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  • 特開-環境保全システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123578
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】環境保全システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/78 20060101AFI20220817BHJP
   B01J 20/34 20060101ALI20220817BHJP
   C02F 1/28 20060101ALI20220817BHJP
   C02F 1/461 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
B01D53/78
B01J20/34 D ZAB
C02F1/28 A
C02F1/461 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020970
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】399049981
【氏名又は名称】株式会社オメガ
(72)【発明者】
【氏名】中村 信一
【テーマコード(参考)】
4D002
4D061
4D624
4G066
【Fターム(参考)】
4D002AA00
4D002AC04
4D002BA02
4D002BA05
4D002CA01
4D002CA06
4D002CA13
4D002DA17
4D002DA35
4D002EA03
4D002EA07
4D061DA08
4D061DB09
4D061EA02
4D061EB01
4D061ED12
4D061FA06
4D624AA04
4D624AB04
4D624BA02
4D624BC05
4D624DA07
4D624DB06
4D624DB09
4G066AA05B
4G066CA01
4G066DA08
4G066GA02
(57)【要約】
【課題】 重大な疫病に対応でき排気ガスの浄化と共に吸着剤の再生を効率的に行うことができる環境保全システムを提供しようとするもの。
【解決手段】 環境汚染物質1の熱分解機構2と、吸着剤3を添加して前記環境汚染物質1の熱分解時の排気ガスを浄化する排気ガス浄化水槽4と、前記吸着剤3を引き出して賦活する加熱再生槽5とを有し、再生した吸着剤3を排気ガス浄化水槽4に戻すようにし、前記加熱再生槽5の排気ガスも排気ガス浄化水槽4に吹き込んで浄化するようにした。前記環境汚染物質1の包装機構を有するようにしてもよい。前記排気ガス浄化水槽4で吸着剤3を流動状態とするようにしてもよい。前記排気ガス浄化水槽4に電解水を送るようにしてもよい。前記熱分解機構2は環境汚染物質1を間欠的に投入するようにしてもよい。前記熱分解機構2の環境汚染物質1の挿入域の周囲を水冷するようにししてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境汚染物質(1)の熱分解機構(2)と、吸着剤(3)を添加して前記環境汚染物質(1)の熱分解時の排気ガスを浄化する排気ガス浄化水槽(4)と、前記吸着剤(3)を引き出して賦活する加熱再生槽(5)とを有し、再生した吸着剤(3)を排気ガス浄化水槽(4)に戻すようにし、前記加熱再生槽(5)の排気ガスも排気ガス浄化水槽(4)に吹き込んで浄化するようにしたことを特徴とする環境保全システム。
【請求項2】
前記環境汚染物質(1)の包装機構を有するようした請求項1記載の環境保全システム。
【請求項3】
前記排気ガス浄化水槽(4)で吸着剤(3)を流動状態とするようにした請求項1又は2記載の環境保全システム。
【請求項4】
前記排気ガス浄化水槽(4)に電解水を送るようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の環境保全システム。
【請求項5】
前記熱分解機構(2)は環境汚染物質(1)を間欠的に投入するようにした請求項1乃至4のいずれかに記載の環境保全システム。
【請求項6】
前記熱分解機構(2)の環境汚染物質(1)の挿入域の周囲を水冷するようにした請求項1乃至5のいずれかに記載の環境保全システム。
【請求項7】
前記熱分解機構(2)の環境汚染物質(1)の挿入域を斜めに下降するようにした請求項1乃至6のいずれかに記載の環境保全システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、重大な疫病にも対応できる環境保全システム(熱分解機構を備える)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりも効率良く分解することが出来る排気ガス浄化機構に関する提案があった(特許文献1)。
すなわち、この排気ガス浄化機構は、排水中の汚れ物質を吸着する活性炭吸着槽と槽内流動機構とを有し、前記活性炭吸着槽に電解水を供給すると共に、前記活性炭吸着槽内で槽内流動機構により排水と活性炭とを流動させるようにしたものである。
そして、槽内が流動することにより一定の場所に停滞する部位が減少して電解水の洗浄作用を万遍なく活性炭に及ぼすことが出来るので、従来よりも効率良く吸着物を洗浄再生することができる、というものである。
これに対し、排気ガスの浄化と共に吸着剤の再生を効率的に行いたいという要望が出てきた。また、新型コロナウイルスなどの重大な疫病への対策が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-123442
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこでこの発明は、重大な疫病にも対応でき排気ガスの浄化と共に吸着剤の再生を効率的に行うことができる環境保全システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明の環境保全システムは、環境汚染物質の熱分解機構と、吸着剤を添加して前記環境汚染物質の熱分解時の排気ガスを浄化する排気ガス浄化水槽と、前記吸着剤を引き出して賦活する加熱再生槽とを有し、再生した吸着剤を排気ガス浄化水槽に戻すようにし、前記加熱再生槽の排気ガスも排気ガス浄化水槽に吹き込んで浄化するようにしたことを特徴とする。
【0006】
新型コロナウイルス、ノロウイルス、サーズ、MRSA耐性菌、また鳥インフルエンザ、狂牛病などの流行は、人間自体やその食生活を支える家畜業者などにとって大問題であり、感染拡大の防止のために病院、医療機関、畜舎その他の衛生面、環境面の技術的な改善が求められる。このために、環境汚染物質の処理、無害化という命題がある。また、地球環境を阻害する物はこれらにとどまらない。
【0007】
環境汚染物質として、病院から排出される特別管理産業廃棄物、医療廃棄物(臓器その他)、新型コロナウイルスなどを含む感染性廃棄物、紙おしめなどの特定施設その他の廃棄物、有機物や廃プラスチック類の産業廃棄物、大型の廃プラスチック類 例えば食品・食器類その他のラップ・フィルム(EVA)の不良品の廃ロール材やウレタン・フォーム品の廃板材、またPETボトルなどを破砕・粉砕した廃プラスチック片、脱水汚泥、魚のアラなどの臭気性生ごみ、さらには行き倒れた野良犬、ノラ猫の死体などの腐敗物、以上に関連する環境に負担をかける廃棄物を例示することが出来る。
【0008】
熱分解の内容として、環境汚染物質の400~600℃等での炭化を例示することが出来る。無酸素や窒素雰囲気下で熱分解してもよい。ダイオキシン対策として、900℃等での熱処理後に排ガスを急冷することが出来る。
この環境保全システムは、環境汚染物質の熱分解機構を有するので、これを熱分解処理装置として機能せしめ、バクテリオファージ(新型コロナウイルスなど)に感染した菌類が付着した食品残渣物、残飯その他の各種の環境汚染物質を熱分解して炭化させ、無害な炭化物6等に変性、変質、変容化させることが出来る。
【0009】
そして、炭化物6などを炭(すみ)その他の有用物として再加工し、二次的に有効利用することも出来る(土壌改良材、建材、部屋等のパーティション、ボードなど)。
また、吸着剤を添加して環境汚染物質の熱分解時の排気ガスを浄化する排気ガス浄化水槽を有するので、環境汚染物質の熱分解時の排気ガスを、排気ガス浄化水槽に添加した吸着剤によって吸着・浄化することが出来る。
さらに、前記吸着剤を引き出して賦活する加熱再生槽を有するので、吸着剤が排気ガスによって累積汚染されてくると、加熱再生槽に引き出して賦活することが出来る。
【0010】
そのうえ、再生した吸着剤を排気ガス浄化水槽に戻すようにしたので、排気ガスによって累積汚染された吸着剤を再生して排気ガス浄化水槽で再利用することが出来る。排気ガス浄化水槽はスクラバー槽として機能し得る。
前記加熱再生槽の排気ガスも排気ガス浄化水槽に吹き込んで浄化するようにしたので、吸着剤の賦活時に発生する加熱再生槽の排気ガスを排気ガス浄化水槽に吹き込んで、環境汚染物質の熱分解時の排気ガスと一緒に浄化することが出来る。
【0011】
前記吸着剤として、活性炭を例示することが出来る。前記吸着剤の加熱再生槽の処理として、例えば900℃に加熱・昇温して所定時間をかけ賦活することが出来る。前記加熱再生槽の排気ガスは、排気ガス浄化水槽(の下方)に曝気して気泡として吹き込むことが出来る。
吸着剤を添加する排気ガス浄化水槽は、固定床として濾過吸着処理することもできるし、流動床として吸着処理することも出来る。
【0012】
吸着剤を引き出して賦活する加熱再生槽は、吸着剤との間の隔壁を介して、(LNGやLPG)ガス・バーナーの熱風を吹き込んで(循環して)加熱したり、電気ヒーター(例えばセラミック・ヒーター)により周囲から加熱したりすることが出来る。
そのうえ、熱分解機構の排気ガスを大気中に開放して環境汚染するとなく排気ガス浄化機構で浄化しつつ環境汚染物質を熱分解することが出来る。
【0013】
(2)前記環境汚染物質の包装機構を有するようにしてもよい。
このように、環境汚染物質の包装機構を有するようにすると、環境汚染物質を空気遮断してラップし、例えば真空パックして空気にさらさないようにしてこれを熱分解機構に供給することが出来る。
具体的には、上をゴミ箱の投入口を配設した袋状の連続供給ビニールに環境汚染物質を所定量 挿入し、一対のロール(ウレタン素材など)でその前後を絞って、空気にさらされないように遮断・シールして、内容物が洩れないように臭気が外部に発散しないように封入する。この包装機構は、縦向き(垂直方向)としてもいいし横向き(水平方向)としてもいい。
【0014】
(3)前記排気ガス浄化水槽で吸着剤を流動状態とするようにしてもよい。
このように、排気ガス浄化水槽で吸着剤を流動状態(槽中での吸着剤粒子の浮遊状態など)とするようにすると、吸着剤を固定床(SV値により規制される)とした場合によりも排水との接触時間が長くとれるようになるので(例えばバッチ式処理)、その分 排気ガス浄化水槽中の排気ガス成分の吸着・除去性を向上させることが出来る。
【0015】
(4)前記排気ガス浄化水槽に電解水を送るようにしてもよい。
このように、排気ガス浄化水槽に(電解装置で生成させた)電解水(例えば塩化物イオンCl-の共存下で電気分解して生成する電解HOCl含有水)を送るようにすると(例えば循環)、排気ガス浄化水槽中の汚れ成分や排気ガスの汚れ成分に酸化作用を及ぼして酸化分解し浄化することが出来る。
また、排気ガス浄化水槽の表面から揮発した排気ガスに電解水をシャワー(噴霧)してトラップして気相から液相に戻し、再度 排気ガスに酸化分解作用を及ぼすようにすることが出来る。
ここで、排気ガス中に臭気成分がある場合として、インドール、スカトール、メチルメルカプタン、硫化水素等の成分を例示でき、これらを排気ガス浄化水槽内の電解水の酸化分解作用により脱臭・浄化することが出来る。
【0016】
(5)前記熱分解機構は環境汚染物質を間欠的に投入するようにしてもよい。
このように、熱分解機構は環境汚染物質を間欠的に投入(例えば400~600℃に加熱)するように(設定)すると、大型の廃棄物でも投入した後に一旦閉じて、(該機構内への空気の出入りを遮断して)バッチ式で適宜時間をかけて炭化することが出来る。
【0017】
(6)前記熱分解機構の環境汚染物質の挿入域の周囲を水冷するようにしてもよい。
このように、熱分解機構の環境汚染物質の挿入域の周囲を水冷するようにすると、内部温度が高温(400~600℃など)であっても、挿入域の周囲は水冷された状態となって、プラスチック類などの環境汚染物質が内方へと滑り落ち易くすることが出来る。
【0018】
(7)前記熱分解機構の環境汚染物質の挿入域を斜めに下降するようにしてもよい。
このように、熱分解機構の環境汚染物質の挿入域を斜めに下降するようにすると、挿入域の近傍でプラスチック類などの環境汚染物質が内部温度(400~600℃など)のせいで溶解して粘っこくなっても、固着難くして内方に向けて(シューターのように)滑り落ち易くすることが出来る。挿入域の表面を鏡面にしたステンレス仕様にしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
吸着剤の賦活時に発生する加熱再生槽の排気ガスを排気ガス浄化水槽に吹き込んで浄化することができ、排気ガスによって累積汚染された吸着剤を再生して排気ガス浄化水槽で再利用することができると共に、環境汚染物質の熱分解時の排気ガスと一緒に加熱再生槽の排気ガスも浄化することができるので、重大な疫病にも対応でき排気ガスの浄化と共に吸着剤の再生を効率的に行うことができる環境保全システムを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の実施形態の環境保全システムを説明するシステム・フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
〔実施形態1〕
図1に示すように、この実施形態の環境保全システムは、環境汚染物質1の熱分解機構と、吸着剤3を添加して前記環境汚染物質1の熱分解時の排気ガスを浄化する排気ガス浄化水槽(電解スクラバー槽として機能)と、前記吸着剤3を引き出して賦活する加熱再生槽とを有し、再生した吸着剤3を排気ガス浄化水槽4に戻すようにし、前記加熱再生槽5の排気ガスも排気ガス浄化水槽4に吹き込んで浄化するようにした。
【0022】
環境汚染物質1として、食品残渣物、残飯、使用済み紙おしめ、ラップ・フィルム(EVA)の不良品の廃ロール材、ウレタン・フォーム品の廃板材、PETボトルなどを破砕・粉砕した廃プラスチック片(廃棄物)を処理した。
この熱分解機構2(電気ヒーターで外壁から加熱する)は、だるま抜きの押圧供給式の受け入れゾーン(外周を約100℃に水冷する)、炉内(開閉扉で処理中は閉鎖する)で斜めに配された分別網(ビンやアルミ缶があれば載置され処理後に排出される)を有する熱分解ゾーン(400~600℃)と、下方の炭化物集積ゾーンとを有する。網上のビンやアルミ缶、下方の集積された炭化物6は、バッチ式の加熱処理後にそれぞれの開閉扉を開けて外部へ取り出される。
【0023】
そして排気ガスは、900℃加熱ゾーンを介してルーツブロワーポンプ(LBP)で排気ガス浄化水槽4に送るようにしている。
熱分解の内容として、400~600℃で炭化させるようにした。熱分解時は空気(酸素)を遮断して窒素ガスを注入するようにした。ダイオキシン対策として熱分解機構2の出口で排ガスに900℃の熱処理し、その後ルーツブロワーポンプ(LBP)で排気ガス浄化水槽4に送って急冷するようにした。
【0024】
前記環境汚染物質の包装機構(図示せず)を有するようにした。このように、環境汚染物質の包装機構を有するようにしており、環境汚染物質を空気遮断してラップし、真空パックして空気にさらさないようにしてこれを熱分解機構2に供給するようにした。
具体的には、ゴミ箱の投入口を配設した袋状の連続供給ビニール袋に環境汚染物質を所定量 挿入し、一対のロール(ウレタン素材)でその前後を絞って、空気にさらされないように遮断・シールして、内容物が洩れないように臭気が外部に発散しないように封入した。この包装機構は、縦向き(垂直方向)とした。
【0025】
上記吸着剤3として活性炭を使用した。吸着剤3の加熱再生槽5の処理として、900℃に加熱・昇温して所定時間をかけ賦活するようにした。前記加熱再生槽5の排気ガスは、排気ガス浄化水槽4の下方(二か所)に曝気して気泡として吹き込むようにした。吸着剤3を添加する排気ガス浄化水槽4は、流動床として吸着処理するようにした。
【0026】
吸着剤3を引き出して賦活する加熱再生槽5は、吸着剤3との間の隔壁を介して、電気ヒーター(セラミック・ヒーター)により周囲から加熱したりするようにした。この加熱再生槽5では、排気ガス浄化水槽4の底から引き出した吸着剤3が上方の粉体定量ポンプから挿入され、内部(上方が約900℃、下方が400℃に加熱)のモータMで回転駆動される撹拌羽根で混ぜられつつ下方に移動していき(加熱されて賦活される)、下端域の外周水冷ゾーンで約200℃まで冷却されてポンプPで排出され、再び排気ガス浄化水槽4の上方へと戻されるようにしている。
【0027】
前記排気ガス浄化水槽4で、吸着剤3を流動状態とするようにした。この排気ガス浄化水槽4は、熱分解機構2の排気ガスを下方の二か所から曝気して注入するようにしている。そして、槽内で吸着剤3を流動状態(槽中での吸着剤3粒子の浮遊状態)とするようにしており、排気ガス浄化水槽4中の排気ガス成分の吸着・除去性が高いものとなっている。
【0028】
前記排気ガス浄化水槽4に電解水を送るようにした。このように、排気ガス浄化水槽4に、電解装置で生成させた電解水(塩化物イオンCl-の共存下で電気分解して生成する電解HOCl含有水)を送るようにしており(循環させるようにした)、排気ガス浄化水槽4中の汚れ成分や排気ガスの汚れ成分に酸化作用を及ぼして酸化分解し浄化することが出来た。
この電解装置7は、三連並立の電解通路を備えており、排気ガス浄化水槽4の底から引き出したスクラバー水を電気分解して電解促進剤(次亜塩素酸ナトリウム水)を添加し、排気ガス浄化水槽4の上方から霧状に噴射することにより相互間を循環するようにしている。また、この電解スクラバー水は、加熱再生槽5の水冷ジャケットの冷却水としても循環するようにしている。
【0029】
また、排気ガス浄化水槽4の表面から揮発した排気ガスに電解水をシャワー(噴霧)してトラップして気相から液相に戻し、再度 排気ガスに酸化分解作用を及ぼすようにした。また、排気ガス中に臭気成分を、排気ガス浄化水槽4内の電解水の酸化分解作用により脱臭・浄化することが出来た。
前記熱分解機構2は環境汚染物質1を間欠的に投入(400~600℃に加熱)するように設定しており、大型の廃棄物でも投入した後に一旦閉じて、該機構内への空気の出入りを遮断して、バッチ式で適宜時間をかけて炭化するようにした。
【0030】
前記熱分解機構2の環境汚染物質1の挿入域の周囲を水冷するようにした。
このように、熱分解機構2の環境汚染物質1の挿入域の周囲を水冷するようにしたので、内部温度が高温(400~600℃)であっても、挿入域の周囲は水冷された状態となって、プラスチック類などの環境汚染物質1が内方へと滑り落ち易くすることが出来た。
【0031】
次に、この実施形態の環境保全システムの使用状態を説明する。
この環境保全システムは、環境汚染物質1の熱分解機構2を有するので、これを熱分解処理装置として機能せしめ、食品残渣物、残飯、使用済み紙おしめ、ラップ・フィルム(EVA)の不良品の廃ロール材、ウレタン・フォーム品の廃板材、PETボトルなどを破砕・粉砕した廃プラスチック片を熱分解して炭化させ、無害な炭化物6に変性、変質、変容化させた。
【0032】
また、吸着剤3を添加して環境汚染物質1の熱分解時の排気ガスを浄化する排気ガス浄化水槽4を有するので、環境汚染物質1の熱分解時の排気ガスを、排気ガス浄化水槽4に添加した吸着剤3によって吸着・浄化することが出来た。
さらに、前記吸着剤3を引き出して賦活する加熱再生槽5を有するので、吸着剤3が排気ガスによって累積汚染されてくると、加熱再生槽5に引き出して賦活するようにした。
【0033】
そのうえ、再生した吸着剤3を排気ガス浄化水槽4に戻すようにしたので、排気ガスによって累積汚染された吸着剤3を再生して排気ガス浄化水槽4で再利用することが出来た。
前記加熱再生槽5の排気ガスも排気ガス浄化水槽4に吹き込んで浄化するようにしたので、吸着剤3の賦活時に発生する加熱再生槽5の排気ガスを排気ガス浄化水槽4に吹き込んで、環境汚染物質1の熱分解時の排気ガスと一緒に浄化することが出来た。
【0034】
すなわち、吸着剤3の賦活時に発生する加熱再生槽5の排気ガスを排気ガス浄化水槽4に吹き込んで浄化することができ、排気ガスによって累積汚染された吸着剤3を再生して排気ガス浄化水槽4で再利用することができると共に、環境汚染物質1の熱分解時の排気ガスと一緒に加熱再生槽5の排気ガスも浄化することができるので、重大な疫病にも対応でき排気ガスの浄化と共に吸着剤3の再生を効率的に行うことが出来る。
【0035】
〔実施形態2〕
次に、実施形態2について上記実施形態との相違点を説明する。
この実施形態では、前記熱分解機構の環境汚染物質の挿入域を斜めに下降するようにした(図示せず)。
このように、熱分解機構の環境汚染物質の挿入域を斜めに下降するようにしのたで、挿入域の近傍でプラスチック類などの環境汚染物質が内部温度(400~600℃)のせいで溶解して粘っこくなっても、固着難くして内方に向けてシューターのように滑り落ち易くすることが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0036】
重大な疫病にも対応でき排気ガスの浄化と共に吸着剤の再生を効率的に行うことができることによって、多種多様な熱分解処理装置、環境保全システムの用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 環境汚染物質
2 熱分解機構
3 吸着剤
4 排気ガス浄化水槽
5 加熱再生槽
図1