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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123770
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】ちり取り
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/52 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
A47L13/52 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021292
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】横山 広
(72)【発明者】
【氏名】中川 和紀
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074HH01
3B074HH03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回収した塵埃の排出時に、塵埃の一部がごみ箱からこぼれ落ちるのを防ぐことができると共に、スムーズに塵埃を排出することができるちり取りを提供する。
【解決手段】ちり取り10は、略棒状の把持柄1と、把持柄1の下端側に設けられると共に、略平坦状の底板21と、底板21の両側端及び後端から起立する側板22とを有する集塵ケース2とから構成されており、底板21の両側端から起立する側板22のうちの少なくとも1つの内面は、集塵ケース2の底板21に対して略垂直平面となるように形成された排出面22dと、排出面22dの両側から排出面に向かい傾斜した誘導面22e、22eとが一体的に形成されている。
【選択図】図1(d)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略棒状の把持柄と、
前記把持柄の下端側に設けられると共に、略平坦状の底板と、前記底板の両側端及び後端から起立する側板と、を有する集塵ケースと、から構成されたちり取りであって、
前記底板の両側端から起立する側板のうちの少なくとも1つの内面は、前記集塵ケースの底板に対して略垂直平面となるように形成された排出面と、該排出面の両側から排出面に向かい傾斜した誘導面とが一体的に形成されていることを特徴とするちり取り
【請求項2】
排出面は、集塵ケースの前方側に向かい漸次幅狭となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のちり取り
【請求項3】
排出面の後端に、排出面に向かい傾斜した後部誘導面が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のちり取り
【請求項4】
誘導面は、集塵ケースの前方側に向かい漸次幅広となるように形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のちり取り
【請求項5】
排出面と誘導面とが底板の両側端から起立する側板の内面のいずれにも形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のちり取り
【請求項6】
排出面は導電性樹脂にて形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のちり取り
【請求項7】
集塵ケースの底板の前方端部には軟質部材が配置されていると共に、排出面は、前記軟質部材よりも摩擦抵抗が小さいことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のちり取り
【請求項8】
排出面の長手方向は、把持柄の長手方向に対して略垂直となるように形成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のちり取り
【請求項9】
集塵ケースの重心は、集塵ケースと把持柄との連結部よりも前方側に位置していることを特徴とする請求項8に記載のちり取り
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみや塵埃を収容する集塵ケースと棒状の把持柄とを備えたちり取りに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ごみや塵埃を収容するプラスチック製の集塵ケースを備えた家庭用に用いられるちり取りが知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載のちり取りは、側板の片方を横U字状の曲面としたものであり、ごみ箱の開口よりも、ちり取りの開口(排出口)の方が大きい場合に、せっかく回収した塵埃の一部がごみ箱からこぼれ落ちるという従来のちり取りが有していた課題を解決するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭48-1875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のちり取りは、側板の片方が横U字状の曲面となっていることから回収した塵埃が横U字状の曲面で重なり合うこととなるため、スムーズに塵埃を排出することができない場合があるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、回収した塵埃の排出時に、塵埃の一部がごみ箱からこぼれ落ちるのを防ぐことができると共に、スムーズに塵埃を排出することができるちり取りを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、略棒状の把持柄と、前記把持柄の下端側に設けられると共に、略平坦状の底板と、前記底板の両側端及び後端から起立する側板と、を有する集塵ケースと、から構成されたちり取りであって、前記底板の両側端から起立する側板のうちの少なくとも1つの内面は、前記集塵ケースの底板に対して略垂直平面となるように形成された排出面と、該排出面の両側から排出面に向かい傾斜した誘導面とが一体的に形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項1のちり取りの発明は、集塵ケースの側板からごみを排出することができるためごみや塵埃の一部がごみ箱からこぼれ落ちるのを防ぐことができる。また、排出面の両側から排出面に向かい傾斜した誘導面が形成されているため、ごみや塵埃を排出面側に寄せることができると共に、こぼれ落ちて散乱するのを防ぐことができる。また、排出面が平面となっていることから、曲面になっている場合と比較して、ごみの積み重なりを抑制でき、ごみをスムーズに排出することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、排出面は、集塵ケースの前方側に向かい漸次幅狭となるように形成されていることを特徴としている。これにより、ごみの排出時に、一層ごみを散乱させることなく、正確にごみ箱に移送させることができる。また、排出面の後方側は幅広となっていることから、集塵量を確保しながら、ごみが溢れるのを抑制することができる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、排出面の後端に、排出面に向かい傾斜した後部誘導面が形成されていることを特徴としている。これにより、排出時に、排出面の前方側へごみをスムーズに移送させることができるため、ごみの捨て残しが抑制され、効率よくごみを排出することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、誘導面は、集塵ケースの前方側に向かい漸次幅広となるように形成されていることを特徴としている。排出時は、集塵ケース内のごみが勢いよく排出面の前方端部に移送されることとなるが、誘導面を幅広とすることによって、ごみが側方からこぼれ落ちるのを抑制することができ、排出面に誘導することができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1~4のいずれかの発明において、排出面と誘導面とが底板の両側端から起立する側板の内面のいずれにも形成されていることを特徴としている。したがって、利き手に関わらず左右のどちらでも一層簡易にごみを排出することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1~5のいずれかの発明において、排出面は導電性樹脂にて形成されていることを特徴としている。したがって、排出面の帯電を抑制することができ、ごみや塵埃を排出面からスムーズに排出することができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1~6のいずれかの発明において、集塵ケースの底板の前方端部には軟質部材が配置されていると共に、排出面は、前記軟質部材よりも摩擦抵抗が小さいことを特徴としている。したがって、集塵ケースの底板前方からのごみの排出を抑制することができると共に、ごみを排出面からスムーズに排出することができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1~7のいずれかの発明において、排出面の長手方向は、把持柄の長手方向に対して略垂直となるように形成されていることを特徴としている。したがって、排出面が床面に対して平行な状態から、把持柄を軸中心に回動させることで容易に排出面の前方端部を下方に傾けることができるので、操作性を向上させることができ、簡易にごみを排出することができる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、集塵ケースの重心は、集塵ケースと把持柄との連結部よりも前方側に位置していることを特徴としている。したがって、排出面は、床面に対して平行な状態から、把持柄の軸を中心に排出面の前方端部が下方に傾き易くなるため、操作性を向上させることができ、簡易にごみを排出することができる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1のちり取りの発明は、ごみや塵埃の一部がごみ箱からこぼれ落ちるのを防ぐことができる。また、ごみや塵埃を排出面側に寄せることができる。さらに、ごみの積み重なりを抑制でき、ごみをスムーズに排出することができる。また、請求項2の発明は、ごみの排出時に、一層ごみを散乱させることなく、正確にごみ箱に移送させることができる。また、集塵量を確保しながら、ごみが溢れるのを抑制することができる。また、請求項3の発明は、ごみの捨て残しが抑制され、効率よくごみを排出することができる。
【0018】
請求項4の発明は、ごみが側方からこぼれ落ちるのを抑制することができ、排出面に誘導することができる。また、請求項5の発明は、利き手に関わらず左右のどちらでも一層簡易にごみを排出することができる。また、請求項6の発明は、排出面の帯電を抑制することができ、ごみや塵埃を排出面からスムーズに排出することができる。
【0019】
請求項7の発明は、集塵ケースの底板前方からのごみの排出を抑制することができると共に、ごみを排出面からスムーズに排出することができる。また、請求項8及び9の発明は、操作性を向上させることができ、簡易にごみを排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1(a)】本発明に係るちり取りの集塵モードにおける斜視図
図1(b)】本発明に係るちり取りの集塵モードにおける正面図
図1(c)】本発明に係るちり取りの集塵モードにおける左側面図
図1(d)】本発明に係るちり取りの集塵モードにおける縦断面図
図1(e)】本発明に係るちり取りの集塵モードにおける部分断面図
図2(a)】本発明に係るちり取りの収納モードにおける斜視図
図2(b)】箒と合体させた状態の本発明に係るちり取りの収納モードにおける斜視図
図2(c)】箒と合体させて壁に当接させた状態の本発明に係るちり取りの収納モードにおける左側面図
図3】(a)~(d)箒との着脱過程を示す本発明に係るちり取りの左側面図
図4】(a)本発明に係るちり取りを構成する側板の斜視図(b)同側板の正面図(c)同側板の左側面図
図5(a)】ごみ箱に塵埃を排出している状態を示す本発明に係るちり取りの左側面図
図5(b)】同ちり取りの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。図1(a)は、本発明に係るちり取りの集塵モードにおける斜視図であり、図1(b)は、本発明に係るちり取りの集塵モードにおける正面図、図1(c)は、本発明に係るちり取りの集塵モードにおける左側面図である。また、図1(d)は、本発明に係るちり取りの集塵モードにおける縦断面図であり、図1(e)は、本発明に係るちり取りの集塵モードにおける部分断面図である。また、図2(a)は、本発明に係るちり取りの収納モードにおける斜視図であり、図2(b)は、箒と合体させた状態の本発明に係るちり取りの収納モードにおける斜視図、図2(c)は、箒と合体させて壁に当接させた状態の本発明に係るちり取りの収納モードにおける左側面図である。これらの図を用いて本発明に係るちり取りの概要を以下に説明する。
【0022】
本発明に係るちり取り10は、略棒状の把持柄1と、把持柄1の下端側に設けられると共に、略平坦状の底板21と、底板21の両側端及び後端から起立する側板22と、底板21の後部上方を覆うように側板22から延びる天板23とを有する集塵ケース2と、把持柄1の端部と集塵ケース2の天板23とを回動可能に連結した回動手段3(連結部)とを有している。また、集塵ケース2の底板21は、前方端部に軟質部材6を有している。また、把持柄1の端部には、持ち手1aが形成されており、持ち手1aの近傍には係止ホルダー12が取り付けられている。この係止ホルダー12は、後述するように箒の柄8aを係止することができる。尚、天板23と回動手段3を有しておらず、把持柄1の下端を底板21に固定した構成や、把持柄1の下端を底板21の後端から起立する側板22に固定した構成も本発明に含まれる。
【0023】
底板21の両側端から起立する側板22、22のうちの少なくとも1つの内面は、集塵ケースの底板に対して略垂直平面となるように形成された排出面22dと、排出面22dの両側から排出面22dに向かい傾斜した誘導面22e、22eとが一体的に形成されている。これにより、ごみや塵埃を排出面側に寄せることができると共に、こぼれ落ちて散乱するのを防ぐことができる。また、排出面が平面となっていることから、曲面になっている場合と比較して、ごみの積み重なりを抑制でき、ごみをスムーズに排出することができる。尚、排出面と誘導面とが底板の両側端から起立する側板の内面のいずれにも形成するようにしてもよく、これも本発明に含まれる。
【0024】
排出面22dは、集塵ケース2の前方側に向かい漸次幅狭となるように形成されている。また、誘導面22eは、集塵ケース2の前方側に向かい漸次幅広となるように形成されている。また、排出面22dの後端に、排出面22dに向かい傾斜した後部誘導面22fが形成されている。
【0025】
排出面22dは、導電性樹脂にて形成されているのが好ましい。これにより、排出面の帯電を抑制することができ、ごみや塵埃を排出面からスムーズに排出することができる。さらに、誘導面22e、22e及び底板21を導電性樹脂にて形成した場合は、集塵ケース2の内部に収容したごみや塵埃を、排出面22dまでよりスムーズに寄せることができると共に、集塵ケース2の内部にごみや塵埃の残存を防ぐことができる。また、排出面22dは、軟質部材6よりも摩擦抵抗を小さくするのが好ましい。これにより、集塵ケース2の底板21の前方からのごみの排出を抑制することができると共に、ごみを排出面22dからスムーズに排出することができる。
【0026】
集塵ケース2は、底板21と、側板22の一部とから下部開口4が形成され、天板23と、側板22の一部とから上部開口5が形成されている。ここで、図1(a)に示す側板の前方上部に位置する角部22a、22a同士を結んだ仮想線7が下部開口4と上部開口5の境界線であり、
下部開口4とは、仮想線7と、両側板の端縁22b、22bと、軟質部材の端縁6aで囲まれた部分で定義される。また、上部開口5とは、仮想線7と、両側板の上縁22c、22cと、天板の端縁23aで囲まれた部分で定義される。
【0027】
ちり取り10は、把持柄1を床面に対して略垂直方向に立てた状態で、集塵ケース2の下部開口4側を下方として床面に当接可能な収納モードと、集塵ケース2の底板21側を下方として床面に当接可能な集塵モードとに変形することが可能となっている。尚、集塵ケース2は合成樹脂で一体的に形成されており、ポリプロピレン、導電性ポリプロピレン、ABS樹脂、導電性ABS樹脂、ポリアミド樹脂等を採用することができる。また、軟質部材6は、ゴム製が好ましい。
【0028】
ちり取り10は、収納モードにおいて、軟質部材6を床面に当接していないようにしている。これにより、軟質部材6の劣化を抑制することができ、耐久性を向上させることができる。
【0029】
ちり取り10は、集塵ケースの天板23の外面に、箒8の柄の一部を収納可能な凹部が形成されている。図2(b)に示すように、収納モードにおいて、柄8aと、柄8aの下端に設けられた清掃刷毛11とを有する箒8を着脱することができるようにしている。箒8の清掃刷毛11は、基台9に一方の端部が固定されている。また、柄の連結部8cと基台の連結部9aとが連結されていると共に、連結部8c、9aはクラッチ機構を備えており、柄8aに対して任意の角度で基台9固定することができるようにしている。尚、8bは柄8aの端部に形成されている持ち手である。
【0030】
図1(d)に示すように、回動手段3は、把持柄1の軸方向に突出するようにバネ17によって付勢された押圧部材13と、集塵ケースの天板の外面に形成され、押圧部材13と嵌合する2箇所の凹部14a、14bを有する受け部材14と、把持柄1を、受け部材14を中心に往復回動可能に接続した軸部材15とを有している。そして、押圧部材13の先端に形成されている凸部13aが凹部14a又は、凹部14bに嵌合することによって把持柄1は、ロックされた状態となる。
【0031】
係止ホルダー12は略C型断面形状の弾性部材で形成されており、内径は係止リング8dの外径と略同じ長さであり、係止ホルダー12の開口径は、係止リング8dの外径よりも若干短くしている。また、箒の持ち手8bの外径は、係止リング8dの外径よりも太く形成されている。また、箒の柄8aの外径は、係止リング8dの外径よりも細く形成されていると共に、係止ホルダー12の開口径よりも短く形成されている。したがって、箒8をちり取り10に固定する際には、箒の柄8a側を係止ホルダー12の開口側から挿入した後、下方に落とすことによって、係止リング8dを係止ホルダー12に係止することもできるが、係止リング8dを直接係止ホルダー12の開口から挿入しても係止ホルダー12に係止することができる。また、箒8をちり取り10から取り外す際には、固定する際の動作と逆の動作をすることによって、容易に取り外すことができる。
【0032】
図3(a)~(d)は、箒との着脱過程を示す本発明に係るちり取りの左側面図である。これらの図を用いて本発明に係るちり取りと箒との着脱について説明する。
【0033】
まず、図3(a)に示す箒8がちり取り10に固定されている状態から両者を引き離すと共に、ちり取り10の集塵ケースの側板22の前方下部に位置する角部Zを支点にして把持柄1を図面上、反時計回りに約45度傾けた後、角部Zの支点を維持した状態で把持柄1を床面に対して垂直となる状態に戻しつつ、把持柄1を下方に向けて押すと回動手段3はロックが解除され、図3(b)に示す状態となる。この状態から把持柄1をさらに下方に向けて押すと、集塵ケース2は、底板21が床面に当接して図3(c)に示す集塵モードの状態となる。この状態では、把持柄1は、回転手段3がロックされた状態となるので、床面に対して略垂直な状態が維持される。
【0034】
一方、集塵モードから収納モードにする場合は、図3(c)に示す状態から、箒8をちり取り10側に引き寄せると共に、ちり取り10は角部Zを支点として把持柄1を図面上時計回りに約45度傾けた後、角部の支点を維持した状態で把持柄1を床面に対して垂直となる状態に戻しつつ、把持柄1を下方に向けて押すと回動手段3はロックが解除され、図3(d)に示す状態となる。この状態からちり取り10の把持柄1を箒の柄8aに近づけて係止リング8dを係止ホルダー12に係止することにより、図3(a)に示す収納モードの状態となる。上述のように使用者は把持柄1を操作することによって収納モードと集塵モードとに変形することができ、使用者の手が集塵ケース2に触れることがないので、衛生的であると共に、塵埃等の付着を防ぐことができる。
【0035】
図4(a)は、本発明に係るちり取りを構成する側板の斜視図であり、図4(b)は、同側板の正面図、図4(c)は、同側板の左側面図である。集塵ケースは、一体的に形成されるものであるが、説明の都合上、側板以外の構成は図示していない。これらの図を用いて本発明に係るちり取りを構成する側板について以下に説明する。
【0036】
側板22は、排出面22dと、排出面22dの両側から排出面22dに向かい傾斜した誘導面22e、22eと、排出面22dの後端に、排出面22dに向かい傾斜した後部誘導面22fと、誘導面22e及び後部誘導面22fの一方の側端の天面22g、22gとが一体的に形成されている。また、排出面の前方端部の長さaは、排出面の後方端部の長さdよりも短く、集塵ケースの前方側に向かい漸次幅狭となるように形成されている。これにより、ごみの排出時に、一層ごみを散乱させることなく、正確にごみ箱に移送させることができる。また、排出面の後方側は幅広となっていることから、集塵量を確保しながら、ごみが溢れるのを抑制することができる。
【0037】
また、誘導面22e、22eは、誘導面の前方端部の長さb及びcが最大となっており、集塵ケースの前方側に向かい漸次幅広となるように形成されている。これにより、ごみが側方からこぼれ落ちるのを抑制することができ、排出面に誘導することができる。また、後部誘導面の前方端部の長さdは、後部誘導面の後方端部の長さeよりも長く、排出面の後方端部側に向かい漸次幅広となるように形成されている。これにより、排出時に、排出面の前方側へごみをスムーズに移送させることができるため、ごみの捨て残しが抑制され、効率よくごみを排出することができる。
【0038】
尚、排出面22dと誘導面22eとの傾斜角α及びβと、後部誘導面22fと排出面22dとの傾斜角γは、各々5度~20度の範囲で形成されるのが好ましい。
【0039】
図5(a)は、ごみ箱に塵埃を排出している状態を示す本発明に係るちり取りの左側面図である。この図に示すように、側板22の排出面22dの長手方向は、把持柄1の長手方向に対して略垂直となるように形成されている。
【0040】
図5(b)は、ごみ箱に塵埃を排出している状態を示す本発明に係るちり取りの斜視図である。この図に示すように、集塵ケース2の重心2aは、集塵ケース2と把持柄1との連結部3よりも前方側に位置している。これにより、排出面22dは、床面に対して平行な状態から、把持柄1の軸を中心に排出面22dの前方端部が下方に傾き易くなるため、操作性を向上させることができ、簡易にごみをごみ箱18へと排出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係るちり取りは、ごみや塵埃を集める清掃道具として利用される。
【符号の説明】
【0042】
1 把持柄
1a 持ち手
2 集塵ケース
2a 重心
3 回動手段(連結部)
4 下部開口
5 上部開口
6 軟質部材
6a 軟質部材の端縁
7 仮想線
8 箒
8a 箒の柄
8b 箒の持ち手
8c 柄の連結部
8d 係止リング
9 基台
9a 基台の連結部
10 ちり取り
11 清掃刷毛
12 係止ホルダー
13 押圧部材
13a 凸部
14 受け部材
14a、14b 凹部
15 軸部材
17 バネ
18 ごみ箱
21 底板
22 側板
22a 角部
22b 端縁
22c 上縁
22d 排出面
22e 誘導面
22f 後部誘導面
22g 天面
23 天板
23a 天板の端縁
23b 天板の凹部
a 排出面の前方端部の長さ
b、c 誘導面の前方端部の長さ
d 排出面の後方端部の長さ(後部誘導面の前方端部の長さ)
e 後部誘導面の後方端部の長さ
α、β、γ 傾斜角
Z 角部
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図1(d)】
図1(e)】
図2(a)】
図2(b)】
図2(c)】
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】