(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123751
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】配管の接手構造
(51)【国際特許分類】
F16L 21/06 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
F16L21/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021260
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】515086908
【氏名又は名称】株式会社トヨタプロダクションエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】松尾 友克
【テーマコード(参考)】
3H015
【Fターム(参考)】
3H015DA01
3H015DA15
(57)【要約】
【課題】集塵機に接続された配管の内部の気密性を確保しながら、保全作業の手間と時間を短縮することが出来る配管の接手構造を提供する。
【解決手段】2互いに同じ外径を有する2つの配管を接続するための接手構造であって、2つの配管の向かい合う先端に挟まれた離間部と、2つの配管の向かい合う先端とを含む接続部の外周面を覆うシールゴムと、シールゴムが外周面を覆う状態を維持するための押圧部材とを有し、配管内部が陰圧になることによりシールゴムが接続部に密着し、配管内部の気密性が確保される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに同じ外径を有する2つの配管を接続するための接手構造であって、
前記2つの配管の向かい合う先端に挟まれた離間部と、前記2つの配管の向かい合う先端とを含む接続部の外周面を覆うシールゴムと、
前記シールゴムが前記外周面を覆う状態を維持するための押圧部材と
を有し、配管内部が陰圧になることにより前記シールゴムが前記接続部に密着し、前記配管内部の気密性が確保されることを特徴とする接手構造。
【請求項2】
前記シールゴムは、半円筒形の形状をなす半円筒シールゴム部と、前記半円筒シールゴム部の側面側の両端から延びる2つの固定シールゴム部とからなる互いに同じ形状の上部シールゴム及び下部シールゴムから構成され、
前記押圧部材は、前記2つの配管の軸に沿った方向の長さが、前記接続部の前記2つの配管の軸に沿った方向の長さよりも長く、
前記上部シールゴム及び前記下部シールゴムのそれぞれの前記半円筒シールゴム部によって前記外周面を覆い、前記上部シールゴム及び前記下部シールゴムのそれぞれの前記2つの固定シールゴム部を重ね合わせ、前記2つの固定シールゴム部のそれぞれを2つの前記押圧部材によって挟み固定することを特徴とする請求項1に記載の接手構造。
【請求項3】
前記シールゴムはシート状の形状をなし、
前記押圧部材は、半円筒形の形状をなす半円筒押圧部と、前記半円筒押圧部の側面側の両端から延びる2つの固定押圧部とからなる互いに同じ形状の上部押圧部材及び下部押圧部材から構成され、
前記シールゴムの一端が前記シールゴムの他端と重なるように前記シールゴムによって前記外周面を覆い、前記シールゴムの外周面を前記上部押圧部材及び前記下部押圧部材のそれぞれの前記半円筒押圧部によって挟み、前記上部押圧部材の前記固定押圧部と前記下部押圧部材の前記固定押圧部を重ね合わせ固定することを特徴とする請求項1に記載の接手構造。
【請求項4】
前記シールゴムは、半円筒形の形状をなす半円筒シールゴム部と、前記半円筒シールゴム部の側面側の両端から延びる2つの固定シールゴム部とからなる互いに同じ形状の上部シールゴム及び下部シールゴムから構成され、
前記押圧部材は、半円筒形の形状をなす半円筒押圧部と、前記半円筒押圧部の側面側の両端から延びる2つの固定押圧部とからなる互いに同じ形状の上部押圧部材及び下部押圧部材から構成され、
前記上部シールゴム及び前記下部シールゴムのそれぞれの前記半円筒シールゴム部によって前記外周面を覆い、前記上部シールゴム及び前記下部シールゴムのそれぞれの前記2つの固定シールゴム部を重ね合わせ、前記2つの半円筒シールゴム部のそれぞれを前記上部押圧部材及び前記下部押圧部材のそれぞれの前記半円筒押圧部によって挟み、前記2つの固定シールゴム部のそれぞれを前記上部押圧部材の前記固定押圧部と前記下部押圧部材の前記固定押圧部によって挟み固定することを特徴とする請求項1に記載の接手構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管の接手構造に関し、特に、集塵機等に接続され、内部が陰圧となる配管の接手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
集塵機に配管を接続し、送風機等により配管の内部を陰圧にし、配管の先端から埃、塵、ゴミ等を含む気体を吸引すると、特に配管の曲がり部や分岐部において、配管の内部に吸引した埃等が付着し、堆積する。配管の内部に堆積した埃等により集塵機の吸引力が低下するため、適宜配管内部の清掃を行う必要がある。配管を取り外しての配管内部の清掃は、手間と時間がかかる。
【0003】
特許文献1には、配管の接続部の外周面に内層バンドを貼着して固定し、内層バンド上に外層バンドを巻き付け、さらに外層バンド上に、接手バンドを対向方面から接続部に嵌め込んで締め付けて固定する配管の接続方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている配管の接続方法によれば、配管内部の清掃等、配管の保全作業を行う際、配管の接続部の外周面に貼着している内層バンド及び外層バンドを剥がす必要があり、このために保全作業の手間と時間が増加する。
【0006】
上記問題点を鑑み、本発明は、集塵機に接続された配管の内部の気密性を確保しながら、保全作業の手間と時間を短縮することが出来る配管の接手構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、互いに同じ外径を有する2つの配管を接続するための接手構造であって、2つの配管の向かい合う先端に挟まれた離間部と、2つの配管の向かい合う先端とを含む接続部の外周面を覆うシールゴムと、シールゴムが外周面を覆う状態を維持するための押圧部材とを有し、配管内部が陰圧になることによりシールゴムが接続部に密着し、配管内部の気密性が確保されることを要旨とする。
【0008】
本発明の第1の態様において、シールゴムは、半円筒形の形状をなす半円筒シールゴム部と、半円筒シールゴム部の側面側の両端から延びる2つの固定シールゴム部とからなる互いに同じ形状の上部シールゴム及び下部シールゴムから構成され、押圧部材は、2つの配管の軸に沿った方向の長さが、接続部の2つの配管の軸に沿った方向の長さよりも長く、上部シールゴム及び下部シールゴムのそれぞれの半円筒シールゴム部によって外周面を覆い、上部シールゴム及び下部シールゴムのそれぞれの2つの固定シールゴム部を重ね合わせ、2つの固定シールゴム部のそれぞれを2つの押圧部材によって挟み固定されてよい。
【0009】
本発明の第1の態様において、シールゴムは、シート状の形状をなし、押圧部材は、半円筒形の形状をなす半円筒押圧部と、半円筒押圧部の側面側の両端から延びる2つの固定押圧部とからなる互いに同じ形状の上部押圧部材及び下部押圧部材から構成され、シールゴムの一端がシールゴムの他端と重なるようにシールゴムによって外周面を覆い、シールゴムの外周面を上部押圧部材及び下部押圧部材のそれぞれの半円筒押圧部によって挟み、上部押圧部材の固定押圧部と下部押圧部材の固定押圧部を重ね合わせ固定されてよい。
【0010】
本発明の第1の態様において、シールゴムは、半円筒形の形状をなす半円筒シールゴム部と、半円筒シールゴム部の側面側の両端から延びる2つの固定シールゴム部とからなる互いに同じ形状の上部シールゴム及び下部シールゴムから構成され、押圧部材は、半円筒形の形状をなす半円筒押圧部と、半円筒押圧部の側面側の両端から延びる2つの固定押圧部とからなる互いに同じ形状の上部押圧部材及び下部押圧部材から構成され、上部シールゴム及び下部シールゴムのそれぞれの半円筒シールゴム部によって外周面を覆い、上部シールゴム及び下部シールゴムのそれぞれの2つの固定シールゴム部を重ね合わせ、2つの半円筒シールゴム部のそれぞれを上部押圧部材及び下部押圧部材のそれぞれの半円筒押圧部によって挟み、2つの固定シールゴム部のそれぞれを上部押圧部材の固定押圧部と下部押圧部材の固定押圧部によって挟み固定されてよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、2つの配管の接続部をシールゴムによって覆い、配管内部を陰圧にすることによりシールゴムを接続部に密着させることによって、集塵機に接続された配管の内部の気密性を確保しながら、保全作業の手間と時間を短縮することが出来る配管の接手構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る配管の接手構造の一例の斜視図である。
【
図2】
図1に示す配管の接手構造の(a)正面図、及び(b)側面図である。
【
図3】
図1に示す配管の接手構造に使用される(a)上部シールゴム、及び(b)下部シールゴムの斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る配管の接手構造によって接続された配管の一例を示す模式図である。
【
図5】第2の実施形態に係る配管の接手構造の一例の(a)正面図、及び(b)側面図である。
【
図6】第3の実施形態に係る配管の接手構造の一例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。実施形態に係る図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0014】
又、実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、各構成要素の構成や配置、レイアウト等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る配管の接手構造10の一例の斜視図を
図1に示す。
図1に示す接手構造10は、配管101aと配管101bとを接続している。本実施形態において、配管101a及び配管101bは同じ大きさの内径及び外形を有する円筒形状であり、共通の内部106を有する。配管101a及び配管101bのいずれか一方は図示しない集塵機に接続されており、集塵機の稼働時には内部106内は陰圧となり、埃等を含む気体が内部106内を通って集塵機に流入する。
【0016】
図1に示す接手構造10の正面図を
図2(a)、側面図を
図2(b)に示す。
図1及び
図2に示す接手構造10は、上部シールゴム102a、下部シールゴム102b、上部押圧部材103a、103c、下部押圧部材103b、103d、ボルト104、ナット105とから構成される。
図2(a)に示す配管101aと配管101bは、
図2(b)では配管101bの断面が示されている。
【0017】
図3(a)に、上部シールゴム102aの斜視図を、
図3(b)に下部シールゴム102bの斜視図を示す。
図3(a)に示す上部シールゴム102aは、半円筒形状である半円筒シールゴム部1021aと、半円筒シールゴム部1021aの側面側の両端から延びる固定シールゴム部1022a、1022bとから構成される。
図3(b)に示す下部シールゴム102bは、半円筒形状である半円筒シールゴム部1021bと、半円筒シールゴム部1021bの側面側の両端から延びる固定シールゴム部1022c、1022dとから構成される。半円筒シールゴム部1021a、1021bは、
図1及び
図2に示す配管101aと配管101bの側面を覆うように、半円筒シールゴム部1021a、1021bの内径が配管101aと配管101bの外径と一致するように形成される。固定シールゴム部1022a、1022b、1022c、1022dには、
図1及び
図2に示すボルト104のネジ部を通すための穴1023がそれぞれに2か所ずつ形成されており、4組のボルト104及びナット105が固定シールゴム部1022a、1022b、1022c、1022dに取り付けられる。本実施形態において、上部シールゴム102aと下部シールゴム102bとは同じ形状である。
【0018】
配管101aと配管101bは、
図2(a)に示すように先端を距離aだけ離し、配管101aと配管101bの円柱形状の軸が一致するように配置される。上部シールゴム102a及び下部シールゴム102bは、配管101aと配管101bの向かい合う先端に挟まれた幅aの離間部107と、配管101aと配管101bの向かい合う先端とを含む接続部Aを覆うように配置される。上部押圧部材103a、103c、及び下部押圧部材103b、103dの配管101aと配管101bの軸に沿った方向の長さLは、接続部Aの配管101aと配管101bの軸に沿った方向の長さdよりも十分長くなるように設定される。ここで、接続部Aの配管101aと配管101bの軸に沿った方向の長さdは、幅aに配管101aと配管101bの向かい合う先端の軸に沿った方向の長さeを加えた値であり、長さeは任意に設定されてよい。
【0019】
上部シールゴム102aは紙面内の上方から配管101aと配管101bの接続部Aの上部を、下部シールゴム102bは紙面内の下方から配管101aと配管101bの接続部Aの下部を覆い、上部シールゴム102aの固定シールゴム部1022aと下部シールゴム102bの固定シールゴム部1022c、及び上部シールゴム102aの固定シールゴム部1022bと下部シールゴム102bの固定シールゴム部1022dをそれぞれ密着させる。密着した上部シールゴム102aの固定シールゴム部1022aと下部シールゴム102bの固定シールゴム部1022cを上部押圧部材103aと下部押圧部材103bで挟み、密着した上部シールゴム102aの固定シールゴム部1022bと下部シールゴム102bの固定シールゴム部1022dを上部押圧部材103cと下部押圧部材103dで挟み、ボルト104及びナット105によって固定する。
【0020】
半円筒シールゴム部1021a、1021bは、半円筒シールゴム部1021a、1021bの内径が配管101aと配管101bの外径と一致するように形成されているが、配管101aと配管101bに上部シールゴム102a及び下部シールゴム102bを取り付けたのみの状態では、内部106の気密性は十分高くなく、内部106内の気体の、離間部107から配管101aと配管101bの外部への漏れが生じる可能性がある。しかし、配管101aと配管101bに上部シールゴム102a及び下部シールゴム102bを取り付けたのち、集塵機を稼働させると、集塵機によって内部106は陰圧となり、上部シールゴム102aと下部シールゴム102bの離間部107を覆っている部分が内部106内に引き寄せられて離間部107を塞ぎ、上部シールゴム102a及び下部シールゴム102bの配管101a及び配管101bとの密着性が高まる。従って内部106の気密性が十分高くなり、内部106内の気体の、離間部107から配管101aと配管101bの外部への漏れを防ぐことができる。
【0021】
図3に示す固定シールゴム部1022aと固定シールゴム部1022c、固定シールゴム部1022bと固定シールゴム部1022dを、例えばボルト104及びナット105のみによって互いに接触させ固定すると、ボルト104及びナット105による圧力が固定シールゴム部1022aと固定シールゴム部1022cの接触している面、及び固定シールゴム部1022bと固定シールゴム部1022dの接触している面に均等にかからず、隙間が生じる恐れがある。固定シールゴム部1022aと固定シールゴム部1022cを上部押圧部材103a及び下部押圧部材103bによって挟み、固定シールゴム部1022bと固定シールゴム部1022dを上部押圧部材103c及び下部押圧部材103dによって挟むことによって、ボルト104及びナット105による圧力が固定シールゴム部1022aと固定シールゴム部1022cの接触している面、及び固定シールゴム部1022bと固定シールゴム部1022dの接触している面に均等にかかり、従ってこれらの接触面に隙間を生じさせず密着させることが出来る。
【0022】
図1及び
図2に示す上部押圧部材103a、103c及び下部押圧部材103b、103dは、角を丸めた丸め部分108を有する。上部押圧部材103a、103c及び下部押圧部材103b、103dを、
図3に示す固定シールゴム部1022a、1022b、1022c、1022d上に設置する際は、固定シールゴム部1022a、1022b、1022c、1022dと半円筒シールゴム部1021a、1021bの境界部分に丸め部分108が近接するように設置する。
図2に示すように、更に、半円筒シールゴム部1021a、1021bに上部押圧部材103a、103c及び下部押圧部材103b、103dが接触しないように離した状態で設置してもよい。丸め部分108によって、上部シールゴム102a及び下部シールゴム102bの、上部押圧部材103a、103c及び下部押圧部材103b、103dの角との接触による摩耗や破損を防ぐことが出来る。
【0023】
図4に、本実施形態に係る配管の接手構造10によって接続された配管の一例を示す。配管403は図示しない集塵機に接続されている。配管402、404は一端が吸込口405、406である。配管401は分岐しており、配管402、403、404に接続されている。配管401と、配管402、403、404とのそれぞれの接続部分は、接手構造10によって接続されている。
【0024】
集塵機を稼働すると、集塵機の送風機によって配管401~404の内部は陰圧となり、吸込口405、406から埃等を含む気体が配管内に流入し、矢印方向に気体が流れる。このとき、気体に含まれる埃等が、配管内、特に分岐部や曲がり部に多く付着する。上部シールゴム102a及び下部シールゴム102bは、配管101aと配管101bに接着されていないため、配管の保全作業を行う際は、集塵機を停止させ、接手構造10を取り外し、配管401を取り外して清掃する等、容易に保全作業を行うことができる。また、
図2(a)に示すように、配管101aと配管101bを距離aだけ離すことにより、配管の取り外し、取り付け時に生じ得る配管の先端の破損等を防ぎ、交換作業を容易に行うことができる。
【0025】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る配管の接手構造50の正面図を
図5(a)、側面図を
図5(b)に示す。
図5に示す接手構造50は、
図1に示す接手構造10と同様、配管101aと配管101bとを接続している。
図5に示す接手構造50は、シールゴム501、上部押圧部材502a、下部押圧部材502b、ボルト104、ナット105とから構成される。
図5(a)に示す配管101aと配管101bは、
図2同様、
図5(b)では配管101aと配管101bの断面が示されており、配管101aと配管101bは、互いに距離aだけ離し、配管101aと配管101bの円柱形状の軸が一致するように配置される。
【0026】
シールゴム501は長方形のシート状の形状をなす。
図5に示すシールゴム501は、長方形のシート状のシールゴムを、配管101aと配管101bの向かい合う先端に挟まれた幅aの離間部107と、配管101aと配管101bの向かい合う先端とを含む接続部Aの外周面に巻き付けて構成したものである。上部押圧部材502a及び下部押圧部材502bは、半円筒形状である半円筒押圧部5021と、半円筒押圧部5021の側面側の両端から延びる固定押圧部5022a、5022bとから構成される。上部押圧部材502aと下部押圧部材502bは、互いに同じ形状である。半円筒押圧部5021は、半円筒押圧部5021の内径が配管101aと配管101bにシールゴム501を巻き付けた際の外径と一致するように形成されている。固定押圧部5022a、5022bにはボルトのねじ部用の穴がそれぞれ2か所ずつ形成されており、4組のボルト104及びナット105は、固定押圧部5022a、5022bに取り付けられる。
【0027】
シールゴム501は、接続部Aの外周面を、
図5(b)に示すようにシールゴム501の一端と他端とが長さbだけ重複するように覆う。シールゴム501の周囲を上部押圧部材502a及び下部押圧部材502bによって挟み、ボルト104及びナット105によって固定する。半円筒押圧部5021は半円筒押圧部5021の内径が配管101aと配管101bにシールゴム501を巻き付けた際の外径と一致するように形成されているため、シールゴム501を上部押圧部材502a及び下部押圧部材502bによって挟み、ボルト104及びナット105によって固定すると、シールゴム501の長さbの重なり部分は密着する。
【0028】
第1の実施形態と同様、集塵機を稼働させることによって内部106が陰圧となり、シールゴム501の離間部107を覆っている部分が内部106内に引き寄せられ、シールゴム501の配管101a及び配管101bとの密着性が高まり、内部106の気密性が十分高くなり、内部106内の気体の、離間部107から配管101aと配管101bの外部への漏れを防ぐことができる。
【0029】
なお、シールゴム501の形状は、シールゴム501の一端と他端とが重複するように接続部Aの外周面に巻き付けることで接続部Aの外周面の全領域をシールゴム501によって覆う構造であれば、長方形の形状に限定されず、例えば、ひし形や円形等、他の形状でも構わない。
【0030】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る配管の接手構造60の側面図を
図6に示す。配管101aと配管101bの配置は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。
図6に示す接手構造60は、配管101a及び配管101bの周囲に、
図1、
図2に示す上部シールゴム102a及び下部シールゴム102bを配置し、更に、
図5に示す上部押圧部材502a及び下部押圧部材502bによって挟み、ボルト104及びナット105によって固定する。上部シールゴム102a及び下部シールゴム102bの周囲全体を上部押圧部材502a及び下部押圧部材502bによって覆うことにより、上部シールゴム102a及び下部シールゴム102bの離間部107への密着性を高めることができる。
【0031】
以上述べたように、本発明の各実施形態に係る配管の接手構造によれば、集塵機に接続された配管の内部の気密性を確保しながら、保全作業の手間と時間を短縮することができる。
【0032】
以上、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0033】
10 接手構造
101a、101b、401、402,403,404 配管
102a 上部シールゴム
102b 下部シールゴム
103a、103c、502a 上部押圧部材
103b、103d、502b 下部押圧部材
104 ボルト
105 ナット
106 内部
107 離間部
108 丸め部分
1021a、1021b 半円筒シールゴム部
1022a、1022b、1022c、1022d 固定シールゴム部
1023 穴
405、406吸込口
501 シールゴム
5021 半円筒押圧部
5022a、5022b 固定押圧部