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  • 特開-冷却システム 図1
  • 特開-冷却システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122957
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】冷却システム
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20220816BHJP
   F25D 17/08 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
F25D11/00 101W
F25D11/00 101F
F25D17/08 302
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022088918
(22)【出願日】2022-05-31
(62)【分割の表示】P 2020005162の分割
【原出願日】2020-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】503396309
【氏名又は名称】生活協同組合コープさっぽろ
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 浩二
(72)【発明者】
【氏名】立石 裕之
(72)【発明者】
【氏名】野坂 卓見
(57)【要約】
【課題】冷媒を使用せずに冷却室を冷却すること。
【解決手段】冷却室を備える冷却システムであって、電流が流れることにより一方の面が冷却面となり、当該冷却面の反対側の面が放熱面となるペルチェ素子と、冷却面に接続し、かつ前記冷却室の外側を循環するように設けられた空冷通路と、空冷通路に設けられ、当該空冷通路内の空気を冷却室内に送る送風装置と、放熱面を冷却する冷却水が循環する冷却水流路とを含み、冷却面は、複数の冷却室に対して鉛直上方向に位置するように前記空冷通路に接続し、空冷通路は、冷却面に接続し、略水平方向に空気が移動する部分である上部分と、当該上部分に直接接続し、上部分に対して鉛直下方向に空気が移動する部分である下方向移動部分とを有するように設けられることを特徴とする冷却システムを提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却室を備える冷却システムであって、
電流が流れることにより一方の面が冷却面となり、当該冷却面の反対側の面が放熱面となるペルチェ素子と、
前記冷却室と前記冷却面とに接続し、かつ前記冷却室の外側を循環するように設けられた空冷通路と、
前記空冷通路に設けられ、当該空冷通路内の空気を前記冷却室内に送る送風装置と、
前記放熱面を冷却する冷却水が循環する冷却水流路とを含み、
前記冷却面は、前記冷却室に対して鉛直上方向に位置するように前記空冷通路に接続し、
前記空冷通路は、
前記冷却面に接続し、略水平方向に空気が移動する部分である上部分と、
当該上部分に直接接続し、前記上部分に対して鉛直下方向に空気が移動する部分である下方向移動部分とを有するように設けられる
ことを特徴とする冷却システム。
【請求項2】
前記冷却水流路に接続し、かつ前記冷却室に対して鉛直上方向に位置するように設けられ、前記冷却水流路内の前記冷却水を冷却するラジエータを含む
ことを特徴とする請求項1記載の冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送車に搭載される冷却室を備える冷却システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、移動販売などを行うために物品を配送する配送車では、食物などの冷蔵若しくは冷凍状態での保存を必要とする物品を配送する場合等において、当該物品を冷却する冷却室が備えられる。従来、冷却室での冷却方法としては、配送車が備えるコンプレッサやエバポレータなどの装置を動作させ、例えばフロンなどの冷媒が気化する際に発生する気化熱を利用するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-108633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した冷却方法の場合、配送車の振動などが原因で、地球環境へ悪影響を与え得る冷媒が装置外に漏洩する可能性があるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した問題を解消し、冷媒を使用せずに配送車の冷却室を冷却することができる冷却システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る冷却システムは、配送車に搭載される、冷却室を備える冷却システムであって、電流が流れることにより一方の面が冷却面となり、当該冷却面の反対側の面が放熱面となるペルチェ素子と、前記冷却室と前記冷却面とに接続するように設けられた空冷通路と、前記空冷通路に設けられ、当該空冷通路内の空気を前記冷却室内に送る送風装置と、前記放熱面に接続するように設けられ、当該放熱面を冷却する冷却水が流れる冷却水流路と、前記冷却水流路に接続するように設けられ、当該冷却水流路内で前記冷却水を循環させる冷却水ポンプと、前記冷却水流路に接続するように設けられ、当該冷却水流路内の前記冷却水を冷却するラジエータとを含むことを特徴とするものである。
【0007】
上記の構成としたことで、冷媒を使用せずに配送車の冷却室を冷却することが可能になる。
【0008】
また、前記冷却システムは、前記放熱面に接続するように設けられた放熱プレートを含み、前記冷却水流路は、前記放熱プレートを介して前記放熱面に接続するように設けられ、当該放熱プレートを介して前記放熱面を冷却する前記冷却水が流れる特徴としてもよい。
【0009】
上記の構成をとれば、ペルチェ素子の放熱面の冷却効率を上げることが可能になる。
【0010】
また、前記冷却システムは、前記冷却面に接続するように設けられたヒートシンクを含み、前記空冷通路は、前記ヒートシンクを介して前記冷却面に接続するように設けられ、前記送風装置は、前記ヒートシンクを介して前記冷却面により冷却された前記空冷通路内の空気を前記冷却室に送る特徴としてもよい。
【0011】
上記の構成をとれば、ペルチェ素子の放熱面を冷却する効率を向上させることで、結果としてペルチェ素子による冷却室に対する冷却効率の低下を防止することが可能になる。
【0012】
また、前記冷却システムは、前記ペルチェ素子の動作を制御する制御手段を含んでもよい。
【0013】
上記の構成をとれば、配送対象の物品に応じた温度になるように冷却室を冷却することが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、冷媒を使用せずに配送車の冷却室を冷却することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る配送車TRの例を説明するための説明図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る冷却システム100の例を示す概略説明図である。
図3】本実施形態の冷却システム100の冷却動作による温度変化の一例について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明に係る配送車TRの例を説明するための説明図である。図1に示す配送車TRは、物品を配送するための自動車である。配送車TRは、配送対象の物品(配送対象物品)を冷却する冷却保存庫CSを備える。冷却保存庫CSは、少なくとも1の冷却室を備える。各冷却室では、物品の冷蔵若しくは冷凍での保存が行われる。
【0017】
図2は、本発明の一実施の形態に係る冷却システム100の例を示す概略説明図である。冷却システム100は、配送車TRに搭載され、冷却保存庫CS内に格納された物品を冷却する。冷却システム100は、冷却室10と、空冷管20と、送風装置30と、ペルチェユニット40と、CPU50と、冷却水管60と、冷却水ポンプ70と、ラジエータ80とを含む。冷却システム100は、配送車TRに備えられ、ペルチェユニット40によって冷却室10を冷却することで、当該冷却室10に格納された配送対象物品を冷却する機能を有する。
【0018】
冷却室10は、配送対象物品を格納する部屋である。冷却システム100は、少なくとも1の冷却室10を備える。それぞれの冷却室10は、開閉ドア(図示されていない)を備える。冷却システム100では、開閉ドアが開いている状態で、作業者が配送対象物品を冷却室10内に格納し、配送対象物品の格納後、開閉ドアが閉まっている状態で、配送車TRが配送先の場所に移動する。
【0019】
空冷管20は、内側に空冷通路21を形成する。本例では、空冷管20は、空冷通路21が循環するように設けられる。空冷通路21は、冷却室10に接続するように設けられる。また、空冷通路21は、後述するペルチェ素子41の冷却面に接続するように設けられる。本例では、空冷通路21とそれぞれの冷却室10とを接続する接続口22が空冷管20に形成されることにより、空冷通路21内の空気が接続口22を介して冷却室10内に流れる。なお、空冷通路21の形成方法は特に限定されず、例えば空冷管20を用いずに少なくとも1の他の構成を用いて形成されてよい。
【0020】
送風装置30は、空冷通路21に設けられ、当該空冷通路21内の空気を冷却室10に送る装置である。本例では、送風装置30は、空冷通路21内の空気を循環させ、さらに当該空気をそれぞれの冷却室10に送る。送風装置30は、例えば送風ファンである。送風装置30により、ペルチェ素子41の冷却面で冷却された空冷通路21内の空気を冷却室10に送ることが可能になる。
【0021】
ペルチェユニット40は、空冷通路21内の空気を冷却するための装置である。ペルチェユニット40は、ペルチェ素子41と、ヒートシンク42と、放熱プレート43とを備える。本例では、冷却システム100は、複数のペルチェユニット40を含む。冷却システム100は、1のペルチェユニット40が含んでもよいし、2以上のペルチェユニット40が含んでもよい。本例では、冷却システム100は、4個のペルチェユニット40を含む。冷却システム100が含むペルチェユニット40の数は、冷却室10の広さや数、冷却温度、送風装置30の性能などに基づいて決定されてもよい。
【0022】
ペルチェ素子41は、電流が流れると片方の面から反対側の面に熱が移動する熱電素子の一種である。すなわち、ペルチェ素子41は、電流が流れることにより一方の面が冷却面となり、当該冷却面の反対側の面が放熱面となる熱電素子の一種である。ここで、ペルチェ素子41の冷却面とは、ペルチェ素子41に電流を流したときに吸熱(冷却)が起こる面をいう。また、ペルチェ素子41の放熱面とは、ペルチェ素子41に電流を流したときに放熱が起こる面をいう。ペルチェ素子41の冷却面は、空冷通路21に接続するように設けられ、空冷通路21内の空気を冷却する。空冷通路21内の冷却された空気は、上述したように、送風装置30により冷却室10に送られる。
【0023】
ヒートシンク42は、ペルチェ素子41の冷却面に接続するように設けられる。すなわち、空冷通路21は、ヒートシンク42を介して冷却面に接続するように設けられる。ヒートシンク42は、ペルチェ素子41の冷却面よりも表面積が大きいものが用いられることが好ましい。ここで、送風装置30は、ヒートシンク42を介して冷却面により冷却された空冷通路21内の空気を冷却室10に送る。空冷通路21の空気は、ヒートシンク42を介してペルチェ素子41の冷却面により冷却される。なお、ヒートシンク42を構成する材料は、例えばアルミニウム合金である。このように、空冷通路21内の空気の冷却に際しヒートシンク42を介することで、冷却室10の冷却効率を上げることが可能である。
【0024】
放熱プレート43は、ペルチェ素子41の放熱面に接続するように設けられる。すなわち、冷却水流路61は、放熱プレート43を介して放熱面に接続するように設けられる。ここで、冷却水流路61は、放熱プレート43を介して放熱面を冷却する冷却水が流れる。ペルチェ素子41は、放熱プレート43を介して冷却水流路61の冷却水に放熱面から放熱する。なお、例えば放熱プレート43は、所謂コールドプレートでよい。また、放熱プレート43を構成する材料は、例えばアルミニウム合金である。このように、ペルチェ素子41の放熱面を水冷化し当該放熱面の冷却効率を上げることで、結果としてペルチェ素子41による冷却室10に対する冷却効率の低下を防止することが可能になる。
【0025】
CPU50は、ペルチェ素子41の動作を制御する制御手段の一例である。具体的には、CPU50は、ペルチェ素子41の空冷通路21側の面が冷却面に、当該冷却面の反対側の面が放熱面になるように、ペルチェ素子41に流れる電流を制御する。CPU50は、冷却室10内の物品に応じて、ペルチェ素子41に対する印加電流(印加電圧)を制御してもよい。また、CPU50は、冷却システム100が複数のペルチェ素子41を含む場合、それぞれのペルチェ素子41毎に動作を制御してもよい。ペルチェ素子41の動作を制御することで、配送対象物品に適する温度になるように冷却室を冷却することが可能になる。
【0026】
冷却水管60は、内側に冷却水流路61を形成する。本例では、冷却水管60は、冷却水流路61が循環するように設けられる。冷却水流路61は、ペルチェ素子41の放熱面に接続するように設けられ、当該放熱面を冷却する冷却水が流れる。本例では、放熱プレート43を介して、ペルチェ素子41の放熱面から熱が冷却水へと移動する。すなわち、冷却水流路61を流れる冷却水は、放熱プレート43を介してペルチェ素子41の放熱面を冷却する。なお、冷却水流路61の形成方法は特に限定されず、例えば冷却水管60を用いずに少なくとも1の他の構成を用いて形成されてよい。
【0027】
冷却水ポンプ70は、冷却水流路61に設けられ、当該冷却水流路61内で冷却水を循環させる。冷却水ポンプ70は、ペルチェ素子41の放熱面の熱を受け取る(すなわち放熱面を冷却する)冷却水を順次供給することができれば特に限定されない。冷却水ポンプ70により順次供給される冷却水を用いることで、空冷の場合と比較して、ペルチェ素子41の放熱面を効率的に冷却することが可能になる。
【0028】
ラジエータ80は、冷却水流路61に設けられ、当該冷却水流路61内の冷却水を冷却する。具体的には、ラジエータ80は、冷却水流路61の途中に設けられ、ペルチェ素子41の放熱面を冷却するために用いられた当該冷却水流路61内の冷却水を冷却する。例えば、ラジエータ80は、冷却水が流れるラジエータ管と、ラジエータ管内の冷却水を冷却するための冷却用ファンとを備えてもよい。ラジエータ80が冷却した冷却水を用いることで、ペルチェ素子41の放熱面を冷却する効率を上げることが可能になる。
【0029】
ここで、本実施形態の冷却システム100が冷却室10の冷却動作を行うことによる、当該冷却室10内の空気の温度と冷却システム100外の空気との間の温度差の発生の一例について説明する。図3は、本実施形態の冷却システム100の冷却動作による温度変化の一例について説明するための説明図である。図3には、冷却室10内の空気の温度変化及び冷却システム100外の空気の温度変化を示すグラフが示されている。
【0030】
以下、図3のグラフに示される温度変化について説明する。冷却システム100では、測定開始時点の0分時点から冷却動作が開始されている。冷却室10内の空気の温度は、0分時点での摂氏7.5度付近であり、冷却システム100外の空気と同じ温度である。冷却室10内の空気の温度は、時間が経過するに従って下降している。一方、冷却システム100外の空気の温度は、0分時点から6分時点まで一定である。ここで、冷却システム100外の空気の温度を、6分時点から時間が経過するに従って上昇させる。冷却システム100外の空気は、30分時点で摂氏17.5度付近になっている。
【0031】
一方で、冷却室10内の空気の温度は、6分経過後も時間が経過するに従って下降していて、30分時点で摂氏3度付近になっている。30分時点で、冷却室10内の空気の温度と、冷却システム100の外気の温度との差は、おおよそ摂氏14.5度になっている。なお、30分時点での空冷管20内におけるペルチェユニット40付近の空気は、グラフ中の黒点で示されるように約摂氏2度である。このように、冷却システム100は、外気よりも低く物品の保存に適した温度まで冷却室10内の空気を冷却することが可能である。
【0032】
以上、本実施形態の冷却システム100の各構成について説明した。なお、本実施形態の冷却システム100の全体の動作の流れは以下のようになる。まず、電流が流れているペルチェ素子41の冷却面は、空冷管20により形成された空冷通路21内の空気を冷却する。次に、送風装置30は、空冷通路21内の空気を冷却室10内に送り、冷却室10内は冷却される。また、冷却水管60により形成された冷却水流路61を循環する冷却水は、電流が流れているペルチェ素子41の放熱面を冷却する。ここで、冷却水ポンプ70は、冷却水流路61の冷却水を循環させる。また、ラジエータ80は、冷却水流路61に接続するように設けられ、冷却水流路61内の冷却水を冷却し、当該冷却水によるペルチェ素子41の放熱面の冷却が順次に行われる。
【0033】
以上のように、本発明の冷却システム100によれば、配送車TRに搭載され、冷却室を備え、電流が流れることにより一方の面が冷却面となり、当該冷却面の反対側の面が放熱面となるペルチェ素子41と、冷却室10と冷却面とに接続するように設けられた空冷通路21と、空冷通路21に設けられ、当該空冷通路21内の空気を冷却室10内に送る送風装置30と、放熱面に接続するように設けられ、当該放熱面を冷却する冷却水が流れる冷却水流路61と、冷却水流路61に接続するように設けられ、当該冷却水流路61内で冷却水を循環させる冷却水ポンプ70と、冷却水流路61に接続するように設けられ、当該冷却水流路61内の冷却水を冷却するラジエータ80とを含むので、冷媒を使用せずに配送車TRの冷却室10を冷却することが可能になる。
【0034】
また、冷却システム100が、放熱面に接続するように設けられた放熱プレート43を含み、冷却水流路61は、放熱プレート43を介して放熱面に接続するように設けられ、当該放熱プレート43を介して放熱面を冷却する冷却水が流れる構成をとれば、ペルチェ素子41の放熱面を冷却する効率を上げることが可能になる。また、冷却システム100が、冷却面に接続するように設けられたヒートシンク42を含み、空冷通路21は、ヒートシンク42を介して冷却面に接続するように設けられ、送風装置30は、ヒートシンク42を介して冷却面により冷却された空冷通路21内の空気を冷却室に送る構成をとれば、ペルチェ素子41の放熱面を冷却する効率を向上させることで、結果としてペルチェ素子41による冷却室10に対する冷却効率の低下を防止することが可能になる。冷却システム100が、ペルチェ素子41の動作を制御する制御手段を含む構成をとれば、配送対象物品に応じた温度になるように冷却室10を冷却することが可能になる。
【0035】
なお、上記の例では、ペルチェユニット40が、ペルチェ素子41の冷却面にヒートシンク42を、放熱面に放熱プレート43を備えている場合について説明したが、ペルチェユニット40の構成は上記の例に限定されない。例えば、ペルチェユニット40は、冷却面にコールドプレートを、放熱面にヒートシンクを備えてもよいし、あるいは冷却面若しくは放熱面の一方又は双方に何れの構成も備えなくてよい。ペルチェユニット40の構成は、適宜決定され得る。
【0036】
また、上記の例では、ペルチェユニット40がヒートシンク42と放熱プレート43とを備える場合について説明したが、他の構成を備えてもよい。例えば、ペルチェユニット40は、冷却面側にファン(送風器)を備えてもよい。送風装置30とは別にペルチェユニット40自体がファンを備えることで、ペルチェ素子41の冷却面により冷却された空気をより効率的に送ることが可能になる。なお、ペルチェユニット40は、放熱面から冷却面に熱が移動しないように断熱板を備えてもよい。
【0037】
また、上記の例では、1の循環する空冷通路21内の空気が接続口22を介して冷却室10内に流れる場合について説明したが、空冷通路21は、例えば冷却室10に対応して複数存在し、複数の空冷通路21に対応する少なくとも1のペルチェ素子41がそれぞれ動作してもよい。少なくとも1のペルチェ素子41が独立して対応する空冷通路21内の空気を冷却することで、冷却室10毎に冷却の度合い、すなわち冷却室10の温度を決めることができ、保存に適する温度が異なる複数種類の物品を保存する場合でも、各物品に合わせた温度での保存が可能になる。なお、配送対象の物品の種類に基づいて、各空冷通路21に設けられるペルチェユニット40の性能若しくは数の一方または双方が決定されてもよい。
【0038】
また、上記の例では、ペルチェ素子41の冷却面に冷却された空気が空冷通路21を通って冷却室10に送られる場合について説明したが、ペルチェ素子41の冷却面が冷却室10に接続されてもよい。また同様に、ペルチェ素子41の冷却面がヒートシンク42を介して冷却室10に接続されてもよい。すなわち、ペルチェ素子41の冷却面は、冷却室10内の空気を直接冷却してもよい。
【0039】
また、上記の例では、空冷管20に接続口22が形成されて空冷通路21と冷却室10とが直接接続される場合について説明したが、空冷通路21と冷却室10とは、間に他の構成を介して接続されてもよい。例えば、冷却システム100は、冷却室10と接続口22との間に接続管を含み、ペルチェユニット40が冷却した空冷通路21内の空気が接続管を経由して冷却室10に流れ込んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、配送車の冷却室内を、冷媒を用いずに冷却するのに有用である。
【符号の説明】
【0041】
100 冷却システム
10 冷却室
20 空冷管
21 空冷通路
30 送風装置
40 ペルチェユニット
41 ペルチェ素子
42 ヒートシンク
43 放熱プレート
50 CPU
60 冷却水管
61 冷却水流路
70 冷却水ポンプ
80 ラジエータ
図1
図2
図3