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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123588
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021020988
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】瀬▲崎▼ 卓人
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA05
2C333CA08
2C333CA43
(57)【要約】
【課題】興趣のある1種2種混合機を提供する。
【解決手段】電サポ中の第2特図の変動時間は、変動開始時の第2保留記憶の数(残存保留数)に応じて決定される。すなわち、残存保留数が2~3の場合は短時間変動(変動時間は1秒)、1の場合は第1長時間変動(変動時間は1分)となり、0の場合、20%が第2長時間変動(変動時間は30秒)、残りの80%が短時間変動となる。このため、第2長時間変動(チャンスタイム2A)中に第2保留記憶を2個以上獲得すると、第1長時間変動(ストックタイム3A)に移行可能となる。そして、ストックタイム3Aに1個以上の第2保留記憶を獲得すると、再びストックタイム3Aに移行する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2始動口と、1又は複数の大入賞口とが設けられており、前記大入賞口のうちの少なくとも1つは、入球した遊技球が特定領域に進入可能な特定大入賞口として構成されている弾球遊技機であって、
前記第1、第2始動口への遊技球の進入に起因して第1、第2保留記憶を生成する保留記憶手段と、
前記第1、第2保留記憶に基づく抽選を行い、前記第2保留記憶に基づく前記抽選である第2抽選では小当りに当選可能である抽選手段と、
変動時間にわたり特図の変動表示を行うことで前記抽選の結果を報知する変動手段と、
前記小当りになると、前記特定大入賞口を開放する小当り遊技を行う小当り遊技手段と、
前記小当り遊技にて前記特定大入賞口に進入した遊技球が前記特定領域に進入するか、又は、前記抽選で大当りになると、複数のラウンドにわたって前記大入賞口を開放する大当り遊技を行う大当り遊技手段と、
前記大当り遊技の終了後、前記第2始動口への入球が容易になる特典状態に移行すると共に、前記特典状態中、予め定められた回数にわたり前記第2抽選が行われると、前記特典状態を終了する特典手段と、を備え、
前記保留記憶手段は、最大でN個の前記第2保留記憶を生成し、
前記第2抽選が行われる前記第2保留記憶よりも後に生じた前記第2保留記憶の数を、残存保留数とし、
前記変動手段は、
前記第2抽選に対応して、前記変動時間の短い前記変動表示である短時間変動を行い、
前記残存保留数が0である前記第2抽選に対応して、予め定められた確率で、前記変動時間の長い前記変動表示である長時間変動を行うこと、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載された弾球遊技機において、
前記変動手段は、
前記残存保留数がM(Mは、1以上N-2以下のいずれか1つの整数)である前記第2抽選に対応して、予め定められた第1確率で、前記長時間変動である第1長時間変動を行い、
前記残存保留数が0である前記第2抽選に対応して、前記第1確率よりも低い第2確率で、前記長時間変動である第2長時間変動を行うこと、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項3】
請求項2に記載された弾球遊技機において、
前記第1長時間変動の実行中、前記第2始動口への遊技球の進入が生じると、該進入により該第1長時間変動の終了後に行われる前記大当り遊技の総ラウンド数を示す演出を行う演出手段と、
さらに備えることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載された弾球遊技機において、
前記第2始動口は、普通電動役物として構成されており、
遊技球が普図領域に進入したことに起因して普図抽選を行い、前記普図抽選で当選すると前記第2始動口を開放する普図遊技を行う手段であって、前記普図遊技は、1個の遊技球が前記第2始動口に進入すると終了する普図手段をさらに備え、
前記小当り遊技にて開放された前記特定大入賞口に進入した遊技球は、容易に前記特定領域に進入し、
前記第2抽選では、前記小当りと前記大当りとに当選可能であり、前記第2抽選で前記小当りになる確率は、前記第2抽選で前記大当りになる確率、及び、前記第2抽選で当選しない確率よりも高く、
前記残存保留数が0である前記第2抽選に対応して前記長時間変動が行われる確率は、該第2抽選に対応して前記短時間変動が行われる確率よりも低く、
前記短時間変動の前記変動時間の長さは、該短時間変動中に前記第2始動口への入球が困難となるよう調整されており、
前記長時間変動の前記変動時間の長さは、該長時間変動中に前記第2始動口への入球が可能となるよう調整されていること、
を特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、1種2種混合機と呼ばれる種類の弾球遊技機が知られている。1種2種混合機では、大入賞口に入球した遊技球が進入可能な特定領域が設けられており、大当り抽選にて小当りが発生すると、大入賞口を開放する小当り遊技が行われ、小当り遊技にて遊技球が特定領域に進入すると、大当り遊技が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-23560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、様々なタイプの1種2種混合機が提案されているが、独自性や目新しさが薄れてきていた。
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、興趣のある1種2種混合機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の弾球遊技機は、第1、第2始動口と、1又は複数の大入賞口とが設けられており、大入賞口のうちの少なくとも1つは、入球した遊技球が特定領域に進入可能な特定大入賞口として構成されている弾球遊技機であって、第1、第2始動口への遊技球の進入に起因して第1、第2保留記憶を生成する保留記憶手段と、第1、第2保留記憶に基づく抽選を行い、第2保留記憶に基づく抽選である第2抽選では小当りに当選可能である抽選手段と、変動時間にわたり特図の変動表示を行うことで抽選の結果を報知する変動手段と、小当りになると、特定大入賞口を開放する小当り遊技を行う小当り遊技手段と、小当り遊技にて特定大入賞口に進入した遊技球が特定領域に進入するか、又は、抽選で大当りになると、複数のラウンドにわたって大入賞口を開放する大当り遊技を行う大当り遊技手段と、大当り遊技の終了後、第2始動口への入球が容易になる特典状態に移行すると共に、特典状態中、予め定められた回数にわたり第2抽選が行われると、特典状態を終了する特典手段と、を備え、保留記憶手段は、最大でN個の第2保留記憶を生成し、第2抽選が行われる第2保留記憶よりも後に生じた第2保留記憶の数を、残存保留数とし、変動手段は、第2抽選に対応して、変動時間の短い変動表示である短時間変動を行い、残存保留数が0である第2抽選に対応して、予め定められた確率で、変動時間の長い変動表示である長時間変動を行う。
【0006】
上記構成によれば、第2始動口への進入が容易になる特典状態中は、第2始動口の狙い打ちがされる。このため、特典状態に移行すると、第2抽選(換言すれば、第2保留記憶)に起因して大当り遊技が行われ、その後、再び特典状態に移行するという遊技が繰り返され得る。しかし、第2抽選に対応する変動表示が短時間変動である場合には第2保留記憶が生じ難く、大当り遊技が行われないため、特典状態中、短時間変動ばかりが行われている場合には、第2抽選の残存保留数は0になる。一方、長時間変動の実行中は第2保留記憶が発生し易くなる。残存保留数が0の第2抽選の変動表示は長時間変動となる場合があり、遊技者は、該第2抽選の変動表示で長時間変動を獲得することで、特典状態を継続させ、多くの出玉を獲得できる。したがって、興趣のある1種2種混合機を提供できる。
【0007】
なお、請求項2に記載されているように、変動手段は、残存保留数がM(Mは、1以上N-2以下のいずれか1つの整数)である第2抽選に対応して、予め定められた第1確率で、長時間変動である第1長時間変動を行い、残存保留数が0である第2抽選に対応して、第1確率よりも低い第2確率で、長時間変動である第2長時間変動を行っても良い。
上記構成によれば、残存保留数が0の第2抽選の変動表示は、第2長時間変動となる場合がある。そして、第2長時間変動の間、M+1個以上の第2保留記憶が生じると、残存保留数がMの第2抽選が行われ、該第2抽選の変動表示は、残存保留数が0の場合よりも高い確率で第1長時間変動となる。その後、該第1長時間変動の間にM個以上の第2保留記憶を獲得すると、再び第1長時間変動を獲得可能となり、再び獲得した第1長時間変動の間、同様にしてさらに第1長時間変動を獲得する可能性もある。
【0008】
つまり、一旦、第2長時間変動の実行中にM+1個以上の第2保留記憶を獲得すると、第1長時間変動を繰り返し獲得するサイクルが発生し得る。そして、該サイクルに突入することで、大当り遊技が繰り返し発生し、多くの賞球を獲得可能となる。また、仮に第1長時間変動の間にM個未満の第2保留記憶しか獲得できなくても、その後に残存保留数が0の第2抽選が行われ、第2長時間変動が行われる可能性がある。このため、上記サイクルに突入するチャンスが存在する。したがって、興趣のある1種2種混合機を提供できる。
【0009】
また、請求項3に記載されているように、第1長時間変動の実行中、第2始動口への遊技球の進入が生じると、該進入により該第1長時間変動の終了後に行われる大当り遊技の総ラウンド数を示す演出を行う演出手段をさらに備えていても良い。
上記構成によれば、第1長時間変動中、新たに大当り遊技を獲得する度に、該大当り遊技の総ラウンド数が示されるため、遊技者に対し、第1長時間変動中に獲得した利益の大きさを、大当り遊技の回数ではなく、ラウンド数の総和として把握させることができる。このため、第1長時間変動後には、第1長時間変動中に獲得したラウンドがまとめて付与されるような印象を与えることができ、第1長時間変動後に行われる複数の大当り遊技を、1つの大当り遊技であるかのように見せる演出を好適に行うことが可能となる。
【0010】
また、請求項4に記載されているように、第2始動口は、普通電動役物として構成されており、遊技球が普図領域に進入したことに起因して普図抽選を行い、普図抽選で当選すると第2始動口を開放する普図遊技を行う手段であって、普図遊技は、1個の遊技球が第2始動口に進入すると終了する普図手段をさらに備え、小当り遊技にて開放された特定大入賞口に進入した遊技球は、容易に前記特定領域に進入し、第2抽選では、小当りと大当りとに当選可能であり、第2抽選で小当りになる確率は、第2抽選で大当りになる確率、及び、第2抽選で当選しない確率よりも高く、残存保留数が0である第2抽選に対応して長時間変動が行われる確率は、該第2抽選に対応して短時間変動が行われる確率よりも低く、短時間変動の変動時間の長さは、該短時間変動中に第2始動口への入球が困難となるよう調整されており、長時間変動の変動時間の長さは、該長時間変動中に第2始動口への入球が可能となるよう調整されていても良い。
【0011】
上記構成によれば、興趣のある1種2種混合機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】パチンコ機の正面図である。
図2】遊技盤の正面図である。
図3】振分役物の正面図である。
図4】パチンコ機の裏面図である。
図5】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図6図6(a)は、大当り抽選の確率等を示す表であり、図6(b)は、第2特図の変動時間を示す表であり、図6(c)は、普図抽選の当選確率等を示す表である。
図7】電サポ中の遊技の説明図である。
図8】メインルーチンのフローチャートである。
図9】始動入賞確認処理のフローチャートである。
図10】当否判定処理のフローチャートである。
図11】当否判定処理のフローチャートである。
図12】当否判定処理のフローチャートである。
図13】特別遊技処理のフローチャートである。
図14】特別遊技処理のフローチャートである。
図15】特別遊技処理のフローチャートである。
図16】特別遊技処理のフローチャートである。
図17】役物当り検出処理のフローチャートである。
図18】演出画面の説明図である。
図19】演出画面の説明図、及び、特典の名称を示す表である。
図20】ラウンド演出処理のフローチャートである。
図21】連続大当り演出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、本実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠70が、外枠51に対し開閉可能に保持される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠70に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
【0014】
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0015】
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,精算表示装置59が設けられている。
【0016】
また、図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着される。センターケース5の直下には、第1始動口11が設置され、第1始動口11への遊技球の入球に起因して、第1特別図柄(第1特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選(換言すれば、当否判定)が行われる。第1始動口11は、左打ち(センターケース5の左側を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(左打ち領域)に配置されており、常時遊技球が入球可能な通常始動口として構成されている。第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶として記憶される。なお、本実施形態では、一例として、最大4個の第1保留記憶が生成され得る。そして、第1保留記憶に基づき大当り抽選が行われると共に、第1特図の変動表示により、該大当り抽選の結果が報知される。
【0017】
センターケース5に向かって右横には、普図領域を形成する普通図柄作動ゲート22が設置されている。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、保留記憶として記憶されると共に、保留記憶された乱数に基づく当否判定(普図抽選)が行われる。なお、本実施形態では、一例として、最大で4個の普通図柄の保留記憶が生成される。また、普通図柄作動ゲート22は、右打ち(センターケース5の右側を狙い打つこと)により発射された遊技球が主に流下する領域(右打ち領域)に位置する。
【0018】
普通図柄作動ゲート22の真下には、第2始動口12が設置されている。第2始動口12は、右打ち領域に位置し、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特別図柄(以後、第2特図とも記載)に対応する複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。なお、本実施形態では、一例として、最大4個の第2保留記憶が生成され得る。そして、第2保留記憶に基づき大当り抽選が行われると共に、第2特別図柄(第2特図とも記載)の変動表示により、該大当り抽選の結果が報知される。また、第2始動口12は、翼片により開閉される普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は規制部材41に阻害され、第2始動口12に入球できない構成となっている。なお、翼片が開放していない場合にも、稀に第2始動口12に入球可能な構成としても良い。第2始動口12である普通電動役物は、普図抽選の当選に起因して行われる普図遊技の際に開放され、開放時には右打ちされた遊技球の入球が容易になる。
【0019】
第2始動口12の左下、換言すれば、センターケース5の下方には、特別電動役物からなる第1大入賞口20及び第2大入賞口21が、上下に並んで配置されている。第1及び第2大入賞口20,21は、右打ち領域に位置し、第2大入賞口21は第1大入賞口20の上側に位置する。また、普通図柄作動ゲート22、第2始動口12、及び、第1並びに第2大入賞口20,21は、右打ち領域に位置する。第1大入賞口20は、大当り遊技(換言すれば、特別遊技)の際に開放され、第2大入賞口21は、小当り遊技の際に開放される。
【0020】
第1始動口11の左方には、一般入賞口25,26,27が配置されていると共に、第2始動口12の下方(換言すれば、第1及び第2大入賞口20,21の右方)には、一般入賞口28が配置されており、これらは、常時遊技球が入球可能に構成されている。
第1始動口11の下方には、特定領域106を有する振分役物100(図3参照)が配置されている。この振分役物100には、第2大入賞口21へ入賞した全ての遊技球が誘導される。すなわち、振分役物100の内側上部にはワープ出口103が設けられており、第2大入賞口21に入球した全ての遊技球は、ワープ通路16を通過してワープ出口103に向かい、ワープ出口103から振分役物100内に流入する。ワープ出口103の下方には開閉動作が可能な一対の可動片105が設けられており、通常時は、図3の(a)に示すように閉状態で停止している。さらに、可動片105の下方には、入球可能な3穴106,107を備えた回転体110が配設され、常時一定速度で同一方向に回転動作を行っている。この回転体110の3穴106,107の内、Vで示した一つが特定領域106となる。
【0021】
詳細は後述するが、大当り抽選で小当りに当選し、小当り遊技が行われると、第2大入賞口21が開放される。一対の可動片105は、小当り遊技の際、所定回数にわたって開閉動作を行い、最終的に閉状態に変化する。可動片105と特定領域106との間に回転体110が配置されていることにより、可動片105が開状態であれば特定領域106への入球は可能となるが、回転体110の形状や動作が異なれば特定領域106への入球率は容易にも困難にもなる。また、回転体110等を用いた振分を行わず、左右の可動片105の間を遊技球が下方に落下すれば特定領域106に入球する構成とすれば、可動片105が開状態であれば特定領域106への入球は容易となり、可動片105が開状態となる時間設定(開状態と閉状態とを交互に行う間欠動作を行う場合の開状態の時間設定)により特定領域106への入球が困難にも容易にもなる。
【0022】
小当り遊技の際、第2大入賞口21に遊技球が入球すると、図3(a)に示すように可動片105が閉状態であれば、ワープ出口103から振分役物100に流入した遊技球は閉状態の可動片105よりも下方には流下できずハズレ口104に転動し、そのまま遊技盤裏面に排出される。
しかし、図3(b)に示すように可動片105が開状態であれば、ワープ出口103から開状態の可動片105の間を通り一対の支えピン108の間まで落下する。落下した遊技球は、回転体110の回転位置により、回転体110の側面と一対の支えピン108とで構成される待機位置に停留し、3穴106,107のいずれかの穴が真上に向けて開く位置まで回転するとその穴に入球する。既に待機位置に遊技球が待機している時に、可動片105間を遊技球が落下してくると、待機中の遊技球はそのままで、落下してきた遊技球は左右のいずれかに転動しハズレ口109から遊技盤裏面に排出される。
【0023】
図3(c)に示すように、遊技球が回転体110のV(特定領域106)穴に入球すると、後述する特定領域スイッチ106aに検出され、後述する役物当りが発生して大当り遊技が行われる。一方、遊技球がハズレ穴107に入球すると特定領域スイッチ106aに検出されることなく遊技盤裏面に排出される。
なお、本実施形態では、一例として、小当り遊技中、第2大入賞口21に入球した遊技球がほぼ確実に(換言すれば、容易に)特定領域106に進入するように、可動片105及び回転体110が動作する。このため、大当り抽選で小当りが発生すると、実質的に役物当りが発生する構成となっている。
【0024】
遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置23及び第2特図保留数表示装置24が設置されている。また、該領域には、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。普通図柄表示装置7は、普図抽選が行われると普通図柄の変動表示を行い、いずれかの普通図柄を停止表示させることで、普図抽選の結果を報知する。
【0025】
センターケース5には、中央に演出図柄表示装置6のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘(図示されているのはその一部)が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
【0026】
図4にパチンコ機50の裏側を示す。パチンコ機50の裏側には、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(図4に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71,タンクレール72,払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、本実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
【0027】
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83,発射制御装置84,電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置84,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、図4では発射制御装置84が記載されていないが、発射制御装置84は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータ87へ送られる。
【0028】
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80,払出制御装置81,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83のいずれもCPU,ROM,RAM,入力ポート,出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84,電源基板85にはCPU,ROM,RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU,ROM,RAM等を設けてもよい。
【0029】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普通図柄作動ゲート22に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW22a、一般入賞口25~28に入球した遊技球を検出する入賞口SW25a等からの検出信号が入力される。また、この他にも、第1大入賞口20に入球した遊技球を計数するための第1カウントSW20a、第2大入賞口21に入球した遊技球を計数するための第2カウントSW21a、特定領域106への遊技球の進入を検出する特定領域SW106a等からの検出信号が入力される。
【0030】
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9,第2特別図柄表示装置10,第1特図保留数表示装置23,第2特図保留数表示装置24,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
【0031】
さらに、主制御装置80は、第1大入賞口ソレノイド20bを制御することで第1大入賞口20の開閉を制御し、第2大入賞口ソレノイド21bを制御することで第2大入賞口21の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。また、主制御装置80は、可動片ソレノイド105aを制御することで可動片105を制御し、回転体モータ110bを制御することで回転体110を制御する。
【0032】
また、主制御装置80には、設定表示装置80aと、RAMクリアSW80bと、設定キーSW80cとが設けられている。設定表示装置80a、RAMクリアSW80b、及び、設定キーSW80cは、遊技者による視認や操作が不可能な位置に配置されており、内枠を開放することで、これらの視認及び操作が可能となる。
設定表示装置80aは、7セグメントLED表示器等を有する。詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機50は、複数の設定値のうちの1つを選択する設定変更機能を備えており、選択された設定値に応じて大当り抽選で大当り(以後、図柄当りとも記載)となる確率を段階的に変更可能となっている。設定表示装置80aは、現在の設定値を表示する。なお、設定表示装置80aを設けない構成としても良い。しかし、本実施形態のパチンコ機50では、一例として、設定変更機能が無効となっており、1段階の設定値のみを選択可能となっているため、大当り抽選で図柄当りとなる確率を変更できない。無論、設定変更機能を有効とし、複数の設定値のうちのいずれかを設定可能としても良い。
【0033】
また、RAMクリアSW80bは、主制御装置80のRAMを初期化(クリア)するためのスイッチである。また、RAMクリアSW80bは、設定値の変更(以後、設定変更とも記載)にも用いられる。
また、設定キーSW80cは、設定キーを挿入可能な部位である。設定キーSW80cは、ON状態とOFF状態とを有し、設定キーを設定キーSW80cに挿入して回すことで、ON状態とOFF状態との切り替えが可能となる。設定キーSW80cがON状態である場合に、大当りの設定変更が可能となる。
【0034】
また、主制御装置80は、現在の設定値を記憶するための図示しない不揮発性メモリ(例えば、EEPROM)を備える。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0035】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ30を稼働させて賞球を払い出させる。本実施形態においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW31の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも、主制御装置80と払出制御装置81に払出SW31の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0036】
なお、払出制御装置81は、ガラス枠閉鎖SW45,内枠閉鎖SW46,球切れSW33,払出SW31,満杯SW32からの信号が入力され、満杯SW32により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW33により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ30を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW32,球切れSW33も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ30の駆動を再開させる。
【0037】
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板34を介してCRユニット56と交信することで払出モータ30を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW31に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板34は、精算表示装置59とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置59には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
【0038】
発射制御装置84は、発射モータ40を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW38からのタッチ信号、発射停止SW39から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW39を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0039】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。一方、サブ統合制御装置83から主制御装置80への送信は、不可能となっている。
【0040】
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ65を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67およびジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67を押した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。遊技者がジョグダイヤル68を回転させた際には、その回転方向や回転速度を示す信号がサブ統合制御装置83に入力される。サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
【0041】
また、サブ統合制御装置83には、触覚を介して遊技者に刺激を与える触覚デバイス69が接続されている。触覚デバイス69は、パチンコ機50における遊技者の体の一部と接触又は近接する部位に設けられる。具体的には、触覚デバイス69は、例えば、発射ハンドル64や、演出ボタン67や、ジョグダイヤル68等といった操作部に設けられても良い。
【0042】
そして、触覚デバイス69は、アクチュエータにより当該触覚デバイス69が設けられた部位を振動させることで、該部位に接触している遊技者の体の一部を振動させても良い。また、触覚デバイス69は、例えば、アクチュエータにより構成要素を突出させることで、該部位に接触又は近接する遊技者の体の一部を押圧しても良い。この他にも、触覚デバイス69は、例えば、該部位に接触又は近接する遊技者の体の一部に向けて風を吹き出すことで、触覚を介して遊技者に刺激を与えても良い。
【0043】
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄の変動表示(図柄演出)等の演出画面を表示させる。
なお、本実施形態のパチンコ機50は、機外に賞球を払出す構成となっているが、所定数の遊技球を機内に封入し、発射した遊技球を遊技機内で回収して循環的に使用することで遊技を行う封入式遊技機としても、何ら問題なく本発明の効果を発揮する。
【0044】
[動作について]
(1)概要
本実施形態のパチンコ機50は、所謂1種2種混合機として構成されている。すなわち、図6(a)に示すように、第1始動口11への入球に起因して行われる第1特図の大当り抽選(以後、第1抽選)では、図柄当りに当選し、第2始動口12への入球に起因して行われる第2特図の大当り抽選(以後、第2抽選)では、図柄当りと小当りとに当選する。一例として、第1及び第2抽選における図柄当りの確率は1/300であり、第2抽選における小当りの確率は299/300である。つまり、第2抽選では、ほぼ確実に小当りが発生する構成となっている。無論、これに限らず、第2抽選にて低確率でハズレが発生するようにしても良い。
【0045】
小当りが発生すると、所定回数及び所定期間(一例として、2回,1.5秒間)にわたって第2大入賞口21を開放する小当り遊技が行われる。小当り遊技の際、振分役物100の可動片105は、所定のパターンで開閉動作を行う。本実施形態では、一例として、可動片105は、0.2秒間開放,0.5秒間閉鎖という開閉動作を繰り返し行う。そして、小当り遊技の際、遊技球が特定領域106に進入すると(以後、V入賞とも記載)、大当りが発生する。以後、該大当りを、役物当りとも記載する。なお、本実施形態では、小当り遊技中に第2大入賞口21が狙い打ちされると、ほぼ確実にV入賞が生じる。つまり、小当りが発生すると、ほぼ確実に役物当りが発生する。
【0046】
図柄当り又は役物当りが発生すると、複数のラウンドにわたって第1大入賞口20を開放する大当り遊技が行われる。具体的には、一例として、第1抽選で図柄当りとなった場合には、総ラウンド数が5Rの大当り遊技が行われ、第2抽選で図柄当りとなった場合には、総ラウンド数が10Rの大当り遊技が行われる。また、役物当りにより行われる大当り遊技の総ラウンド数は、50%の確率で4R、40%の確率で7R、10%の確率で10Rに割り振られる。但し、役物当りにより行われる大当り遊技の総ラウンド数は、小当り遊技による第2大入賞口21の開放が1ラウンド目としてカウントされる。このため、該大当り遊技の実際のラウンド数の合計は、総ラウンド数-1回となる。
【0047】
また、図柄当り及び小当りが生じた際に変動表示において確定表示される特図を、当り図柄と記載する。パチンコ機50は、第1又は第2抽選での図柄当りに対応して、少なくとも1種類の当り図柄(以後、大当り図柄とも記載)が設けられていると共に、第2抽選での小当りに対応して、複数の種類の当り図柄(以後、小当り図柄とも記載)が設けられている。そして、役物当りにより行われる大当り遊技の総ラウンド数は、該役物当りが生じた小当り遊技の要因である小当りにおける小当り図柄に応じて定められても良い。
【0048】
この他にも、例えば、第2抽選において、図柄当りが生じない構成としても良い。また、第1抽選にて小当りが生じるようにすると共に、第1及び第2抽選において、図柄当りが生じない構成としても良い。また、第1抽選での小当りに起因して電サポに移行した場合には、第1抽選での大当りに起因した場合に比べ、残存保留数が0の第2抽選(詳細は後述する)において、より高い確率で第2長時間変動が付与されるようにしても良い。
【0049】
(2)特典状態について
本実施形態のパチンコ機50は、図柄当りによる大当り遊技が終了すると、一例として100%の確率で、遊技状態が特典状態に移行し、役物当りによる大当り遊技が終了した場合(換言すれば、小当りが生じた場合)には、一例として80%の確率で特典状態に移行する(図6(a)参照)。なお、役物当りにより特典状態に移行するか否かは、該役物当りに対応する小当りにおける小当り図柄に応じて定められても良い。また、図柄当りが生じた場合においても通常状態に移行し得るようにしても良い。
【0050】
そして、特典状態は、予め定められた継続回数の大当り抽選が行われると終了し、遊技状態が通常状態に移行する。本実施形態では、一例として、特典状態中、1回の第2抽選が行われるか、又は、4回の第1抽選が行われると、特典状態が終了する。しかし、特典状態の継続回数は、これに限らず、適宜定められ得る。
また、特典状態中には、開放延長機能(換言すれば、電サポ機能)が作動し、通常状態に比べ、第2始動口12への入球頻度が増加する(換言すれば、第2始動口12への入球が容易になる)。以後、特典状態のことを電サポとも記載する。また、特典状態中は、時短機能が作動し、第2特図の変動表示の継続時間(以後、変動時間)の平均値が、通常状態中よりも短縮される。そして、特典状態中、第2特図の変動表示の変動時間は、該変動表示に対応する大当り抽選の結果(換言すれば、当り図柄)に基づき定められる。また、パチンコ機50は、最大4個の第2保留記憶を生成可能となっており、第2抽選が行われた直後には0~3個の第2保留記憶が存在し得る。そして、第2特図の変動表示の変動時間は、該変動表示に対応する第2抽選が行われた直後の第2保留記憶の数(以後、残存保留数)に応じて決定される。なお、残存保留数とは、換言すれば、第2特図の変動表示の開始時に存在する第2保留記憶の数に相当する。また、換言すれば、残存保留数とは、第2抽選が行われる第2保留記憶よりも後に生じた第2保留記憶の数を意味する。
【0051】
具体的には、図6(b)に示すように、第2抽選で図柄当りが生じる場合の変動表示は、プレミアム変動として構成されており、プレミアム変動は、特典状態に設定され得る最も長い変動時間(一例として、2分)を有する。なお、プレミアム変動は、残存保留数が所定数(例えば、2個)以下の場合に発生するようにしても良い。こうすることにより、プレミアム変動の実行中に新たな第2保留記憶を多く獲得でき、プレミアム変動の変動時間を有効に使用できる。
【0052】
また、例えば、第2特図の図柄当りに対し複数の種類の大当り図柄が設けられている場合には、一部の種類の大当り図柄が確定表示される場合にプレミアム変動が付与されても良い。また、例えば、第2特図の図柄当りにより、総ラウンド数の異なる複数の種類の大当り遊技が行われ得る場合には、総ラウンド数が最大である大当り遊技が行われる図柄当りに対応する変動表示として、プレミアム変動が付与されても良い。一方、図柄当りに対応する第2特図の変動表示がプレミアム変動とならない場合には、該変動表示として、例えば、長時間変動(一例として、変動時間は30秒)が付与されても良いし、小当りの場合と同様、残存保留数に応じて変動時間が決定されても良い。また、図柄当りに起因して移行した電サポ中に生じた第2保留記憶に対応する第2抽選の変動時間として、プレミアム変動が付与されても良い。
【0053】
一方、第2抽選で小当りが生じる場合、以下のように第2特図の変動時間が決定される。すなわち、残存保留数が2又は3であれば、第2特図の変動表示は、100%の確率で短時間変動(一例として、変動時間は1秒)となる。また、残存保留数が1であれば、第2特図の変動表示は、第1確率(一例として、100%)で第1長時間変動(一例として、変動時間は1分)となる。また、残存保留数が0であれば、第2特図の変動表示は、第2確率(一例として、20%)の確率で第2長時間変動(一例として、変動時間は30秒)になる。なお、これらの変動表示が第1又は第2長時間変動とならない場合には、該変動表示は短時間変動となる。
【0054】
なお、第1確率は、100%未満であっても良いが、高い確率(例えば、100%を若干下回る程度の確率)であるのが望ましい。また、第1確率は第2確率よりも大きいのは、言うまでもない。また、残存保留数が0又は1である場合における第2特図の変動時間の選択は、例えば、該変動表示における小当り図柄の種類に応じて決定されても良いし、抽選により決定されても良い。そして、該場合において第2長時間変動が選択されるときは、第2抽選では特典状態に移行する小当りが生じても良い。
【0055】
また、例えば、残存保留数が1又は0である第2特図の変動表示として、上述したプレミアム変動が付与されても良い。また、例えば、残存保留数が1である第2抽選にて図柄当りが生じた場合には、該第2抽選に対応してプレミアム変動が付与されても良い。
また、短時間変動は、当該短時間変動の実行中に、普図遊技により開放された第2始動口12への入球が生じるのが困難(換言すれば、実質的に不可能)になるよう、変動時間や実行タイミングが定められる。具体的には、例えば、短時間変動は、普図遊技の実行時期と重複しない時期に実行されても良い。つまり、短時間変動は、普図遊技で第2始動口12が閉鎖された後、次の普図遊技で第2始動口12が開放されるまでの期間に実行されるよう、開始タイミングや変動時間が調整されていても良い。
【0056】
また、第1及び第2長時間変動の変動時間は、当該第1及び第2長時間変動の実行中に、普図遊技により開放された第2始動口12への入球が生じるのが可能となるように、変動時間や実行タイミングが定められる。なお、第1長時間変動の実行中には、第2長時間変動の実行中に比べ、より容易に普図遊技により開放された第2始動口12への入球が生じるのが好適である。このため、本実施形態では、第1長時間変動の変動時間は、第2長時間変動の変動時間よりも長い。しかし、これに限らず、第1及び第2長時間変動の変動時間は、同一であっても良い。
【0057】
(3)普図抽選について
図6(c)に示すように、普図抽選での当選確率は、一例として、1/10である。また、普図抽選に対応して行われる普通図柄の変動表示における変動時間は、一例として、当選時は5秒であり、ハズレ時は2秒となる。また、特典状態中の普図遊技では、第2始動口12の1秒間の開放が2回にわたって行われるのに対し、通常状態中の普図遊技では、第2始動口12の0.2秒間の開放が1回行われる。また、特典状態中、普図抽選での当選確率は通常状態と同一であるが、通常状態に比べ、普図抽選での当選確率が増加しても良い。
【0058】
また、1回の普図遊技により第2始動口12に入球可能な遊技球の数は、1個に制限される。具体的には、例えば、普図遊技中、第2始動口12への最初の入球が生じると、第2始動口12を直ちに閉鎖しても良い。また、例えば、普図遊技中、最初の入球により第2始動口12を閉鎖しつつ、第2始動口12に2個以上の遊技球が入球した場合には、2番目以降の遊技球の入球を無効とし、該遊技球をカウントしないようにしても良い。この他にも、第2始動口12を、普図遊技中に2個以上の入球が生じない構造としても良い。
【0059】
(4)遊技の進行について
本実施形態のパチンコ機50では、通常状態中、遊技者は、左打ちにより第1始動口11への入球を狙い、第1抽選での図柄当りを目指す。そして、第1抽選で図柄当り(以後、初当りとも記載)が生じると、大当り遊技後に電サポに移行する。電サポ中、遊技者は右打ちを行い、遊技球が普通図柄作動ゲート22を通過すると、普図抽選が行われる。そして、普図抽選で当選(以後、普図当り)すると、普図遊技により第2始動口12が開放され、ほぼ確実に第2始動口12に遊技球が入球して第2保留記憶が生じ、その後、第2保留記憶が消化されて第2抽選が行われる。なお、本実実施形態では、右打ちを行っていれば、普図遊技中にほぼ確実に第2始動口12への入球が生じ、第2抽選が行われる。つまり、普図当りが生じれば、ほぼ確実に第2保留記憶が発生する。
【0060】
すなわち、図7に示すように、初当りにより電サポに移行した時には、第2保留記憶の数は0であるため、普図当りを狙う遊技1Aが行われる。そして、普図当りが生じると、第2始動口12への入球が発生し、残存保留数が0の第2抽選1Bが行われる。
上述したように、残存保留数が0の第2抽選に対応する第2特図の変動表示は、短時間変動1C又は第2長時間変動(以後、チャンスタイムとも記載)2Aとなる。短時間変動1Cが付与された場合、該第2抽選に起因する大当り遊技1Dが行われ、その後、再度電サポが付与される場合には、再び普図当りを狙う遊技1Aが行われ、そうでない場合には、電サポが終了して通常状態に移行する。
【0061】
一方、チャンスタイム2Aが付与された場合、チャンスタイム2Aではより多くの第2保留記憶を獲得することが望まれるため、チャンスタイム2A中は普図当りを狙う遊技が行われる。そして、チャンスタイム2A中に獲得した第2保留記憶の数に応じて、遊技の進行が異なるものとなる。
すなわち、チャンスタイム2Aに生じた第2保留記憶の数が0個の場合、大当り遊技1Dが行われ、その後、電サポが継続するか又は終了する。
【0062】
また、チャンスタイム2Aに生じた第2保留記憶の数が1個の場合、大当り遊技2Bが行われた後、再び、残存保留数が0の第2抽選1Bが行われる。このため、遊技者は、再びチャンスタイム2Aを獲得するチャンスがある。
また、チャンスタイム2Aに生じた第2保留記憶の数が2個の場合、大当り遊技2Cが行われた後、残存保留数が1の第2抽選2Dが行われる。上述したように、該第2抽選2Dに対応する第2特図の変動表示は、第1長時間変動(以後、ストックタイムとも記載)3Aとなっており、該第2抽選2Dが行われることでストックタイム3Aに移行する。
【0063】
また、チャンスタイム2Aに生じた第2保留記憶の数が3~4個の場合、チャンスタイム2A後の期間2Eでは、大当り遊技が行われた後、残存保留数が2~3の第2抽選(短時間変動)が行われる。つまり、期間2Eでは、1又は2個の第2保留記憶が消化されると共に、該消化に対応する大当り遊技が行われる。そして、期間2Eの後には、残存保留数が1の第2抽選2Dが行われ、ストックタイム3Aに移行する。以後、チャンスタイム2Aの次に移行するストックタイム3Aを、最初のストックタイム3Aとも記載する。
【0064】
ストックタイム3Aでは、より多くの第2保留記憶を獲得することが望まれるため、ストックタイム3A中には普図当りを狙う遊技が行われる。そして、ストックタイム3Aに生じた第2保留記憶の数に応じて、遊技の進行が異なるものとなる。
すなわち、ストックタイム3Aに生じた第2保留記憶の数が0個の場合、大当り遊技3Bが行われ、その後、残存保留数が0の第2抽選1Bが行われる。このため、遊技者は、チャンスタイム2Aに移行するチャンスを有しており、チャンスタイム2Aに再びストックタイム3Aを獲得する可能性がある。
【0065】
また、ストックタイム3Aに生じた第2保留記憶の数が1個の場合、大当り遊技3Cが行われた後、再び、残存保留数が1の第2抽選3Dが行われ、再びストックタイム3Aに移行する。以後、最初ストックタイム3Aの後に移行するストックタイム3Aを、2回目以降のストックタイム3Aとも記載する。
また、ストックタイム3Aに生じた第2保留記憶の数が2~3個の場合、ストックタイム3A後の開放期間3Eでは、大当り遊技が行われた後、残存保留数が2~3の第2抽選(短時間変動)が行われる。つまり、開放期間3Eでは、1又は2個の第2保留記憶が消化されると共に、該消化に対応する大当り遊技が行われる。そして、開放期間3Eの後には、残存保留数が1の第2抽選3Dが行われ、2回目以降のストックタイム3Aに移行する。
【0066】
つまり、電サポ開始後、最初にチャンスタイム2Aを獲得し、チャンスタイム2Aにて2個以上の第2保留記憶を獲得すると、最初のストックタイム3Aに移行する。そして、ストックタイム3Aに1個以上の第2保留記憶を獲得すると再びストックタイム3Aに移行可能となっており、一旦ストックタイム3Aに移行すれば、ストックタイム3Aを繰り返し獲得するサイクルが発生し得る。該サイクルに突入することで、大当り遊技が繰り返し発生し、多くの賞球を獲得可能となる。
【0067】
また、仮にストックタイム3Aにて第2保留記憶を獲得できなかったとしても、再びチャンスタイム2Aに移行し、チャンスタイム2A後に最初のストックタイム3Aに移行する可能性がある。また、チャンスタイム2Aに移行しなかった場合や、チャンスタイム2Aにて第2保留記憶を獲得できなかった場合であっても、大当り遊技後に電サポが継続していれば、再び残存保留数が0の第2抽選1Bが行われるため、チャンスタイム2Aに移行するチャンスが残される。
【0068】
なお、残存保留数が1である第2抽選に対応する変動表示は必ず短時間変動となり、第1長時間変動は付与されない構成としても良い。つまり、ストックタイム3Aを設けない構成としても良い。このような構成を有する場合であっても、遊技者は、残存保留数が0である第2抽選にてチャンスタイム2Aを獲得し、チャンスタイム2A中に第2保留記憶を獲得することで、多くの賞球を獲得することができる。
【0069】
(5)メインルーチンについて
次に、この遊技進行を実現する処理について説明する。まず、図8にパチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンを示す。このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動されるが、2ms以外の割り込み周期で起動しても良い。
S10では、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:yes)、S20に移行し、否定判定が得られた場合には(S10:no)、S15にてCPUやI/O等の初期設定を行い、S70に移行する。S10で肯定判定が得られた場合には、初期値乱数の更新(S20)、大当り決定用乱数の更新(S25)、大当り図柄決定用乱数の更新(S30)、当り決定用乱数の更新(S35)、リーチ判定用乱数の更新(S40)、変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
【0070】
そして、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理(S50)と、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理(S55)と、サブ統合制御装置83等にデータ及びコマンドを送信し、また、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理(S60)と、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理(S65)とを行う。
【0071】
これ以外にも、遊技球の普通図柄作動ゲート22の通過に起因して普図抽選に用いられる各種乱数を抽出し、保留記憶として記憶する処理が行われる。なお、普図抽選の保留記憶の生成時には、抽出された乱数に基づく普図抽選の結果を示す先読みコマンドや、保留記憶の数を示すコマンドがサブ統合制御装置83に送信される。また、該保留記憶に基づき普図抽選等を行う普図当否判定処理が行われる。普図当否判定処理では、普図抽選が行われると、普図の変動表示が行われると共に、普図の変動表示の変動時間や、該変動表示にて確定表示される普図等を示すコマンドがサブ統合制御装置83に送信される。また、普図抽選での当選に応じて普通電動役物(第2始動口12)を開放する普図遊技を行う普図遊技処理等が行われる。また、当否判定処理に続いて、大当り遊技を行うための大当り遊技処理が行われる。そして、S70では、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
【0072】
(6)始動入賞確認処理について
次に、主制御装置80が実行する始動口入賞確認処理について、図9に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。
S100では、第1始動口SW11aの検出信号に基づき、第1始動口11への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は、S105に処理を移行し、第1特図についての保留記憶の数が最大値(一例として4)か否かを判定する。否定判定の場合は(S105:no)、S110に処理を移行する。
【0073】
S110では、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、図柄演出でリーチとなるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を、第1特図についての保留記憶として記憶し、現在の第1特図の保留記憶数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信すると共に、S115に処理を移行する。なお、S110では、抽出した乱数が特定値であるか否かを判定することで、新たに生じた保留記憶により図柄当りや小当りが生じるか否かや、図柄当りや小当りに起因して行われる大当り遊技の総ラウンド数や、図柄演出にて期待度の高い演出(例えば、SPリーチ)が生じるか否かを判定する先読み判定が行われる。そして、先読み判定の結果を示す先読みコマンドがサブ統合制御装置83に送信される。また、S100が否定判定された場合またはS105が肯定判定された場合もS115に移行する。
【0074】
S115では、第2始動口SW12aの検出信号に基づき、第2始動口12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S115:yes)、S120に処理を移行し、第2特図についての保留記憶の数が、最大値(一例として4)か否かを判定する。否定判定の場合は(S120:no)、S125に処理を移行する。
S125で行なう処理は、S110にて第1特図に関して行なった処理を第2特図に関して行なうものである。そして、抽出した乱数を、第2特図についての保留記憶として記憶し、現在の第2特図の保留記憶数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信すると共に、当処理を終了する。なお、S125では、抽出した乱数が特定値であるか否かを判定することで、上述した先読み判定が行われると共に、先読み判定の結果を示す先読みコマンドがサブ統合制御装置83に送信される。また、S120が肯定判定された場合も当処理を終了する。
【0075】
(7)当否判定処理について
次に、主制御装置80が実行する当否判定処理について、図10~12に記載のフローチャートを用いて説明する。
当否判定処理を開始すると、特別電動役物が作動中か否か、すなわち、大当り遊技及び小当り遊技のうちのいずれかが実行中か否かを判定し(S200)、肯定判定なら(S200:yes)、特別遊技処理に移行し、大当り遊技中でなければ(S200:no)、第1又は第2特図が変動中か否かを判定し(S203)、変動中でなければ(S203:no)、第1又は第2特図の確定図柄表示中であるか否か判定し(S205)、確定表示中でなければ(S205:no)、第2保留記憶が有るか否か判定し(S208)、否定判定なら(S208:no)、第1保留記憶が有るか否か判定し(S210)、否定判定なら(S210:no)特別遊技処理に移行し、S208、又はS210が肯定判定なら(S208:yes,S210:yes)、S213に進む。このS208とS210の判定順序により、第2保留記憶の大当り抽選が優先的に実施される。
【0076】
続くS213では、判定対象となる第1又は第2保留記憶のシフト処理を行う。これにより最も古い第1又は第2保留記憶を大当り抽選の対象とするとともに、保留記憶数を示す第1又は第2保留記憶カウンタから1を減算する。
S213に続いては、大当り抽選の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数の値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S215)。これにより、該保留記憶が消化され、該保留記憶に基づく大当り抽選が行われる。
【0077】
続くS218では、大当り判定用乱数の比較処理(S215)の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する。肯定判定なら(S218:yes)、大当り(換言すれば、図柄当り)が生じたものとして、図柄モード設定処理を行う(S220)。図柄モード設定処理では、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。続いて、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S223)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)と大当り図柄との関連付けを行うために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定図柄を決定する処理となる。
【0078】
次にS220で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S225)。モードバッファは大当り抽選時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する開放延長フラグ(電サポ中であることを示すフラグ)をクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(電サポへの移行の有無や継続期間)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
【0079】
次に、S220で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる第1大入賞口20の開放パターンの設定処理を行う(S235)。続いて、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10、及び演出図柄表示装置6に表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S238)。第1特図の変動表示についての変動パターン(換言すれば、変動時間)は、大当り抽選の対象となった第1保留記憶に係るリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて決定される。一方、第2特図の変動表示についての変動パターンは、上述したように、残存保留数や、当り図柄や、大当り抽選の結果等に基づいて決定される。なお、第1特図の変動時間が長い場合には、該大当り抽選に対応して行われる後述する図柄演出において、SPリーチ等といった期待度の高いリーチ演出が発生しても良い。また、第1特図に対応する保留記憶数が3個以上である場合等には、そうでない場合に比べて変動時間が短縮されても良い。
【0080】
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信する(S240)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0081】
S218が否定判定なら(S218:no)、判定の対象が第2保留記憶であれば、S215の比較処理の結果が小当りであるか否か判定し(S228)、肯定判定なら(S228:yes)、特図の種類、遊技状態、及び小当り図柄決定用乱数に基づいて確定図柄となる小当り図柄を選択し(S230)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S235)、小当り遊技における第2大入賞口21の開放パターンと可動片105の動作を設定する。その後、小当り図柄に対応する前述した変動パターン選択処理を行い(S238)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S240)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に基づいた第1又は第2特図に対応した演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9、又は、第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0082】
S228が否定判定なら(S228:no)、確定図柄となるハズレ図柄を選択し(S233)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S238)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置83へ送信する(S240)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に基づいた演出図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0083】
そして、S240の実行後、特別遊技処理に移行する。
次に、S203が肯定判定、即ち、特別図柄の変動中であれば(S203:yes)、図11のS243に進み、特別図柄の変動時間が経過したか否か判定する。否定判定なら(S243:no)特別遊技処理に移行し、肯定判断なら(S243:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御してS223、S230、又はS233で選択した確定図柄を確定表示させる(S245)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82に予め選択されていた演出図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して演出図柄を確定表示させる。これにより、第1又は第2特別図柄と、演出図柄表示装置6に表示される演出図柄の変動の開始と終了とが同じタイミングになる(同期する)。
【0084】
S245に続いては、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10で確定表示させた第1又は第2特別図柄が、図柄当りの場合に表示される大当り図柄か否か判定し(S248)、肯定判定なら(S248:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S250)、開放延長フラグが1か否か判定し(S253)、肯定判定なら(S253:yes)、開放延長フラグをクリアし(S255)、S255、又はS253の否定判定(S253:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S258)と、役物連続作動装置作動開始処理(S260)を行い、大当りフラグをセットし(S263)、大当り演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S265)。
【0085】
一方、S248が否定判定、即ち、確定図柄が大当りでなければ(S248:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行う(S268)。そして、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10で確定表示させた第1又は第2特別図柄が、小当り図柄か否か(換言すれば、小当りが発生したか否か)を判定する(S270)。小当りの場合(S270:yes)、小当り遊技の内容を設定すると共に(S273)、小当りフラグをセットする(S275)。そして、小当り開始演出を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信し(S278)、S280に移行する。一方、小当りでない場合(S270:no)、S280に移行する。
【0086】
続くS280では、開放延長フラグが1か否か(換言すれば、電サポ中か否か)を判定し、肯定判定の場合(S280:yes)、電サポの継続期間をカウントするための開放延長カウンタをデクリメントし(S282)、S286に移行する。なお、本実施形態では、第1特図に対応する開放延長カウンタと、第2特図に対応する開放延長カウンタとが設けられている。そして、S282では、変動表示が行われた特図に対応する開放延長カウンタが更新される。一方、開放延長フラグが0の場合(S280:no)、S286に移行する。
【0087】
S286では、開放延長カウンタが0か否かを判定し、肯定判定の場合には(S286:yes)、S288に移行し、否定判定の場合には(S286:no)、S292に移行する。S288では、開放延長フラグをクリアして電サポを終了し、続くS290では、電サポ終了を通知するコマンドをサブ統合制御装置83に送信し、S292に移行する。
【0088】
S292では、上記処理の結果に基づく遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、特別遊技処理に移行する。
図10に戻り、S205が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S205:yes)、図12のS294に進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し、否定判定なら(S294:no)特別遊技処理に移行し、肯定判定なら(S294:yes)、確定図柄表示終了処理(S296)を行い、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を制御して特図の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置83に演出図柄の確定表示を終了させる指示信号を送信して特別遊技処理に移行する。
【0089】
(8)特別遊技処理について
次に、主制御装置80が当否判定処理に続いて実行する特別遊技処理について、図13~16に記載のフローチャートを用いて説明する。
S300にて、条件装置が未作動、即ち、大当り遊技中ではないか否か判定する。肯定判定なら(S300:yes)、小当り遊技中か否か判定し(S302)、否定判定なら(S302:no)リターンし、肯定判定なら(S302:yes)、小当り開始演出中か否か判定し(S304)、肯定判定なら(S304:yes)、小当り開始演出の終了時間か否か判定する(S306)。S306が否定判定なら(S306:no)リターンし、肯定判定なら(S306:yes)、第2大入賞口21を開放する小当り開放処理(S308)を行い、特定領域有効フラグをセットし(S310)、可動片ソレノイド105aの動作を開始させ(S312)本処理をリターンする。
【0090】
S304が否定判定なら(S304:no)、小当り動作中(第2大入賞口21の開放中)か否か判定し(S314)、肯定判定なら(S314:yes)、第2カウントスイッチ21aの検出球数(第2大入賞口21への入球数)が所定数(一例として、10個)未満か否か判定し(S322)、否定判定なら(S322:no)、小当り遊技としての第2大入賞口21の開放時間が終了したか否か判定し(S324)、否定判定なら(S324:no)リターンする。S322が肯定判定、又はS324が肯定判定なら(S322:yes、S324:yes)、第2大入賞口21の閉鎖処理を行い(S326)、小当り終了演出処理を行い(S328)リターンする。なお、第2大入賞口21の閉鎖処理の際には、特定領域106の有効時間の終了後に、特定領域有効フラグをクリアすると共に、可動片ソレノイド105aの動作を停止させる。
【0091】
S314が否定判定、即ち、小当り遊技となる第2大入賞口21の開放が終了していたなら(S314:no)、小当り終了演出の時間が終了したか否か判定し(S316)、否定判定なら(S316:no)リターンし、肯定判定なら(S316:yes)、小当り遊技終了処理を行い(S318)、小当りフラグをクリアして(S320)リターンする。
【0092】
S300が否定判定、即ち、大当り遊技中であれば(S300:no)、図14のS330に進み、第1大入賞口20及び第2大入賞口21が閉鎖中か否か判定し、肯定判定なら(S330:yes)、大当り開始演出中か否か判定し(S332)、肯定判定なら(S332:yes)、大当り開始演出時間が終了したか否か判定し(S334)、否定判定なら(S334:no)リターンし、肯定判定なら(S334:yes)、第1大入賞口20の開放処理を行って(S336)リターンする。これにより、大当り遊技の初回のラウンド遊技で、第1大入賞口20が開放される。
【0093】
S332が否定判定、即ち、大当り開始演出中ではないなら(S332:no)、開放間インターバル中か否か判定し(S338)、肯定判定なら(S338:yes)、インターバルの終了時間か否か判定し(S340)、否定判定なら(S340:no)リターンし、肯定判定なら(S340:yes)、第1大入賞口20の開放処理を行う(S346)。これにより、大当り遊技の2ラウンド目以降では、常に第1大入賞口20が開放される。
【0094】
S338が否定判定、即ち、第1大入賞口20及び第2大入賞口21は閉鎖中だが、大当り開始演出中でも開放間インターバル中でもないなら(S338:no)、大当り終了演出中か否か判定し(S348)、否定判定なら(S348:no)、サブ統合制御装置83に大当り開始演出を指示するコマンドを送信する大当り開始演出処理を行い(S350)リターンする。一方、肯定判定なら(S348:yes)、図16のS380に移行する。
【0095】
S330が否定判定、即ち、第1大入賞口20が開放中なら(S330:no)、図15のS354に移行し、第1カウントスイッチ20aが遊技球を検出したか否か判定し(S354)、肯定判定なら(S354:yes)、第1カウントスイッチ20aの検出数が10個未満か否か判定する(S356)。
S356が肯定判定、又はS354が否定判定なら(S356:yes、S354:no)、第1大入賞口20の開放時間が終了したか否か判定し(S358)、否定判定なら(S358:no)リターンし、S358が肯定判定、又はS356が否定判定なら(S358:yes、S356:no)、第1大入賞口20の閉鎖処理を行う(S360)。そして、最終ラウンドか否かを判定し(S362)、最終ラウンドである場合には(S362:yes)、サブ統合制御装置83に大当り終了演出を指示するコマンドを送信する大当り終了演出処理を行い(S364)、リターンする。一方、最終ラウンドでない場合には(S362:no)、ラウンド間インターバル処理を行いサブ統合制御装置83にラウンド間インターバル演出を指示するコマンドを送信し(S366)、リターンする。
【0096】
S348が肯定判定である場合に移行する図16のS380は、大当り終了演出の時間が終了したか否か判定し、否定判定なら(S380:no)リターンし、肯定判定なら(S380:yes)、役物連続作動装置の停止処理(S382)、条件装置の作動停止処理(S384)を行い、S225で設定したモードバッファを参照し(S386)、開放延長フラグをセットし(S388)、開放延長カウンタを設定し(S390)、モードバッファをクリアし(S392)、終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S394)、遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S396)、大当りフラグをクリアして(S398)リターンする。
【0097】
(9)役物当り検出処理について
次に、主制御装置80が実行する役物当り検出処理について、図17に記載のフローチャートを用いて説明する。役物当り検出処理は、周期的に実行される。なお、役物当り検出処理は、メインルーチンからコールされても良い。
S400では、特定領域有効フラグがセットされているか否かが判定される。肯定判定の場合には(S400:yes)、S405に移行し、否定判定の場合には(S400:no)、リターンする。S405では、特定領域スイッチ106aが遊技球を検出したか否か判定し、否定判定なら(S405:no)リターンし、肯定判定なら(S405:yes)、小当り図柄を参照し(S410)、参照した小当り図柄の種類に応じてS225と同様のモードバッファ設定処理(S415)を行い、大入賞口の開放パターンの設定を行う役物当り遊技設定処理(S420)を行う。
【0098】
続いて、第2大入賞口21の閉鎖処理を行い(S425)、可動片ソレノイド105bの駆動を停止し(S430)、特定領域有効フラグをクリアし(S435)、小当りフラグをクリアし(S440)、開放延長フラグが1か否か判定し(S445)、肯定判定なら(S445:yes)開放延長フラグをクリアする(S450)。
S450、又はS445の否定判定(S445:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S455)、役物連続作動装置作動開始処理(S460)を行い、大当りフラグをセットし(S465)、大当り開始演出指示コマンドと状態指示コマンドとをサブ統合制御装置83に送信し(S470、S475)リターンする。なお、大当り開始演出指示コマンドは、役物当りにより大当り遊技が開始されること(換言すれば、V入賞が生じたこと)を示すと共に、大当り遊技の総ラウンド数や第2大入賞口21の開放パターン等を示しても良い。
【0099】
(10)演出について
パチンコ機50のサブ統合制御装置83は、主制御装置80からのコマンドに従い、演出図柄表示装置6の演出画面等を介して各種演出を行う。演出では、例えば、遊技の進行状況が示されたり、大当り抽選の結果が示唆又は報知されたりする。具体的には、これらの演出として、例えば、図柄演出や、保留演出や、予告演出や、先読み演出や、大当り演出等が行われても良い。
【0100】
図柄演出は、演出図柄の変動表示を行った後に演出図柄を確定表示させ、確定表示された演出図柄の組合せにより、大当り抽選や普図抽選の結果を報知する。図柄演出では、例えばリーチを発生させたりすることで、当該図柄演出にて結果が報知される大当り抽選で大当り又は小当り(以後、単に当りとも記載)となることの期待度(換言すれば、確率)や、普図抽選で当選する期待度が相対的に高いことが示される。なお、本実施形態では、リーチの形態として、少なくともノーマルリーチとSPリーチとが設けられており、SPリーチはノーマルリーチよりも高い期待度を示す。また、本実施形態では、通常状態中には、大当り抽選に対応する図柄演出が行われ、電サポ中には、大当り抽選と普図抽選とに対応する図柄演出が行われる。
【0101】
また、保留演出は、保留記憶に対応して保留図柄を表示したり、大当り抽選に対応する図柄演出中、該大当り抽選が行われた保留記憶に対応する変動中図柄を表示したりする演出である。なお、普図の保留記憶や普図抽選に対応して、同様にして、保留演出を行っても良い。
また、先読み演出は、先読みコマンドに基づき、該先読みコマンドに対応する保留記憶に基づく大当り抽選や普図抽選で当りになることの期待度を示す演出である。
【0102】
また、予告演出は、図柄演出と共に実行され、図柄演出により大当り抽選や普図抽選の結果が報知される前に、これらの抽選の期待度を示す。
また、大当り演出は、大当り遊技の実行中に行われ、大当り遊技の総ラウンド数や、現在のラウンド数等を示す。
(11)電サポ中の演出
(A)電サポの開始時等の演出
電サポの開始時のように、第2保留記憶の数が0であり、普図当りを狙う遊技1A(図7参照)が行われる場合には、演出画面500では、主制御装置80からのコマンドに基づき、普図の変動表示に並行して、普図抽選の結果を報知するための図柄演出510が行われる(図18(a)参照)。この時、普図の保留記憶の数を示す保留演出等が行われても良い。そして、普図当りが生じて第2抽選が行われると、演出画面500の隅にて、普図抽選に対応する図柄演出510よりも目立たない態様で、第2特図の変動表示に対応する図柄演出520が行われる(図18(b)参照)。なお、第2特図の図柄演出520では、大当りが生じた場合のみならず、小当りが生じた場合でも、同一の演出図柄が並んで表示されても良い。
【0103】
(B)チャンスタイムの演出
チャンスタイム2A中においても、普図抽選の図柄演出510が行われると共に、チャンスタイム2A中に行われている第2特図の第2長時間変動に対応する特図の図柄演出520が行われる(図18(c)参照)。また、この時、演出画面500には、例えば、文字や背景画像等により、チャンスタイム2A中である旨や、チャンスタイム2A中に2個の第2保留記憶が発生するとストックタイム3Aに移行する旨が示される。また、チャンスタイム2Aの終了時には、ストックタイム3Aの獲得に成功した場合であれば演出画面500にその旨が示されても良いし、失敗した場合であれば、図18(d)に示すように、演出画面500にその旨が示されても良い。
【0104】
(C)ストックタイムの演出
ストックタイム3A中においても、普図抽選の図柄演出510が行われると共に、ストックタイム3A中に行われている第2特図の第1長時間変動に対応する特図の図柄演出520が行われる(図18(e)参照)。
また、チャンスタイム2Aの次に移行する最初のストックタイム3Aには、次のストックタイム3Aまでに実行される大当り遊技(以後、ストックされている大当り遊技)の総ラウンド数の合算値(以後、ストック数)を示すラウンド演出530が行われる。具体的には、ストック数とは、最初のストックタイム3Aに行われている第1長時間変動に対応する第2抽選により行われる大当り遊技の総ラウンド数と、最初のストックタイム3Aに生じた第2保留記憶のうち、次のストックタイム3Aまでに消化される第2保留記憶に基づく第2抽選に起因する大当り遊技の総ラウンド数との総和を意味する。
【0105】
一例として、本実施形態のラウンド演出530では、1ラウンドに対応する表示要素531が設けられており、ストック数と同数の表示要素531が演出画面500に表示される。このため、最初のストックタイム3Aの開始時のラウンド演出530では、該ストックタイム3Aに対応する第2抽選により行われる大当り遊技の総ラウンド数と同数の表示要素531が表示される。そして、第2保留記憶が新たに生成されると、該第2保留記憶に起因して行われる大当り遊技の総ラウンド数と同数の表示要素531が、演出画面500に追加表示される。このため、第2保留記憶が新たに生成されると、新たなラウンド数が上乗せされるように見せる演出がなされる。なお、第2保留記憶の生成時には、新たに追加された大当り遊技の総ラウンド数532をさらに表示しても良い。
【0106】
なお、ラウンド演出530では、例えば、当該ラウンド演出530の開始時や第2保留記憶の発生時に、主制御装置80からのコマンドに基づき算出される本来のストック数よりも少ない数の表示要素531を表示しても良い。そして、予め定められたタイミングで表示要素531を追加表示することで、本来のストック数を示しても良い。こうすることにより、大当り遊技のラウンド数が上乗せされたように見せることができ、遊技者を喜ばせることができる。
【0107】
また、ラウンド演出530では、例えば、ストック数に替えて又は加えて、ストックされている大当り遊技により付与され得る賞球の総数を表示しても良い。なお、該賞球の総数は、ストック数に基づき算出されたものであっても良い。
また、チャンスタイム中においてもラウンド演出530を行い、第2保留記憶が生成される度に、チャンスタイム終了後、次のチャンスタイム又はストックタイムまでに行われる大当り遊技の総ラウンド数と同数の表示要素531を表示しても良い。
【0108】
(D)ストックタイム終了後の演出
最初のストックタイム3Aが終了すると、ストックされている大当り遊技が実行され(以後、ストック開放とも記載)、該大当り遊技に対応して連続大当り演出が行われる。なお、複数の大当り遊技がストックされる場合があるが、このような場合であっても、連続大当り演出は、これらの大当り遊技に対応する一連の演出として構成される。
【0109】
すなわち、連続大当り演出では、当該連続大当り演出中に行われた1又は複数の大当り遊技のラウンドの総数(以後、消化ラウンド数)540が表示される(図18(f)参照)。つまり、連続大当り演出の開始後、最初のラウンドが開始される際には、例えば、消化ラウンド数540として1を表示することで、最初のラウンドが消化される旨が示される。その後、ストックされている大当り遊技のラウンドが消化される度に、消化ラウンド数540が更新(例えば、インクリメント)される。また、連続大当り演出中に複数の大当り遊技が行われる場合、これらの大当り遊技が全て終了した時点には、これらの大当り遊技の総ラウンド数の合算値が消化ラウンド数540として表示される。これにより、ストックされた複数の大当り遊技を、1つの大当り遊技であるかのように見せることができる。また、連続大当り演出では、ストック数と同数の表示要素531が表示され、ラウンドの開始と共に、1つの表示要素531が消去される。つまり、表示要素531の数により、ストック数の残りが示される。
【0110】
なお、これに限らず、連続大当り演出では、消化ラウンド数540に替えて又は加えて、当該連続大当り演出の開始後に遊技者に付与された賞球の総数を表示しても良い。なお、該賞球の総数は、消化ラウンド数に基づき算出されたものであっても良い。
また、連続大当り演出では、消化ラウンド数に応じた特典の名称541が表示される。具体的には、例えば、図19(c)に示すように、消化ラウンド数が10R以下の場合には、特典の名称541を戦ボーナス、11~20Rの場合には、特典の名称541を狂ボーナス、21~30Rの場合には、特典の名称541を戦極ボーナスとしても良い。この他にも、連続大当り演出での特典の名称541は、例えば、ストック開放の開始時におけるストック数に応じて決定されても良い。
【0111】
そして、最初のストックタイム3Aにて1個以上の第2保留記憶が発生した場合、2回目以降のストックタイム3Aが行われるが、連続大当り演出は、2回目以降のストックタイム3Aの開始後も継続する。また、2回目以降のストックタイム3Aには、連続大当り演出と共に上述したラウンド演出530が行われる。つまり、連続大当り演出は、ストックタイム3Aが繰り返し到来するサイクルの間は継続し、該サイクルの終了を契機に終了する。
【0112】
2回目以降のストックタイム3Aに行われるラウンド演出530では、すでに終了した各ストックタイム3Aでのストック数と、現在のストックタイム3Aでのストック数との総和が示される(図19(a)参照)。すなわち、該ラウンド演出530の開始時には、終了した各ストックタイム3Aでのストック数の総和と同数の表示要素531と、現在のストックタイム3Aに対応する第2抽選により行われる大当り遊技の総ラウンド数と同数の表示要素531とが同様にして表示される。そして、第2保留記憶が新たに生成される度に、該第2保留記憶に起因して行われる大当り遊技の総ラウンド数と同数の表示要素531が演出画面500に追加表示される。
【0113】
また、2回目以降のストックタイム3A後のストック開放中には、連続大当り演出では、同様にして消化ラウンド数540が表示される。消化ラウンド数540は、前回のストック開放の終了時の消化ラウンド数540をベースにカウントされ、今回のストック開放で最初のラウンドが開始されると、該消化ラウンド数540がインクリメントされ、以後、同様にして消化ラウンド数540が更新される。つまり、消化ラウンド数540は、連続大当り演出の開始時から継続的にカウントされたものであり、連続大当り演出の開始後に消化されたラウンドの総数を示す。また、2回目以降のストックタイム3Aの終了後のストック開放中の連続大当り演出においても、同様にして、消化ラウンド数に応じて特典の名称541が変化する。
【0114】
そして、ストックされている大当り遊技が全て終了し、再び2回目以降のストックタイム3Aに移行する場合や、該ストックタイム3Aの後のストック開放時も、同様にして連続大当り演出が継続する。このため、連続大当り演出では、ストックタイム3Aを跨いで行われる複数の大当り遊技が、1つの大当り遊技であるかのように見せる演出が行われる。
【0115】
なお、これに限らず、連続大当り演出は、各ストックタイム3Aの終了後のストック開放に対応して行われても良い。つまり、連続大当り演出は、1回のストックタイム3Aでストックされた1又は複数の大当り遊技を、1つの大当り遊技であるかのように見せる演出として構成されていても良い。
(D)電サポ終了時の大当り演出
第2保留記憶が0の状態で大当り遊技1Dが行われた場合には、大当り遊技1Dの終了後に再び電サポに移行すれば、遊技者に有利な状態が継続するが、大当り遊技1Dの終了後に通常状態に移行した場合には、遊技者に有利な状態は終了する。このため、該大当り遊技1Dに対応する大当り演出では、大当り遊技1D終了後に電サポが継続することの期待感を煽る演出が行われる。具体的には、図19(b)に示すように、該大当り演出では、現在のラウンド数等に加え、主人公550と敵551との戦いが行われ、戦いの状況により、大当り遊技1Dの終了後に電サポが継続するかどうかが示唆されても良い。
【0116】
(12)ラウンド演出処理について
次に、ストックタイム3Aに行われるラウンド演出処理を実行するラウンド演出処理について、図20のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83により定期的に実行される。
S600では、サブ統合制御装置83は、ストックタイム3Aであるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S600:Yes)、S605に移行し、否定判定が得られた場合には(S600:No)、本処理を終了する。
【0117】
S605では、サブ統合制御装置83は、現在のストックタイム3Aの開始直後であるか否かを判定する。なお、ストックタイム3Aの開始後、ラウンド演出530における表示要素531が表示されていなければ、ストックタイム3Aの開始直後とみなしても良い。そして、肯定判定が得られた場合には(S605:Yes)、S610に移行し、否定判定が得られた場合には(S605:No)、S615に移行する。
【0118】
S610では、サブ統合制御装置83は、現在のストックタイム3Aが最初のストックタイム3Aである場合、現在のストックタイム3Aに対応する第2抽選により行われる大当り遊技の総ラウンド数(換言すれば、現在のストック数)と同数の表示要素531を表示する。なお、現在のストック数は、該第2抽選に対応する変動指示コマンド等に基づき把握されても良い。一方、現在のストックタイム3Aが2回目以降のストックタイム3Aである場合には、過去のストックタイム3Aにおける全ストック数と、現在のストック数との総和と同数の表示要素531を表示する。そして、本処理を終了する。
【0119】
S615では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から第2保留記憶に対応する先読みコマンドを受信したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S615:Yes)、S620に移行し、否定判定が得られた場合には(S615:No)、本処理を終了する。
S620では、サブ統合制御装置83は、受信した先読みコマンドに基づき、新たに発生した第2保留記憶により生じる大当り遊技の総ラウンド数をカウントし、該総ラウンド数と同数の表示要素531を演出画面500に追加表示する。そして、本処理を終了する。
【0120】
(13)連続大当り演出処理について
次に、最初のストックタイム3Aの終了後に開始されるに連続大当り演出処理を実行する連続大当り演出処理について、図21フローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83により定期的に実行される。
S700では、サブ統合制御装置83は、最初のストックタイム3Aの終了直後であるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S700:Yes)、S705に移行し、否定判定が得られた場合には(S700:No)、S715に移行する。
【0121】
S705では、サブ統合制御装置83は、連続大当り演出を開始する。また、連続大当り演出で表示される消化ラウンド数に0を設定し(S710)、本処理を終了する。
S715では、サブ統合制御装置83は、連続大当り演出の実行中か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S715:Yes)、S720に移行し、否定判定が得られた場合には(S715:No)、本処理を終了する。
【0122】
S720では、サブ統合制御装置83は、ストックタイム3Aにストックされた大当り遊技が行われるストック開放中か否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S720:Yes)、S725に移行し、否定判定が得られた場合には(S720:No)、本処理を終了する。
S725では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からのコマンドに基づき、大当り遊技のラウンドが開始されるか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S725:Yes)、S730に移行し、否定判定が得られた場合には(S725:No)、本処理を終了する。
【0123】
S730では、サブ統合制御装置83は、連続大当り演出にて表示されている消化ラウンド数をインクリメントする。また、消化ラウンド数が所定数に達した場合には、消化ラウンド数に応じて連続大当り演出で表示されている特典の名称を変更し(S735)、本処理を終了する。
[他の実施形態]
(1)上記実施形態のパチンコ機50では、特典状態の第2特図の継続回数は1回となっており、特典状態中に1回の第2抽選が行われると、特典状態は終了する。しかし、第2特図の継続回数は、2回、又は3回以上であっても良い。さらに、第2抽選でハズレが生じるようにし、特典状態中、ハズレとなる第2抽選の変動表示や、該第2抽選の次の第2抽選の変動表示が、所定の確率で長時間変動となるようにしても良い。こうすることにより、残存保留数が0の第2抽選以外の場合にもチャンスタイムが付与されるようになり、遊技の興趣を高めることができる。
【0124】
(2)上記実施形態では、特典状態中、残存保留数が1である第2抽選に対応する変動表示が、第1長時間変動(換言すれば、ストックタイム)となる。しかしながら、残存保留数が2である第2抽選に対応する変動表示を、ストックタイムとしても良い。また、上記実施形態では、第2保留記憶の数の最大値は4となっている。しかし、該最大値は、3又は5以上の整数であるNであっても良い。そして、この場合、ストックタイムが到来する第2保留の残存保留数であるNは、1以上M-2以下の範囲で決定され得る。このような構成を有する場合であっても、同様の効果が得られる。
【0125】
(3)上記実施形態のパチンコ機50には、第1大入賞口20と、特定領域106が設けられた第2大入賞口21とが設けられている。しかし、パチンコ機50は、第2大入賞口21と同様の構成を有する1つの大入賞口を備えても良い。そして、大当り遊技及び小当り遊技の際には該大入賞口を開放するようにしても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果が得られる。
【0126】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
パチンコ機50が弾球遊技機の一例に相当し、主制御装置80が普図手段の一例に相当する。
また、始動入賞確認処理のS110、S125が、保留記憶手段の一例に相当する。
【0127】
また、当否判定処理のS215が抽選手段の一例に相当し、S240、S245が変動手段の一例に相当し、S288が特典手段の一例に相当する。
また、特別遊技処理のS308、S326が小当り遊技手段の一例に相当し、S336、S346、S360が大当り遊技手段の一例に相当し、S388、S390が特典手段の一例に相当する。
【0128】
また、ラウンド演出処理のS620が、演出手段の一例に相当する。
【符号の説明】
【0129】
1…遊技盤、3…遊技領域、6…演出図柄表示装置、9…第1特別図柄表示装置、10…第2特別図柄表示装置、11…第1始動口、12…第2始動口、20…第1大入賞口、21…第2大入賞口、22…普通図柄作動ゲート、50…パチンコ機、80…主制御装置、82…演出図柄制御装置、83…サブ統合制御装置。
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