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特開2022-123621情報処理装置とその制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123621
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】情報処理装置とその制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04886 20220101AFI20220817BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20220817BHJP
   G06F 3/0338 20130101ALI20220817BHJP
【FI】
G06F3/0488 160
G06F3/0484 120
G06F3/0338 413
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021041
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米森 達也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 航也
(72)【発明者】
【氏名】新田 大地
(72)【発明者】
【氏名】米川 裕貴
【テーマコード(参考)】
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087AB02
5B087AB04
5B087AE09
5B087DD03
5B087DD09
5E555AA11
5E555BA06
5E555BB06
5E555BC18
5E555CA13
5E555CB08
5E555CB12
5E555CB14
5E555CB45
5E555CB52
5E555CB53
5E555CB57
5E555CC05
5E555CC26
5E555DB53
5E555DB56
5E555DC13
5E555DC19
5E555DC53
5E555DC54
5E555DC55
5E555DC58
5E555DC61
5E555DC63
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】従来は、操作用コントロールをタッチパネルの移動対象オブジェクトの近傍に表示しているため、他のオブジェクトを隠してしまい、相互の位置関係を基準にした位置調整を阻害していた。
【解決手段】オブジェクトを表示する画面を有する表示部を有する情報処理装置であって、画面に表示されたオブジェクトを選択して選択状態にし、そのオブジェクトが選択状態になることに応じて前記画面を複数の領域に分割する。そして複数の領域へ分割した後、前記オブジェクトが選択状態で前記画面への指示操作がなされた箇所が、前記複数の領域のいずれの領域に含まれるか判定し、その箇所が含まれると判定された領域が前記画面上で位置している方向に対応する方向に、前記選択状態にあるオブジェクトを前記画面上で所定量移動するように制御する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトを表示する画面を有する表示部を有する情報処理装置であって、
前記画面に表示されたオブジェクトを選択して選択状態にする選択手段と、
前記選択手段により前記オブジェクトが選択状態になることに応じて前記画面を複数の領域に分割する分割手段と、
前記分割手段が前記複数の領域へ分割した後、前記オブジェクトが選択状態で前記画面への指示操作がなされた箇所が、前記複数の領域のいずれの領域に含まれるか判定する判定手段と、
前記判定手段により前記箇所が含まれると判定された領域が前記画面上で位置している方向に対応する方向に、前記選択状態にあるオブジェクトを前記画面上で所定量移動するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記分割手段は、前記選択状態にあるオブジェクトのほぼ中心を通る複数の直線により前記画面を、前記画面上で上下左右の方向に位置する少なくとも4つの領域に分割することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記分割手段は、前記画面の中心を通る複数の直線により前記画面を、前記画面上で上下左右の方向に位置する少なくとも4つの領域に分割することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示部はタッチパネルを有し、
前記選択手段は、前記オブジェクトに対するユーザのロングタッチ操作に応じて当該オブジェクトを選択状態にすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画面への指示操作は、前記タッチパネルに対する短い押下であるタップ操作であることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記分割手段が、前記画面を4よりも多い数の領域に分割した場合、前記判定手段により前記箇所が含まれる判定された領域が前記画面上で位置する方向が斜め方向である場合、前記制御手段は、当該斜め方向に応じて、前記選択状態にあるオブジェクトを、上或いは下方向、および左或いは右方向に前記所定量移動するように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記オブジェクトが前記ロングタッチ操作で選択されている状態で前記画面への指示操作がなされた箇所が、前記複数の領域のいずれの領域に含まれるか判定することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定量移動は、前記画面に表示されている画像の1画素分の移動であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
オブジェクトを表示する画面を有する表示部を有する情報処理装置を制御する制御方法であって、
前記画面に表示されたオブジェクトを選択して選択状態にする選択工程と、
前記選択工程で前記オブジェクトが選択状態になることに応じて前記画面を複数の領域に分割する分割工程と、
前記分割工程で前記複数の領域へ分割された後、前記オブジェクトが選択状態で前記画面への指示操作がなされた箇所が、前記複数の領域のいずれの領域に含まれるか判定する判定工程と、
前記判定工程で前記箇所が含まれると判定された領域が前記画面上で位置している方向に対応する方向に、前記選択状態にあるオブジェクトを前記画面上で所定量移動するように制御する制御工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置とその制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷対象となる画像データの作成および編集のためのアプリケーションプログラムは、画像、図形、テキスト等の複数のオブジェクトを印刷面上にレイアウトする機能を有している。また、このようなアプリケーションプログラムは、オブジェクトを配置した後、そのオブジェクトの位置を変更する機能を有する場合がある。このようなアプリケーションプログラムが、例えばタッチパネルなどの表示部と操作部とを兼ねる形態の情報処理装置上で動作する場合、微小なオブジェクトの位置を変更する際、繊細な操作が必要になる。
【0003】
また、オブジェクトの位置を変更する技術として、特許文献1には、タッチパネル上に上下左右を示す操作用コントロールを表示し、ユーザがそのコントロールをタッチすることでオブジェクト位置を変更できるユーザーインターフェースが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-176241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上記従来技術では、操作用コントロールをタッチパネルの移動対象オブジェクトの近傍に表示しているため、他のオブジェクトを隠してしまい、相互の位置関係を基準にした位置調整を阻害するという課題がある。
【0006】
このような課題を解決するため、例えばタッチパネルの端部に操作用コントロールを表示する専用の領域を設けると、表示領域を狭めてしまうという課題が発生する。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する課題に鑑みてなされたものであり、オブジェクトの微小な位置を変更するときに、オブジェクトへの操作を阻害しないようにする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る情報処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
オブジェクトを表示する画面を有する表示部を有する情報処理装置であって、
前記画面に表示されたオブジェクトを選択して選択状態にする選択手段と、
前記選択手段により前記オブジェクトが選択状態になることに応じて前記画面を複数の領域に分割する分割手段と、
前記分割手段が前記複数の領域へ分割した後、前記オブジェクトが選択状態で前記画面への指示操作がなされた箇所が、前記複数の領域のいずれの領域に含まれるか判定する判定手段と、
前記判定手段により前記箇所が含まれると判定された領域が前記画面上で位置している方向に対応する方向に、前記選択状態にあるオブジェクトを前記画面上で所定量移動するように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、オブジェクトの微小な位置変更時に、その移動操作を阻害しない表示を行うことができる。
【0010】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
図1】本発明の実施形態1に係る情報処理装置のハードウェア構成を説明するブロック図。
図2】本実施形態のアプリケーションにより操作UI部に表示されるGUI画面の一例を示す図。
図3】従来のタッチパネル表示において、オブジェクトの移動操作を行う場合を説明する図。
図4】本実施形態に係るアプリケーションによるオブジェクトを2ステップで移動する手順(1ステップ目)を説明する図。
図5】本実施形態に係るアプリケーションによるオブジェクトを2ステップで移動する手順(2ステップ目)を説明する図。
図6】実施形態に係る情報処理装置が上記アプリケーションを実行して、操作UI部への入力操作の受付から、オブジェクトの移動完了までの処理を説明するフローチャート。
図7】表示領域の分割を、移動対象オブジェクトの中心座標を起点に8つの領域に分割する例を示す図。
図8】表示領域の分割の起点を表示領域の中心座標として例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態1に係る情報処理装置100のハードウェア構成を説明するブロック図である。
【0014】
この情報処理装置100は、例えばスマートフォンであり、本実施形態では、画像データを作成編集可能なアプリケーションにより、印刷対象となる画像データを作成する。CPU101は、情報処理装置100を統括的に制御し、例えば、不揮発メモリ103に記憶された制御プログラムをRAM102に展開して実行することにより、画像データの作成、編集等の処理を制御する。RAM102は、主としてCPU101のワークエリアを提供するメモリである。不揮発メモリ103は、例えばフラッシュメモリやSDメモリなどで、本実施形態の動作を実現するためのアプリケーションプログラム、各種ソフトウェア、基本制御プログラム、各種データ等を記憶する。操作ユーザインターフェース(UI)部105は、各種情報を表示又は入力するための装置であり、例えば、表示部と入力部が一体となるタッチパネル等を含んでいる。情報処理装置100は、スマートフォン以外の形態でも良く、例えば、一般的なPC(パーソナルコンピュータ)やタブレット等の形態であっても良い。また情報処理装置100は、CPU101が実現可能な機能に応じて、図1に示すブロック以外の機能ブロックを適宜有する。
【0015】
本実施形態に係るアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションと呼ぶ)は、例えば、不揮発メモリ103に記憶された制御プログラムの1つであり、ユーザは、このアプリケーションを起動することにより操作UI部105に表示される画面上で、画像データを作成及び編集し、画像データに基づく印刷の実行や外部ストレージへの出力、不揮発メモリ103への保存指示等が可能である。ユーザが印刷実行や外部ストレージへの出力を指示した場合、通信IF部104を介して、対象の装置に送信される。
【0016】
図2は、本実施形態のアプリケーションにより操作UI部105に表示されるGUI(グラフィカルユーザインタフェース)画面の一例を示す図である。
【0017】
画面201は、例えば、操作UI部105のタッチパネルに表示される。図2に示すように、画面201には、メニューバー202、原稿表示領域203が表示される。メニューバー202には、メニュー項目として、例えば、開くファイルや保存するファイルを指定するための「ファイル」、指定オブジェクトを編集するための「編集」、オブジェクトを挿入するための「挿入」、印刷レイアウトを調整するための「レイアウト」が表示される。これらのメニュー項目のうち何れかがユーザにより選択されると、選択した項目毎に定められた機能が実行される。図2では、「ファイル」により指定された文書ファイルの画像204が原稿表示領域203に表示されている。ユーザは、原稿表示領域203上で任意のオブジェクトを配置するなどによって文書ファイル204の編集が可能である。また、メニューバー202上で印刷指示が行われると、原稿表示領域203における表示内容に従って、プリンタでの印刷が行われる。
【0018】
図3は、従来のタッチパネル表示において、オブジェクト301の移動操作を行う場合を説明する図である。尚、図3において、説明を分かりやすくするために、図2と共通する部分を同じ参照番号で示している。
【0019】
ここではオブジェクト301を移動して、オブジェクト301の右端とオブジェクト302と右端とを揃えることを目的とした操作を行う例で示している。ここではまずオブジェクト301を選択状態とし(オブジェクト301を太線の矩形で囲むことで選択状態を表現している)、その選択状態のオブジェクトの微小移動用の矢印キー303が、選択されたオブジェクト301の近傍に表示されている。この状態でユーザは、矢印キー303の右方向の矢印を短い時間押下操作(以降、タップ)することで、選択状態のオブジェクト301が右方向に微小移動する。しかし、図3の例では、オブジェクト同士の配置関係により、オブジェクト302の右端が矢印キー303により隠れてしまっており、目的とした右端を揃えるという操作が困難になってしまっている。
【0020】
図4は、本実施形態に係るアプリケーションによるオブジェクト301を2ステップで移動する手順を説明する図で、ここでは1ステップ目の移動操作時の操作UI部105のタッチパネル画面への操作と表示の一例を説明する図である。
【0021】
ここでは図3と同様に、オブジェクト301を移動してオブジェクト301の右端とオブジェクト302と右端を揃えることを目的とした操作を行う。ユーザは、オブジェクト301をユーザの指401で押下し続ける(以降、ロングタッチ)ことで、オブジェクト301を移動対象オブジェクトに指定する。この操作を契機にして、アプリケーションがオブジェクト301の中心402を起点とし、直線を用いて表示領域204を上下左右の4つの領域に分割する。この際、ユーザへの視覚的補助を目的として2本の領域分割線403,404を表示する。尚、これら2本の領域分割線403,404は、互いに直交し、かつ画面の水平方向に対してほぼ45度の角度を有しているのが望ましい。
【0022】
図5は、本実施形態に係るアプリケーションによるオブジェクト301を2ステップで移動する手順を説明する図で、ここでは2ステップ目の指示操作時の操作UI部105のタッチパネル画面への操作と表示の一例を説明する図である。
【0023】
1ステップ目で行った指401のロングタッチを維持したまま、ユーザが上下左右に分割された領域のうち右領域の任意の座標501に対して指などでタップを行うと、オブジェクト301が右方向に1ピクセル移動する。このようにしてユーザは、指401でロングタッチを行いながら、右領域の任意の座標501へのタップを繰り返し行うことで、オブジェクト301の右方向への1ピクセル単位での移動が繰り返し行われる。こうして、ユーザはオブジェクト301が所望の座標に移動するまでタップを繰り返し、オブジェクト301が所望の位置に到達すると指401によるロングタッチを解除することでオブジェクト301の移動操作完了となる。
【0024】
尚、指401でオブジェクト301をロングタッチした状態で、右領域以外の他の領域にタップすることで、そのタップした箇所が属する領域に対応する方向にオブジェクト301を移動させることができる。例えば、上側の領域にタップするとオブジェクト301を上方向に、下側の領域にタップするとオブジェクト301を下方向に移動させることができる。
【0025】
また上述の実施形態では、指401でオブジェクト301をロングタッチした状態で、移動させたい方向の領域を他の指でタップするとしたが本発明はこれに限定されない。例えば、指401でオブジェクト301をタッチしてオブジェクト301を選択状態とし、その後は指401を離した状態で、移動させたい方向の領域を指でタップすることで移動させるようにしてもよい。この場合のオブジェクト301の選択状態の解除は、オブジェクト301のタップによりなされる。
【0026】
尚、本実施形態に係るアプリケーションでは、図4図5で示す操作法以外にも、オブジェクト301をタップし、続いてオブジェクト301をドラッグアンドドロップ操作することでオブジェクト301を移動させることができる。そのため、通常時の移動操作はドラッグアンドドロップ操作で行い、微小な位置調整を図4図5で示す操作方法で行うような、使い分けを可能とする。
【0027】
図6は、本実施形態に係る情報処理装置100が上記アプリケーションを実行して、操作UI部105への入力操作の受付から、オブジェクトの移動完了までの処理を説明するフローチャートである。図6の処理は、例えば、CPU101が不揮発メモリ103からプログラムをRAM102に読み出して実行することにより実現される。
【0028】
S601でCPU101は、ユーザによる特定オブジェクトへのロングタッチ操作の有無を検知する。特定オブジェクトへのロングタッチを検知した場合はS603に進み、そうでないときはS602に進みCPU101は、対応する処理を実行してS601に進む。S602の処理の例としては、特定オブジェクトへの短い時間の2連続押下処理(以降ダブルタップと表現する)の場合は、表示文字内容の編集モードに移行する等が挙げられる。検知した操作に対応する処理を行った後は、再度S601に進んで、ユーザの操作を検知する状態になる。
【0029】
S603でCPU101は、ロングタッチの対象だったオブジェクトを選択状態にする。本実施形態では、そのオブジェクトを太線の矩形で囲むことで、選択状態のオブジェクトであることを明示する。そしてS604に進みCPU101は、選択状態のオブジェクトの中心座標を起点に90度間隔で上下左右の4つの領域に表示領域203を分割する。また、この分割と同時に分割の境界を目視できる領域分割線402,403を表示領域203に表示する。
【0030】
次にS605に進みCPU101は、選択状態のオブジェクトへのユーザによるロングタッチが維持されているかを判定し、維持されていると判定した場合はS606に進んで、ユーザの次の操作を検知する。S606でCPU101は、タップ操作を検知したときはS607に進む。S606でCPU101は、タップ操作でないと判定したときはその操作を無視してS605に進み、再度、ロングタッチが維持されているか判定する。
【0031】
S607でCPU101は、タップされた座標が、S604で分割したどの領域に属するかを判定する。そしてS608に進みCPU101は、選択状態のオブジェクトをその領域が指す方向へ所定量、例えば1ピクセル(1画素分)だけ移動させる。例えばタップされた座標が上の領域に属する場合は、選択状態のオブジェクトを1ピクセルだけ上方向へ移動させる。S608の処理が実行されると、再びS605に進む。これによりユーザは、選択状態のオブジェクトの移動を繰り返したい場合は、ロングタッチを維持したまま繰り返しタップを行うことにより、所望の方向へ移動させることが可能である。
【0032】
またS605でCPU101は、選択状態のオブジェクトのロングタッチの解除を検知するとS609に進みCPU101は、S604で表示した領域分割線402,403を非表示にして移動完了としてS610に進み、CPU101は、次のユーザの操作を受け付ける状態となってS601に進む。
【0033】
以上説明したように実施形態に係る情報処理装置によれば、オブジェクトの微小な位置移動の操作を阻害しない表示が可能になるという効果がある。
【0034】
また所定量移動するときの所定量を1画素分としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、画面の中心に近い箇所が指示されたときよりも、画面の中心から遠い箇所が指示されたときは、その移動量を1よりも大きい画素分としてもよい。即ち、指示された箇所と画面の中心との距離に応じて、その移動する所定量を大きくしてもよい。
【0035】
尚、本実施形態では、移動方向を決定する表示領域の分割方法を上下左右の4分割として説明したが本発明はこれに限定されない。
【0036】
図7は、表示領域の分割を、移動対象オブジェクトの中心座標を起点に8つの領域に分割する例を示す図である。ここでは4本の領域分割線701~704が表示されている。この場合、上下左右以外の領域については、例えば右上の領域を選択された場合は、右と上に所定量、例えば、1ピクセル(1画素)ずつ移動させるものとする。尚、図7に示す4本の領域分割線701~704は、例えば図4の領域分割線402,403に、画面の垂直及び水平方向の2本の線を加えたものであってもよい。その場合は、隣接する領域分割線同士の角度は45度となる。
【0037】
また上述の実施形態では、移動方向を決定する表示領域の分割の起点を移動対象オブジェクトの中心座標としたが本発明はこれに限定されない。
【0038】
図8は、表示領域の分割の起点を表示領域203の中心座標として例を示す図である。ここでは2本の領域分割線801~802が表示されている。
【0039】
尚、上記実施形態では、ユーザの操作を全てタッチ操作に関するものとして説明したが、一部、ポインティングデバイスによる操作であっても良い。
【0040】
また上述の実施形態では、ロングタッチを維持したままの操作が必要であることから、ユーザの指を二本使用するものとして説明したが、例えば一定時間のロングタッチ後は専用のモードに移行する等して、ロングタッチの維持が必要ない状態とし、指一本のみで可能な操作としても良い。
【0041】
RAM102の記憶媒体はRAMに限らず、例えば、磁気記憶媒体(フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ等)、光ディスク(MDやPD等の光磁気ディスク、CD-ROM,CD-R,CD-RW,DVD-ROM,DVD-RAM、DVD-R,DVD-RAM、DVD-R,DVD-RW,DVD+RW等)、半導体ストレージ、紙テープ、ROM素子などを挙げることができる。
【0042】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0043】
100…情報処理装置、101…CPU、102…RAM、103…不揮発メモリ、105…操作UI部、203…原稿表示領域、303…矢印キー、401…ユーザの指、402…領域分割線(90度単位)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8