(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122795
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】仮止構造およびそれを備えた長尺体取付具並びに長尺体支持具
(51)【国際特許分類】
F16B 7/04 20060101AFI20220816BHJP
F16B 2/12 20060101ALI20220816BHJP
F16B 2/22 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
F16B7/04 301M
F16B2/12 A
F16B2/12 Z
F16B2/22 Z
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020269
(22)【出願日】2021-02-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】391039302
【氏名又は名称】株式会社昭和コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】堀越 信一
(72)【発明者】
【氏名】津久井 慎
(72)【発明者】
【氏名】佐野 裕介
【テーマコード(参考)】
3J022
3J039
【Fターム(参考)】
3J022DA13
3J022FB03
3J022FB07
3J022FB08
3J022FB12
3J022GA04
3J022GA12
3J022GB31
3J022HA02
3J022HB02
3J022HB06
3J039AA09
3J039BB01
3J039CA02
3J039CA12
(57)【要約】
【課題】 長尺体を取り付けるため一対の取付部材と、それらを締結することで長尺体を保持する締結部材とを備えた長尺体取付具に長尺体を
取り付けるための仮止構造を提供することにある。
【解決手段】 長尺体80を取り付けるため一対の取付部材50,50と、それらを締結することで長尺体80を保持する締結部材60とを
備えた長尺体取付具70にあって、長尺体80と当接してその弾性力により長尺体80を仮止めする仮止部材10を備えた仮止構造である。
【選択図】
図1-a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺体を取り付けるため一対の取付部材と、それらを締結することで長尺体を保持する締結部材とを備えた長尺体取付具にあって、
長尺体と当接してその弾性力により長尺体を仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする仮止構造。
【請求項2】
仮止部材は、取付部材との相対回動を規制するように固定されたことを特徴とする請求項1記載の仮止構造。
【請求項3】
仮止部材は、一対の取付部材の内側又は外側で長尺体を仮止めすることを特徴とする請求項1又は2記載の仮止構造。
【請求項4】
取付部材は長尺体を配設する配設機構を設け、長尺体の軸方向に沿って配設機構側へ圧着付勢することで長尺体を仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項5】
圧着付勢は、締結部材の軸方向に対する直交方向にも作用することを特徴とする請求項4記載の仮止構造。
【請求項6】
長尺体を収容する収容部を有して長尺体を仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項7】
配設機構と収容部との間でも長尺体を挟み込むことを特徴とする請求項6記載の仮止構造。
【請求項8】
長尺体に食い込む係止爪を有して長尺体を仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項9】
一対の取付部材の内側では、取付部材どうし及び/又は取付部材と長尺体及び/又は長尺体どうしが当接する部分を避けた空間で長尺体を仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項10】
長尺体を取り付けるため一対の取付部材と、それらを締結することで長尺体を保持する締結部材とを備えた長尺体取付具にあって、
一対の取付部材の離間距離を保つ弾性構造を有する仮止部材を備えたことを特徴とする仮止構造。
【請求項11】
長尺体を仮止めするための仮止め力を調整する操作部を有する仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項12】
取付部材を上下に重ね合わせて締結することにより、2本の長尺体を交差状に取り付ける長尺体取付具に使用されることを特徴とした請求項1から11のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項13】
仮止部材の弾性力を利用して、取付部材に取り付けられる仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項14】
締結部材に係止するとともに、取付部材との間に回動規制部を有する仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項15】
一方の取付部材を共有して2本以上の長尺体を支持する支持具に用いられる仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の仮止構造を備えた一対の取付部材と締結部材とからなる長尺体取付具。
【請求項17】
請求項16記載の長尺体取付具を備えた長尺体支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、長尺体を取り付けるため一対の取付部材と、それらを締結することで長尺体を保持する締結部材とを備えた長尺体取付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2本の棒状体(長尺体)を交差状態で取り付けるための長尺体取付具として、特許文献1に開示されたものがある。
しかし、特許文献1に開示された長尺体取付具は、第1棒状体を挟着体に収容後、その収容状態を片手で維持しつつ、もう一方の手で第2棒状体を挟着体に収容してからボルトを締める必要があったため、取付作業が煩雑であった。
【0003】
このような取付作業の煩雑さを解消するために、特許文献2又は3のような仮止め機構を備えた取付具が開発された。ボルトに介在させたコイルバネの付勢力を利用して、挟着体に収容された長尺体の収容状態を維持させるものである。
このような仮止め機構によって、作業者が長尺体の収容状態を片手で維持する必要がなくなるので、取付作業の煩雑さが解消される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-124856号公報
【特許文献2】特許第6484872号公報
【特許文献3】特許第6284668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記仮止め機構には、次のような課題があった。
(1)ボルト・ナット部にコイルバネの力(付勢力)が加わるので、ボルト・ナットを組み込んだ長尺体取付具の組立がし難い。
(2)ナットの座面にコイルバネが配置されるので、ナットの座面が不安定であり、締結力不良を起こすおそれがある。
(3)ボルト頭とナットの距離により、コイルバネの付勢力(反発力)が変わるので、仮止め力が不安定である。
【0006】
そこで、本願出願人は、これまでの仮止め機構とは全く異なる発想で長尺体の仮止めを実現すべく鋭意試験・研究を行い、本願発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の第1の発明は、長尺体を取り付けるため一対の取付部材と、それらを締結することで長尺体を保持する締結部材とを備えた長尺体取付具にあって、長尺体と当接してその弾性力により長尺体を仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする仮止構造である。
第2の発明は、仮止部材が、取付部材との相対回動を規制するように固定されたことを特徴とする同仮止構造である。
第3の発明は、仮止部材が、一対の取付部材の内側又は外側で長尺体を仮止めすることを特徴とする同仮止構造である。
第4の発明は、取付部材が長尺体を配設する配設機構を設け、長尺体の軸方向に沿って配設機構側へ圧着付勢することで長尺体を仮止めする仮止め部材を備えたことを特徴とする同仮止構造である。
第5の発明は、圧着付勢が、締結部材の軸方向に対する直交方向にも作用することを特徴とする同仮止構造である。
第6の発明は、長尺体を収容する収容部を有して長尺体を仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする同仮止構造である。
第7の発明は、配設機構と収容部との間でも長尺体を挟み込むことを特徴とする同仮止構造である。
第8の発明は、長尺体に食い込む係止爪を有して長尺体を仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする同仮止構造である。
第9の発明は、一対の取付部材の内側では、取付部材どうし及び/又は取付部材と長尺体及び/又は長尺体どうしが当接する部分を避けた空間で長尺体を仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする同仮止構造である。
第10の発明は、長尺体を取り付けるため一対の取付部材と、それらを締結することで長尺体を保持する締結部材とを備えた長尺体取付具にあって、一対の取付部材の離間距離を保つ弾性構造を有する仮止部材を備えたことを特徴とする仮止構造である。
第11の発明は、長尺体を仮止めするための仮止め力を調整する操作部を有する仮止部材を備えたことを特徴とする同仮止構造である。
第12の発明は、取付部材を上下に重ね合わせて締結することにより、2本の長尺体を交差状に取り付ける長尺体取付具に使用されることを特徴とした同仮止構造である。
第13の発明は、仮止部材の弾性力を利用して、取付部材に取り付けられる仮止部材を備えたことを特徴とする同仮止構造である。
第14の発明は、締結部材に係止するとともに、取付部材との間に回動規制部を有する仮止部材を備えたことを特徴とする同仮止構造である。
第15の発明は、一方の取付部材を共有して2本以上の長尺体を支持する支持具に用いられる仮止部材を備えたことを特徴とする同仮止構造である。
第16の発明は、上記第1から第15の発明に係る仮止構造を備えた一対の取付部材と締結部材とからなる長尺体取付具である。
第17の発明は、上記第16の発明に係る長尺体取付具を備えた長尺体支持具である。
【発明の効果】
【0008】
上記した本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)本願発明に係る仮止構造であれば、コイルバネを利用するものではないので、ボルト・ナット部にコイルバネの力(付勢力)が加わることはなく、ボルト・ナットの締結具を組み込んだ長尺体取付具の組立に手間取ることはなくなる。
(2)ナットの座面にコイルバネが配置されることはないので、ナットの座面が安定し、締結力不良を起こすおそれはなくなる。
(3)ボルト頭とナットの距離によって付勢力(反発力)が変わることはないので、仮止め力が安定する。
(4)仮止部材を樹脂成形できるので、様々なバリエーションの仮止構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1-a】本願発明の第1実施形態を示す説明図(1)。
【
図1-b】本願発明の第1実施形態を示す説明図(2)。
【
図1-c】本願発明の第1実施形態を示す説明図(3)。
【
図3-a】本願発明の第3実施形態を示す説明図(1)。
【
図3-b-1】本願発明の第3実施形態を示す説明図(2)。
【
図3-b-2】本願発明の第3実施形態を示す説明図(3)。
【
図4-a】本願発明の第4実施形態を示す説明図(1)。
【
図4-b】本願発明の第4実施形態を示す説明図(2)。
【
図5-1】本願発明の第5実施形態を示す説明図(1)。
【
図5-2】本願発明の第5実施形態を示す説明図(2)。
【
図6-a】本願発明の第6実施形態を示す説明図(1)。
【
図6-b】本願発明の第6実施形態を示す説明図(2)。
【
図8-a】本願発明の第8実施形態を示す説明図(1)。
【
図8-b-1】本願発明の第8実施形態を示す説明図(2)。
【
図8-b-2】本願発明の第8実施形態を示す説明図(3)。
【
図9-a】本願発明の第9実施形態を示す説明図(1)。
【
図9-b】本願発明の第9実施形態を示す説明図(2)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願発明の実施形態(一例)を図面に基づいて説明する。なお、図示された実施形態は本願発明の一例で有り、本願発明はこれらに限定されるものではない。
【0011】
図1は、本願発明の第1実施形態を示す説明図である。
第1実施形態は、長尺体80を取り付けるため一対の取付部材50,50と、それらを締結することで長尺体80を保持する締結部材60とを備えた長尺体取付具70にあって、長尺体80と当接してその弾性力により長尺体80を仮止めする仮止部材10を備えた仮止構造である。
【0012】
図1-a及び
図1-bに図示するように、取付部材50は、折曲された左右の側壁51,51に切欠部52,52を形成し、ここに長尺体80を配設する配設機構を有している。
また、仮止部材10は一対の取付部材50,50の内側にあって、締結部材60を貫通させる貫通孔11を有して一方の取付部材50と当接している。そして、取付部材50の側壁51,51が回動規制部となって、仮止部材10は取付部材50とは別に独立した回動(相対回動)を規制されている。仮止部材10と取付部材50が相対回動しない結果、長尺体80を常時同じ面で仮止めすることができるので、仮止部材10による仮止め力が安定する。
【0013】
仮止部材10は、取付部材50の切欠部52,52(配設機構)に合わせて長尺体80を収容する収容部12を有する。収容部12は、仮止部材10の当接している取付部材50側から長尺体80を抱え込むとともに、切欠部52,52との間で挟み込んで仮止めする。収容部12が長尺体80を抱え込むことで、締結部材60の軸方向に付勢力(保持力)が発生し、収容部12が長尺体80を挟み込むことで、締結部材60の軸と直交方向に付勢力(保持力)が発生することになる。異なる方向から長尺体に付勢力を与えるので、どの方向からでも有効な仮止め効果を発揮する。
【0014】
これにより、長尺体80どうしの間に仮止部材10が介在しないため、締結力を安定させることができる。すなわち、取付部材50,50の組立て状況(締結部材の締結具合など)によらず、仮止め力が一定である。
図1-cは、仮止部材10の装着された一対の取付部材50,50を長尺体80,80の交差部で使用した状態を図示している。また、長尺体80,80の交差角度を任意に調整できる。
【0015】
図2は、本願発明の第2実施形態を示す説明図である。
第2実施形態は、一対の取付部材50,50の外側で仮止部材10Aが長尺体80を仮止めする仮止構造である。
図2に図示するように、一方の取付部材50に当接した仮止部材10Aは、収容部12Aを有して長尺体80を仮止めする。
なお、仮止部材10Aは、当接する取付部材50の裏面側へ折り返す折返片13Aを有することで、これが回動規制部となって、仮止部材10Aの取付部材50との相対回動を規制している。
【0016】
図3は、本願発明の第3実施形態を示す説明図である。
第3実施形態は、仮止部材による長尺体の仮止め方法として、長尺体に食い込む係止爪を用いた仮止構造である。
図3-aに図示する第3実施形態では、仮止部材10Bの収容部12Bの内側へ長尺体80のネジ谷に食い込む係止爪13Bを設けた。
図3-b-1及び
図3-b-2に図示する第3実施形態では、第2実施形態と同じく一対の取付部材50,50の外側にある仮止部材10Cが凹状に形成された板の端面
17Cを長尺体80のネジ谷に食い込ませることで仮止めする。板バネのように指で摘まむことで変形できて、指を離したときに発生する弾性力で仮止めするものである。
【0017】
図4は、本願発明の第4実施形態を示す説明図である。
第4実施形態は、仮止部材による圧着付勢で長尺体を仮止めする仮止構造である。
図4-a及び
図4-bに図示するように、取付部材50の配設機構と仮止部材10Dとの間で長尺体80を仮止めする。この時、図示するように仮止部材10Dの先端に操作部15Dを設けるとよい。操作部15Dを指で押すことで仮止部材10Dの仮止め力を弱めることができて、位置調整が容易になるからである。
【0018】
また、仮止部材10Dは、操作部15Dを設けて当接する取付部材50の反対側へ折り返す折返片13Dを有する。この折返片13Dが回動規制部となって、仮止部材10Dの取付部材50との相対回動を規制している。
【0019】
図5は、本願発明の第5実施形態を示す説明図である。
第5実施形態は、仮止部材の弾性構造で一対の取付部材の離間距離を保った仮止構造である。
図5-1及び
図5-2に図示するように、一対の取付部材50,50の間に配置された仮止部材10Eは、弾性構造をしており(
図5-1は一方の取付部材50にのみ仮止部材10Eを備え、
図5-2は双方の取付部材50,50に仮止部材10Eを備えている)、一対の取付部材50,50の離間距離を保つ機能を有する。これにより、取付部材50の配設機構へ長尺体を配設するために取付部材50,50を開ける手間が省ける。
なお、仮止部材10Eは、一対の取付部材50,50のいずれか一方の取付部材50に折り返す折返片14Eを有する。この折返片14Eが回動規制部となって、仮止部材10Eの取付部材50との相対回動を規制している。ここで、弾性構造は蛇腹構造に限らず、板バネ形状やコイルバネ形状のような弾性力が発生する形状であれば何でもよい。また、弾性構造は、伸縮自在であるため、ボルト締結の妨げにならない。
【0020】
図6は、本願発明の第6実施形態を示す説明図である。
第6実施形態は、仮止部材が貫通孔を介して締結部材に係止されるとともに、取付部材によって仮止部材の相対回動を規制する仮止構造である(ハイブリッド仮止構造)。
図6-a及び
図6-bに図示するように、仮止部材10Fは一対の取付部材50,50の内側にあって、締結部材60を貫通させる貫通孔11Fを介して一方の取付部材50に係止されている。また、取付部材50の側壁51,51が回動規制部となって、仮止部材10Fは取付部材50との相対回動を規制されている。
【0021】
図7は、本願発明の第7実施形態を示す説明図である。
第7実施形態は、一方の取付部材を共有して2本以上の長尺体を支持する支持具に用いられる仮止部材を備えた仮止構造である。
図7に図示するように、一方の取付部材50A,50Aが他方の取付部材50Bを共有することで、2本の長尺体を支持することができる。
なお、仮止部材10Gは、図示するように片方の取付部材50Aに備えてもよいし、両方の取付部材50A,50Aに備えてもよい。
【0022】
図8は、本願発明の第8実施形態を示す説明図である。
第8実施形態は、仮止構造を備えた長尺体取付具をコーナー金具(1本の吊ボルトと左右2本の振れ止めボルトの交差する90度の角部に用いられる連結金具)に使用するものである。
図8-aに図示するように、コーナー金具本体90の中央部で吊ボルトを一対の取付部材50C,50Dの外側で仮止めする仮止部材10Hを備える。このような仮止部材10Hは、コーナー金具本体90の組立て後の後付けが可能である。
図8-b-1及び
図8-b-2に図示するように、コーナー金具本体90の左右両端部で振れ止めボルトを一対の取付部材50E,50Fの内側で仮止めする仮止部材10I(ハイブリッド仮止構造)を備える。
【0023】
図9は、本願発明の第9実施形態を示す説明図である。
第9実施形態は、仮止部材が嵌合によって取付部材に係止される仮止構造である。
図9-a及び
図9-bに図示するように、仮止部材10Jに嵌合突起16Jを備え、取付部材50に嵌合孔53を備え、嵌合突起16Jと嵌合孔53が嵌合することで取付部材50に仮止部材10Jが係止(固定)される。なお、嵌合突起と嵌合孔はそれぞれ逆に備えていてもよい(仮止部材に嵌合突起、仮止部材に嵌合孔を備える)。また、このような仮止部材10Jは、取付部材50,50の組立て後の後付けが可能である。
【0024】
図10は、本願発明の第10実施形態を示す説明図である。
第10実施形態は、仮止部材を備えた一対の取付部材の間に中間板を介在させた仮止構造である。
図10に図示するように、仮止部材10Kを備えた一対の取付部材50,50の間に中間板65を介在させている。中間板65を介在させることにより長尺体を広い面で受けることができて、長尺体を取り付けた取付部材50,50が安定する。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本願発明は、長尺体の仮止構造としてに幅広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0026】
(第1実施形態)
10 仮止部材
11 貫通孔
12 収容部
50 取付部材
51 側壁
52 切欠部
60 締結部材
70 長尺体取付具
80 長尺体
【手続補正書】
【提出日】2021-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺体を取り付けるため一対の取付部材と、それらを締結することで長尺体を保持する締結部材とを備えた長尺体取付具にあって、
長尺体と当接してその弾性力により長尺体を仮止めする仮止部材を備え、
仮止部材が、一対の取付部材の内側で、一方の取付部材の長尺体を配設する配設機構を除いた当該取付部材と長尺体との間に形成される空間で長尺体を仮止めすることを特徴とする仮止構造。
【請求項2】
長尺体を取り付けるため一対の取付部材と、それらを締結することで長尺体を保持する締結部材とを備えた長尺体取付具にあって、
長尺体と当接してその弾性力により長尺体を仮止めする仮止部材を備え、
仮止部材は、一対の取付部材の外側で長尺体を仮止めすることを特徴とする仮止構造。
【請求項3】
長尺体を取り付けるため一対の取付部材と、それらを締結することで長尺体を保持する締結部材とを備えた長尺体取付具にあって、
長尺体と当接してその弾性力により長尺体を仮止めする仮止部材を備え、
仮止部材は、取付部材の側壁又は端部の端面に当接し、取付部材との相対回動を規制するように固定されたことを特徴とする仮止構造。
【請求項4】
取付部材は長尺体を配設する配設機構を設け、長尺体を軸直交方向に圧着付勢して、配設機構との間で仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項5】
圧着付勢は、締結部材の軸方向に対する直交方向にも作用することを特徴とする請求項4記載の仮止構造。
【請求項6】
長尺体を収容する収容部を有して長尺体を仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項7】
配設機構と収容部との間でも長尺体を挟み込むことを特徴とする請求項5記載の仮止構造。
【請求項8】
長尺体に食い込む係止爪を有して長尺体を仮止めする仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項9】
長尺体を取り付けるため一対の取付部材と、それらを締結することで長尺体を保持する締結部材とを備えた長尺体取付具にあって、
長尺体を収容する収容部を有して長尺体を仮止めするとともに、一対の取付部材の離間距離を保つ弾性構造を有する仮止部材を備えたことを特徴とする仮止構造。
【請求項10】
長尺体を仮止めするための仮止め力を調整する操作部を有する仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項11】
締結部材の軸直方向に延びる操作部を有する仮止部材を備えたことを特徴とする請求項10記載の仮止構造。
【請求項12】
取付部材を上下に重ね合わせて締結することにより、2本の長尺体を交差状に取り付ける長尺体取付具に使用されることを特徴とした請求項1から11のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項13】
仮止部材の弾性力を利用して、取付部材に取り付けられる仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項14】
締結部材に係止するとともに、取付部材との間に回動規制部を有する仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項15】
一方の取付部材を共有して2本以上の長尺体を支持する支持具に用いられる仮止部材を備えたことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の仮止構造。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかに記載の仮止構造を備えた一対の取付部材と締結部材とからなる長尺体取付具。
【請求項17】
請求項16記載の長尺体取付具を備えた長尺体支持具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
図9は、本願発明の第9実施形態を示す説明図である。
第9実施形態は、仮止部材が嵌合によって取付部材に係止される仮止構造である。
図9-a及び
図9-bに図示するように、仮止部材10Jに嵌合突起16Jを備え、取付部材50に嵌合孔53を備え、嵌合突起16Jと嵌合孔53が嵌合することで取付部材50に仮止部材10Jが係止(固定)される。なお、嵌合突起と嵌合孔はそれぞれ逆に備えていてもよい(仮止部材に
嵌合孔、取付部材に
嵌合突起を備える)。また、このような仮止部材10Jは、取付部材50,50の組立て後の後付けが可能である。