(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012333
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】つい立て
(51)【国際特許分類】
A47F 9/00 20060101AFI20220107BHJP
E04B 2/72 20060101ALI20220107BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20220107BHJP
A47G 5/00 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A47F9/00 Z
E04B2/72 Z
E04B2/74 561Z
A47G5/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020114120
(22)【出願日】2020-07-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】520240306
【氏名又は名称】後藤 保明
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】後藤 保明
(57)【要約】
【課題】設置スペースを小さくできるつい立てを提供する。
【解決手段】1本の支柱部11から上方へ延びる弾性を有する湾曲部12を有するフレーム10と、フレーム10の湾曲部12内に張設されるシート20とを備えている。湾曲部12は半円弧形である。支柱部11が挿入されることで支柱部11を支持する円筒部32を有する支持部材30を備えている。片脚立ちのつい立てである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本の支柱部(11)と、この支柱部(11)から上方へ延びる弾性を有する湾曲部(12)と、を有するフレーム(10)と、
このフレーム(10)の湾曲部(12)内に張設されるシート(20)と、
を備えたことを特徴とするつい立て。
【請求項2】
請求項1において、
前記湾曲部(12)は半円弧形であることを特徴とするつい立て。
【請求項3】
請求項1また2において、
前記支柱部(11)が挿入されることで該支柱部(11)を支持する円筒部(32)を有する支持部材(30)をさらに備えていることを特徴とするつい立て。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、つい立てに関するものである。より詳しくは、片脚で立てるようにしたつい立てに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、「来客応接用などのカウンター所望の位置に容易に間仕切を設け、その位置を変更し、又はこれを撤去できる移動式カウンターの間仕切を提案する」ことを課題とし、「矩形の板状体に形成したパネル1の背面に、矩形の板状体に形成した天板仕切部2の一方端部を固着するとともに、他端に矩形の板状体に形成した衝立3を連結固着」したものが知られている(同文献要約欄)。
【0003】
しかし、このものは、矩形の板状体に形成したパネル1の背面に、矩形の板状体に形成した天板仕切部2の一方端部を直角に固着したものであるから、設置スペ-スが大きくなるという難点がある。
【0004】
また、従来、例えば特許文献2に見られるように、「収納しやすい、組立てやすいキット商品にする」ことを課題とし(同文献要約欄)、「下面底面部に半月形の数個の脚を設けた四角いベース板が水平にしてあり、その上面部の中央に同じ寸法の2本の釣り竿がVの字に固定具によって固定されて立ち、同寸法に2つ折りにした1枚の布地を折り目を上にしてその両端2隅に設けた袋に竿の先端を引っかけ、竿をひならせて吊り上げ、下にたれた布の4隅から出た輪になった紐をベース板の4隅にある切れ穴に引っかけて、布を張り、固定した、2つ折りにした布を竿のテンションでベース板上に広げ、立たせた間仕切り、スクリーン、衝立家具」(同文献請求項1)も知られている。
【0005】
しかしこのものは、同寸法に2つ折りにした1枚の布地を折り目を上にしてその両端2隅に設けた袋に竿の先端を引っかけ、下にたれた布の4隅から出た輪になった紐をベース板の4隅にある切れ穴に引っかける構造であるため、設置スペースが大きくなるという難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3078414号公報
【特許文献2】特開2002-209695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、設置スペースを小さくできるつい立てを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のつい立ては、
1本の支柱部と、この支柱部から上方へ延びる弾性を有する湾曲部と、を有するフレームと、
このフレームの湾曲部内に張設されるシートと、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
このつい立ては上記の構成となっているので、フレームの湾曲部内にシートを張設することで構成でき、フレームの支柱部を、例えば穴に嵌め込んで支持するだけで、立設することができる。
すなわち、フレームの支柱部を片脚立ちとさせることで、つい立てとして機能させることができる。
【0010】
したがって、このつい立てによれば、設置スペースを小さくすることができる。
【0011】
このつい立てにおいては、
前記湾曲部は半円弧形である構成とすることができる。
【0012】
このように構成すると、半円弧形の湾曲部内側にシートを張設することで、片脚立ちであるにもかかわらず、仕切領域を広くすることができる。
しかも、湾曲部を半円弧形とすることによって、シートを良好に張ることができる。
【0013】
このつい立てにおいては、
前記支柱部が挿入されることで該支柱部を支持する円筒部を有する支持部材をさらに備えている構成とすることができる。
【0014】
このように構成すると、支持部材を任意の位置に設置することで、このつい立てを任意の位置に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係るつい立ての実施の形態を示す図で、(a)は正面図、(b)は図(a)におけるb-b断面図、(c)は部分省略左側面図。
【
図6】(a)は他のの実施の形態の使用状態参考斜視図、(b)は図(a)の部分拡大正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るつい立ての実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0017】
図1に示すように、この実施の形態のつい立て1は、
1本の支柱部11と、この支柱部11から上方へ延びる弾性を有する湾曲部12と、を有するフレーム10と、
このフレーム10の湾曲部12内に張設されるシート20と、
を備えている。
【0018】
このつい立て1は上記の構成となっているので、フレーム10の湾曲部12内にシート20を張設することで構成でき、フレーム10の支柱部11を、例えば、飲食店等のカウンターやテーブル40の穴41(
図2参照)に嵌め込んで支持するだけで、立設することができる。
【0019】
すなわち、フレーム10の支柱部11を片脚立ちとさせることで、つい立てとして機能させることができる。
【0020】
したがって、このつい立て1によれば、設置スペースを小さくすることができる。
【0021】
湾曲部12は半円弧形となっている。
【0022】
このように構成すると、半円弧形の湾曲部12内側にシート20を張設することで、片脚立ちであるにもかかわらず、仕切領域(シート20の面積)を広くすることができる。
しかも、湾曲部12を半円弧形とすることによって、シート20を良好に張ることができる。
【0023】
図1に示すように、この実施の形態のつい立て1は、支柱部11が挿入されることで該支柱部11を支持する円筒部32を有する支持部材30をさらに備えている。
【0024】
このように構成すると、支持部材30を台座として、任意の位置に設置することで、このつい立て1を任意の位置に設置することができる(
図4参照)。
【0025】
フレーム10は弾性(可撓性)を有する公知の材料、例えば、木材(竹等)、合成樹脂、金属等によって、支柱部11と湾曲部12とを一体に構成することができる。
【0026】
シート20は、主として飛沫等を遮断できる公知の材料、例えば、合成樹脂シート(フィルムを含む)、布、紙等で構成することができる。
また、シート20は、その用途に応じ、透明、半透明、不透明のものを用いることができる。
【0027】
フレーム10の湾曲部12内にシート20を張設する構造は、例えば、
図1に示すように、シート20の縁部適所に穴21を設け、この穴21に通した結束バンド、紐等、適宜の締結部材22でシート縁部とフレーム10の湾曲部12とを連結することで張設することができる。
【0028】
この際、
図3に示すように、シート20を張る前の(自由状態での)湾曲部12の径D2が、シート20を張った後の湾曲部12の径D1よりも多少大きなフレームを用いることで、フレームの弾性力(可撓性)を利用して、シート20をぴんと張ることができる。
【0029】
シート20とフレーム10との間に大きな張力が作用する部位(例えば湾曲部12の両端部)には、
図1に示すように、シート20とフレーム10とをより確実に連結する連結部材24を用いることが望ましい。
図1に示す連結部材24は、平板部24bとこれと一体の筒状部24rとを有し、平板部24bにシートが挟まれた状態で接着され、筒状部24rにフレームが挿入される。
【0030】
なお、フレーム10の湾曲部12内にシート20を張設する構造は、
図1の構造に限るものではなく、公知の適宜の構造を採用することができる。
【0031】
支持部材30は、つい立て1を立脚安定させることができる大きさと重さがあればよく、任意の形状、適宜の材料、例えば、合成樹脂、金属、木、セラミックス等で構成することができる。
【0032】
上記実施の形態についてさらに詳しく説明する。
この実施の形態のつい立て1は、主として、コロナウイルス等の感染防止に資することを目的とするのに適しており、主に、飛沫感染防止用のつい立てとして適している。
【0033】
この実施の形態のつい立て1は、飛沫防止用のつい立ての視認性、親和性、安全性、作業性、サービス性、利便性の向上と製品のコストを下げることができる。
従来のアクリルの厚板やガラスの板を用いた対面用のつい立ては、窓口用に対応した造りでスクリーン部分を取り外すことができず固定式を前提としており、大掛かりな造りで重量がありかつ設置をする台座に多くの場所を要し高価であった。よって客席に小さな対面用のテーブルを数多く設置している飲食店等では客席への導入が困難であった。
【0034】
この実施の形態のつい立て1は、上記の欠点を除くことができるもので、下記のような効果も奏する。
反り返る裏反りのある弓の原理を応用しているので、弛緩した状態では弛みがあり視界に歪みが生じる樹脂性フィルム等の欠点を補い、スクリーン(シート20)の張力を高い状態で維持可能なため、スクリーンの素材の温度変化による膨張縮小にも対応でき、スクリーンの素材の温度変化による膨張縮小にも影響されず展張性に優れ、樹脂の長所である軽量の特性を生かしながら対面の視界の視認性を常に良好に保っことができる。
【0035】
弓の原理の応用から弓に当たる部分(湾曲部12)は必然的に半円状、アーチ状もしくは片側または両端が扇状となるため、角、突起物が無い丸みを帯びたその形状は視覚的に親和性に富み違和感が無く、対面から90度の丸みのある方向からの飲食の提供等の諸作業の際、四角型のスクリーンと比べて目線上に角、突起物の類いが無く安全で“ある(
図5参照)。
【0036】
従来公知のものは、スクリーン部を立脚させる脚部及び台座を両側または中央に大きく、またはスクリーン下部の大部分に設置するが、この実施の形態のつい立て1は、上部のスクリーン部(湾曲部12およびシート20)を軽量化できるため、片側(片脚)だけにすることができ、台座が無い方向からもテーブル上の諸作業が可能となるため、スクリーンの下部全域に窓、空間Sを設けることにより(
図4,
図5参照)、テーブルの前後左右の内の3方向からの対応ができ、作業性、サービス性が明らかに著しく向上する。
【0037】
また、
図4に示すように、この実施の形態のつい立て1は、片脚立ちであることによって、カウンター形式等のテーブル40上の客席Uの左右のつい立てとして、テーブル幅を超えた状態のつい立てとして簡単に設置することができる。
【0038】
スクリーン部に軽量な樹脂等を使用することにより、弓に当たる部分(12)にも軽量な素材で対応できるため、上部構造全体としても軽量でコストを下げることができる。
脚部(11)と台座部(30)との接続は差し込み式にできるため、スクリーン部が不用の場合は台座部(30)から引き抜くことで、台座部(30)を動かすことなく瞬時に取り外せる利便性がある。
全体としても軽量なため移動させることは簡単である。
【0039】
以上のように、この実施の形態のつい立て1は、軽量な樹脂性素材のスクリーンであっても視認性に優れ、丸みのある形状から親和性および安全性が向上し、また脚部及び台座部が片側だけの構造であるので3方向から諸作業が可能なため作業性、サービス性も向上し、取り外しが簡単なため消毒、清掃などの衛生管理を容易に行うことができるなど利便性も良く、なおかつ全体を軽量な素材の使用により従来品よりコストを下げることができ、設置の場所を選ばず、広範囲の業種に対応し利用することができる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
例えば、
【0041】
上記の実施の形態では、フレーム10の支柱部11と湾曲部12とを一体に形成したが、別体にして適宜のジョイント部材で接合する構成とすることもできる。
【0042】
上記実施の形態の湾曲部12は中心角が180度の半円弧形となっているが、中心角が90度の1/4円弧形等、中心角が任意の円弧形(扇形状)とすることもできる。
【0043】
上記実施の形態では、つい立て1と支持部材30とを別体としたが、一体に構成しても良い。
支持部材30は、テーブル、カウンター等40に適宜の固定手段(例えばビス、クランパ等)で固定しても良い。
例えば、
図6に示すように、支持部材30はクランパ36でテーブル、カウンター等40に固定することができる。なお、図示の支持部材30は正面視クランク型の棒状体ないしパイプである。
支持部材30は、支柱部11が挿入されることで該支柱部11を支持する円筒部32だけで構成することもできる。その場合、円筒部32は適宜の手段でテーブル、カウンター等40に固定する。
【符号の説明】
【0044】
1: つい立て
10: フレーム
11: 支柱部
12: 湾曲部
20: シート
30: 支持部材
32: 円筒部
【手続補正書】
【提出日】2021-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本の支柱部(11)と、この支柱部(11)から上方へ延びる弾性を有する湾曲部(12)と、を有するフレーム(10)と、
このフレーム(10)の湾曲部(12)内に張設されるシート(20)と、
を備え、
前記支柱部(11)は、前記湾曲部(12)の他端よりも下方に延びていて片脚立ち可能な支柱部であり、
前記湾曲部(12)の下方は開放され、該湾曲部(12)の弾性で前記シート(20)を張る前の自由状態での湾曲部(12)の径(D2)が、シート(20)を張った後の湾曲部(12)の径(D1)よりも大きく、
前記シート(20)の下部は、平面視で一直線状であることを特徴とするつい立て。
【請求項2】
請求項1において、
前記湾曲部(12)は半円弧形であることを特徴とするつい立て。
【請求項3】
請求項1また2において、
前記支柱部(11)が挿入されることで該支柱部(11)を支持する円筒部(32)を有する支持部材(30)をさらに備えていることを特徴とするつい立て。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のつい立ては、
1本の支柱部と、この支柱部から上方へ延びる弾性を有する湾曲部と、を有するフレームと、
このフレームの湾曲部内に張設されるシートと、
を備え、
前記支柱部は、前記湾曲部の他端よりも下方に延びていて片脚立ち可能な支柱部であり、
前記湾曲部の下方は開放され、該湾曲部の弾性で前記シートを張る前の自由状態での湾曲部の径が、シートを張った後の湾曲部の径よりも大きく、
前記シートの下部は、平面視で一直線状であることを特徴とする。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本の起立する支柱部(11)と、この支柱部(11)と正面視、平面視、及び側面視で軸線(11a)を同じくして支柱部(11)から上方へ延びかつ湾曲して下方に延びる弾性を有する下方が開放された湾曲部(12)と、を有するフレーム(10)と、
このフレーム(10)の湾曲部(12)内に張設されるシート(20)と、
を備え、
前記支柱部(11)は、前記湾曲部(12)の他端よりも下方に延びていて片脚立ち可能な支柱部であり、
前記湾曲部(12)の下方は開放され、該湾曲部(12)の弾性で前記シート(20)を張る前の自由状態での湾曲部(12)の径(D2)が、シート(20)を張った後の湾曲部(12)の径(D1)よりも大きく、
前記シート(20)の下部は、平面視で一直線状であり、かつ、
側面視で前記シート(20)の側断面は前記軸線(11a)と一致することを特徴とするつい立て。
【請求項2】
請求項1において、
前記湾曲部(12)は半円弧形であることを特徴とするつい立て。
【請求項3】
請求項1また2において、
前記支柱部(11)が挿入されることで該支柱部(11)を支持する円筒部(32)を有する支持部材(30)をさらに備えていることを特徴とするつい立て。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
図1に示すように、この実施の形態のつい立て1は、
1本の支柱部11と、この支柱部11から上方へ延びる弾性を有する湾曲部12と、を有するフレーム10と、
このフレーム10の湾曲部12内に張設されるシート20と、
を備えている。
なお、図11において11aはフレーム10の軸線を示している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】