(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122789
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】会議システム、スピーカー装置。
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20220816BHJP
A47B 96/18 20060101ALI20220816BHJP
A47B 13/08 20060101ALI20220816BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20220816BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
A47B96/18 Z
A47B13/08 A
H04R3/00 310
H04R3/00 320
H04R1/02 103E
H04R1/02 107
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020260
(22)【出願日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000223182
【氏名又は名称】TOA株式会社
(72)【発明者】
【氏名】空山 雅一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 克弥
(72)【発明者】
【氏名】竹本 悠平
【テーマコード(参考)】
3B053
5D017
5D220
【Fターム(参考)】
3B053NP08
3B053NQ01
3B053PC07
5D017BC01
5D220AA14
5D220AB06
5D220BA01
(57)【要約】
【課題】
会議などで用いられるテーブルにスピーカーとマイクフォンを設ける会議システムに関する。
【解決手段】
本発明は、テーブル6の天板61の上面にマイクロフォン21を埋め込み、天板61の下面に金属板314を設置し、さらにその金属板314の下面に第1スピーカーユニット31と、第2スピーカーユニット32を設置しており、第1スピーカーユニット31は、磁石315(a、b)によって金属板314に取り付け、第1スピーカーユニット31と、第2スピーカーユニット32は天板61の上面以外に放音するように構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルと、収音装置と、放音装置からなる会議システムにおいて、
前記テーブルは、
天板と、
前記天板を支持する支持部からなり、
前記天板は、
上面に前記収音装置を備え、
下面に前記放音装置を備え、
前記放音装置は上面以外に放音することを特徴とする会議システム。
【請求項2】
前記放音装置は、
第1スピーカーユニットと、第2スピーカーユニットの少なくとも2以上のスピーカーユニットからなり、
前記第1スピーカーユニットは、前記天板と対向する方向に放音するように備えられ、
前記第2スピーカーユニットは、前記第1スピーカーユニットの放音方向とは異なる上面以外の方向に放音するように備えられることを特徴とする請求項1に記載の会議システム。
【請求項3】
前記第1スピーカーユニットは、振動板と、エキサイターを備えることを特徴とする請求項2に記載の会議システム。
【請求項4】
前記第1スピーカーユニットは、高域以外の音響信号が入力され、
前記第2スピーカーユニットは、高域の音響信号が入力されることを特徴とする請求項2又は3に記載の会議システム。
【請求項5】
前記収音装置は、2以上のマイクロフォンからなることを特徴とする請求項1~4に記載の会議システム。
【請求項6】
前記収音装置は、
前記天板に埋め込まれていることを特徴とする請求項1~5に記載の会議システム。
【請求項7】
振動板と、エキサイターと、スピーカーユニットからなるスピーカー装置において、
前記振動板は、
放音方向と対抗する面に前記エキサイターを取り付けて、前記振動板を振動させて放音し、
前記スピーカーユニットは、
前記エキサイターを備えた前記振動板の放音方向とは異なる上面以外の方向に放音するよう備えることを特徴とするスピーカー装置。
【請求項8】
前記エキサイターは高域以外の音響信号が入力され、前記スピーカーユニットは高域の音響信号が入力されることを特徴とする請求項7のスピーカー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放音装置からなる会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議になどで使用されるテーブルの天板に加振器を設けて、天板自体を振動させることで音響を放音するものがあった(例えば特許文献1)。さらに、前記天板にはマイクロフォンも備えられ、これにより対話者間が遠隔地であっても会議を行うことができるようになった。
【0003】
ところで、近年ではインフルエンザや未知のウィルスの感染症予防対策のため、複数人の話者が集まって会議する場合は飛沫感染予防のため、テーブルにパーテーションなどの仕切り板を設置して会議を行うことがある。
【特許文献1】特開2007-167304
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述した構成では、テーブルの天板に備えら加振器による振動による干渉を防ぐため、マイクロフォン周辺に緩衝材を準備しなけなければならなかった。さらに、天板から放音された音響をマイクロフォンが収音した場合に、ハウリングを起こす可能性があるため、ハウリングを抑えるための装置を準備しなけなければならなかった。
【0005】
さらに、前述した構成では、テーブルの天板が振動するため、天板上に機器などのパソコンや物を置くことができなかった。
【0006】
上記問題を解決するために本発明は、テーブルの天板に備えら加振器による振動による干渉を防ぐため、マイクロフォン周辺に緩衝材を準備したり、天板から放音された音響をマイクロフォンが収音した場合にハウリングを起こさないように、ハウリング抑制装置を準備したりする必要がなくなり、また、パソコンや飛沫感染予防のためにテーブルの天板上に飛沫感染予防のためのパーテーションなどの仕切り板を設置できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの側面から提供される会議システムは、テーブルと収音装置と放音装置を備える会議装置であって、前記テーブルは、天板と前記天板を支持する支持部からなり、前記天板は、上面に前記収音装置と、下面に前記放音装置が備えられ、前記放音装置は上面以外に放音するように構成される。
【0008】
本発明の実施形態にかかる会議システムの一例では、前記放音装置は、第1スピーカーユニットと、第2スピーカーユニットの少なくとも2以上のスピーカーユニットからなり、前記第1スピーカーユニットは、前記天板と対抗する方向に放音するように備えられ、前記第2スピーカーユニットは、前記第1スピーカーユニットの放音方向とは異なる上面以外の方向に放音するように構成してもよい。また、前記放音装置の別の例は、前記第1スピーカーユニットには、高域以外の音響信号が入力され、第2スピーカーユニットには、高域の音響信号が入力されるようにしてもよい。また、前記収音装置別の例は、2以上のマイクロフォンにより構成されてもよい。また、前記収音装置は、前記天板に埋め込まれているように構成してもよい。
【0009】
本発明の一つの側面から提供されるスピーカー装置は、振動板と、エキサイターと、スピーカーユニットからなるスピーカー装置において、前記振動板は、放音方向と対抗する面に前記エキサイターを取り付けて、前記振動板を振動させて放音し、前記スピーカーユニットは、前記エキサイターを備えた前記振動板の放音方向とは異なる上面以外の方向に放音するよう備えることを特徴とするスピーカー装置に構成される。
【0010】
本発明の実施形態にかかるスピーカー装置の一例では、前記エキサイターは高域以外の音響信号が入力され、前記スピーカーユニットは高域の音響信号が入力されるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、例えば会議などに使用されるテーブルの天板に備えら加振器による振動による干渉を防ぐため、マイクロフォン周辺に緩衝材を準備したり、天板から放音された音響をマイクロフォンが収音した場合にハウリングを起こさないように、ハウリング抑制装置を準備したりする必要がなくなり、また、飛沫感染予防のためにテーブルの天板上に飛沫感染予防のためのパーテーションなどの仕切り板を設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態を示した図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態を示した図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態において、遠隔地と会議を行う場合の音響信号の送受信に関する簡易図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態を示した図である。
【
図5】
図5は、本発明を実施形態において、第1スピーカーユニット31の正面図である。
【
図6】
図6は、
図5の第1スピーカーユニット31をA-Aで切断した断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態において、仕切り板4を天板11の上部に設置した構成例を示した図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態において、仕切り板4を天板11の上部に設置した構成例を示した図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態において、会議中の状態を示した図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態において、会議中の状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明による会議システム1の構成の一例を示した図である。会議システム1は、テーブル6と、収音装置2と、放音装置3とを備える会議システム1である。会議システム1は、例えば、遠隔地と1対1で対話する場合や複数人同士で対話する場合などに設置される。また、遠隔地との会議ではなく、複数人が集まって1つの空間で会議をする場合などに使用される。
【0014】
テーブル6は、天板61と、支持部62からなり、会議などで使用される場合に設置されるテーブルであればよく、簡易に設置できる折り畳みのテーブルや壁に備え付けられているテーブルでもよい。また、これに限られず、テーブルとして使用するようなものであればよい。
【0015】
収音装置2は、天板61の上面に設置される。収音装置2は、例えば、遠隔地で会議を行う場合に、それぞれの遠隔地に複数人の話者がいる場合は、それぞれの話者に1つずつ備えられてもよく、複数人がいても1つしか備えなくてもよい。また、収音装置2は、マイクロフォンでもよく、話者の音声などの音響を収音することができるものであればよく、パソコンに備えられているマイクロフォンであってもよい。
また、収音装置2は、テーブル6に埋め込まれていても良い。
【0016】
放音装置3は、天板61の下面に設置される。これにより、放音装置3から音響が放音される方向は、上面以外の方向に放音される。例えば、天板61の上面方向とは対向する下面方向(D1)に放音される。また、放音装置3は、例えば、遠隔地で会議を行う場合にテーブルに一つしか備えられていなくてもよく、複数あってもよい。また、放音装置3は、複数のスピーカーユニットなどでもよく、入力された音響信号を放音できるものであればよい。また、放音装置3は、天板61埋め込まれていてもよい。
【0017】
スピーカーユニットは、例えば、振動板の並進運動により音を出力する装置であり、図示しない振動板、磁気回路及びボイスコイルを内蔵し、外部からの音声信号に基づいて、磁気回路及びボイスコイルが相対的に移動し、振動板を振動させる。このとき、振動板が、剛体として前後方向に並進運動することにより、音を発生させる周知のものでもよい。
第1スピーカーユニット31と第2スピーカーユニット32は、天板61の下面に備えられ、それぞれ天板61の上面以外の方向に向けて放音する。このように、放音方向は上面以外であればどの方向であってもよい。
第1スピーカーユニット31は、天板61の下面に備えられ、天板61の上面とは対向する下面の方向(D1)に放音するように設置されているが、放音方向は天板61の上面以外であればよい。また、第1スピーカーユニット31には高域以外の音響信号が送られても良く、例えば低域のみの音響信号でもよい。また、第1スピーカ-ユニット31は複数あってもよい。
第2スピーカーユニット32は、天板61の下面に備えられた第1スピーカーユニット32の放音方向の垂直方向(D2)に放音するように設置されているが、放音方向も天板61の上面以外であればよい。また、第1スピーカーユニットと同じ方向に放音してもよいし、話者に向かって放音されてもよい。
また、第2スピーカーユニットは、高域の音響信号が送られてもよい。例えば、第2スピーカーユニットはツイーターであってもよい。また、第2スピーカーユニット32は複数あってもよい。
送受信装置7は、それぞれの遠隔地の空間10(a、b)で収音した音声を伝送路9を通じて変換部71に送信する。また、送受信装置7は第一スピーカーユニット31に備えられても良いし、それぞれの空間10あってもよい。
変換部71は、例えば、アナログからデジタルに変換するA/D変換機などを用いて話者などのアナログの音声をデジタルに変換する。そして、デジタルに変換した話者などの音響信号を送信部72に送信する。
なお、図示していないが、遠隔地ではなく、複数人が集まって一つの空間10で会議を行う場合は、話者5それぞれにテーブル6が備えられ、それぞれのテーブルに備えられた収音装置2が収音した音声は、伝送路9を通じて送受信装置7で処理され、送受信装置7から通信網8を介さず、伝送路9を通じて1つの空間10に備えられた放音装置3から放音されるようにしてもよい。