(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123569
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】車両用除菌清浄制御装置
(51)【国際特許分類】
B60H 3/06 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
B60H3/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020956
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 啓一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 直子
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211BA10
3L211BA34
3L211DA78
3L211EA03
3L211EA20
3L211FA02
3L211FB08
3L211FB16
3L211GA78
(57)【要約】
【課題】車両の除菌処理が中途半端な状態で終了してしまうことを抑制するとともに、車両を必要なときに直ぐに利用できるようにすることができる、車両用除菌清浄制御装置を提供する。
【解決手段】車両用除菌清浄制御装置は、取得部と、推定部と、制御部と、を備える。取得部は、少なくとも車両の現在位置を示す現在位置情報と現在位置における車両の車内の状況を示す現在状況情報とを取得する。推定部は、少なくとも現在位置情報と現在状況情報とに基づき、車両の現在以降の将来利用状況を推定する。制御部は、推定した将来利用状況に基づき、車内の除菌清浄処理の処理態様を決定し、車両内に乗員が不在の間に除菌清浄処理を実行させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも車両の現在位置を示す現在位置情報と前記現在位置における前記車両の車内の状況を示す現在状況情報とを取得する取得部と、
少なくとも前記現在位置情報と前記現在状況情報とに基づき、前記車両の現在以降の将来利用状況を推定する推定部と、
推定した前記将来利用状況に基づき、前記車内の除菌清浄処理の処理態様を決定し、前記車両内に乗員が不在の間に前記除菌清浄処理を実行させる制御部と、
を備える、車両用除菌清浄制御装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記現在位置に対応する位置における過去の過去状況情報と過去利用情報との関係を機械学習した結果を用いて、前記現在位置における前記将来利用状況を推定する、請求項1に記載の車両用除菌清浄制御装置。
【請求項3】
前記取得部は、さらに外部情報を取得し、
前記制御部は、前記将来利用状況と前記外部情報とに基づき、前記車内の除菌清浄処理の処理態様を決定する、請求項1または請求項2に記載の車両用除菌清浄制御装置。
【請求項4】
前記車両は、共同利用車両であり、
前記制御部は、前記共同利用車両の利用予約情報に基づき、前記共同利用車両の車内の除菌清浄処理の処理態様を決定する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用除菌清浄制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用除菌清浄制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、より安全かつ快適な車室内空間を提供するために、除菌装置や消毒装置を搭載する車両がある。例えば、オゾンを用いた除菌装置や、オゾン燻蒸殺菌装置、紫外線照射による殺菌、アルコール噴霧等が提案されている。このような装置は、例えば、車内に乗員がいないことを確認した上で、除菌処理や消毒処理等を実行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-219683号公報
【特許文献2】特開2006-341759号公報
【特許文献3】特開2004-122843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術は、車両に乗員がいない(存在しない)ことを条件に除菌処理や消毒処理を実行しているため、除菌処理や消毒処理の実行中に車両を離れていた乗員が戻ってきてしまう場合がある。このような場合、除菌、消毒処理が中断され、除菌や消毒が中途半端なままで終了してしまう場合や、乗員がオゾンや紫外線による暴露するリスクがある。また、除菌、消毒処理を継続する場合には、乗員が車両を利用できず、待たされてしまう場合がある。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、車両の除菌処理等を適切なタイミングで、適切な方法で実行し、除菌処理等が中途半端な状態で終了してしまうことを抑制するとともに、車両を必要なときに直ぐに利用できるようにすることができる、車両用除菌清浄制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかる車両用除菌清浄制御装置は、取得部と、推定部と、制御部と、を備える。取得部は、少なくとも車両の現在位置を示す現在位置情報と上記現在位置における上記車両の車内の状況を示す現在状況情報とを取得する。推定部は、少なくとも上記現在位置情報と上記現在状況情報とに基づき、上記車両の現在以降の将来利用状況を推定する。制御部は、推定した上記将来利用状況に基づき、上記車内の除菌清浄処理の処理態様を決定し、上記車両内に乗員が不在の間に上記除菌清浄処理を実行させる。この構成によれば、例えば、車両の将来利用状況を推定し、車両内に乗員が不在で、次回の車両利用まで十分な時間が確保できる場合に、除菌清浄処理を実行し、十分な時間が確保できない場合には、異なる除菌処理態様、例えば除菌清浄処理を非実行としたり、簡易的な除菌清浄処理を実行したりする。その結果、除菌処理等が中途半端な状態で終了してしまうことが抑制できるとともに、車両が必要なときに直ぐに利用できないという不都合を回避することができる。
【0007】
また、本発明の実施形態にかかる車両用除菌清浄制御装置の上記推定部は、例えば、上記現在位置に対応する位置における過去の過去状況情報と過去利用情報との関係を機械学習した結果を用いて、上記現在位置における上記将来利用状況を推定してもよい。この構成によれば、過去の同様な状況の車両の利用状況を参照して、将来利用状況の推定を行うので、推定精度の向上が可能で、より適切に除菌清浄処理を実行することができる。
【0008】
また、本発明の実施形態にかかる車両用除菌清浄制御装置の上記取得部は、さらに外部情報を取得し、例えば、上記制御部は、上記将来利用状況と上記外部情報とに基づき、上記車内の除菌清浄処理の処理態様を決定してもよい。この構成によれば、例えば、外部情報から訪問地域のウィルスの感染状況や、混雑の程度等、除菌の必要性の程度を推定することが可能になり、より適切な除菌処理を実行しやすくなる。
【0009】
また、本発明の実施形態にかかる車両用除菌清浄制御装置の上記車両は、例えば、共同利用車両であり、上記制御部は、上記共同利用車両の利用予約情報に基づき、上記共同利用車両の車内の除菌清浄処理の処理態様を決定するようにしてもよい。この構成によれば、不特定多数の利用が予想される共同利用車両(いわゆる、シェアカーやレンタカー)の除菌清浄処理をより適切かつ効率的に行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる車両用除菌清浄制御装置を搭載する車両の構成を示す例示的かつ模式的な説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる車両用除菌清浄制御装置を搭載する車両に設けられた各種センサにより、車室内の状況を示す現在状況情報を取得する例を示す例示的かつ模式的な説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかる車両用除菌清浄制御装置の構成及び接続される各センサ、各システムの関係を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる車両用除菌清浄制御装置による処理の流れを説明する例示的なフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態にかかる車両用除菌清浄制御装置を共同利用車両に適用した場合の処理の流れを説明する例示的なフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態にかかる車両用除菌清浄制御装置を救急車に適用した場合の処理の流れを説明する例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
【0012】
図1は、実施形態にかかる車両用除菌清浄制御装置(除菌清浄制御部10)を搭載した車両12の構成を示す例示的かつ模式的な説明図である。なお、
図1の場合、車両用除菌清浄制御装置(除菌清浄制御部10)の動作説明に必要な構成のみを示し、他の構成、例えば、車両12を走行させるための構成等は、一般的な車両と同様であり、図示を省略するとともに、その詳細な説明は省略する。
【0013】
車両用除菌清浄制御装置(除菌清浄制御部10)は、車両12の車室12a(車内)の除菌、消毒、空気清浄(消臭を含む)、換気等の除菌清浄処理を適切なタイミングで実行する。すなわち、車両12の除菌処理等が中途半端な状態で終了することを抑制するとともに、車両12が必要なときに直ぐに利用できない等の不具合を回避するように、除菌清浄処理の開始や処理態様の制御を実行する。
【0014】
本実施形態の場合、車両12の除菌処理は、例えば、強い除菌効果があるとされる、オゾンを利用することができる。オゾンは、周知の発生装置を用いて、実質的に密閉された車両12の車室12aに燻蒸させて実行する。オゾンを発生させるためには、例えば、誘電体(例えばガラス)を介した電極間に交流電圧を印加して無声放電を発生させる。この放電空間に車室12aから取り入れた空気(酸素)を通し、エネルギーを与え活性化させる。その結果、解離または励起された酸素の一部がオゾンに変化して、車室12a内に放出される。周知のように、オゾンは、酸化力の強い気体で、車室12aに放出して燻蒸することにより、車室内の除菌(ウィルスや菌等の弱体化、不活性化)を効率的に行うことができる。
【0015】
なお、オゾンは、高濃度になると、人体に悪影響を及ぼす場合がある。したがって、オゾンを用いて車室12a内の除菌処理を行う場合には、車室12aに乗員やペッド等生物が存在しないことを確認した上で、実施する必要がある。また、除菌処理後は、オゾン濃度を安全な濃度まで低下させてから、乗員の搭乗を可能にする必要がある。なお、除菌処理は、オゾンに限らず、「消毒薬」の噴霧、「深紫外線」の照射等を用いて実施してもよい。また、エアコン等を用いて車室12aの温度を例えば、60℃等に上昇させて、殺菌(除菌)を行うようにしてもよい。いずれの方法で除菌を行う場合でも、車室12aに乗員が存在することは好ましくない。したがって、車室12aが無人であることを条件に除菌が実施され、除菌処理の間は、車両12は搭乗禁止となる。
【0016】
車室12aに乗員が不在であることは、周知の各種センサを用いて検出可能であり、乗員不在の場合に除菌を実施することが可能であるが、車両12を離れた乗員が除菌処理中に戻って来る場合が考えられる。この場合、上述したように、除菌処理が完了するまで車両12に搭乗できない。また、除菌処理を中断する場合、中途半端な除菌処理で終わってしまうとともに車室12aに放出されたオゾン等の除菌物質を排出する必要があり、この場合も車両12に直ぐに搭乗できない。
【0017】
そこで、本実施形態の除菌清浄制御部10は、少なくとも車両12の現在位置を示す現在位置情報と、現在位置における車両12の車室12aの状況を示す現在状況情報とを取得する。そして、少なくとも現在位置情報と現在状況情報とに基づき、車両12の現在以降の将来利用状況を推定する。除菌清浄制御部10は、推定した車両12の将来利用状況に基づき、車室12aの除菌清浄処理の処理態様を決定する。例えば、車両12の現在の位置と降車前の乗員の行動とに基づき、乗員が降車後にどのような行動を取るかが予想可能となる。その結果、乗員が車両12を降車後、再び車両12に戻るまでに十分な時間があるか否かの推定が可能となる。除菌清浄制御部10は、乗員が車両12に戻るまでに十分な時間がある(車両12内に乗員が不在となる時間が十分長い)と判定した場合、入念な除菌処理を実行する。逆に除菌清浄制御部10は、乗員が車両12に戻るまでに十分な時間がないと判定した場合、短い時間の中で除菌処理を簡易的に完了させたり、除菌処理を非実行にしたりすることを決定する。
【0018】
上述のような推定処理を実行するために、車両12は、除菌清浄制御部10及び各種センサや各種システムを搭載する。
図1に示される車両12は、前列席14a(座席14)及び後列席14b(座席14)を備える車両である。そして、車両12の各座席14に着座する乗員を検出するために、車両12は、座席14ごとに例えば、車室内監視モニタシステム16、電波センサ18、体温測定システム20、体重検知センサ22を備える。また、車両12は、当該車両12の現在の位置情報を取得するためにGPS(Global Positioning System)受信システム24を備える。さらに、車両12が存在する地域の情報を取得するために外部情報接続システム26を備える。除菌清浄制御部10は、これらのセンサやシステムから得られた情報に基づき、現在位置における車両12の車室12aの状況を示す現在状況情報を取得し、車両12の将来(乗員か降車してから再び乗車するまで)の利用状況を推定する。そして、その推定結果にしたがい除菌処理システム28の制御態様(処理モード)を決定し、除菌処理システム28を動作させる。また、除菌処理の終了後の車室12aに乗員が搭乗可能な空気状態にするために換気システム30を備える。また、車両12は、除菌中に車両12への搭乗を制限(拒否)するために、車両12のドアやウィンドウガラスを閉動作するドア制御システム32や、現在が除菌処理中で乗車不可であることを利用者等に報知する報知システム34を備える。
【0019】
図1に示されるように、車室内監視モニタシステム16、電波センサ18、体温測定システム20、体重検知センサ22は、座席14ごとに配置することができるが、車室内監視モニタシステム16、電波センサ18、体温測定システム20は、検出範囲が車室12a全体をカバーできる場合、いずれかの位置に一つずつ配置し、車室12a全体として乗員の状況、つまり現在状況情報に関する情報(検出値)を取得してもよい。この場合、各センサは、フロントガラス内側上部の位置や、前列席14aの上方の天井面等に配置することができる。
【0020】
図2は、車両12における車室内監視モニタシステム16、電波センサ18、体温測定システム20、体重検知センサ22の配置例である。
【0021】
例えば、車室内監視モニタシステム16、体温測定システム20はステアリングホイール36を支持するステアリングコラム38の上等に配置され、ステアリングホイール36越しに、前列席14a(座席14)に着座した乗員(運転者H)の例えば、顔のセンシングを行う。また、電波センサ18は、ステアリングホイール36の上方の車室12aの天上面等に配置され、前列席14a(座席14)に運転者Hが着座しているか否かを検出する。体重検知センサ22は、前列席14aに配置され、前列席14a(座席14)に付加される荷重に基づき、運転者Hが着座しているか否かを検出する。なお、他の座席14においても各センサは同様に配置可能である。例えば、助手席の場合、車室内監視モニタシステム16、体温測定システム20は、ダッシュボード上またはダッシュボードに埋め込み配置される。後列席14bの場合は、車室内監視モニタシステム16、体温測定システム20は、前列席14aのヘッドレスト14hや前列席14aのシートバック14s等に配置され、同様に搭乗者のセンシングを行う。
【0022】
図3は、除菌清浄制御部10(車両用除菌清浄制御装置)の構成及び除菌清浄制御部10に搭載される各センサ、各システムの接続関係を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
【0023】
除菌清浄制御部10には、上述したように、車室内監視モニタシステム16、電波センサ18、体温測定システム20、体重検知センサ22、GPS受信システム24、外部情報接続システム26、除菌処理システム28、換気システム30、ドア制御システム32、報知システム34等が接続されている。また、除菌清浄制御部10には、ROM(Read Only Memory)40、RAM(Random Access Memory)42、SSD(Solid State Drive、フラッシュメモリ)44、学習記憶部46が接続されている。
【0024】
除菌清浄制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、ROM40等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行する。RAM42は、除菌清浄制御部10(CPU)での演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。また、SSD44は、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、除菌清浄制御部10(車両12)の電源がオフされた場合にあってもデータを記憶することができる。なお、除菌清浄制御部10(CPU)や、ROM40、RAM42等は、同一パッケージ内に集積されうる。また、除菌清浄制御部10(CPU)は、DSP(Digital Signal Processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等で実現されてもよい。また、SSD44に替えてHDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよい。
【0025】
除菌清浄制御部10(CPU)は、取得部10a、推定部10b、学習部10c、制御部10d等を含む。
【0026】
取得部10aは、GPS受信システム24からGPS信号を受信し、車両12の現在位置を示す現在位置情報を取得する。また、取得部10aは、車両12の現在位置における当該車両12の車室12aの状況を示す現在状況情報を、車室内監視モニタシステム16、電波センサ18、体温測定システム20、体重検知センサ22から検出値に基づき取得する。
【0027】
車室内監視モニタシステム16は、例えば、ドライバー監視システム(DMS)等であり、デジタルカメラを含む、デジタルカメラは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(CMOS image sensor)等の撮像素子を内蔵する。デジタルカメラは、所定のフレームレートで動画データ(撮像画像データ、画像情報)を出力することができる。また、デジタルカメラは、赤外線カメラ等で構成されてもよい。車室内監視モニタシステム16はデジタルカメラで撮像した撮像画像データに周知の画像解析を施し、座席14に乗員が着座しているか否かを判定する場合に利用する。また、撮像画像データは、検出した乗員が大人であるか子供であるかの判定や、乗員数、性別、年齢、降車する際に携行する荷物の種類、大きさ、量等の検出を行う際にも利用可能である。
【0028】
また、車室内監視モニタシステム16は、マイクを備えてもよい。マイクにより集音した車室12a内の音(音声)の解析を行うことにより、座席14に乗員が着座しているか否かを判定、性別の判定等に利用することができる。
【0029】
電波センサ18は、送出した電波の反射状態に基づき、座席14に乗員が着座しているか否かを判定する場合に利用する。また、電波の反射状態に基づき、車室12a内での乗員の挙動、例えば、携行物(バック等の荷物)を所持しての降車動作を行ったか否か等の検出、携行物の大きさ、種類等の検出を行うことができる。
【0030】
また、座席14の下面に配置された体重検知センサ22は、座席14に付加される荷重及び荷重の変化等を検出し、座席14に乗員が着座しているか否か、降車したか否か、また乗車してきた否か等を検出する。
【0031】
体温測定システム20は、熱センサ等であり、周知の技術により乗員の体温の測定を行う。乗員の体温を測定することにより、測定した乗員がウィルスや菌等に感染しているか否か等乗員の健康状態等の検出を行う。なお、乗員の体温は、運動や入浴等によって上昇する場合がある。体温測定システム20は、GPS受信システム24が取得した位置情報に基づき、乗員がスポーツジムで運動してきたり、温泉施設等で入浴してきたりしたことで、体温が上昇したと見なされる場合、体温の検出結果を健康状態の判定から除外するようにしてもよい。
【0032】
取得部10aは、車室内監視モニタシステム16、電波センサ18、体温測定システム20、体重検知センサ22等から各種情報(現在状況情報)を取得し、推定部10bに提供する。上述したように取得部10aは、GPS受信システム24からGPS情報を取得し、車両12の現在の位置情報や経由してきた位置情報等を取得し、推定部10bに提供する。
【0033】
推定部10bは、少なくとも現在位置情報と現在状況情報とに基づき、現在以降の車両12の利用状況を推定する将来利用状況を推定する。車両12の将来利用状況は、具体的には、車両12を降車した乗員が次に車両12に乗車するまでにどの程度の時間を要するかを示す情報を含む。次の乗車までの時間が推定できれば、車両12の除菌処理を実施するのに十分な時間が確保できるか、また、十分な時間が確保できないため、簡易的な除菌処理を実施するべきか、除菌処理自体を非実行とするべきか等の判定をより容易に実施することができる。
【0034】
なお、取得部10aは、外部情報接続システム26から車両12が現在存在する領域の情報や車両12の乗員の過去行動履歴情報(例えば、車両12の乗車前3日間の情報)等の情報を外部情報として取得してもよい。取得部10aが取得した外部情報は、推定部10bに提供される。推定部10bは、外部情報を利用することにより、除菌処理の実施モード(除菌態様)の判定精度を向上することができる。例えば、車両12がウィルス等の感染拡大地域に侵入したり、経由してきたりした場合、車両12の除菌処理の必要性が高まる。また、車両12の乗員が過去数日の間に感染拡大地域を訪問していた場合、感染している可能性があり、車両12の除菌処理の必要性が高まる。なお、車両12の乗員の過去行動履歴情報は、例えば、当該乗員が携行する携帯端末(スマートフォン等)と連携して、携帯端末に記録されている移動履歴情報や検索履歴、予約履歴等から取得することができる。
【0035】
また、外部情報接続システム26は、車両12の種類(利用目的)に応じて異なる外部情報を取得することができる。例えば、車両12が共同利用車両(シェアカーやレンタカー)の場合、外部情報接続システム26は、共同利用車両の管理システムから予約情報(利用予約情報)を取得する。取得部10aは、予約情報を推定部10bに提供し、推定部10bは、予約情報に基づき共同利用車両の将来利用状況(当該車両が次に予約されているのはいつか等の情報)を取得することができる。また、予約情報に基づき、訪問地域の特定が可能となり、除菌処理の重要性等の判定に利用することができる。
【0036】
また、外部情報接続システム26は、例えば、車両12が路線バス、観光バス、タクシー等の公共交通機関車両の場合、公共交通機関車両の運行スケジュール等を取得することができる。取得部10aは、運行スケジュールを推定部10bに提供し、推定部10bは、運行スケジュールに基づき公共交通機関車両の将来利用状況(次の運行予定)を取得してもよい。また、運行予定に基づき、訪問地域の特定が可能となり、除菌処理の重要性等の判定に利用する。
【0037】
なお、外部情報接続システム26は、例えば、車両12が救急車の場合、搬送した患者の患者情報(例えば、診察情報等に基づき、感染した病原体の情報等)を取得することができる。取得部10aは、患者情報を推定部10bに提供し、推定部10bは、患者情報に基づき救急車の除菌が車載の除菌処理システム28によって可能であるかの判定することができる。車載の除菌処理システム28により除菌処理可能なウィルスや菌は種類が限られる。一方、救急車で搬送される患者が感染している場合、ウィルスや菌は、種々雑多である。したがって、車載の除菌処理システム28では、十分に除菌できない場合がある。車載の除菌処理システム28で除菌処理対応可能な場合、外部情報接続システム26は、救急車の運行スケジュール等を取得し、取得部10aを介して、推定部10bに提供し、上述した他の種類の車両と同様に除菌処理を実行する。一方、車載の除菌処理システム28で除菌処理対応できない場合は、除菌清浄制御部10は、別の除菌システム等で対応する必要がることを救急車の乗員(救急隊員や管理者)に提案することができる。
【0038】
学習部10cは、車両12の現在位置に対応する位置における過去の過去状況情報(乗員の数や性別、年齢等)と過去利用情報(降車から戻るまでの時間等)との関係を機械学習し、学習記憶部46に逐次記憶し蓄積する。現在位置に対応する位置における過去状況情報と過去利用情報との関係は、例えば、自車両(車両12)が過去に同じ場所を訪問した際に取得した実績情報であり、学習記憶部46に学習済みモデル46aとして逐次蓄積する。また、別の実施例では、本実施形態の除菌清浄制御部10と同様な除菌清浄制御部10を搭載する他の車両が収集した情報を外部情報接続システム26、取得部10aを介して取得し学習記憶部46に蓄積してもよい。なお、学習記憶部46は、SSD44上で構成してもよい。
【0039】
このように、学習記憶部46に蓄積した学習済みモデル46aを用いることにより、推定部10bの将来利用状況の推定精度をさらに向上することができる。
【0040】
制御部10dは、推定部10bの推定した将来利用状況に基づき、車室12aの除菌清浄処理の処理態様を決定し、車両12内に乗員が不在の間に、除菌処理システム28に除菌清浄処理を実行させる。処理態様は、例えば、十分な時間を使った入念な除菌処理を行う「長時間除菌処理」、短時間で簡易的な除菌処理を行う「短時間除菌処理」、除菌処理を非実行とする「非実行処理」等がある。また、「短時間除菌処理」の場合、時間配分や除菌強度を変更して、簡易的な除菌を限られた時間内でより効率的に行うように分類されてもよい。
【0041】
除菌処理システム28は、除菌物質(例えば、オゾン、洗浄液、深紫外線、温風等)を用いた除菌処理の実行から除菌に使用した除菌物質の除去に至る一連の処理を実行する。
【0042】
除菌処理システム28は、発生ユニット28aと除去ユニット28bを備える。発生ユニット28aは、上述したように、例えば、オゾンを発生させる。上述したように、オゾンは、酸化力の強い気体であり、オゾン濃度が高い状態では、乗員が車室12aに搭乗するのは好ましくない。そこで、除去ユニット28bは、除菌処理が完了した場合、発生させたオゾンの分解除去を行う。除去ユニット28bは、例えば、オゾンを分解除去する場合、セラミック基材にマンガン系の触媒を担持させて構成することができる。オゾンが除去ユニット28bを通過することにより、オゾンは分解される。なお、除菌物質として、洗浄液を利用した場合も洗浄液に適した触媒等を用いて同様に除去処理を行う。一方、深紫外線や温風を用いる場合は、除去ユニット28bは省略されてもよい。なお、除菌物質としてオゾンを用いる場合、オゾンを除去ユニット28bで分解する過程で活性酸素が発生する。活性酸素は、空気の臭い成分を分解することが可能で、車室12a内の空気の消臭(空気清浄処理)を実行することができる。
【0043】
換気システム30は、除菌処理完了後に車室12a内の換気を行う。車室12aの換気は、例えば、車両12に搭載された空気調和装置を利用し、外気取り入れモードで所定時間換気することで実行可能である。この場合、車室12aに残留するオゾンや洗浄液、高温雰囲気等を車両12の外部に排出することができる。
【0044】
ドア制御システム32は、車両12のドアやウィンドウの開閉制御を実行する。前述したように、除菌処理システム28を用いて除菌処理を実行する場合、車室12aに乗員が存在することは好ましくない。したがって、制御部10dは、除菌処理を開始するのに先立ち、報知システム34を用いて、車両12の車室12a及び車外に対して、除菌処理を実行すること、除菌処理の間は乗車が禁止されること等を示す表示や警報を出力する。そして、制御部10dは、全ての乗員の降車が確認できた場合、ドア制御システム32を用いて、車両12のドア12b(
図1参照)の閉動作後の施錠、及びウィンドウ12c(
図1参照)の閉動作を実行し、物理的に車室12aへの侵入を禁止するようにする。制御部10dは、除去ユニット28bによる除菌物質の除去、及び換気システム30を用いた換気が完了した場合、ドア制御システム32を介して、例えばドア12bの解錠を行い、車室12aへの乗員の搭乗を許容する。
【0045】
なお、報知システム34は、例えば、車載のナビゲーションシステムやTVシステムの表示装置を用いて、警告メッセージを表示したり、車載のスピーカを用いて警告音声を出力したりすることができる。搭乗禁止を報知するめの専用の表示装置やスピーカを用いて実行してもよい。また、報知システム34は、搭乗禁止する旨を示す報知を外部から視認できたり、視聴できたりするように構成されてもよい。例えば、表示装置をフロントウィンドウやサイドウィンドウの近傍に配置することができる。また、スピーカの音を車外に出力するように外部に向けて設置してもよい。
【0046】
上述のように構成される、除菌清浄制御部10による除菌処理の処理態様の選択(提案)の一例を以下に示す。
【0047】
例えば、車両12が一般車の場合で、車両12がウィルス等の感染拡大地域を目的地として移動した場合、目的地に到着し駐車された場合や、その目的地から自宅に戻り自宅駐車場に駐車された場合に、除菌清浄制御部10は除菌処理を提案する。この場合、車両12の位置情報は、GPS受信システム24から取得する。また、外部情報接続システム26から各都道府県での感染者発生情報(公的機関の広報情報等(例えば東京都からの感染者数情報等))を取得し、目的地の新規感染者数が直近で増加傾向にあるか否かを判定し、増加している場合には、入念な除菌処理モードの実施を提案する。
【0048】
なお、除菌清浄制御部10に搭載されたナビゲーションシステムで設定した目的地以外の位置(経由地点)で車両12が停車した場合、乗員が降車後、次回搭乗までは短時間であるため、簡易的な除菌処理モードの実施を提案してもよいし、処理時間が不足するとともに経由地であるため除菌処理を非実行としてもよい。すなわち、駐車場で除菌処理を行うことなく待機するモードを提案してもよい。ナビゲーション機能は、乗員が携行する携帯端末(スマートフォン等)で実現してもよい。この場合、外部情報接続システム26は、携帯端末から目的地情報や経由地情報を取得してもよい。
【0049】
また、車室内監視モニタシステム16が取得した現在状況情報及び、GPS受信システム24が取得した現在位置情報に基づき、乗員が手荷物だけを持ってスーパーマーケット等の駐車場で降車した場合、推定部10bは、乗員が次回搭乗までは短時間であると推定できる。その結果、制御部10dは、簡易的な除菌処理を実行するモードまたは、除菌処理を非実行とするモードを提案することができる。この場合、車室内監視モニタシステム16は、カメラが撮像した撮像情報データや体重検知センサ22や電波センサ18の検知結果に基づき、降車した際に携行する荷物の状態(大きさや量、種類等)や乗員数を検出する。つまり、乗員が軽装で買い物等のため店舗へ移動したか否かを推定する。乗員が軽装で降車した場合、停車時間は短いと判定できる。この場合、乗員が降車後、次回搭乗までは短時間であるため、簡易的な除菌処理モードの実施を提案してもよい。また、処理時間が不足するため除菌処理を非実行として、駐車場で待機するモードを提案してもよい。
【0050】
また、ショッピングモールやスーパーマーケットから帰宅した乗員が買い物した荷物を持って降車したことを車室内監視モニタシステム16等からの情報に基づき確認できた場合、推定部10bは、将来利用状況として、乗員が食材等を持って店舗から自宅へ移動したと推定することができる。この場合、停車時間は長い、つまり次回搭乗までは十分な時間があると推定する。このように、車室内監視モニタシステム16は、車室12a内のカメラや体重検知センサ22、電波センサ18から得た、乗員数と荷物状況等の情報に基づき、将来利用状況を推定することができる。その結果、除菌清浄制御部10は、除菌処理システム28により入念な除菌処理を実施することを提案することができる。
【0051】
また、制御部10dは、乗員数や乗員の健康状態から除菌処理の態様モードを変更してもよい。例えば、体温測定システム20により乗員の体温を測定し、体温が高い乗員がいた場合(例えば、37.5℃以上)は、除菌清浄制御部10は、車室12a内にウィルス等が存在する可能性が高いと見なし、入念な除菌処理を実施することを提案することができる。なお、前述したように、GPS受信システム24から取得した位置情報に基づき、乗員が温泉や運動施設近隣から搭乗した場合は、病的な要因で体温が上昇したものではない可能性が高いと見なし、除菌処理を簡易モードで実施することを提案してもよい。
【0052】
車両12が共同利用車両(シェアカーやレンタカー等)の場合、除菌清浄制御部10は、共同利用車両の予約アプリケーションと連動し、予約終了から次の予約開始までの時間を活用して安全かつ効率よく除菌処理を実施することを提案する。この場合、予約情報は、外部情報接続システム26を介して取得可能であり、対象車両12の次回予約までの時間および前回使用時の情報等を取得することができる。そして、次回予約まで十分な時間がある場合には、除菌清浄制御部10は、入念な除菌処理の実施を提案することができる。また、次回予約まで十分な時間が確保できない場合、最低限度の除菌処理の提案や除菌物質の濃度を高めた除菌処理の実施、或いは、他の除菌済み車両との入れ替え提案等を行ってもよい。
【0053】
なお、共同利用車両の場合、除菌清浄制御部10は車両12の返却を検知後、車室内監視モニタシステム16の検出結果に基づき、乗員の有無を確認するとともに、ドア制御システム32を制御し、ドアとウィンドウが閉状態であることを確認する。その後、除菌清浄制御部10は、除菌処理システム28を一定時間起動する。この場合、次の予約開始までの時間を考慮し、最適な除菌方法を選択し実施する。除菌処理システム28の停止後は、除菌物質を排出させるため換気システム30(空気調和装置)の外気送風を一定時間起動させる。
【0054】
なお、共同利用車両において、除菌処理システム28の起動中、もしくは換気システム30による換気処理起動中にドアロックが強制的に解除された場合(例えば、シェアカーの急な予約処理が開始された場合等)、除菌処理システム28、換気システム30を停止させ、電動開口部(例えば、ウィンドウやドア)を全て開放し最短時間での車室12aの換気を行うようにして、ウィルス感染リスクの軽減を行い、安全性を向上するようにしてもよい。
【0055】
また、車両12が公共交通機関(バスやタクシー等)の場合、GPS受信システム24により車庫に戻ったことを示す位置情報を取得し、除菌処理モードの選択に反映させる。例えば、位置情報に加え、外部情報接続システム26を介して運行情報(時刻表等)を取得し、次回発車までの時間を計測し、時間内での最適な除菌処理態様を提案する。例えば、車庫に戻った場合は、次回車両運行開始までの時間が長時間あると見なし、入念な除菌処理の実施を提案する。
【0056】
なお、車両12が観光バス等の場合、除菌清浄制御部10は、サービスエリアでは殺菌を実施せず、観光地での停車や宿泊先への到着時にその駐車時間に応じて、適切な時間の除菌処理を実施することを提案する。なお、観光バス等の場合、除菌清浄制御部10は、外部情報接続システム26を介して乗客の携帯端末(スマートフォン等)の位置情報記録を取得し、除菌処理モードの選択に反映させてもよい。例えば、感染症感染拡大地域への訪問履歴や滞在履歴がある乗客が乗車している場合、入念に除菌処理を実施することを提案する。なお、この場合、観光バスの乗客には、事前に履歴情報提供の承諾を受けているものとする。また、観光バスの停車位置が目的地ではない場合(経由地の場合)、停車時間は短いと見なし除菌処理は実施しないこと提案してもよい。
【0057】
また、車両12が救急車である場合で、感染症の疑いがある患者を搬送した場合、除菌清浄制御部10は、救急車が車庫等へ戻った際に、外部情報接続システム26を介して患者を搬送した病院のシステムと連動し、患者の感染症感染状況(診断記録)を取得し、除菌処理モードの選択に反映させてもよい。例えば、感染症が確認された場合、除菌清浄制御部10は、その病原体やウィルスの種類に応じた殺菌方法を使い分ける。また、搭載している除菌システムでは殺菌が不可である場合、報知システム34を介して注意勧告を促し、該当車両の使用を一時的に禁止する。なお、救急車の場合、除菌清浄制御部10は、車載の除菌処理システム28で除菌処理が対応可能な場合、最短での除菌処理(高濃度の除菌物質の利用や強い換気)を実行することが望ましい。
【0058】
以上のように構成される除菌清浄制御部10による除菌処理の流れの例を、
図4~
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0059】
まず、
図4を参照して、車両12が一般車両(例えば、自家用車等)の場合について説明する。
【0060】
除菌清浄制御部10は、除菌システムが起動しているか否か確認し、起動していない場合(S100のNo)、このフローを一旦終了する。なお、除菌システムは、例えば車両12が所定時間以上停車した場合に起動するものとする。
【0061】
除菌システムが起動している場合(S100のYes)、つまり、車両12が所定時間以上停車(駐車)した場合、取得部10aは、車室内監視モニタシステム16、電波センサ18、体重検知センサ22等の検出結果に基づく現在状況情報を取得する(S102)。この場合、現在状況情報には、乗員の数、性別、年齢(大人と子供の区別でもよい)、降車する際に携行する荷物の種類、大きさ、量等の情報も含まれる。除菌清浄制御部10は、現在状況情報に基づき、車室12aの乗員が存在しない(乗員=0)と判定した場合(S104のYes)、取得部10aは、GPS受信システム24を介して、車両12の現在位置情報を取得する(S106)。除菌清浄制御部10は、現在状況情報に基づき、車室12aにまだ乗員が存在する(乗員≠0)と判定した場合(S104のNo)、S100に戻り、S100以降の処理を繰り返し実行する。
【0062】
推定部10bは、乗員が全員降車した場合、取得部10aが取得して現在状況情報と現在位置情報とに基づき、車両12の将来利用状況を推定する(S108)。例えば、車両12がドライブイン等で停車し、全ての乗員が降車した場合で、降車した乗員に女性が含まれない場合、男性のみのトイレ休憩の可能性があると見なし、車両12の将来利用状況は、短時間の停車の後、再乗車が行われると推定する。また、降車した乗員に女性が含まれる場合、女子トイレの待ち時間は男子トイレの待ち時間より長くなる傾向があるため、車両12の将来利用状況は、男子のみの場合より長時間停車した後、再乗車が行われると推定する。また、降車した乗員に子供が含まれる場合、おやつ等の買い物や遊びの時間等が追加さる可能性が高くなると推定し、車両12の将来利用状況は、大人のみの場合より長時間停車した後、再乗車が行われると推定する。また、車両12がナビゲーションシステムで登録した目的地の駐車場や自宅駐車場で停車し、全ての乗員が降車した場合や大きな荷物を持って全員が降車した場合等は、車両12の将来利用状況は、目的地到着や帰宅により長時間停車し、再乗車は、例えば、数時間後や翌日以降でると推定する。なお、推定部10bは、将来利用状況を推定する場合、学習部10cを介して、学習記憶部46を参照し、同じまたは同様の現在位置(駐停車位置)にける学習済みモデルを参照し、車両12の将来利用状況の推定を行い、推定精度の向上を行ってもよい。
【0063】
推定部10bが、次回の車両12の利用までの時間が所定の除菌処理時間T(例えば、1時間)以上であると推定した場合(S110のYes)、例えば、自宅駐車場に駐車された場合、制御部10dは、報知システム34を介して、乗車禁止報知処理を実行する(S112)。例えば、表示や音声により除菌処理を実施するため乗車を禁止する旨の報知を行う。また、制御部10dは、ドア制御システム32を介して、車両12のドアロック処理(ドア12bの施錠処理、ウィンドウ12cの閉動作処理を含む)が実行されたか否か確認する(S114)。ドア12bの施錠及びウィンドウ12cの閉動作が確認されない場合(S114のNo)、S112の処理に戻り、乗車禁止報知を継続する。
【0064】
制御部10dは、ドア12bの施錠が確認できた場合(S114のYes)、除菌処理システム28を駆動し、除菌処理を開始する(S116)。例えば、発生ユニット28aによりオゾンを発生させ、車室12aを燻蒸する。制御部10dは、除菌処理を開始すると、例えば、オゾン濃度センサ等により車室12a内のオゾン濃度を測定する。そして、オゾン濃度が、例えば、1ppm以上となった場合、内部タイマをスタートさせ、除菌処理時間の計測を行う。所定のオゾン濃度で所定の除菌経過時間T1(例えば、1時間)以上になった場合(S118のYes)、発生ユニット28aを停止する。そして、除去ユニット28bにより清浄換気処理(除菌物質の分解処理)を実行する(S120)。車室12aの清浄換気処理は、車室12a内の空気を除去ユニット28bに循環させる。また、除去ユニット28bによる除菌物質の完了後に空気調和装置を外気取入れモードで運転し、積極的に車室12aの換気を行ってもよい。
【0065】
制御部10dは、除菌処理システム28による清浄換気処理が実行され、所定清浄換気時間T2が経過した場合(S122のYes)、報知システム34を介して、乗車禁止処理の解除を行う(S124)。例えば、乗車を許可する旨のメッセージ表示等を行う。なお、S122の処理において、所定の清浄換気時間T2が経過していない場合(S122のNo)、S120の処理に戻り、清浄換気処理を継続する。また、S118において、除菌経過時間T1が経過していない場合(S118のNo)、S116の処理に移行し、除菌処理システム28による除菌処理を継続する。
【0066】
S110の処理において、推定部10bが、次回の車両12の利用までの時間が所定の除菌処理時間T(例えば、1時間)未満であると推定した場合(S110のNo)、例えば、車両12の駐停車がドライブイン等の短時間駐車の場合等である。この場合、制御部10dは、取得部10aの換気を行うことを促す換気推奨報知を、報知システム34を介して実行する(S126)。この場合、制御部10dは、換気システム30を制御し、空気調和装置を外気取り入れモードに切り替え、積極的換気を行い(S128)、このフローを一旦終了する。つまり、制御部10dは、除菌物質を利用した十分な除菌処理ができないと判定し、除菌処理を非実行とし、次の機会に除菌処理の実行を延期する。なお、車両12がドライブイン等に停車した場合でも、除菌処理を実施するのに十分な停車時間が確保できると判定された場合、除菌処理を実行してもよい。
【0067】
このように、除菌清浄制御部10は、一般車両における除菌処理において、車両12の現在状況情報と現在状況情報とに基づいて将来利用状況を推定し、十分な除菌処理時間が確保できる場合に、除菌処理を実行する。一方、十分な除菌処理時間が確保できない場合には、除菌処理を非実行とする。その結果、除菌処理等が中途半端な状態で終了してしまうことが抑制できるとともに、除菌処理により乗車できないという状況が形成されず、車両12を必要なときに直ぐに利用できるようにすることができる。
【0068】
次に、
図5を参照して、車両12が共同利用車両(例えば、シェアカー)の場合について説明する。なお、共同利用車両の場合、除菌清浄制御部10は、専用駐車場に駐車された場合に入念な除菌処理を実施するか簡易的に除菌処理を実施するかの判定を主に行うものとする。
【0069】
除菌清浄制御部10は、除菌システムが起動しているか否か確認し、起動していない場合(S200のNo)、このフローを一旦終了する。なお、例えば、除菌システムは、車両12が所定時間以上停車した場合に起動するものとする。
【0070】
除菌システムが起動している場合(S100のYes)、つまり、車両12が所定時間以上停車(駐車)した場合、取得部10aは、GPS受信システム24を介して、車両12の現在位置情報を取得し、車両12がシェアカーの(専用)駐車場に停車(存在)しているか確認する(S202)。車両12がシェアカーの駐車場に駐車している場合(S202のYes)、推定部10bは、外部情報接続システム26を介して当該車両12の次回の予約時間を取得し、将来利用状況推定済みか確認する(S204)する。推定部10bは、車両12(シェアカー)の予約状況を確認するのみで、当該車両12の将来利用状況を容易に推定することができる。車両12の将来利用状況が推定済みの場合(S204のYes)、取得部10aは、車室内監視モニタシステム16、電波センサ18、体重検知センサ22等の検出結果を取得し、推定部10bに提供する。推定部10bでは、取得した検出結果に基づき、車室12aに乗員が存在しない(乗員=0)と判定した場合(S206のYes)、つまり、シェアカーの利用が完了し、返却済みであると判定された場合である。この場合、制御部10dは、報知システム34を介して、除菌処理対象の車両12(シェアカー)に対して乗車を禁止する乗車禁止報知を実行する(S208)。例えば、「除菌処理中のため、乗車しないで下さい」等の表示や音声メッセージを出力する。
【0071】
また、制御部10dは、ドア制御システム32を介して、車両12のドアロック処理(ドア12bの施錠処理、ウィンドウ12cの閉動作処理を含む)が実行されたか否か確認する(S210)。制御部10dは、ドア12bの施錠が確認できた場合(S210のYes)、除菌処理システム28を駆動し、除菌処理を開始する(S212)。
【0072】
なお、S202の処理において、車両12(除菌処理対象のシェアカー)が、まだシェアカー専用の駐車場に駐車されていない場合(S202のNo)や、S204の処理において、次回予約時間の取得が済んでいない場合(S204のNo)、S200に移行し、S200以降の処理を再度実行する。同様に、S206の処理において、車室12aに乗員が確認できる場合(S206のNo)、例えば、利用者等がまだ降車していない場合や、S210の処理において、まだドアロック処理が完了していない場合(SS210のNo)、S200に移行し、S200以降の処理を再度実行する。
【0073】
S212で除菌処理が開始されると、制御部10dは、取得部10aが取得した予約情報(推定部10bで推定した将来利用状況)に基づき、長時間の除菌処理が可能であるか確認する(S214)。例えば、当該車両12の次回の予約時間まで十分な時間(例えば、1時間以上)がある場合、長時間除菌が可能であると判定する(S214のYes)。この場合、制御部10dは、除菌処理システム28を長時間除菌処理モードで制御して、車室12aに例えばオゾンを燻蒸する(S216)。この場合も、制御部10dは、オゾン濃度センサ等により車室12aのオゾン濃度を測定し、オゾン濃度が、例えば、1ppm以上となった場合、内部タイマをスタートさせ、除菌処理時間の計測を行う。そして、所定のオゾン濃度で所定の除菌処理時間T3(例えば、1時間)以上が経過するまで、除菌処理を継続する(S218のNo)。なお、不特定多数が利用するシェアカーの場合、より入念な除菌処理を実施するために、一般車両(個人所有の乗用車等)より除菌処理時間T3を長くした、例えば1.5時間や2時間等に設定してもよいし、除菌物質の濃度をより高くしてもよい。
【0074】
S214の処理において、車両12の次回の予約時間まで十分な時間(例えば、1時間以上)が確保できない場合、長時間除菌が不可であると判定する(S214のNo)。この場合、制御部10dは、除菌処理システム28を短時間除菌処理モードで制御して、車室12aを燻蒸する(S220)。この場合も、制御部10dは、例えば、オゾン濃度センサ等により車室12a内のオゾン濃度を測定し、オゾン濃度が、例えば、1ppm以上となった場合、内部タイマをスタートさせ、除菌処理時間の計測を行う。そして、所定の除菌処理時間T4(例えば、30分間)経過するまで、除菌処理を継続する(S222のNo)。
【0075】
S218の処理において、除菌処理時間が所定の除菌処理時間T3以上になった場合(S218のYes)、または、S222の処理において、除菌処理時間が所定の除菌処理時間T4以上になった場合(S222のYes)、制御部10dは、発生ユニット28aを停止する。そして、制御部10dは、除去ユニット28bにより清浄換気処理(除菌物質の分解処理)を実行する(S224)。車室12aの清浄換気処理は、車室12aの空気を除去ユニット28bに循環させる。また、除去ユニット28bによる除菌物質の完了後に空気調和装置を外気取入れモードで運転し、積極的に車室12aの換気を行う。なお、S216で長時間除菌処理を実施した場合、ドア12bやウィンドウ12cは閉状態のまま、清浄換気処理を行ってもよい。一方、S220で短時間除菌処理が実施された場合、ドア12bやウィンドウ12c等の開口可能部分を、例えば全開で清浄換気処理を行うようにしてもよい。この場合、清浄換気処理の時間を短縮できるとともに、車室12aの除菌が不十分であった場合でも、ドア12bやウィンドウ12cの開放による換気作用で、ウィルス等の排除効果を向上することができる。
【0076】
そして、制御部10dは、除菌処理システム28による清浄換気処理が実行され、所定清浄換気時間T5が経過した場合(S226のYes)、報知システム34を介して、乗車禁止処理の解除を行い(S228)、このフローを一旦終了する。例えば、乗車を許可する旨のメッセージ表示等を行う。なお、S226の処理において、所定の清浄換気時間T5が経過していない場合(S226のNo)、S224の処理に戻り、清浄換気処理を継続する。
【0077】
このように、除菌清浄制御部10は、共同利用車両における除菌処理において、車両12の予約状況(現在状況情報)と現在位置情報とに基づき将来利用状況を推定し、十分な除菌処理時間が確保できる場合に、除菌処理を実行する。一方、十分な除菌処理時間が確保できない場合には、簡易的な除菌処理を実行とする。その結果、除菌処理等が中途半端な状態で終了してしまうことが抑制できるとともに、除菌処理により次の予約に対応できないという状況が形成されず、車両12を必要なときに直ぐに利用できるようにすることができる。共同利用車両がレンタカーの場合も同様な処理が可能あり、同様な処理を行うことがでる。なお、車両12が公共交通機関の車両(バスやタクシー)の場合、予約情報の代わりに運行情報等を取得することにより、同様に将来利用状況の予測が可能であり、共同利用車両と同様な効果を得ることができる。
【0078】
次に、
図6を参照して、車両12が救急車の場合について説明する。なお、救急車の場合、種々雑多の除菌対象物質(ウィルスや菌等)が持ち込まれる場合があるため、除菌清浄制御部10は、救急車の専用駐車場に駐車された場合に車載の除菌システムで除菌処理を実施するか、他の方法で除菌処理を実施するかの判定を主に行うものとする。
【0079】
除菌清浄制御部10は、除菌システムが起動しているか否か確認し、起動していない場合(S300のNo)、このフローを一旦終了する。なお、除菌システムは、例えば車両12が所定時間以上停車した場合に起動するものとする。
【0080】
除菌システムが起動している場合(S300のYes)、つまり、車両12が所定時間以上停車(駐車)した場合、取得部10aは、GPS受信システム24を介して、車両12の現在位置情報を取得し、車両12が救急搬送後の後処理を行う(専用)駐車場に停車(存在)しているか確認する(S302)。車両12が後処理用駐車場に駐車している場合(S302のYes)、取得部10aは、外部情報接続システム26を介して、指令センター等から救急対応が完了した旨を示す対応完了指令を取得し、推定部10bは、将来利用状況推定済みか確認する(S304)する。推定部10bは、車両12(救急車)が患者の搬送等の救急対応が完了していることを確認するにみで、当該車両12の将来利用状況を容易に推定することができる。車両12の将来利用状況が推定済みの場合(S304のYes)、取得部10aは、車室内監視モニタシステム16、電波センサ18、体重検知センサ22等の検出結果を取得し、推定部10bに提供する。なお、救急車の場合、患者が利用するベッドに対しても車室内監視モニタシステム16、電波センサ18、体重検知センサ22等のセンサが配置されている。
【0081】
推定部10bでは、取得した検出結果に基づき、車室12aに乗員(救急隊員、患者等)が存在しない(乗員=0)と判定した場合(S306のYes)、つまり、救急車の利用が完了したと判定された場合である。取得部10aは、搬送を完了した患者の情報(診断情報等)を、外部情報接続システム26を介して、搬送先病院等から取得する(S308)。推定部10bは、取得部10aが取得して患者情報に基づき、除菌対象の解析を行う(S310)。例えば、患者の感染していたウィルスや菌の情報を取得するとともに、そのウィルスや菌を除菌するための除菌物質を特定する。この間、制御部10dは、報知システム34を介して、除菌処理対象の車両12(救急車)に対して乗車を禁止する乗車禁止報知を実行する(S312)。例えば、「除菌処理中のため、乗車しないで下さい」等の表示や音声メッセージを出力する。
【0082】
また、制御部10dは、ドア制御システム32を介して、車両12のドアロック処理(ドアの施錠処理、ウィンドウの閉動作処理を含む)が実行されたか否か確認する(S314)。車両12のドアロックが確認できない場合(S314のNo)、S312に戻り、乗車禁止報知処理を継続する。一方、制御部10dは、ドアの施錠が確認できた場合(S314のYes)、推定部10bの推定結果に基づき、車載の除菌処理システム28で除菌処理が可能であるか判定する(S316)。制御部10dは、車載の除菌処理システム28で除菌処理が可能あると判定した場合(S316のYes)、除菌処理システム28を駆動し、除菌処理を開始する(S318)、車室12aに例えばオゾンを燻蒸する。この場合も、制御部10dは、オゾン濃度センサ等により車室12a内のオゾン濃度を測定し、オゾン濃度が、例えば、1ppm以上となった場合、内部タイマをスタートさせ、除菌処理時間の計測を行う。そして、所定のオゾン濃度で所定の除菌処理時間T6(例えば、1時間)以上が経過するまで、除菌処理を継続する(S320のNo)。なお、患者はウィルスや菌の感染可能性が高いため、より入念な除菌処理を実施するために、除菌処理時間T6を1.5時間や2時間等に設定してもよいし、除菌物質の濃度をより高くしてもよい。
【0083】
S320の処理において、除菌処理時間が所定の除菌処理時間T6以上になった場合(S320のYes)、制御部10dは、発生ユニット28aを停止する。そして、制御部10dは、除去ユニット28bにより清浄換気処理(除菌物質の分解処理)を実行する(S322)。車室12aの清浄換気処理は、車室12aの空気を除去ユニット28bに循環させる。また、除去ユニット28bによる除菌物質の完了後に空気調和装置を外気取入れモードで運転し、積極的に車室12aの換気を行う。
【0084】
そして、制御部10dは、除菌処理システム28による清浄換気処理が実行され、所定清浄換気時間T7が経過した場合(S324のYes)、報知システム34を介して、乗車禁止処理の解除を行い(S326)、このフローを一旦終了する。例えば、乗車を許可する旨のメッセージ表示等を行う。なお、S324の処理において、所定の清浄換気時間T7が経過していない場合(S324のNo)、S322の処理に戻り、清浄換気処理を継続する。
【0085】
S316の処理において、制御部10dが、車載の除菌処理システム28で除菌処理が不可であると判定した場合(S316のNo)、制御部10dは、報知システム34を介して、救急車の乗員または管理者に、車載の除菌処理システム28では除菌処理が不可であると警告する警告処理を実行して(S328)、このフローを一旦終了する。すなわち、当該救急車の除菌処理は、特別な除菌物質や除菌器具、除菌装置を使用して実施されることになる。
【0086】
なお、S302の処理において、車両12(除菌処理対象の救急車)が、まだ専用の後処理駐車場に駐車されていない場合(S302のNo)や、S304の処理において、対応完了指令を取得していない場合(S304のNo)、すなわち、将来利用状況が推定されていない場合、S306の処理において、車室12aに乗員が確認できる場合(S306のNo)、例えば、救急隊員等がまだ降車していない場合、S300に移行し、S200以降の処理を再度実行する。
【0087】
このように、除菌清浄制御部10は、救急車における除菌処理において、車両12で救急搬送の対応完了を示す情報(現在状況情報)と現在位置情報とに基づき将来利用状況を推定するとともに、患者情報に基づいて、車載の28で除菌処理が可能であるか否かを判定し、除菌処理を実行する。したがって、除菌処理等が不完全な状態で終了してしまうことが抑制できるとともに、不完全な除菌処理で次の救急搬送に利用されてしまうという状況が形成されず、車両12を必要なときに直ぐに利用できるようにすることができる。
【0088】
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
10…除菌清浄制御部、10a…取得部、10b…推定部、10c…学習部、10d…制御部、12…車両、12a…車室、16…車室内監視モニタシステム、18…電波センサ、20…体温測定システム、22…体重検知センサ、24…GPS受信システム、26…外部情報接続システム、28…除菌処理システム、28a…発生ユニット、28b…除去ユニット、30…換気システム、32…ドア制御システム、34…報知システム、46…学習記憶部。