(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122904
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】ひずみ感知キーメンブレン
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20220816BHJP
【FI】
G06F3/02 E
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022083197
(22)【出願日】2022-05-20
(62)【分割の表示】P 2020136723の分割
【原出願日】2020-08-13
(31)【優先権主張番号】16/586,280
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウー, チア チ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォスゲリッチアン, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, ミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ナン
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ, ヴィヨム
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ウェンハオ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電子装置用のキーボード構造体の有効性を改善するひずみを感知するメンブレン構造体を提供する。
【解決手段】電子装置は、内部メンブレン204をもつキーボードを有する。メンブレンは、例えば圧し潰し可能ドームが圧し潰されてメンブレンと接触するときに、打鍵に応答するひずみゲージ212のセットを有する。ひずみゲージは、メンブレンの温度及び微妙なたわみの影響を制限するために、ハーフ・ウイートスートン・ブリッジ構成で接続され、メンブレン上に配置される。ひずみゲージはまた、キーキャップ201が十分な力で押下されるときの抵抗差の検出値を拡大する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
軸に沿って前記ベースに対して並進するように構成されたキーキャップと、
前記キーキャップと前記ベースとの間に配置されたメンブレン層であって、
可撓性シートと、
前記キーキャップと前記ベースとの間の前記可撓性シート上に配置され、前記軸に位置合わせされている第1のひずみゲージと、
前記キーキャップと前記ベースとの間の前記可撓性シート上に配置され、前記軸から離間している第2のひずみゲージと、
前記可撓性シート上に配置され、前記第1及び第2のひずみゲージをハーフブリッジ構成で接続する導電体と、を含むメンブレン層と、
を備えるキーボード。
【請求項2】
前記第1のひずみゲージは第1の非応力下抵抗を有し、前記第2のひずみゲージは第2の非応力下抵抗を有し、前記キーボードは、
前記キーキャップを前記ベースに連結する機械的支持体と、
前記第1のひずみゲージに対して前記第2のひずみゲージとは反対側の位置において前記キーキャップと前記ベースとの間の前記可撓性シート上に配置され、第3の非応力下抵抗を有する第3のひずみゲージであって、前記第2の非応力下抵抗は前記第3の非応力下抵抗と等しく、前記第1の非応力下抵抗は、前記第2及び第3の非応力下抵抗の合計とほぼ等しい、第3のひずみゲージと、
前記第1、第2、及び第3のひずみゲージに関連付けられた圧し潰し可能ドームであって、前記第1のひずみゲージを前記第2のひずみゲージ又は第3のひずみゲージよりも大きく反らせるように構成されている圧し潰し可能ドームと、
を更に備える請求項1に記載のキーボード。
【請求項3】
前記可撓性シートは、キーキャップ対向面を含み、前記第1及び第2のひずみゲージはいずれも前記キーキャップ対向面上に配置されている、請求項1に記載のキーボード。
【請求項4】
前記第1のひずみゲージが第1の主応力軸を含み、前記第2のひずみゲージは第2の主応力軸を含み、前記第1及び第2の主応力軸は平行である、請求項1に記載のキーボード。
【請求項5】
前記ベースは、前記軸に位置合わせされた凹部又は開口部を含み、前記第1のひずみゲージは、前記凹部又は開口部内に反らせることが可能である、請求項1に記載のキーボード。
【請求項6】
前記ベースは、前記キーキャップと垂直に位置合わせされた凹部又は開口部を含み、前記第2のひずみゲージは、前記凹部又は開口部から離間した前記可撓性シート上に配置される、請求項1に記載のキーボード。
【請求項7】
前記キーキャップと前記ベースとの間の前記可撓性シート上に配置された第3のひずみゲージを更に備える、請求項1に記載のキーボード。
【請求項8】
前記キーキャップと前記ベースとの間に配置され、圧し潰されると、前記第1のひずみゲージを反らせるように構成された圧し潰し可能ドームを更に備える、請求項1に記載のキーボード。
【請求項9】
ベース構造体と、
キーキャップと、
前記ベース構造体と前記キーキャップとの間に配置されたメンブレンと、前記キーキャップと前記ベース構造体との間の前記メンブレン上に配置された第1のピエゾ抵抗器、第2のピエゾ抵抗器、及び第3のピエゾ抵抗器であって、前記第2及び第3のピエゾ抵抗器は、前記第1のピエゾ抵抗器の両側に対称に配置されている、第1のピエゾ抵抗器、第2のピエゾ抵抗器、及び第3のピエゾ抵抗器と、
前記第1、第2、及び第3のピエゾ抵抗器を電圧源及び電圧測定装置に連結するように構成された導電材料と、
を備える、キーボード。
【請求項10】
前記キーキャップは、前記ベース構造体に対して移動して、前記第1のピエゾ抵抗器を前記第2及び第3のピエゾ抵抗器に対して反らせるように構成され、前記第2及び第3のピエゾ抵抗器に対する前記第1のピエゾ抵抗器の反りは、前記電圧測定装置において閾値電圧を生成するように構成されている、請求項9に記載のキーボード。
【請求項11】
圧し潰し可能ドームを更に備え、前記第2及び第3のピエゾ抵抗器は、前記圧し潰し可能ドームと前記ベース構造体との間に配置されている、請求項9に記載のキーボード。
【請求項12】
前記圧し潰し可能ドームは、前記メンブレン上の前記第1のピエゾ抵抗器の位置と接触していない第1の安定位置と、前記メンブレン上の前記第1のピエゾ抵抗器の位置に接触する第2の安定位置との間で移動するように構成されている、請求項11に記載のキーボード。
【請求項13】
前記第1、第2、及び第3のピエゾ抵抗器が、前記導電材料によって直列に接続されている、請求項9に記載のキーボード。
【請求項14】
前記導電材料と前記第1、第2、及び第3のピエゾ抵抗器とは、前記電圧源及び前記電圧測定装置に接続すると、ハーフブリッジ回路を形成する、請求項9に記載のキーボード。
【請求項15】
前記キーキャップに取り付けられた機械的支持体を更に備え、前記メンブレンは、前記キーキャップと前記ベース構造体との間の機械的支持開口部のセットを含み、前記機械的支持開口部のセットは、前記第1のピエゾ抵抗器の荷重軸に平行に延びる、請求項9に記載のキーボード。
【請求項16】
前記第1のピエゾ抵抗器の非応力下抵抗は、前記第2及び第3のピエゾ抵抗器の非応力下抵抗の合計に等しい、請求項9に記載のキーボード。
【請求項17】
表面を有する可撓性基板と、
前記表面上に配置されたひずみゲージのセットと、
前記表面上に配置され、前記ひずみゲージのセットと少なくとも部分的に垂直に重なる導電トレースのセットと、
前記ひずみゲージのセットと関連付けられたキーキャップと、
を含むメンブレンを備える、キーボード。
【請求項18】
前記導電トレースのセットと前記キーキャップとの間に配置されたカバー層を更に備える、請求項17に記載のキーボード。
【請求項19】
前記メンブレンは、比較的剛性の層に取り付けられ、前記ひずみゲージのセットのうち少なくとも1つのひずみゲージは、前記比較的剛性の層の開口部に位置合わせされている、請求項17に記載のキーボード。
【請求項20】
前記少なくとも1つの導電トレースのセットと垂直に重なるように配置された前記少なくとも1つの付加的導電トレースと、前記導電トレースのセットのうち少なくとも1つの導電トレースと前記少なくとも1つの付加的導電トレースとの間に配置された絶縁層と、を更に備える、請求項17に記載のキーボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明される実施形態は概して、電子装置用のキーボード構造体に関する。より具体的には、本実施形態は、キーボード用のひずみを感知するメンブレン構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
業界内では、例えば、ラップトップコンピュータ、キーボード、並びに関連する機器及びアクセサリなどの様々な電子装置のサイズ及び厚さの縮減がますます望まれている。その際、装置設計者は、キーボードや他の入力装置の強度、動作寿命、及び信頼性を維持しつつ、そのサイズ及び部品数を削減することを追求している。
【0003】
しかし、特定の種類のキーボード部品は、小型化又は薄型化されると、剛性が下がり、損傷又は砕片の影響をより受けやすくなるおそれがある。いくつかの部品は、所望するキー移動量及びキーの感触を維持しつつ、小型化又は他の方法によって厚みを縮小することはできない。更に、多くのキーボードは、提供できる入力の種類が限定されている。タッチパッド及びタッチスクリーンなどの他の入力装置がより動的な入力を提供できるのに対して、典型的なキーボードは、単一のオンオフ信号のみをコントローラに提供する。したがって、キーボード構造体の有効性を改善するニーズが絶えず存在している。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、ベースと、軸に沿ってベースに対して並進するように構成されたキーキャップと、キーキャップとベースとの間に配置されたメンブレン層と、を有するキーボードに関する。メンブレン層は、可撓性シートと、キーキャップとベースとの間の可撓性シート上に配置され、軸に位置合わせされている第1のひずみゲージと、キーキャップとベースとの間の可撓性シート上に配置され、軸から離間している第2のひずみゲージと、可撓性シート上に配置され、第1及び第2のひずみゲージをハーフブリッジ構成で接続する導電体と、を含むことができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1のひずみゲージは第1の非応力下抵抗を有し、第2のひずみゲージは第2の非応力下抵抗を有し、キーボードはキーキャップをベースに連結する機械的支持体と、第2のひずみゲージに対して第1のひずみゲージとは反対側の位置においてキーキャップとベースとの間の可撓性シート上に配置され、第3の非応力下抵抗を有する第3のひずみゲージであって、第2の非応力下抵抗は第3の非応力下抵抗と等しく、第1の非応力下抵抗は、第2及び第3の非応力下抵抗の合計に等しい、第3のひずみゲージと、を更に備える。キーボードはまた、第1、第2、及び第3のひずみゲージと垂直に位置合わせされた圧し潰し可能ドームを有することができ、圧し潰し可能ドームは、第1のひずみゲージを第2のひずみゲージ又は第3のひずみゲージよりも大きく反らせるように圧し潰すように構成することができる。
【0006】
可撓性シートは、キーキャップ対向面を含むことができ、第1及び第2のひずみゲージは、ともにキーキャップ対向面上に配置される。第1のひずみゲージは、第1の主応力軸を含むことができ、第2のひずみゲージは第2の主応力軸を含み、第1の主応力軸と第2の主応力軸は平行である。ベースは、軸に位置合わせされた凹部又は開口部を含むことができ、第1のひずみゲージは、凹部又は開口部内に反らせることが可能である。ベースは、キーキャップと垂直に位置合わせされた凹部又は開口部を含むことができ、第2のひずみゲージは、凹部又は開口部から離間して可撓性シート上に配置される。キーボードはまた、キーキャップとベースとの間の可撓性シート上に配置された第3のひずみゲージを更に備えることもできる。圧し潰し可能ドームは、キーキャップとベースとの間に配置することができ、圧し潰し時に第1のひずみゲージを反らせるように構成することができる。
【0007】
本開示の別の態様では、ベース構造体と、キーキャップと、ベース構造体とキーキャップとの間に配置されたメンブレンと、キーキャップとベース構造体との間のメンブレン上に配置された第1のピエゾ抵抗器、第2のピエゾ抵抗器、及び第3のピエゾ抵抗器であって、第2及び第3のピエゾ抵抗器は、第1のピエゾ抵抗器の両側に対称に配置されている、第1のピエゾ抵抗器、第2のピエゾ抵抗器、及び第3のピエゾ抵抗器と、第1、第2、及び第3のピエゾ抵抗器を電圧源及び電圧測定装置に連結するように構成された導電材料と、を備えるキーボードが提供される。
【0008】
いくつかの構成では、キーキャップは、ベース構造体に対して移動して第1のピエゾ抵抗器を第2及び第3のピエゾ抵抗器に対して反らせるように構成することができ、第2及び第3のピエゾ抵抗器に対する第1のピエゾ抵抗器の反りは、電圧測定装置において閾値電圧を生成するように構成されている。キーボードはまた、圧し潰し可能ドームを更に備えることができ、第2及び第3のピエゾ抵抗器は、圧し潰し可能ドームとベース構造体との間に配置される。圧し潰し可能ドームは、メンブレン上の第1のピエゾ抵抗器の位置と接触していない第1の安定位置と、メンブレン上の第1のピエゾ抵抗器の位置に接触する第2の安定位置との間で移動するように構成することができる。
【0009】
第1、第2、及び第3のピエゾ抵抗器は、導電材料によって直列に接続することができる。導電材料と第1、第2、及び第3のピエゾ抵抗器とは、電圧源及び電圧測定装置に接続すると、ハーフブリッジ回路を形成することができる。
【0010】
キーボードはまた、キーキャップに取り付けられた機械的支持体を備えることができ、メンブレンは、キーキャップとベース構造体との間の機械的支持開口部のセットを備える。機械的支持開口部のセットは、第1のピエゾ抵抗器の荷重軸に平行に延びることができる。第1のピエゾ抵抗器の非応力下抵抗は、第2及び第3のピエゾ抵抗器の非応力下抵抗の合計と等しくすることができる。
【0011】
本開示の更に別の態様は、キーボード用メンブレンに関し、メンブレンは、表面を有する可撓性基板と、表面上に配置されたひずみゲージのセットと、表面上に配置され、ひずみゲージのセットと少なくとも部分的に重なる導電トレースのセットと、ひずみゲージのセットと垂直の外側にあるキーキャップと、を備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、メンブレンは、導電トレースのセットとキーキャップとの間に配置されたカバー層を更に含み得る。メンブレンは、比較的剛性の層に取り付けられてもよく、ひずみゲージのセットのうち少なくとも1つのひずみゲージは、比較的剛性の層の開口部に位置合わせされることができる。絶縁層はまた、導電トレースのセットのうち少なくとも1つの導電トレースと、導電トレースのセットのうちの、その少なくとも1つの導電トレースと重なる少なくとも1つの付加的導電トレースとの間に配置することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付図面は同様の構造的要素を同様の参照番号によって指定しており、以下の詳細な説明と併せて、開示が容易に理解されよう。
【0014】
【0015】
【
図2】
図1の電子装置のキーボードの分解図を示す。
【0016】
【
図3】
図2のキーボードのキーアセンブリの等角断面図である。
【0017】
【
図4】キーボードのメンブレン上のひずみゲージのセットの上面図である。
【0018】
【
図5】キーボードのメンブレンにおいて使用されるひずみゲージのセットの回路図である。
【0019】
【
図6】本開示の別の実施形態に係るキーボードのメンブレン上のひずみゲージのセットの上面図である。
【0020】
【
図7】
図6のメンブレンの断面線7-7を通る断面図である。
【0021】
【
図8】
図6のメンブレンの断面線8-8を通る第2の図である。
【0022】
【
図9】キーボードメンブレン回路上の中央部の打鍵により入力された力と電圧応答の経時的なプロットである。
【0023】
【
図10】キーボードメンブレン回路上の中心をずれた様々な打鍵により入力された力と電圧応答の経時的なプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで、添付図面に図示される代表的な実施形態を詳細に説明する。以下の説明は、これらの実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。反対に、以下の説明は、添付の特許請求の範囲により規定される記載された実施形態の趣旨及び範囲内に含むことができるような、代替形態、修正形態及び均等物を包含することを意図している。
【0025】
以下の開示は概して、電子装置用の入力装置に関し、より具体的には、厚さを減縮したキーボードアセンブリに関する。
【0026】
キーボードアセンブリでは、キースイッチとキーボードコントローラとの間に電気的接続を提供するスイッチメンブレンを使用することができる。したがって、メンブレンは、キーキャップがユーザによって押下されたときに連結し連結解除される導電トレース及びコネクタを有することができる。これらのメンブレンの一部では、複数層の導電材料が使用される。キーキャップが押下されると、1つの層の導電部分が押下され、別の層上の別の導電部と接触することによって、コントローラにより検出される電気的接続が行われる。キーが解放されると、導電体はその接続を切断し、コントローラはその切断を検出する。接触が行われるように層を反らせるためには、十分な下向きの力がメンブレンに印加されなければならない。電気的接続を行う信頼性は、経時的に減少する場合がある。
【0027】
キーボードメンブレンは、層(複数)を一体に保持している接着剤を劣化させる化学物質及び液体の影響を受けやすい。空気通気流路を介して水分がメンブレンに入ることがあり、メンブレン内の銀又は他の金属導電体を腐食させることがある。本開示の実施形態は、これらの問題を緩和するのに有用であり、それによって、各キースイッチの厚さを減らし、新たな感知能力を付加しつつ、キーボードメンブレンの寿命を延ばすことができる。
【0028】
本開示の一態様は、印刷可能なポリマーピエゾ抵抗材料を用いた、キー接続及び切断イベントを検出できるハーフブリッジひずみゲージ構成の創出に関する。各キーアセンブリは、キーの下に位置するハーフ・ウイートスートン・ブリッジひずみゲージ構成を有することができる。ハーフブリッジは、ピエゾ抵抗材料ストリップのセットを含むことができ、ストリップの第1の部分は、ストリップの第2の部分に等しい抵抗を有する。第1の部分は、ハーフブリッジにおいて、単一の他のピエゾ抵抗ひずみゲージの両側に対称に配置される2つのピエゾ抵抗ひずみゲージに分割することができる。
【0029】
圧し潰し可能ドームがユーザによって(例えば、打鍵によって)圧し潰されると、ドームは、ハーフブリッジのピエゾ抵抗器(例えば、ストリップの第2の部分)と接触することができる。これにより、キーキャップに印加された力の量を検出するのに十分なように、このピエゾ抵抗器のひずみに影響を及ぼすことができる。この力は、ハーフブリッジで測定される電圧として検出することができ、電圧はキーキャップが押下されたか否かを示すことができる。十分な力がキーキャップに印加された場合、中央部のピエゾ抵抗器の抵抗が周辺部のピエゾ抵抗器総体としての抵抗に対して閾値を超えて変化するため、キー「接続」イベントとして検出することができ、中央部の抵抗が周辺部のピエゾ抵抗器を統合した抵抗との十分な差がない不十分な力は、キー「切断」イベントとして検出することができる。このような方法による場合、導電材料は、キーの接続又は切断を検出するための接触位置又は非接触位置の間の移動を要しない。空気の排出が不要であるため、メンブレンを、砕片、結露、こぼれた液体、その他の問題となる侵入物に対して完全に密閉することができ、寿命及び信頼性を伸ばすことができる。
【0030】
更に、導電体は、導電体が配置されているメンブレンに対し移動する必要がなく、また、ひずみゲージ及びハーフブリッジは実質的に単一の層に配置され得るため、メンブレンの全体の厚さを大幅に縮小することができる。したがって、メンブレンを実装するキーボード又は他の電子装置全体の厚さと重量を減らすことができる。
【0031】
加えて、キーボードは、ひずみ及びハーフブリッジから検出される電圧に基づいたタッチ又は力感度を有することができる。したがって、キーボードは、「切断」状態(すなわち、キーがアクティブ化されていない状態)ではなく、「接続」状態(すなわち、キーがユーザによってアクティブ化されていることを示す状態)をコントローラが検出できる、カスタマイズ可能な電圧閾値を有することができる。タッチがより強いユーザは、必要な力/電圧/抵抗差閾値を高めてキーボードを設定することができ、タッチがより軽いユーザは、低い閾値とすることができる。加えて、打鍵時にひずみゲージによって生成される電圧に関連していることによって、入力された力の大きさ又は相対的な大きさを変換し得るため、入力された力の様々な程度を検出することができる。
【0032】
ひずみ感知スイッチの実施形態は、2値動作を有することができ、システムは、キーに加えられた力に基づいて、「オン」又は「接続」状態、対「オフ」又は「切断」状態を離散的に検出するように構成されている。あるいは、いくつかの実施形態は、3値(又は2値ではない)動作を有することができ、システムは、「オフ」又は「切断」状態、対2つ(又はそれ以上)の異なる「オン」又は「接続」状態を検出する。「接続」状態のそれぞれは、キーに印加された異なる力の量(すなわち、より強い押下対より軽い押下)、又はキーに印加された2つの異なる力のパターン若しくは特性(すなわち、長い押下対短い押圧、又は一連の高頻度のタップ対単一のタップ)に対応することができ、また、キーから信号を受信するコントローラは、どの種類の「接続」状態が検出されたかに基づいて異なる動作を行うことができる。更に、いくつかの実施形態は、アナログ又は連続動作を有することができ、一定の最小閾値の力を超えてキーに印加される多数の(例え無限であっても)「接続」状態のセットを検出することができる。キーに印加される力の連続的な変化によって、例えば、打鍵に対応して表示するグラフィックを連続的に変更する(例えば、ディスプレイ上の不透明度、サイズ、又はアニメーションを変更する)など、キーボードコントローラ(例えば、接続された電子装置)の動作を連続的に変化させてもよい。
【0033】
これらの実施形態、及び他の実施形態を、図面を参照して以下に述べる。しかし、当業者であれば、これらの図面に関して本明細書に与えられた詳細な説明は単なる説明の目的のためのものに過ぎず、限定するものとして解釈されるべきではないことを容易に理解するであろう。
【0034】
図1はキーボード102を含む電子装置100を示す。キーボード102は、ユーザによって押し下げられると移動するキーキャップ103又はボタンキャップを有するキー又はキーアセンブリを含む。電子装置100はまた、ディスプレイスクリーン106、トラックパッド108又は他のポインティング装置、及びノートブック/ラップトップコンピュータに使用される内部電子コンポーネント(例えば、図示しない、プロセッサ、電子メモリ装置、電子データ記憶装置、及び他のコンピュータコンポーネント)も含むことができる。ディスプレイスクリーン106は、キーボード102に対して直立して延びるように構成された筐体104の一部分に配置することができる。トラックパッド108は、キーボード102のディスプレイスクリーン106とは反対側の、キーボード102に隣接した筐体104上に配置することができる。
【0035】
図1の電子装置100はノートブック/ラップトップコンピュータであるが、ノートブック型コンピュータに関連して説明される本開示の特徴及び態様は、様々な他の装置に適用され得ることは容易に明らかであろう。これらの他の装置としては、パーソナルコンピュータ(例えば、コンピュータ「タワー」、「オールインワン」コンピュータ、コンピュータワークステーション、及び関連装置を含む)、並びに関連するアクセサリ、タブレットコンピュータ、スピーカ、グラフィックタブレット及びグラフィカル入力ペン/スタイラス、腕時計、ヘッドセット、他のウェアラブル装置、並びに関連するアクセサリ、車両及び関連アクセサリ、ネットワーク機器、サーバ、スクリーン、ディスプレイ、及びモニタ、写真撮影機器及びビデオ撮影機器、並びに関連アクセサリ、プリンタ、スキャナ、メディアプレーヤ装置及び関連アクセサリ、リモコン、ヘッドホン、イヤフォン、装置充電器、コンピュータマウス、トラックボール、及びタッチパッド、POS(point-of-sale)機器、ケース、電子機器用マウント、及びスタンド、ゲーム用コントローラ、遠隔制御(RC)車両/ドローン、拡張現実(AR)装置、仮想現実(VR)装置、ホームオートメーション機器、並びに人の入力を使用、送信、又は受信する任意の他の電子装置が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、本開示は、本開示の態様を実施及び適用できる装置の種類の例示的かつ非限定的な例を提供する。
【0036】
キーボード102は、各キーに対応する組み立てられたコンポーネントのセットを含むことができる。これらのコンポーネントのアセンブリは、それらの実質的に積層された又は積み重ねられた構成に起因して、「スタックアップ」と称されることがある。
図2は、ラップトップ(例えば、装置100)、タブレットコンピュータ、ポータブル電子装置、コンピュータアクセサリ、又は他のコンピュータコンポーネントのためのキーボード入力周辺装置又は内蔵キーボード(例えば、102)などの電子装置の一部として実装することができるキーボードアセンブリ200の分解図を示す。キーボードアセンブリ200は、少なくとも1つがキーボードの各キー又はボタンに関連して使用される、キーキャップ201のセットを有することができる。1つ以上のスイッチ構造体202(例えば、圧し潰し可能ドーム、バネ、又は他の付勢装置)が、キーキャップ201の下に配置され得る。場合によっては、スイッチ構造体202は、シート(例えば、可撓性ドームシート)として相互接続されてもよい。メンブレン204は、スイッチ構造体202の下に配置することができ、ベース層206をメンブレン204の下に配置することができる。ベース層206は、スイッチ構造体202のそれぞれに位置合わせされた凹部、開口部、又はアパーチャ(例えば、208)のセットを含むことができる。
【0037】
メンブレン204は、底層210と、底層210上に配置されたひずみゲージ212のセットと、底層210上に配置され、ひずみゲージ212のセットを入出力コネクタ又はキーボードコントローラ(図示せず)に接続する導電トレース214のセット(
図4も参照)と、ひずみゲージ212及び導電トレース214の上部に配置されるマスク層216を含むことができる。
図2~
図4及び
図6~
図8を参照されたい。底層210は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などの可撓性又は実質的に剛性の材料を含み得る。底層210及びマスク層216は、メンブレン204を通して光透過を可能にする透明又は半透明の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、光源(図示せず)が、キーキャップ201の下側に光を提供するようにメンブレンと関連付けられることにより、記号、インディシア、又はキーキャップ201の他の部分を照射することができる。いくつかの実施形態では、光源は、メンブレン204に組み込まれてもよいし、メンブレンの上方に配置されてもよいし、又は光源からの光がメンブレン204を通過してキーキャップ201に達するよう、メンブレンの下に配置されてもよい。
【0038】
図3は、キーボードアセンブリ200内のキーアセンブリ300のうちの1つの断面図を示す。キーアセンブリ300では、スイッチ構造体202は上部302を含み、上部302はベース部304に対して垂直方向に移動可能である。ベース部304は、メンブレン204に取り付けられるか、又はメンブレン204と接触している。壁部306は、上部302とベース部304とを、概ね円錐形又はドーム状の形状で連結することができる。上部302は、中空内部空洞内に下向きに延びる内側の突出部308を有することができる。空洞は、上部302及び壁部306によって形成され、メンブレン204に対向している。スイッチ構造体202を圧し潰すことにより、突出部308を動かし、ひずみゲージ400においてメンブレン204と接触させることができる。
【0039】
図4は、
図3のスイッチ構造体202の下のベース層206上のメンブレン204の上面図を示す。この図では、スイッチ構造体202の外周は破線として示されており、開口部208の外周は破線として示されている。ひずみゲージ400、402、404のセットは、メンブレン204内においてスイッチ構造体202の下方で互いに電気的に接続される。ひずみゲージ400、402、404は、ピエゾ抵抗器であってもよいし、低熱感度(すなわち、熱膨張又は収縮)を有する炭素系インク又は他の材料などのピエゾ抵抗材料を含んでもよい。したがって、ひずみゲージの抵抗は、ひずみゲージ400、402、404内に存在するひずみの変化に応じて変化し得る。
【0040】
図5は、ひずみゲージ400、402、404が互いに接続されている様子を示す簡略化された回路図を示す。この図では、ひずみゲージ400、402、404は、ハーフ・ウイートスートン・ブリッジ回路で接続されている。ハーフ・ウイートスートン・ブリッジ回路は、信号発生器VDDによって駆動電圧を提供され、電圧計VO及び接地に接続されている。電圧計VOは、ひずみゲージ400とひずみゲージ402との間に接続することができる。ひずみゲージ402及び404は、等しい非応力下抵抗を有することができ、ひずみゲージ402及び404の合計非応力下抵抗は、ひずみゲージ400の非応力下抵抗に等しくなり得る。本明細書で使用するとき、ひずみゲージは、静止しており、ユーザによって又はスイッチ構造体202の移動によって作用されないとき、「非応力下」である。したがって、それらの「非応力下抵抗」は、キーキャップ103及びスイッチ構造体202が上昇した非押下位置にあるときの抵抗を指す。
【0041】
ハーフブリッジ構成の特性により、ひずみゲージ400の抵抗の変化は、電圧計VOによって測定される電圧の変化として検出することができる。加えて、3つのひずみゲージ400、402、404の全てにおける抵抗の変化は、測定点500の両側の抵抗が実質的に等しく変化するとき、電圧計VOによって測定される電圧がほとんど又は全く変化しない結果をもたらし得る。印加された力はひずみゲージ400、402、404内のひずみ及び抵抗を線形に変化させるため、電圧計VOで生成される信号はひずみゲージ400、402、404に印加された力に線形に関連し得る。
【0042】
再び
図4を参照すると、ひずみゲージ400、402、404は、スイッチ構造体202の下方かつスイッチ構造体202の外周の内部に配置されている。中央部ひずみゲージ400は、スイッチ構造体202の中心及びベース層206の開口部208と垂直に位置合わせされることができる。周辺部ひずみゲージ402、404は、スイッチ構造体202の下にありつつも、開口部208の径方向外側かつ開口部208と重ならないようにメンブレン204上に配置することができる。周辺部ひずみゲージ402、404はまた、中央部ひずみゲージ400から離間して対称に配置され得る。
【0043】
このようにして、ひずみゲージ400、402、404は、電子装置内で、かつキーボード102内で互いに近接している。したがって、ひずみゲージは、ほぼ等しい内部温度を有することができ、スイッチ構造体202が圧し潰されていないとき、かつ突出部308又は上部302がメンブレン204と接触していないとき、実質的に等しいプレテンション力(及びひずみ)を受ける。加えて、ひずみゲージは、長距離で隔てられ、又は長尺の導電トレース214で互いに分離されてはいない。このため、中央部ひずみゲージ400の抵抗は周辺部ひずみゲージ402、404の合計抵抗に等しいことから、電圧計408での電圧測定値は、キーキャップ103が作動されていない場合、略ゼロとなり得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、初期電圧測定値をコントローラによって頻繁に(例えば、数秒毎に)感知することができ、初期電圧を駆動電圧と比較することができる。その結果、電圧計408における電圧の大きさの測定値が閾値最小値を越えるときはいつでも、コントローラは、キーが押下されたと判定することができる。したがって、押下されていないキーの測定された電圧値は、温度又は他の条件によって変化し得るが、それでもなお、システムは、キーが押下されたときを判定することができる。
【0045】
キーキャップ103が押下されると、スイッチ構造体202は、圧し潰されて中央部ひずみゲージ400と接触するように構成され得る。中央部ひずみゲージ400との接触によって、中央部ひずみゲージ400を少なくともわずかに底層210と共に、開口部208内へ下方に反らせることができる。それによって、周辺部ひずみゲージ402、404に比べて中央部ひずみゲージ400のひずみが増加する。周辺部ひずみゲージ402、404のひずみもまた、スイッチ構造体202が圧し潰されると変化し得るが、中央部ひずみゲージ400の反りのサイズ及び量がより大きいため、周辺部ひずみゲージ402、404と比較してより大きなひずみの変化を生じさせ得る。それと同時に、周辺部ひずみゲージ402、404を統合した抵抗がある程度まで増加したとしても、中央部ひずみゲージ400のひずみの増加によって、その抵抗は周辺部ひずみゲージ402、404を統合した抵抗を超えて増加し得る。したがって、キーキャップ103が作動されると、電圧計408における電圧測定値はゼロでなくなり得る。
図9及び
図10並びに本明細書におけるそれらに関連する説明も参照されたい。
【0046】
いくつかの実施形態では、スイッチ構造体202を省略することができる。そのような場合、システムはキーキャップ103の底部とメンブレン204との間の接触により打鍵を検出することができる。キーキャップ103は、ひずみゲージ400、402、404に接触しない別の弾性コンポーネント(例えば、圧縮可能本体又はばね)によってメンブレン204から離れるように付勢され得る。いくつかの実施形態では、触覚エンジン(例えば、圧電モータ)を1つ以上のキーに対して設けることができ、キーキャップが十分な力で押下されたときに、触覚フィードバック(例えば、クリック又は振動)がキーキャップにおいて生成され得る。
【0047】
加えて、電圧計408における電圧の大きさは、キーキャップ103に印加される力の量に比例し得る。例えば、電圧は、印加された力の大きさに線形に関連し得る。したがって、キーキャップ103は、閾値電圧がメンブレン204内で測定されるまで押下され得る。閾値に達すると、(電圧計408の測定値を受信する、又は電圧計408として動作する)コントローラは、キー「接続」状態を登録することができ、したがって、キーが押下されたことを判定することができる。
図9及び
図10、並びに本明細書におけるそれらに関連する説明を参照されたい。
【0048】
いくつかの実施形態では、複数の異なるキーの「接続」状態がコントローラから出力され得る。例えば、異なるキーの「接続」状態は、電圧計408によって測定される電圧の大きさが変化することに基づいて、コントローラによって検出することができる。例えば、より強く打鍵するユーザが平均的ユーザよりも大きい力でキーキャップ103を押下する場合、平均電圧より高い電圧が電圧計408によって測定されるときに、キー「接続」を提供するようにコントローラを構成することができる。別の例では、より軽く打鍵するユーザについて、平均電圧より低い電圧が測定されたときにキー「接続」を提供するようにコントローラを構成することができる。いくつかの実施形態では、ユーザはコントローラに入力を提供して、入力する力に対するキーボードの感度を決定することができる。例えば、ユーザは、カスタマイズされたキーの「接続」状態の電圧閾値又は力を決定し、提供することができる。
【0049】
加えて、いくつかの実施形態では、コントローラは、複数の異なる入力された力のレベルに応じて、複数の異なる信号を生成するように構成され得る。例えば、第1の小さい力でキーキャップ103を押下することにより、コントローラに第1の種類の信号を提供させることができ、第2のより大きな力でキーキャップ103を押下することにより、コントローラに第2の種類の信号を提供させることができる。第1の信号は、通常のキーの「接続」信号(例えば、小文字又は正常文字)であってもよく、第2の信号は、異なるキーの「接続」信号(例えば、大文字又は太字)であってもよい。同様に、異なる信号により、キーボードに異なる種類の入力(例えば、文字対数字又は他の記号)や、異なる度合の入力(例えば、ゲームキャラクタを歩かせる若しくは走らせる、又は、より強い力での入力に応答してコンピュータのボリュームをより迅速に変化させる)を生成させることができる。
【0050】
図6に示すように、キーボードアセンブリ200はまた、キーキャップ103の縁部又は角部が押下された場合に、キーキャップ103を実質的に水平かつベース層206に対し平行に保つことを助けるように構成されたキーキャップ安定板600(例えば、はさみ状又はバタフライヒンジ支持機構)のセットを含むことができる。
図6は、安定板600がベース層206に取り付けられるように延びることができる、開口部602を有するメンブレン204の上面図を示している。例えば、ブラケット604をベース層206に配置することができ、安定板600に枢動可能に取り付けることができる。同様のコネクタをキーキャップ103の下面に配置することができる。開口部602は細長い形状を有することができ、軸Yに沿った寸法が、直角をなす軸Xに沿った寸法と比べて比較的長い。
【0051】
メンブレンの材料からなるストリップ606は、ひずみゲージ400、402、404を開口部602の間に支えることができる。ストリップ606は、ベース層206の開口部208の上に延びることができる。ひずみゲージ400、402、404は、ストリップ606上で互いに平行であってもよく、ストリップ606の長手方向軸に平行かつ、開口部602の長軸(例えば、軸Y)に平行であってもよい。したがって、ひずみゲージ400、402、404は、平行な主応力軸を有することができ、主応力軸は、キーキャップ103が押し下げられたときのストリップ606の主要な屈曲方向に沿って規定される。
【0052】
スイッチ構造体202が圧し潰されると、スイッチ構造体は(例えば、ストリップ606の伸長により)ストリップ606内にひずみを生じさせることができる。ひずみは、ストリップ606の長手方向軸Yの方向において、直角をなす軸Xの方向よりも大きい。これは、開口部602の存在による影響を受けたものであり得る。開口部602の存在により、中央部ひずみゲージ400及び開口部602がメンブレン204を開口部208において下向きに屈曲させると、ストリップ606の開口部602における縁部は、内側に(すなわち、開口部208に向かって)屈曲される。したがって、メンブレン204は、ひずみゲージ400、402、404がストリップ606の縁部(すなわち、開口部602の縁部)に平行に延びることができることにより、ひずみゲージ400、402、404における伸長量を最大化し、それによって、キーが押下されたときのひずみゲージ400、402、404におけるひずみ量と抵抗変化量を最大化することができる。したがって、ひずみゲージ400、402、404をストリップ606に位置合わせすることにより、それらは(軸Yに平行な)ストリップ606の荷重軸に位置合わせされるため、打鍵(又は他の電圧変化)をより敏感に検出することができる。荷重軸は、スイッチ構造体202が圧し潰されたときの、ストリップ606の屈曲の主軸であり得る。
【0053】
図4及び
図6に示すように、いくつかの実施形態では、ダイオード610、612のセットを、ひずみゲージ400、402、404の対の間に配置することができる。ダイオード610、612は、信号のバックフィードを防止して、複数のひずみゲージ400、402、404のセット(例えば、キー列内の複数のキーアセンブリ)を、コントローラにつながる共通の導電体によって相互に接続可能とすることにより、キーボード102のコントローラにおけるキーのゴースト(key ghosting)を防止するために使用することができる。
【0054】
図4及び
図6~
図8はまた、メンブレン204の一部が導電トレース214の一部のセグメント間に絶縁層700を含み得る様子も示す。
図7は、
図6における断面線7-7を通るメンブレン204の概略側断面図である。
図8は、
図6及び
図7における断面線8-8を通るメンブレン204の概略側断面図である。例えば、絶縁層700は、メンブレン204上の交差接合部702(
図4及び
図6を参照)において実装することができる。
【0055】
メンブレン204を構成するために、ひずみゲージ400、402、404を、底層210に適用又は取り付けることができる。例えば、ひずみゲージ400、402、404は、底層210の上面に、接着、ジェット印刷、スクリーン印刷、又は別の方法で固着されたピエゾ抵抗材料(例えば、ポリマーピエゾ抵抗材料)を含み得る。
図7に示すように、底層210とゲージ材料との間に構成要素を全く介在させずにひずみゲージ(例えば、400)を底層210に取り付けることができる。このようにして、ひずみゲージ400、402、404における動きとひずみを、底層210における動きとひずみに密接に整合させることができる。
【0056】
導電トレース214も底層210に適用することができる。いくつかの実施形態では、トレース214は、印刷、エッチング、又は関連する方法を用いて底層210に適用されるように構成された銀又は同様の導電材料を含む。トレース214は、(
図3、
図4、
図6、及び
図7に示す)ひずみゲージ400、402、404の上面にわたって適用されるとともに、線状トレース214と比較して幅が拡大された導電パッド704を含むことができる。導電トレース214-aの一部を、絶縁層700が適用されることになるトレースの線状セグメント内に間隙を伴って適用することができる。いくつかの実施形態では、ダイオード610、612を、底層210又は導電トレース214上に印刷してもよいし、あるいは別の方法で取り付けてもよいし、堆積してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、絶縁体/絶縁層700を、その後、第2の導電トレース(例えば、
図7及び
図8のトレース214-aと重なり合うトレース214-b)と垂直に重なり合うことになるトレース214又は導電パッド704の上面に適用することができる。したがって絶縁層700は、メンブレン204の全表面積を被覆し、それによって厚くすることなく、下部トレース214-aを上部トレース214-bから局所的に絶縁することができる。いくつかの構成では、絶縁層700は、上部トレース214-bが下部トレース214-aに接続される必要がある場所を除いて、メンブレン204の上面全体にわたって延びることができる。絶縁層700を適用した後、上部導電トレース214-bは、絶縁層700に適用されることができるとともに、絶縁層700の位置のそれぞれの側の導電トレース214のセグメント間の電気的接続を確立することができる。
【0058】
マスク層216を下部層及びトレースの全ての上部に適用して、内部の導電材料を損傷及び露出から保護することができる。したがって、導電トレース214、パッド704及びひずみゲージ400、402、404を全て、メンブレン204内に封止することができる。いくつかの実施形態では、メンブレン204は液密とすることができ、したがって、メンブレン204の導電要素と、キーボード102に落下するあらゆる液体又は他の砕片との接触を防止することができる。したがって、メンブレン204は、電気的短絡及び関連する問題に対する改善された耐久性及び保護を有することができる。マスク層216は、底層210と同様の材料を含み得る。
【0059】
絶縁層700が配置されていない場所では、メンブレン204の全体の厚さは、約70~200マイクロメートル、又は約80~100マイクロメートルの範囲内、又は約91マイクロメートルであり得る。絶縁層700と導電トレース214-bを含めた場合、メンブレン204の全体の厚さは、約100~200マイクロメートル、又は約110~160マイクロメートルの範囲内、又は約131マイクロメートルであり得る。したがって、メンブレン204の全体的な厚さは、内部の導電体が相互に接触するため空隙を越えて屈曲又は並進しなければならない、多層メンブレンの全体厚さよりも、大幅に薄くすることができる。このため、本開示のメンブレンは、キーボード用の装置がより小型で薄く、積み重ねに必要なスペースが小さいため、より小型で薄型の装置において有益に使用することができる。
【0060】
導電パッド704をひずみゲージ400、402、404に適用するのに使用されるプロセスは、高精度プロセスであり得る。導電パッド704間のひずみゲージ400、402、404の長さは、ゲージのデフォルト又は非応力下の抵抗を規定し得る。したがって、厚さ及び幅が等しいゲージに対し、パッド704は、周辺部ゲージ402、404上に対称に、かつ各周辺部ゲージのパッド704間の長さが等しいことを確実にする方法で適用することができる。これにより、スイッチ構造体202が移動し、圧し潰されるとき、周辺部ゲージ402、404のそれぞれの抵抗値が等しく、また抵抗値が等しく変化することが確実とされる。それにより、周辺部ゲージ402、404は、互いにかつ中央部ひずみゲージ400と直列でありながら、抵抗及びサイズが等しく互いに近接しているため、メンブレン204における温度変化に対する補償を助けるのに有用である。中央部ひずみゲージ400が周辺部ゲージ402、404と同じ幅及び厚さを有する場合、中央ゲージ400用のパッド704は、中央ゲージ400に沿って、周辺部ゲージ402、404上のパッド704間の長さと比較して2倍の長さに離間させることができる。
【0061】
図9及び
図10は、打鍵中の入力された力と測定された電圧応答の経時的なプロットである。
図9は、キーキャップ103の中心におけるユーザ機器の押下に関するデータ(すなわち、キーがスイッチ構造体202の真上で押下される)を示し、
図10は、キーキャップ103の縁部及び角部におけるユーザ機器の複数の異なる押下のセットに関するデータのセットを示す。
【0062】
図9に示すように、時刻ゼロにおいて、キーキャップ103、スイッチ構造体202及びメンブレン204は静止している。印加された力はなく、中央部ひずみゲージ400の抵抗の周辺部ひずみゲージ402、404の抵抗に対する比が等しいため、顕著な出力電圧はない。したがって、システムはこの状態下で出力電圧を略ゼロに設定する方法で較正され得る。
【0063】
約400ミリ秒で、印加された力の上昇が示すように、打鍵が始まる。ひずみゲージ400、402、404の上方に取り付けられたスイッチ構造体202の変形により、出力電圧も増加し始める。しかし、メンブレン204がスイッチ構造体202の変形に反応する際に、スイッチ構造体202がひずみゲージ400、402、404のそれぞれにほぼ等しいひずみを付与するため、出力電圧は劇的に変化せずキー接続閾値電圧を下回ったままである。
【0064】
入力された力が約600ミリ秒で中間ストロークピーク(すなわち、触覚ピーク力)に達すると、スイッチ構造体202は、第1の隆起した安定位置から、第2の押し下げされた安定位置へと圧し潰され始め、それによって、キーキャップ103を下方に移動させ続けるのに必要な力を低減させる。約950ミリ秒では、スイッチ構造体202は中央部ひずみゲージ400と接触する。その時点で、中央部ひずみゲージ400が周辺部ひずみゲージ402、404よりも著しく大きいひずみの下にあるため、出力電圧は著しく変化する。したがって、出力電圧は初めてキー接続閾値電圧を超える。この時点で、スイッチ構造体202及びメンブレン204が互いに接触しており、今やユーザ機器及びキーキャップ103がスイッチ構造体202をメンブレン204に対して圧縮しているため、力の入力も劇的に増加する。
【0065】
約1300ミリ秒で、キーキャップ103への力が低減され、スイッチ構造体202は、回復を開始し、キーキャップ103を上向きに付勢して、圧し潰された安定状態(すなわち、第2の安定位置)から圧し潰されていない安定状態(すなわち、第1の安定位置)に遷移する。したがって、スイッチ構造体202は双安定構造であり得るが、圧し潰された安定状態から圧し潰されていない安定状態に弾性的に回復するように構成されることもできる。スイッチ構造体202が中央部ひずみゲージ400との接触から外れると、出力電圧がキー接続閾値電圧未満まで再び降下するので、出力電圧測定値を受信するコントローラは、キーがもはや押下されていないと判定することができる。
【0066】
特に、スイッチ構造体202が中央部ひずみゲージ400と接触している間、出力電圧は変化し得る。このため、出力電圧は、例えば、軽い打鍵、強い打鍵、漸増する力での打鍵、漸減する力での打鍵、震える力での打鍵、随伴する入力、及びこれらの組み合わせなどの広範囲である可能な入力を区別するための制御信号として使用され得る。したがって、キーボードを、キー「接続」又は「切断」信号を受信するだけではなく、可変の種類の入力を単一のキーキャップから受信するために有利に使用することができる。
【0067】
更に、いくつかの実施形態では、異なる条件下で閾値電圧を高くしたり低くしたりできるような方法で、キー接続閾値電圧をユーザによる制御又はシステムによる制御とすることができる。例えば、より軽く打鍵するユーザは低い閾値を選択することができ、より強く打鍵するユーザは高い閾値を選択することができる。いくつかの場合では、それぞれのキーを、異なる閾値電圧及び、ゆえに異なる打鍵力閾値で、個々に構成することができる。システムは、キーへの軽い(又は強い)ユーザ入力を検出することなどによって、ユーザのタイピング特性を学習するように構成することができ、その後、キー接続閾値を自動的に減少(又は増大)させてユーザの特性に適合させることができる。例えば、キーボードコントローラ又は接続された電子装置は、キーボードへのユーザ入力に基づいて、力測定値を受信することができる。力測定値により、現在の構成のキーボードに対する軽過ぎる又は強過ぎる力の印加によるユーザエラーを示す挙動について分析することができる。例えば、ユーザエラーは、「接続」状態を作動させるのに十分な力を印加することができないことを示す打鍵のセットの検出(例えば、軽すぎて最小力閾値を超えられない押下のセットに続く、より強い同様の打鍵のセット、又は最小力閾値を超えられなかった後に繰り返される打鍵のセットの検出)、又は故意でない打鍵を示す打鍵のセットの検出(例えば、軽い打鍵の後には通常バックスペースが打鍵されるが、強い打鍵はそうでない。)を含み得る。次いで、コントローラは、故意でない打鍵の数を低減するため、又は入力する力の欠如により正式に記録(register)されなかったとみられる意図的な打鍵を登録するため、キー接続閾値を増減させることで、これらのエラーを補償することができる。これにより、より軽いタッチのユーザは、所望よりも強く押下する必要がなく、またより強いタッチのユーザは、意図しない打鍵が入力されてしまう場合を減らせるため、キーボードをユーザにとってより快適なものとすることができる。
【0068】
図10に示すように、入力された力がキーキャップ103の縁部及び角部に印加されたとき、電圧出力応答は、キーキャップが中央で押下されたときの出力と同様となり得る。換言すれば、約1000ミリ秒で、出力電圧はキー接続閾値電圧を超えることができ、それはスイッチ構造体202が圧し潰されてメンブレン204と接触した後である。同様に、キーキャップ103への力を解放すると、スイッチ構造体202は回復することができ、それにより出力電圧はキー接続閾値電圧を再び下回る。したがって、いくつかの従来のキーボードでは、打鍵の力がキーキャップの角部又は周辺縁部に印加された場合に検出ができないが、本開示のメンブレン204の感度は、キーキャップ103の上部のあらゆる位置での打鍵を検出するのに十分である。したがって、スイッチ構造体202にキー安定板(例えば、600)を加える必要性は、導電材料を反らせて他の導電材料に接触させる圧し潰し可能ドームを有する従来のキーキャップと比較して、低減又は排除される。加えて、キーキャップ103の最小厚さ及び剛性を低減することができる。
【0069】
現在の技術に適用可能な範囲で、様々なソースから入手可能なデータを収集及び使用することにより、招待コンテンツ又はユーザが関心を持ち得る任意の他のコンテンツのユーザへの配信を改善することができる。本開示は、いくつかの例において、この収集されたデータは、特定の人を一意に特定する個人情報データ、又は特定の人に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを想到している。そのような個人情報データには、人口統計データ、位置ベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッター(登録商標)ID、住所、ユーザの健康又はフィットネスレベル(例えば、バイタルサイン測定、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意の他の識別情報若しくは個人情報を含むことができる。
【0070】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、よりユーザの興味を引く対象のコンテンツを配信するために、個人情報データが使用されてもよい。従って、そのような個人情報データの使用は、配信されるコンテンツの計算された制御をユーザができるようにする。更には、ユーザに利益をもたらす、個人情報データに関する他の使用もまた、本開示によって想到される。例えば、健康データ及びフィットネスデータは、ユーザの全般的なウェルネスについての洞察を提供するために使用することができ、あるいは、ウェルネスの目標を追求するための技術を使用している個人への、積極的なフィードバックとして使用することもできる。
【0071】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、伝送、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変化するにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。更には、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護して安全化し、その個人情報データへのアクセスを有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を遵守することを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更には、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーのポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、第三者による評価を自らが受けることができる。更に、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データの種類に適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、アメリカ合衆国では、特定の健康データの収集又はアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act、HIPAA)などの、連邦法及び/又は州法によって管理することができ、その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国の異なる個人データの種類に関して、異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0072】
前述のことがらにもかかわらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するように、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を提供することができると想到する。例えば、広告配信サービスの場合において、本技術は、ユーザが、サービスの登録中又はその後のいつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択できるように構成され得る。別の実施例では、ユーザは、ターゲットコンテンツ配信サービスにムード関連データを提供しないように選択することができる。更に別の実施例では、ユーザは、ムード関連データが維持される期間を制限するか、又は基準ムードプロファイルの展開を完全に禁止することを選択することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」の選択肢を提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを想到する。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリのダウンロード時にユーザに通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
【0073】
更には、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは無許可アクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなった時点で削除することによって、危険性を最小限に抑えることができる。更には、適用可能な場合、特定の健康関連アプリケーションにおいて、ユーザのプライバシーを保護するために、データの非特定化を使用することができる。非特定化は、適切な場合には、特定の識別子(例えば、生年月日など)を除去すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを住所レベルよりも都市レベルで収集すること)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、データをユーザ全体にわたって集約すること)、及び/又は他の方法によって、容易にしてもよい。
【0074】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実装するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものではあるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実装することもまた可能であることを想到している。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部分が欠如することにより、実施不可能となるものではない。例えば、コンテンツは、ユーザに関連付けられた装置によりリクエストされたコンテンツ、コンテンツ配信サービスで使用可能な他の非個人情報、若しくは公的に使用可能な情報などの、非個人情報データ又は個人情報の最小限の量のみに基づいて嗜好を推測することにより、選択してユーザに配信することができる。
【0075】
前述の記載では、説明のために、記載された実施形態の完全な理解をもたらすために特定の専門用語を用いた。しかし、記述される実施形態を実施するために、具体的な詳細は必要とされないことは、当業者には明らかであろう。従って、本明細書に述べられる特定の実施形態の前述の説明は、実例及び説明の目的で提示されている。これらの説明は、網羅的であることも、又は開示する厳密な形態に実施形態を限定することも、目的としていない。上記の教示を考慮すれば、多くの変更及び変形が可能であることが、当業者には明らかであろう。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
第1の位置、第2の位置、及び第3の位置の間で前記ベースに対して並進するように構成されたキーキャップと、
前記キーキャップと前記ベースとの間に配置されたメンブレン層であって、
可撓性シートと、
前記キーキャップと前記ベースとの間の前記可撓性シート上に配置され、可変第1抵抗を有する第1のピエゾ抵抗器と、
前記キーキャップと前記ベースとの間の前記可撓性シート上に配置され、可変第2抵抗を有する第2のピエゾ抵抗器と、
前記第1のピエゾ抵抗器を前記第2のピエゾ抵抗器に接続する導電体と、を含むメンブレン層と、
を備え、
前記第1の位置及び前記第2の位置の間の前記キーキャップの移動に応じて、前記導電体で測定され且つ前記可変第1抵抗及び前記可変第2抵抗の比率によって影響される電圧は、所定の閾値よりも小さく、
前記第2の位置及び前記第3の位置の間の前記キーキャップの移動に応じて、前記導電体で測定され且つ前記可変第1抵抗及び前記可変第2抵抗の前記比率によって影響される前記電圧は、少なくとも前記第1のピエゾ抵抗器の変形に起因して前記所定の閾値よりも大きい、
キーボード。
【請求項2】
前記導電体は、ハーフブリッジ構成で前記第1のピエゾ抵抗器及び前記第2のピエゾ抵抗器を接続する、請求項1に記載のキーボード。
【請求項3】
前記キーキャップの前記第1の位置は、静止位置であり、前記第3の位置は、押し下げられた位置であり、前記第2の位置は、前記第1の位置と前記第2の位置との間にある、請求項1に記載のキーボード。
【請求項4】
前記第1のピエゾ抵抗器及び前記第2のピエゾ抵抗器と垂直に位置合わせされたスイッチ構造体をさらに備える、請求項1に記載のキーボード。
【請求項5】
前記スイッチ構造体は、前記第1のピエゾ抵抗器に前記第2のピエゾ抵抗器と異なる応力を加えるために圧し潰し可能である、請求項4に記載のキーボード。
【請求項6】
前記スイッチ構造体は、前記キーキャップが前記第1の位置から前記第2の位置へ並進することに応じて、隆起した安定位置から、押し下げられた安定位置へ圧し潰し可能なドームを含む、請求項4に記載のキーボード。
【請求項7】
前記所定の閾値は、キー接続閾値である、請求項1に記載のキーボード。
【請求項8】
少なくとも前記第1のピエゾ抵抗器の前記変形は、前記第2の位置及び前記第3の位置の間の前記キーキャップの移動に応じて前記第2のピエゾ抵抗器の変形よりも大きい、請求項1に記載のキーボード。
【請求項9】
前記第3の位置及び第4の位置の間の前記キーキャップの移動に応じて、前記導電体で測定され、且つ前記可変第1抵抗の前記可変第2抵抗に対する前記比率によって影響される前記電圧は、前記所定の閾値よりも小さい、請求項1に記載のキーボード。
【請求項10】
電子デバイスであって、
底層と、
前記底層にわたって延びる可撓性メンブレンと、
前記可撓性メンブレン上に配置されたピエゾ抵抗センサと、
前記ピエゾ抵抗センサの上に配置され、且つ前記ピエゾ抵抗センサを反らせるように前記ピエゾ抵抗センサに対して押し潰し可能な中央部分を有する、押し潰し可能ドームと、
前記ピエゾ抵抗センサにわたる電圧変化を測定するために前記ピエゾ抵抗センサと電気的に通信するコントローラであって、前記押し潰し可能ドームの前記中央部分の押し潰しは、閾値電圧を超えるように前記電圧変化を増加させる、コントローラと、
を備える電子デバイス。
【請求項11】
前記コントローラは、前記電圧変化が前記閾値電圧を超えたことに応じて前記押し潰し可能ドームにおけるボタン押下を検出するようにさらに構成される、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記可撓性メンブレン上に配置され、前記押し潰し可能ドームの前記中央部分が押し潰された場合に前記中央部分から離間して配置される第2のピエゾ抵抗センサをさらに備える、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項13】
第2のピエゾ抵抗センサをさらに備え、前記ピエゾ抵抗センサの第1の抵抗は、前記第2のピエゾ抵抗センサの第2の抵抗に対して変化するように構成される、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記押し潰し可能ドーム上に配置されたキーキャップをさらに備え、前記キーキャップのエッジに加えられた下方への力に応じて、前記押し潰し可能ドームの前記中央部分の前記押し潰しは、前記閾値電圧を超えるように前記電圧変化を増加させる、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項15】
キーボードであって、
可撓性シートと、
前記可撓性シート上に配置された第1のひずみゲージと、
前記可撓性シート上に配置された少なくとも1つの追加のひずみゲージであって、前記第1のひずみゲージ及び前記少なくとも1つの追加のひずみゲージは互いに電気的に通信する、少なくとも1つの追加のひずみゲージと、
前記第1のひずみゲージと及び前記少なくとも1つの追加のひずみゲージの上に配置されたスイッチ構造体であって、前記第1のひずみゲージ及び前記少なくとも1つの追加のひずみゲージを反らせる位置に移動可能である、スイッチ構造体と、
を備えるキーボード。
【請求項16】
前記第1のひずみゲージは、可変第1抵抗を有し、前記少なくとも1つの追加のひずみゲージは、可変第2抵抗を有し、前記可変第1抵抗は、前記スイッチ構造体が前記第1のひずみゲージ及び前記少なくとも1つの追加のひずみゲージを反らせる前記位置に移動することに応じて、前記可変第2抵抗とは異なるレートで変化するように構成される、請求項15に記載のキーボード。
【請求項17】
前記スイッチ構造体は、前記少なくとも1つの追加のひずみゲージよりも前記第1のひずみゲージを大きく反らせる位置に移動可能である、請求項15に記載のキーボード。
【請求項18】
前記第1のひずみゲージ及び前記少なくとも1つの追加のひずみゲージは、ハーフブリッジ構成で接続される、請求項15に記載のキーボード。
【請求項19】
前記スイッチ構造体は、外周を含み、前記第1のひずみゲージ及び前記少なくとも1つの追加のひずみゲージは少なくとも部分的に前記外周の下に配置される、請求項15に記載のキーボード。
【請求項20】
前記第1のひずみゲージの非応力下抵抗は、前記少なくとも1つの追加のひずみゲージの非応力下抵抗と等しい、請求項15に記載のキーボード。
【外国語明細書】