IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ブリヂストンの特許一覧

特開2022-123711カバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法
<>
  • 特開-カバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法 図1
  • 特開-カバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法 図2
  • 特開-カバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法 図3
  • 特開-カバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法 図4
  • 特開-カバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法 図5
  • 特開-カバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123711
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】カバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/32 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
B65G15/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021202
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】遠周 宏純
【テーマコード(参考)】
3F024
【Fターム(参考)】
3F024AA19
3F024CA01
3F024CA04
3F024CA08
3F024CB03
3F024CB10
3F024CB13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンベヤベルトを使用等する顧客に有利な外周側カバーゴムの仕様の提案を支援するカバーゴム仕様提案支援システム及びカバーゴム仕様提案支援方法を提供する。
【解決手段】定修間隔に基づき、提案ゴム種からなる提案ゴム厚の外周側カバーゴムを備えた提案コンベヤベルトの最終定修時での外周側カバーゴムの最終定修時残厚をシミュレーション処理で求め、最終定修時残厚が所定最適残厚ではないと判断した場合、最終定修時残厚が所定最適残厚になるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増すように提案ゴム厚を厚くした場合に提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が、所定閾値以下か判断し、第1最大ベルト張力の判断で最大ベルト張力が所定閾値以下と判断した場合、最終定修時残厚が所定最適残厚になるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように提案ゴム厚を厚くする第1ゴム厚増処理を行う構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤベルトの外周側カバーゴムの仕様の顧客への提案を支援する、カバーゴム仕様提案支援システムであって、
入力部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記入力部の操作による、コンベヤベルトの外周側カバーゴムの現在仕様ゴム厚及び現在仕様ゴム種と、定修間隔との入力を、受け付ける、入力受付処理と、
コンベヤベルトの外周側カバーゴムの提案ゴム種を選定する、ゴム種選定処理と、
コンベヤベルトの外周側カバーゴムの提案ゴム厚を選定する、ゴム厚選定処理と、
を行うように構成されており、
前記ゴム厚選定処理において、前記処理部は、
前記現在仕様ゴム厚を、前記提案ゴム厚の初期値に設定する、現在仕様ゴム厚設定処理と、
前記現在仕様ゴム厚設定処理の後に、前記定修間隔に基づき、前記提案ゴム種からなるとともに前記提案ゴム厚を有する外周側カバーゴムを備えた提案コンベヤベルトの最終定修時での前記外周側カバーゴムの残厚である最終定修時残厚を、シミュレーションにより求める、シミュレーション処理と、
前記シミュレーション処理で求めた前記最終定修時残厚が、所定最適残厚であるかを判断する、残厚判断処理と、
前記残厚判断処理において前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚ではないと判断した場合に、前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚になるとともに前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くした場合における前記提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が、所定閾値以下になるかを判断する、第1最大ベルト張力判断処理と、
前記第1最大ベルト張力判断処理において前記最大ベルト張力が前記所定閾値以下になると判断した場合に、前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚になるとともに前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くする、第1ゴム厚増処理と、
を行うように構成されている、カバーゴム仕様提案支援システム。
【請求項2】
前記処理部は、
前記第1最大ベルト張力判断処理において前記最大ベルト張力が前記所定閾値を超えると判断した場合に、前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚になるとともに前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が変わらないように前記提案ゴム厚を薄くする、ゴム厚減処理
をさらに行うように構成されている、請求項1に記載のカバーゴム仕様提案支援システム。
【請求項3】
前記処理部は、
前記残厚判断処理において前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚であると判断した場合に、又は、前記第1ゴム厚増処理の後に、前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くした場合における前記提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が前記所定閾値以下になるかを判断する、第2最大ベルト張力判断処理と、
前記第2最大ベルト張力判断処理において前記最大ベルト張力が前記所定閾値以下になると判断した場合に、前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くする、第2ゴム厚増処理と、
をさらに行うように構成されている、請求項1又は2に記載のカバーゴム仕様提案支援システム。
【請求項4】
記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、外周側カバーゴムのゴム種と、コンベヤベルトを1周稼働させたときの外周側カバーゴムの摩耗量である単位摩耗量と、を対応付けたデータベースを記憶しており、
前記処理部は、前記入力受付処理において、前記入力部の操作による、稼働頻度の入力を、さらに受け付けるようにされており、
前記処理部は、前記シミュレーション処理において、前記データベースにおいて前記提案ゴム種に対応付けられた前記単位摩耗量と、前記定修間隔と、前記稼働頻度とに基づき、前記最終定修時残厚を前記シミュレーションにより求める、請求項1~3のいずれか一項に記載のカバーゴム仕様提案支援システム。
【請求項5】
記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、外周側カバーゴムのゴム種と、搬送物の種類と、コンベヤベルトを1周稼働させたときの外周側カバーゴムの摩耗量である単位摩耗量と、を対応付けたデータベースを記憶しており、
前記処理部は、前記入力受付処理において、前記入力部の操作による、稼働頻度と、搬送物の種類との入力を、さらに受け付けるようにされており、
前記処理部は、前記シミュレーション処理において、前記データベースにおいて前記提案ゴム種と前記入力受付処理において入力を受け付けた搬送物の種類とに対応付けられた前記単位摩耗量と、前記定修間隔と、前記稼働頻度とに基づき、前記最終定修時残厚を前記シミュレーションにより求める、請求項1~3のいずれか一項に記載のカバーゴム仕様提案支援システム。
【請求項6】
記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、
耐カット系ゴム種の一覧である耐カット系ゴム種一覧と、
耐摩耗系ゴム種の一覧である耐摩耗系ゴム種一覧と、
を記憶しており、
前記ゴム種選定処理において、前記処理部は、
コンベヤベルトの外周側カバーゴムにカット傷があるかを判断する、カット傷判断処理と、
前記カット傷判断処理において前記カット傷があると判断した場合に、前記耐カット系ゴム種一覧から前記耐カット系ゴム種を1つ選択し、前記提案ゴム種を、前記選択した前記耐カット系ゴム種に決定する、耐カット系ゴム種決定処理と、
前記カット傷判断処理において前記カット傷がないと判断した場合に、前記現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種が前記耐摩耗系ゴム種一覧にあるかを判断する、耐摩耗系ゴム種判断処理と、
前記耐摩耗系ゴム種判断処理において前記現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種が前記耐摩耗系ゴム種一覧にあると判断した場合に、前記耐摩耗系ゴム種一覧から前記現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種を1つ選択し、前記提案ゴム種を、前記選択した前記耐摩耗系ゴム種に決定する、耐摩耗系ゴム種決定処理と、
前記耐摩耗系ゴム種判断処理において前記現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種が前記耐摩耗系ゴム種一覧にないと判断した場合に、前記提案ゴム種を、前記現在仕様ゴム種に決定する、現在仕様ゴム種決定処理と、
を行うように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のカバーゴム仕様提案支援システム。
【請求項7】
前記処理部は、前記カット傷判断処理において、コンベヤベルトの外周側カバーゴムの画像に基づいて、前記カット傷があるかを判断するようにされている、請求項6に記載のカバーゴム仕様提案支援システム。
【請求項8】
出力部をさらに備え、
前記処理部は、
前記提案ゴム種及び前記提案ゴム厚を前記出力部に出力させる、出力処理
をさらに行うように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のカバーゴム仕様提案支援システム。
【請求項9】
コンベヤベルトの外周側カバーゴムの仕様の顧客への提案を支援する、カバーゴム仕様提案支援システムを用いた、カバーゴム仕様提案支援方法であって、
前記カバーゴム仕様提案支援システムは、
入力部と、
処理部と、
を備え、
前記カバーゴム仕様提案支援方法は、
前記処理部が、前記入力部の操作による、コンベヤベルトの外周側カバーゴムの現在仕様ゴム厚及び現在仕様ゴム種と、定修間隔との入力を、受け付ける、入力受付ステップと、
前記処理部が、コンベヤベルトの外周側カバーゴムの提案ゴム種を選定する、ゴム種選定ステップと、
前記処理部が、コンベヤベルトの外周側カバーゴムの提案ゴム厚を選定する、ゴム厚選定ステップと、
を含み、
前記ゴム厚選定ステップは、
前記処理部が、前記現在仕様ゴム厚を、前記提案ゴム厚の初期値に設定する、現在仕様ゴム厚設定ステップと、
前記処理部が、前記現在仕様ゴム厚設定ステップの後に、前記定修間隔に基づき、前記提案ゴム種からなるとともに前記提案ゴム厚を有する外周側カバーゴムを備えた提案コンベヤベルトの最終定修時での前記外周側カバーゴムの残厚である最終定修時残厚を、シミュレーションにより求める、シミュレーションステップと、
前記処理部が、前記シミュレーションステップで求めた前記最終定修時残厚が、所定最適残厚であるかを判断する、残厚判断ステップと、
前記処理部が、前記残厚判断ステップにおいて前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚ではないと判断した場合に、前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚になるとともに前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くした場合における前記提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が、所定閾値以下になるかを判断する、第1最大ベルト張力判断ステップと、
前記処理部が、前記第1最大ベルト張力判断ステップにおいて前記最大ベルト張力が前記所定閾値以下になると判断した場合に、前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚になるとともに前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くする、第1ゴム厚増ステップと、
を含む、カバーゴム仕様提案支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周側カバーゴム、芯体、及び内周側カバーゴムを備えた、コンベヤベルトがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2014/024777号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、コンベヤベルトを使用等する顧客にとって例えばコスト面等から有利な外周側カバーゴムの仕様の提案をするための手法が十分に確立されていなかった。
【0005】
本発明は、コンベヤベルトを使用等する顧客にとって有利な外周側カバーゴムの仕様の提案を支援することができる、カバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法を、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカバーゴム仕様提案支援システムは、
コンベヤベルトの外周側カバーゴムの仕様の顧客への提案を支援する、カバーゴム仕様提案支援システムであって、
入力部と、
処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記入力部の操作による、コンベヤベルトの外周側カバーゴムの現在仕様ゴム厚及び現在仕様ゴム種と、定修間隔との入力を、受け付ける、入力受付処理と、
コンベヤベルトの外周側カバーゴムの提案ゴム種を選定する、ゴム種選定処理と、
コンベヤベルトの外周側カバーゴムの提案ゴム厚を選定する、ゴム厚選定処理と、
を行うように構成されており、
前記ゴム厚選定処理において、前記処理部は、
前記現在仕様ゴム厚を、前記提案ゴム厚の初期値に設定する、現在仕様ゴム厚設定処理と、
前記現在仕様ゴム厚設定処理の後に、前記定修間隔に基づき、前記提案ゴム種からなるとともに前記提案ゴム厚を有する外周側カバーゴムを備えた提案コンベヤベルトの最終定修時での前記外周側カバーゴムの残厚である最終定修時残厚を、シミュレーションにより求める、シミュレーション処理と、
前記シミュレーション処理で求めた前記最終定修時残厚が、所定最適残厚であるかを判断する、残厚判断処理と、
前記残厚判断処理において前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚ではないと判断した場合に、前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚になるとともに前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くした場合における前記提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が、所定閾値以下になるかを判断する、第1最大ベルト張力判断処理と、
前記第1最大ベルト張力判断処理において前記最大ベルト張力が前記所定閾値以下になると判断した場合に、前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚になるとともに前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くする、第1ゴム厚増処理と、
を行うように構成されている。
本発明のカバーゴム仕様提案支援システムによれば、コンベヤベルトを使用等する顧客にとって有利な外周側カバーゴムの仕様の提案を支援することができる。
【0007】
本発明のカバーゴム仕様提案支援システムにおいて、
前記処理部は、
前記第1最大ベルト張力判断処理において前記最大ベルト張力が前記所定閾値を超えると判断した場合に、前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚になるとともに前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が変わらないように前記提案ゴム厚を薄くする、ゴム厚減処理
をさらに行うように構成されていると、好適である。
これにより、第1最大ベルト張力判断処理において最大ベルト張力が所定閾値を超えると判断した場合であっても、顧客にとって有利な外周側カバーゴムのゴム厚の提案を支援することができる。
【0008】
本発明のカバーゴム仕様提案支援システムにおいて、
前記処理部は、
前記残厚判断処理において前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚であると判断した場合に、又は、前記第1ゴム厚増処理の後に、前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くした場合における前記提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が前記所定閾値以下になるかを判断する、第2最大ベルト張力判断処理と、
前記第2最大ベルト張力判断処理において前記最大ベルト張力が前記所定閾値以下になると判断した場合に、前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くする、第2ゴム厚増処理と、
をさらに行うように構成されていると、好適である。
これにより、顧客にとってさらに有利な外周側カバーゴムのゴム厚の提案を支援することができる。
【0009】
本発明のカバーゴム仕様提案支援システムにおいて、
記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、外周側カバーゴムのゴム種と、コンベヤベルトを1周稼働させたときの外周側カバーゴムの摩耗量である単位摩耗量と、を対応付けたデータベースを記憶しており、
前記処理部は、前記入力受付処理において、前記入力部の操作による、稼働頻度の入力を、さらに受け付けるようにされており、
前記処理部は、前記シミュレーション処理において、前記データベースにおいて前記提案ゴム種に対応付けられた前記単位摩耗量と、前記定修間隔と、前記稼働頻度とに基づき、前記最終定修時残厚を前記シミュレーションにより求めると、好適である。
これにより、最終定修時残厚をより精度よく求めることができる。
【0010】
本発明のカバーゴム仕様提案支援システムにおいて、
記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、外周側カバーゴムのゴム種と、搬送物の種類と、コンベヤベルトを1周稼働させたときの外周側カバーゴムの摩耗量である単位摩耗量と、を対応付けたデータベースを記憶しており、
前記処理部は、前記入力受付処理において、前記入力部の操作による、稼働頻度と、搬送物の種類との入力を、さらに受け付けるようにされており、
前記処理部は、前記シミュレーション処理において、前記データベースにおいて前記提案ゴム種と前記入力受付処理において入力を受け付けた搬送物の種類とに対応付けられた前記単位摩耗量と、前記定修間隔と、前記稼働頻度とに基づき、前記最終定修時残厚を前記シミュレーションにより求めると、好適である。
これにより、最終定修時残厚をさらに精度よく求めることができる。
【0011】
本発明のカバーゴム仕様提案支援システムにおいて、
記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、
耐カット系ゴム種の一覧である耐カット系ゴム種一覧と、
耐摩耗系ゴム種の一覧である耐摩耗系ゴム種一覧と、
を記憶しており、
前記ゴム種選定処理において、前記処理部は、
コンベヤベルトの外周側カバーゴムにカット傷があるかを判断する、カット傷判断処理と、
前記カット傷判断処理において前記カット傷があると判断した場合に、前記耐カット系ゴム種一覧から前記耐カット系ゴム種を1つ選択し、前記提案ゴム種を、前記選択した前記耐カット系ゴム種に決定する、耐カット系ゴム種決定処理と、
前記カット傷判断処理において前記カット傷がないと判断した場合に、前記現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種が前記耐摩耗系ゴム種一覧にあるかを判断する、耐摩耗系ゴム種判断処理と、
前記耐摩耗系ゴム種判断処理において前記現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種が前記耐摩耗系ゴム種一覧にあると判断した場合に、前記耐摩耗系ゴム種一覧から前記現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種を1つ選択し、前記提案ゴム種を、前記選択した前記耐摩耗系ゴム種に決定する、耐摩耗系ゴム種決定処理と、
前記耐摩耗系ゴム種判断処理において前記現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種が前記耐摩耗系ゴム種一覧にないと判断した場合に、前記提案ゴム種を、前記現在仕様ゴム種に決定する、現在仕様ゴム種決定処理と、
を行うように構成されていると、好適である。
これにより、顧客にとってさらに有利な外周側カバーゴムのゴム種の提案を支援することができる。
【0012】
本発明のカバーゴム仕様提案支援システムにおいて、
前記処理部は、前記カット傷判断処理において、コンベヤベルトの外周側カバーゴムの画像に基づいて、前記カット傷があるかを判断するようにされていてもよい。
【0013】
本発明のカバーゴム仕様提案支援システムにおいて、
出力部をさらに備え、
前記処理部は、
前記提案ゴム種及び前記提案ゴム厚を前記出力部に出力させる、出力処理
をさらに行うように構成されていると、好適である。
これにより、ユーザは、提案ゴム種及び提案ゴム厚を把握することができる。
【0014】
本発明のカバーゴム仕様提案支援方法は、
コンベヤベルトの外周側カバーゴムの仕様の顧客への提案を支援する、カバーゴム仕様提案支援システムを用いた、カバーゴム仕様提案支援方法であって、
前記カバーゴム仕様提案支援システムは、
入力部と、
処理部と、
を備え、
前記カバーゴム仕様提案支援方法は、
前記処理部が、前記入力部の操作による、コンベヤベルトの外周側カバーゴムの現在仕様ゴム厚及び現在仕様ゴム種と、定修間隔との入力を、受け付ける、入力受付ステップと、
前記処理部が、コンベヤベルトの外周側カバーゴムの提案ゴム種を選定する、ゴム種選定ステップと、
前記処理部が、コンベヤベルトの外周側カバーゴムの提案ゴム厚を選定する、ゴム厚選定ステップと、
を含み、
前記ゴム厚選定ステップは、
前記処理部が、前記現在仕様ゴム厚を、前記提案ゴム厚の初期値に設定する、現在仕様ゴム厚設定ステップと、
前記処理部が、前記現在仕様ゴム厚設定ステップの後に、前記定修間隔に基づき、前記提案ゴム種からなるとともに前記提案ゴム厚を有する外周側カバーゴムを備えた提案コンベヤベルトの最終定修時での前記外周側カバーゴムの残厚である最終定修時残厚を、シミュレーションにより求める、シミュレーションステップと、
前記処理部が、前記シミュレーションステップで求めた前記最終定修時残厚が、所定最適残厚であるかを判断する、残厚判断ステップと、
前記処理部が、前記残厚判断ステップにおいて前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚ではないと判断した場合に、前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚になるとともに前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くした場合における前記提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が、所定閾値以下になるかを判断する、第1最大ベルト張力判断ステップと、
前記処理部が、前記第1最大ベルト張力判断ステップにおいて前記最大ベルト張力が前記所定閾値以下になると判断した場合に、前記最終定修時残厚が前記所定最適残厚になるとともに前記提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように前記提案ゴム厚を厚くする、第1ゴム厚増ステップと、
を含む。
本発明のカバーゴム仕様提案支援方法によれば、コンベヤベルトを使用等する顧客にとって有利な外周側カバーゴムの仕様の提案を支援することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コンベヤベルトを使用等する顧客にとって有利な外周側カバーゴムの仕様の提案を支援することができる、カバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法を、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るカバーゴム仕様提案支援システムを概略的に示す、ブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係るカバーゴム仕様提案支援方法を示す、フローチャートである。
図3】コンベヤベルトを備えたベルトコンベヤの一例を概略的に示す、概略図である。
図4】コンベヤベルトをベルト幅方向断面とともに概略的に示す、斜視図である。
図5】摩耗が進行した状態におけるコンベヤベルトの幅方向断面を示しており、外周側カバーゴムの残厚について説明するための図面である。
図6】外周側カバーゴムの残厚と時間との関係について説明するための一例のイメージ図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のカバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法は、例えば採鉱現場や建設現場等において様々な搬送物を運搬するために使用されるコンベヤベルトに関し、外周側カバーゴムの仕様(具体的には、ゴム種及びゴム厚)を顧客へ提案するのを支援するために使用されると、好適なものである。
以下、本発明に係るカバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法の実施形態について、図面を参照しながら例示説明する。各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
【0018】
〔コンベヤベルト〕
本発明に係るカバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法の実施形態を説明する前に、まず、図3図5を参照しつつ、コンベヤベルト1の一般的な構成について、説明する。
図3は、コンベヤベルト1を備えたベルトコンベヤ2の一例を、概略的に示している。コンベヤベルト1は、例えば採鉱現場や建設現場等において様々な搬送物を運搬するために使用される。図3のベルトコンベヤ2は、コンベヤベルト1に加え、一対のプーリP1、P2と、ホッパHと、を備えている。コンベヤベルト1は、無端帯状に構成されており、一対のプーリP1、P2の周りに巻き掛けられている。一対のプーリP1、P2は、それぞれ、コンベヤベルト1のベルト幅方向に延在する回転軸の周りで回転可能に構成されている。一対のプーリP1、P2のうち、一方のプーリP1は、ヘッドプーリと呼ばれるものであり、駆動プーリである。一対のプーリP1、P2のうち、他方のプーリP2は、テールプーリと呼ばれるものであり、従動プーリである。これら一対のプーリP1、P2の駆動により、コンベヤベルト1は、ベルト周方向(図3では右回り)に回転される。ベルトコンベヤ2は、これら一対のプーリP1、P2どうしの間においてコンベヤベルト1を支持するように構成された1つ又は複数のローラ(図示せず)を備えていてもよい。
本明細書で説明する各例において、ベルトコンベヤ2は、図示する構成とは異なる任意の構成を有してよい。
【0019】
なお、本明細書においては、コンベヤベルト1の「周方向」、「厚み方向」、「幅方向」、「内周側」、「外周側」を、それぞれ、「ベルト周方向」、「ベルト厚み方向」、「ベルト幅方向」、「ベルト内周側」、「ベルト外周側」ともいう。コンベヤベルト1の「厚み方向(ベルト厚み方向)」は、コンベヤベルト1の「周方向(ベルト周方向)」及び「幅方向(ベルト幅方向)」に対して垂直な方向である。
【0020】
コンベヤベルト1のうち、テールプーリP2からヘッドプーリP1に向かって走行する部分は、キャリア側部分であり、ホッパHから投下された搬送物Mを載せた状態で走行する。コンベヤベルト1のキャリア側部分では、コンベヤベルト1の外周面1oが、鉛直方向上側の面となり、搬送物Mの搬送面となるのに対し、コンベヤベルト1の内周面1iは、鉛直方向下側の面となる。コンベヤベルト1のキャリア側部分は、そのベルト幅方向両側の端部分が上側に向かって曲げられた状態で走行してもよく、それにより、搬送物Mが搬送面からこぼれ落ちるのを抑制することができる。ただし、コンベヤベルト1のキャリア側部分は、ベルト幅方向に沿って略平坦状に展開された状態で走行してもよい。コンベヤベルト1のキャリア側部分によって搬送された搬送物Mは、ヘッドプーリP1の近傍に設けられた荷降ろし部(図示せず)に投下される。
一方、コンベヤベルト1のうち、ヘッドプーリP1からテールプーリP2に向かって走行する部分は、リターン側部分である。コンベヤベルト1のリターン側部分では、その全部又は大部分において、コンベヤベルト1の外周面1oが、鉛直方向下側の面となり、コンベヤベルト1の内周面1iは、鉛直方向上側の面となる。コンベヤベルト1のリターン側部分は、図の例において、コンベヤベルト1のキャリア側部分に対し、鉛直方向下側に位置している。コンベヤベルト1のリターン側部分は、例えば、ベルト幅方向に沿って略平坦状に展開された状態で走行する。
【0021】
図4は、コンベヤベルト1の一部を、ベルト幅方向断面とともに、概略的に示している。
図4に示すように、コンベヤベルト1は、カバーゴム10と、芯体20と、を備えている。
【0022】
カバーゴム10は、ゴムで構成されている。カバーゴム10は、コンベヤベルト1の外表面(外周面1о、内周面1i、及び、一対の側面)を形成している。
【0023】
芯体20は、カバーゴム10に埋設されている。
芯体20は、例えば、図4の例のように、複数のコードを有してもよい。これら複数のコードは、ベルト幅方向に沿って配列されるとともに、それぞれベルト周方向に沿って延在する。これら複数のコードは、互いに同じベルト厚み方向位置に位置する。コードを構成する材料は、例えば、スチール又は有機繊維(ナイロン、ポリエステル、アラミド等からなる繊維)が好適である。1本のコードは、1本の単繊維のみで構成されてもよいし、あるいは、複数本の単繊維が撚られ又は束ねられてなるものでもよい。
芯体20は、複数のコードに加えて又は代えて、有機繊維(ナイロン、ポリエステル、アラミド等からなる繊維)からなる帆布を、1つ又は複数有してもよい。
【0024】
図4に示すように、カバーゴム10のうち、芯体20よりもベルト外周側に位置する部分は、外周側カバーゴム10оであり、カバーゴム10のうち、芯体20よりもベルト内周側に位置する部分は、内周側カバーゴム10iである。
【0025】
図5に概略的に示すように、一般的に、コンベヤベルト1は、稼働時間が長くなるに従い、外周側カバーゴム10оが外周側から徐々に摩耗していく傾向がある。この摩耗は、主に、搬送物MがホッパH(図3)からコンベヤベルト1上に投下される際や、搬送物Mがコンベヤベルト1から荷降ろし部(図示せず)に投下される際に、生じる。コンベヤベルト1が1周するごとにベルト厚み方向においてどれ程の摩耗が外周側カバーゴム10оに生じるかは、主に、外周側カバーゴム10оを構成するゴムの種類(以下、「ゴム種」ともいう。)と、搬送物Mの種類(例えば、鉄鉱石、石炭、土等)と、によって決まる。図5に示すように、外周側カバーゴム10оにおいて、ベルト幅方向中心に近いほど、ベルト厚み方向の摩耗量が多くなる傾向がある。
本明細書では、外周側カバーゴム10оのうち最も薄い部分(通常は、ベルト幅方向中心の部分)における厚みを、「残厚(Q)」(図5)という。
【0026】
コンベヤベルト1に対しては、一般的に、定期的に、定期修繕工事(以下、「定修」ともいう。)が行われる。定期修繕工事では、ベルトコンベヤ2を停止して、コンベヤベルト1の点検や交換が行われる。定期修繕工事を行う間隔(以下、「定修間隔」ともいう。)は、コンベヤベルト1を使用等する顧客等によって、予め決められている。 仮に外周側カバーゴム10оの摩耗が、芯体20が露出するまで進むと、芯体20が摩耗し、コンベヤベルト1が破断するおそれがある。そのため、外周側カバーゴム10оの残厚Qは、所定最適残厚R以上確保されているのが望ましい。したがって、残厚Qが所定最適残厚Rに近くなると、定修時に、コンベヤベルト1を交換するのが望ましい。初期時(新品時)から最終定修時(最終の定修時)までの期間を、コンベヤベルト1の「稼働可能期間」という。
【0027】
〔カバーゴム仕様提案支援システム〕
つぎに、図1を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るカバーゴム仕様提案支援システム3の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るカバーゴム仕様提案支援システム3を概略的に示すブロック図である。カバーゴム仕様提案支援システム3は、コンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оの仕様(具体的には、ゴム種及びゴム厚)を顧客へ提案するのを支援するように、構成されている。
カバーゴム仕様提案支援システム3のユーザは、例えば、コンベヤベルト1の製造メーカーであり得る。顧客は、例えば、コンベヤベルト1を使用等する者である。カバーゴム仕様提案支援システム3のユーザは、顧客が現在使用等しているコンベヤベルト1から新規のコンベヤベルト1に交換する場合に、新規のコンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оの仕様を顧客に提案するために、カバーゴム仕様提案支援システム3を使用等することができる。
【0028】
カバーゴム仕様提案支援システム3は、処理部31と、記憶部33と、入力部32と、出力部34と、を備えている。カバーゴム仕様提案支援システム3は、1つの装置(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、タブレット等)から構成されてもよいし、あるいは、複数の装置から構成されてもよい。
【0029】
処理部31は、記憶部33に記憶されたプログラム331を実行することにより、記憶部33、入力部32、及び出力部34を含む、カバーゴム仕様提案支援システム3の全体を制御するように構成されている。処理部31の具体的な処理については、後述する。
処理部31は、例えばCPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを1つ又は複数含んで構成される。
処理部31と、記憶部33、入力部32、及び出力部34のそれぞれとの間の通信は、有線通信であってもよいし無線通信であってもよい。
【0030】
記憶部33は、処理部31によって実行されるプログラム331を、記憶している。
記憶部33は、例えば、1つ又は複数のROMや1つ又は複数のRAM等から構成される。また、記憶部33は、メモリカード(USB等)のような外部記憶装置から構成されてもよい。また、記憶部33は、処理部31を構成するプロセッサの内部メモリであってもよい。
【0031】
記憶部33は、耐カット系ゴム種一覧332を記憶していると、好適である。耐カット系ゴム種一覧332は、耐カット系ゴム種の一覧である。耐カット系ゴム種は、優れた耐カット性能を有するゴム種である。耐カット系ゴム種は、優れた耐カット性能に加えて、優れた耐摩耗性能を有していてもよい。
【0032】
記憶部33は、耐摩耗系ゴム種一覧333を記憶していると、好適である。耐摩耗系ゴム種一覧333は、耐摩耗系ゴム種の一覧である。耐摩耗系ゴム種は、優れた耐摩耗性能を有するゴム種である。耐摩耗系ゴム種は、優れた耐摩耗性能に加えて、優れ耐カット性能を有していてもよい。
【0033】
記憶部33は、データベース334を記憶していると、好適である。データベース334は、外周側カバーゴム10оのゴム種と、単位摩耗量と、を対応付けて記憶している。単位摩耗量は、コンベヤベルト1を1周稼働させたときの外周側カバーゴム10оのベルト厚み方向の摩耗量(具体的には、最も摩耗量が多いベルト幅方向位置における摩耗量)である。
データベース334は、外周側カバーゴム10оのゴム種と、搬送物Mの種類と、単位摩耗量と、を対応付けて記憶していると、好適である。
データベース334に記憶される情報は、例えば、顧客によるコンベヤベルト1の使用実績や、コンベヤベルト1の実験結果等に基づくものであると、好適である。
【0034】
入力部32は、例えばキーボード、マウス、及び/又は押しボタン等から構成され、ユーザからの入力を受け付ける。
【0035】
出力部34は、処理部31で処理した結果、入力部32で入力された情報、記憶部33が記憶する情報等、種々の情報を、出力するように構成されている。出力部34は、表示部341を有する。表示部341は、例えば、ディスプレイ又はモニタ等から構成される。表示部341と入力部32とでタッチパネルを構成してもよい。出力部34は、音声を出力するように構成された音声出力部を有してもよい。音声出力部は、例えば、スピーカー等から構成される。出力部34は、紙等の媒体に印刷するように構成された印刷部を有してもよい。印刷部は、例えば、プリンタ等から構成される。
【0036】
〔カバーゴム仕様提案支援方法〕
つぎに、図2を主に参照しつつ、本発明の一実施形態に係るカバーゴム仕様提案支援方法について説明する。以下に説明する本実施形態に係るカバーゴム仕様提案支援方法は、コンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оの仕様(具体的には、ゴム種及びゴム厚)を顧客へ提案するのを支援するために使用されるものであり、上述した本発明の一実施形態に係るカバーゴム仕様提案支援システム3(図1)を用いるものである。以下に説明する各ステップS10~S40は、処理部31が、記憶部33に記憶されたプログラム331を実行することにより行うものである。
なお、本明細書においては、顧客へ提案するための外周側カバーゴム10оのゴム種を「提案ゴム種」といい、顧客へ提案するための外周側カバーゴム10оのゴム厚(摩耗が生じる前の初期時でのゴム厚)を「提案ゴム厚」という。
【0037】
まず、処理部31は、入力受付ステップS10において、ユーザの入力部32の操作による入力を受け付ける、入力受付処理を行う。
入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において、処理部31は、ユーザによる入力部32の操作によって、少なくとも、顧客が現在使用等しているコンベヤベルト1の仕様(以下、「現在仕様」という。)と、顧客が現在使用等しているコンベヤベルト1の定修間隔との入力を、受け付ける。入力受付ステップS10で入力を受け付ける現在仕様は、少なくとも、顧客が現在使用等しているコンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оのゴム厚(以下、「現在仕様ゴム厚」ともいう。)(mm)及びゴム種(以下、「現在仕様ゴム種」ともいう。)を含む。その他、入力受付ステップS10で入力を受け付ける現在仕様は、例えば、顧客が現在使用等しているコンベヤベルト1の強力(N/mm)、幅(ベルト幅方向の長さ)(mm)、内周側カバーゴム10iのゴム厚(mm)、芯体20に関する情報のうち、少なくとも1つを含んでもよい。芯体20に関する情報は、例えば、芯体20が複数のコードを有する場合、コードのコード径(mm)、コードの打ち込み本数(本)、及び、コードのピッチ(mm)のうち、少なくとも1つを含むと好適である。
入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において、処理部31は、ユーザによる入力部32の操作によって、顧客が現在使用等しているコンベヤベルト1の稼働頻度の入力を、さらに受け付けると、好適である。
入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において、処理部31は、ユーザによる入力部32の操作によって、顧客が現在使用等しているコンベヤベルト1によって搬送される搬送物Mの種類を、さらに受け付けると、好適である。
処理部31は、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において、入力部32の操作によって種々の情報を入力するための入力欄を表示部341に表示させることで、これらの情報の入力を受け付けるようにしてもよい。
処理部31は、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において入力された種々の情報を、記憶部33に格納してもよい。
【0038】
入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)の後、処理部31は、ゴム種選定ステップS20において、顧客に提案するためのコンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оの提案ゴム種を選定する、ゴム種選定処理を行う。
本実施形態において、ゴム種選定ステップS20は、カット傷判断ステップS21と、耐摩耗系ゴム種判断ステップS22と、耐カット系ゴム種決定ステップS23と、現在仕様ゴム種決定ステップS24と、耐摩耗系ゴム種決定ステップS25と、を含む。ただし、ゴム種選定ステップS20において、処理部31は、本実施形態とは異なる任意の方法で、提案ゴム種を選定してもよい。
以下、ステップS21~S25について1つずつ説明する。
【0039】
入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)の後、処理部31は、カット傷判断ステップS21において、顧客が現在使用等するコンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оにカット傷があるかを判断する、カット傷判断処理を行う。
処理部31は、カット傷判断ステップS21(ひいてはカット傷判断処理)において、顧客が現在使用等するコンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оの画像に基づいて、カット傷があるかを判断してもよい。当該画像は、例えば、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において入力されてもよく、すなわち、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において、処理部31が、ユーザによる入力部32の操作によって、当該画像の入力を受け付けてもよい。あるいは、当該画像は、予め記憶部33に記憶されていてもよい。なお、当該画像は、コンベヤベルト1のうち搬送物Mが載っていないベルト周方向部分における外周側カバーゴム10оを撮像したものであると好適であり、例えば、コンベヤベルト1のうちテールプーリP2に掛かっている部分における外周側カバーゴム10оを撮像したものであると好適である。
処理部31は、当該画像に基づいて、画像処理により、カット傷があるかを判断してもよい。
あるいは、処理部31は、当該画像に基づいて、AI技術を用いて、カット傷があるかを判断してもよい。この場合、処理部31は、例えば、当該画像に基づいて、学習済みモデルを用いて、カット傷があるかを判断してもよい。学習済みモデルは、ニューラルネットワーク等の機械学習アルゴリズムに基づいて、教師データを用いて機械学習により生成されたものである。ニューラルネットワークを用いる場合、畳み込み処理を含む畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)を用いてもよいし、再帰的処理を含むリカレントニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)を用いてもよい。機械学習としては、ディープラーニングを採用してもよい。教師データは、外周側カバーゴム10оを撮像した学習画像とカット傷の有無の判断結果とを関連付けたデータである。学習済みモデルは、外周側カバーゴム10оの画像が入力されると、カット傷の有無の判断結果を出力するように構成されている。
あるいは、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において、処理部31が、ユーザによる入力部32の操作によって、カット傷の有無の入力を受け付けてもよい。この場合、ユーザは、事前に、顧客が現在使用等するコンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оにカット傷があるかを、例えば目視により又は画像に基づいて、確認しておく。この場合、処理部31は、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)においてカット傷がある旨が入力された場合、カット傷判断ステップS21(ひいてはカット傷判断処理)において、顧客が現在使用等するコンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оにカット傷があると判断する。一方、処理部31は、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)においてカット傷が無い旨が入力された場合、あるいは、カット傷判断ステップS21(ひいてはカット傷判断処理)においてカット傷の有無が入力されなかった場合、カット傷判断ステップS21(ひいてはカット傷判断処理)において、顧客が現在使用等するコンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оにカット傷が無いと判断する。
【0040】
処理部31は、カット傷判断ステップS21(ひいてはカット傷判断処理)において顧客が現在使用等するコンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оにカット傷があると判断した場合に、耐カット系ゴム種決定ステップS23において、耐カット系ゴム種一覧332から耐カット系ゴム種を1つ選択し、提案ゴム種を、当該選択した耐カット系ゴム種に決定する、耐カット系ゴム種決定処理を行う。
ここで、処理部31は、任意の方法で、耐カット系ゴム種一覧332から耐カット系ゴム種を1つ選択してよい。
例えば、処理部31は、耐カット系ゴム種一覧332から、ランダムに、任意の耐カット系ゴム種を1つ選択してもよい。
あるいは、処理部31は、耐カット系ゴム種一覧332から、現在仕様ゴム種よりも高い耐カット性を有する耐カット系ゴム種を1つ選択してもよい。この場合、例えば、耐カット系ゴム種一覧332は、耐カット系ゴム種と、耐カット性能を表す耐カット性能値とを、対応付けて登録しており、耐カット系ゴム種決定ステップS23において、処理部31は、耐カット系ゴム種一覧332において現在仕様ゴム種に対応付けられた耐カット性能値よりも高い耐カット性能値に対応付けられた耐カット系ゴム種を1つ選択するようにしてもよい。あるいは、例えば、耐カット系ゴム種一覧332は、耐カット系ゴム種と、当該耐カット系ゴム種が開発又は発売等された時期とを、対応付けて登録しており、耐カット系ゴム種決定ステップS23において、処理部31は、耐カット系ゴム種一覧332において現在仕様ゴム種に対応付けられた時期よりも新しい時期に対応付けられた耐カット系ゴム種を1つ選択するようにしてもよい。一般的に、より新しい時期に開発又は発売等された耐カット系ゴム種ほど、より高い耐カット性能を有するため、このようにすることで、現在仕様ゴム種よりも高い耐カット性能を有する耐カット系ゴム種を選択することができる。
耐カット系ゴム種決定ステップS23において、提案ゴム種を耐カット系ゴム種に決定することにより、外周側カバーゴム10оのゴム種として、優れた耐カット性能を有するものを提案することができる。よって、顧客にとって有利な外周側カバーゴム10оのゴム種の提案を支援することができる。
【0041】
一方、処理部31は、カット傷判断ステップS21(ひいてはカット傷判断処理)において顧客が現在使用等するコンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оにカット傷がないと判断した場合に、耐摩耗系ゴム種判断ステップS22において、現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種が耐摩耗系ゴム種一覧333にあるかを判断する、耐摩耗系ゴム種判断処理を行う。
例えば、耐摩耗系ゴム種一覧333は、耐摩耗系ゴム種と、耐摩耗性能を表す耐摩耗性能値とを、対応付けて登録しており、耐摩耗系ゴム種判断ステップS22において、処理部31は、耐摩耗系ゴム種一覧333において現在仕様ゴム種に対応付けられた耐摩耗性能値よりも高い耐摩耗性能値に対応付けられた耐摩耗系ゴム種があるかを判断するようにしてもよい。あるいは、例えば、耐摩耗系ゴム種一覧333は、耐摩耗系ゴム種と、当該耐摩耗系ゴム種が開発又は発売等された時期とを、対応付けて登録しており、耐摩耗系ゴム種判断ステップS22において、処理部31は、耐摩耗系ゴム種一覧333において現在仕様ゴム種に対応付けられた時期よりも新しい時期に対応付けられた耐摩耗系ゴム種があるかを判断するようにしてもよい。一般的に、より新しい時期に開発又は発売等された耐摩耗系ゴム種ほど、より高い耐摩耗性能を有するため、このようにすることで、現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種があるかを判断することができる。
【0042】
処理部31は、耐摩耗系ゴム種判断ステップS22(ひいては耐摩耗系ゴム種判断処理)において現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種が耐摩耗系ゴム種一覧333にあると判断した場合に、耐摩耗系ゴム種決定ステップS25において、耐摩耗系ゴム種一覧333から現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種を1つ選択し、提案ゴム種を、当該選択した耐摩耗系ゴム種に決定する、耐摩耗系ゴム種決定処理を行う。
ここで、耐摩耗系ゴム種一覧333において現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種が複数ある場合、処理部31は、任意の方法で、当該複数の耐摩耗系ゴム種の中から1つを選択してよい。
例えば、処理部31は、耐摩耗系ゴム種一覧333から、ランダムに、当該複数の耐摩耗系ゴム種の中から1つを選択してもよい。
あるいは、例えば、耐摩耗系ゴム種一覧333は、耐摩耗系ゴム種と、耐摩耗性能を表す耐摩耗性能値とを、対応付けて登録しており、耐摩耗系ゴム種決定ステップS25において、処理部31は、耐摩耗系ゴム種一覧333において最も高い耐摩耗性能値に対応付けられた耐摩耗系ゴム種を選択するようにしてもよい。あるいは、例えば、耐摩耗系ゴム種一覧333は、耐摩耗系ゴム種と、当該耐摩耗系ゴム種が開発又は発売等された時期とを、対応付けて登録しており、耐摩耗系ゴム種決定ステップS25において、処理部31は、耐摩耗系ゴム種一覧333において最も新しい時期に対応付けられた耐摩耗系ゴム種を選択するようにしてもよい。
耐摩耗系ゴム種決定ステップS25において、提案ゴム種を耐摩耗系ゴム種に決定することにより、外周側カバーゴム10оのゴム種として、優れた耐摩耗性能を有するものを提案することができる。よって、顧客にとって有利な外周側カバーゴム10оのゴム種の提案を支援することができる。
【0043】
一方、処理部31は、耐摩耗系ゴム種判断ステップS22(ひいては耐摩耗系ゴム種判断処理)において現在仕様ゴム種よりも高い耐摩耗性能を有する耐摩耗系ゴム種が耐摩耗系ゴム種一覧333にないと判断した場合に、現在仕様ゴム種決定ステップS24において、提案ゴム種を、現在仕様ゴム種に決定する、現在仕様ゴム種決定処理を行う。
現在仕様ゴム種決定ステップS24において、提案ゴム種を現在仕様ゴム種に決定することにより、外周側カバーゴム10оのゴム種として、優れた耐カット性能及び耐摩耗性能を有する現在仕様ゴム種を提案することができる。よって、顧客にとって有利な外周側カバーゴム10оのゴム種の提案を支援することができる。
【0044】
以上のように、ゴム種選定ステップS20では、耐カット系ゴム種決定ステップS23、現在仕様ゴム種決定ステップS24、又は、耐摩耗系ゴム種決定ステップS25において、提案ゴム種が選定される。
【0045】
入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)の後、処理部31は、ゴム厚選定ステップS30において、顧客に提案するためのコンベヤベルト1の外周側カバーゴム10оの提案ゴム厚を選定する、ゴム厚選定処理を行う。
本実施形態において、ゴム厚選定ステップS30は、現在仕様ゴム厚設定ステップS31と、シミュレーションステップS32と、残厚判断ステップS33と、第1最大ベルト張力判断ステップS34と、第1ゴム厚増ステップS35と、ゴム厚減ステップS36と、第2最大ベルト張力判断ステップS37と、第2ゴム厚増ステップS38と、を含む。
少なくともステップS32以降は、ゴム種選定ステップS20の後に行う。ステップS31は、入力受付ステップS10の後かつシミュレーションステップS32の前における任意のタイミングで行ってよい。
ステップS37~S38は行わなくてもよい。
以下、ステップS31~S38について1つずつ説明する。
【0046】
処理部31は、現在仕様ゴム厚設定ステップS31において、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において入力を受け付けた現在仕様ゴム厚を、提案ゴム厚の初期値に設定する、現在仕様ゴム厚設定処理を行う。
上述のように、現在仕様ゴム厚設定ステップS31(ひいては現在仕様ゴム厚設定処理)は、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)の後かつシミュレーションステップS32の前における任意のタイミングで行ってよく、例えば、図2の例のようにゴム種選定ステップS20(ひいてはゴム種選定処理)の後に行ってもいし、あるいは、ゴム種選定ステップS20(ひいてはゴム種選定処理)の前又は間に行ってもよい。
【0047】
処理部31は、現在仕様ゴム厚設定ステップS31(ひいては現在仕様ゴム厚設定処理)の後に、シミュレーションステップS32において、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)で入力を受け付けた定修間隔に基づき、提案ゴム種からなるとともに提案ゴム厚を有する外周側カバーゴム10оを備えたコンベヤベルト1(以下、「提案コンベヤベルト」という。)の最終定修時での外周側カバーゴム10оの残厚Qである最終定修時残厚を、シミュレーションにより求める、シミュレーション処理を行う。
シミュレーションステップS32(ひいてはシミュレーション処理)は、ゴム種選定ステップS20(ひいてはゴム種選定処理)及び現在仕様ゴム厚設定ステップS31(ひいては現在仕様ゴム厚設定処理)の後に行う。
シミュレーションステップS32(ひいてはシミュレーション処理)において、提案コンベヤベルトの外周側カバーゴム10оを構成する提案ゴム種としては、ゴム種選定ステップS20で選定された提案ゴム種を用いるものとし、また、提案コンベヤベルトの外周側カバーゴム10оの提案ゴム厚としては、現在仕様ゴム厚設定ステップS31(ひいては現在仕様ゴム厚設定処理)で初期値に設定された現在仕様ゴム厚を用いるものとする。
提案コンベヤベルトの外周側カバーゴム10оのゴム種及びゴム厚以外の仕様(例えば、提案コンベヤベルトの幅、芯体20等)は、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)で入力を受け付けた現在仕様と同じであると、好適である。
【0048】
ここで、シミュレーションステップS32(ひいてはシミュレーション処理)におけるシミュレーションについて、図6を参照しつつ、説明する。図6のグラフG1は、シミュレーションステップS32(ひいてはシミュレーション処理)における提案コンベヤベルトのシミュレーション結果の一例を示しているイメージ図である。図6の例において、定修間隔はTである。定修間隔T毎のベルト厚み方向の摩耗量(すなわち、定修間隔T毎の残厚Qの減少量)である定修間隔摩耗量は、Wである。グラフG1の提案コンベヤベルトの提案ゴム厚(初期時のゴム厚)は、初期値として設定されている現在仕様ゴム厚であり、W(N+1)である。Nは、2以上の整数である。ただし、グラフG1はあくまで一例であり、シミュレーションステップS32(ひいてはシミュレーション処理)における提案コンベヤベルトの提案ゴム厚(ひいては現在仕様ゴム厚)は、任意でよい。上述のように、一般的に、外周側カバーゴム10оの残厚Qは、所定最適残厚R以上確保されているのが望ましい。したがって、シミュレーションにおいては、残厚Qが所定最適残厚Rに近くなると、定修時に、コンベヤベルト1を交換するものとする。具体的には、残厚Qが所定最適残厚R以上かつ(定修間隔摩耗量W+所定最適残厚R)未満であるときの定修時を、最終定修時とし、コンベヤベルト1を交換するタイミングとする。例えば、グラフG1の提案コンベヤベルトは、残厚Qが定修間隔摩耗量WとなるN回目定修時が、最終定修時である。初期時(時間=0)から最終定修時までの期間は、コンベヤベルト1の稼働可能期間である。グラフG1の提案コンベヤベルトの稼働可能期間は、NTである。
所定最適残厚Rは、例えば、1~3mmの範囲内の一点に設定されると好適であり、1.5~2.5mmの範囲内の一点に設定されるとより好適である。
【0049】
処理部31は、シミュレーションステップS32(ひいてはシミュレーション処理)において、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)で入力を受け付けた定修間隔に基づいて、任意の方法で、最終定修時残厚をシミュレーションにより求めてよい。
例えば、データベース334(図1)は、外周側カバーゴム10оのゴム種と、単位摩耗量と、を対応付けて記憶している。上述のように、単位摩耗量は、コンベヤベルト1を1周稼働させたときの外周側カバーゴム10оのベルト厚み方向の摩耗量(具体的には、最も摩耗量が多いベルト幅方向位置における摩耗量)である。処理部31は、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において、入力部32の操作による、定修間隔と稼働頻度との入力を、受け付ける。そして、処理部31は、シミュレーションステップS32(ひいてはシミュレーション処理)において、データベース334において提案ゴム種に対応付けられた単位摩耗量と、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において入力を受け付けた定修間隔と、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において入力を受け付けた稼働頻度とに基づき、最終定修時残厚をシミュレーションにより求める。これにより、最終定修時残厚をより精度よく求めることができる。
なお、上述のように、データベース334は、外周側カバーゴム10оのゴム種と、搬送物Mの種類と、単位摩耗量と、を対応付けて記憶していると、好適である。この場合、処理部31は、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において、入力部32の操作による、搬送物Mの種類の入力を、さらに受け付けると、好適である。そして、処理部31は、シミュレーションステップS32(ひいてはシミュレーション処理)において、データベース334において提案ゴム種と入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において入力を受け付けた搬送物Mの種類とに対応付けられた単位摩耗量と、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において入力を受け付けた定修間隔と、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において入力を受け付けた稼働頻度とに基づき、最終定修時残厚をシミュレーションにより求めると、好適である。これにより、最終定修時残厚をさらに精度よく求めることができる。
ここで、単位摩耗量、定修間隔、及び稼働頻度に基づいて最終定修時残厚をシミュレーションにより求める方法の一例について説明する。単位摩耗量をU(mm/周)とし、定修間隔をT(月)とし、稼働頻度をF(周/月)としたとき、定修間隔T毎のベルト厚み方向の摩耗量である定修間隔摩耗量Wは、W=U×T×F(mm)により求めることができる。そして、シミュレーションするにあたっては、残厚Qを、初期時のゴム厚である提案ゴム厚から、定修間隔T毎に定修間隔摩耗量Wずつ減るように一定の傾きで減らしていき、残厚Qが所定最適残厚R以上かつ(定修間隔摩耗量W+所定最適残厚R)未満であるときの定修時を、最終定修時とする。最終定修時が求まることにより、最終定修時残厚が求まる。なお、この例では、定修間隔Tを、月単位で表し、稼働頻度を、1月に何周稼働するかを表す(周/月)単位で表しているが、定修間隔Tや稼働頻度は、任意の単位で表してよい。入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において入力を受け付ける稼働頻度は、これまでの実際の稼働頻度であってもよいし、あるいは、今後予定される稼働頻度であってもよい。
なお、単位摩耗量は、所定期間毎の外周側カバーゴム10оのベルト厚み方向の摩耗量(具体的には、最も摩耗量が多いベルト幅方向位置における摩耗量)であってもよい。この場合、処理部31は、シミュレーションステップS32(ひいてはシミュレーション処理)において、稼働頻度を用いずに、単位摩耗量及び定修間隔に基づいて最終定修時残厚をシミュレーションにより求めてもよい。この場合、処理部31は、入力受付ステップS10(ひいては入力受付処理)において、入力部32の操作による、稼働頻度の入力を、受け付けなくてもよい。この場合、稼働頻度については、今後もこれまでと同様であるものと仮定する。
【0050】
処理部31は、シミュレーションステップS32(ひいてはシミュレーション処理)の後、残厚判断ステップS33において、シミュレーションステップS32(ひいてはシミュレーション処理)で求めた最終定修時残厚が、所定最適残厚Rであるかを判断する、残厚判断処理を行う。
例えば、シミュレーションステップS32における提案コンベヤベルトのシミュレーション結果が図6のグラフG1で示されるものである場合、最終定修時残厚は、Wであり、所定最適残厚Rではない。
【0051】
処理部31は、残厚判断ステップS33(ひいては残厚判断処理)において最終定修時残厚が所定最適残厚Rであると判断した場合に、第2最大ベルト張力判断ステップS37に進む。
【0052】
一方、処理部31は、残厚判断ステップS33(ひいては残厚判断処理)において最終定修時残厚が所定最適残厚Rではないと判断した場合に、第1最大ベルト張力判断ステップS34において、提案コンベヤベルトの最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くした場合における提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が、所定閾値以下になるかを判断する、第1最大ベルト張力判断処理を行う。
ここで、「提案コンベヤベルトの最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くした場合」とは、提案ゴム厚以外の提案コンベヤベルトの仕様(提案コンベヤベルトの幅や芯体20等)は一定に維持しつつ、提案ゴム厚を、「提案コンベヤベルトの最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように」厚くした場合を指す。
例えば、シミュレーションステップS32における提案コンベヤベルトのシミュレーション結果が図6のグラフG1で示されるものである場合、第1最大ベルト張力判断ステップS34における「提案コンベヤベルトの最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くした場合における提案コンベヤベルト」とは、図6のグラフG2で示すように、最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに、稼働可能期間がグラフG1の稼働可能期間よりも1定修間隔T分増えた(N+1)Tであり、そのことと定修間隔摩耗量Wとから逆算して求まる提案ゴム厚(初期時のゴム厚)がW(N+1)+Rであるような、提案コンベヤベルトである。なお、図6の例では、グラフG2の残厚Qは、グラフG1の残厚QよりもRだけ多いが、グラフG2の残厚QとグラフG1の残厚Qとの差は、Rに限られるものではなく、グラフG1の提案ゴム厚(初期時のゴム厚)に応じて変わり得る。
なお、処理部31は、最大ベルト張力を、JIS B 8805に準拠して、動力計算により求める。最大ベルト張力は、外周側カバーゴム10оのゴム厚が増えるほど、大きくなる傾向がある。
【0053】
処理部31は、第1最大ベルト張力判断ステップS34(ひいては第1最大ベルト張力判断処理)において最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くした場合における提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が所定閾値以下になると判断した場合に、第1ゴム厚増ステップS35において、最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように、提案ゴム厚を厚くする、第1ゴム厚増処理を行う。これにより、処理部31は、顧客へ提案するための提案ゴム厚を暫定的に又は最終的に決定する。
例えば、シミュレーションステップS32における提案コンベヤベルトのシミュレーション結果が図6のグラフG1で示されるものである場合、第1ゴム厚増ステップS35における「最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔分増えるように、提案ゴム厚を厚くする」とは、提案ゴム厚を、グラフG1の提案ゴム厚W(N+1)からグラフG2の提案ゴム厚W(N+1)+Rにまで厚くすることを意味する。
処理部31は、第1ゴム厚増ステップS35の後、第2最大ベルト張力判断ステップS37に進む。
【0054】
ここで、ステップS33~S35の効果について説明する。
まず、残厚判断ステップS33(ひいては残厚判断処理)に関し、最終定修時残厚が所定最適残厚Rではない場合とは、すなわち、例えば図6のグラフG1の例のように、最終定修時残厚が所定最適残厚Rよりも厚いことを意味している。この場合、このままでは、提案コンベヤベルトは、最終定修時に、最終定修時残厚が所定最適残厚Rよりも厚い状態で廃棄されることとなるので、その分、無駄な廃棄費用が生じるおそれがある。そこで、第1ゴム厚増ステップS35において、提案ゴム厚を、最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに稼働可能期間が1定修間隔分増えるように選定することにより、最終定修時残厚が所定最適残厚Rよりも厚くなることにより生じ得る無駄な廃棄費用を回避でき、さらに、稼働可能期間を増やすことにより、長いスパンで見たときに必要となるコンベヤベルト1の交換回数を減らすことができ、その分、コンベヤベルト1の交換に掛かる費用を削減することが可能になる。なお、コンベヤベルト1の交換に掛かる費用は大きいため、このメリットは大きいといえる。また、第1最大ベルト張力判断ステップS34を経てから第1ゴム厚増ステップS35を行うことにより、第1最大ベルト張力判断ステップS34において仮に提案ゴム厚を厚くしても最大ベルト張力の観点から問題が無いことを確認してから、第1ゴム厚増ステップS35において実際に提案ゴム厚を厚くするので、最大ベルト張力の観点から問題が無いような提案ゴム厚を顧客に提案することが可能になる。このようにして、コンベヤベルト1を使用等する顧客にとって有利な外周側カバーゴム10оの仕様(具体的には、ゴム厚)の提案を支援することができる。
【0055】
処理部は、第1最大ベルト張力判断ステップS34(ひいては第1最大ベルト張力判断処理)において提案コンベヤベルトの最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くした場合における提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が、所定閾値を超えると判断した場合に、ゴム厚減ステップS36において、提案コンベヤベルトの最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が変わらないように、提案ゴム厚を薄くする、ゴム厚減処理を行う。これにより、処理部31は、顧客へ提案するための提案ゴム厚を最終的に決定する。
例えば、シミュレーションステップS32における提案コンベヤベルトのシミュレーション結果が図6のグラフG1で示されるものである場合、ゴム厚減ステップS36における「提案コンベヤベルトの最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が変わらないように、提案ゴム厚を薄くする」とは、提案ゴム厚を、グラフG1の提案ゴム厚W(N+1)からグラフG3の提案ゴム厚WN+Rにまで薄くすることを意味する。
処理部31は、ゴム厚減ステップS36の後、出力ステップS40に進む。
ゴム厚減ステップS36において、提案ゴム厚を、最終定修時残厚が所定最適残厚Rになるとともに提案コンベヤベルトの稼働可能期間が変わらないように選定することにより、最終定修時残厚が所定最適残厚Rよりも厚くなることにより生じ得る無駄な廃棄費用を回避でき、さらに、提案ゴム厚を薄くすることにより、コンベヤベルト1の材料の量を低減でき、ひいては、コンベヤベルト1の購入費用を低減できる。このようにして、コンベヤベルト1を使用等する顧客にとって有利な外周側カバーゴム10оの仕様(具体的には、ゴム厚)の提案を支援することができる。
【0056】
処理部31は、残厚判断ステップS33(ひいては残厚判断処理)において最終定修時残厚が所定最適残厚Rであると判断した場合に、又は、第1ゴム厚増ステップS35(ひいては第1ゴム厚増処理)の後に、第2最大ベルト張力判断ステップS37において、提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くした場合における提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が、所定閾値以下になるかを判断する、第2最大ベルト張力判断処理を行う。
ここで、「提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くした場合」とは、提案ゴム厚以外の提案コンベヤベルトの仕様(提案コンベヤベルトの幅や芯体20等)は一定に維持しつつ、提案ゴム厚を、「提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように」厚くした場合を指す。
例えば、第1ゴム厚増ステップS35で選定した提案ゴム厚を有する提案コンベヤベルトが図6のグラフG2で示されるものである場合、第2最大ベルト張力判断ステップS37における「提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くした場合における提案コンベヤベルト」とは、図6のグラフG4で示すように、稼働可能期間がグラフG2の稼働可能期間よりも1定修間隔T分増えた(N+2)Tであり、そのことと定修間隔摩耗量Wとから逆算して求まる提案ゴム厚(初期時のゴム厚)がW(N+2)+Rであるような、提案コンベヤベルトである。
【0057】
処理部31は、第2最大ベルト張力判断ステップS37(ひいては第2最大ベルト張力判断処理)において提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くした場合における提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が所定閾値を超えると判断した場合に、出力ステップS40に進む。
【0058】
一方、処理部31は、第2最大ベルト張力判断ステップS37(ひいては第2最大ベルト張力判断処理)において提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くした場合における提案コンベヤベルトの最大ベルト張力が所定閾値以下になると判断した場合に、第2ゴム厚増ステップS38において、提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くする、第2ゴム厚増処理を行う。これにより、処理部31は、顧客へ提案するための提案ゴム厚を最終的に決定する。
例えば、第1ゴム厚増ステップS35で選定した提案ゴム厚を有する提案コンベヤベルトが図6のグラフG2で示されるものである場合、第2ゴム厚増ステップS38における「提案コンベヤベルトの稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように提案ゴム厚を厚くする」とは、提案ゴム厚を、グラフG2の提案ゴム厚W(N+1)+RからグラフG4の提案ゴム厚W(N+2)+Rにまで厚くすることを意味する。
処理部31は、第2ゴム厚増ステップS38の後、出力ステップS40に進む。
第2ゴム厚増ステップS38において、提案ゴム厚を、稼働可能期間が1定修間隔T分増えるように選定することにより、長いスパンで見たときに必要となるコンベヤベルト1の交換回数を減らすことができ、その分、コンベヤベルト1の交換に掛かる費用を削減することが可能になる。なお、コンベヤベルト1の交換に掛かる費用は大きいため、このメリットは大きいといえる。また、第2最大ベルト張力判断ステップS37を経てから第2ゴム厚増ステップS38を行うことにより、第2最大ベルト張力判断ステップS37において仮に提案ゴム厚を厚くしても最大ベルト張力の観点から問題が無いことを確認してから、第2ゴム厚増ステップS38において実際に提案ゴム厚を厚くするので、最大ベルト張力の観点から問題が無いような提案ゴム厚を顧客に提案することが可能になる。このようにして、コンベヤベルト1を使用等する顧客にとってさらに有利な外周側カバーゴム10оの仕様(具体的には、ゴム厚)の提案を支援することができる。
【0059】
なお、第2最大ベルト張力判断ステップS37及び第2ゴム厚増ステップS38は、行わなくてもよい。その場合、処理部31は、残厚判断ステップS33(ひいては残厚判断処理)において最終定修時残厚が所定最適残厚Rであると判断した場合に、又は、第1ゴム厚増ステップS35(ひいては第1ゴム厚増処理)の後に、出力ステップS40に進む。
【0060】
以上のように、ゴム厚選定ステップS30では、現在仕様ゴム厚設定ステップS31、第1ゴム厚増ステップS35、ゴム厚減ステップS36、又は、第2ゴム厚増ステップS38において、最終的に、提案ゴム厚が選定される。
【0061】
処理部31は、出力ステップS40において、ゴム種選定ステップS20で選定した提案ゴム種と、ゴム厚選定ステップS30で選定した提案ゴム厚とを、出力部34に出力させる、出力処理を行う。
これにより、ユーザは、提案ゴム種及び提案ゴム厚を把握することができ、ひいては、顧客に提案ゴム種及び提案ゴム厚を提案することができる。
具体的に、処理部31は、表示部341に提案ゴム種及び提案ゴム厚を表示させることにより、出力部34に出力させると、好適である。
【0062】
なお、上述した例では、所定最適残厚Rは、1点の数値に設定されていたが、所定最適残厚Rは、幅を持った数値範囲に設定されてもよい。その場合、第1ゴム厚増ステップS35、ゴム厚減ステップS36、又は第2ゴム厚増ステップS38において選定される提案ゴム厚もまた、幅を持った数値範囲となる。この場合、ゴム厚選定ステップS30が、最終ステップとして、第1ゴム厚増ステップS35、ゴム厚減ステップS36、又は、第2ゴム厚増ステップS38において選定された提案ゴム厚の数値範囲の中から、1点の数値からなる提案ゴム厚を選定するステップを、含んでいると、好適である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のカバーゴム仕様提案支援システム、及び、カバーゴム仕様提案支援方法は、例えば採鉱現場や建設現場等において様々な搬送物を運搬するために使用されるコンベヤベルトに関し、外周側カバーゴムの仕様(具体的には、ゴム種及びゴム厚)を顧客へ提案するのを支援するために使用されると、好適なものである。
【符号の説明】
【0064】
3:カバーゴム仕様提案支援システム、
31:処理部、 32:入力部、 33:記憶部、 331:プログラム、 332:耐カット系ゴム種一覧、 333:耐摩耗系ゴム種一覧、 334:データベース、 34:出力部、 341:表示部、
1:コンベヤベルト、 1o:外周面、 1i:内周面、
2:ベルトコンベヤ、
10:カバーゴム、 10о:外周側カバーゴム、 10i:内周側カバーゴム、 20:芯体、
H:ホッパ、 M:搬送物、 P1:ヘッドプーリ(プーリ)、 P2:テールプーリ(プーリ)、 Q:残厚
図1
図2
図3
図4
図5
図6