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特開2022-123537荷役状態判定装置、運転支援システム及び運転支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123537
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】荷役状態判定装置、運転支援システム及び運転支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20220817BHJP
   B66F 9/24 20060101ALI20220817BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
G06T7/00 610Z
B66F9/24 P
G01B11/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020907
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南 良樹
(72)【発明者】
【氏名】大石 啓之
【テーマコード(参考)】
2F065
3F333
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA09
2F065AA22
2F065AA59
2F065BB05
2F065CC11
2F065FF04
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065QQ24
2F065QQ31
2F065QQ38
2F065SS09
2F065SS13
3F333AA02
3F333AB13
3F333DB10
3F333FA15
3F333FD14
3F333FE05
5L096AA06
5L096CA04
5L096DA02
5L096FA03
5L096FA06
5L096FA10
5L096FA12
5L096FA13
5L096FA62
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA02
(57)【要約】
【課題】不安定な荷物運搬による荷役車両からの荷物落下事故を防止する。
【解決手段】車載器は、荷物が載置されたパレットを搬送するフォークリフトに取り付けられ、フォークリフトの爪と荷物とパレットとを含む領域を撮像する車載カメラにより撮像された画像を取得し、前記画像において、荷物の外郭座標を検出する(ステップS14)。車載器は、前記画像において設定された基準軸に対する荷物の外郭座標の位置に応じて、荷物が基準軸に対して偏って配置されているか否かを判定する(ステップS17)。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物が載置された載置台を搬送する荷役車両に取り付けられ、前記荷役車両の一部分と前記荷物と前記載置台とを含む領域を撮像する撮像装置により撮像された画像を取得する画像取得部と、
前記画像において、前記荷物の外郭座標を検出する荷物座標検出部と、
前記画像を幅方向に二分割する基準軸に対する前記荷物の外郭座標の位置に応じて、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されているか否かを判定する判定部と、を備える、
荷役状態判定装置。
【請求項2】
前記画像を幅方向に二等分する、前記画像において上下方向に延びる直線を、前記基準軸として設定する基準軸設定部をさらに備える、
請求項1に記載の荷役状態判定装置。
【請求項3】
前記画像において、前記荷役車両の一部分の外郭座標と、前記載置台の外郭座標とに基づいて前記基準軸を設定する基準軸設定部をさらに備える、
請求項1に記載の荷役状態判定装置。
【請求項4】
前記荷役車両の一部分は、車両本体から突出する爪であり、
前記基準軸設定部は、前記画像において、前記載置台の幅方向に延びる一辺と前記爪との各交点の中心点を通過する直線を、前記基準軸として設定する、
請求項3に記載の荷役状態判定装置。
【請求項5】
前記画像取得部は、第一画像と、前記第一画像の撮像後に撮像された第二画像と、を取得し、
前記基準軸設定部は、前記第一画像における前記各交点である二つの第一交点を認識し、前記第二画像における前記各交点である二つの第二交点を認識し、前記第一交点から前記第二交点への各移動ベクトルを合成し、合成したベクトルを前記中心点の移動ベクトルとして算出し、前記中心点の移動ベクトルを含む直線を前記基準軸として設定する、
請求項4に記載の荷役状態判定装置。
【請求項6】
前記画像取得部は、第一画像と、前記第一画像の撮像後に撮像された第二画像と、を取得し、 前記判定部は、
前記第一画像における前記荷物の幅方向に離間した二つの特徴点である第一特徴点を認識し、前記第二画像における前記荷物の幅方向に離間した二つの特徴点である第二特徴点を認識し、前記第一特徴点から前記第二特徴点への各移動ベクトルである荷物移動ベクトルをそれぞれ算出し、
前記基準軸に対する前記荷物移動ベクトルの距離及び角度の少なくともいずれか一方に応じて、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されているか否かを判定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の荷役状態判定装置。
【請求項7】
前記荷役車両の一部分は、車両本体から突出する爪であり、
前記画像取得部は、前記載置台に前記爪を挿入する過程におけるいずれかの時点で、前記領域を撮像する、
請求項5又は6に記載の荷役状態判定装置。
【請求項8】
前記判定部が、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されていると判定した場合に、前記荷役車両の移動速度及び旋回速度の少なくともいずれか一方を制限する制限部を備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の荷役状態判定装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の荷役状態判定装置を有する通信端末と、
前記撮像装置を有する車載器と、を備える、
運転支援システム。
【請求項10】
荷物が載置された載置台を搬送する荷役車両の運転支援を行う運転支援プログラムであって、コンピュータに、
前記荷役車両に取り付けられ、前記荷役車両の一部分と前記荷物と前記載置台とを含む領域を撮像する撮像装置から、撮像された画像を取得するステップと、
前記画像において、前記荷物の外郭座標を検出するステップと、
前記画像において設定された基準軸に対する前記荷物の外郭座標の位置に応じて、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されているか否かを判定するステップと、
を実行させる運転支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷役状態判定装置、運転支援システム及び運転支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフトの運転を支援するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、移動体と障害物との位置関係が把握不能になるのを抑止するための技術を示している。特許文献1に開示される安全装置は、フォークリフトに搭載され、2つの撮像装置(ステレオカメラ)と、画像処理装置と、を備える。撮像装置は、垂直画角の最も上側が水平面よりも上となるように配置されている。画像処理装置は、撮像装置によって撮像された画像から、障害物の位置を算出して記憶する。画像処理装置は、撮像装置によって障害物が撮像されなくなった場合、記憶された位置情報に基づいて、障害物の位置を推定する。
【0003】
また、パレットに積載された段ボール箱等の物体をパレットから降ろすデパレタイズ工程をロボットが行う際に、物体がどのように積載されているかを把握するための技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示された画像処理装置は、デパレタイズ用のロボットのコントローラに接続され、投影手段と、撮像手段と、制御手段と、を備える。投影手段は、パレットに積載された複数のワークに、格子パターンを投影する。撮像手段は、投影された格子パターンを撮像する。制御手段は、ワークを積載したパレットが存在しない状態で投影された格子パターンを撮像した第1の画像データと、ワークを積載したパレットが存在する状態で投影された格子パターンを撮像した第2の画像データと、に基づいて、ワークに関する情報を作成する。制御手段は、各画像データにおける格子パターンの交点の間の距離に基づいて、ワークの高さに関する情報を作成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-89636号公報
【特許文献2】特開2003-97918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば工場敷地内や倉庫のようにフォークリフトを使用して荷物を運搬する作業現場では、フォークリフトで運搬中の荷物を落下させてしまい、荷物が破損するような事故が発生している。
【0006】
この種の実際の作業では、パレット上に載置された状態の荷物をパレットごと下からフォークリフトの爪で持ち上げてそのまま荷物を運搬することになる。
フォークリフトで運搬中の荷物落下の発生頻度は、パレットに載せられた荷物の安定度合に大きく依存する。そのため、運搬中の荷物の落下を未然に防止するために、一般的には運搬する前に、荷物の安定度合を目視等により確認することが望まれる。
フォークリフトで運搬しようとする荷物については、パレットの中央部に重心が位置するように積み上げておくことが理想的である。しかしながら、忙しい作業現場においては慎重な荷物積み上げ作業や、手間のかかる目視の確認作業のために十分な注意を払うことは難しいのが実情である。
【0007】
一方、フォークリフトで運搬する前や、運搬中に荷物が不安定であることに作業者等が気づいた場合には、その都度、荷物の荷姿を修正することが望ましい。しかし、忙しい作業現場では、手間のかかる荷姿の修正作業を実施する余裕がないので、作業者は「修正しなくても大丈夫だろう」と考えてそのまま荷姿を修正することなく作業を継続してしまう場合がある。
【0008】
上記特許文献1に記載の技術によれば、障害物との衝突を回避して、衝突による荷物落下事故を防止し得るものの、衝突によらない荷物落下事故を防止することはできない。また、上記特許文献2に記載の技術によれば、パレットに載せられた荷物が、ホストコンピュータから送信された荷物の積載パターンと実際の積載状態とがずれている場合にずれに関する情報を作成し得る。しかし、特許文献2の画像処理装置をフォークリフトの運転支援に適用した場合においては、基準となる荷物の積載パターンに関する情報を取得していない場合には、荷物の積載状態を把握できず、荷物落下事故を防止できない。また、パレットに積載した荷物をフォークリフトで運搬する都度、安定した荷姿の積載パターンに関する情報を作成した上で、荷物及びパレットの有無が異なる二種類の格子パターン投影画像を撮影することは、現実的には困難である。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、不安定な荷物運搬による荷役車両からの荷物落下事故を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するために、本発明に係る荷役状態判定装置、運転支援システム及び運転支援プログラムは、下記(1)~(10)を特徴としている。
(1)荷物が載置された載置台を搬送する荷役車両に取り付けられ、前記荷役車両の一部分と前記荷物と前記載置台とを含む領域を撮像する撮像装置により撮像された画像を取得する画像取得部と、
前記画像において、前記荷物の外郭座標を検出する荷物座標検出部と、
前記画像を幅方向に二分割する基準軸に対する前記荷物の外郭座標の位置に応じて、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されているか否かを判定する判定部と、を備える、
荷役状態判定装置。
(2)前記画像を幅方向に二等分する、前記画像において上下方向に延びる直線を、前記基準軸として設定する基準軸設定部をさらに備える、
上記(1)に記載の荷役状態判定装置。
(3)前記画像において、前記荷役車両の一部分の外郭座標と、前記載置台の外郭座標とに基づいて前記基準軸を設定する基準軸設定部をさらに備える、
上記(1)に記載の荷役状態判定装置。
(4)前記荷役車両の一部分は、車両本体から突出する爪であり、
前記基準軸設定部は、前記画像において、前記載置台の幅方向に延びる一辺と前記爪との各交点の中心点を通過する直線を、前記基準軸として設定する、
上記(3)に記載の荷役状態判定装置。
(5)前記画像取得部は、第一画像と、前記第一画像の撮像後に撮像された第二画像と、を取得し、
前記基準軸設定部は、前記第一画像における前記各交点である二つの第一交点を認識し、前記第二画像における前記各交点である二つの第二交点を認識し、前記第一交点から前記第二交点への各移動ベクトルを合成し、合成したベクトルを前記中心点の移動ベクトルとして算出し、前記中心点の移動ベクトルを含む直線を前記基準軸として設定する、
上記(4)に記載の荷役状態判定装置。
(6)前記画像取得部は、第一画像と、前記第一画像の撮像後に撮像された第二画像と、を取得し、
前記判定部は、
前記第一画像における前記荷物の幅方向に離間した二つの特徴点である第一特徴点を認識し、前記第二画像における前記荷物の幅方向に離間した二つの特徴点である第二特徴点を認識し、前記第一特徴点から前記第二特徴点への各移動ベクトルである荷物移動ベクトルをそれぞれ算出し、
前記基準軸に対する前記荷物移動ベクトルの距離及び角度の少なくともいずれか一方に応じて、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されているか否かを判定する、
上記(1)から(5)のいずれか一に記載の荷役状態判定装置。
(7)前記画像取得部は、前記載置台に前記爪を挿入する過程におけるいずれかの時点で、前記領域を撮像する、
上記(5)又は(6)に記載の荷役状態判定装置。
(8)前記判定部が、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されていると判定した場合に、前記荷役車両の移動速度及び旋回速度の少なくともいずれか一方を制限する制限部を備える、
上記(1)~(7)のいずれか一に記載の荷役状態判定装置。
(9)上記(1)~(8)のいずれか一に記載の荷役状態判定装置を有する通信端末と、
前記撮像装置を有する車載器と、を備える、
運転支援システム。
(10)荷物が載置された載置台を搬送する荷役車両の運転支援を行う運転支援プログラムであって、コンピュータに、
前記荷役車両に取り付けられ、前記荷役車両の一部分と前記荷物と前記載置台とを含む領域を撮像する撮像装置から、撮像された画像を取得するステップと、
前記画像において、前記荷物の外郭座標を検出するステップと、
前記画像において設定された基準軸に対する前記荷物の外郭座標の位置に応じて、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されているか否かを判定するステップと、
を実行させる運転支援プログラム。
【0011】
上記(1)の構成の荷役状態判定装置、上記(9)の構成の運転支援システム、及び上記(10)の構成の運転支援プログラムによれば、画像を幅方向に二分割する基準軸に対する荷物の外郭座標の位置に応じて、荷物が基準軸に対して偏って配置されていると判定される。例えば、荷物の複数の外郭座標の位置が、基準軸から一方向に離間している場合には、荷物が載置台上において幅方向に偏って配置されていることを検知できる。したがって、荷姿が不安定な状態の場合には車速や旋回速度を制限して、荷崩れや荷物落下事故を未然に防止できる。
【0012】
上記(2)の構成の荷役状態判定装置によれば、画像を幅方向に二等分する上下方向に延びる直線を基準軸とするので、この基準軸に対する荷物の外郭座標の位置に応じて、荷物が載置台上において幅方向に偏って配置されていることを検知できる。
【0013】
上記(3)の構成の荷役状態判定装置によれば、荷役車両の一部分の外郭座標と載置台の外郭座標とに基づいて基準軸を設定するので、実際の撮像状況に応じて精度よく、荷物の偏りを判定できる。
【0014】
上記(4)の構成の荷役状態判定装置によれば、爪と載置台の一辺との各交点の中心点を通過する直線を基準軸とすることで、載置台を保持する爪の中心位置を基準に、載置台の幅方向における荷物の偏りを正確に判定できる。よって、カメラが車両の左右方向中心に取り付けられていない場合であっても、載置台の幅方向における荷物偏りの有無を正確に判定できる。
【0015】
上記(5)の構成の荷役状態判定装置によれば、中心点の移動ベクトルを含む直線を基準軸として設定することで、幅方向における荷物偏りの有無を正確に判定できる。
【0016】
上記(6)の構成の荷役状態判定装置によれば、例えば、基準軸を挟んで左右の荷物移動ベクトルが非対称の場合には荷物偏り有りと判定するなど、幅方向における荷物偏りの有無を正確に判定できる。
【0017】
上記(7)の構成の荷役状態判定装置によれば、載置台に爪を挿入する過程におけるいずれかの時点で撮像された画像に基づいて、判定部が、例えば移動ベクトルを算出し、基準軸に対して左右均等か否かを判断する。したがって、リフト操作がされる前の荷姿の安定性を正確に判定できる。
【0018】
上記(8)の構成の荷役状態判定装置によれば、荷物が偏って配置されていることを検知した場合に、荷役車両の移動速度や旋回速度を制限することにより、運搬中に荷物が落下する確率を低減することができ、落下事故の防止に役立つ。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、不安定な荷物運搬による荷役車両からの荷物落下事故を防止できる。
【0020】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施形態における運転支援システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、作業中のフォークリフトの外観及び荷物の例を示す側面図である。
図3図3は、荷物撮影カメラとフォークリフトとの関係の一例を示す側面図である。
図4図4は、荷物撮影カメラが撮影した画像の一例を示す図である。
図5図5は、図1に示す車載器における荷役状態判定動作の例を示すフローチャートである。
図6図6は、荷物撮影カメラが撮影した画像の一例を示す図である。
図7図7は、荷物撮影カメラが撮影した画像の一例を示す図である。
図8図8は、荷物撮影カメラが撮影した画像の一例を示す図である。
図9図9は、荷物撮影カメラが撮影した画像の一例を示す図である。
図10図10は、荷物撮影カメラが撮影した画像の一例を示す図である。
図11図11は、荷物撮影カメラが撮影した画像の一例を示す図である。
図12図12は、他の荷物撮影カメラが撮影した画像の一例を示す図である。
図13図13は、他の荷物撮影カメラが撮影した画像の一例を示す図である。
図14図14は、本発明の一実施形態における運転支援システムを実現するための機能上の構成例を示すブロック図である。
図15図15は、基準軸の求め方の他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0023】
<システムの構成>
本発明の一実施形態における運転支援システムのハードウェア構成を図1に示す。図1に示した運転支援システムは、主としてフォークリフトのような荷役車両を運転して荷物の運搬作業を行う場合の運転支援のために利用される。
【0024】
図1に示した運転支援システムは、各々の荷役車両に搭載した状態で使用される車載器10と、各荷役車両、作業者、作業内容等を管理するために所定の事務所に設置される事務所PC30とを含んでいる。詳細については後述するが、本実施形態の車載器10は主要な機能として、荷物運搬作業において荷物の落下等を防止するために役立つ運転支援機能を備えている。
【0025】
なお、車載器10と事務所PC30との間は、ネットワークを介して接続されていなくてもよく、その場合、車載器10は、車載器で記録したデータを保持するメモリカード65を読み込む構成にする。また、車載器10は例えばドライブレコーダのように一般的な車載器の機能を含むものであってもよい。
【0026】
事務所PC30は、事務所に設置された汎用のコンピュータ装置で構成され、荷役車両の稼働状況や荷物の運搬量などを管理する。図1の例では、車載器10と事務所PC30との間で行われるデータ通信を中継するためにアクセスポイント80が設置されている。アクセスポイント80と車載器10との間の無線通信については、LTE(Long Term Evolution)/5G(5th Generation)等のモバイル通信網(携帯回線網)で行われてもよいし、無線LAN(Local Area Network)で行われてもよい。
【0027】
車載器10は、様々な信号の入力又は出力を可能にするために、様々なインタフェース(I/F)12A、12B、13、14、16、19、及び29を備えている。
速度I/F12Aは、車両側に搭載されている車速センサ51の出力する車速パルス信号を入力するための機能を有する。エンジン回転I/F12Bは、車両側から出力されるエンジン回転パルス信号を入力するための機能を有する。外部入力I/F13は様々な外部信号の入力に利用される。
【0028】
センサ入力I/F14は、様々なセンサの信号を入力するために利用される。図1の例では、Gセンサ28及びジャイロセンサ52がセンサ入力I/F14に接続されている。Gセンサ28は、この車載器10を搭載する車両に加わった様々な方向の加速度の大きさを検知する。ジャイロセンサ52は、この車載器10を搭載する車両の角速度を検知することにより、水平面内における車両の旋回速度や方向の変化を示す信号を出力できる。
【0029】
アナログ入力I/F29は、様々なアナログ信号の入力に利用される。
カメラI/F16は、車載カメラ23を接続するための機能を有している。すなわち、車載カメラ23が出力する映像信号を取り込んでコンピュータの処理に適した所定のデジタル画像データに変換する機能を有している。
【0030】
音声I/F19は、音声による注意喚起などに利用可能な所定の音声信号を生成する機能を有している。
【0031】
車載器10における主要な機能を実現する制御部11は、マイクロコンピュータ(CPU)のプロセッサを主体とする電子回路により構成されている。このマイクロコンピュータは、不揮発メモリ26Aなどに予め保持されているプログラムを実行することにより、後述する車載器10の制御機能を実現する。
【0032】
制御部11の入力に、上述の各インタフェース12A、12B、13、14、16、及び29が接続されている。また、制御部11の出力に音声I/F19を介してスピーカ20が接続されている。
【0033】
また、GPS受信部15、記録部17、表示部27、電源部25、通信部24、不揮発メモリ26A、揮発メモリ26B、カードI/F18、RTC部21、スイッチ入力部22、及び信号出力部53が制御部11に接続されている。
【0034】
GPS受信部15は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星からの電波をアンテナ15aを介して受信する。GPS受信部15が受信した複数の受信信号に基づいて、現在位置を表す情報を計算して得ることができる。なお、現在位置の情報を把握するために、GPSの代わりにビーコンを利用することもできる。
【0035】
記録部17は、例えば車載カメラ23が出力する映像の画像データなどを自動的に記録して一定時間保持するために利用される。
表示部27は、車載器10の操作に必要な文字などの可視情報や、運転操作に関する注意喚起の情報などを運転者が視認できるように表示するために利用できる。
【0036】
電源部25は、車両側から供給される電源電力に基づいて安定した電源電力を生成し、生成した電源電力を制御部11を含む車載器10内の各回路に対して供給する。
通信部24は、この車載器10とアクセスポイント80との間でデータ通信するための無線通信機能を提供する。
【0037】
不揮発メモリ26Aは、半導体メモリにより構成され、制御部11のマイクロコンピュータが実行可能なプログラムや、制御上必要になる各種定数データ、テーブルなどを予め保持している。
【0038】
揮発メモリ26Bは、制御部11が処理中に生成するデータなどを一時的に保持するために利用される。
カードI/F18には、運転者が所持するメモリカード65が挿抜自在に接続される。制御部11は、カードI/F18に装着されたメモリカード65からデータを読み出すことができ、制御部11が生成した各種データをカードI/F18を介してメモリカード65に書き込むこともできる。
【0039】
RTC(real time clock)部21は、時計の機能を有する集積回路により構成されている。すなわち、RTC部21は、現在時刻の情報を生成したり、経過時間などを把握することができる。
【0040】
スイッチ入力部22は、車載器10の操作に必要な各種スイッチの状態を表す信号を入力するために利用される。
信号出力部53は、例えば荷役車両の運転を制限するために利用可能な運転制限信号SGA、SGBを車載器10から出力することができる。運転制限信号SGAは、例えば荷役車両の走行速度を制限する目的で利用することが想定される。運転制限信号SGBは、例えば荷役車両における旋回速度を制限する目的で利用することが想定される。
【0041】
一方、事務所PC30は、汎用のオペレーティングシステムで動作するPCである。事務所PC30は、荷役車両の運転状況を把握したり、荷物の運搬量などを把握するための稼働管理装置として利用できる。事務所PC30は、制御部(CPU)31、通信部32、表示部33、記憶部34、カードI/F35、操作部36、出力部37、音声I/F38、及び外部I/F48を有する。
【0042】
制御部31は、事務所PC30の各部を統括的に制御する。通信部32は、アクセスポイント80を介して車載器10と通信可能である。
表示部33は、各荷役車両の稼働管理に利用可能な様々な情報を表示することができる。記憶部34は、各荷役車両に搭載された車載器10が生成したデータを取得して管理することができる。
【0043】
カードI/F35には、メモリカード65が挿抜自在に装着される。カードI/F35は、車載器10で記録された様々なデータをメモリカード65から入力するために利用される。操作部36は、キーボードやマウス等を有し、事務所PC30の管理者の操作を受け付ける。出力部37は、各種データを出力する。音声I/F38には、マイク41及びスピーカ42が接続される。管理者は、マイク41及びスピーカ42を用いて音声通話を行うことも可能である。
【0044】
外部I/F48には、運行データデータベース(DB)、ハザードマップデータベース(DB)といった外部記憶装置(図示せず)等が接続可能である。ハザードマップDBは、フォークリフトのような荷役車両が事故を起こしやすい特定地点を表すデータなどを保持することができる。
【0045】
<荷役車両の具体例>
作業中のフォークリフトの外観及び荷物の例を図2に示す。図2において左側がフォークリフトの前進方向を表し、右側が後退方向を表している。
【0046】
図2に示すように、フォークリフト90は、車両本体から運転席の前方に長く突出する複数の(本実施形態では2つの)爪91(荷役車両の一部分)及びバックレスト92を有している。爪91及びバックレスト92は、マスト93に沿って上下方向に昇降可能な状態でマスト93に支持されて、車両本体に取り付けられている。また、フォークリフト90は、所定の昇降機構を駆動することにより、爪91及びバックレスト92の位置を上下方向に駆動することができる。更に、フォークリフト90には、爪91及びバックレスト92を支持しているマスト93の傾斜角度を変更する駆動機構が備わっており、爪91及びバックレスト92のチルト角を調整することができる。
【0047】
一方、フォークリフト90で運搬しようとする様々な荷物100は、一般的には地面98上に配置された載置台であるパレット110上に載置された状態で保管されている。したがって、この荷物100を実際に運搬する際には、図2のように爪91を下方に下げた状態でフォークリフト90をパレット110に向かって前進させ、パレット110の内側に爪91を通した状態にする。その状態でフォークリフト90が爪91を上方に持ち上げると、パレット110上に載置されている荷物100をパレット110と共に持ち上げることができる。そして、荷物100及びパレット110を持ち上げた状態でフォークリフト90を移動すれば、荷物100及びパレット110を運搬することができる。
【0048】
ところで、例えば工場敷地内や倉庫のようにフォークリフトを使用して荷物を運搬する作業現場では、フォークリフトで運搬中の荷物を落下させてしまい、荷物が破損するような事故が度々発生している。
【0049】
この種の実際の作業では、図2のようにパレット110上に載置された状態の荷物100をパレット110ごと下からフォークリフト90の爪91で持ち上げてそのまま荷物100を運搬することになる。
【0050】
フォークリフトで運搬中の荷物落下の発生頻度は、パレットに載せられた荷物の安定度合に大きく依存する。そのため、運搬中の荷物の落下を未然に防止するために、一般的には運搬する前に、荷物の安定度合を目視等により確認することが望まれる。
【0051】
フォークリフトで運搬しようとする荷物については、パレットの中央部に重心が位置するように積み上げておくことが理想的である。しかしながら、忙しい作業現場においては慎重な荷物積み上げ作業や、手間のかかる目視の確認作業のために十分な注意を払うことは難しいのが実情である。
【0052】
一方、フォークリフトで運搬する前や、運搬中に荷物が不安定であることに作業者等が気づいた場合には、その都度、荷物の荷姿を修正することが望ましい。しかし、忙しい作業現場では、手間のかかる荷姿の修正作業を実施する余裕がないので、作業者は「修正しなくても大丈夫だろう」と考えてそのまま荷姿を修正することなく作業を継続してしまう場合がある。
【0053】
図1に示した車載器10及びフォークリフト90の稼働を管理する事務所PC30は、フォークリフト90で運搬中の荷物100の落下などを防止するために役立つ運転支援機能を備えている。本実施形態では、運転支援に必要な情報を取得するためにフォークリフト90の車体に取り付けた車載カメラ23を利用する。
【0054】
<車載カメラの取り付け位置、撮影範囲>
荷物を撮影するための車載カメラ23とフォークリフト90との関係の一例を図3に示す。
【0055】
図3に示した例では、車載カメラ23がマスト93の上部に設置され、撮影方向は、水平方向に対して45度程度下方に傾斜した方向を向くように調整してある。つまり、図3に示した撮影範囲23Aの領域が撮影対象になるので、フォークリフト90の爪91や、運搬するパレット110及び荷物100を車載カメラ23で撮影することができる。車載カメラ23の撮影範囲23Aについては、荷物100及びパレット110の略全域を同時に撮影できるように、例えば120度程度の広い範囲にしておくことが望ましい。
【0056】
<撮影した画像の例>
荷物100を撮影するためにフォークリフト90に設置された車載カメラ23が撮影した画像の一例を図4に示す。
【0057】
図4の例では、車載カメラ23が撮影したカメラ画像200の中に、地面98に相当する地面領域201や、フォークリフト90の爪91に相当する爪パターン202が含まれている。図4の例では、荷物100及びパレット110が車載カメラ23の撮影範囲23A内には存在しない状況を表している。
また、図4の例ではカメラ画像200の画面中央上端に近い位置にFOE(Focus Of Expansion)点(消失点)203が存在している。
【0058】
<荷役状態判定動作>
図1に示す車載器10における荷役状態判定動作の例を図5に示す。また、荷物を撮影する車載カメラ23の撮影した画像の例を図6図11に示す。
【0059】
車載器10の制御部11は、不揮発メモリ26A上にある所定のプログラムを実行することにより、図5に示した荷役状態判定動作を行うことができる。フォークリフト90が稼働を開始すると、制御部11は、車載カメラ23の撮影範囲23Aの中に爪91が含まれるか否か、すなわち、車載カメラ23により撮影された映像(画像)に爪91が映っているか否かを判断する(ステップS11)。爪91が映っていれば、図6に示すようなカメラ画像200Aが得られ、制御部11はステップS11からステップS12に進む。
【0060】
図6に示したカメラ画像200Aの中には、地面領域201に加え、爪パターン202が現れている。したがって、例えばカメラ画像200Aの内容を制御部11が画像処理して認識することにより、フォークリフト90の爪91の位置を把握できる(ステップS12)。
【0061】
フォークリフト90が荷物100が積載されたパレット110に接近すると、図7に示すようなカメラ画像200Bが得られる。したがって、例えばカメラ画像200Bの内容を制御部11が画像処理して認識することにより、制御部11は、フォークリフト90がパレット110に積載された荷物100に接近したことを検知でき(ステップS13でYES)、ステップS14に進む。
【0062】
図7に示したカメラ画像200Bの中には、地面領域201及び爪パターン202の他に、パレット110に相当するパレットパターン210と、荷物100に相当する荷物パターン220とが現れている。
【0063】
したがって、制御部11はカメラ画像200Bからパレットパターン210及び荷物パターン220をそれぞれ認識することができる。制御部11は、ステップS14でパレット110の手前側下辺の座標及び荷物100の特徴点座標の検出を開始する。すなわち制御部11は、パレットパターン210の外郭のうち、パターン中の最も下側(図7の下方側)の角部の各特徴点座標から下辺Bを検出して把握する。また、制御部11は、荷物パターン220の外郭のうち、パターン中の最も外側の角部(図7の左右方向における距離が最も長くなる二点)の各座標を検出して荷物100の特徴点を把握する。図7に示したカメラ画像200Bは逐次更新され、フォークリフト90の移動に伴ってカメラ画像200B中の各パターンの位置及び大きさが変化し、各特徴点も変化するので、下辺Bの検出及び荷物100の特徴点座標の検出は制御部11により繰り返し実行される。
【0064】
制御部11は、ステップS14で検出したパレットパターン210の下辺B及び荷物パターン220の特徴点座標に基づき、爪91がパレット110に差し込まれたか否かを検知する(ステップS15)。すなわち、制御部11は、爪パターン202がパレットパターン210の下辺Bの座標に一致した場合に、爪91がパレット110に差し込まれたことを検知する。
【0065】
制御部11は、次のステップS16で、荷物100における幅方向に離間した二つの特徴点の移動ベクトルVc1、Vc2及びパレット110の移動ベクトルVpの計測を開始する。移動ベクトルVc1、Vc2、Vpの計測は制御部11により繰り返し実行される。
【0066】
例えば図8に示したカメラ画像200Cが得られる状態から、フォークリフト90が前進すると、フォークリフト90が荷物100及びパレット110に近づくので、カメラ画像200C中の各特徴点の座標が時間の経過と共に移動する。具体的には、FOE点203の位置からその周辺に向かう放射方向に対してそれぞれ特徴点が移動する。カメラ画像200C中の各特徴点の移動量は、車載カメラ23との間の距離及びフォークリフト90の走行速度に応じて変化する。各特徴点の移動方向及び移動量を表すベクトルが移動ベクトルである。
【0067】
パレット110の移動ベクトルの算出例について説明する。制御部11によって爪91がパレット110に差し込まれたことが検知された時点における、左右の爪パターン202の各内側エッジ(左右の爪パターン202のうち、互いに近接するエッジ)とパレットパターン210の下辺Bとの各交点A1、A2を基準とする。制御部11は、基準である各交点A1、A2から、爪パターン202のうち爪91の先端部に相当する部分がパレットパターン210に覆われて見えなくなった時点における左右の爪パターン202の各内側エッジと下辺Bとの各交点へのベクトルVa1、Va2をそれぞれ算出する。制御部11は、交点A1、A2の中間点を、パレット110の左右中心に相当するパレットパターン210の中心点Pとみなし、ベクトルVa1、Va2を合成したベクトルVpを、中心点Pの移動ベクトルすなわちパレット110の移動ベクトルとして算出する。尚、爪91の先端部は、フォークリフト90においてリフト操作が行われる際にパレット110内部に差し込まれる部分である。
【0068】
このように、制御部11は図8中に示すように、パレットパターン210における中心点Pの移動ベクトルVp、荷物パターン220における各特徴点の移動ベクトルVc1、Vc2を算出することができる。各移動ベクトルVc1、Vc2及びVpは、カメラ画像200Cの更新に伴って変化する。
【0069】
実際には、ある時刻t1で撮影された第一画像中の荷物パターン220の特徴点及びパレットパターン210の中心点P(以下、「特徴点等」とも云う。)の各座標と、一定時間を経過した後の時刻t2で撮影された第二画像中の各座標との間の移動量及び移動方向を算出することで、移動ベクトルVc1、Vc2、Vpが得られる。
【0070】
制御部11は、フォークリフト90において、荷物100が積載されたパレット110のリフト操作が開始されるまで、逐次変化する移動ベクトルVc1、Vc2、Vpのそれぞれを算出し、記憶する(ステップS16)。
【0071】
更に、制御部11は、ステップS16での算出結果に基づき、パレット110の移動ベクトルVpを基準として、荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2が左右均等であるか否かを判断する(ステップS17)。すなわち、制御部11は、パレット110の移動ベクトルVpを含む直線、すなわち、中心点PとFOE点203とを結ぶ直線(図9中に一点鎖線で示す直線)を基準軸Jとする。そして、制御部11は、この基準軸Jに対する、荷物パターン220の特徴点の位置や、荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2の距離や角度に応じて、荷物100が偏って積載されている異常の有無を判断する。なお、基準軸として、中心点PとFOE点203とを結ぶ直線に限らず、中心点Pを通過する他の直線を用いることができる。例えば、中心点Pからパレットパターン210の辺に対して引いた垂線、又は、連続する画像から中心点Pの移動ベクトルを求めその移動ベクトルを延長した直線等を用いることができる。また、精度は落ちるものの、画像を左右に二等分する上下方向に延びる直線を基準軸としてもよい。なお、図9のカメラ画像200Dは、図8のカメラ画像200Cにおいて荷物パターン220及びパレットパターン210の記載を省略したものに相当する。
【0072】
制御部11は、ステップS17において荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2が左右均等であると判断した場合、荷物100がパレット110にバランスよく積載されている(荷物安定)と判定する(ステップS18)。図10のカメラ画像200Eは、荷物安定と判定された例を示す。カメラ画像200Eにおいて、荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2は、移動ベクトルVpを挟んで、互いに対称に配置されている。なお、制御部11は、基準軸Jに対する荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2の距離や角度が、互いに大きく異ならない場合には、左右均等と判断してもよい。
【0073】
一方、制御部11は、ステップS17において荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2が左右均等でないと判断した場合、荷物100がパレット110に偏って積載されている異常を検出する(ステップS19)。図11のカメラ画像200Fは、荷物100が偏っていると判定された例を示す。カメラ画像200Fにおいて、荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2は、パレット110の移動ベクトルVpで左右に二分割された分割領域の一方に双方が位置しており、他方にはいずれの移動ベクトルVc1、Vc2も位置していない。すなわち、荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2は、パレット110の移動ベクトルVpを含む基準軸Jから、一方向に離間して位置している。
【0074】
図11に示したカメラ画像200Fにおいては、荷物100を表す荷物パターン220が、パレットパターン210の上に偏って載置された状況が示されている。図11のカメラ画像200Fのような状況は、パレット110上の荷物100の状態が非常に不安定であることを意味している。つまり、荷物100が運搬中にパレット110から落下しやすい。そのため、図11の状況では荷物100の落下を防止するために運転者に注意喚起して安全な運転を支援する必要がある。
【0075】
そこで制御部11は、ステップS19で荷物偏りの異常を検出した場合には、フォークリフト90の走行速度、及び/又は旋回速度の制限を実行する(ステップS20)。具体的には、走行速度、又は旋回速度が大きい場合に、制御部11は、音声などのメッセージを出力したり、画面表示などを用いて運転者に注意を喚起したり、運転制限信号SGA、又はSGBを制御することにより、フォークリフト90の運転動作に制限を加える。運転制限信号SGA、又はSGBを利用する場合には、例えばフォークリフト90の走行速度が上がらないように制限したり自動的にブレーキをかける。また、フォークリフト90の旋回速度が上がらないように旋回動作の速度が上がらないように制限する。この制限により、荷物落下事故を防止できる。
【0076】
このように、制御部11は、フォークリフト90の爪91とパレット110の外郭座標に基づいて基準軸J(パレット110の移動ベクトルVpを含む直線)を設定する。そして制御部11は、この基準軸Jに対する、荷物100の外郭座標(特徴点)の位置や、移動ベクトルVc1、Vc2の距離及び角度の少なくともいずれか一方に応じて、荷物偏りの異常を検出する。例えば、荷物100の外郭座標が全て基準軸Jに対して一方向に離間した位置にある場合には、荷物100がパレット110の幅方向に偏って配置されていると判定する。車載器10によれば、荷物100がパレット110上において幅方向に偏って配置されていることを検知できるので、不安定な状態の場合には車速や旋回速度を制限して、荷崩れを未然に防止できる。
【0077】
また、車載器10は、左右の爪パターン202とパレットパターン210の一辺(下辺B)との各交点A1、A2の中心点Pと、FOE点203とを結ぶ直線を基準軸Jとすることで、フォークリフト90の幅方向中心からの偏りを正確に判定できる。よって、車載カメラ23がフォークリフト90の左右方向中心に取り付けられていない場合であっても、フォークリフト90の幅方向における荷物偏りの有無を正確に判定できる。
【0078】
<撮影した画像の他の例>
図12及び図13は、車載カメラ23を、フォークリフト90の幅方向中心からずれた位置に取り付けた場合のカメラ画像200G、200Hをそれぞれ示す。図12及び図13は、車載カメラ23の画角が180°程度である場合の画像例を示す。この車載カメラ23では、爪91、荷物100、パレット110に加え、バックレスト92の上部が撮影され、カメラ画像200G、200Hにおいて、爪パターン202、荷物パターン220、パレットパターン210に加え、バックレストパターン204が含まれる。
【0079】
カメラ画像200G、200Hにおいても、制御部11は、図8に示した場合と同様に、パレットパターン210の下辺と左右の爪パターン202との各交点A1、A2からベクトルVa1、Va2を算出して、中心点Pの移動ベクトルVpを算出する。また、制御部11は、荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2を算出し、移動ベクトルVpを基準として、荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2が左右均等であるか否かを判断する。カメラ画像200Gにおいては、移動ベクトルVpを基準として荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2が対象に配置されており、荷物安定と判定される。一方、カメラ画像200Hにおいては、移動ベクトルVpを含む直線(基準軸J)に対する荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2の距離及び角度がいずれも異なる(対称でない)。すなわち、カメラ画像200Hにおいては、荷物偏りの異常が検出されるため、車載器10は、走行速度、旋回速度の制限を実行する。
【0080】
このように、車載カメラ23がフォークリフト90の幅方向中心に取り付けられていない場合であっても、車載器10は、パレット110上の荷物100が偏って積載されている異常を検知し、走行速度の制限等の実行により荷崩れを未然に防止できる。また、荷物100(パレット110)が地面に置かれていない状況であっても、上述の移動ベクトルVpを基準として荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2が左右均等か否かを判断することにより、車載器10は、荷物偏りの異常を検出できる。
【0081】
また、車載器10は、パレット110への爪91の挿入が開始された時点で撮像された画像と、爪91の先端部がパレット110に挿入された時点で撮像された画像とにおいて、中心点P及び荷物100の特徴点の移動ベクトルVp、Vc1、Vc2を算出する。さらに車載器10は、この移動ベクトルVpに対して、移動ベクトルVc1、Vc2が左右均等か否かを判断する。したがって、車載器10は、リフト操作がされる直前の荷姿の安定性を正確に判定できる。
【0082】
本発明者らによる先行発明によれば、荷役車両(フォークリフト)に搭載された撮像装置で載置台に載置された荷物の荷姿を撮影した撮影画像に基づいて、荷物が、載置台の奥側に偏って配置されているか否かを判定できた(特願2020-073046参照)。これに対し、本実施形態によれば、上述したように、荷物が載置台の左右に偏っているか否かについて判定できる。したがって、先行発明に係る技術と本実施形態の技術とを組み合わせることで、車載器10は、荷物が載置台の奥側又は左右に偏って配置されている異常の有無を判定できる。
【0083】
<システムの機能上の構成例>
図1に示した運転支援システムにおける各特徴事項を実現するために必要とされる機能上の構成例を図14に示す。図14に示した各機能は、制御部11又は事務所PC30のコンピュータが予め用意したプログラムを実行することにより実現することもできるし、専用の電子回路のハードウェアを用いて実現することもできる。
【0084】
図14に示した例では、車載器10が画像処理部302、画像記憶部303、爪画像認識部304a、接近検知部304b、爪差込検出部304c、パレット画像認識部305、荷物画像認識部306、パレット辺検出部307、荷物外郭座標検出部308の各機能を備えている。また、車載器10が、パレット移動ベクトル算出部311、荷物移動ベクトル算出部312、荷物偏り異常判定部314、警報報知部316、走行速度監視部317、旋回速度監視部318、車両稼働制限部319の各機能も備えている。また、車載器10が、荷物体積算出部321、荷物体積記録部322、時刻情報管理部323、データ記憶部324、警報記録部325の各機能も備えている。
【0085】
図14中に示した機能の一部分については、事務所PC30側に配置してもよく、その場合は車載器10と事務所PC30との間のデータ通信、又はメモリカード65を利用したデータ受け渡しにより、システム全体として適切に動作するように機能させることができる。
【0086】
画像処理部302は、車載カメラ23から出力される車載カメラ映像301を入力して、制御部11がデータ処理をするのに適した画像データを生成する。画像記憶部303は、画像処理部302から出力される画像データを一時的に記憶することができる。
【0087】
爪画像認識部304aは、最新の画像フレームにおける画像データを画像処理部302の出力から取り込み、同時に所定時間前(例えば1秒前)に撮影された過去の画像フレームにおける画像データを画像記憶部303から読み出して取り込む。そして爪画像認識部304aは、時間の異なる2つの画像フレームのそれぞれについて、爪91に相当するパターンを認識するための処理を実施する。
接近検知部304bは、最新の画像フレームにおける画像データに基づいて、荷物100にフォークリフト90が接近したことを検知する。
爪差込検出部304cは、最新の画像フレームにおける画像データ及び過去の画像フレームにおける画像データに基づいて、爪91とパレット110との交点を検出した場合に、爪91がパレット110に差し込まれたことを検出する。
【0088】
パレット画像認識部305は、最新の画像フレームにおける画像データを画像処理部302の出力から取り込み、同時に所定時間前(例えば1秒前)に撮影された過去の画像フレームにおける画像データを画像記憶部303から読み出して取り込む。そしてパレット画像認識部305は、時間の異なる2つの画像フレームのそれぞれについて、パレット110に相当するパターンを認識するための処理を実施する。
【0089】
荷物画像認識部306は、最新の画像フレームにおける画像データを画像処理部302の出力から取り込み、同時に所定時間前(例えば1秒前)に撮影された過去の画像フレームにおける画像データを画像記憶部303から読み出して取り込む。そして、荷物画像認識部306は、時間の異なる2つの画像フレームのそれぞれについて、荷物100に相当するパターンを認識するための処理を実施する。
【0090】
パレット辺検出部307は、パレット画像認識部305が認識したパレット110のパターンについて、そのパターン外郭の下辺を表す各角部の複数の座標を画像フレーム毎に検出することができる。
【0091】
荷物外郭座標検出部308は、荷物画像認識部306が認識した荷物100のパターンについて、そのパターン外郭を表す各角部の複数の座標を画像フレーム毎に検出することができる。
【0092】
パレット移動ベクトル算出部311は、爪差込検出部304cが検出した爪91とパレット110との交点の中間点における移動ベクトルを算出する。すなわち、パレット移動ベクトル算出部311は、ある画像フレームにおける交点A1、A2の座標と、一定時間前の画像フレームにおける交点A1、A2の座標との間の移動量及び方向として、移動ベクトルをそれぞれ算出する。そしてパレット移動ベクトル算出部311は、それらを合成して中心点Pの移動ベクトルVpを算出する。
【0093】
荷物移動ベクトル算出部312は、荷物外郭座標検出部308が検出した荷物100の各特徴点について、移動ベクトルを算出する。すなわち、荷物移動ベクトル算出部312は、ある画像フレームにおける特徴点の座標と、一定時間前の画像フレームにおける特徴点の座標との間の移動量及び方向として、移動ベクトルVc1、Vc2をそれぞれ算出する。
【0094】
荷物偏り異常判定部314は、荷物位置の偏りに関する異常の有無を判定するための機能を有する。すなわち、荷物偏り異常判定部314は、パレット110の移動ベクトルVpをパレット移動ベクトル算出部311から入力する。荷物偏り異常判定部314は、パレット110の移動ベクトルVpをパレット移動ベクトル算出部311から入力し、荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2を荷物移動ベクトル算出部312から入力する。そして、荷物偏り異常判定部314は、パレット110の移動ベクトルVpを基準として荷物100の移動ベクトルVc1、Vc2が左右均等であるかを、図5のステップS17のように比較することで異常の有無を判定する。
【0095】
警報報知部316は、荷物偏り異常判定部314が異常を検知した場合に、異常の発生を表す警報信号SG0を生成する。
【0096】
この警報信号SG0により、例えば音声I/F19が音声信号を生成し、運転者に注意喚起するための音声アナウンスをスピーカ20から出力する。また、表示部27の画面上に注意喚起のメッセージが出力される。
【0097】
走行速度監視部317は、車速センサ51の出力する信号を監視することにより、フォークリフト90の走行速度を把握し速度が高すぎないかどうかを監視している。旋回速度監視部318は、ジャイロセンサ52が出力する信号に基づいて角速度を監視し、フォークリフト90の旋回速度が過大になっていないかどうかを監視している。
【0098】
車両稼働制限部319は、荷物偏り異常判定部314が異常を検知した場合に、フォークリフト90の走行速度や旋回速度を制限するための運転制限信号SGA、SGBを生成する。車両稼働制限部319は、走行速度監視部317、旋回速度監視部318の出力を利用して、運転制限信号SGA、SGBを生成する。これらの運転制限信号SGA、SGBはフォークリフト90側に入力される。
【0099】
一方、荷物体積算出部321は、それぞれの運搬作業において車載器10を搭載したフォークリフト90が実際に運搬している荷物100の体積を算出して把握する。すなわち、運搬する各荷物100を表すパターン外郭の各特徴点の座標が荷物外郭座標検出部308の出力に得られるので、各特徴点の座標から荷物毎の形状や大きさを計算により推定することができる。また、車載カメラ23の取り付け位置が一定であり、撮影範囲23Aも一定であるため、各座標から各特徴点の位置、距離、座標間の寸法を把握することが可能であり、荷物の体積を算出できる。
【0100】
荷物体積記録部322は、荷物体積算出部321が算出した各荷物の体積の情報を、時刻情報管理部323が出力する現在時刻の情報と共にデータ記憶部324に、例えば一定時間おきに逐次記憶する。
【0101】
時刻情報管理部323は、RTC部21の出力から現在時刻の情報を取得する。
警報記録部325は、警報報知部316が生成した警報の情報を、時刻情報管理部323が出力する現在時刻の情報と共にデータ記憶部324に記憶する。
【0102】
データ記憶部324に記憶される体積の情報は、作業を行った時刻と関連付けられている。したがって、データ記憶部324上に蓄積されているデータを解析することにより、該当するフォークリフト90の稼働によって、実際に運搬した荷物100の体積の総量を正確に把握することが可能である。また、警報の発生回数や発生時刻も把握できる。
【0103】
事務所PC30は、それぞれのフォークリフト90に搭載された車載器10がデータ記憶部324に蓄積しているデータを、無線データ通信などで取得してリアルタイムで管理することにより、全体の作業の進捗状況などを管理することが容易になる。
【0104】
なお、図5に示した各処理ステップについては、車載器10上の制御部11、及び事務所PC30の制御部31のいずれが実行してもよい。
【0105】
上述した実施形態においては、左右の爪パターン202の各内側エッジとパレットパターン210の下辺Bとの各交点A1、A2の中間点を中心点Pとみなし、中心点Pの移動ベクトルVpを含む直線を基準軸Jとしたが、基準軸の求め方はこれに限定されない。例えば、図15に示すように、左右の爪パターン202の各外側エッジとパレットパターン210の下辺Bとの各交点A1-1、A2-1の中間点を中心点Pとしてもよい。そして、各交点A1-1、A2-1を始点とするベクトルVa1-1、Va2-1を合成したベクトルを、中心点Pの移動ベクトルVpとし、この移動ベクトルVpを含む直線を基準軸Jとしてもよい。爪パターン202の外側エッジを用いることで、爪91が1つの場合等であっても、爪91の本数に依存することなく、二枚以上の連続した画像から基準軸Jを求めることができる。
【0106】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る荷役状態判定装置、運転支援システム及び運転支援プログラムの特徴をそれぞれ以下[1]~[10]に簡潔に纏めて列記する。
[1]荷物(100)が載置された載置台(パレット110)を搬送する荷役車両(フォークリフト90)に取り付けられ、前記荷役車両の一部分(爪91)と前記荷物と前記載置台とを含む領域を撮像する撮像装置(車載カメラ23)により撮像された画像を取得する画像取得部(画像処理部302、S11)と、
前記画像において、前記荷物の外郭座標を検出する荷物座標検出部(荷物外郭座標検出部308、S14)と、
前記画像を幅方向に二分割する基準軸(J)に対する前記荷物の外郭座標の位置に応じて、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されているか否かを判定する判定部(荷物偏り異常判定部314、S17)と、を備える、
荷役状態判定装置(車載器10の制御部11)。
[2]前記画像を幅方向に二等分する、前記画像において上下方向に延びる直線を、前記基準軸として設定する基準軸設定部をさらに備える、
上記[1]に記載の荷役状態判定装置。
[3]前記画像において、前記荷役車両の一部分の外郭座標と、前記載置台の外郭座標とに基づいて前記基準軸を設定する基準軸設定部をさらに備える、
上記[1]に記載の荷役状態判定装置。
[4]前記荷役車両の一部分は、車両本体から突出する爪(91)であり、
前記基準軸設定部は、前記画像において、前記載置台の幅方向に延びる一辺と前記爪との各交点(A1、A2)の中心点(P)を通過する直線を、前記基準軸として設定する、
上記[3]に記載の荷役状態判定装置。
[5]前記画像取得部は、第一画像と、前記第一画像の撮像後に撮像された第二画像と、を取得し、
前記基準軸設定部は、前記第一画像における前記各交点である二つの第一交点(A1、A2)を認識し、前記第二画像における前記各交点である二つの第二交点を認識し、前記第一交点から前記第二交点への各移動ベクトル(Va1、Va2)を合成し、合成したベクトルを前記中心点の移動ベクトル(Vp)として算出し、前記中心点の移動ベクトルを含む直線を前記基準軸として設定する、
上記[4]に記載の荷役状態判定装置。
[6]前記画像取得部は、第一画像と、前記第一画像の撮像後に撮像された第二画像と、を取得し、
前記判定部は、
前記第一画像における前記荷物の幅方向に離間した二つの特徴点である第一特徴点を認識し、前記第二画像における前記荷物の幅方向に離間した二つの特徴点である第二特徴点を認識し、前記第一特徴点から前記第二特徴点への各移動ベクトルである荷物移動ベクトル(Vc1、Vc2)をそれぞれ算出し、
前記基準軸に対する前記荷物移動ベクトルの距離及び角度の少なくともいずれか一方に応じて、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されているか否かを判定する、
上記[1]から[5]のいずれか一に記載の荷役状態判定装置。
[7]前記画像取得部は、前記載置台に前記爪を挿入する過程におけるいずれかの時点で、前記領域を撮像する、
上記[5]又は[6]に記載の荷役状態判定装置。
[8]前記判定部が、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されていると判定した場合に、前記荷役車両の移動速度及び旋回速度の少なくともいずれか一方を制限する制限部(S20、車両稼働制限部319)を備える、
上記[1]~[4]のいずれか一に記載の荷役状態判定装置。
[9]上記[1]~[8]のいずれか一に記載の荷役状態判定装置を有する通信端末(事務所PC30)と、
前記撮像装置を有する車載器(10)と、を備える、
運転支援システム。
[10]荷物が載置された載置台を搬送する荷役車両の運転支援を行う運転支援プログラムであって、コンピュータ(制御部11又は31)に、
前記荷役車両に取り付けられ、前記荷役車両の一部分(爪91)と前記荷物と前記載置台とを含む領域を撮像する撮像装置から、撮像された画像を取得するステップ(画像処理部302)と、
前記画像において、前記荷物の外郭座標を検出するステップ(S14)と、
前記画像において設定された基準軸に対する前記荷物の外郭座標の位置に応じて、前記荷物が前記基準軸に対して偏って配置されているか否かを判定するステップ(S17)と、
を実行させる運転支援プログラム。
【符号の説明】
【0107】
10 車載器
11 制御部
12A,12B,13,14,16,18,19,29 インタフェース(I/F)
15 GPS受信部
17 記録部
20 スピーカ
21 RTC部
22 スイッチ入力部
23 車載カメラ
23A 撮影範囲
24 通信部
25 電源部
26A 不揮発メモリ
26B 揮発メモリ
27 表示部
28 Gセンサ
30 事務所PC
31 制御部
32 通信部
33 表示部
34 記憶部
35,38,48 インタフェース
36 操作部
37 出力部
41 マイク
42 スピーカ
51 車速センサ
52 ジャイロセンサ
53 信号出力部
65 メモリカード
80 アクセスポイント
90 フォークリフト
91 爪
92 バックレスト
93 マスト
98 地面
100 荷物
110 パレット
200,200A,200B,200C,200D,200E,200F,200G,200H カメラ画像
201 地面領域
202 爪パターン
203 FOE点
210 パレットパターン
B 下辺
220 荷物パターン
J 基準軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15