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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123541
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】照明装置及び光源
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/40 20200101AFI20220817BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20220817BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20220817BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20220817BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20220817BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20220817BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220817BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20220817BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220817BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20220817BHJP
【FI】
H05B45/40
H05B45/20
H05B45/10
H05B47/19
H05B47/18
F21V23/04 500
F21S2/00 311
F21S8/02 400
F21S2/00 100
F21Y115:10
F21Y105:10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020911
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(72)【発明者】
【氏名】上野 眞人
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA03
3K273PA01
3K273PA04
3K273QA06
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273UA17
3K273UA22
3K273VA08
3K273VA10
(57)【要約】
【課題】
発光色の異なる複数のLEDを用いた照明装置において、色ムラを抑制すること。
【解決手段】
赤色とそれ以外の色を含む3色以上の発光色のLEDを発光領域に複数配置した光源であって、前記発光領域における複数のLEDからなる外周部分は、同色のLEDが2個以上隣接する並び、又は同色のLEDの並びを有し、前記同色のLEDが2個以上隣接する並び、又は同色のLEDの並びにおける色は、赤色以外の色とする。またこの光源を用いた照明装置とする。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色とそれ以外の色を含む3色以上の発光色のLEDを発光領域に複数配置した光源であって、
前記発光領域における複数のLEDからなる外周部分は、同色のLEDが2個以上隣接する並びを有し、
前記同色のLEDが2個以上隣接する並びにおける色は、赤色以外の色である、
光源。
【請求項2】
赤色とそれ以外の色を含む3色以上の発光色のLEDを発光領域に複数配置した光源であって、
前記発光領域における複数のLEDからなる外周部分は、同色のLEDの並びからなり、
前記同色のLEDの並びにおける色は、赤色以外の色である、
光源。
【請求項3】
前記赤色は、CIE1931色度座標において、(0.66,0.23)、(0.423,0.355)、(0.5,0.5)と色度境界線Eで囲まれる範囲の色度の赤色であり、
前記それ以外の色の一つは、CIE1931色度座標において、(0.336,0.24)、(0.352,0.44)、(0.15,0.2)、(0.2,0.1)で囲まれる範囲の色度である青白色を含む、
請求項1又は2に記載の光源。
【請求項4】
前記赤色は、CIE1931色度座標において、(0.66,0.23)、(0.423,0.355)、(0.5,0.5)と色度境界線Eで囲まれる範囲の色度である赤色であり、
前記それ以外の色の一つは、CIE1931色度座標において、(0.423,0.355)、(0.342,0.312)、(0.352,0.44)、(0.37,0.63)及び色度境界線で囲まれる範囲の色度である黄白色である、
請求項1又は2に記載の光源。
【請求項5】
前記各色のLEDの数は、ほぼ同数である、請求項1から4のいすれか一項に記載の光源。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の光源と、
前記光源の各色のLEDを独立して駆動する電源と、
前記光源から発した光を照射するための光学系を備えた
照明装置。
【請求項7】
前記電源は、受信装置を挿入できるスロットを備え、
前記受信装置は、外部からの制御信号を受信し、電源の出力を制御する、
請求項6に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明の色を可変にする照明装置及び光源に関し、特に発光色の異なる3つのLEDを用いた光源、及びその光源を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型のLEDを用いたLED照明の普及に伴い、2色あるいは3色のLEDを混色して自由に色を変化させる調色可能な照明装置が容易に実現できるようになった。調色可能な照明装置は、昼間は青空の青白い光、夕方は夕日の赤い光といった自然界の色の変化を模倣して、人間が本来有する生体リズムに合った光を作り出すことができるため、仕事の効率を向上させたり、リラックスさせたり、睡眠の質を向上させることに寄与し、ひいては人間の健康を向上させることに寄与しうると考えられている。
【0003】
調色の方法として、高色温度と低色温度の2つの白色系光源を用い、その明るさの比率を変化させることが一般的であるが、3つ以上の発光色の光源を用いる例もある。その際、複数の色のLEDを用いるため色ムラが生じる場合があった。
【0004】
特許文献1に記載のスポットライト照明装置では、発光領域が拡大され被照射物に照射されるため、LEDチップの配置パターンを工夫しないと、被照射物への照射光がまだらな多色光になるという問題が生じるとされている。そこで、発光領域におけるLEDチップを数mm以下の高密度実装とし、LEDチップの配置パターンとしては、発光領域の中心点に対し点対称となるように3色のLEDチップが配置されるようにして、均一な多色光を照射できるように工夫している、とされている。
【0005】
特許文献2には、LEDとして、蛍光体を用いた第1の群と、固体発光体の第2の群(青色)と、固体発光体の第3の群(赤色)を備え、3つの群のLEDの明るさを変えることにより3つの群のLEDによって囲まれた色度座標内を調光できる照明装置が開示されている。
【0006】
特許文献3のFIG.7には、3色のLED(BSY1、BSY2、R、ただしBSYはブルー・シフテッド・イエローの意味)によって囲まれた色度座標内を調色する照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-102396号公報
【特許文献2】特表2013-535084号公報
【特許文献3】米国特許8598809号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明者らは、複数の色のLEDを発光領域に配置するスポットライト・ダウンライトなどの照明装置において、照射領域の周辺部において色ムラがある程度感じられるため、その影響を低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、赤色とそれ以外の色を含む3色以上の発光色のLEDを発光領域に複数配置した光源であって、前記発光領域における複数のLEDからなる外周部分は、同色のLEDが2個以上隣接する並びを有し、前記同色のLEDが2個以上隣接する並びにおける色は、赤色以外の色である。
【0010】
また、本発明は、赤色とそれ以外の色を含む3色以上の発光色のLEDを発光領域に複数配置した光源であって、前記発光領域における複数のLEDからなる外周部分は、同色のLEDの並びからなり、前記同色のLEDの並びにおける色は、赤色以外の色である。
【0011】
本発明において、前記赤色は、CIE1931色度座標において、(0.66,0.23)、(0.423,0.355)、(0.5,0.5)と色度境界線Eで囲まれる範囲の色度の赤色であり、前記それ以外の色の一つは、CIE1931色度座標において、(0.336,0.24)、(0.352,0.44)、(0.15,0.2)、(0.2,0.1)で囲まれる範囲の色度である青白色を含む、光源であってもよい。
【0012】
本発明において、前記赤色は、CIE1931色度座標において、(0.66,0.23)、(0.423,0.355)、(0.5,0.5)と色度境界線Eで囲まれる範囲の色度である赤色であり、前記それ以外の色の一つは、CIE1931色度座標において、(0.423,0.355)、(0.342,0.312)、(0.352,0.44)、(0.37,0.63)及び色度境界線で囲まれる範囲の色度である黄白色である、光源であってもよい。
【0013】
本発明において、前記各色のLEDの数は、ほぼ同数であってもよい。
【0014】
本発明は、前述した光源と、前記光源の各色のLEDを独立して駆動する電源と、前記光源から発した光を照射するための光学系を備えた、照明装置である。
【0015】
本発明において、前記電源は、受信装置を挿入できるスロットを備え、前記受信装置は、外部からの制御信号を受信し、電源の出力を制御するものであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の発光色のLEDを用いた光源及びその光源を用いた照明装置において、照射領域における色ムラを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態1の照明装置の正面図及び断面図
図2】実施形態1の照明装置を含むシステム、及び照明装置からの光の照射を説明するための説明図
図3】実施形態1に用いた光源の平面図
図4】LEDの色度を説明するための色度図
図5】実施形態2の光源の平面図
図6】実施形態3の照明装置の正面図及び断面図
図7】実施形態3のCSP型光源の平面図
図8】実施形態3のLEDの配置のバリエーション
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
<基本構成>
本実施形態に係る照明装置300の正面図及び要部断面図を、それぞれ図1(a)、(b)に示す。照明装置300はダウンライトであって、灯体310は、ヒートシンク315、光源320、第1反射板330、拡散板335、第2反射板340を備え、取付枠350は3本の取付バネ355を備える。なお、「第1反射板330、拡散板335、第2反射板340」を光学系と呼ぶこととする。
【0019】
なお、本説明において照明装置300の上下とは図1の上下を指すこととし、設置状態における重力方向を基準とする上下方向は特に断りのない限り使わないこととする。
【0020】
照明装置300を含むシステム及び照明装置300からの光の照射を説明するための説明図を図2に示す。図2では説明のため天井380を切断して示している。照明装置300は、電源360より駆動電力の供給を受け、電源360は制御装置370からの無線信号によって3色のLEDを独立して駆動する駆動電力を供給する。
【0021】
<色ムラ>
図2において、天井に設置された照明装置300の光が例えば床面390の照射領域390Pに照射される。ここで、特に照射領域周辺部390Fにおいて、色ムラが生じる場合があり、本発明ではその対策を行っている。
【0022】
<ヒートシンク>
ヒートシンク315は、上向きの放熱フィンを複数備え、下部に光源320の取付部を有する。
【0023】
<第1反射板>
第1反射板330は、内側の面である反射面に凹凸加工(シボ加工)を行い、乱反射効果を高めた反射板である。
【0024】
<拡散板>
拡散板335は、入射面及び出射面を粗面化した透明な平板である。なお、平板に拡散材を含ませてもよい。
【0025】
なお、拡散板を平板とせずにレンズとすることにより、照明装置の放射角を変更することができる。レンズとしては、例えば薄型レンズであるフレネルレンズを用いることができる。
【0026】
<第2反射板>
第2反射板340は、内側の面である反射面を粗面化し、乱反射効果を有する反射板である。
【0027】
<取付枠と取付バネ>
取付枠350は3本の取付バネ355を備える。取付枠350は灯体310と分離可能であって、まず天井に取付バネ355を用いて取付枠350を固定し、そのあとで灯体を取付枠350に固定することにより、照明装置300が天井380に取り付けられる。
【0028】
<電源及び制御>
電源360は3色のLEDをそれぞれ独立して駆動するための3chの駆動出力を備える。制御装置370としては照明制御ソフトをインストールしたスマートホン、タブレット又はPCが用いられ、制御信号が、受信装置であるワイヤレスモジュール375に無線で伝送され、ワイヤレスモジュール375が制御信号を電源360に伝送することによって、電源360の3chの駆動出力がそれぞれ制御される。
【0029】
ワイヤレスモジュール375は、電源360に設けられたスロットに着脱可能になっており、ワイヤレスモジュール375の端子が電源360のスロット内の端子に接続される。
【0030】
<光源>
本実施形態に用いる光源320の平面図を図3に示す(図1に示した通常の配置状態における光源320を下方向から見た図)。光源320は、配線パターンをプリントした基板321上の発光領域322に、3色のSMD型(Surface Mount Device型、表面実装型)のLED323A、LED323B、LED323C各22個を図2のように配置し、基板内部の配線で直列に接続したものである。光源320は取付穴325を備え、取付穴325にネジを通してヒートシンク315に締結する。光源320は配線端子326A(LED323A用)、配線端子326B(LED323B用)、配線端子326C(LED323C用)、配線端子326E(共通端子)を備え、3つの出力を有する電源360に接続され、各LEDの発光が制御される。
【0031】
この場合のLEDの配列は、LED323A・B・Cの数を同数としつつ偏らない配置としている。また、基板321の内部における配線で同色のLEDを直列に配線する都合上、同色のLEDが斜め近傍に並ぶようにしている。
【0032】
発光領域322はほぼ八つの辺に相当する外周部分がある形状となる。図3は、北が上の地図のように考えてNESWの符号を記してあり、LEDの配列がCABCAB配列の外周部分322N、BBB配列の外周部分322NE、BACBA配列の外周部分322E、ACB配列の外周部分322SE、CABCAB配列の外周部分322S、CCC配列の外周部分322SW、ACBAC配列の外周部分322W、CBA配列の外周部分322NWを有している。
【0033】
このように、なるべく各色のLEDが混じる配置としているものの、「BBB配列の外周部分322NE」及び「CCC配列の外周部分322SW」が存在する。そのため図2における照射領域周辺部390Fにおいて、「B」の色及び「C」の色が強く表れる場合がある。
【0034】
そこで、本発明においては、人が強く感じる色は赤色であると考え、各外周部分において同色が並ぶ色を後述する「R」(赤色)以外の色にしている。具体的にはLED323Aを「R」とし、残りのLED323B及びLED323Cは後述する「Yw」又は「Bw」のいずれかとする。
【0035】
<LEDの色度>
本実施形態に用いるLED323A、LED323B、LED323Cとしては、赤色LED「R」、黄白色LED「Yw」、青白色LED「Bw」のいずれかを用いる。なお、Ywは色度図上では黄色に近い色だが、緑がかった白色にも見える。図4は、これらのLEDの色度を説明するための色度図(CIE1931色度座標図)であり、参考のために各色温度における黒体輻射の色度を結ぶ線を点線で示している。
【0036】
赤色LEDであるRは、図4の色度座標において、(0.66,0.23)、(0.423,0.355)、(0.5,0.5)と色度境界線Eで囲まれる範囲の色度で発光し、一例として(0.60.0.38)である。一般的な赤色の定義とは同じでないので注意されたい。
【0037】
黄白色LEDであるYwは、図4の色度座標において、(0.423,0.355)、(0.342,0.312)、(0.352,0.44)、(0.37,0.63)及び色度境界線Eで囲まれる範囲の色度で発光し、一例として(0.44,0.47)である。
【0038】
青白色LEDであるBwは、図4の色度座標において、(0.336,0.24)、(0.352,0.44)、(0.15,0.2)、(0.2,0.1)で囲まれる範囲の色度で発光し、一例として(0.23,0.26)である。
【0039】
Ywの色度範囲内のうち、各色温度における黒体輻射の色度を結ぶ線からduvがプラスの範囲内が好適であり、duvがプラス0.03から0が特に好適である。
【0040】
Bw、Rの色度範囲内のうち、各色温度における黒体輻射の色度を結ぶ線からduvがプラス0.03からマイナス0.03の範囲内が特に好適である。
【0041】
なお、各LEDの色度を、CIE1931における色度座標(x,y)でなくCIE1976における色度座標(u‘,v’)で表示することもでき、両者はu’=4x/(-2x+12y+3)、v’=9y/(-2x+12y+3)という変換式で相互に変換可能である。その他の色度座標系で表示してもよい。
【0042】
青白色Bwは、色度座標の境界線上の色である原色でないので色が目立ちにくい。黄白色Ywは、原色である黄色を含むが、黄色は白に近く目立ちにくい色である。従ってこの3色の組み合わせの場合、特に赤色が目立ちやすく、その対策を施した本発明の効果が高い。
【0043】
<LEDの構造>
実施形態に用いるLED323A、LED323B、LED323Cは、底面及び四側面を備え、底面の端子が側面または底面につながっているパッケージと、InGaNからなる青色LEDチップと、蛍光体を含有する樹脂を備えるものである。青色LEDチップはパッケージの底面に固定され、青色LEDチップの電極はパッケージの電極にワイヤなどで接続され、青色LEDチップの上面及び側面は蛍光体含有樹脂で覆われている。LEDパッケージの幅は例えば約3mm角程度である。
【0044】
発光色がBwのLED323B(以下Bwと略記する。)は、InGaN系青色LEDチップの上面及び側面が緑色系蛍光体粒子又は黄色系蛍光体を含む樹脂で覆われたものである。また、さらに赤色系蛍光体粒子を含んでいてもよい。
【0045】
発光色がYwのLED323C(以下Ywと略記する。)は、Bwと同様に、パッケージ底部にInGaN系青色LEDチップを配置し、InGaN系青色LEDチップの上面及び側面が緑色系蛍光体粒子又は黄色系蛍光体を含む樹脂で覆われたものであるが、蛍光体の濃度がBwよりも濃い。また、さらに赤色系蛍光体粒子を含んでいてもよい。
【0046】
また、発光色がRのLED323A(以下Rと略記する。)は、InGaN系青色LEDチップの上面及び側面が赤色系蛍光体粒子を含む樹脂で覆われたものである。
【0047】
Rとしては、InGaN系青色LEDチップに代えてAlGaInP系LEDチップを用い、蛍光体を含まない樹脂で覆ったものでもよい。RとしてAlGaInP系LEDチップを用いたLEDパッケージとすると、発光スペクトルに青色を含まないという点で好ましいが、BwやYwとは駆動電圧が異なるため駆動回路が複雑になる。Rとして青色LEDチップと赤色蛍光体を組み合わせたLEDパッケージの場合は、発光スペクトルに含まれる青色を減らす処理が必要になる。例えば赤色蛍光体の濃度を高くして青色LEDチップからの光が外部に放射される割合を小さくすることが好ましいが、青色を吸収するフィルタを用いてもよい。
【0048】
以上の各LEDにおいて、黄色系蛍光体粒子としては、例えば(Y1-xGdAl12:Ce2+(0≦x≦1)を、緑色系蛍光体粒子としては、例えばLuAl12:Ce2+を、赤色系蛍光体としては例えばSrCa1-xAlSiN:Eu3+(0≦x≦1)蛍光体、Sr[LiAl]:Eu2+やKSiF:Mn4+蛍光体を好適に用いることができる。量子ドットも好適に用いることができる。
【0049】
<実施形態2>
<基本構成>
本実施形態に係る照明装置400(ダウンライト)は、照明装置400における光源320を、LEDの個数が異なる光源420に置き換えたものである。
【0050】
<光源>
光源420の平面図を図5に示す。光源420は、配線パターンをプリントした基板421上の発光領域422に、3色のSMD(Surface Mount Device型、表面実装型)のLED423A、LED423B、LED423C各16個を図5のように配置し、基板内部の配線で直列に接続したものである。光源420は取付穴425を備え、取付穴425にネジを通してヒートシンク315に締結する。光源420は配線端子426A(LED323A用)、配線端子426B(LED323B用)、配線端子426C(LED323C用)、配線端子426E(共通端子)を備え、3つの出力を有する電源460に接続され、各LEDの発光が制御される。
【0051】
発光領域422はほぼ八つの辺に相当する外周部分がある形状となる。LEDの配列がBCAB配列の外周部分422N、BBA配列の外周部分422NE、ACBA配列の外周部分422E、ABC配列の外周部分422SE、CABC配列の外周部分422S、ACC配列の外周部分422SW、ACBA配列の外周部分422W、ACB配列の外周部分422NWを有している。
【0052】
このように、なるべく各色のLEDが混じる配置としているものの、2個の同色のLEDが並ぶ「BBA配列の外周部分422NE」及び「ACC配列の外周部分422SW」が存在する。そのため図2における照射領域周辺部390Fに相当する部分において、「B」の色及び「C」の色が強く表れる場合がある。本実施形態では、最外周に配置され隣接する2個が同色の場合に、その色が感覚的に目立つ色である赤(R)にならないようにしている。つまり、BB、CCの並びがあるB及びCのLEDは、赤色(R)以外の色、つまり青白色(Bw)又は黄白色(Yw)にしている。
【0053】
<実施形態3>
<基本構成>
本実施形態に係る照明装置300(ダウンライト)の正面図及び断面図を、それぞれ図6(a)、(b)に示す。これは、灯体510、ヒートシンク515、光源520、筒530、レンズ535、コーン540、取付枠550を備える。取付枠550には取付バネ555が取り付けられている。なお「レンズ535、コーン540」を光学系と呼ぶこととする。
【0054】
照明装置500は、図示しない電源560(電源360と同様に3つの独立する駆動出力を備える)より駆動電力の供給を受け、制御装置370によってLEDの駆動出力が制御される。
【0055】
<光源>
本実施形態に用いる光源520はCOB(Chip On Board)型であって、その上の発光領域522に、約1mm角のCSP(Chip Scale Package)型のLED523を配置したものである。この平面図を図7に示す。
【0056】
光源520は、アルミニウム板の上に絶縁膜・配線パターンを形成した基板521上の発光領域522に、3色のLED523A、LED523B、LED523C各24個を図7のように配置し、各色のLEDを基板内部の配線で直列に接続したものである。基板521は取付穴525を備え、取付穴525にネジを通してヒートシンク410(ヒートシンク315より小型のもの)に締結する。配線端子526A(LED523A用)、配線端子526B(LED523B用)、配線端子526C(LED523C用)、配線端子526E(共通端子)を備え、3つの出力を有する電源560(電源360とは定格出力が異なるが、形状などほぼ同じ)に接続され、各LEDの発光が調光調色制御される。
【0057】
LEDの配列は、LED523A・B・Cの数をほぼ同数としつつ偏らない配置としている。左に行を+4から-4まで示しており、+1行~-1行が格子状配置(四角形配置)、+4行~+1行、-1~-4行がそれと半個ずれた格子状配置をしている。同じ行または列において同色、例えば「AAAA」と並ばないようにしている。発光領域の径は約10mmである。
【0058】
八角形の点線で囲まれた発光領域522の各外周部分における各色のCSP型LED(A、B、Cと略記する)の並びに注目する。外周部分522NはCABCA、外周部分522NEはACBC、外周部分522EはCAB、外周部分522SはBBBB、外周部分522SはABCAB、外周部分522SWはBCBA、外周部分522WはCAB、外周部分522NEはCCCCの並びになっている。
【0059】
本実施形態においては、LED523Aとしては赤色LED「R」、LED523B及びLED523Cとしては青白LED「Bw」と黄白LED「Yw」のいずれかを用いる。そのため、外周部分522NW及び外周部分522SEにおいて同色CSPの並びとなっているものの、いずれも赤(A)ではなく、発光領域をある程度投影する照射領域の周辺部において、色ムラが目立ちにくくなる。
【0060】
外周部分422SWは「BBBA」の並びであり、3つの同色のCSPが並んでいるが、これについても赤(A)が複数並んでいるわけではないので同様に色ムラが目立ちにくい。
【0061】
<CSP型LED>
LED523A、LED523B、LED523Cは、InGaNからなる青色LEDチップと、青色LEDチップの側面及び上面を覆い、蛍光体を含有する樹脂を備えるものであり、サイズを小さくするため側面において樹脂の枠となるパッケージを備えないのが一般的である。青色LEDチップの底面より電極が露出している。
【0062】
<発光領域に関するバリエーション>
図8は、実施形態3の光源520の発光領域におけるLEDの配置のバリエーションであって、外周が円周となるようLEDの隙間を調整したものである。このような配置においても、LEDの並びがBBBBである外周部分522SE‘、CCCCである外周部分522NW‘を抽出することができる。つまり外周部分は、直線状の辺以外であっても、LEDの並びとして抽出することができる。
【0063】
<但し書き及びバリエーション>
(1)本願においてLEDとは、半導体チップであるLEDチップを構成要素として備え、単色の発光色を有するLEDパッケージやCSP型LEDなどを指すが、半導体チップであるLEDチップだけであってもよい。なお、一般にはLEDを備えた光源や照明装置全体をLEDと称する場合があるが、本願においてはLEDをそのような意味では用いない。
【0064】
(2)複数の発光色のLEDを用いた光源として、3色のLEDだけでなく、4色以上のLEDを用いた光源であってもよい。
【0065】
(3)3色のLEDとしては、赤(R)、黄白(Yw)、青白(Bw)の例で説明したが、その他の赤を含む3色のLEDであってもよい。例えば、R、Yw、青(B)(色度座標がx≦0.2、y≦0.2のLED)を用いてもよい。R、緑(G)(色度座標がx≦0.35、y≧0.4にあるLED)、青(B)の3色のLEDを用いてもよい。R、G、Bはいずれも原色であるが、その中でもRが特に目立ちやすい色である。また、R、G、Bと白(例えば昼白色LEDや昼光色LED)とを組み合わせてもよい。
【0066】
(4)光源に用いるLEDの個数として、「同色のLEDが複数並ぶ外周部分」が存在する程度の個数があれば本願の対象となる。一列のLED配置は本願の対象ではない。
【0067】
(5)LEDの規則的配置として、格子状配置と三角形配置、一部の行をずらした格子状配置、それをベースに外周が円形状になる配置を示したが、これに限られない。
【0068】
(6)光源の発光領域の外周部分は、実施形態1で八角形の外周部分としたが、例えば図8の恰好領域のように辺に分割しにくい形状であっても、例えば6、8、12などの「外周部分」を適宜抽出し、その外周部分において「同色のLEDが複数並ぶ」あるいは「同色のLEDからなる外周部分」かを判断すればよい。
【0069】
(7)実施形態において、各色のLEDの数は同数としたが、例えば実施形態3で3色の個数が25個(多)・24個(中)・23個(少とする)あるいは26個・24個・22個と、多・中あるいは中・少の色のLED数が1個あるいは2個程度違ったり、LEDの個数が多い場合には同色LEDの個数が平均個数より10%程度増減しても「ほぼ同数」と扱ってよい。ほぼ同数の場合には外周部分に同色のLEDが並びやすくなるため、本発明を用いることにより色ムラ低減の効果が得られる。
【0070】
(8)光学系は、照明装置において光源からの光を出射する際に影響を与えるものであれば何でもよく、レンズ、拡散板、反射板、フィルタなどがある。
【0071】
(9)照明装置としては、天井埋込型のダウンライトの例を示したが、スポットライトやユニバーサル(方向可変)ダウンライトなど、複数のLEDを一定領域に配置するタイプの照明装置が対象となるであればよい。
【0072】
(10)照明装置の制御方法としては、無線制御の例を示したが、有線制御であってもよい。
【0073】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0074】
300、400、500 照明装置
310、510 灯体
315、515 ヒートシンク
320、420、520 光源
321、421、521 基板
322、422、522 発光領域
322E、322N、322NE、322NW、322S、322SE、322SW、322W、422E、422N、422NE、422NW、422S、422SE、422SW、422W、522E、522N、522NE、522NW、522S、522SE、522SW、522W 外周部分
323A、323B、323C、423A、423B、423C、523A、523B、523C LED
325、425、525 取付穴
326A、326B、326C、326E、426A、426B、426C、426E、526A、526B、526C、526E 配線端子
330 第1反射板
335 拡散板
340 第2反射板
350、550 取付枠
355、555 取付バネ
360、460、560 電源
370 制御装置
375 ワイヤレスモジュール
380 天井
390 床面
390F 照射領域周辺部
390P 照射領域
530 筒
535 レンズ
540 コーン

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8