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  • 特開-ターゲット検出システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022122994
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】ターゲット検出システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20220816BHJP
   G06V 20/56 20220101ALI20220816BHJP
【FI】
G06T7/00 650
G06V20/56
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022092497
(22)【出願日】2022-06-07
(31)【優先権主張番号】202110650431.2
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】クイ, ツィヤン
(72)【発明者】
【氏名】カオ, リャン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】動的カメラで周囲の環境を収集し、撮影の視野範囲を大幅に向上し、ターゲット検出の効率と正確性を向上させるターゲット検出システムを提供する。
【解決手段】ターゲット検出システムは、ターゲット情報ライブラリが配備されるクラウドプラットフォームと、これに接続される移動装置と、を備える。移動装置は、周囲の環境を収集するカメラとターゲット検出クライアントを備える。ターゲット検出クライアントは、移動装置がターゲット検出プラットフォームからダウンロードしてインストールするものであり、クラウドプラットフォームからターゲット情報ライブラリをダウンロードし、ターゲット情報ライブラリに基づいてカメラで収集されたビデオを、ターゲット認識処理し、ターゲットの位置決め情報を取得してクラウドプラットフォームに送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット情報ライブラリが配備されているクラウドプラットフォームと、
該クラウドプラットフォームに接続される移動装置であって、カメラ及びターゲット検出クライアントが備えられる移動装置と、
を備え、
前記カメラが、周囲の環境を収集し、
前記ターゲット検出クライアントは、前記移動装置がターゲット検出プラットフォームからダウンロードしてインストールされたものであり、前記ターゲット検出クライアントが、前記クラウドプラットフォームから前記ターゲット情報ライブラリをダウンロードし、前記ターゲット情報ライブラリに基づいて前記カメラで収集されたビデオをターゲット認識処理を行い、ターゲットの位置決め情報を取得し、前記ターゲットの位置決め情報を前記クラウドプラットフォームに送信するターゲット検出システム。
【請求項2】
前記クラウドプラットフォームに接続されるイベント処理端末を備え、
前記クラウドプラットフォームが、前記ターゲットの位置決め情報を対応する手がかり情報に変換し、前記手がかり情報を前記イベント処理端末に送信し、
前記イベント処理端末が、前記手がかり情報に対するイベント処理結果を前記クラウドプラットフォームに送信する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記クラウドプラットフォームが、前記イベント処理結果に基づいて前記移動装置の所有者のアカウントにインセンティブ情報を送信する請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ターゲット検出プラットフォームが前記移動装置に接続され、前記ターゲット検出プラットフォームには、前記ターゲット検出クライアントのインストールパッケージが配備されている請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記移動装置が、ネットワークを介して前記クラウドプラットフォームと前記ターゲット検出プラットフォームとを通信するための通信モジュールを備える請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記移動装置が、移動端末または車両である請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記位置決め情報が、ターゲット情報、地理的位置情報、及び前記ターゲット情報に関連するビデオのうちの少なくとも2つを含む請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ処理の分野に関し、具体的に、モノのインターネット及ビッグデータの分野に関し、特にターゲット検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市販されているセキュリティ監視システムは、固定式の監視カメラが主である。固定式の監視カメラは、固定視野範囲内に現れた人や物を収集するために、監視カメラを一定場所に取り付けるものである。公安のシーンでは、関係者が固定カメラより撮影されたビデオに対してターゲットオブジェクト認識を行って、特定の人の手がかり情報を探す。しかしながら、監視カメラが一定の場所に取り付けられるため、一部の場所において死角が存在し、撮影の視野範囲が狭く、関係者に提供できる手がかりも限られている。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、視野範囲が広く、検出効率が高いターゲット検出システムを提供し、公安による法の執行のシーンに適用され得る。
【0004】
本開示の一態様によれば、ターゲット検出システムを提供し、ターゲット情報ライブラリが配備されているクラウドプラットと、該クラウドプラットフォームに接続される移動装置であって、カメラ及びターゲット検出クライアントが備えられる移動装置と、を備え、前記カメラが、周囲の環境を収集し、前記ターゲット検出クライアントは、前記移動装置がターゲット検出プラットフォームからダウンロードしてインストールされたものであり、前記ターゲット検出クライアントが、前記クラウドプラットフォームから前記ターゲット情報ライブラリをダウンロードし、前記ターゲット情報ライブラリに基づいて前記カメラで収集されたビデオをターゲット認識処理を行い、ターゲットの位置決め情報を取得し、前記ターゲットの位置決め情報を前記クラウドプラットフォームに送信することに用いられる。
【0005】
選択的に、本開示のいくつかの実施例では、前記ターゲット検出システムは、前記クラウドプラットフォームに接続されたイベント処理端末をさらに備え、前記クラウドプラットフォームは、前記ターゲットの位置決め情報を対応する手がかり情報に変換し、前記手がかり情報を前記イベント処理端末に送信し、前記イベント処理端末は、前記手がかり情報に対するイベント処理結果を前記クラウドプラットフォームに送信する。
【0006】
さらに、本開示のいくつかの実施例では、前記クラウドプラットフォームは、前記イベント処理結果に基づいて、前記移動装置の所有者のアカウントにインセンティブ情報を送信する。
【0007】
本開示のいくつかの実施例では、前記ターゲット検出プラットフォームは前記移動装置に接続され、前記ターゲット検出プラットフォームには、前記ターゲット検出クライアントのインストールパッケージが配備されている。
【0008】
選択的に、本開示のいくつかの実施例では、前記移動装置が、ネットワークを介して前記クラウドプラットフォームと前記ターゲット検出プラットフォームとを通信するための通信モジュールをさらに備える。
【0009】
本開示のいくつかの実施例では、前記移動装置は移動端末または車両である。
【0010】
また、本開示のいくつかの実施例では、前記位置決め情報は、ターゲット情報、地理的位置情報、及び前記ターゲット情報に関連するビデオのうちの少なくとも2つを含む。
【0011】
本開示の技術案によれば、移動装置に取り付けられたカメラを使用して周囲の環境を収集する。これにより、固定式のカメラに比べて撮影の視野範囲や情報のカバレッジを大幅に向上する。移動装置はターゲット検出クライアントをインストールすることにより、クラウドプラットフォームとの接続を実現し、撮影されたビデオに対してターゲット認識処理を行い、クラウドプラットフォームにターゲットの位置決め情報を送信することができることにより、ターゲット検出の効率と正確性を向上させた。
【0012】
なお、この部分に記載の内容は、本開示の実施例の肝心または重要な特徴を特定することを意図しておらず、本開示の範囲を限定することも意図していないことを理解されたい。本開示の他の特徴は、以下の説明を通して容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は、本技術案をよりよく理解するために使用され、本開示を限定するものではない。
図1】本開示の実施例に係るターゲット検出システムの概略構成図である。
図2】本開示の実施例に係る移動装置の作業原理の例を示す図である。
図3】本開示の実施例に係る別のターゲット検出システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面と併せて本開示の例示的な実施例を説明し、理解を容易にするためにその中には本開示の実施例の様々な詳細事項が含まれており、それらは単なる例示的なものと見なされるべきである。したがって、当業者は、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明される実施例に対して様々な変更と修正を行うことができることを認識されたい。同様に、明確及び簡潔にするために、以下の説明では、周知の機能及び構造の説明を省略する。
【0015】
なお、公安による法の執行のシーンにおけるデータソースは、監視カメラ、公安内の実名制、第三者行為データ(例えば携帯電話、基地局、主流のインターネットプラットフォームなど)を含む。関係者は、データソースのうちの情報に基づいてターゲットオブジェクトの手がかりを取得し、関連イベントをタイムリーに処理する。しかしながら、現在、監視カメラは主に固定式のカメラであるため、いくつかの撮影の死角が存在し、ターゲットオブジェクトの手がかりの取得が困難である。
【0016】
上記の課題に基づいて、本開示は、動的カメラで周囲の環境を収集して、ターゲット情報を取得するターゲット検出システムを提案する。
【0017】
図1は、本開示の実施例によって提供されるターゲット検出システムの概略構成図である。図1に示すように、当該ターゲット検出システムは、クラウドプラットフォーム110、移動装置120及びターゲット検出プラットフォーム130を備える。クラウドプラットフォーム110にはターゲット情報ライブラリ111が配備されている。クラウドプラットフォームに接続される移動装置120には、カメラ121とターゲット検出クライアント122が備えられる。ターゲット検出クライアント122は、移動装置120がターゲット検出プラットフォーム130からダウンロードしてインストールするものである。本開示の実施例では、移動装置120上のカメラ121は、周囲の環境を収集し、撮影されたビデオを得るために用いられる。ターゲット検出クライアント122は、クラウドプラットフォーム110からターゲット情報ライブラリ111をダウンロードし、ターゲット情報ライブラリ111に基づいてカメラ121で収集されたビデオに対してターゲット認識処理を行い、ターゲットの位置決め情報を取得し、ターゲットの位置決め情報をクラウドプラットフォーム110に送信する。
【0018】
一例として、公安による法の執行のシーンにおいて、クラウドプラットフォーム110は、法の執行権限を有するクラウドプラットフォーム、すなわち、当該クラウドプラットフォームには、法の執行権限の関連データ情報が記録されている。クラウドプラットフォーム110に配備されたターゲット情報ライブラリ111は、法の執行機関により注目されている特定の人員情報であってもよく、即ち、法の執行者に対してその位置決め情報を取得する必要のあるターゲットオブジェクト情報であり、例えば、行方不明の子供の調査シーンにおいて、当該ターゲット情報ライブラリは行方不明の子供の顔画像情報またはその他の関連情報であってもよい。
【0019】
本開示の実施例では、移動装置120は、周囲環境のビデオを取得するために、周囲の環境を収集する一方で、収集されたビデオに基づいてターゲット認識処理を行い、関係者より注目されているターゲットオブジェクトを見つけて、ターゲットオブジェクトの位置決め情報をクラウドプラットフォームに送信し、ターゲットオブジェクトに関するイベント処理に対して関係者に価値のある情報を提供する。移動装置120は、例えば、スマートフォン、ノートパソコン、ウェアラブルデバイス、自動車、オートバイ、自転車、および他の移動可能な端末装置などの移動端末または車両であってもよい。なお、移動装置上のカメラで周囲の環境を収集することは、移動装置が到達可能な場所であれば、その周囲環境を採集することに相当し、固定式のカメラに比べて、撮影視野の範囲を大幅に向上することができることにより、データの収集量を増やし、撮影の死角を減らすことができる。
【0020】
ターゲット検出クライアント122は、ビデオに対してターゲット認識処理を行うことに用いられ、現在既存のターゲット認識処理を実現可能なクライアントであってもよい。移動装置120は、ビデオに対するターゲット認識処理機能を実現するために、ターゲット検出クライアント122を予めダウンロードしてインストールする必要がある。一例として、ターゲット検出プラットフォーム130は、移動装置120に接続されることができ、ターゲット検出プラットフォーム130には、ターゲット検出クライアント122のインストールパッケージが配備され、移動装置120は、ターゲット検出プラットフォーム130からターゲット検出クライアント122をダウンロードしてインストールすることができる。
【0021】
更なる明確に説明するために、次に、自動車である移動装置を例として説明する。一例として、移動装置が自動車であり、自動車にカメラが備えられる場合、当該自動車がターゲット検出クライアントを取得する方法は、車の所有者が自動車についている端末オペレーティングシステムから対応するターゲット検出クライアントを検索し、ダウンロード要求を開始すること、ターゲット検出プラットフォームが、当該自動車に対応するダウンロード要求を受信した後、ターゲット検出クライアントのインストールパッケージを自動車についているオペレーティングシステムに送信し、車の所有者が車載装置にカスタムインストールすることであってもよい。技術の更新に伴い、ターゲット検出クライアントのバージョンも更新されるため、バージョンの更新に対して、ターゲット検出クライアントに更新プロンプトページが表示され、車の所有者が更新操作を実行するように案内することができる。例えば、ターゲット検出クライアントは更新操作ページをポップアップし、車の所有者が更新を確認する操作をトリガーすると、更新要求を開始したことに相当する。ターゲット検出プラットフォームは更新要求を受信した後、最新のターゲット検出クライアントのインストールパッケージを車載オペレーティングシステムに送信し、ターゲット検出クライアントの更新インストールを行う。また、ターゲット検出クライアントの更新は自動更新の方式を使用してもよく、その具体的な更新方式は、実際に使用されているターゲット検出クライアントに基づいて決定されることができ、ここで、本開示は例で説明することにすぎず、これを限定しない。
【0022】
ターゲット検出クライアント122は、移動装置が収集されたビデオに対してターゲット認識処理を行って、ターゲット情報ライブラリ内の対応するターゲットオブジェクトを見つけ、ターゲットオブジェクトの位置決め情報を取得し、位置決め情報をクラウドプラットフォーム110に送信できるように機能する。したがって、移動装置120にターゲット検出クライアント122がインストールされた後、クラウドプラットフォームからターゲット情報ライブラリ111をダウンロードし、ターゲット情報ライブラリ111に基づいて、収集されたビデオに対してターゲット認識処理を行う必要がある。一例として、ターゲット情報ライブラリ111をダウンロードする実現形態は、移動装置120にターゲット検出クライアント122がインストールされた後、初めてターゲット検出クライアント122を開く時、ターゲット検出クライアントが自動的にターゲット情報ライブラリ111のダウンロード要求を開始するか、または関係者によってターゲット情報ライブラリ111のダウンロード要求をトリガする。クラウドプラットフォーム110は要求を受信すると、ターゲット情報ライブラリ111を当該ターゲットクライアント122に送信することができる。なお、ターゲット情報ライブラリ111は、イベント処理状況の変化に伴って継続的に更新されるため、ターゲット検出クライアント122は、ダウンロードされたターゲット情報ライブラリ111を同期更新する限り、ターゲット認識の正確性を確保することができる。実現可能な態様として、クラウドプラットフォーム110のターゲット情報ライブラリ111が更新された後、対応する更新データをダウンロードされたターゲット情報ライブラリのターゲット検出クライアント122に送信することにより、ターゲット情報検出クライアント122におけるダウンロードされたターゲット情報ライブラリが同期更新されることができる。
【0023】
本開示の実施例では、ターゲット検出クライアント122は、ターゲット情報ライブラリ111に基づいてカメラ121で収集されたビデオに対してターゲット認識処理を行い、ターゲット検出クライアント122は、カメラで収集されたビデオに対してターゲット認識処理を行い、カメラで収集されたビデオにターゲット情報ライブラリ111と一致するターゲットオブジェクトが存在するか否かを決定することに相当する。カメラ121で収集されたビデオにターゲット情報ライブラリ111と一致するターゲットオブジェクトが存在すると、対応するビデオ撮影の場所、時間などの情報に基づいてターゲットの位置決め情報を得て、ターゲットの位置決め情報をクラウドプラットフォーム110に送信する。
【0024】
本開示の実施例では、ターゲットの位置決め情報は、ターゲット情報、地理的位置情報、及びターゲット情報に関連するビデオのうちの少なくとも2つを含むことができ、イベント処理に有利な他の関連情報を含むこともできる。ターゲット情報とは、収集されたビデオに対してターゲット認識処理を行った後、当該ビデオにターゲット情報ライブラリと一致するターゲットオブジェクトを決定すると指す。地理的位置情報は、例えばGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)情報など、当該ターゲット情報が発見されたビデオに対応する撮影場所情報を意味する。ターゲット情報に関連するビデオは、カメラで収集されたビデオにおける当該ターゲット情報を認識できるビデオセグメントを意味する。なお、関係者は、ターゲットの位置決め情報に基づいて、ターゲットオブジェクトに対応する位置決め情報を決定することができ、関連イベントの処理を支援し、さらにイベント処理の効率を向上させることができる。
【0025】
例えば、図2に示すように、公安による法の執行人が行方不明の子供を調査するシーンを例として、移動装置の作業原理を紹介する。ターゲット情報ライブラリが行方不明の子供の顔画像である場合、移動装置は、ターゲット情報ライブラリにおける行方不明の子供の顔画像に基づいて、収集されたビデオにおける顔情報を抽出し、ビデオにおける顔を行方不明の子供の顔画像と比較し、収集されたビデオに行方不明の子供と一致する顔が存在するか否かを決定する必要がある。収集されたビデオに行方不明の子供と一致する顔が発見された場合、当該ビデオの撮影の場所情報、対応する行方不明の子供の顔情報、および当該行方不明の子供の顔を含むビデオセグメントをターゲットの位置決め情報として、ターゲットの位置決め情報をクラウドプラットフォームに送信することができる。収集されたビデオに行方不明の子供と一致する顔が発見されない場合、クラウドプラットフォームにデータを送信しなくて、抽出された顔情報を破棄することができる。関連する法の執行人は、クラウドプラットフォームが受信した位置決め情報に基づいて分析することができて、当該行方不明の子供の軌跡情報を決定し、法の執行人が行方不明の子供を追跡する効率を向上させた。
【0026】
なお、本開示の技術案では、関連する監視情報及び関連する個人情報の取得、記憶、応用などは、いずれも関連法律法規の規定に合致し、かつ公序良俗に違反しない。
【0027】
本開示の実施例に係るターゲット検出システムによれば、移動装置に取り付けられたカメラを使用して周囲の環境を収集することで、固定式のカメラに比べて撮影の視野範囲や情報のカバレッジを大幅に向上した。移動装置はターゲット検出クライアントをインストールすることにより、クラウドプラットフォームとの接続を実現し、撮影されたビデオに対してターゲット認識処理を行い、クラウドプラットフォームにターゲットの位置決め情報を送信することができることにより、ターゲット検出の効率と正確性を向上させた。
【0028】
上記の実施例に基づいて、関係者がクラウドプラットフォームが受信したターゲットの位置決め情報に対してタイムリーに処理できるように、本開示は、別のターゲット検出システムを提案する。
【0029】
図3は本開示の実施例によって提供される別のターゲット検出システムの概略構成図である。図3に示すように、図1に示すターゲット検出システムに加えて、当該ターゲット検出システムは、クラウドプラットフォーム310に接続されるイベント処理端末340をさらに備える。本開示の実施例では、クラウドプラットフォーム310は、さらに、ターゲットの位置決め情報を対応する手がかり情報に変換し、手がかり情報をイベント処理端末340に送信する。対応する作業員は、イベント処理端末340が受信した手がかり情報に基づいてイベントを処理し、イベントを処理した後、当該手がかり情報に対するイベント処理結果をイベント処理端末340を介してクラウドプラットフォーム310に送信する。クラウドプラットフォーム310はさらに、実際の処理結果に基づいて、移動装置320の所有者のアカウントにインセンティブ情報を送信する。
【0030】
本開示の実施例では、クラウドプラットフォーム310は、ターゲットの位置決め情報を対応する手がかり情報に変換し、クラウドプラットフォーム310は、受信したターゲットの位置決め情報に基づいて分析計算を行い、ターゲット情報に対応する手がかり情報を生成することに相当する。手がかり情報は、各時間に対応するターゲット情報の運動軌跡情報であってもよく、または、ターゲット情報の行為情報であってもよく、または、ターゲット位置決め情報によって得られた他の手がかり情報であってもよい。例えば、行方不明の子供の追跡のシーンにおいて、ターゲット位置決め情報にターゲットオブジェクトの顔情報、ビデオ情報、及び地理的位置情報が含まれ、ビデオにおいて当該ターゲットオブジェクトがあるタクシーに向かっている場合、クラウドプラットフォームが当該ターゲット位置決め情報に基づいて変換した手がかり情報は、ターゲットオブジェクトがある時点である場所にあるタクシーに乗ることであってもよい。イベント処理端末が当該手がかり情報を受信した後、関連する法の執行人はすぐデータクエリによって当該タクシーを追跡し、当該タクシーの走行軌跡に基づいて当該ターゲットオブジェクトを見つけることができる。
【0031】
イベント処理端末340は、手がかり情報に対するイベント処理結果をクラウドプラットフォーム310に送信し、関係者がイベント処理端末340が受信した手がかり情報に対してイベントを処理した後、イベント処理の結果をイベント処理端末340を介してクラウドプラットフォーム310に通知することに相当する。これにより、クラウドプラットフォーム310は、イベント処理結果に基づいて、ターゲット情報ライブラリをタイムリーに更新するだけでなく、対応する手がかり情報が有効であるか否かを察知することができる。例えば、クラウドプラットフォーム310が受信したイベント処理結果が処理に成功した場合、クラウドプラットフォーム310は、当該イベントに関連するターゲット情報をターゲット情報ライブラリから取り除いて、ターゲット情報ライブラリのタイムリーな更新を確保することができる。また、例えば、クラウドプラットフォーム310が受信したイベント処理結果が成功していない場合、クラウドプラットフォーム310は、手がかりがエラーに変換される場合が発生しないように、対応するターゲット位置決め情報に対してチェックすることができる。
【0032】
移動装置の所有者が当該ターゲット検出システムを介してクラウドプラットフォームにターゲットの位置決め情報を提供することを励ますために、本開示の実施例では、クラウドプラットフォーム310はまた、イベント処理結果に基づいて移動装置の所有者のアカウントにインセンティブ情報を送信する。クラウドプラットフォーム310は、移動装置320から送信されたターゲットの位置決め情報を受信する時、送信されたターゲットの位置決め情報に対応する移動装置の一意の識別子を取得することができることにより、対応する権限を有する従業員が関連データクエリによって当該移動装置の所有者のアカウント情報を取得することができる。また、インセンティブ情報は、移動装置の所有者がその移動装置を当該ターゲット検出システムに参加させるように促す情報であってもよい。例えば、移動装置が車両である場合、対対応するインセンティブ情報は、仮想通貨、当該車両に対応する自賠責保険年間、当該車両に対応するETC(Electronic Toll Collection、 ノンストップ自動料金支払いシステム)カード等であってもよい。
【0033】
また、本開示の実施例では、図3に示すように、移動装置320は、ネットワークを介してクラウドプラットフォーム310とターゲット検出プラットフォーム330とを通信するための通信モジュール323をさらに備える。利用されるネットワークは、3G、4Gまたは5Gの移動通信ネットワークであってもよく、または、Wifi無線ネットワークであってもよく、TCP/IPなどの関連ネットワークプロトコルをサポートする。
【0034】
なお、図3に示す310~330は、図1に示す110~130と同じ構造及び機能を有しており、ここで説明を省略する。
【0035】
本開示の実施例に係るターゲット検出システムによれば、クラウドプラットフォームに接続されるイベント処理端末を追加することにより、クラウドプラットフォームは受信したターゲット位置決め情報を手がかりに変換してイベント処理端末に送信することにより、ターゲット位置決め情報の伝送効率を向上させると共に、イベント処理の効率を向上させた。また、イベント処理端末は、イベント処理結果をクラウドプラットフォームに送信し、クラウドプラットフォームがイベント処理の情報をタイムリーに取得できるようにし、情報の同期性を向上させた。また、クラウドプラットフォームは、実際の処理結果に基づいて対応する移動装置の所有者のアカウントにインセンティブ情報を送信し、移動装置の所有者がその移動装置をターゲット検出システムに参加させる積極性を引き出すことができ、移動装置の数を効果的に向上することができることにより、撮影視野のカバレッジ範囲をさらに向上し、イベント処理の効率を向上させることができる。
【0036】
上記の具体的な実施形態は、本開示の権利範囲を制限するものではない。当業者は、設計要求と他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、サブコンビネーション、及び代替を行うことができると理解されたい。任意の本開示の精神と原則内で行われる修正、同等の置換、及び改善などは、いずれも本開示の権利範囲内に含まれなければならない。
図1
図2
図3