(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122979
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】取り揃え支援システム、取り揃え支援方法、取り揃え支援プログラム、照合支援システム、及び照合支援プログラム
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20220816BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20220816BHJP
G16H 40/20 20180101ALI20220816BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
B65G1/137 A
G16H40/20
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022091707
(22)【出願日】2022-06-06
(62)【分割の表示】P 2018068284の分割
【原出願日】2018-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】羽星 輝秀
(57)【要約】
【課題】取り揃え業務における薬品容器の紛失又は盗難を抑制するとともに作業者の手間を軽減することが可能な取り揃え支援システム等を提供すること。
【解決手段】取り揃え支援システムは、一又は複数の取り揃え対象薬品容器と前記取り揃え対象薬品容器各々の必要数とを示す取り揃えデータを取得する取得処理部と、前記取り揃えデータが示す前記取り揃え対象薬品容器が取り揃えられたかどうかを確認する取り揃え確認処理を実行する取り揃え確認処理部と、前記取り揃えデータが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に、予め定められた制限条件を満たす薬品容器が含まれる場合に、前記取り揃え確認処理部による前記取り揃え確認処理の実行を制限可能な制限処理部とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬品の必要数を示す取り揃えデータを取得する取得処理部と、
前記取り揃えデータが示す前記薬品の中に予め定められた制限条件を満たす薬品が含まれる場合に前記取り揃えデータに基づく所定の処理の実行を制限可能な制限処理部と、
を備える、取り揃え支援システム。
【請求項2】
前記薬品の在庫数を管理する在庫管理処理部を更に備え、
前記制限条件は、前記薬品の必要数に対して当該薬品の在庫数が不足していることである、
請求項1に記載の取り揃え支援システム。
【請求項3】
前記取り揃えデータは、処方データである、
請求項1又は2に記載の支援システム。
【請求項4】
前記所定の処理は、前記薬品を払い出す処理である、
請求項1~3のいずれかに記載の支援システム。
【請求項5】
薬品の必要数を示す取り揃えデータを取得する取得することと、
前記取り揃えデータが示す前記薬品の中に予め定められた制限条件を満たす薬品が含まれる場合に前記取り揃えデータに基づく所定の処理の実行を制限することと、
を含む、取り揃え支援方法。
【請求項6】
一又は複数のプロセッサーに、
薬品の必要数を示す取り揃えデータを取得する取得することと、
前記取り揃えデータが示す前記薬品の中に予め定められた制限条件を満たす薬品が含まれる場合に前記取り揃えデータに基づく所定の処理の実行を制限することと、
を実行させるための取り揃え支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院等の医療機関で行われる薬品の取り揃え業務を支援する取り揃え支援システム、取り揃え支援方法、取り揃え支援プログラム、照合支援システム、及び照合支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院等の医療機関では、複数の薬品容器を取り揃える取り揃え業務が行われることがある。例えば、発行された注射箋に基づいて、当該注射箋に記された複数の薬品容器(バイアル、アンプル、輸液バッグなど)をそれぞれの保管場所から取り出して一箇所に(例えば、1つのトレイ上に)集める取り揃え業務が行われることがある。前記注射箋に基づいて取り揃えられた複数の薬品容器は、前記注射箋に記されているものと相違がないかチェックされた後、前記注射箋に対応する患者の元へと運ばれる。
【0003】
医療現場における薬品の取り扱い負担を軽減するための装置として、薬品格納部から出庫された薬品を検出する機能を備え、注射箋データにおいて出庫指示されている薬品と薬品格納部から出庫された薬品とが異なっている場合に、不正な出庫が行われている旨を通知することが可能な薬品管理装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、取り揃え業務の作業者は、注射箋に複数の薬品容器が記されている場合、前記複数の薬品容器を1つずつ順番に保管場所から取り出して、最終的に全ての薬品容器を一箇所に集める必要がある。しかしながら、前記複数の薬品容器のうちの一部の薬品容器をすでに一箇所に集めた状態で、前記複数の薬品容器のうちの残りの薬品容器の中に在庫数が不足する薬品容器があることが判明した場合、当該薬品容器が補充されるまで取り揃え業務を完了することができない。よって、すでに一箇所に集められた薬品容器が長期間その場に放置されてしまい、紛失又は盗難が発生するおそれがある。
【0006】
また、紛失又は盗難を防止するために、すでに一箇所に集められた薬品容器を元の保管場所に戻すことも考えられるが、その場合には、元の保管場所に戻すための手間が発生してしまう。
【0007】
本発明の目的は、取り揃え業務における薬品容器の紛失又は盗難を抑制するとともに作業者の手間を軽減することが可能な取り揃え支援システム、取り揃え支援方法、取り揃え支援プログラム、照合支援システム、及び照合支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る取り揃え支援システムは、一又は複数の取り揃え対象薬品容器と前記取り揃え対象薬品容器各々の必要数とを示す取り揃えデータを取得する取得処理部と、前記取り揃えデータが示す前記取り揃え対象薬品容器が取り揃えられたかどうかを確認する取り揃え確認処理を実行する取り揃え確認処理部と、前記取り揃えデータが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に、予め定められた制限条件を満たす薬品容器が含まれる場合に、前記取り揃え確認処理部による前記取り揃え確認処理の実行を制限可能な制限処理部とを備える。
【0009】
本発明に係る照合支援システムは、一又は複数の照合対象薬品容器を示す照合データを取得する取得処理部と、前記照合対象薬品容器のうち、特定条件を満たす薬品容器についての照合の準備ができていることを示すユーザー操作を受け付ける受付処理部と、前記受付処理部により前記ユーザー操作が受け付けられたことを条件として、前記照合対象薬品容器と前記照合データとの照合を行う照合処理部とを備える。
【0010】
本発明に係る取り揃え支援方法は、一又は複数の取り揃え対象薬品容器と前記取り揃え対象薬品容器各々の必要数とを示す取り揃えデータを取得することと、前記取り揃えデータが示す前記取り揃え対象薬品容器が取り揃えられたかどうかを確認する取り揃え確認処理を実行することと、前記取り揃えデータが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に、予め定められた制限条件を満たす薬品容器が含まれる場合に、前記取り揃え確認処理の実行を制限することとを含む。
【0011】
本発明に係る取り揃え支援プログラムは、一又は複数のプロセッサーに、一又は複数の取り揃え対象薬品容器と前記取り揃え対象薬品容器各々の必要数とを示す取り揃えデータを取得することと、前記取り揃えデータが示す前記取り揃え対象薬品容器が取り揃えられたかどうかを確認する取り揃え確認処理を実行することと、前記取り揃えデータが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に、予め定められた制限条件を満たす薬品容器が含まれる場合に、前記取り揃え確認処理の実行を制限することとを実行させる。
【0012】
本発明に係る照合支援システムは、照合データによって照合対象として示された薬品容器について、照合の準備をしたことを受け付ける受付手段と、照合の準備をしたことを前記受付手段が受け付けると、照合の準備をした薬品容器と前記照合データとを照合することが可能になる照合手段とを備える。
【0013】
本発明に係る照合支援プログラムは、一又は複数のプロセッサーを、照合データによって照合対象として示された薬品容器について、照合の準備をしたことを受け付ける受付手段、及び照合の準備をしたことを前記受付手段が受け付けると、照合の準備をした薬品容器と前記照合データとを照合することが可能になる照合手段として機能させる。
【0014】
本発明に係る他の照合支援システムは、照合データによって照合対象として示された薬品容器について、照合の準備をしたことを受け付ける受付手段と、照合の準備をしたことを前記受付手段が受け付けると、前記照合データによって照合対象として示された薬品容器の一覧を表示することが可能になる表示手段とを備える。
【0015】
本発明に係る他の照合支援プログラムは、一又は複数のプロセッサーを、照合データによって照合対象として示された薬品容器について、照合の準備をしたことを受け付ける受付手段、及び照合の準備をしたことを前記受付手段が受け付けると、前記照合データによって照合対象として示された薬品容器の一覧を表示することが可能になる表示手段として機能させる。
【0016】
本発明に係るさらに他の照合支援システムは、各種薬品容器の保管状況を記憶する記憶手段と、照合データによって照合対象として示された薬品容器のうち、保管状況が未配置薬品を示す薬品容器について、照合の準備をしたことを受け付ける受付手段と、照合の準備をしたことを前記受付手段が受け付けると、前記照合データによって照合対象として示された薬品容器のうち、保管状況が未配置薬品を示さない薬品容器と前記照合データとを照合することが可能になる照合手段とを備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、取り揃え業務における薬品容器の紛失又は盗難を抑制するとともに作業者の手間を軽減することが可能な取り揃え支援システム、取り揃え支援方法、取り揃え支援プログラム、照合支援システム、及び照合支援プログラムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムの外観図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムの外観図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムで用いられる管理対象薬品容器情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムで実行される取り揃え支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムで実行される指示払出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムで表示されるメインメニュー画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムで表示される患者選択画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムで表示される第1確認画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムで印刷される注射薬不足票の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムで表示される第2確認画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムで表示される指示払出業務画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムで表示される指示払出業務画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システムで表示される指示払出業務画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0020】
図1~
図3に示すように、本発明の実施形態に係る取り揃え支援システム1は、本体ユニット10及び薬品容器収容ユニット50を備える。
【0021】
図1に示されるように、前記本体ユニット10は、操作パネル11、バーコードリーダー12、指静脈認証装置13、プリンター14、薬品容器収容部15を備える。前記薬品容器収容部15には、シャッター式の扉151が設けられている。
【0022】
前記操作パネル11は、表示部111及びタッチパネル112を備える(
図3参照)。前記表示部111は、後述する制御部16(
図3参照)からの制御信号に基づいて、後述するメインメニュー画面P1(
図7参照)、患者選択画面P2(
図8参照)、第1確認画面P3(
図9参照)、第2確認画面P4(
図11参照)、指示払出業務画面P5(
図12参照)などの各種画面を表示する。前記表示部111は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどである。前記タッチパネル112は、前記表示部111に表示される前記各種画面に対する入力操作を受け付ける。なお、他の実施形態では、前記入力操作を受け付けるための操作部として、キーボード、マウス(ポインティングデバイス)などが設けられてもよい。また、前記入力操作を受け付けるための操作部として、音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声入力装置が設けられてもよい。
【0023】
前記バーコードリーダー12は、注射箋、薬品容器Mなどに表示されているバーコードを読み取ることが可能である。
【0024】
前記指静脈認証装置13は、予め登録した担当者以外の人物が前記本体ユニット10を不正に操作することができないように、前記本体ユニット10を操作する作業者を認証することが可能である。前記指静脈認証装置13により認証された人物のみが、前記本体ユニット10にログインすることができる。なお、前記指静脈認証装置13による静脈認証の代わりに、パスワードによる認証、IDカードによる認証、静脈認証以外の生体認証(例えば、指紋認証、顔認証、虹彩認証、声紋認証など)などの任意の認証方式が用いられてもよい。
【0025】
前記プリンター14は、前記制御部16からの制御信号に基づいて、後述する注射薬不足票Sh(
図10参照)などの任意の情報を紙などのシートに印刷することが可能である。
【0026】
図1に示されるように、前記薬品容器収容ユニット50は、薬品容器収容部55を備える。前記薬品容器収容部55には、シャッター式の扉551が設けられている。
【0027】
図1は、前記扉151及び前記扉551を閉めた状態の前記取り揃え支援システム1を示しており、
図2は、前記扉151及び前記扉551を開けた状態の前記取り揃え支援システム1を示している。
【0028】
図2に示されるように、前記本体ユニット10の前記薬品容器収容部15には、複数の薬品容器Mが収容されている。同様に、前記薬品容器収容ユニット50の前記薬品容器収容部55にも、複数の薬品容器Mが収容されている。前記薬品容器収容部15及び前記薬品容器収容部55には、アンプル、バイアル、箱、キット、プレフィルシリンジ、輸液ボトル、ソフトバッグ、PTPシートなどの任意の形状の薬品容器Mを収容可能である。前記薬品容器Mには、注射薬、輸液、内服薬、外用薬など、任意の種類及び任意の剤形の薬品が収容されてもよい。
【0029】
前記薬品容器収容部15及び前記薬品容器収容部55には、一又は複数のトレイ棚21を取り付け可能となっている。前記トレイ棚21各々には、薬品容器Mを収容したトレイ22を載置可能である。
【0030】
前記トレイ棚21各々には、計数部211とLED212とが設けられている(
図3参照)。前記計数部211は、前記トレイ22に収容される薬品容器Mの種類ごとに設けられる。前記計数部211は、対応する種類の薬品容器Mの個数を検出することが可能である。前記計数部211による前記薬品容器Mの個数の検出手法としては、任意の手法(例えば、電気的手法、磁気的手法、光学的手法など)を用いることができる。前記LED212は、前記トレイ22に収容される薬品容器Mの種類ごとに設けられる。前記LED212は、前記制御部16からの制御信号に基づいて点灯し、前記トレイ22から取り出すべき薬品容器Mの収容位置、前記トレイ22に補充すべき薬品容器Mの収容位置などを作業者に示す。なお、国際公開第2011/049167号公報には、前記計数部211及び前記LED212を備える前記トレイ棚21の構成の一例が開示されている。なお、他の実施形態では、前記計数部211が、前記薬品容器Mの個数ではなく、前記薬品容器Mの個数の変化(すなわち、増加した個数又は減少した個数)を検出可能なものであってもよい。
【0031】
前記薬品容器収容部15には、電子ロック部152が設けられている(
図3参照)。前記電子ロック部152は、前記制御部16からの制御信号に応じて前記扉151を施錠又は解錠することが可能である。前記扉151が閉じている状態で前記電子ロック部152により前記扉151が施錠されると、前記扉151を開くことができない状態(ロック状態)となり、前記薬品容器収容部15に収容されている薬品容器Mの取り出しが不可能となる。前記電子ロック部152により前記扉151が解錠されると、前記扉151を開くことが可能な状態(アンロック状態)となり、前記薬品容器収容部15に収容されている薬品容器Mの取り出しが可能となる。
【0032】
同様に、前記薬品容器収容部55には、電子ロック部552が設けられている(
図3参照)。前記電子ロック部552は、前記制御部16からの制御信号に応じて前記扉551を施錠又は解錠することが可能である。前記扉551が閉じている状態で前記電子ロック部552により前記扉551が施錠されると、前記扉551を開くことができない状態(ロック状態)となり、前記薬品容器収容部15に収容されている薬品容器Mの取り出しが不可能となる。前記電子ロック部552により前記扉551が解錠されると、前記扉551を開くことが可能な状態(アンロック状態)となり、前記薬品容器収容部15に収容されている薬品容器Mの取り出しが可能となる。
【0033】
図3に示されるように、前記本体ユニット10は、制御部16、記憶部17、及び通信IF18を備える。
【0034】
前記制御部16は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部16は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部17に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
【0035】
前記記憶部17は、前記制御部16によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶部である。
【0036】
前記記憶部17には、後述の取り揃え支援処理(
図5及び
図6参照)を前記制御部16に実行させるための取り揃え支援プログラムが記憶される。前記取り揃え支援プログラムは、前記取り揃え支援プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなど)から不図示のドライブ装置により読み取られて、前記記憶部17にインストールされてもよい。もしくは、前記取り揃え支援プログラムは、後述の通信IF18を通じて外部機器から受信されて、前記記憶部17にインストールされてもよい。
【0037】
前記記憶部17には、薬品マスター、患者マスターなどの各種のマスター情報が記憶されてもよい。例えば、前記薬品マスターには、各種の薬品について、薬品コード(YJコード等)、薬品名、JANコード、RSSコード、薬瓶コード、剤形、単位、比重、薬品種、配合変化、賦形薬品、注意事項などの情報が含まれる。前記患者マスターには、各患者について、例えば患者名、患者ID、性別、年齢、飲酒有無、喫煙有無、及び病名などの情報が含まれる。
【0038】
前記記憶部17には、管理対象薬品容器情報D1などの各種の情報が記憶される。
図4は、前記管理対象薬品容器情報D1の一例を示す図である。前記管理対象薬品容器情報D1には、管理対象薬品容器に関する情報が含まれている。前記管理対象薬品容器は、病院などの医療機関に保管されている全ての薬品容器Mのうち、前記取り揃え支援システム1により在庫数が管理されている薬品容器Mである。
【0039】
以下では、前記取り揃え支援システム1が医療機関内の特定病棟に設置されており、前記特定病棟内に保管されている薬品容器Mの在庫数が前記取り揃え支援システム1により管理されている場合について説明する。この場合、前記特定病棟内に保管されている薬品容器Mが前記管理対象薬品容器となる。そして、前記特定病棟外に保管されている薬品容器M(例えば、薬剤部又は他の病棟に保管されている薬品容器M)は、前記取り揃え支援システム1により在庫数が管理されていない管理対象外薬品容器となる。以下では、前記管理対象外薬品容器を、未配置薬品と称することがある。なお、前記未配置薬品が、前記特定病棟内に保管されていてもよい。例えば、前記未配置薬品が、前記特定病棟内の任意の場所に保管されている薬品容器Mであってもよい。また、前記未配置薬品が、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55に保管されているけれども在庫数は管理されていない薬品容器Mであってもよい。
【0040】
図4に示されるように、前記管理対象薬品容器情報D1には、前記管理対象薬品容器ごとに、対応する「薬品識別情報」、「薬品名」、「区分」、「在庫数」などの情報が含まれる。前記「薬品識別情報」は、前記管理対象薬品容器を識別するための識別情報である。前記「薬品名」は、前記管理対象薬品容器の名称である。
【0041】
前記「区分」は、前記管理対象薬品容器において、前記計数部211により在庫数が計数される薬品容器M(以下、機械薬品と称することがある)とその他の薬品容器M(以下、手払出薬品と称することがある)とを区別するための情報である。前記機械薬品は、前記管理対象薬品容器のうち、前記トレイ棚21に載置された前記トレイ22内に保管される薬品容器Mである。前記手払出薬品は、前記管理対象薬品容器のうち、前記トレイ22以外の任意の保管場所(例えば、前記特定病棟内の任意の保管場所)に保管される薬品容器Mである。
【0042】
前記「在庫数」は、前記取り揃え支援システム1で管理されている前記管理対象薬品容器の個数である。前記管理対象薬品容器のうちの前記機械薬品については、前記計数部211による計数結果に基づいて、前記制御部16により前記「在庫数」が自動的に更新される。一方、前記管理対象薬品容器のうちの前記手払出薬品については、前記保管場所から取り出される際又は前記保管場所に補充される際に、前記手払出薬品に表示されているバーコードの読み取り結果又は作業者による手入力に基づいて、前記制御部16により前記「在庫数」が更新される。
【0043】
前記通信IF18は、LAN又はインターネットなどの通信網を介して、例えば、注射箋データなどを管理する管理装置、薬剤部に設置されたプリンターなどの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
【0044】
前記制御部16は、在庫管理処理部161、取得処理部162、取り揃え確認処理部163、制限処理部164、補充通知処理部165、判定処理部166、及び出力処理部167を含む。具体的に、前記制御部16は、前記取り揃え支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、前記在庫管理処理部161、前記取得処理部162、前記取り揃え確認処理部163、前記制限処理部164、前記補充通知処理部165、前記判定処理部166、及び前記出力処理部167として機能する。なお、在庫管理処理部161、取得処理部162、取り揃え確認処理部163、制限処理部164、補充通知処理部165、判定処理部166、及び出力処理部167の少なくとも一部が、ASICのような電子回路として構成されてもよい。また、前記制御部16が複数のプロセッサーを含み、前記複数のプロセッサーによって前記取り揃え支援プログラムが実行されてもよい。
【0045】
なお、他の実施形態では、前記取り揃え支援プログラムが、パーソナルコンピュータのような情報処理装置の制御部によって実行されてもよい。この場合、前記情報処理装置は、本発明の取り揃え支援システムに相当する。また、前記在庫管理処理部161、前記取得処理部162、前記取り揃え確認処理部163、前記制限処理部164、前記補充通知処理部165、前記判定処理部166、及び前記出力処理部167が、例えば、LAN又はインターネットなどの通信網を介して通信可能に接続された複数の装置に分散して設けられてもよい。この場合、これらの複数の装置が、本発明の取り揃え支援システムに相当する。
【0046】
前記在庫管理処理部161は、前記管理対象薬品容器各々の在庫数を管理する。具体的に、前記管理対象薬品容器のうちの前記機械薬品については、前記在庫管理処理部161は、前記計数部211による計数結果に基づいて、前記機械薬品各々の在庫数を更新する。また、前記管理対象薬品容器のうちの前記手払出薬品については、前記在庫管理処理部161は、前記保管場所から取り出される際又は前記保管場所に補充される際に、前記手払出薬品に表示されているバーコードの読み取り結果又は作業者による手入力に基づいて、前記手払出薬品各々の在庫数を更新する。
【0047】
前記取得処理部162は、一又は複数の取り揃え対象薬品容器と前記取り揃え対象薬品容器各々の必要数とを示す取り揃えデータを取得する。前記取り揃えデータは、例えば、注射箋データ、処方データ、機械薬品データ、手払出薬品データ、未配置薬品データ、手術データなどである。以下では、前記取り揃えデータが注射箋データである場合について説明する。
【0048】
前記取得処理部162は、例えば、注射箋データを管理する管理装置からLAN又はインターネットなどの通信網及び前記通信IF18を通じて注射箋データを受信する。前記注射箋データには、一又は複数の取り揃え対象薬品容器(例えば、アンプル、バイアル、輸液バッグなど)と前記取り揃え対象薬品容器各々の必要数とを示す情報が含まれている。
【0049】
前記取り揃え確認処理部163は、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器が取り揃えられたかどうかを確認する取り揃え確認処理を実行する。前記取り揃え確認処理では、前記取り揃え対象薬品容器が取り揃えられたかどうかが、前記取り揃え対象薬品容器ごとに順次に確認される。
【0050】
具体的に、前記取り揃え対象薬品容器が前記機械薬品(すなわち、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55内の前記トレイ22に保管されている薬品容器M)である場合、作業者が前記トレイ22から前記機械薬品を取り出すと、当該機械薬品に対応する前記計数部211により検出される前記機械薬品の個数が減る。よって、前記取り揃え確認処理部163は、前記計数部211により検出される前記機械薬品の個数の変化に基づいて、前記取り揃え対象薬品容器のうちの前記機械薬品が取り揃えられたかどうかを確認することができる。
【0051】
一方、前記取り揃え対象薬品容器が前記機械薬品以外の薬品容器M(すなわち、前記手払出薬品又は前記管理対象外薬品容器)である場合、前記取り揃え確認処理部163は、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の識別情報と実際に取り揃えられた薬品容器Mの識別情報との照合結果に基づいて、前記取り揃え対象薬品容器が取り揃えられたかどうかを確認する。すなわち、前記取り揃え確認処理には、前記取り揃え対象薬品容器のうち予め定められた照合対象薬品容器(例えば、前記手払出薬品又は前記管理対象外薬品容器)について前記取り揃えデータと照合する照合処理が含まれてもよい。実際に取り揃えられた薬品容器Mの識別情報は、例えば、前記薬品容器Mに表示されているバーコード(前記薬品容器Mの識別情報を示すバーコード)をバーコードリーダー12で読み取ることによって取得される。なお、他の実施形態では、実際に取り揃えられた薬品容器Mの識別情報(例えば、薬品コード又は薬品名など)が、操作パネル11を通じて作業者により手入力されてもよい。
【0052】
なお、他の実施形態では、前記取り揃え対象薬品容器が前記機械薬品である場合においても、前記取り揃え確認処理部163は、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の識別情報と実際に取り揃えられた薬品容器Mの識別情報との照合結果に基づいて、前記取り揃え対象薬品容器が取り揃えられたかどうかを確認してもよい。
【0053】
前記制限処理部164は、前記取り揃えデータが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に、予め定められた制限条件を満たす薬品容器Mが含まれる場合に、前記取り揃え確認処理部163による前記取り揃え確認処理の実行を制限可能である。前記制限条件には、いずれかの前記取り揃え対象薬品容器が前記管理対象外薬品容器であること、が含まれてもよい。また、前記制限条件には、いずれかの前記取り揃え対象薬品容器が不足薬品容器(すなわち、前記注射箋データが示す必要数に対して前記在庫管理処理部161で管理されている在庫数が不足している前記管理対象薬品容器)であること、が含まれてもよい。
【0054】
本実施形態では、前記制限処理部164は、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に、前記不足薬品容器又は前記管理対象外薬品容器が含まれる場合に、前記取り揃え確認処理部163による前記取り揃え確認処理の実行を制限可能である。例えば、前記制限処理部164は、前記取り揃え対象薬品容器のうち前記照合対象薬品容器(例えば、前記手払出薬品又は前記管理対象外薬品容器)についての前記照合処理の実行を制限してもよい。
【0055】
なお、他の実施形態では、前記制限処理部164は、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に、特定の保管場所に保管されている薬品容器M(例えば、本体ユニット10が設置されている部屋とは別の部屋に保管されている薬品容器Mなど)又は特定の保管形態で保管されている薬品容器M(例えば、管理者によって保管されている鍵を使わなければ解錠できない金庫ユニット内に保管されている薬品容器など)が含まれている場合に、前記取り揃え確認処理部163による前記取り揃え確認処理の実行を制限可能であってもよい。
【0056】
なお、他の実施形態では、前記制限処理部164は、電子ロック部152又は電子ロック部552を制御して扉151又は扉551をロックして、物理的に薬品容器Mを取り出すことができないようにして、前記取り揃え確認処理を行えないようにしてもよい。もしくは、前記制限処理部164は、バーコードリーダー12によるバーコードの読み取りをできないようにして、前記取り揃え確認処理を行えないようにしてもよい。また、制限処理部164は、前記取り揃え対象薬品の中に前記不足薬品容器が含まれているにも関わらず、前記機械薬品の取り出しが行われた場合に、取り揃え業務を中止して前記機械薬品を元の位置に戻すように操作パネル11又は音声により作業者に警告してもよい。
【0057】
前記補充通知処理部165は、前記処方箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に前記不足薬品容器が含まれる場合に、前記不足薬品容器の補充を促す通知を行う。具体的に、前記補充通知処理部165は、
図9に示される第1確認画面P3を操作パネル11に表示させる。なお、前記補充通知処理部165による通知方法は、操作パネル11による通知に限らず、例えば、音声メッセージによる通知であってもよい。
【0058】
前記判定処理部166は、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に前記管理対象外薬品容器が含まれる場合に、前記管理対象外薬品容器がすでに取り揃えられているか否かを判定する。具体的に、前記判定処理部166は、前記管理対象外薬品容器(未配置薬品)がすでに取り揃えられていることを示すユーザー操作(例えば、
図11に示される第2確認画面P4における操作キーK41の操作)が行われた場合に、前記管理対象外薬品容器がすでに取り揃えられていると判定する。なお、他の実施形態では、前記判定処理部166は、前記管理対象外薬品容器に表示されている識別情報が読み取られた場合(例えば、前記管理対象外薬品容器に表示されている、前記識別情報を示すバーコードが読み取られた場合)に、前記管理対象外薬品容器がすでに取り揃えられていると判定してもよい。
【0059】
前記判定処理部166により前記管理対象外薬品容器がすでに取り揃えられていると判定された場合、前記制限処理部164は、前記取り揃え確認処理部163による前記取り揃え確認処理の実行を許可する。この場合、
図12に示される指示払出業務画面P5が操作パネル11に表示され、前記取り揃え確認処理が実行される。なお、前記制限処理部164は、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の一覧(
図12参照)の表示を制限可能である。すなわち、前記制限処理部164は、前記管理対象外薬品容器(未配置薬品)がすでに取り揃えられていることを示す前記ユーザー操作が行われた場合に、前記取り揃え対象薬品容器の一覧(
図12参照)の表示を可能にする。これにより、前記管理対象外薬品容器(未配置薬品)がまだ取り揃えられていないにも関わらず、作業者が前記取り揃え対象薬品容器の一覧を見て前記取り揃え対象薬品容器の取り揃え作業を開始してしまうことを防止することができる。
【0060】
一方、前記判定処理部166により前記管理対象外薬品容器がまだ取り揃えられていないと判定された場合(例えば、
図11に示される第2確認画面P4における操作キーK42が操作された場合)、前記制限処理部164は、前記取り揃え確認処理部163による前記取り揃え確認処理の実行を禁止する。この場合、
図12に示される指示払出業務画面P5の代わりに、
図7に示されるメインメニュー画面P1が操作パネル11に表示される。よって、前記取り揃え確認処理は実行されない。
【0061】
前記出力処理部167は、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に前記不足薬品容器が含まれる場合に、前記不足薬品容器の種類及び不足数を示す情報を出力する。具体的に、前記出力処理部167は、プリンター14を制御して、前記不足薬品容器の種類及び不足数を示す情報(例えば、
図10に示される注射薬不足票Sh)をシートにプリントする。なお、
図10に示される注射薬不足票Shには、前記不足薬品容器の種類及び不足数を示す情報に加えて、前記管理対象外薬品容器の種類及び必要数を示す情報も示されている。なお、他の実施形態では、前記出力処理部167は、前記不足薬品容器の種類及び不足数を示す情報を、LAN又はインターネットなどの通信網を介して接続される外部機器(例えば、薬剤部に設置されたプリンター又はパーソナルコンピュータ)に送信してもよい。また、前記出力処理部167は、前記不足薬品容器の種類及び不足数を示す情報を操作パネル11に表示させてもよい。また、前記出力処理部167は、前記不足薬品容器の種類及び不足数を示す情報を音声として出力してもよい。
【0062】
前記出力処理部167は、前記判定処理部166により前記管理対象外薬品容器がまだ取り揃えられていないと判定された場合(例えば、
図11に示される第2確認画面P4における操作キーK42が操作された場合)に、前記管理対象外薬品容器の種類及び必要数を示す情報を出力する。具体的に、前記出力処理部167は、プリンター14を制御して、前記管理対象外薬品容器の種類及び必要数を示す情報(例えば、
図10に示される注射薬不足票Sh)をシートにプリントする(
図10参照)。なお、他の実施形態では、前記出力処理部167は、前記管理対象外薬品容器の種類及び必要数を示す情報を、LAN又はインターネットなどの通信網を介して接続される外部機器(例えば、薬剤部に設置されたプリンター又はパーソナルコンピュータ)に送信してもよい。また、前記出力処理部167は、前記管理対象外薬品容器の種類及び必要数を示す情報を操作パネル11に表示させてもよい。また、前記出力処理部167は、前記管理対象外薬品容器の種類及び必要数を示す情報を音声として出力してもよい。
【0063】
[取り揃え支援処理]
次に、
図5及び
図6を参照しつつ、前記本体ユニット10の前記制御部16によって実行される前記取り揃え支援処理の一例について説明する。前記取り揃え支援処理は、例えば、作業者が前記操作パネル11をタッチしたことに応じて開始される。なお、本発明は、前記取り揃え支援処理を実行することによって薬品容器Mの取り揃え業務を支援する取り揃え支援方法の発明として捉えてもよい。
【0064】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、前記制御部16は、前記操作パネル11にメインメニュー画面P1を表示させる。
図7は、前記メインメニュー画面P1の一例を示す図である。前記メインメニュー画面P1には、ログイン中ユーザー表示領域A1、メッセージ表示領域A2、操作キーK11などが含まれる。前記ログイン中ユーザー表示領域A1には、ログイン中のユーザー(すなわち、薬品容器Mの取り揃え業務を行う作業者)の名前が表示される。ただし、
図7の例では、まだユーザー認証は行われておらず、前記ログイン中ユーザー表示領域A1にはユーザー名は表示されていない。前記メインメニュー画面P1において前記操作キーK11が操作されると、前記制御部16は、処理をステップS12に移行させる。
【0065】
なお、前記メインメニュー画面P1には前記操作キーK11以外の操作キーも含まれる。しかしながら、前記操作キーK11以外の操作キーについては、前記取り揃え支援処理とは関連しないため、ここでは説明を省略する。
【0066】
<ステップS12>
ステップS12において、前記制御部16は、前記操作パネル11に患者選択画面P2を表示させる。
図8は、前記患者選択画面P2の一例を示す図である。前記患者選択画面P2には、前記ログイン中ユーザー表示領域A1、前記メッセージ表示領域A2、操作キーK21、操作キーK22などが含まれる。
【0067】
前記操作キーK21は、前記取り揃え業務の対象となる注射箋を特定する注射箋番号を手入力する際に操作される操作キーである。前記操作キーK22は、手入力された前記注射箋番号を確定させる際に操作される操作キーである。
【0068】
<ステップS13>
ステップS13において、前記制御部16は、前記取り揃え業務の対象となる注射箋を特定する注射箋番号を取得する。例えば、前記制御部16は、前記操作キーK22が操作された場合に、すでに手入力されている前記注射箋番号を、前記取り揃え業務の対象となる注射箋を特定する注射箋番号として確定させる。もしくは、前記制御部16は、注射箋に表示されているバーコード(注射箋番号の情報を含むバーコード)がバーコードリーダー12で読み取られた場合に、当該バーコードに含まれている注射箋番号を取得する。
【0069】
<ステップS14>
ステップS14において、前記制御部16は、前記ステップS13で取得された前記注射箋番号に対応する注射箋データを取得する。例えば、前記制御部16は、注射箋データを管理する管理装置に対して、LAN又はインターネットなどの通信網を通じて前記注射箋番号を送信する。そして、前記制御部16は、前記注射箋番号に対応する注射箋データを前記管理装置から受信する。前記注射箋データには、一又は複数の取り揃え対象薬品容器の情報と、前記取り揃え対象薬品容器各々の必要数の情報とが含まれている。当該ステップS14の処理は、前記制御部16の前記取得処理部162により実行される。
【0070】
<ステップS15>
ステップS15において、前記制御部16は、前記ステップS14で取得された前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に、前記不足薬品容器(すなわち、前記注射箋データが示す必要数に対して在庫数が不足している前記管理対象薬品容器)が含まれるか否かを判断する。そして、前記取り揃え対象薬品容器の中に前記不足薬品容器が含まれると判断されると(S15:Yes)、前記制御部16は、処理をステップS16に移行させる。一方、前記取り揃え対象薬品容器の中に前記不足薬品容器が含まれないと判断されると(S15:No)、前記制御部16は、処理をステップS18に移行させる。
【0071】
<ステップS16>
ステップS16において、前記制御部16は、前記操作パネル11に第1確認画面P3を表示させる。
図9は、前記第1確認画面P3の一例を示す図である。前記第1確認画面P3には、前記不足薬品容器の補充を促すメッセージと、操作キーK31とが含まれる。当該ステップS16の処理は、前記制御部16の前記制限処理部164及び前記補充通知処理部165により実行される。
【0072】
なお、他の実施形態では、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に、前記不足薬品容器に加えて前記未配置薬品も含まれる場合に、前記制御部16は、前記不足薬品容器の補充を促すとともに前記未配置薬品を取り揃えることを促すメッセージを操作パネル11又は音声により作業者に通知してもよい。
【0073】
前記第1確認画面P3において前記操作キーK31が操作されると、前記制御部16は、処理をステップS17に移行させる。
【0074】
<ステップS17>
ステップS17において、前記制御部16は、プリンター14を制御して、前記不足薬品容器の種類及び不足数を示す情報をシートにプリントする。例えば、前記制御部16は、
図10に示される注射薬不足票Shをプリンター14から出力させる。これにより、作業者は、前記注射薬不足票を見ながら、前記不足薬品容器が保管されている保管場所(例えば、薬剤部又は他の病棟など)から前記不足薬品容器を取ってきて、前記トレイ22などに補充することができる。当該ステップS17の処理は、前記制御部16の前記出力処理部167により実行される。
【0075】
なお、前記制御部16は、前記不足薬品容器の種類及び不足数を示す情報を、LAN又はインターネットなどの通信網を通じて、薬剤部に設置されているプリンター又はパーソナルコンピュータに送信してもよい。これにより、薬剤部にいる薬剤師は、前記プリンターから出力される前記情報又は前記パーソナルコンピュータのモニタに表示される前記情報に基づいて前記不足薬品容器を取り揃えて、前記取り揃え支援システム1が設置されている病棟へと届けることができる。
【0076】
なお、他の実施形態では、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に、前記不足薬品容器に加えて前記未配置薬品も含まれる場合に、前記制御部16は、前記不足薬品容器の種類及び不足数を示す情報に加えて前記未配置薬品の種類及び必要数を示す情報を出力してもよい。
【0077】
前記ステップS17の処理が終了すると、前記制御部16は、処理を前記ステップS11に移行させる。すなわち、前記取り揃え対象薬品容器の中に前記不足薬品容器が含まれる場合は、後述の指示払出処理(S22)は実行されない。よって、取り揃え業務における薬品容器Mの紛失又は盗難を抑制するとともに作業者の手間を軽減することが可能である。
【0078】
なお、他の実施形態では、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に前記不足薬品容器が含まれる場合に、前記制御部16は、
図9に示される前記第1確認画面P3のように前記不足薬品容器の補充を促す通知を行った後に、前記機械薬品の補充作業を支援するための補充処理画面(不図示)を操作パネル11に表示させてもよい。もしくは、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に前記不足薬品容器が含まれる場合に、前記制御部16は、前記機械薬品の補充作業を支援するための補充処理画面(不図示)を操作パネル11に表示するとともに、前記不足薬品容器の補充を促す通知を行ってもよい。
【0079】
<ステップS18>
一方、ステップS18において、前記制御部16は、前記ステップS14で取得された前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に、前記管理対象外薬品容器(未配置薬品)が含まれるか否かを判断する。そして、前記取り揃え対象薬品容器の中に前記管理対象外薬品容器が含まれると判断されると(S18:Yes)、前記制御部16は、処理をステップS19に移行させる。一方、前記取り揃え対象薬品容器の中に前記管理対象外薬品容器が含まれないと判断されると(S18:No)、前記制御部16は、処理をステップS22に移行させる。
【0080】
<ステップS19>
ステップS19において、前記制御部16は、前記操作パネル11に第2確認画面P4を表示させる。
図11は、前記第2確認画面P4の一例を示す図である。前記第2確認画面P4には、前記管理対象外薬品容器(未配置薬品)が取り揃え済みであるか否かを問い合わせるメッセージと、操作キーK41と、操作キーK42とが含まれる。当該ステップS19の処理は、前記制御部16の前記制限処理部164により実行される。
【0081】
<ステップS20>
ステップS20において、前記制御部16は、前記管理対象外薬品容器が取り揃え済みであるか否かを判断する。具体的に、前記制御部16は、前記第2確認画面P4において前記操作キーK41が操作された場合に、前記管理対象外薬品容器が取り揃え済みであると判断する。また、前記制御部16は、前記第2確認画面P4において前記操作キーK42が操作された場合に、前記管理対象外薬品容器が取り揃え済みではないと判断する。なお、前記制御部16は、前記管理対象外薬品容器に表示されているバーコードがバーコードリーダー12により読み取られた場合に、前記管理対象外薬品容器が取り揃え済みであると判断してもよい。そして、前記管理対象外薬品容器が取り揃え済みであると判断されると(S20:Yes)、前記制御部16は、処理をステップS22に移行させる。一方、前記管理対象外薬品容器が取り揃え済みではないと判断されると(S20:No)、前記制御部16は、処理をステップS21に移行させる。当該ステップS20の処理は、前記制御部16の前記判定処理部166により実行される。
【0082】
なお、他の実施形態では、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に前記未配置薬品が含まれる場合に、前記制御部16は、操作パネル11又は音声によって、前記未配置薬品に表示されているバーコードの読み取りを促す通知を行ってもよい。
【0083】
<ステップS21>
ステップS21において、前記制御部16は、プリンター14を制御して、前記管理対象外薬品容器の種類及び必要数を示す情報をシートにプリントする。例えば、前記制御部16は、
図10に示される注射薬不足票Shをプリンター14から出力させる。これにより、作業者は、前記注射薬不足票を見ながら、前記管理対象外薬品容器が保管されている保管場所(例えば、薬剤部又は他の病棟など)から前記管理対象外薬品容器を取ってきて、前記管理対象外薬品容器を取り揃えることができる。当該ステップS21の処理は、前記制御部16の前記出力処理部167により実行される。
【0084】
なお、前記制御部16は、前記管理対象外薬品容器の種類及び必要数を示す情報を、LAN又はインターネットなどの通信網を通じて、薬剤部に設置されているプリンター又はパーソナルコンピュータに送信してもよい。これにより、薬剤部にいる薬剤師は、前記プリンターから出力される前記情報又は前記パーソナルコンピュータのモニタに表示される前記情報に基づいて前記管理対象外薬品容器を取り揃えて、前記取り揃え支援システム1が設置されている病棟へと届けることができる。
【0085】
前記ステップS21の処理が終了すると、前記制御部16は、処理を前記ステップS11に移行させる。すなわち、前記取り揃え対象薬品容器の中に前記管理対象外薬品容器が含まれており、且つ前記管理対象外薬品容器がまだ取り揃えられていない場合は、後述の指示払出処理(S22)は実行されない。よって、取り揃え業務における薬品容器Mの紛失又は盗難を抑制するとともに作業者の手間を軽減することが可能である。
【0086】
<ステップS22>
一方、ステップS22において、前記制御部16は、指示払出処理を実行する。前記指示払出処理は、前記取り揃え確認処理の一例である。当該ステップS22の処理は、前記制御部16の前記取り揃え確認処理部163により実行される。以下、
図6を参照しつつ、前記指示払出処理について説明する。
【0087】
<ステップS31>
まず、ステップS31において、前記制御部16は、前記操作パネル11に指示払出業務画面P5を表示させる。
図12は、前記指示払出業務画面P5の一例を示す図である。前記指示払出業務画面P5には、前記ログイン中ユーザー表示領域A1、前記メッセージ表示領域A2、操作キーK51、操作キーK52などが含まれる。
【0088】
前記指示払出業務画面P5には、前記ステップS14で取得された前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器ごとに、「区分」、「薬品名」、「処方」、「必要」、「払済」、「未払」、「在庫」などの情報が表示される。前記「区分」及び前記「薬品名」は、前記管理対象薬品容器情報D1(
図4)における「区分」及び「薬品名」と同じ情報である。前記「処方」は、前記注射箋データに示されている前記取り揃え対象薬品容器の個数である。前記「必要」は、取り揃え業務で取り揃えるべき前記取り揃え対象薬品容器の個数である。前記「払済」は、すでに取り揃えたことが確認されている前記取り揃え対象薬品容器の個数である。前記「未払」は、取り揃え業務で取り揃えるべき前記取り揃え対象薬品容器の個数から、すでに取り揃えたことが確認されている個数を引いたものである。前記「在庫」は、前記取り揃え対象薬品容器の在庫数(すなわち、前記在庫管理処理部161により管理されている在庫数)である。
【0089】
なお、前記指示払出業務画面P5に表示されている前記取り揃え対象薬品容器のうち、いずれかの薬品容器Mの表示欄が作業者によりタッチされると、当該薬品容器Mが選択された状態となる。例えば、
図12に示される前記指示払出業務画面P5では、「アイソボリン点滴静注用25mg」が選択された状態となっている。この状態で操作キーK51が操作されると、前記制御部16は、「アイソボリン点滴静注用25mg」のアンプルに表示されているバーコードを読み込むように促すメッセージを操作パネル11又は音声により出力してもよい。また、前記機械薬品が選択された状態で操作キーK51が操作されると、前記制御部16は、前記機械薬品に対応するLED212を点灯させてもよい。これにより、作業者は、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55に収容されている多数の前記機械薬品の中から、取り出すべき前記機械薬品を容易に見つけることができる。また、前記未配置薬品が選択された状態で操作キーK51が操作されると、前記制御部16は、前記未配置薬品に表示されているバーコードを読み込むように促すメッセージを操作パネル11又は音声により出力してもよい。
【0090】
<ステップS32>
ステップS32において、前記制御部16は、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55から前記機械薬品が取り出されたか否かを判断する。具体的に、前記制御部16は、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55に設けられている前記計数部211からの信号に基づいて、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55から前記機械薬品が取り出されたか否かを判断する。そして、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55から前記機械薬品が取り出されたと判断されると(S32:Yes)、前記制御部16は、処理をステップS33に移行させる。一方、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55から前記機械薬品が取り出されていないと判断されると(S32:No)、前記制御部16は、処理をステップS34に移行させる。
【0091】
<ステップS33>
ステップS33において、前記制御部16は、前記機械薬品に関する情報を更新する。具体的に、前記制御部16は、前記管理対象薬品容器情報D1における前記機械薬品の「在庫数」の情報を更新する。当該処理は、前記制御部16の前記在庫管理処理部161により実行される。また、前記制御部16は、前記指示払出業務画面P5に表示されている前記機械薬品の「払済」、「未払」、及び「在庫」の情報を更新する。そして、前記制御部16は、処理をステップS34に移行させる。
【0092】
なお、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55から取り出された前記機械薬品が、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器ではない場合、前記制御部16は、操作パネル11又は音声により作業者にその旨を警告してもよい。
【0093】
<ステップS34>
ステップS34において、前記制御部16は、前記手払出薬品の識別情報が入力されたか否かを判断する。具体的に、前記制御部16は、バーコードリーダー12により読み取られたバーコードが示す識別情報又は作業者により手入力された識別情報と、前記注射箋データに含まれる前記手払出薬品の識別情報とを照合し、両者が一致する場合に、前記手払出薬品の識別情報が入力されたと判断する。そして、前記手払出薬品の識別情報が入力されたと判断されると(S34:Yes)、前記制御部16は、処理をステップS35に移行させる。一方、前記手払出薬品の識別情報が入力されていないと判断されると(S34:No)、前記制御部16は、処理をステップS36に移行させる。
【0094】
<ステップS35>
ステップS35において、前記制御部16は、前記手払出薬品に関する情報を更新する。具体的に、前記制御部16は、前記管理対象薬品容器情報D1における前記手払出薬品の「在庫数」の情報を更新する。当該処理は、前記制御部16の前記在庫管理処理部161により実行される。また、前記制御部16は、前記指示払出業務画面P5に表示されている前記手払出薬品の「払済」、「未払」、及び「在庫」の情報を更新する。そして、前記制御部16は、処理をステップS36に移行させる。
【0095】
なお、入力された識別情報に対応する前記手払出薬品が、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器ではない場合、前記制御部16は、操作パネル11又は音声により作業者にその旨を警告してもよい。
【0096】
<ステップS36>
ステップS36において、前記制御部16は、前記未配置薬品(管理対象外薬品容器)の識別情報が入力されたか否かを判断する。具体的に、前記制御部16は、バーコードリーダー12により読み取られたバーコードが示す識別情報又は作業者により手入力された識別情報と、前記注射箋データに含まれる前記未配置薬品の識別情報とを照合し、両者が一致する場合に、前記未配置薬品の識別情報が入力されたと判断する。そして、前記未配置薬品の識別情報が入力されたと判断されると(S36:Yes)、前記制御部16は、処理をステップS37に移行させる。一方、前記未配置薬品の識別情報が入力されていないと判断されると(S36:No)、前記制御部16は、処理をステップS38に移行させる。
【0097】
<ステップS37>
ステップS37において、前記制御部16は、前記手払出薬品に関する情報を更新する。具体的に、前記制御部16は、前記指示払出業務画面P5に表示されている前記未配置薬品の「払済」及び「未払」の情報を更新する。例えば、
図12に示される前記指示払出業務画面P5では、「ソルデム3AG輸液500mL」のアンプルの「払済」は「0」となっており、「未払」は「1」となっている。この状態から、「ソルデム3AG輸液500mL」のアンプルに表示されているバーコードが読み取られると、
図13に示される前記指示払出業務画面P5のように、「ソルデム3AG輸液500mL」のアンプルの「払済」が「1」に更新され、「未払」が「0」に更新される。そして、前記制御部16は、処理をステップS38に移行させる。
【0098】
なお、入力された識別情報に対応する前記未配置薬品が、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器ではない場合、前記制御部16は、操作パネル11又は音声により作業者にその旨を警告してもよい。
【0099】
なお、本実施形態では、前記未配置薬品の識別情報が入力されたことに応じて、前記未配置薬品の「払済」の情報が更新されるが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態では、前記未配置薬品が取り揃えられた場合に、作業者が、前記未配置薬品の「払済」の情報を、例えばテンキー型の操作キーK53(
図14参照)を用いて手入力で更新してもよい。この場合、前記制御部16の前記取り揃え確認処理部163は、作業者によって更新された前記未配置薬品の「払済」の値に基づいて、前記未配置薬品が取り揃えられたかどうかを確認することが可能である。
【0100】
<ステップS38>
ステップS38において、前記制御部16は、業務終了操作が行われたか否かを判断する。具体的に、前記制御部16は、前記指示払出業務画面P5に含まれる前記操作キーK52が操作された場合に、前記業務終了操作が行われたと判断する。そして、前記業務終了操作が行われたと判断されると(S38:Yes)、前記制御部16は、処理をステップS39に移行させる。一方、前記業務終了操作が行われていないと判断されると(S38:No)、前記制御部16は、処理を前記ステップS32に移行させる。
【0101】
<ステップS39>
ステップS39において、前記制御部16は、前記注射箋データが示す全ての前記取り揃え対象薬品容器が取り揃え済みであるか否かを判断する。具体的に、前記制御部16は、前記指示払出業務画面P5に表示されている全ての前記取り揃え対象薬品容器の「未払」の値が「0」である場合に、前記注射箋データが示す全ての前記取り揃え対象薬品容器が取り揃え済みであると判断する。そして、前記注射箋データが示す全ての前記取り揃え対象薬品容器が取り揃え済みであると判断されると(S38:Yes)、前記制御部16は、前記指示払出処理を終了させる。そして、前記取り揃え支援処理が終了される。一方、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の少なくとも一部がまだ取り揃えられていないと判断されると(S38:No)、前記制御部16は、処理をステップS40に以降させる。
【0102】
<ステップS40>
ステップS40において、前記制御部16は、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器のうち、まだ取り揃えられていない前記取り揃え対象薬品容器がある旨を操作パネル11又は音声により作業者に通知する。このとき、前記制御部16は、プリンター14を制御して、まだ取り揃えられていない前記取り揃え対象薬品容器の種類及び個数の情報をシートに印刷してもよい。そして、前記制御部16は、処理を前記ステップS32に移行させる。
【0103】
以上のように、本実施形態に係る取り揃え支援システム1では、前記注射箋データが示す前記取り揃え対象薬品容器の中に前記不足薬品容器又は前記管理対象外薬品容器が含まれる場合に、前記取り揃え確認処理の実行が制限される。これにより、前記取り揃え業務において、前記取り揃え対象薬品容器の一部がすでに取り揃えられているにも関わらず前記取り揃え業務が完了できないような状況が発生してしまうことを抑制することができる。よって、本実施形態に係る取り揃え支援システム1によれば、取り揃え業務における薬品容器Mの紛失又は盗難を抑制するとともに作業者の手間を軽減することが可能である。
【0104】
なお、本実施形態では、薬品容器収容部15又は薬品容器収容部55に前記計数部221が設けられているが、他の実施形態では、薬品容器収容部15又は薬品容器収容部55に前記計数部221が設けられていなくてもよい。すなわち、薬品容器収容部15又は薬品容器収容部55に、前記機械薬品が保管されず、前記手払出薬品又は前記未配置薬品が保管されてもよい。
【0105】
また、他の実施形態では、前記制御部16は、前記ステップS22において前記指示払出処理が開始されるまでは前記薬品容器収容部15の前記扉151及び前記薬品容器収容部55の前記扉551を作業者が開けることができないように、前記電子ロック部152及び前記電子ロック部552を制御してもよい。これにより、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55から取り出された薬品容器Mが長期間その場に放置されてしまうことを抑制することができる。
【0106】
また、他の実施形態では、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55が、前記制御部16からの制御信号に基づいて任意の薬品容器Mを自動的に払い出す自動払出機能を備えていてもよい。この場合、前記制御部16は、前記ステップS22において前記指示払出処理が開始されるまでは、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55から薬品容器Mを払い出さないようにしてもよい。これにより、前記薬品容器収容部15又は前記薬品容器収容部55から払い出された薬品容器Mが長期間その場に放置されてしまうことを抑制することができる。
【0107】
[他の実施形態]
以下、本発明の他の実施形態に係る種々の照合支援システム及び照合支援プログラムについて説明する。
【0108】
第1の照合支援システムは、
照合データ(例えば、前記注射箋データなど)によって照合対象として示された薬品容器Mについて、照合の準備(例えば、取り揃え)をしたことを受け付ける(例えば、
図11に示される前記第2確認画面P4における操作キーK41の操作を受け付ける)受付手段(例えば、前記制御部16)と、
照合の準備をしたことを前記受付手段が受け付けると、照合の準備をした薬品容器Mと前記照合データとを照合する(例えば、バーコードリーダー12で読み取られるバーコードに含まれる識別情報と、照合対象として示された薬品容器Mに対応する識別情報とを照合する)ことが可能になる照合手段(例えば、前記制御部16)と、
を備える、照合支援システムである。
【0109】
第1の照合支援プログラムは、一又は複数のプロセッサーを、前記受付手段及び前記照合手段として機能させる、照合支援プログラムである。
【0110】
なお、前記受付手段は、前記照合データによって照合対象として示された全ての薬品容器Mについて、照合の準備をしたことを受け付けてもよい、前記照合データによって照合対象として示された薬品容器Mのうち、少なくとも前記制限条件を満たす薬品容器M(例えば、前記未配置薬品など)について、照合の準備をしたことを受け付けてもよい。
【0111】
また、「照合の準備」には、薬品容器Mの準備に限らず、照合処理を行うための機器(例えば、バーコードリーダー12の接続など)の準備も含まれてもよい。
【0112】
前記第1の照合支援システム又は前記第1の照合支援プログラムによれば、照合の準備ができていなければ照合ができないので、作業者による中途半端な薬品容器Mの取り出しを抑制することができる。よって、照合対象として示された複数の薬品容器Mのうちの一部のみが保管場所から取り出された状態で、長期間その場に放置されてしまうことを抑制することができる。
【0113】
第2の照合支援システムは、
照合データ(例えば、前記注射箋データなど)によって照合対象として示された薬品容器Mについて、照合の準備(例えば、取り揃え)をしたことを受け付ける(例えば、
図11に示される前記第2確認画面P4における操作キーK41の操作を受け付ける)受付手段(例えば、前記制御部16)と、
照合の準備をしたことを前記受付手段が受け付けると、前記照合データによって照合対象として示された薬品容器Mの一覧(例えば、
図12に示されるような薬品容器Mの一覧)を表示することが可能になる表示手段(例えば、前記制御部16)と、
を備える、照合支援システムである。
【0114】
第2の照合支援プログラムは、一又は複数のプロセッサーを、前記受付手段及び前記表示手段として機能させる、照合支援プログラムである。
【0115】
前記第2の照合支援システム又は前記第2の照合支援プログラムによれば、照合の準備ができていなければ、照合対象として示された薬品容器Mの一覧が表示されないので、作業者による中途半端な薬品容器Mの取り出しを抑制することができる。よって、照合対象として示された複数の薬品容器Mのうちの一部のみが保管場所から取り出された状態で、長期間その場に放置されてしまうことを抑制することができる。
【0116】
第3の照合支援システムは、
各種薬品容器Mの保管状況(例えば、
図4に示される「区分」の情報)を記憶する記憶手段(例えば、前記記憶部17)と、
照合データ(例えば、前記注射箋データなど)によって照合対象として示された薬品容器Mのうち、保管状況が未配置薬品を示す薬品容器Mについて、照合の準備(例えば、取り揃え)をしたことを受け付ける(例えば、
図11に示される前記第2確認画面P4における操作キーK41の操作を受け付ける)受付手段(例えば、前記制御部16)と、
照合の準備をしたことを前記受付手段が受け付けると、前記照合データによって照合対象として示された薬品容器Mのうち、保管状況が未配置薬品を示さない薬品容器M(例えば、機械薬品又は手払出薬品)と前記照合データとを照合する(例えば、バーコードリーダー12で読み取られるバーコードに含まれる識別情報と、照合対象として示された薬品容器Mに対応する識別情報とを照合する)ことが可能になる照合手段(例えば、前記制御部16)と、
を備える、照合支援システムである。
【0117】
前記第3の照合支援システムによれば、前記未配置薬品の準備ができていなければ、前記未配置薬品ではない薬品容器Mの照合ができないので、作業者による中途半端な薬品容器Mの取り出しを抑制することができる。よって、照合対象として示された複数の薬品容器Mのうちの一部のみが保管場所から取り出された状態で、長期間その場に放置されてしまうことを抑制することができる。
【符号の説明】
【0118】
1 :取り揃え支援システム
10 :本体ユニット
11 :操作パネル
111:表示部
112:タッチパネル
12 :バーコードリーダー
13 :指静脈認証装置
14 :プリンター
15 :薬品容器収容部
151:扉
152:電子ロック部
16 :制御部
161:在庫管理処理部
162:取得処理部
163:取り揃え確認処理部
164:制限処理部
165:補充通知処理部
166:判定処理部
167:出力処理部
17 :記憶部
18 :通信IF
21 :トレイ棚
22 :トレイ
211:計数部
212:LED
50 :薬品容器収容ユニット
55 :薬品容器収容部
551:扉
552:電子ロック部