(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123126
(43)【公開日】2022-08-23
(54)【発明の名称】パウチ
(51)【国際特許分類】
B65D 33/01 20060101AFI20220816BHJP
B65D 81/34 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
B65D33/01
B65D81/34 U
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101120
(22)【出願日】2022-06-23
(62)【分割の表示】P 2016111275の分割
【原出願日】2016-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】下野 貴裕
(57)【要約】
【課題】シールが剥離することにより形成された開口から多量の内容物が漏れるような状況が生じにくいパウチを提供する。
【解決手段】パウチ1は、内容物を収容可能な収容空間14と、一対のシート11、12の縁11B、12Bに沿う第1のサイドシール部21、および、収容空間14側に向けて窪んだ形状を有する通蒸シール部30を含むシール部20と、一対のシート11、12の一部であり、通蒸シール部30により囲まれたシールされていない部分である未シール部80とを備える。通蒸シール部30は、収容空間14の圧力が上昇した場合に応力集中が生じることにより剥離するように構成された先端部40と、先端部40と通蒸シール部30とを繋げる接続部50とを含む。接続部50は先端部40側から通蒸シール部30側に向けて進行する通蒸シール部30の剥離を規制する剥離規制部61を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わせられた一対のシートと、
内容物を収容可能な収容空間が前記一対のシートの間に形成されるように前記一対のシートを互いにシールする部分であり、前記一対のシートの縁に沿う第1のシール部、および、前記収容空間側に向けて窪んだ形状を有する第2のシール部を含むシール部と、
前記一対のシートの一部であり、前記第2のシール部により囲まれたシールされていない部分である未シール部とを備え、
前記第2のシール部は、前記内容物から発生した水蒸気により前記収容空間の圧力が上昇した場合に応力集中が生じることにより剥離するように構成された先端部と、前記先端部と前記第1のシール部とを繋げる接続部とを含み、
前記接続部は前記先端部側から前記第1のシール部側に向けて進行する前記第2のシール部の剥離を規制する剥離規制部を含む
パウチ。
【請求項2】
前記剥離規制部は前記先端部よりもシール幅が広い部分を含む
請求項1に記載のパウチ。
【請求項3】
前記先端部側から前記第1のシール部側に向かうにつれて前記剥離規制部のシール幅が広い
請求項2に記載のパウチ。
【請求項4】
前記接続部は前記先端部の一方の端部と前記第1のシール部を構成する第1の端部とを繋げる第1の接続部、および、前記先端部の他方の端部と前記第1のシール部を構成する第2の端部とを繋げる第2の接続部を含み、
前記第1の接続部および前記第2の接続部の一方は前記剥離規制部を含み、
前記第1の接続部および前記第2の接続部の他方は前記剥離規制部を含まない
請求項1~3のいずれか一項に記載のパウチ。
【請求項5】
前記先端部が前記収容空間の中心を向くように前記第2のシール部が構成されている
請求項1~4のいずれか一項に記載のパウチ。
【請求項6】
前記収容空間に投入された前記内容物を備える
請求項1~5のいずれか一項に記載のパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内容物を加熱するために用いられるパウチに関する。
【背景技術】
【0002】
内容物を加熱するために用いられるパウチが知られている。このパウチには、加熱により内容物から発生した水蒸気をパウチの外部に排出するための構造が設けられる。例えば、特許文献1に記載されるパウチのサイドシール部には、パウチの収容空間側に向けて窪むように形成された窪み部分が設けられている。このパウチが電子レンジ等の加熱手段により加熱された場合、収容空間の内圧の上昇にともない窪み部分のシールが剥離することにより、窪み部分に開口が形成され、水蒸気がその開口を通過してパウチの外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記パウチの加熱が終了した後にパウチが傾けられた場合、多量の内容物が窪み部分に形成された開口からパウチの外部に漏れるおそれがある。
本発明の目的は、シールが剥離することにより形成された開口から多量の内容物が漏れるような状況が生じにくいパウチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔1〕本発明に従うパウチの一形態は、重ね合わせられた一対のシートと、内容物を収容可能な収容空間が前記一対のシートの間に形成されるように前記一対のシートを互いにシールする部分であり、前記一対のシートの縁に沿う第1のシール部、および、前記収容空間側に向けて窪んだ形状を有する第2のシール部を含むシール部と、前記一対のシートの一部であり、前記第2のシール部により囲まれたシールされていない部分である未シール部とを備え、前記第2のシール部は、前記内容物から発生した水蒸気により前記収容空間の圧力が上昇した場合に応力集中が生じることにより剥離するように構成された先端部と、前記先端部と前記第1のシール部とを繋げる接続部とを含み、前記接続部は前記先端部側から前記第1のシール部側に向けて進行する前記第2のシール部の剥離を規制する剥離規制部を含む。
【0006】
上記パウチの収容空間に内容物が投入され、収容空間が閉じられるようにパウチの開口がシールされることにより、閉鎖状態を取るパウチが形成される。閉鎖状態のパウチが加熱されることにより内容物から水蒸気が発生し、収容空間の圧力が上昇する。圧力の上昇にともない第2のシール部の先端部が剥離した場合、先端部に開口が形成される。第2のシール部に剥離規制部が設けられているため、第2のシール部におけるシールの剥離は剥離規制部により規制される。収容空間に滞留している水蒸気は少なくとも先端部に形成された開口、および、未シール部において一対のシートの間に形成される通路を通過し、一対のシートの縁よりも外側に排出される。
【0007】
上記パウチによれば、このように収容空間の外部に水蒸気が排出されるため破裂しにくい。また、第2のシール部の剥離により第2のシール部に形成される開口の大きさが剥離規制部により規定され、予定された大きさの開口よりも大きな開口が第2のシール部に形成されにくい。このため、パウチの加熱が終了した後にパウチが傾けられても、第2のシール部に形成された開口から多量の内容物が漏れるような状況が生じにくい。また、パウチの加熱が終了したとき、未シール部を構成する各シートの面が水蒸気により互いに密着した状態が形成されやすい。各シートの面が密着している場合、内容物が第2のシール部に形成された開口を通過したとしても、その内容物の移動が密着した未シール部により妨げられ、内容物が一対のシートの縁よりも外側に漏れにくい。
【0008】
〔2〕前記パウチの一例によれば、前記剥離規制部は前記先端部よりもシール幅が広い部分を含む。
〔3〕前記パウチの一例によれば、前記先端部側から前記第1のシール部側に向かうにつれて前記剥離規制部のシール幅が広い。
【0009】
〔4〕前記パウチの一例によれば、前記接続部は前記先端部の一方の端部と前記第1のシール部を構成する第1の端部とを繋げる第1の接続部、および、前記先端部の他方の端部と前記第1のシール部を構成する第2の端部とを繋げる第2の接続部を含み、前記第1の接続部および前記第2の接続部の一方は前記剥離規制部を含み、前記第1の接続部および前記第2の接続部の他方は前記剥離規制部を含まない。
【0010】
〔5〕前記パウチの一例によれば、前記先端部が前記収容空間の中心を向くように前記第2のシール部が構成されている。
〔6〕前記パウチの一例によれば、前記収容空間に投入された前記内容物を備える。
【発明の効果】
【0011】
上記パウチによれば、シールが剥離することにより形成された開口から多量の内容物が漏れるような状況が生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4】
図2のパウチの通蒸シール部の先端部が剥離した状態を示す正面図。
【
図6】
図5の上部シール部が切り取られている状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
図1および
図2はパウチ1の構成の一例を示している。パウチ1の形態はスタンディングパウチである。パウチ1が取り得る状態は、少なくとも開放状態および閉鎖状態を含む。なお、別の例ではパウチ1の形態は平パウチである。
図1は開放状態のパウチ1を示し、
図2は閉鎖状態のパウチ1を示す。パウチ1の開放状態は、パウチ1内に内容物100が投入されておらず、パウチ1の開口部15が開放されている状態である。パウチ1の閉鎖状態は、パウチ1内に内容物100が投入され、開口部15がシールされている状態である。内容物100は例えばソースを含む食品である。一例では、閉鎖状態のパウチ1がエンドユーザーに提供される。
【0014】
図1に示されるように、パウチ1は第1のシート11、第2のシート12、および、ガゼットシート13を含む。第1のシート11および第2のシート12は重ね合わせられた一対のシートである。開放状態のパウチ1には、各シート11~13が互いにシールされたシール部20が設けられている。なお、
図1~
図6に示されるドットは各シート11~13におけるシールされた部分を示している。
【0015】
各シート11~13は例えば以下のような層構造を有する。
各シート11~13は最外層、中間層、および、最内層を含む。最外層を構成する材料の一例は透明な材料である。透明な材料の一例はポリエチレンテレフタレートである。中間層は印刷層、第1の接着層、延伸ナイロン層、および、第2の接着層を含む。印刷層は最外層の内側に設けられる。一例では印刷層の外面に絵柄および商品説明のテキスト等が印刷される。第1の接着層は印刷層の内側に設けられる。延伸ナイロン層は第1の接着層の内側に設けられる。第2の接着層は延伸ナイロン層の内側に設けられる。各接着層を構成する材料の一例はドライラミネート接着剤である。最内層は第2の接着層の内側に設けられる。最内層を構成する材料の一例は無延伸ポリプロピレンである。
【0016】
シール部20は、第1のサイドシール部21、第2のサイドシール部22、および、ガゼットシール部23を含む。第1のサイドシール部21は、第1のシール部の一例であり、第1のシート11の一方の側部11Aと第2のシート12の一方の側部12Aとが互いにシールされた部分である。第2のサイドシール部22は、第1のシート11の他方の側部11Bと第2のシート12の他方の側部12Bとが互いにシールされた部分である。ガゼットシール部23は、パウチ1のガゼットシール部23が構成されるように各シート11~13が互いにシールされた部分である。
【0017】
各シート11~13がシール部20によりシールされていることにより、第1のシート11と第2のシート12との間に内容物100を収容可能な収容空間14が形成されている。開放状態のパウチ1の上部には、収容空間14を開放する開口部15が設けられている。収容空間14に内容物100が投入され、開口部15が閉じられるように各シート11、12がシールされることにより、
図2に示される閉鎖状態のパウチ1が構成される。閉鎖状態のパウチ1のシール部20は、各シール部21~23に加え、開口部15を閉じる上部シール部24をさらに含む。
【0018】
第2のサイドシール部22の上部にはノッチ22Aが設けられている。パウチ1の上部にはノッチ22Aと繋がる切取線(図示略)が設けられている。ノッチ22Aから切取線に沿って上部シール部24を含むパウチ1の一部が切り取られることにより開口部15が開放され、使用状態のパウチ1が構成される。エンドユーザーは、開放された開口部15から内容物100を取り出すことができる。
【0019】
第1のサイドシール部21は、上方シール部21A、下方シール部21B、および、通蒸シール部30を含む。上方シール部21Aおよび下方シール部21Bは、各シート11、12の縁に沿ってシールされた部分である。通蒸シール部30は、第2のシール部の一例であり、閉鎖状態のパウチ1が加熱手段により加熱されることにともない内容物100から発生した水蒸気を収容空間14の外部に排出するために設けられた部分である。通蒸シール部30は、上方シール部21Aおよび下方シール部21Bのそれぞれと連続し、これらのシール部21A、21Bとともに第1のシート11の側部11Aおよび第2のシート12の側部12Aをシールしている。
【0020】
図3は通蒸シール部30の拡大図である。通蒸シール部30の形状は各シート11、12の外縁11C、12C側から収容空間14側に向けて窪んだ形状である。通蒸シール部30は先端部40および接続部50を含む。先端部40は、閉鎖状態のパウチ1において内容物100から発生した水蒸気により収容空間14の圧力が上昇したときに各シート11、12において強い応力集中が生じる箇所に設けられている。このため、閉鎖状態のパウチ1の内圧が上昇した場合、通蒸シール部30のうちの少なくとも先端部40が剥離し、剥離した部分に収容空間14と収容空間14の外部とを繋げる開口31(
図4参照)が形成される。
【0021】
接続部50は先端部40の一方の端部41と上方シール部21Aの端部25とを繋げる第1の接続部60、および、先端部40の他方の端部42と下方シール部21Bの端部26とを繋げる第2の接続部70を含む。
【0022】
第1の接続部60は、先端部40側から上方シール部21A側に向けて進行する通蒸シール部30の剥離を規制する剥離規制部61、および、剥離規制部61と上方シール部21Aとを繋ぐサイド側端部62を含む。剥離規制部61は先端部40側から上方シール部21A側に向かうにつれて開口部15側に傾斜している。サイド側端部62は剥離規制部61の端部と上方シール部21Aとを繋ぎ、剥離規制部61の端部から上方シール部21A側に向けて傾斜している。
【0023】
剥離規制部61のシール幅XAは先端部40側から上方シール部21A側に向かうにつれて広くなる。剥離規制部61のシール幅XAの最大寸法は収容空間14の内圧が最も高くなった場合であっても、通蒸シール部30のうちの剥離規制部61よりも第1のサイドシール部21側の部分が剥離しない寸法である。第2の接続部70はパウチ1の幅方向に伸びている。第2の接続部70のシール幅XBは一定である。なお、シール幅XAは剥離規制部61の外縁61Aから内縁61Bに下した垂線の寸法であり、シール幅XBは第2の接続部70の外縁70Aから内縁70Bに下した垂線の寸法である。
【0024】
パウチ1は未シール部80をさらに含む。未シール部80は、各シート11、12の一部であり、第1のサイドシール部21の外縁20Aに囲まれた部分であり、第1の未シール部81および第2の未シール部82を含む。未シール部80を構成する各シート11、12の面はシールされていない。第1の未シール部81は通蒸シール部30の窪みに対応する部分であり、通蒸シール部30の外縁30Aに囲まれた部分である。第2の未シール部82は各シート11、12の外縁11C、12Cを含む部分であり、上方シール部21Aの端部と下方シール部21Bの端部との間に形成された部分である。
【0025】
エンドユーザーによるパウチ1の使用方法の一例について説明する。
最初に、閉鎖状態のパウチ1が電子レンジ等の加熱手段(図示略)に配置され、加熱手段により加熱される。加熱が終了した後、
図5に示されるようにパウチ1がエンドユーザーにより持ち運ばれる。次に、
図6に示されるように、ノッチ22Aおよび切取線(図示略)に沿って上部シール部24を含む部分がエンドユーザーにより切り取られ、開口部15が開放される。次に、内容物100が開口部15を介してパウチ1の外部に取り出される。
【0026】
パウチ1によれば以下のような作用および効果が得られる。
閉鎖状態のパウチ1が加熱手段により加熱されることにより、内容物100から水蒸気が発生し、収容空間14の圧力が次第に上昇する。このため、第1のシート11と第2のシート12とが互いに離間する方向に膨張し、通蒸シール部30のうちの先端部40が剥離して開口31が形成される。先端部40が剥離した後、通蒸シール部30の剥離は第1のサイドシール部21に向けて進行する。第1の接続部60に剥離規制部61が設けられているため、例えば通蒸シール部30におけるシールの剥離は剥離規制部61のシール幅XAの最も広い部分で終了する。なお、内容物100から発生する水蒸気の量が少ない場合、通蒸シール部30におけるシールの剥離はシール幅XAの最も広い部分よりも先端部40に近い部分で終了する。
【0027】
収容空間14に滞留している水蒸気は少なくとも先端部40に形成された開口31、および、未シール部80において一対のシート11、12の間に形成される通路を通過し、各シート11、12の外縁11C、12Cよりも外側に排出される。このため、パウチ1が破裂しにくい。
【0028】
通蒸シール部30の剥離により通蒸シール部30に形成される開口31の大きさが剥離規制部61により規定され、予定された大きさの開口31よりも大きな開口が通蒸シール部30に形成されにくい。このため、パウチ1の加熱が終了した後にパウチ1が傾けられても、通蒸シール部30に形成された開口31から多量の内容物100が漏れるような状況が生じにくい。また、パウチ1の加熱が終了したとき、未シール部80を構成する各シート11、12の面が水蒸気により互いに密着している。このため、内容物100が通蒸シール部30に形成された開口31を通過したとしても、その内容物100の移動が密着した未シール部80により妨げられ、内容物100が各シート11、12の外縁11C、12Cよりも外側に漏れにくい。
【0029】
また、剥離規制部61のシール幅XAは、先端部40側から上方シール部21A側に向かうにつれて次第に広がる。このため、剥離規制部61の剥離が進行する過程において、剥離規制部61に局部的に応力集中が生じにくく、剥離規制部61により剥離が規制されるまで安定して剥離が進行する。
【0030】
また、サイド側端部62は剥離規制部61の端部から上方シール部21A側に向けて傾斜しているため、第1のシート11および第2のシート12のうちの通蒸シール部30よりも上方に切取線等を形成するための領域を広く確保することができる。
【0031】
(変形例)
上記実施形態に関する説明は本発明に従うパウチが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従うパウチは例えば以下に示される上記実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0032】
・通蒸シール部30の形状は任意に変更可能である。第1の例では、第1の接続部60からサイド側端部62が省略され、剥離規制部61が上方シール部21Aと繋がる。剥離規制部61のシール幅XAは先端部40側から上方シール部21A側に向かうにつれて広くなる。第2の例では、先端部40と剥離規制部61との間に剥離規制部61とは形状が異なるシール部が設けられる。そのシール部の形状は、例えばシール幅が一定の形状、または、先端部40から剥離規制部61に向かうにつれてシール幅が狭くなる形状である。第3の例では、第1の接続部60に加えて、第2の接続部70にも剥離規制部が設けられる。第2の接続部70の剥離規制部は、例えば第1の接続部60の剥離規制部61の形状に準じた形状を有する。第4の例では、第2の接続部70だけに剥離規制部が設けられる。
【0033】
・各シート11~13の構成は任意に変更可能である。第1の例では、1枚のシートが折り曲げられることにより第1のシート11および第2のシート12が構成される。第2の例では、1枚のシートが折り曲げられることにより各シート11~13が構成される。
【符号の説明】
【0034】
1 :パウチ
11 :第1のシート
12 :第2のシート
14 :収容空間
20 :シール部
21 :第1のサイドシール部(第1のシール部)
25 :端部(第1の端部)
26 :端部(第2の端部)
30 :通蒸シール部(第2のシール部)
40 :先端部
41 :端部(一方の端部)
42 :端部(他方の端部)
50 :接続部
60 :第1の接続部
61 :剥離規制部
70 :第2の接続部
80 :未シール部
100:内容物
【手続補正書】
【提出日】2022-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重ね合わせられた一対のシートと、
内容物を収容可能な収容空間が前記一対のシートの間に形成されるように前記一対のシートを互いにシールする部分であり、前記一対のシートの縁に沿う第1のシール部、および、前記収容空間側に向けて窪んだ形状を有する第2のシール部を含むシール部と、
前記一対のシートの一部であり、前記第2のシール部により囲まれたシールされていない部分である未シール部とを備え、
前記第2のシール部は、前記内容物から発生した水蒸気により前記収容空間の圧力が上昇した場合に応力集中が生じることにより剥離するように構成された先端部と、前記先端部と前記第1のシール部とを繋げる接続部とを含み、
前記接続部は前記先端部側から前記第1のシール部側に向けて進行する前記第2のシール部の剥離を規制する剥離規制部、および、前記剥離規制部と前記第1のシール部とを繋ぐサイド側端部を含み、前記接続部の剥離により前記収容空間と前記未シール部とを繋ぐ開口が形成された状態において、前記サイド側端部に剥離していない部分が含まれるように構成される
パウチ。
【請求項2】
前記第1のシール部は前記シートの縁に沿うように設けられる上方シール部および下方シール部を含み、
前記第2のシール部は前記上方シール部と前記下方シール部との間に設けられ、
前記サイド側端部は前記上方シール部に繋がる
請求項1に記載のパウチ。
【請求項3】
前記上方シール部は前記未シール部を規定する外縁を含み、
前記サイド側端部は前記上方シール部の外縁に対して前記下方シール部側に突出した部分を含む
請求項2に記載のパウチ。
【請求項4】
前記接続部は前記先端部と前記下方シール部とを繋げる第2の接続部を含み、前記接続部の剥離により前記収容空間と前記未シール部とを繋ぐ開口が形成された状態において、前記開口の端部を規定する前記第2のシール部の縁である開口縁が形成されるように構成され、
前記開口縁は前記剥離規制部に形成される第1の開口縁、および、前記第2の接続部に形成される第2の開口縁を含み、
前記第2の開口縁は前記パウチの幅方向に関して前記第1の開口縁に対して外方向に位置する
請求項2または3に記載のパウチ。
【請求項5】
前記未シール部に面する前記第1の開口縁と前記未シール部に面する前記第2の開口縁とを通過する直線は前記パウチの上方向に向かうにつれて前記パウチの幅方向の内方向に向かうように傾斜する
請求項4に記載のパウチ。
【請求項6】
前記サイド側端部は前記収容空間を規定する内縁を含み、
前記内縁は前記パウチの幅方向に関して前記上方シール部側から前記収容空間側に向かうにつれて前記パウチの下方向に向かうように傾斜する
請求項2~5のいずれか一項に記載のパウチ。