードを用いれば良い。
【0316】
図27(b)に示すように、光接続部材313と光接続部材314の間に、パッチコード320が配置されている。パッチコード320は、光接続部材321と、ライトガイド322と、光接続部材323と、を有する。
【0317】
光接続部材321には、光接続部材313と同じ光コネクタを用いている。光接続部材323には、光接続部材314と同じ光コネクタを用いている。そのため、光接続部材313と光接続部材321の接続、及び光接続部材323と光接続部材314の接続を行うことができる。
【0318】
これらの接続を行うことで、励起光は、ライトガイド312、ライトガイド322、及び第2ライトガイド13で導光され、出射部15に到達する。その結果、出射部15から出射した光を、積分球310で測定することができる。測定値が予め決められた基準を満たしていれば、出射部15と第2ライトガイド13が高い精度で接続されていると判断する。又、当該測定値が当該基準を超える、或いは最大になる様に測定値を見ながら調整する所謂アクティブアライメントをして出射部15と第2ライトガイド13を接続しても良い。
【0319】
上記第1例、第2例どちらの場合も、第2ライトガイド13に光接続部材314を設けてある。そのため、標準光源311と出射部15との間で、精度良く、再現性良く光学的な接続をする事ができる。その結果、精度良く、再現性良く正確な当該測定が容易にできる。
【0320】
基準は、標準光源311から出射した励起光に基づいて設定することができる。この場合、光接続部材313から出射した励起光に基づいて、基準を設定すれば良い。
【0321】
光源と出射部を1本のライトガイドで接続する場合、光源を先にライトガイドに接続した後に出射部をライトガイドに接続するか、又は出射部を先にライトガイドに接続した後に光源をライトガイドに接続する。
【0322】
光源とライトガイドは、高い精度で接続されている。よって、光源を先にライトガイドに接続した場合、出射部とライトガイドの接続では、光源の取り扱いに注意を払う必要がある。また、出射部とライトガイドは、高い精度で接続されている。よって、出射部を先にライトガイドに接続した場合、光源とライトガイドの接続では、出射部の取り扱いに注意を払う必要がある。
【0323】
一方、本実施形態の内視鏡の製造方法では、工程S2と工程S3の実施後に、工程S4が実施される。すなわち、光源と出射部がライトガイドと一体化される前に、光源と第1ライトガイドの接続、及び出射部と第2ライトガイドの接続が実施される。接続は、光接続部材、例えば、光コネクタを用いれば良い。
【0324】
そのため、工程S2では、出射部の取り扱いに注意を払わずに、光源と第1ライトガイドの接続を実施できる。その結果、組み立て効率の低下を防止しつつ、高い精度で、光源と第1ライトガイドを接続することができる。
【0325】
また、工程S3では、光源の取り扱いに注意を払わずに、出射部と第2ライトガイドを接続することができる。その結果、組み立て効率の低下を防止しつつ、高い精度で、出射部と第2ライトガイドを接続することができる。
【0326】
本実施形態の内視鏡の製造方法では、準備工程、光源接続工程、及び出射部接続工程の実施後で、且つライトガイド接続工程の実施前に、把持部に光源と第1ライトガイドを配置する光源配置工程と、挿入部に出射部と第2ライトガイドを配置する出射部配置工程と、が実施されることが好ましい。
【0327】
図28は、内視鏡の製造方法のフローチャートである。図25と同じ工程については同じ番号を付し、説明は省略する。
本実施形態の内視鏡の製造方法は、工程S5と、工程S6と、を有する。工程S1、工程S2、及び工程S3の実施後で、且つ、工程S4の実施前に、工程S5と工程S6は実施される。工程S5と工程S6は、どちらを先に実施しても良い。
【0328】
工程S5は、光源配置工程である。工程S5では、把持部に光源と第1ライトガイドを配置する。工程S6は、出射部配置工程である。工程S6では、挿入部に出射部と第2ライトガイドを配置する。
【0329】
光源と出射部を1本のライトガイドで接続した場合、光源を先に把持部に格納した後に出射部を挿入部に格納するか、又は、出射部を先に挿入部に格納した後に光源を把持部に格納する。
【0330】
光源とライトガイドは、高い精度で接続されている。よって、光源を先に把持部に格納した場合、出射部の挿入部への格納では、光源の取り扱いに注意を払う必要がある。また、出射部とライトガイドは、高い精度で接続されている。よって、出射部を先に挿入部に格納した場合、光源の把持部への格納では、出射部の取り扱いに注意を払う必要がある。
【0331】
一方、本実施形態の内視鏡の製造方法では、工程S5と工程S6の実施後に、工程S4が実施される。すなわち、第1ライトガイドと第2ライトガイドを接続する前に、光源と第1ライトガイドの把持部への配置、及び出射部と第2ライトガイドの挿入部への配置が実施される。
【0332】
そのため、工程S5では、出射部の取り扱いに注意を払わずに、光源と第1ライトガイドを把持部へ格納することができる。その結果、高い精度を維持したまま、光源と第1ライトガイドを把持部へ配置することができる。
【0333】
また、工程S6では、光源の取り扱いに注意を払わずに、出射部と第2ライトガイドを挿入部へ格納することができる。その結果、高い精度を維持したまま、出射部と第2ライトガイドを挿入部に配置することができる。
【0334】
また、光源と出射部を1本のライトガイドで接続した場合、光源、ライトガイド、及び出射部は、把持部と挿入部に格納される。そのため、格納後は、出射部から出射した光を積分球で測定することしかできない。測定値が基準を満たさなかった場合、どこで問題が生じたのかを判断することが難しい。
【0335】
一方、本実施形態の内視鏡の製造方法では、工程S5を実施した後の状態では、第1ライトガイドは第2ライトガイドと接続されていない。そのため、第1ライトガイドの第1出射端を、光パワーメータと接続することができる。又、光接続部材が第1ライトガイドに設けてある事で、当該接続は容易に行う事が可能で作業効率が向上すると共に、精度良く、再現性良く光学的な接続をする事ができる。その結果、光源と第1ライトガイドを把持部に配置した状態で、第1ライトガイドから出射した励起光を光パワーメータで容易に精度良く、再現性良く正確に測定することができる。
【0336】
上述のように、光源と第1ライトガイドを把持部に配置する前後の状態両方について、第1ライトガイドから出射した励起光を光パワーメータで測定することができる。配置前の測定値と配置後の測定値を比較するか、又は、基準と配置後の測定値を比較することで、格納時の影響の有無を確認することができる。
【0337】
工程S6を実施した後の状態では、第2ライトガイドは、第1ライトガイドと接続されていない。そのため、第2ライトガイドの第2入射端を標準光源と接続すると共に、出射部に積分球を配置することができる。又、光接続部材を第2ライトガイドに設けてある事で、当該接続は容易に行う事が可能で作業効率が向上すると共に、精度良く、再現性良く光学的な接続をする事ができる。その結果、第2ライトガイドと出射部を挿入部に配置した状態で、出射部から出射した光を積分球で容易に精度良く、再現性良く正確に測定することができる。
【0338】
上述のように、第2ライトガイドと出射部を挿入部に配置する前後の状態両方について、出射部から出射した光を積分球で測定することができる。配置前の測定値と配置後の測定値を比較するか、又は、基準と配置後の測定値を比較することで、格納時の影響の有無を確認することができる。
【0339】
(光接続モジュールの変形例)
接続モジュールの一端は、光レセプタクルにすることができる。
【0340】
図29は、光接続モジュールを示す図である。光接続モジュール330は、ホルダ331と、レンズ82と、光レセプタクル340と、を有する。ホルダ331の一端に、光源71が配置されている。ホルダ331の他端に、光レセプタクル340が配置されている。
【0341】
光レセプタクル340は、光ファイバ内蔵スタブ341(以下、「スタブ341」という)と、スリーブ342と、を有する。スタブ341は、フェルール343と、光ファイバ344と、を有する。
【0342】
光レセプタクル340には、光接続部材350を接続することができる。光接続部材350は、光ファイバ351の入射端に設けられている。光レセプタクル340に光接続部材350を接続することで、光ファイバ344と光ファイバ351を接続することができる。
【0343】
発光部71aから出射した励起光は、スタブ341に到達する。励起光は、光ファイバ344と光ファイバ351で導光され、光ファイバ351の出射端に到達する。光ファイバ351の出射端に出射部を接続することで、励起光を出射部に入射させることができる。
【0344】
光接続モジュール330は、把持部に格納される。光レセプタクル340から光接続部材350を分離することで、光ファイバ351と出射部を無理無く把持部から分離することができる。
【産業上の利用可能性】
【0345】
本発明は、組み立て効率の低下と空間利用効率の低下を防止することができる内視鏡、内視鏡システム、及び内視鏡の製造方法に適している。
【符号の説明】
【0346】
1、1’ 内視鏡システム
2、2’ 内視鏡
3、3’ プロセッサ
4、4’ モニタ
5、5’ 把持部
6、6’ 挿入部
6a 軟性部
6b 湾曲部
6c 先端部
7、7’ ライトガイド
8、8’ 光接続部材
9、9’ 操作部
10 内視鏡
11 光源
12 第1ライトガイド
12a 第1入射端
12b 第1出射端
13 第2ライトガイド
13a 第2入射端
13b 第2出射端
14 光接続部材
15 出射部
16 把持部
17 挿入部
20 出射部
21 ホルダ
21a、21b 凹部
22 第1の波長変換部材
23 第2の波長変換部材
24 透明部材
25 反射部材
25a 反射面
26 光ファイバ
26a コア
26b クラッド
27 出射口
30 出射部
31 ホルダ
31a、31b、31c 凹部
32 反射部材
32a 反射面
33 フェルール
34 出射口
40 光源
41 ライトガイド
41a、41b 端部
42 出射部
43 挿入部
43a 基端部
43b 先端部
44、45、46 空間
50 内視鏡
51 把持部
52 挿入部
60 光接続部材
61 第1フェルール
62 第2フェルール
63 スリーブ
64 保持部材
65 第1ライトガイド
66 第2ライトガイド
67 第1保持部材
67a 先端部
67b 突起
68 第2保持部材
68a 先端部
68b ガイド溝
69 軸
70 光源装置
71 光源
71a 発光部
80 光接続モジュール
81 ホルダ
82 レンズ
90 接続部材
91 第1保持部材
92 第1フェルール
100 光接続部材
101 第1光接続部材
102 第2光接続部材
110、111、112 固定部材
110a、111a 第1固定部材
110b、111b 第2固定部材
120、130,140 光接続部材
121、141 第1光接続部材
122、131、142 第2光接続部材
123 第1ライトガイド
124 第2ライトガイド
125、132 長孔
126 ねじ
127 フェルール
143 切り欠き
150 挿入部
160 内視鏡
161 光カプラ(第2光カプラ)
162 第3ライトガイド
162a 第3入射端
162b 第3出射端
163 第4ライトガイド
163a 第4入射端
163b 第4出射端
164 第1出射部
165 第2出射部
170 内視鏡
171 第5ライトガイド
171a 第5入射端
171b 第5出射端
172 第6ライトガイド
172a 第6入射端
172b 第6出射端
173 第2光接続部材
174 第3光接続部材
180 内視鏡
181 第5ライトガイド
181a 第5入射端
181b 第5出射端
182 第6ライトガイド
182a 第6入射端
182b 第6出射端
183 第7ライトガイド
183a 第7入射端
183b 第7出射端
184 第2光源
185 第2光接続部材
186 第1光カプラ
190、210 光源装置
200 光源ドライバ
201 コントローラ
211 光センサ
220 固定部材
221 第1固定部材
222 端部
223 案内溝
230 導光ユニット
231 ライトガイド
240 保護ユニット
241 摩擦緩和部材
242 保護部材
243 光拡散部材
244 間隔保持部材
245 遮光部材
250 光接続部材
251 固定部材
252 ねじ
253 第1ライトガイド
254 第2ライトガイド
260 調整部材
261 側面
270 固定部材
280 光接続部材
281 第1基板
282 第2基板
283 固定具
284 溝
285 第1ライトガイド
285a 被覆除去部
285b 被覆部
286 第2ライトガイド
286a 被覆除去部
286b 被覆部
287、288 挿入口
290 光パワーメータ
291 光ファイバ
292 光接続部材
293 光接続モジュール
294 光接続部材
300、320 パッチコード
301、303、321、323 光接続部材
302、322 ライトガイド
303 光接続部材
310 積分球
311 標準光源
312 光ファイバ
313、314 光接続部材
320 パッチコード
330 光接続モジュール
331 ホルダ
340 光レセプタクル
341 光ファイバ内蔵スタブ
342 スリーブ
343 フェルール
344 光ファイバ
350 光接続部材
351 光ファイバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29