(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123790
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】電流検出器
(51)【国際特許分類】
G01R 15/18 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
G01R15/18 C
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021335
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】595098011
【氏名又は名称】東洋システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】庄司 真弘
(72)【発明者】
【氏名】青木 良太
(72)【発明者】
【氏名】庄司 秀樹
【テーマコード(参考)】
2G025
【Fターム(参考)】
2G025AA13
2G025AB02
2G025AC01
(57)【要約】
【課題】コイルの巻線の巻厚が不均一であっても、容易に電流の測定精度を高めることができる電流検出器を提供する。
【解決手段】電流検出器は、環状のコイルが外装ケース内に固定された磁気平衡式の電流検出器である。コイルは磁性体コアと磁性体コアを収容する環状のコア収容ケースとを含んで成る。外装ケースは導体が挿通される挿通孔が内側に形成されており、コイル収容空間を有している。コア収容ケースは、第1突出部と、コイル収容空間の内壁面に当接して内壁面とコイルとの間に隙間を形成し、かつ磁性体コアと外装ケースの挿通孔に装着された導体とが直交するように位置決めする第2突出部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のコイルが外装ケース内に固定された磁気平衡式の電流検出器であって、
前記コイルは、測定対象である導体に流れる電流が生じさせる磁束を収束する環状の磁性体コアと、該磁性体コアを収容する環状のコア収容ケースと、該コア収容ケースに巻き付けられて該環状のコイルを形成する導電性の巻線と、を含んで成り、
前記外装ケースは、前記導体が挿通されて前記電流検出器を該導体に対して位置決めする挿通孔が内側に形成されており、該挿通孔を周囲から囲む環状の空間であって前記コイルを収容するコイル収容空間を有しており、
前記磁性体コアに収束した磁束を検知する磁束検知素子を実装した基板を備え、
前記コア収容ケースは、
前記基板の方向に突出する複数の突出部であって前記コア収容ケースを該基板に固定する第1突出部と、
前記第1突出部が突出する方向の反対側に突出する複数の突出部であって、前記コイル収容空間の内壁面に当接して該内壁面と前記コイルとの間に隙間を形成し、かつ前記磁性体コアと前記外装ケースの挿通孔に装着された前記導体とが直交するように位置決めする第2突出部と、を有する
ことを特徴とする電流検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の電流検出器において、
前記外装ケースは、前記複数の第2突出部それぞれが当接する部分に、該複数の第2突出部それぞれの先端部が嵌合されて、又は該複数の第2突出部それぞれの先端部に嵌合されて、前記コイルが前記導体の周囲を回転すること及び該コイルが該導体に近づき又は離れる方向に移動することを規制する移動規制部を有することを特徴とする電流検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気平衡式の電流検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、
図1の右図のようなコイルが採用された、磁気平衡式の電流検出器が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
磁気平衡式の電流検出器に採用されているコイル20は、
図1の左図に示すような磁性体コア21を上下から挟み込んで内包する収容ケース22の上から、磁気検知素子であるホール素子が検知する磁気を常に0とするためのフィードバック電流を流す巻線23が巻かれた
図1の右図のような構造となっている。
【0004】
そして収容ケース22は、その上面に複数の突起部24が設けられており、これらの突起部24はホール素子が実装される基板25とコイル20とを固定する構成である(
図2参照)。
【0005】
また
図2は、従来の磁気平衡式の電流検出器を分解した図であるが、磁気平衡式の電流検出器に採用されているコイル20は、
図2に示すように、コイル20の絶縁を確保しつつ測定対象の電流が流れる導体との位置決めをするための外装ケース26に、コイル20を寝かせた状態でその下面側の表面を外装ケース26の内壁27に接触させた状態ではめ込まれて、外装ケース26内でコイル20が動かないようにモールド材が充填されるなどして固定される構造となっていることが一般的である。
【0006】
このとき、コイル20が外装ケース26に対して傾いた状態で固定されると、導体を流れる電流の測定精度が低下してしまう。そのため、コイル20が外装ケース26に対して傾いた状態で固定されないようにする必要があるが、巻線23の巻厚が不均一であるとコイル20の表面は凸凹した状態となるので、コイル20の表面を外装ケース26の内壁27に接触させた状態ではめ込まれたコイル20を、傾きのない状態で外装ケース26内に固定することは難しい。
【0007】
巻線加工時の巻線速度を低速化することで、巻厚の不均一性を極力少なくすることは可能だが、その分加工費が上がり、また巻厚の不均一性を完全になくすことは非常に困難である。このような課題を解決できる技術が求められている。
【0008】
しかしながら、
図1及び
図2で示したような従来型の電流検出器においては、その点が考慮されていないので、巻線23の巻厚の不均一性がある場合に、磁性体コア21が外装ケース26に対して傾いた状態で固定されてしまう可能性があり、結果的に電流の測定精度が低下することを防止できない。
【0009】
そこで本発明は、コイルの巻線の巻厚が不均一であっても、容易に電流の測定精度を高めることができる電流検出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電流検出器は、
環状のコイルが外装ケース内に固定された磁気平衡式の電流検出器であって、
前記コイルは、測定対象である導体に流れる電流が生じさせる磁束を収束する環状の磁性体コアと、該磁性体コアを収容する環状のコア収容ケースと、該コア収容ケースに巻き付けられて該環状のコイルを形成する導電性の巻線と、を含んで成り、
前記外装ケースは、前記導体が挿通されて前記電流検出器を該導体に対して位置決めする挿通孔が内側に形成されており、該挿通孔を周囲から囲む環状の空間であって前記コイルを収容するコイル収容空間を有しており、
前記磁性体コアに収束した磁束を検知する磁束検知素子を実装した基板を備え、
前記コア収容ケースは、
前記基板の方向に突出する複数の突出部であって前記コア収容ケースを該基板に固定する第1突出部と、
前記第1突出部が突出する方向の反対側に突出する複数の突出部であって、前記コイル収容空間の内壁面に当接して該内壁面と前記コイルとの間に隙間を形成し、かつ前記磁性体コアと前記外装ケースの挿通孔に装着された前記導体とが直交するように位置決めする第2突出部と、を有する
ことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、電流検出器は、外装ケースが有する挿通孔により電流の測定対象である導体に対して位置決めされる。
【0012】
そして、コア収容ケースに設けられた、第1突出部が突出する方向の反対側に突出する第2突出部により、磁性体コアと外装ケースの挿通孔に装着された導体とが直交するように位置決めされる。
【0013】
また、コイルと、内壁面との間に隙間が形成されるので、コイルの巻線の巻厚が不均一なためにコイルの表面に凸凹があっても、コイルの表面が内壁面にあたることはなく、コイルが外装ケースに対して傾いた状態で固定されることを防止できる。
【0014】
これにより、巻線の巻厚が不均一であっても、容易に電流の測定精度を高めることができる。
【0015】
本発明の電流検出器において、
前記外装ケースは、前記複数の第2突出部それぞれが当接する部分に、該複数の第2突出部それぞれの先端部が嵌合されて、又は該複数の第2突出部それぞれの先端部に嵌合されて、前記コイルが前記導体の周囲を回転すること及び該コイルが該導体に近づき又は離れる方向に移動することを規制する移動規制部を有することが好ましい。
【0016】
コイルが、コイル収容空間内において動いてしまうと、導体との位置関係がずれてしまい、電流の測定精度が低下する。
【0017】
本発明によれば、電流検出器の外装ケースの、複数の第2突出部それぞれが当接する部分に設けられた移動規制部により、コイル収容空間内においてコイルが導体の周囲を回転したり、導体に近づき又は離れる方向に移動したりすることが規制されるので、導体との位置関係を容易に一定とすることができる。
【0018】
これにより、導体との位置関係のずれに伴う電流の測定精度の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来の電流検出器に用いられるコイルの構造及びコア収容ケースの構造の一例を示す図。
【
図4】本発明の電流検出器に用いられるコイルの構造の一例を示す図。
【
図5】本発明の電流検出器に用いられるコア収容ケースの構造の一例を示す図。
【
図7】本発明の電流検出器に用いられるコア収容ケースの変更例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図3~6を用いて、本実施形態の電流検出器について説明する。なお同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略することがある。
【0021】
まず、本実施形態の電流検出器1の全体構成について説明する。
図3は、本実施形態の電流検出器1の分解図である。
【0022】
本実施形態の電流検出器1は、
図3に示すように、環状のコイル10と、コイル10を収容して固定する外装ケース30と、コイル10に固定される基板50とで構成される、磁気平衡式の電流検出器である。
【0023】
なお本実施形態においてコイル10は円環状であるが、「環状」とは、円環状のみに限定されず、電流検出器用のコイルとしての機能を損なわない限りにおいて、例えば四角環状などの多角形をなす環状の形状のコイルが用いられてもよい。後述する環状の磁性体コア101、環状のコア収容ケース103、コイル収容空間303の形状についても同様である。
【0024】
外装ケース30は、
図3に示すように、導体が挿通されて電流検出器1を導体に対して位置決めする挿通孔301が内側に形成されており、挿通孔301を周囲から囲む環状の空間であってコイル10を収容するコイル収容空間303を有している。
【0025】
図4の上図は、本実施形態のコイル10を基板50が固定される方向から見た図であり、
図4の下図は、本実施形態のコイル10の断面図である。
【0026】
コイル10は、
図4に示すように、測定対象である導体に流れる電流が生じさせる磁束を収束する環状の磁性体コア101と、磁性体コア101を収容する環状のコア収容ケース103と、コア収容ケース103に巻き付けられて環状のコイル10を形成する導電性の巻線105と、を含んで構成されている。
【0027】
なお、コイル10の基板50側の表面にはコア収容ケース103が有する複数の第1突出部111(111a、111b)が、反対側の表面にはコア収容ケース103が有する複数の第2突出部113が、それぞれ突出している。
【0028】
磁性体コア101の素材としては、例えばケイ素鋼、パーマロイ、フェライト、アモルファス合金等の素材が適宜用いられてよい。また、磁性体コア101は、後述する磁束検知素子501を配置するエアギャップを有している。なお当該エアギャップは、磁束検知素子501を配置するのに十分な深さ、幅等を有していればよい。すなわち例えば磁性体コア101は基板50側から見た場合にC字型となるような隙間部分を有しており、当該隙間部分がエアギャップを形成していてもよい。あるいは例えばエアギャップは磁性体コア101を貫通しないスリットにより形成されていてもよい。
【0029】
図5の上図は、本実施形態のコア収容ケース103を基板50が固定される方向から見た図であり、
図5の下図は、本実施形態のコア収容ケース103の断面図である。また、
図6の左図は、本実施形態の電流検出器1の使用状態を示す斜視図であり、
図6の右図は、本実施形態の電流検出器1の使用状態を示す断面図である。
【0030】
コア収容ケース103は、
図5に示すように、基板50の方向(図における上側)に突出する複数の突出部であってコア収容ケース103を基板50に固定する第1突出部111(111a、111b)と、第1突出部111が突出する方向の反対側(図における下側)に突出する複数の突出部であって、コイル収容空間303の内壁面311に当接して内壁面311とコイル10との間に隙間Gaを形成(
図4参照)し、かつ磁性体コア101と外装ケース30の挿通孔301に装着された導体90とが直交するように(
図6参照)位置決めする第2突出部113と、を有している。
【0031】
続いて、本実施形態の電流検出器1の細部について説明する。
図3に示すように、環状のコイル10の第1突出部111(111a、111b)には、基板50が、基板固定ネジ533により固定されている。また、その外側(図における上側)にさらに外装ケース蓋331が配置され、外装ケース固定ネジ333により外装ケース30に固定されている。
【0032】
なお、外装ケース30の、第2突出部113それぞれが当接する内壁面311は、導体90と直交する平面を形成している。そのため、磁性体コア101が、当該内壁面311が形成する平面に対して平行となるように位置決めすることで、磁性体コア101は導体90に対して直交することとなる。
【0033】
コア収容ケース103は、
図5に示すように、例えば第1突出部111が設けられた側の第1部材103aと、第2突出部113が設けられた側の第2部材103bとで構成されている。第1部材103aと、第2部材103bとは、磁性体コア101をはめ込むための溝をそれぞれが有しており、
図5の下図でいうところの上下方向から磁性体コア101を挟み込むようにして磁性体コア101をはめ込んで、磁性体コア101を収容している。
【0034】
第1突出部111は、本実施形態においては3つ設けられている。そのうち1つの第1突出部111bは、基板50に実装された磁束検知素子501を、磁性体コア101のエアギャップの位置に案内する素子挿入部131を有している。
【0035】
第1突出部111の高さ(
図5における上下方向の長さ)は、コイル10の巻線105の基板50側の表面が基板50に接触しない高さに調整されている。
【0036】
第2突出部113は、本実施形態においては第1突出部111のちょうど反対側の位置に3つ設けられており、第2突出部113の高さ(
図5における上下方向の長さ)は、コイル10の巻線105の内壁面311側の表面が内壁面311に接触しない高さに調整されている。
【0037】
基板50は、磁性体コア101に収束した磁束を検知する磁束検知素子501を実装している電子基板である。
【0038】
磁束検知素子501は、例えばホール素子である。磁束検知素子501は、第1突出部111bの基板50側に設けられた素子挿入部131の開口部から挿入されて、磁性体コア101の有するエアギャップの位置に配置されている。
【0039】
図6においては、例えば導体90は、図の横方向に向けて外装ケース30の挿通孔301に挿通されている。そして、第2突出部113によって、磁性体コア101と外装ケース30の挿通孔301に装着された導体90とが側面視において直交するように位置決めされる。
【0040】
また外装ケース30は、第2突出部113それぞれが当接する部分に第2突出部113それぞれの先端部が嵌合されて、コイル10が外装ケース30内で導体90の周囲を回転すること及びコイル10が導体90に近づき又は離れる方向(
図6の右図における上下方向および奥行き方向)に移動することを規制する移動規制部313が設けられていてもよい。
【0041】
図6においては、第2突出部113が当接する部分に第2突出部113の先端部の形状に合う形状(本実施形態においては円形)の窪みが移動規制部313として設けられており、当該窪みに第2突出部113の先端部がはめ込まれてコイル10が外装ケース30内で回転したり、導体90に近づき又は離れる方向に移動したりすることを規制している。また移動規制部313の位置は、第2突出部113の先端部がはめ込まれたときにコイル10の挿通孔301側の表面が外装ケース30の挿通孔301側の内壁面にあたらない位置でありかつ、コイル10の外周側の表面が外装ケース30の内壁面にあたらない位置に調整されている。
【0042】
あるいは例えば、第2突出部113の先端部に窪み133が設けられており、当該窪み133に嵌合する形状に調整された突起部であって、外装ケース30の内壁面311の第2突出部113が当接する位置に配置された突起部(図示せず)が当該窪み133に嵌合される構造であってもよい。この場合、当該突起部(図示せず)が移動規制部313として機能する。
【0043】
以上述べてきたように、本発明によれば、コイルの巻線の巻厚が不均一であっても、容易に電流の測定精度を高めることができる電流検出器を提供することができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0045】
例えば
図7は、第2突出部113の配置位置のバリエーションを示している。
【0046】
図7の左上図では、第1突出部111(111a、111b)が2つ、第2突出部113が2つ、設けられている。
図7の右上図では、第1突出部111(111a、111b)が4つ、第2突出部113が4つ、設けられている。
【0047】
あるいは
図7の左下図のように、第1突出部111(111a、111b)が2つ、第2突出部113が4つ、というように、第1突出部111と第2突出部113とが異なる数量設けられていてもよい。
【0048】
あるいはさらに、
図7の右下図のように、第1突出部111と第2突出部113とが異なる位置に設けられていてもよい。
【0049】
また各図においては、素子挿入部131を有しない第1突出部111a、複数の第2突出部113は円柱状である例のみを示したが、これに限定されず、例えば三角柱、四角柱その他の多角柱などであってもよい。
【0050】
このように、複数の第1突出部111の配置位置、数量及び形状は、コア収容ケース103を基板50に固定できる限りにおいて適宜に変更されてよい。
【0051】
また、複数の第2突出部113の配置位置、数量及び形状は、磁性体コア101と外装ケース30の挿通孔301に装着された導体90とが直交するように位置決めできる限りにおいて適宜に変更されてよい。
【符号の説明】
【0052】
1…電流検出器、10…コイル、101…磁性体コア、103…コア収容ケース、111…第1突出部、113…第2突出部、105…巻線、30…外装ケース、301…挿通孔、303…コイル収容空間、311…内壁面、313…移動規制部、50…基板、501…磁束検知素子、90…導体、Ga…隙間。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のコイルが外装ケース内に固定された磁気平衡式の電流検出器であって、
前記コイルは、測定対象である導体に流れる電流が生じさせる磁束を収束する環状の磁性体コアと、該磁性体コアを収容する環状のコア収容ケースと、該コア収容ケースに巻き付けられて該環状のコイルを形成する導電性の巻線と、を含んで成り、
前記外装ケースは、前記導体が挿通される挿通孔と、該挿通孔を囲む環状の空間であって前記コイルを収容するコイル収容空間とを有しており、
前記磁性体コアに収束した磁束を検知する磁束検知素子を実装した基板を備え、
前記コア収容ケースは、
前記基板と前記外装ケースの前記コイル収容空間の内壁面との間に配置され、
前記コア収容ケースの外表面から前記基板の方向に突出する突出部であって前記コア収容ケースを該基板に固定する第1突出部が設けられ、
前記コア収容ケースの外表面から前記第1突出部が突出する方向の反対側に突出する複数の突出部であって、前記コイル収容空間の内壁面に当接して前記コア収容ケースを該外装ケースに対して支持する第2突出部が設けられ、
前記複数の第2突出部それぞれが突出する高さは、該複数の第2突出部それぞれの先端部が前記コイル収容空間の前記内壁面に当接したときに、該内壁面と前記コイルとの間に隙間を形成し、かつ前記コア収容ケースに収容された前記磁性体コアが形成する環と前記外装ケースの前記挿通孔に装着された前記導体とが直交するように位置決めする高さにされていることを特徴とする電流検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の電流検出器において、
前記外装ケースは、前記第2突出部が当接する部分に、前記コイルが前記導体の周囲を回転すること及び該コイルが該導体に近づき又は離れる方向に移動することを規制する移動規制部を有することを特徴とする電流検出器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の電流検出器は、
環状のコイルが外装ケース内に固定された磁気平衡式の電流検出器であって、
前記コイルは、測定対象である導体に流れる電流が生じさせる磁束を収束する環状の磁性体コアと、該磁性体コアを収容する環状のコア収容ケースと、該コア収容ケースに巻き付けられて該環状のコイルを形成する導電性の巻線と、を含んで成り、
前記外装ケースは、前記導体が挿通される挿通孔と、該挿通孔を囲む環状の空間であって前記コイルを収容するコイル収容空間とを有しており、
前記磁性体コアに収束した磁束を検知する磁束検知素子を実装した基板を備え、
前記コア収容ケースは、
前記基板と前記外装ケースの前記コイル収容空間の内壁面との間に配置され、
前記コア収容ケースの外表面から前記基板の方向に突出する突出部であって前記コア収容ケースを該基板に固定する第1突出部が設けられ、
前記コア収容ケースの外表面から前記第1突出部が突出する方向の反対側に突出する複数の突出部であって、前記コイル収容空間の内壁面に当接して前記コア収容ケースを該外装ケースに対して支持する第2突出部が設けられ、
前記複数の第2突出部それぞれが突出する高さは、該複数の第2突出部それぞれの先端部が前記コイル収容空間の前記内壁面に当接したときに、該内壁面と前記コイルとの間に隙間を形成し、かつ前記コア収容ケースに収容された前記磁性体コアが形成する環と前記外装ケースの前記挿通孔に装着された前記導体とが直交するように位置決めする高さにされていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
そして、コア収容ケースに設けられた、第1突出部が突出する方向の反対側に突出する第2突出部は、コア収容ケースに収容された磁性体コアが形成する環と外装ケースの挿通孔に装着された導体とが直交するように位置決めする高さにされる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の電流検出器において、
前記外装ケースは、前記第2突出部が当接する部分に、前記コイルが前記導体の周囲を回転すること及び該コイルが該導体に近づき又は離れる方向に移動することを規制する移動規制部を有することが好ましい。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のコイルが外装ケース内に固定された磁気平衡式の電流検出器であって、
前記コイルは、測定対象である導体に流れる電流が生じさせる磁束を収束する環状の磁性体コアと、該磁性体コアを直接に被包して該磁性体コアを収容する環状のコア収容ケースと、該コア収容ケースに巻き付けられて該環状のコイルを形成する導電性の巻線と、を含んで成り、
前記外装ケースは、前記導体が挿通される挿通孔と、該挿通孔を囲む環状の空間であって前記コイルを収容するコイル収容空間とを有しており、
前記磁性体コアに収束した磁束を検知する磁束検知素子を実装した基板を備え、
前記コア収容ケースは、前記基板と前記外装ケースの前記コイル収容空間の内壁面との間に配置され、
前記コア収容ケースの外表面から前記基板の方向に突出する突出部であって前記コア収容ケースを該基板に固定する第1突出部が設けられ、
前記コア収容ケースの外表面から前記第1突出部が突出する方向の反対側に突出する複数の突出部であって、前記コイル収容空間の内壁面に当接して前記コア収容ケースを該外装ケースに対して支持する第2突出部が設けられ、
前記複数の第2突出部それぞれが突出する高さは、該複数の第2突出部それぞれの先端部が前記コイル収容空間の前記内壁面に当接したときに、該内壁面と前記コイルとの間に隙間を形成し、かつ前記コア収容ケースに収容された前記磁性体コアが形成する環と前記外装ケースの前記挿通孔に装着された前記導体とが直交するように位置決めする高さにされている
ことを特徴とする電流検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の電流検出器において、
前記外装ケースは、前記第2突出部が当接する部分に、前記コイルが前記導体の周囲を回転すること及び該コイルが該導体に近づき又は離れる方向に移動することを規制する移動規制部を有することを特徴とする電流検出器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の電流検出器は、
環状のコイルが外装ケース内に固定された磁気平衡式の電流検出器であって、
前記コイルは、測定対象である導体に流れる電流が生じさせる磁束を収束する環状の磁性体コアと、該磁性体コアを直接に被包して該磁性体コアを収容する環状のコア収容ケースと、該コア収容ケースに巻き付けられて該環状のコイルを形成する導電性の巻線と、を含んで成り、
前記外装ケースは、前記導体が挿通される挿通孔と、該挿通孔を囲む環状の空間であって前記コイルを収容するコイル収容空間とを有しており、
前記磁性体コアに収束した磁束を検知する磁束検知素子を実装した基板を備え、
前記コア収容ケースは、前記基板と前記外装ケースの前記コイル収容空間の内壁面との間に配置され、
前記コア収容ケースの外表面から前記基板の方向に突出する突出部であって前記コア収容ケースを該基板に固定する第1突出部が設けられ、
前記コア収容ケースの外表面から前記第1突出部が突出する方向の反対側に突出する複数の突出部であって、前記コイル収容空間の内壁面に当接して前記コア収容ケースを該外装ケースに対して支持する第2突出部が設けられ、
前記複数の第2突出部それぞれが突出する高さは、該複数の第2突出部それぞれの先端部が前記コイル収容空間の前記内壁面に当接したときに、該内壁面と前記コイルとの間に隙間を形成し、かつ前記コア収容ケースに収容された前記磁性体コアが形成する環と前記外装ケースの前記挿通孔に装着された前記導体とが直交するように位置決めする高さにされている
ことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
そして、磁性体コアを直接に被包して当該磁性体コアを収容するコア収容ケースに設けられた、第1突出部が突出する方向の反対側に突出する第2突出部は、コア収容ケースに収容された磁性体コアが形成する環と外装ケースの挿通孔に装着された導体とが直交するように位置決めする高さにされる。