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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123043
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】ペンニードルの外側カバーの概念
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20220816BHJP
   A61M 5/34 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
A61M5/32 510D
A61M5/34
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096620
(22)【出願日】2022-06-15
(62)【分割の表示】P 2020215458の分割
【原出願日】2014-12-04
(31)【優先権主張番号】61/912,538
(32)【優先日】2013-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522179943
【氏名又は名称】エンベクタ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーン サリヴァン
(72)【発明者】
【氏名】スダーサン スリニヴァサン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ディビアシ
(72)【発明者】
【氏名】キース ナップ
(72)【発明者】
【氏名】クンジャル オザ
(72)【発明者】
【氏名】サジャイエシュ ヴィジャヤチャンドラン
(72)【発明者】
【氏名】ガネシュ カンブル
(57)【要約】
【課題】使いやすいようなペンニードルの提供。
【解決手段】ペンニードルは、近位端を有するハブと、ハブ上で軸方向に受け入れられ、近位端および遠位端を有するニードルと、ニードルの遠位端を覆うために、ハブの上に受け入れられる外側カバーとを備え、外側カバーは、側壁を有する近位端および前記ハブを受け入れるために近位端の側壁を隣接する接受部を有し、外側カバーの近位端の側壁は、ハブの近位端と係合する接受部の内径よりも大きい内径を有する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペンニードルであって、
近位端を有するハブと、
前記ハブ上で軸方向に受け入れられ、近位端および遠位端を有するニードルと、
前記ニードルの前記遠位端を覆うために、前記ハブの上に受け入れられる外側カバーと
を備え、
前記外側カバーは、側壁を有する近位端および前記ハブを受け入れるために前記近位端の前記側壁を隣接する接受部を有し、
前記外側カバーの前記近位端の前記側壁は、前記ハブの前記近位端と係合する前記接受部の内径よりも大きい内径を有することを特徴とするペンニードル。
【請求項2】
前記ハブは、前記ニードルの前記近位端を越えて近位に延在する伸長部を有する近位端側壁を有し、前記ハブの前記近位端側壁は、投薬ペン上に取り付ける際に前記外側カバーの前記接受部の側壁と接触して、前記ハブの移動を抑制することを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項3】
前記外側カバーは、透明であることを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項4】
投薬ペン上に取り付ける際に前記ハブの移動を防ぐために前記外側カバーと前記ハブとの間に摩擦嵌めをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項5】
前記外側カバーは、前記近位端の前記側壁と前記外側カバーの遠位部分との間に、勾配が付けられた内面を有することを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項6】
前記近位端ニードルおよび前記遠位端ニードルは、前記ハブの軸方向ボア内に位置決めされたカニューレの対向する端部であることを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項7】
前記ハブの近位端は前記ニードルの近位端を越えて延びていることを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項8】
前記ハブは側壁および前記側壁の近位端から延びる伸長部を有し、前記ハブの前記伸長部は前記ハブの前記側壁の外径よりも大きい外径を有することを特徴とする請求項7に記載のペンニードル。
【請求項9】
前記ハブの前記伸長部は、前記ハブの前記側壁の内径と実質的に等しい内径を有することを特徴とする請求項8に記載のペンニードル。
【請求項10】
前記外側カバーの前記接受部は、前記ハブの軸長と実質的に等しい軸長を有することを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項11】
前記外側カバーの前記近位端の前記側壁は、前記ハブが前記外側カバーの前記接受部に位置する時に、前記ハブから近位方向へ延びていることを特徴とする請求項10に記載のペンニードル。
【請求項12】
前記外側カバーの前記側壁は、長さおよび薬剤送達ペンの本体を受容するのに充分である内径を有し、前記ハブは、前記薬剤送達ペンの本体の外径よりも小さい外径を有する前記薬剤送達ペンの先端部を受容するのに充分である内径を有することを特徴とする請求項10に記載のペンニードル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤送達デバイスの分野のものであり、とりわけ、本発明は、投薬ペン(medication pen)を対象としており、特に、投薬ペン本体部上へのペンニードルの取付けと、それに続く使用後のペンニードルの取り外しとを円滑にすると同時に、非患者端カニューレ(non-patient end cannula)を保護する外側カバーを有するペンニードルを対象とする。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2013年12月5日に出願された米国特許仮出願第61/912,538号の利益を主張するものである。
【0003】
ペンニードルは、自己投与型注射可能薬物のための薬剤送達システムにおいて広く使用されている。普及している一配置構成では、ペンニードルは、層状にされた紙および箔の「涙滴形ラベル」で封止された外側キャップに入れられて提供される。使用者は、熱融着された涙滴形ラベルを外側キャップから取り除き、ニードルベアリングハブ(needle-bearing hub ニードル支持ハブ)の近位端上の空洞内に配置されている近位端ニードルまたは「非患者」端ニードルを露出させる。次いで、露出されたニードルベアリングハブは、ニードルの非患者端が投薬ペンの薬物保管部分の閉鎖部を穿刺するように投薬ペン上にねじ込まれる。キャップは取り外され、患者端ニードルを支持するハブ上の支柱の上を摺動する、より小さいニードルシールドも、注射を実行する前に取り外される。キャップは、また、ニードルハブアセンブリを取り外すためにも使用され得る。このシステムは、広く受け入れられているが、それでもなお、使いやすさを向上させることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8,887,912号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0069755号明細書
【発明の概要】
【0005】
非患者端ニードルと投薬ペンとを位置合わせしてペン上にペンニードルをねじ込む難しい作業を回避するために、本発明の一目的は、取付け時に投薬ペン上に自己位置合わせするペンニードルを提供することである。本発明の別の目的は、使用後に、または開放した後で、ただしペン上に取り付ける前に、再閉鎖され得る非患者端ニードルの上にカバーを設けることである。
【0006】
本発明の一実施形態によれば、前述の目的は、ペンニードルを使用して達成され、このペンニードルは、指保持部を提供する少し凹んだ(gently concave)側部を有する閉鎖遠位端と、ニードルベアリングハブを受け入れる開放近位端とを有する外側カバーを備える。この実施形態によるニードルベアリングハブは、初期状態において外側カバーの開放近位端と位置合わせされた近位縁によって画成される開放近位端を有する。ハブの近位縁に(または外側カバーの開放端に)ヒンジで連結されたフラップは、投薬ペン上へのハブの取付けを許す開放位置と、ハブ内(また外側カバー内)のニードルの非患者端を取り囲む閉鎖位置とを有する。
【0007】
この実施形態における外側カバーは、開放近位端のインボードにある外側カバーの側壁内に柔軟なストリップを画成する切欠を備え得る。このストリップ上の径方向内向きに面する突出部は、ハブの径方向外向きの表面上の起伏と係合し、それにより、外側カバーがハブに対して回転されたときにストリップ上の突出部がハブ上の起伏に当たると、突出部は可聴音または触感を発生する。いくつかの実施形態では、ストリップは、円周方向に向けて設けられ、爪機構として働き、反時計回りの方向の回転に抵抗する。
【0008】
本発明による別の実施形態では、ペンニードルは、指保持部を提供するテーパー付き側部を有する閉鎖遠位端と、ニードルベアリングハブを受け入れる開放近位端とを有する外側カバーを備える。ハブは、近位開放端から近位に延在し、ハブから径方向外向きに湾曲している複数の突出部を画成する、外側カバーの近位縁まで延在する縦方向切欠を有する。初期状態では、ニードルベアリングハブが外側カバーに含まれている場合、突出部は、ハブの近位端を越えて延在し、少し内向きに曲がって、非患者端ニードルからの針刺しから使用者を保護する。したがって、この実施形態では、突出部は、取り付ける際に外向きに曲がってニードルベアリングハブを解放し、保管する場合には内向きに曲がってニードルベアリングハブを収容する。
【0009】
前の実施形態と同様に、柔軟なストリップは、開放近位端のインボードに備えられた、外側カバーの側壁内に形成されてもよく、ストリップ上の内向きに面している突出部は、外側カバーがハブに対して回転されたときに、この突出部がハブ表面上の起伏と接触すると感覚フィードバックをもたらすように、ハブの径方向外向きの表面上の起伏と係合する。ストリップは、円周方向に向けて設けられ、それにより、これは爪機構として働き、反時計回りの方向の回転に抵抗する。
【0010】
別の態様では、本発明は、伸長された近位端側壁を持つペンニードル外側カバーを対象とし、近位端上の外側カバー側壁は、非患者端ニードルの端部を越えて延在する。したがって、ニードルは、ペンニードルの近位端上の空洞内に埋め込まれており、ハブは、ニードルが投薬ペンと軸方向に位置合わせされるまで投薬ペンと嵌合され得ない。この配置構成は、ハブが投薬ペンと自己位置合わせされること、および、ハブが投薬ペン上に嵌合される前に、非患者端ニードルが常に投薬ペンに対して適切な軸方向に向けて設けられていることを確実にする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による外側カバーおよびハブアセンブリを示す図である。
図2図1の外側カバーおよびハブアセンブリを示す分解図である。
図3】本発明の一実施形態による外側カバーの斜視図である。
図4図3の外側カバーの内側の破断図である。
図5】本発明の一実施形態によるハブアセンブリの斜視図である。
図6】本発明の別の実施形態による外側カバーの斜視図である。
図7図6のアセンブリの分解図である。
図8】内側ニードルシールドを受け入れるためのスロットを有する遠位の患者に面する側部を示す、本発明の一実施形態によるニードルベアリングハブの図である。
図9】開放位置にある、図1の外側カバーおよびハブアセンブリを示す図である。
図10】伸長された側壁を有するペンニードル外側カバーの図である。
図11図10のペンニードル外側カバーに受け入れられるように適合されたハブの図である。
図12図10によるペンニードル外側カバーに受け入れられる、図11によるハブと、投薬ペンとの係合を示す図である。
図13】投薬ペン上にハブが据え付けられた、図12のアセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
これらの図は、本発明を例示することを目的とする概略図であり、縮尺通りに作図されていない。特徴部は、各部分が本発明によりどのように動作するかを示すために拡大されるか、縮小されるか、簡略化されるか、または排除され得る。
【0013】
本明細書で使用されているように、「遠位」方向は、注射部位の方向にあり、「近位方向」は、その反対方向である。「軸」方向は、注射デバイスの長手方向軸に沿っており、「直径」は、一般的に、長手方向軸に関する直径である。カニューレは、一般的に、デバイス内に軸方向に配置構成される。「径方向」は、軸方向に垂直な方向である。したがって、「径方向内向き」は、一般的に、ニードルにより近いことを意味する。「円周方向」に延在する要素は、要素が円周上に延在することを意味し、例えば、投薬ペン上のネジ山は、ペンの遠位端上の円周方向に配置構成される。「投薬ペン」は、事前充填された薬剤送達デバイスを指すために本明細書では広い意味で使用されている。しかしながら、最も好ましい実施形態では、投薬ペンは、ペン状本体部と、自動投薬に適合された近位に配置されているサムボタンとを有することによって特徴付けられる。「切欠」は、表面の貫通開口部(表面の内側と外側)によって画成される表面上の特徴部を指し、切欠は、開口部が表面の縁まで延在していない場合に「インボード」と言われる。
【0014】
本発明によるペンニードルは、把持を円滑にするためにテーパー付き側部を有するカバー、および外側カバー内のハブと、ハブがペンニードル上に取り付けられるときにこれら2つの要素が一緒に回転するように係合させるための手段を備える。テーパー付き側部は、使用者の指の形状におおよそ一致して、指保持部を提供するように少し凹んでいる。複数の実施形態では、外側カバーは、ハブの径方向外向きの表面上の起伏と接触し、ニードルベアリングハブが投薬ペン上に取り付けられた後、外側カバーがハブに対して回転するときに聴覚的標識を出す曲げられるストリップを備える。ストリップは、ハブが取り外されようとしているときに外側カバーがハブに関する反時計回りの方向の回転に抵抗するように爪機構を有するものとしてよい。
【0015】
図1の実施形態では、外側カバー12は、角13で終端する凹んだテーパー付き側部16によって形成される閉鎖遠位端14を有する。これらの角の反対側にある閉鎖遠位端の側部は、丸くなっている。テーパー付き側部16は、親指と人差し指で把持することを促し、円滑にし、この目的のためにリブ18を備え得る。側部16は、指で保持する形状であることを伝えることを意図され、「少し凹んでいる」と説明される。ハブ10は、外側カバー12の近位端内に受け入れられる。図2の分解図は、外側カバー12に嵌るときのハブ10の向きを示しており、患者端ニードル22は、ハブ10の患者に面する表面から外側カバー12の内側内に突出する。ニードルベアリングハブ10の開放端は、投薬ペンに取り付けられるように適合されている。典型的には、ハブは、ネジ山を備えるように適合され、投薬ペン上の対応するネジ山と嵌合する。しかしながら、ハブは、投薬ペン上の対応する溝および/または隆起部と嵌合し、回転あり又は回転なしでハブが取り付けられ、適所にカチリと嵌ることを可能にする、1または複数の溝および/または隆起部を備えるように適合され得る。ハブと投薬ペンとの間の摩擦嵌めも使用され得る。取付け手段は、当業者の選択に任される。ハブ10の開放端を画成する近位縁29は、組み立てられた状態にあるカバー12の開放端と位置合わせされる。非患者端ニードル26は、ハブが取り付けられるときに投薬ペン本体部内の薬剤カートリッジの隔壁を穿刺するように適合され、好ましくは、ニードル26は、ハブ10の開口部の近位縁29によって形成される平面を越えて突出しない。典型的には、患者端ニードルおよび非患者端ニードルは、各端部上の一点に対して斜角を付けられ、粘着剤または他の手段によってハブ内の軸方向ボア内に貼り付けられる単一のステンレススチールカニューレの対向する端部である。「患者端ニードル」および「非患者端ニードル」に言及した場合、これは、針先を指す-典型的には(必ずというわけではないが)これらは同一のカニューレの対向する端部である。
【0016】
図示されている実施形態では、ガードフラップ28は、少なくとも2つの位置、すなわち、ハブを取り付けるための第1の開放位置と、ハブを移送するか、または使用後に破棄するための第2の閉鎖位置を維持することができるヒンジ27によってハブ10の近位縁29に取り付けられる。図1に示されている、閉鎖位置では、フラップ28は、うっかり針刺ししないように非患者端ニードル26をシールドする。図2に示されている開放状態では、非患者端ニードル26は露出され、フラップ28はニードルの軸と平行であり、ハブは薬剤送達デバイス上にねじ込まれ得る。プラスチック製カムおよび係止要素(図示せず)がヒンジ上に設けられ、ハブまたは外側カバーを圧接してフラップを第1または第2の位置に保持し、フラップが第1の位置から第2の位置に、または第2の位置から第1に位置に移動されるときに抵抗をもたらし得る。当技術分野では、同じプロセスにおけるフラップ28を含む、ハブ10とともに成形され得る、一体となったリビングヒンジなどの、射出成形部品とともに使用するように適合され得るさまざまなヒンジ構造物が知られている。カム要素および係止固定具を含むヒンジが開示されている(例えば、この目的のために参照により本明細書に組み込まれている特許文献1参照)。ヒンジの設計は、当業者に任されるものとしてよい。実施形態では、フラップ28は、ハブの代わりに外側カバー12にヒンジで連結され得る。
【0017】
実施形態では、フラップ28は、2つの閉鎖位置、すなわち、ハブが移送されてその後開放されることを可能にし、それにより、ニードルベアリングハブが投薬ペン上に取り付けられ得る、フラップが解放可能に保持される(例えば、カム面の抵抗に対して)第1の閉鎖位置と、処分のためフラップが閉鎖位置に永久的に係止される第2の位置を備え得る。
【0018】
図9に示されている実施形態では、ハブ10の外面は、好ましくは、外側カバー12上に形成されたストリップ33と連携して、ハブが投薬ペン上に完全に取り付けられたときに聴覚的標識を出す、一連の縦方向に配置構成された溝24を備える。図3に示されている実施形態では、ストリップ32は、ストリップ32が外側カバー12に対して曲げられるように外側カバー12の開放近位端のところに形成される切れ目34の間に形成される。図4の内部破断図に示されているように、外側カバー12の内側は、ストリップ32の径方向内向きの表面上に形成された突出部38を備える。類似の突出部(図示せず)が、図9の実施形態のストリップ33の径方向内向きの表面上に設けられ得る。ハブがハブを回転させてネジ接続部上に取り付けることによって投薬ペンに取り付けられる場合、ハブおよび外側カバーは、最初に、一緒に回転する。これは、ハブ10と外側カバー12との間の締まり嵌めを形成することによって確実にされ得る。適宜、外側カバー12の内面上の縦方向リブ36は、ハブ10と係合して、締まり嵌めを形成する。しかしながら、ハブ10が、投薬ペン上に完全にねじ込まれた後、外側カバーを回すと、外側カバー12はハブに対してさらに回転させられる。柔軟なストリップ32は、突出部38が引き摺られて溝24を横切ると曲がり、ハブが投薬ペン上に完全に取り付けられたことを標識する可聴ラチェット音を鳴らし、および/または触感をもたらす。
【0019】
図9では、ストリップ33は、開放近位端のインボードの外側カバー上で円周方向に向けて設けられ、ストリップ33は爪機構として働く。この構成では、ストリップ33上の内向きに面する突出部(図9に図示せず)は、ハブが投薬ペン上に完全に据え付けられた後に外側カバーが時計回りの方向に回転されたときに、引き摺られてハブ上の起伏24を横切るが、この方向を逆転すると、外側カバー12およびハブ10は、ハブ10が処分のため投薬ペンから取り外されるときに、一緒に回転させられる。
【0020】
本発明の異なる実施形態によるニードルベアリングハブ10の遠位面52が図5および図8に示されている。図5および図8を見るとわかるように、ハブ10の遠位面52は、ニードルの周りの環状溝(環状スロット)54を除き、ニードルからハブの周囲まで、もっぱら平坦である。ニードルベアリング支柱がハブ内に埋め込まれ、環状溝54が患者端ニードル22の周りに径方向に形成される。この環状溝54は、フランジ137を備える内側ニードルシールド72を受け入れ(フランジ137を含む内側シールド72は、図7に示されている実施形態と実質的に同一であり得る)、内側シールド72を環状溝54内に据え付ける。平坦な圧力パッド領域を有するハブが開示されている(例えば、この目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれている特許文献2参照)。
【0021】
図1の外側カバーを使用してニードルベアリングハブ10を投薬ペン上に取り付けるために、フラップ28は、図9に示されている位置で、ペンニードルの長手方向軸と揃うまで、図1に示されている閉鎖位置から開放される。この状態において、使用者は外側カバー12によってハブを保持し、雌ネジを付けられたハブ10を、アセンブリを時計回りに回転させてペンのネジ山付き端部上に取り付けることによって投薬ペン上に取り付ける。特定の時点において、ハブ10が、完全に据え付けられたときに、外側カバー12は、ハブが完全に取り付けられた後にハブ10に対して回転し、ストリップ33上の突出部は、引き摺られてハブ上の溝24を横切るときにラチェット音を鳴らす。外側カバーは、遠位に引くことによって取り外され、投薬ペン上に固定されたハブを残す。この状態で、投薬ペンは、注射を打つ用意ができている。外側カバーは、元に戻され、反時計回りに回されて、ハブをペンから取り外す。これ以降は、フラップ28は、処分時にうっかり針刺しするのを防ぐために閉鎖され得る。
【0022】
図6は、外側カバー60の開放近位端がペンニードルを把持するのを補助する本発明の別の実施形態を示している。外側カバー60は、親指と人さし指とで把持されるように適合され、湾曲した閉鎖遠位端61のところで交わる、テーパー付き側部を有する。テーパー付き側部は、先の実施形態と同様に、指保持部を提供するように少し凹んでいる。外側カバー上のテーパー付き側部は、図6に示されているように、使用者の指による保持を高め、湾曲した遠位端のところで交わる、リブ82を備え得る。開放近位端は、近位に延在し、ハブから径方向外向きに湾曲している複数の突出部64を画成する外側カバーの近位縁まで延在する縦方向切欠62を有するように構成される。突出部64は、非患者端ニードルからうっかり針刺ししないよう使用者を保護する外側カバー内にハブが完全に受け入れられたときに近位方向にハブを越えて延在する。突出部64は、例えば、カバー60がハブから引き離されたときに外向きに曲がるように形成される。
【0023】
図7の分解図は、ハブ10が内側ニードルシールド72と、これらの要素が外側カバー60内に挿入される向きで位置合わせされる状態を示している。前の実施形態と同様に、また図7に示されているように、ハブ10の径方向外面が起伏とともに備えられ得る。図6に示されているように、切欠84は、開放近位端のインボードでフラップ104を形成する。フラップは、ハブの方へ径方向内向きに面する突出部を備える(図には示されていない)。インボードのフラップ104の円周上の向きは、爪として働き、ハブに関する外側カバーの、反時計回りの方向の回転に抵抗する。
【0024】
本発明の一実施形態によるハブ10の遠位の患者に面する側部52が図8に示されている。ニードルの有効貫入深さは、ここでは重要でなく、4mmから8mm、または当技術分野で知られている他の標準的な長さ、または非標準的な長さであってよい。図示されている実施形態では、ニードルを支えるハブ支柱57は、ハブ内に埋め込まれている。内側ニードルシールド72を収容できるようにハブ支柱の周りに環状スロット54が設けられている。内側ニードルシールドは、環状スロット内に確実に嵌るようにフランジ137を備える。
【0025】
図6の外側カバーを備えるニードルベアリングハブに対する取付手順は、図1の外側カバーに対する手順と類似している。使用前に、ハブ10は、外側カバー60内にあり、外側カバー60上の突出部64は、ハブの遠位端を越えて延在し、内向きにわずかに曲がり、ハブ上のニードルの非患者端から使用者を保護する。外側カバー60を投薬ペンのネジ山付き端部上に押し付けると、突出部64は外向きに広がり、投薬ペンがハブ10に近づくことを可能にし、ハブ10は外側カバー60の時計回りの回転でペン上にねじ込まれる。外側カバー60を、ペン上にハブが完全に取り付けられた段階を越えて回すと、外側カバー60は、ハブ10に対して回転し、外側カバーの側壁上の柔軟なストリップ104が引き摺られてハブ10の起伏のある表面を横切るときに聴覚的標識および/または触覚的標識を出す。この時点で、外側カバー60は、それを遠位方向に引くことによって取り外され得る。使用者は、ニードルを覆っている内側シールド72を取り外すと、ペンは注射の用意ができている。処分のためハブ10を取り外して保管するために、カバー60は、ハブの上の近位に置かれ、反時計回りに回転され、ハブ10が外側カバーの突出部64内に実質的に取り囲まれている状態で遠位に引かれる。
【0026】
本発明のさらなる態様は、図10から図13に示されている。図10では、外側カバー100は、ハブ110が外側カバー100内に受け入れられるときに非患者端ニードル126の先端部を越えて延在する伸長された近位側壁101を備えている。図11は、この実施形態では、同様に、非患者端ニードル126の近位端を越える伸長部111を備えるハブ110を示している。伸長された側壁101は、投薬ペン120と非患者端ニードル126とがうっかり接触するのを防ぐ。図12および図13に示されているように、伸長されたフランジ特徴部101、111は、一緒に組み立てられているカバー100およびハブ110が、投薬ペン120上に取り付けられるときに自己位置合わせするように設けられる。ねじ込みまたは同様の方法で、ハブ110が投薬ペン120上に取り付けられるようにカバー100と投薬ペン120との間にある程度の隙間が設けられる。したがって、外側カバーの近位端側壁の直径は、ハブの近位端の直径よりも大きい。
【0027】
非患者端ニードル126がある角度で投薬ペン120に入り、曲がり、場合によっては中の薬剤区画内の薬剤に到達できない事態を防ぐために、伸長された側壁101は、投薬ペンを開口部内に挿入されるときに方向付ける。ハブの近位端を越えて近位方向に外側カバーを伸長させることで、外側カバー100、およびしたがって、ハブ110を投薬ペン上に誘導しやすくなる。例えば、0.01インチ(0.25mm)から1.00インチ(25.40mm)の伸長された側壁が動作可能である。好ましくは、側壁は、ニードルを越えて約0.20インチ(5.08mm)から約1.00インチ(25.40mm)伸長し、より好ましくは、伸長されたフランジは、非患者端ニードルの近位端を越えて約0.25インチ(6.35mm)から約0.50インチ(12.70mm)の長さを有する。これらの寸法は、カバーの近位端フランジ部分101およびハブ111の近位端フランジ部分に適用される。近位端側壁101とカバー100の遠位部分との間のカバー100の内面上の勾配が付けられた側部121は、投薬ペン120を、使用者が最初にアセンブリを投薬ペン120上に置く角度に関係なく適所に誘導する。ハブ110が、伸長された近位端側壁111を備える場合、ハブの伸長された側壁111と外側カバーの伸長された側壁101との係合は、ハブ110が投薬ペン上に取り付ける際に移動するのを防止する。あるいは、または付加的に、この目的のために、例えば、ハブ110に当たって嵌るカバー100上の勾配が付けられた内向きに突出するリブを使用してハブ110とカバー100との間に摩擦嵌めが設けられ得る。あるいは、ハブ110上の隆起部または溝などの係止特徴部は、外側カバー100上の連携特徴部と連携してハブ110を取付けの際に適所に保持することができる。係止特徴部は、使用される場合に、取り付けた後外側カバーをハブから遠位に引くことによって乗り越えられ得る。
【0028】
カバー100は、ペン120内の薬剤の状況を使用者が視認できるように透明にされ得る。取り付けられた状態は、図13に示されている。
【0029】
すべての実施形態におけるハブおよび外側カバーを含む、本明細書で説明されているプラスチック製部品は、限定することなく、ポリプロピレンおよび当技術分野で知られている他のポリマーを含む、射出成形に適したポリマーから作られる。同様に、射出成形、抜き成形、および同様の成形の技術は、投薬ペンを製造する当業者によく知られている。しかしながら、本発明は、特定の生産方法に限定されない。ニードルは、典型的には、標準ゲージの外科手術用ステンレススチール部品である。本発明によるペンニードルは、使いやすいように設計され、インスリンなどの自己投与される薬剤に適合されているが、本発明は、特定の薬剤に限定されない。同様に、上で説明されている4mm~8mmの注射深さのニードルは、皮下注射に適しているが、本発明は、皮内注射との併用にも適合され得る。
【0030】
好ましい実施形態の前述の説明は、以下の請求項で定められる、本発明を制限するものとみなされるべきではない。異なる実施形態が関係しており、したがって、従属請求項において述べられている特徴は、互いに組み合わせる、他の独立請求項と組み合わせる、および他の実施形態と組み合わせることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部と、前記先端部の先端部外径よりも大きい本体外径を有する本体とを有する投薬ペンと係合するためのペンニードルであって、
近位端を有し、前記投薬ペンの前記先端部を受け入れるようにハブ内径を有するハブであって、前記ハブ上で軸方向に受け入れられるニードルを備えるハブと、
近位端および前記近位端より遠位にある接受部を有する外側カバーと
を備え、
前記外側カバーの前記近位端は前記投薬ペンの前記本体を受け入れる寸法に作られる第1内径を有し、
前記接受部は前記ハブおよび前記投薬ペンの前記先端部を受け入れる寸法に作られる第2内径を有し、
前記第2内径は、前記第1内径および前記本体外径よりも小さいことを特徴とするペンニードル。
【請求項2】
前記ハブは、前記ニードルの前記近位端を越えて近位に延在する伸長部を有する近位端側壁を有し、前記ハブの前記近位端側壁は、前記投薬ペン上に取り付ける際に前記外側カバーの前記接受部の側壁と接触して、前記ハブの移動を抑制することを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項3】
前記外側カバーは、透明であることを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項4】
前記投薬ペン上に取り付ける際に前記ハブの移動を防ぐために前記外側カバーと前記ハブとの間に摩擦嵌めをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項5】
前記外側カバーは、前記近位端の側壁と前記外側カバーの遠位部分との間に、勾配が付けられた内面を有することを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項6】
記ニードルの近位端および前記ニードルの遠位端は、前記ハブの軸方向ボア内に位置決めされたカニューレの対向する端部であることを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項7】
前記ハブの近位端は前記ニードルの近位端を越えて延びていることを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項8】
前記ハブは側壁および前記側壁の近位端から延びる伸長部を有し、前記ハブの前記伸長部は前記ハブの前記側壁の外径よりも大きい外径を有することを特徴とする請求項7に記載のペンニードル。
【請求項9】
前記ハブの前記伸長部は、前記ハブの前記側壁の内径と実質的に等しい内径を有することを特徴とする請求項8に記載のペンニードル。
【請求項10】
前記外側カバーの前記接受部は、前記ハブの軸長と実質的に等しい軸長を有することを特徴とする請求項1に記載のペンニードル。
【請求項11】
前記外側カバーの前記近位端の側壁は、前記ハブが前記外側カバーの前記接受部に位置する時に、前記ハブから近位方向へ延びていることを特徴とする請求項10に記載のペンニードル。
【請求項12】
前記外側カバーの側壁は、長さおよび前記投薬ペンの前記本体を受容するのに充分である内径を有し、前記ハブ内径は、前記投薬ペンの前記本体の前記体外径よりも小さい前記先端部外径を有する前記投薬ペンの前記先端部を受容するのに充分であることを特徴とする請求項10に記載のペンニードル。