(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123418
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】X線撮像装置の制御プログラム、X線撮像装置、及びX線撮像装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G01N 23/10 20180101AFI20220817BHJP
【FI】
G01N23/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020740
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】591159619
【氏名又は名称】島津産機システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 慎吾
【テーマコード(参考)】
2G001
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA09
2G001HA13
2G001KA05
2G001LA20
2G001NA17
(57)【要約】
【課題】包装容器に収納されているマスクの枚数を正確に検出する。
【解決手段】X線撮像装置1の制御プログラムPGは、X線源11と、X線源11から照射されるX線を検出するX線検出器13と、X線源11とX線検出器13との間に配置され、複数枚のマスクMKが収納された包装容器PKを支持するステージ12と、制御部14と、を備えるX線撮像装置1の制御プログラムPGであって、制御部14を、X線検出器13による包装容器PKの撮像画像PMを取得する取得部142、撮像画像PMに基づき、マスクMKを構成するノーズワイヤーWRの本数をカウントする計数部143、及びノーズワイヤーWRの本数に基づき、マスクMKの枚数を求める算出部144、として機能させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線源と、前記X線源から照射されるX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置され、複数枚のマスクが収納された包装容器を支持するステージと、コンピュータと、を備えるX線撮像装置の制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記X線検出器による前記包装容器の撮像画像を取得する取得部、
前記撮像画像に基づき、前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントする計数部、及び
前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める算出部、
として機能させる、X線撮像装置の制御プログラム。
【請求項2】
前記ノーズワイヤーの軸方向が前記X線の光軸と略平行な方向になるように、前記包装容器が前記ステージに配置される、
請求項1に記載のX線撮像装置の制御プログラム。
【請求項3】
前記ノーズワイヤーの軸方向が前記X線の光軸と略直交する方向になり、且つ、前記複数枚のマスクの各々の前記ノーズワイヤーが前記X線の光軸と略直交する方向に配列されるように、前記包装容器が前記ステージに配置される、
請求項1に記載のX線撮像装置の制御プログラム。
【請求項4】
前記計数部は、前記撮像画像の輝度に基づいて、前記ノーズワイヤーを検出する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のX線撮像装置の制御プログラム。
【請求項5】
前記X線源から照射するX線の強度は、前記ノーズワイヤーの材質に基づいて設定される、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のX線撮像装置の制御プログラム。
【請求項6】
X線源と、前記X線源から照射されるX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置され、複数枚のマスクが収納された包装容器を支持するステージと、を備えるX線撮像装置であって、
前記X線検出器による前記包装容器の撮像画像を取得する取得部と、
前記撮像画像に基づき、前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントする計数部と、
前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める算出部と、
を備える、X線撮像装置。
【請求項7】
X線源と、前記X線源から照射されるX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置され、複数枚のマスクが収納された包装容器を支持するステージと、を備えるX線撮像装置の制御方法であって、
前記X線検出器による前記包装容器の撮像画像を取得する取得ステップと、
前記撮像画像に基づき、前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントする計数ステップと、
前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める算出ステップと、
を含む、X線撮像装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線撮像装置の制御プログラム、X線撮像装置、及びX線撮像装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器入りフェイスマスクの製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の容器入りフェイスマスクの製造装置において、次々落下してくるフェイスマスクを開閉板上に受取り、開閉板上で積み重ねてフェイスマスクの束にし、積み重ねたフェイスマスクが所定枚数に達する度に開閉板を開いてフェイスマスクの束を落下させる受取部と、容器を載せる載置台と、載置台昇降装置と、下降した載置台上の、フェイスマスクの束を収容した収容済の容器並びに供給コンベアにより搬送された空の容器を一斉に持ち上げて、空の容器を載置台に載せると共に収容済の容器を搬出コンベアに載せる移載装置とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、積み重ねたフェイスマスクが包装容器に収納されている場合には、包装容器に収納されたフェイスマスクの枚数を確認するためには、包装容器を開封する必要があった。
そこで、包装容器を開封することなく、フェイスマスクの枚数を確認することは困難であった。
【0005】
本発明は、包装容器に収納されているフェイスマスクの枚数を正確に検出することが可能なX線撮像装置の制御プログラム、X線撮像装置、及びX線撮像装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るX線撮像装置の制御プログラムは、X線源と、前記X線源から照射されるX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置され、複数枚のマスクが収納された包装容器を支持するステージと、コンピュータと、を備えるX線撮像装置の制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記X線検出器による前記包装容器の撮像画像を取得する取得部、前記撮像画像に基づき、前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントする計数部、及び前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める算出部、として機能させる。
【0007】
本発明の第2の態様に係るX線撮像装置は、X線源と、前記X線源から照射されるX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置され、複数枚のマスクが収納された包装容器を支持するステージと、を備えるX線撮像装置であって、前記X線検出器による前記包装容器の撮像画像を取得する取得部と、前記撮像画像に基づき、前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントする計数部と、前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める算出部と、を備える。
【0008】
本発明の第3の態様に係るX線撮像装置の制御方法は、X線源と、前記X線源から照射されるX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置され、複数枚のマスクが収納された包装容器を支持するステージと、を備えるX線撮像装置の制御方法であって、前記X線検出器による前記包装容器の撮像画像を取得する取得ステップと、前記撮像画像に基づき、前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントする計数ステップと、前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める算出ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様に係るX線撮像装置の制御プログラム、X線撮像装置、及びX線撮像装置の制御方法によれば、包装容器の撮像画像に基づき、包装容器に収納されたマスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントし、ノーズワイヤーの本数に基づき、マスクの枚数を求める。したがって、包装容器に収納されているマスクの枚数を正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るX線撮像装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る制御部の構成の一例を示す図である。
【
図3】包装容器のステージへの載置方向を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る第1撮影画像の一例を示す図である。
【
図5】第2実施形態に係る第2撮影画像の一例を示す図である。
【
図6】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本実施形態について説明する。本実施形態は、
図3及び
図4を参照して説明する第1実施形態と、
図3及び
図5を参照して説明する第2実施形態とを含む。
【0012】
[1.X線撮像装置の構成]
図1は、本実施形態に係る産業用X線撮像装置1の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、産業用X線撮像装置1は、X線源11と、ステージ12と、X線検出器13と、制御部14と、表示部15と、を備える。
図1には、互いに直行するX軸、Y軸、及びZ軸を記載している。例えば、Z軸は、鉛直方向に平行であり、X軸、及びY軸は水平方向に平行である。X軸は、X線源11から照射されるX線の照射方向と平行である。換言すれば、X軸の正方向は、X線源11から照射されるX線の照射方向を示す。また、Z軸の正方向は、上方向を示す。
なお、以下の説明では、産業用X線撮像装置1を、X線撮像装置1と記載する場合がある。
産業用X線撮像装置1は、「X線撮像装置」の一例に対応する。
【0013】
X線源11は、図略のX線電源部から給電されることによって、X線を放射し、ステージ12に載置された包装容器PKに向けてX線を照射する。包装容器PKは、複数枚のマスクMKを収納する。
包装容器PK及びマスクMKについては、
図3を参照して説明する。
X線源11は、例えば、X線電源部から供給された高電圧が陰極と陽極との間に印加され、陰極のフィラメントから放出された電子が陽極に衝突することによってX線を放射する。
光軸CLは、X線源11から照射されるX線の光軸を示す。
【0014】
ステージ12は、X線源11とX線検出器13との間に配置され、包装容器PKが載置される。
例えば、第1実施形態では、ノーズワイヤーWRの軸方向がX線の光軸CLと略平行な方向になるように、包装容器PKは、ステージ12に載置される。
ノーズワイヤーWRは、マスクMKを構成する。ノーズワイヤーWRは、マスクMKがユーザの鼻の周辺にフイットするように、マスクMKの一方端に沿って配置される。ノーズワイヤーWRは、例えば、亜鉛メッキ鉄線、ステンレス、アルミニウム等で形成される。
ノーズワイヤーWRについては、
図3を参照して説明する。
【0015】
X線検出器13は、X線源11から照射されたX線の像を撮像し、撮像画像を生成する。X線検出器13は、例えば、フラットパネルディテクタ(FPD)で構成される。フラットパネルディテクタは、X線のエネルギーを吸収して蛍光を発するシンチレータを含む薄膜層が受光面上に形成された二次元イメージセンサを備える。
【0016】
X線検出器13を構成する二次元イメージセンサは、画素が、Y軸方向、及びZ軸方向に沿って配列されて構成される。二次元イメージセンサは、制御部14に対して、検出結果を出力する。
制御部14は、X線検出器13の二次元イメージセンサからの出力に基づいて、包装容器PKの撮像画像PMを生成する。
【0017】
制御部14は、包装容器PKの撮像画像PMを生成する。また、制御部14は、撮像画像PMに基づいて、包装容器PKに収納されたマスクMKの枚数を求める。
制御部14の構成については、
図2を参照して説明する。
【0018】
表示部15は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、制御部14の指示に従って、表示画像PDを含む種々の画像を表示する。表示画像PDは、LCDに表示される画像である。
【0019】
[2.制御部の構成]
次に、
図2を参照して、制御部14の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る制御部14の構成の一例を示す図である。
制御部14は、例えば、パーソナルコンピュータとして構成され、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサ14Aと、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリデバイス14Bと、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージ装置と、X線源11、及びX線検出器13などを接続するためのインターフェース回路と、を備える。
メモリデバイス14Bは、制御プログラムPGを記憶する。
制御部14は、「コンピュータ」の一例に対応する。
【0020】
制御部14は、光源制御部141と、取得部142と、計数部143と、算出部144と、表示制御部145と、画像記憶部146と、を備える。
具体的には、制御部14のプロセッサ14Aが、メモリデバイス14Bに記憶された制御プログラムPGを実行することによって、光源制御部141、取得部142、計数部143、算出部144、及び表示制御部145、として機能する。また、制御部14のプロセッサ14Aが、メモリデバイス14Bに記憶された制御プログラムPGを実行することによって、メモリデバイス14Bを、画像記憶部146として機能させる。
【0021】
画像記憶部146は、取得部142がX線検出器13から取得した撮像画像PMを記憶する。また、画像記憶部146は、表示制御部145によってLCDに表示される表示画像PDを記憶する。
【0022】
光源制御部141は、X線源11から照射するX線の強度を、ノーズワイヤーWRの材質に基づいて設定する。光源制御部141は、例えば、ノーズワイヤーWRを構成する材質のX線透過率が高い程、X線源11から照射するX線の強度を低く設定する。
【0023】
取得部142は、X線検出器13による包装容器PKの撮像画像PMを取得する。取得部142は、例えば、X線検出器13の二次元イメージセンサからの出力に基づいて、包装容器PKの撮像画像PMを生成することによって、撮像画像PMを取得する。また、取得部142は、取得した撮像画像PMを画像記憶部146に記憶させる。
【0024】
計数部143は、撮像画像PMに基づき、包装容器PKに収納されたマスクMKを構成するノーズワイヤーWRの本数をカウントする。計数部143は、例えば、撮像画像PMに、ノーズワイヤーWRの認識を容易にするために、種々の画像処理を施し、撮像画像PMを補正する。計数部143は、例えば、補正後の撮像画像PMに対する画像認識処理によって、ノーズワイヤーWRの本数をカウントする。また、補正後の撮像画像PMは、表示画像PDの一例に対応する。
画像処理は、例えば、輝度レベル変更処理、エッジ強調処理、及び輪郭抽出処理を含む。
【0025】
輝度レベル変更処理は、撮像画像PMの諧調が256諧調である場合に、撮像画像PMに含まれる輝度範囲が256諧調になるように、輝度レベルを変更する。輝度レベル変更処理では、例えば、撮像画像PMを構成する各画素の輝度値の範囲が0~127諧調である場合には、撮像画像PMを構成する各画素の輝度値を2倍にする処理を行う。
【0026】
算出部144は、ノーズワイヤーWRの本数に基づき、マスクMKの枚数を求める。算出部144は、例えば、ノーズワイヤーWRの本数がマスクMKの枚数と一致するとして、マスクMKの枚数を求める。
【0027】
表示制御部145は、計数部143が生成した表示画像PDを、表示部15のLCDに表示させる。また、表示制御部145は、計数部143がカウントとしたノーズワイヤーWRの本数、及び算出部144が求めたマスクMKの枚数の少なくとも一方を、表示部15のLCDに表示させてもよい。
【0028】
[3.包装容器の載置方向]
図3は、包装容器PKのステージ12への載置方向を示す斜視図である。
図3に示すように、マスクMKは、直方体状の包装容器PKに積層して収納される。マスクMKは、矩形状に形成され、マスクMKの一方の長辺に沿って、ノーズワイヤーWRが配置される。
包装容器PKには、ノーズワイヤーWRが上下方向に配列されるように、マスクMKが収納される。
【0029】
第1光軸CL1は、第1実施形態における包装容器PKのステージ12への載置方向を示す。第1光軸CL1は、
図1に示す光軸CLの一例を示す。
第1実施形態では、包装容器PKは、包装容器PKに収納されたマスクMKのノーズワイヤーWRの軸方向が、
図1に示すX線の光軸CLと略平行な方向になるようにステージ12に配置される。ノーズワイヤーWRの軸方向は、ノーズワイヤーWRの延びる方向を示す。例えば、ノーズワイヤーWRが細長い円柱状に形成されている場合には、ノーズワイヤーWRの軸方向は、ノーズワイヤーWRの長手方向の中心軸の方向を示す。
【0030】
第2光軸CL2は、第2実施形態における包装容器PKのステージ12への載置方向を示す。第2光軸CL2は、
図1に示す光軸CLの一例を示す。
第2実施形態では、包装容器PKは、以下の2つの条件(条件A及び条件B)を満たすように、ステージ12に配置される。
条件A:包装容器PKに収納されたマスクMKのノーズワイヤーWRの軸方向が、
図1に示すX線の光軸CLと略直交する方向になる。
条件B:複数枚のマスクMKの各々のノーズワイヤーWRが、
図1に示すX線の光軸CLと略直交する方向に配列される。
複数枚のマスクMKの各々のノーズワイヤーWRが配列される方向は、
図3では上下方向である。
【0031】
第2実施形態の条件Aが、ノーズワイヤーWRの軸方向が、
図1に示すX線の光軸CLと略直交する方向になることである場合について記載したが、これに限定されない。例えば、第2実施形態の条件Aが、ノーズワイヤーWRの軸方向が、
図1に示すX線の光軸CLと交差する方向になることであればよい。
【0032】
[4.撮像画像の例]
図4は、第1実施形態に係る第1撮影画像PM1の一例を示す図である。第1撮影画像PM1は、撮像画像PMの一例に対応する。
図4に示すように、包装容器PKには、複数枚のマスクMKがX-Y平面と略平行に積層されて、収納される。また、ノーズワイヤーWRは、マスクMKにおいて、Y軸の負方向端に配置される。ノーズワイヤーWRは、X軸方向に延びる。また、ノーズワイヤーWRは、Z軸方向に沿って配列される。
【0033】
マスク本体は、例えば、不織布で形成される。これに対して、ノーズワイヤーWRは、亜鉛メッキ鉄線、ステンレス、アルミニウム等の金属で形成される。そこで、ノーズワイヤーWRは、マスク本体と比較して、X線の透過率が低いため、第1撮影画像PM1における輝度が低い。計数部143は、第1撮影画像PM1において輝度が所定の閾値以下の領域を、ノーズワイヤーWRに対応する領域であるとして抽出する。
図4では、ノーズワイヤーWRに対応する領域を黒色で表している。マスクMKのマスク本体に対応する領域を、ハッチングで表している。
計数部143は、例えば、輝度が所定の閾値以下の領域を、黒色になるように画像処理し、その結果を、表示画像PDとして生成してもよい。
そして、計数部143は、例えば、ノーズワイヤーWRに対応する黒色の領域に基づいて、ノーズワイヤーWRの本数をカウントしてもよい。
【0034】
図4の第1撮影画像PM1に示すように、包装容器PKに収容されたマスクMKのノーズワイヤーWRは、Z軸方向に沿って配列される。そこで、計数部143は、ノーズワイヤーWRに対応する領域が、第1撮影画像PM1においてY軸の負方向側の端部に、Z軸方向に沿って配列される。したがって、ノーズワイヤーWRに対応する領域が、第1撮影画像PM1においてY軸の負方向側の端部の狭い領域に集中しているため、計数部143は、ノーズワイヤーWRの本数を効率的にカウントできる。
【0035】
図5は、第2実施形態に係る第2撮影画像PM2の一例を示す図である。第2撮影画像PM2は、撮像画像PMの一例に対応する。
図5に示すように、包装容器PKには、複数枚のマスクMKがX-Y平面と略平行に積層されて、収納される。ノーズワイヤーWRは、マスクMKにおいて、Y軸方向に延びるように配置される。また、ノーズワイヤーWRは、Z軸方向に沿って配列される。
【0036】
図4を参照して説明したように、ノーズワイヤーWRは、マスク本体と比較して、X線の透過率が低いため、第2撮影画像PM2における輝度が低い。計数部143は、第2撮影画像PM2において輝度が所定の閾値以下の領域を、ノーズワイヤーWRに対応する領域であるとして抽出する。
図5では、ノーズワイヤーWRに対応する領域を黒色で表している。マスクMKのマスク本体に対応する領域を、ハッチングで表している。
計数部143は、例えば、輝度が所定の閾値以下の領域を、黒色になるように画像処理し、その結果を、表示画像PDとして生成してもよい。
そして、計数部143は、例えば、ノーズワイヤーWRに対応する黒色の領域に基づいて、ノーズワイヤーWRの本数をカウントしてもよい。
【0037】
図5の第2撮影画像PM2に示すように、包装容器PKに収容されたマスクMKのノーズワイヤーWRは、Z軸方向に沿って配列される。また、ノーズワイヤーWRは、Y軸方向に延びる。よって、計数部143は、ノーズワイヤーWRの一方端(例えば、
図5の左端)から他方端(例えば、
図5の右端)までの配置を勘案して、ノーズワイヤーWRの本数をカウントできる。したがって、計数部143は、ノーズワイヤーWRの本数を正確にカウントできる。
【0038】
[5.制御部の処理]
図6は、制御部14の処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、ステップS101において、ユーザは、包装容器PKをステージ12に載置する。ユーザは、例えば、
図3に示す、第1実施形態における包装容器PKのステージ12への載置方向、又は、第2実施形態における包装容器PKのステージ12への載置方向に合致するように、包装容器PKをステージ12に載置する。
次に、ステップS103において、光源制御部141は、X線源11から照射するX線の強度を、ノーズワイヤーWRの材質に基づいて設定する。
次に、ステップS105において、取得部142は、X線検出器13による包装容器PKの撮像画像PMを取得する。
【0039】
次に、ステップS107において、計数部143は、撮像画像PMに基づき、包装容器PKに収納されたマスクMKを構成するノーズワイヤーWRを検出する。
次に、ステップS109において、計数部143は、ノーズワイヤーWRの本数をカウントする。
次に、ステップS111において、算出部144は、ノーズワイヤーWRの本数に基づき、マスクMKの枚数を求める。その後、処理が終了する。
【0040】
ステップS105は、「取得ステップ」の一例に対応する。ステップS107及びステップS109は、「計数ステップ」の一例に対応する。ステップS111は、「算出ステップ」の一例に対応する。
【0041】
図6を参照して説明したように、包装容器PKの撮像画像PMに基づき、包装容器PKに収納されたマスクMKを構成するノーズワイヤーWRの本数をカウントし、ノーズワイヤーWRの本数に基づき、マスクMKの枚数を求める。したがって、包装容器に収納されているフェイスマスクの枚数を正確に検出できる。
【0042】
[6.実施形態と効果]
上述した実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0043】
(第1項)
第1の態様に係るX線撮像装置の制御プログラムは、X線源と、前記X線源から照射されるX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置され、複数枚のマスクが収納された包装容器を支持するステージと、コンピュータと、を備えるX線撮像装置の制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記X線検出器による前記包装容器の撮像画像を取得する取得部、前記撮像画像に基づき、前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントする計数部、及び前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める算出部、として機能させる。
【0044】
第1項に記載のX線撮像装置の制御プログラムによれば、前記包装容器の前記撮像画像に基づき、前記包装容器に収納された前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントし、前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める。
したがって、包装容器に収納されているフェイスマスクの枚数を正確に検出できる。
【0045】
(第2項)
第1項に記載のX線撮像装置の制御プログラムであって、前記ノーズワイヤーの軸方向が前記X線の光軸と略平行な方向になるように、前記包装容器が前記ステージに配置される。
【0046】
第2項に記載のX線撮像装置の制御プログラムによれば、前記ノーズワイヤーの軸方向が前記X線の光軸と略平行な方向になるように、前記包装容器が前記ステージに配置される。
したがって、
図4に示すように、ノーズワイヤーに対応する領域が、撮影画像において狭い領域に集中しているため、ノーズワイヤーの本数を効率的にカウントできる。
【0047】
(第3項)
第1項に記載のX線撮像装置の制御プログラムであって、前記ノーズワイヤーの軸方向が前記X線の光軸と略直交する方向になり、且つ、前記複数枚のマスクの各々の前記ノーズワイヤーが前記X線の光軸と略直交する方向に配列されるように、前記包装容器が前記ステージに配置される。
【0048】
第3項に記載のX線撮像装置の制御プログラムによれば、前記ノーズワイヤーの軸方向が前記X線の光軸と略直交する方向になり、且つ、前記複数枚のマスクの各々の前記ノーズワイヤーが前記X線の光軸と略直交する方向に配列されるように、前記包装容器が前記ステージに配置される。
よって、
図5に示すように、ノーズワイヤーの一方端(例えば、
図5の左端)から他方端(例えば、
図5の右端)までの配置を勘案して、ノーズワイヤーの本数をカウントできる。したがって、ノーズワイヤーの本数を正確にカウントできる。
【0049】
(第4項)
第1項から第3項のいずれか1項に記載のX線撮像装置の制御プログラムであって、前記計数部は、前記撮像画像の輝度に基づいて、前記ノーズワイヤーを検出する。
【0050】
第4項に記載のX線撮像装置の制御プログラムによれば、前記撮像画像の輝度に基づいて、前記ノーズワイヤーを検出する。
マスク本体は、例えば、不織布で形成される。これに対して、ノーズワイヤーは、亜鉛メッキ鉄線、ステンレス、アルミニウム等の金属で形成される。そこで、ノーズワイヤーは、マスク本体と比較して、X線の透過率が低いため、撮影画像における輝度が低い。したがって、撮像画像の輝度に基づいて、ノーズワイヤーを検出するため、ノーズワイヤーを正確に検出できる。
【0051】
(第5項)
第1項から第4項のいずれか1項に記載のX線撮像装置の制御プログラムであって、前記X線源から照射するX線の強度は、前記ノーズワイヤーの材質に基づいて設定される。
【0052】
第5項に記載のX線撮像装置の制御プログラムによれば、前記X線源から照射するX線の強度は、前記ノーズワイヤーの材質に基づいて設定される。
例えば、ノーズワイヤーの材質のX線透過率が高い程、X線源から照射するX線の強度を低くする。したがって、ノーズワイヤーを検出し易い撮影画像を生成できる。
【0053】
(第6項)
第2の態様に係るX線撮像装置であって、X線源と、前記X線源から照射されるX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置され、複数枚のマスクが収納された包装容器を支持するステージと、を備えるX線撮像装置であって、前記X線検出器による前記包装容器の撮像画像を取得する取得部と、前記撮像画像に基づき、前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントする計数部と、前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める算出部と、を備える。
【0054】
第6項に記載のX線撮像装置によれば、前記包装容器の前記撮像画像に基づき、前記包装容器に収納された前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントし、前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める。
したがって、包装容器に収納されているフェイスマスクの枚数を正確に検出できる。
(第7項)
第3の態様に係るX線撮像装置の制御方法であって、X線源と、前記X線源から照射されるX線を検出するX線検出器と、前記X線源と前記X線検出器との間に配置され、複数枚のマスクが収納された包装容器を支持するステージと、を備えるX線撮像装置の制御方法であって、前記X線検出器による前記包装容器の撮像画像を取得する取得ステップと、前記撮像画像に基づき、前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントする計数ステップと、前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める算出ステップと、を含む。
【0055】
第7項に記載のX線撮像装置の制御方法によれば、前記包装容器の撮像画像に基づき、前記包装容器に収納された前記マスクを構成するノーズワイヤーの本数をカウントし、前記ノーズワイヤーの本数に基づき、前記マスクの枚数を求める。
したがって、包装容器に収納されているフェイスマスクの枚数を正確に検出できる。
【0056】
[7.他の実施形態]
なお、本実施形態に係るX線撮像装置1の制御プログラムPG、X線撮像装置1、及びX線撮像装置1の制御方法は、あくまでもX線撮像装置の制御プログラム、X線撮像装置、及びX線撮像装置の制御方法の態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形および応用が可能である。
【0057】
例えば、本実施形態では、1枚のマスクMKに1本のノーズワイヤーWRが配置される場合について説明したが、これに限定されない。1枚のマスクMKに複数本のワイヤーが配置されてもよい。例えば、1枚のマスクMKに2本のワイヤーが配置されてもよいし、1枚のマスクMKに3本以上のワイヤーが配置されてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、ユーザが
図3に示す方向に包装容器PKをステージ12に載置する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、ユーザが包装容器PKをステージ12に載置し、
図3に示す方向に包装容器PKが向くようにステージ12を回転させてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、制御部14のメモリデバイス14Bを、画像記憶部146として機能させる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部14のHDD、SSD等のストレージ装置を、画像記憶部146として機能させてもよい。
【0060】
また、
図2に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【0061】
また、
図6に示すフローチャートの処理単位は、制御部14の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。
図6のフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって制限されることはなく、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0062】
また、
図2に示した制御部14の機能部は、制御部14が備えるプロセッサ14Aに、制御プログラムPGを実行させることで実現できる。また、この制御プログラムPGは、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、制御部14が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。また、制御プログラムPGをサーバ装置等に記憶させておき、サーバ装置から制御部14に、制御プログラムPGをダウンロードしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 産業用X線撮像装置(X線撮像装置)
11 X線源
12 ステージ
13 X線検出器
14 制御部(コンピュータ)
14A プロセッサ
14B メモリデバイス
PG 制御プログラム
141 光源制御部
142 取得部
143 計数部
144 算出部
145 表示制御部
146 画像記憶部
15 表示部
CL 光軸
CL1 第1光軸
CL2 第2光軸
MK マスク
PK 包装容器
PM 撮像画像
PM1 第1撮影画像
PM2 第2撮影画像
WR ノーズワイヤー