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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123793
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】イヤリング
(51)【国際特許分類】
   A44C 7/00 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
A44C7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021339
(22)【出願日】2021-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】591274668
【氏名又は名称】株式会社セベル・ピコ
(72)【発明者】
【氏名】二宮 朝保
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA02
3B114AA03
3B114AA11
3B114AA14
3B114EA04
(57)【要約】
【課題】耳たぶを挟持するための挟持力を調整可能にするとともに、耳たぶへの着脱操作を容易にできるイヤリングを提供する。
【解決手段】イヤリング100は、第1部材110と第2部材120を有し、互いが回動可能に連結されている。耳たぶを挟持する第1挟持部111が第1部材110の一端に形成され、第1挟持部111に対向して耳たぶを挟持する第2挟持部121が第2部材120の一端に形成されている。第1部材110の他端に、第2部材120に当接して第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を調整する調整部114を備え、調整部114は螺刻されたネジ部と締着部材130を有している。第1部材110の他端が、第2部材120の開口部123に挿通されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
耳たぶを挟持するための第1挟持部111を一端に有する第1部材110と、
前記第1挟持部111に対向して前記耳たぶを挟持するための第2挟持部121を一端に有する第2部材120と、
を有して成るイヤリングであって、
前記第2部材120の他端は前記第1部材110と回動可能に連結され、
前記第1部材110の他端に、前記第2部材120に当接して前記第1挟持部111と前記第2挟持部121との間隔を調整する調整部114を有する
ことを特徴とするイヤリング。
【請求項2】
請求項1に記載のイヤリングにおいて、
前記第2部材120の他端に、開口部123が形成されており、
前記第1部材110の他端が、前記開口部123に挿通されていることを特徴とするイヤリング。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のイヤリングにおいて、
前記第1部材110の他端は螺刻されており、
前記調整部114は、前記第1部材110の螺刻された他端に位置調整可能に螺着されて前記第2部材120に当接する締着部材130を有することを特徴とするイヤリング。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載のイヤリングにおいて、
前記間隔を拡開する方向へ付勢する付勢部材150が、
前記第1部材110と第2部材120の間に横架されていることを特徴とするイヤリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の耳たぶを挟持することによって、耳に装着するイヤリングに関する。
【背景技術】
【0002】
使用者の耳たぶを2点で挟んで使用するイヤリングとしては、ネジ式の耳たぶを直接押圧する押圧手段を有するもの、バネ等の付勢力を利用するもの、ネジ式の押圧手段とバネ等の付勢力を利用する方式を組み合わせたものなどが知られている。
【0003】
特許文献1に記載のイヤリングは、耳たぶ受け部が取り付けられたアーム部を、耳たぶ挟持部を有する棒状体が取り付けられた基体の一部に設けられた基軸を中心として回動可能に構成することで、耳たぶの厚い使用者であっても、イヤリングの着脱を容易にすることができる構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3206988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のイヤリングは、耳たぶを挟持する為に耳たぶ受け部と耳たぶ挟持部の間隔が狭くなる方向へ付勢するバネ材を用いているので、耳たぶ受け部と耳たぶ挟持部とで耳たぶを挟持する挟持力は、バネ材の付勢力でほぼ一定となり調整することが難しいと考えられる。たとえ耳たぶを挟んだ状態で棒状体を基体に対して前後進させても、バネ材で決まる挟持力の下でアーム部が基体に対して回動するので挟持力は実質的に変わらない。そのため、使用者によっては長時間イヤリングを装着していると耳たぶが痛くなってしまう恐れがある。
【0006】
また、イヤリングを耳たぶに装着をする際には、アーム部を基体に対して回動させて耳たぶ受け部と耳たぶ挟持部との間隔を狭めた上で、その後に耳たぶ受け部と耳たぶ挟持部の間隔の微調整をする為に、雄ネジが刻設されている棒状体を螺進させる、という2段階の装着操作(2ステップ)が必要となる。またイヤリングを耳たぶから外す際にも逆順序の2段階の操作が必要になる。つまり、イヤリングを耳たぶに着脱するための着脱操作が煩雑である。
【0007】
そこで本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、耳たぶを挟持するための挟持力を調整可能にするとともに、耳たぶへの着脱操作を容易にできるイヤリングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような課題を解決するために本発明のイヤリングは、耳たぶを挟持するための第1挟持部111を一端に有する第1部材110と、前記第1挟持部111に対向して前記耳たぶを挟持するための第2挟持部121を一端に有する第2部材120と、を有して成るイヤリングであって、前記第2部材120の他端は前記第1部材110と回動可能に連結され、前記第1部材110の他端に、前記第2部材120に当接して、前記第1挟持部111と前記第2挟持部121との間隔を調整する調整部114を有することを特徴とする。
【0009】
第1部材110と第2部材120との間隔を狭める方向に付勢する付勢部材に拠らずに、第1部材110と第2部材120との間隔を調整する調整部114で当該間隔を調整することで耳たぶを挟持するための挟持力を調整できるので、長時間装着していても使用者の耳たぶが痛くなりにくい。
【0010】
好ましくは、本発明のイヤリングはさらに、前記第1部材110の他端における前記締着部材130の螺着位置を変えることで、前記第2部材120が前記第1部材110に対して回動し、前記締着部材130が第2部材120に当接する位置は、前記第2部材120の前記第1部材110に対する回動により、前記間隔が広い状態となる第1位置と、前記間隔が狭い状態となる第2位置と、を含むようにしても良い。
【0011】
第1部材110の他端に螺着されている締着部材130を、回動軸側へ螺進させることで、この締着部材130の動きに連動して前記第2部材120が前記第1部材110に対して回動して、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔が狭くなり、イヤリングを装着することができる。 換言すれば、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔が広い状態となる第1位置から、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔が狭い状態となる第2位置への移行を締着部材130を螺進させるのみで行うことができる。同様にイヤリングを耳たぶから外す際には、締着部材130を逆方向に螺進させるのみでよい。すなわち、イヤリングの着脱操作を一つの動作(1ステップ)で行うことが可能となるため、容易にイヤリングを着脱できるようになる。
【0012】
また好ましくは、本発明のイヤリングはさらに、前記第1部材110の他端は螺刻されており、前記調整部114は、前記第1部材111部材110の螺刻された他端に位置調整可能に螺着されて前記第2部材120に当接する締着部材130を有しても良い。
【0013】
第1部材110の他端側は螺刻されており、締着部材130を螺進させることで、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を調整することが可能になる。使用者の耳たぶの厚みに対応して、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を適切な幅に調整することで、使用者が快適な状態でイヤリングを装着することが可能となる。
【0014】
また好ましくは、本発明のイヤリングはさらに、前記第2部材120の他端に、開口部123が形成されており、前記第1部材110の他端が、前記開口部123に挿通されていても良い。
【0015】
第2部材120の他端に、開口部123が形成されており、第1部材110の他端が、当該開口部123に挿通されていることで、イヤリングを装着する際に第1部材110と第2部材120の回動が滑らかになるとともに、第1部材110に対する第2部材120の揺動を抑えることができ、イヤリングを耳たぶに装着させる上での操作性を向上させることができる。
【0016】
また好ましくは、本発明のイヤリングはさらに、拡前記第1挟持部111と前記第2挟持部121との間隔を拡開する方向へ付勢する付勢部材150が、前記第1部材110と第2部材120との間に横架されていても良い。
【0017】
第1挟持部111と第2挟持部121との間隔が拡開する方向へ付勢する付勢部材150が介装されていることで、第2部材120がその内側および外側の両方から押圧する力を受けるようになる。これにより、第1部材110に対するに第2部材120の揺動をさらに抑えることができ、装着状態の安定化につながり、イヤリングを快適に装着し続けることができるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のイヤリングによれば、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を調整できる調整部114を有しているので、耳たぶを挟持するための挟持力を調整することが可能となる。その結果、快適に感じる挟持力となるように使用者が第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を容易に調整できるので、長時間の装着であっても耳たぶが痛くなることはない。さらに調整部114により第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を調整するのみで耳たぶに着脱できる。つまり、1ステップでの着脱操作のみによって耳たぶへのイヤリングの着脱が可能となるので、着脱操作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施例であるイヤリングの第1位置を示す図である。
図2図1で示すイヤリングの第2位置を示す図である。
図3図1で示すイヤリングの分解斜視図である。
図4】本発明の第2実施例であるイヤリングの第1位置を示す図である。
図5図4で示すイヤリングの第2位置を示す図である。
図6図4で示すイヤリングの分解斜視図である。
図7】本発明の第3実施例であるイヤリングの第1位置を示す図である。
図8図7で示すイヤリングの第2位置を示す図である。
図9図7で示すイヤリングの分解斜視図である。
図10】第1実施例の変形1の第2位置を示す図である。
図11】第1実施例の変形2の第2位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明において、締着部材130が第2部材120に当接する位置について、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔が広い状態となる位置を第1位置(図1図4図7)と言い、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔が狭い状態となる位置を第2位置(図2図5図8)と言う。なお、本発明の各実施例においては、第1部材110に対向する面を第2部材120の内面と言い、その反対側の面を第2部材120の外面と言う。
【0021】
[第1実施例]
図1図2図3は、第1実施例を示している。これらの図で示すように、本発明の第1実施例に係わるイヤリング100は、第1部材110と、第2部材120と、締着部材130と、軸ピン140と、を備えている。さらに締着部材130が第1部材110の他端から脱落することを防止する脱落防止部135を備えていても良い。
【0022】
さらに第1部材110と第2部材120が回動する際に摩擦抵抗を生み出す摩擦抵抗部材160を備えていても良く、第2部材120と締着部材130の間に介在する介在部材170を備えていても良い。
【0023】
第1部材110は、その一端において、耳たぶを挟持するための第1挟持部111を有し、第2部材120の一端に、第1挟持部111と対向して、耳たぶを挟持するための第2挟持部121を有しており、第2部材120の他端と第1部材110とは互いに回動可能に連結されている。 第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を調整することで、イヤリング100を耳たぶに着脱することが出来る。なお、着脱する方法については後述する。
【0024】
[第1部材110]
第1部材110は、その他端において、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を調節することのできる調整部114を有している。 具体的には、第1部材110の他端は、雄ネジ状に螺刻されたネジ部115を有しており、調整部114は、このネジ部115と後述する締着部材130を含んで構成されている。さらに第2挟持部121近傍に複数の溝部125が形成されていても良い。耳たぶに第2部材120が当接した際に、この複数の溝部125により第2挟持部121における耳たぶへの当接面が凹凸形状になり、第2部材120が耳たぶに接触する面積が増えて、より安定的にイヤリング100を装着することが可能になる。
【0025】
調整部114は、第2部材120に当接することで、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を調整することができる。ここで、本発明における当接とは、被接触体(接触している相手の物体)に接触しているか、或いは被接触体に接触していて当該被接触体を押圧している状態のことを意味する。
第1部材110の略中央部に軸ピン140を挿通させることのできる軸孔112が形成されており、第1挟持部111の裏側(耳たぶに当接する面の反対側)に、有孔の装飾体を固着させることのできる突出部113が形成されている。
【0026】
[第2部材120]
第2部材120の他端には、軸ピン140を挿通させることのできる軸孔122が形成されている。 また、第2部材120には、その他端の先端から中央部付近までの切り欠きであって、他端の先端で開口している開口部123が縦長形状に形成されており、この開口部123に第1部材110の他端を挿通させることができる。
つまり、締着部材130の第2部材120に当接する位置を第1位置と第2位置とを含んで変えられるように、第1部材110の他端が開口部123内で往復動できる縦長に当該開口部123が形成されている。また、開口部123の回動軸方向の間隔は、第1部材110の他端がスムーズに往復動でき且つ第2部材120の揺動を抑えられるように当該第1部材110の径より僅かに広く形成されている。
【0027】
軸孔122が形成されている取付脚部124は、二股の形状になっており、各々の端部にそれぞれ軸孔122が形成されている。本第1実施例では、開口部123の開口端部に二股の取付脚部124が形成されている。そして、第1部材110の軸孔112を第2部材120の二股の軸孔122で挟んで軸ピン140をこれらの軸孔に挿通させて相互に連結することで、第2部材120の他端が第1部材110に回動可能に連結される。
つまり、第1部材110と第2部材120が軸ピン140を中心軸(回動軸)として互いに回動可能に連結された状態になる。なお、開口部123に代えて、第2部材120に貫通孔を形成して、当該貫通孔に第1部材110の他端を挿通させても良い。逆に、第1部材110に貫通孔を形成して、当該貫通孔に第2部材120の他端を挿通させても良い。或いは、第1部材110におけるその他端と回動軸との間に「U」の字状に屈曲した凹部を形成して、当該凹部内で第2部材120の他端側が回動による往復動可能に配置されても良い。この場合、ネジ部115及び締着部材130は第2部材120の外側に配置される。
【0028】
[締着部材130]
締着部材130は、略円柱形状のナットであり、中央部に雌ネジ状の貫通孔であるネジ孔131が形成されており、締着部材130とネジ部115を含んで、第1部材110の調整部114が構成される。
【0029】
[脱落防止部135]
脱落防止部135の例としては、略球状のキャップ部材を備えることが好適である。脱落防止部135は開口部を有しており、この開口部を第1部材110の他端に固定化させることで、締着部材130が第1部材110の他端から脱落することを防ぐことができる。
また、脱落防止部135の他の例としては、ネジ部115に締着部材130を螺設させた上で、第1部材110の他端の先端部をプレス加工などによって膨らませてもよい。そうすれば、脱落防止部135と同様に、締着部材130が第1部材110の他端から脱落することを防止できる。
【0030】
[摩擦抵抗部材160]
摩擦抵抗部材160は、円形の金属部材であり、その略中央に軸ピン140を挿通させることの出来る貫通孔を有している。一例として、丸ワッシャー、スプリングワッシャー、樹脂等非金属製のワッシャーであっても良い。この摩擦抵抗部材160は、軸孔112と軸孔122の間に、軸ピン140が挿通された状態で介装されている。軸孔112と軸孔122の間に介装されている摩擦抵抗部材160は、第1部材110と第2部材120が回動する際に摩擦抵抗を生じさせる。
【0031】
[介在部材170]
介在部材170は、ネジ部115に挿通された状態で介在している。介在部材170は、ゴム・プラスチックでも良い。第1部材110と締着部材130の間においての衝撃を緩衝することが出来、締着部材130によって第1部材110が傷付くことを介在部材170によって防止することが出来る。
【0032】
[装着方法]
第2部材120と当接している締着部材130を第1部材110の中央部へ近づける方向へ螺進させることで、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を狭めて、イヤリング100を装着することができる。 換言すれば、締着部材130の第2部材120に当接する位置が、図1で示す第1位置から、図2で示す第2位置へ変化することで、イヤリング100を耳たぶに装着することが可能である。
【0033】
反対に、第2部材120と当接している締着部材130を第1部材110の中央部から遠ざける方向へ螺進させることで、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を拡開させて、イヤリング100を取り外すことができる。換言すれば、締着部材130の第2部材120に当接する位置が、図2で示す第2位置から、図1で示す第1位置へ変化することで、イヤリング100を耳たぶから取り外すことが可能である。
【0034】
[第2実施例]
図4図5図6は、第2実施例を示している。これらの図で示すように、本発明の第2実施例に係わるイヤリング100Aの基本的な構造は、イヤリング100とほぼ同じであるが、第1部材110の他端側が途中で二股に分岐しており、一方(第1挟持部111から遠い側の分岐)の他端に軸ピン140を挿通することのできる軸孔112が形成され、他方(第1挟持部111から近い側の分岐)の他端に調整部114が形成されている。
【0035】
さらに付勢部材150を備えていても良い。付勢部材150は、第1部材110と第2部材120との間に介装(横架)されており、この付勢部材150は、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔が拡開する方向へ付勢する付勢力を有している。
【0036】
図示したイヤリング100Aは、イヤリング100に比べて、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を拡開できる大きさが相対的に縮減される一方で、締着部材130を一回転した際の間隔の調整幅も相対的に縮減される。
【0037】
それ故に、このような構成にすることで、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔を、より細かく調整することができるようになる。また、締着部材130を第1部材110の中央部から遠ざける方向へ螺進させることで、第1部材110と第2部材120の開放端の間隔も広がるので、イヤリングを容易に取り外すことが可能である。
【0038】
[第3実施例]
図7図8図9は、第3実施例を示している。これらの図で示すように、本発明の第3実施例に係わるイヤリング100Bは、第1部材110と、第2部材120と、締着部材130と、付勢部材150とを備えている。さらに、宝石等の装飾体との接続を可能にする接続部材138を備えていても良い。
【0039】
第1部材110に、軸孔122に嵌め合うことのできる凸部116が形成されており、第1部材110と第2部材120は枢着した状態になる。付勢部材150は、第1部材110と第2部材120との間に介装(横架)されており、この付勢部材150は、第1挟持部111と第2挟持部121との間隔が拡開する方向へ付勢する付勢力を有している。
【0040】
図9で示されている付勢部材150はトーションバネであり、付勢部材150の一端は、第2部材120の内面に当接しており、第2部材120を外側(図では右下側)に付勢する力が働くようになる。また同時に、締着部材130が、第2部材120の外面に当接して当該第2部材120を内側に向けて押圧した状態になっている。 このような構成にすることで、第2部材120がその内面および外面の両方から押圧する力を受けるようになるので、第2部材120が第1部材110に対して揺動することを防ぐことが可能になり、イヤリング100Bの装着状態を安定化させることができる。
【0041】
また、締着部材130が、イヤリング100Bの下方にあることで、締着部材130を螺進させる操作が容易になる。 このため、イヤリング100Bの着脱にあたり、片手でも行うことができるようになり、イヤリング100Bの操作性が向上する。
【0042】
接続部材138は、第1部材110の下方において、宝石等の装飾体との接続を可能にするものである。締着部材130をネジ部115に螺設した後に、第1部材110の他端の先端部に、ロウ付けなどによって固着させ、100B本体と一体化させることで、装飾性を高めることが可能である。
【0043】
[第1実施例の変形1]
図10は、第1実施例の変形1を示している。図で示すように、第1部材110の他端側に伸延する伸延部117が形成されており、調整部114は締着部材130と伸延部117により構成される。この伸延部117には、多くの凹凸部が設けられている。凹凸の大きさには大小様々な大きさがあっても良い。換言すると、第1部材110の他端と軸孔112の間に、伸延部117が設けられている。
【0044】
締着部材130の略中央部に貫通孔が設けられており、伸延部117によって挿通された状態で、締着部材130の位置を移動させることが出来る。換言すれば、締着部材130の貫通孔によって開口された内面と、伸延部117が擦れることが摩擦抵抗が生じ、締着部材130を伸延部117上の所望の位置に配置させることが出来る。また、締着部材130は、樹脂やプラスチック等の素材から作られていても良い。第1部材110の他端側は、第1実施例で示すネジ部115に限らず、多様な形状の伸延部117であっても良い。
【0045】
[第1実施例の変形2]
図11は、第1実施例の変形2を示している。図で示すように、第1部材110の他端側に伸延部117が形成されており、調整部114は締着部材130と伸延部117により構成される。この伸延部117には、ねじり加工等により、所望の幅での凹凸を設けることが出来る。
第1実施例の変形1と同様に、締着部材130の略中央部に貫通孔が設けられており、伸延部117によって挿通された状態で、締着部材130の位置を移動させることが出来る。ねじりのピッチ幅を狭くすることで、締着部材130の位置をより細かく調整することが出来るようになる。
【0046】
[素材]
前述した本発明のイヤリングの第1実施例から第3実施例において、第1部材110、第2部材120、締着部材130、軸ピン140、摩擦抵抗部材160、介在部材170は、銀・銅・ステンレス・チタン等の金属素材、セラミック、またはプラスチック等の素材から作られている。 付勢部材150は、ステンレスや合金等の金属素材やプラスチック等から作られ、折り曲げられることにより弾性力を有するようになる。
【0047】
本発明の好ましい実施例について説明をしたが、本実施の形態は、本発明に係るイヤリングの一形態に過ぎない故に、本発明の要旨を変更しない範囲で変更を加えることは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
上述したように、本発明のイヤリングは、着脱に係わる操作が容易になる為、使用者の利便に資する耳飾り(イヤリング)として、広く使用させることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
100 イヤリング
110 第1部材
111 第1挟持部
112 軸孔
113 突出部
114 調整部
115 ネジ部
116 凸部
117 伸延部
120 第2部材
121 第2挟持部
122 軸孔
123 開口部
124 取付脚部
125 溝部
130 締着部材
131 ネジ孔
135 脱落防止部
140 軸ピン
150 付勢部材
160 摩擦抵抗部材
170 介在部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11