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  • 特開-容器および内容物の収納方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123814
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】容器および内容物の収納方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/25 20060101AFI20220817BHJP
   B65D 33/24 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
B65D33/25 A
B65D33/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142968
(22)【出願日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】P 2021021093
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】500163366
【氏名又は名称】出光ユニテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸▲高▼ 匠
(72)【発明者】
【氏名】吉村 熙晟
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA05
3E064AB13
3E064AB14
3E064BC18
3E064EA04
3E064EA07
3E064HM01
3E064HN13
(57)【要約】
【課題】容器において、簡易な構造で高い耐内圧性を得る。
【解決手段】収納空間に面し、開口部が形成された、または開口部が形成されるように構成された第1面を有する容器本体と、収納空間の一辺から延出し、折り返すことによって第1面の開口部を含む領域を覆うことが可能な蓋部とを備える容器が提供される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納空間に面し、開口部が形成された、または前記開口部が形成されるように構成された第1面を有する容器本体と、
前記収納空間の一辺から延出し、折り返すことによって前記第1面の前記開口部を含む領域を覆うことが可能な蓋部と
を備える容器。
【請求項2】
前記第1面に接合される第1基部条片と、
前記第1基部条片よりも幅広に形成されて前記第1基部条片に部分的に対向し、前記開口部を挟んで前記第1基部条片とは反対側で前記第1面に接合される第2基部条片と、
前記第1基部条片および前記第2基部条片からそれぞれ突出し互いに係合可能な少なくとも1対の係合部と
をさらに備える、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記第1基部条片は、幅方向における前記開口部側の端部で前記第1面に接合され、少なくとも前記幅方向における前記開口部とは反対側の端部では前記第1面に接合されていない、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記開口部が形成される領域で、前記第1面にミシン目が形成されるか、または前記第1面に切裂き条片部が接合される、請求項2または請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記少なくとも1対の係合部は、雄部材と雌部材とが互いに面接触する密封型係合部を含む、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
前記少なくとも1対の係合部の長手方向の端部には、前記少なくとも1対の係合部を囲む形状のポイントシール部が形成される、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
前記蓋部が折り返されたときに前記第1面に対向する側に形成され、前記第1面の前記開口部を含む領域を覆うことが可能な面積を有する粘着層をさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記容器本体は、袋状である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の容器。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の容器を用いた内容物の収納方法であって、
前記開口部から前記収納空間に内容物を収納する工程と、
前記蓋部を折り返すことによって前記第1面の前記開口部を含む領域を覆う工程と、
前記第1面の前記開口部を含む領域に前記蓋部を接合する工程と
を含む内容物の収納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器および内容物の収納方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病原体などの感染性物質(「検体」と称する場合もある)を安全に輸送するために、例えば感染症法の規定に従って三重に包装して輸送することが義務付けされている。例えば、一次包装は、試験管や採血管またはカップなどの栓材で密閉可能な容器である。二次包装は、一次包装を包むクッション容器であり、密閉性、防水性、および耐圧性を有する容器である。耐圧性について、例えば感染症法では温度が-40℃~55℃の範囲で95kPa以上の内圧に耐えることが規定されている。三次包装は、二次包装を収納する外装容器であり、耐水性、耐衝撃性および断熱性を有する頑丈な構造の容器である。
【0003】
上記のような感染性物質の二次包装用の容器として、例えば特許文献1に記載されたような包装袋が提案されている。特許文献1に記載された包装袋は、前面シートと背面シートとを接着し、上端部に開口を有する袋状であり、前面シートおよび背面シートにおける包装袋の内側をなす面は仕切りシートをそれぞれ有する。仕切りシートは両側縁が包装袋の両側端において接着されており、上縁が前面シートまたは背面シートに接着されている。開閉部が仕切りシートの上縁と開口との間に設けられている。仕切りシートによっていわゆる逆止弁が形成されるため、包装袋の密閉性を改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-47955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に記載されたような容器では、袋本体を構成するフィルムおよびジッパーテープに加えて仕切りシートが必要になるため、部材が増加することによって製造工程が煩雑になっていた。
【0006】
そこで、本発明は、簡易な構造で高い耐内圧性を得ることが可能な容器および内容物の収納方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]収納空間に面し、開口部が形成された、または開口部が形成されるように構成された第1面を有する容器本体と、収納空間の一辺から延出し、折り返すことによって第1面の開口部を含む領域を覆うことが可能な蓋部とを備える容器。
[2]第1面に接合される第1基部条片と、第1基部条片よりも幅広に形成されて第1基部条片に部分的に対向し、前記開口部を挟んで前記第1基部条片とは反対側で第1面に接
合される第2基部条片と、第1基部条片および第2基部条片からそれぞれ突出し互いに係合可能な少なくとも1対の係合部とをさらに備え、切裂き条片部は、第1基部条片と第2基部条片との間で第1面に接合される、[1]に記載の容器。
[3]第1基部条片は、幅方向における開口部側の端部で第1面に接合され、少なくとも幅方向における開口部とは反対側の端部では第1面に接合されていない、[2]に記載の容器。
[4]開口部が形成される領域で第1面にミシン目が形成されるか、または第1面に切裂き条片部が接合される、[2]または[3]に記載の容器。
[5]少なくとも1対の係合部は、雄部材と雌部材とが互いに面接触する密封型係合部を含む、[2]から[4]のいずれか1項に記載の容器。
[6]少なくとも1対の係合部の長手方向の端部には、少なくとも1対の係合部を囲む形状のポイントシール部が形成される、[2]から[5]のいずれか1項に記載の容器。
[7]蓋部が折り返されたときに第1面に対向する側に形成され、第1面の開口部を含む領域を覆うことが可能な面積を有する粘着層をさらに備える、[1]から[6]のいずれか1項に記載の容器。
[8]容器本体は、袋状である、[1]から[7]のいずれか1項に記載の容器。
[9][1]から[8]のいずれか1項に記載の容器を用いた内容物の収納方法であって、開口部から収納空間に内容物を収納する工程と、蓋部を折り返すことによって第1面の開口部を含む領域を覆う工程と、第1面の開口部を含む領域に蓋部を接合する工程とを含む内容物の収納方法。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、蓋部が、折り返すことによって第1面の開口部を含む領域を覆うことが可能に形成されることによって、簡易な構造で収納空間を密封し、高い耐内圧性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る容器の使用前の平面図である。
図2図1のII-II線断面図である。
図3図1に示す容器の使用時の断面図である。
図4図1に示す容器の使用時の断面図である。
図5図1に示す容器の使用時の断面図である。
図6A】本発明の一実施形態における係合部の変形例について説明するための図である。
図6B】本発明の一実施形態における係合部の変形例について説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態におけるポイントシール部の変形例について説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態における基部条片の変形例に係る容器の使用前の断面図である。
図9図8に示す容器の使用時の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0011】
図1は本発明の一実施形態に係る容器の使用前の平面図であり、図2図1のII-II線断面図である。また、図3図4および図5図1に示す容器の使用時の断面図である。以下、これらの図を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0012】
図示されるように、容器100は、フィルム110によって形成される袋状の容器本体と、収納空間SPに面するフィルム110の第1面111Aに接合される長尺部材120とを含む。長尺部材120は、収納空間SPに開口部101(図3参照)を形成するための切裂き条片部121と、開口部を一時的に封止するためのジッパー部122とを含む。長尺部材120の長手方向の端部には、開封時にユーザが摘持するためのタブ123が形成される。
【0013】
本実施形態において、フィルム110は第1面111Aに加えて第1面111Aに対向する第2面111Bを有し、第1面111Aおよび第2面111Bはそれぞれ収納空間SPに面する。第1面111Aと第2面111Bとは、トップシール112、ボトムシール113およびサイドシール114で互いに接合されている。第2面111Bはトップシール112を越えて延び、蓋部130を形成する。蓋部130は、トップシール112によって画定される収納空間SPの一辺から延出している。蓋部130のトップシール112とは反対側の端部には粘着層131が形成される。図4および図5に示されるように、内容物の封入後には蓋部130を折り返し、粘着層131を用いて蓋部130を第1面111Aに接合することによって開口部101を塞ぐことができる。
【0014】
フィルム110は、例えば単層または多層の熱可塑性樹脂フィルムである。熱可塑性樹脂は、具体的には例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、またはポリプロピレン(PP)である。PPは、例えばホモポリプロピレン(HPP)、ランダムポリプロピレン(RPP)、またはブロックポリプロピレン(BPP)である。多層フィルムの場合、表基材に二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)、または二軸延伸ナイロン(ONy)を用いてもよい。フィルム110を形成する樹脂は、必ずしも化石燃料由来でなくてもよく、例えば環境に配慮したバイオポリエチレンやバイオポリプロピレンなどのバイオプラスチックであってもよいし、化石燃料由来の樹脂とバイオプラスチックの混合物を用いてもよい。また、フィルム110はアルミニウムなどの金属材料または無機材料の層を含んでもよい。
【0015】
なお、上記の例ではフィルム110の第1面111Aおよび第2面111Bがそれぞれ別のフィルムで形成され、これらのフィルムがトップシール112、ボトムシール113およびサイドシール114で互いに接合されているが、別の例では1枚のフィルムがボトムシール113に対応する部分で折り返されることによって第1面111Aおよび第2面111Bを形成してもよい。また、上記の例ではフィルム110の第2面111Bがトップシール112を越えて延びることによって蓋部130を形成するが、他の例では第1面111Aがトップシール112を越えて延びることによって蓋部を形成してもよい。あるいは、トップシール112で第1面111Aおよび第2面111Bに接合される別のフィルムが蓋部130を形成してもよい。
【0016】
長尺部材120は、切裂き条片部121およびジッパー部122を断面形状に含む長尺状の部材である。図2に示されるように、本実施形態において、長尺部材120は切裂き条片部121およびジッパー部122に加えて基部条片123A,123Bを含む。基部条片123A,123Bは、いずれもフィルム110の第1面111Aに接合される。より具体的には、基部条片123Aは第1面111Aに近い側に配置されて第1面111Aに少なくとも部分的に接合される。基部条片123Bは、基部条片123Aよりも幅広に形成されて基部条片123Aに部分的に対向し、開口部101を挟んで基部条片123Aとは反対側で第1面111Aに接合される。切裂き条片部121は、基部条片123Aおよび基部条片123Bがそれぞれ第1面111Aに接合される領域の間で第1面111Aに接合される。ジッパー部122は、基部条片123A,123Bが互いに対向する領域で基部条片123A,123Bのそれぞれから突出し、互いに係合可能な係合部122A,122Bを含む。
【0017】
上記のような長尺部材120は、例えばポリオレフィン系樹脂の押出成形によって形成される。例えば、長尺部材120は、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、またはポリプロピレン(PP)で形成される。PPは、例えばホモポリプロピレン(HPP)、ランダムポリプロピレン(RPP)、またはブロックポリプロピレン(BPP)である。長尺部材120を形成する樹脂は、必ずしも化石燃料由来でなくてもよく、例えば環境に配慮したバイオポリエチレンやバイオポリプロピレンなどのバイオプラスチックであってもよいし、化石燃料由来の樹脂とバイオプラスチックの混合物を用いてもよい。また、長尺部材120の材料には、必要に応じて、公知の添加剤、例えば安定剤、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、または着色剤などが添加されてもよい。なお、切裂き条片部121については、最初は基部条片123Bに接合され、図3に示したような容器100の開封時に基部条片123Bから剥離するように構成してもよい。この場合、例えば切裂き条片部121をPPで形成し、基部条片123BをLDPEもしくはLLDPEで形成してもよい。切裂き条片部121を形成する樹脂についても、上述の通り環境に配慮したバイオプラスチックや、化石燃料由来の樹脂とバイオプラスチックの混合物を用いてもよい。
【0018】
本実施形態に係る容器100では、ユーザが長尺部材120の長手方向の端部に形成されるタブ123(図1参照)から切裂き条片部121を摘持して引っ張ることによって、切裂き条片部121がフィルム110の第1面111Aを切り裂き、図3に示されるように外部からジッパー部122を介して収納空間SPにアクセスし、収納空間SPに内容物Cを収納することを可能にする開口部101を形成することができる。つまり、第1面111Aは、開口部101が形成される領域に接合された切裂き条片部121によって、事後的に開口部101が形成されるように構成されている。開口部101が形成された後は、後述するように蓋部130および粘着層131を用いて開口部101が封止されるまで、ジッパー部122の係合部122A,122Bを互いに係合することによって収納空間SPを一時的に封止し、係合を解除することによって再開封することができる。
【0019】
なお、切裂き条片部121およびジッパー部122に関しては、図示された例に限られず公知のさまざまな構成を採用することができる。例えば、切裂き条片部121による第1面111Aの切り裂きをガイドするために基部条片123A,123Bにそれぞれ凸部124,125が設けられてもよい。あるいは、切裂き条片部121が基部条片123Bではなく基部条片123Aに連なって設けられてもよい。また、係合部122A,122Bの形状は、図示された雌雄型の例に限られず、爪状、鉤状、または瘤状などを組み合わせた公知の各種のジッパーの係合部の形状にすることが可能である。図示された例では係合部122Aが雄型、係合部122Bが雌型であるが、逆であってもよい。また、図示された例では1対の係合部が配置されているが、複数対の係合部が配置されてもよい。
【0020】
本実施形態では、蓋部130が、折り返すことによって第1面111Aの開口部101を含む領域を覆うことが可能に形成されることによって、簡易な構造で収納空間SPを密封し、高い耐内圧性を得ることができる。具体的には、図5に示されるように、収納空間SPの内圧が上昇した場合には、開口部101の両側で第1面111Aが引張られる力に対して第1面111Aに接合された蓋部130が対抗するため、ジッパー部122の係合部122A,122Bにかかる力が低減され、ジッパー部122の係合が解除されて開口部101から内容物Cが漏出するのを防止することができる。
【0021】
本実施形態において、蓋部130は、粘着層131を用いて第1面111Aに接合される。この場合、粘着層131は、蓋部130が折り返されたときに第1面111Aに対向する側に形成され、第1面111Aの開口部101を含む領域を覆うことが可能な面積を有する。他の例では、粘着層131に代えて、例えば蓋部130と第1面111Aとの間に介挿される両面粘着テープによって蓋部130が第1面111Aに接合されてもよい。この場合、両面粘着テープは、第1面111Aの開口部101を含む領域を覆うことが可能な面積を有する。
【0022】
なお、上記の例では袋状の容器本体がフィルム110によって形成される例について説明したが、他の例では袋状以外の容器本体を含む容器が提供されてもよい。上記の例ではフィルム110の第1面111Aが、切裂き条片部121を接合することによって事後的に開口部101を形成することが可能であるように構成されている例について説明したが、他の例では第1面111Aに切り抜きなどによって予め開口部が形成されていてもよい。あるいは、第1面111Aは、ミシン目などを形成することによって事後的に開口部101を形成することが可能であるように構成されていてもよい。
【0023】
(係合部の変形例)
図6Aおよび図6Bは、本発明の一実施形態における係合部の変形例について説明するための図である。上記の例では図6Aに示されるような一般的な形状の雌雄型の係合部122A,122Bの例について説明したが、図6Bに示されるような密封型係合部が用いられてもよい。密封型係合部では、雄部材222Aと雌部材222Bとが互いに面接触する。このような密封型係合部については、例えば特開平8-268445号公報にも記載されている。上述のように本実施形態では収納空間SPの内圧が上昇した場合にジッパー部にかかる力が低減されるが、さらに密封型係合部を用いることによって、ジッパー部の係合が解除されて開口部から内容物が漏出するのをより確実に防止することができる。
【0024】
(ポイントシール部の変形例)
図7は、本発明の一実施形態におけるポイントシール部の変形例について説明するための図である。上記で説明した図1には示されていないが、容器の端部でサイドシール114とジッパー部122とが交差する場合、ジッパー部122の凹凸によるピンホールの発生を防止するために、ジッパー部122を含む長尺部材の長手方向の端部を平坦化するポイントシール部が形成される。図7に示された容器300では、ジッパー部122(図2に示された係合部122A,122B)の長手方向の端部に、ジッパー部122を囲む形状のポイントシール部315が形成される。このようなポイントシール部315を形成することによって、ジッパー部122の端部から内容物が漏洩するのをより確実に防止することができる。
【0025】
(基部条片の変形例)
図8は、本発明の一実施形態における基部条片の変形例に係る容器の使用前の断面図である。上記で図1から図5を参照して説明した容器との違いとして、図8に示された容器400では、基部条片123Aが幅方向における開口部101(図3参照。この時点では、開口部が形成されるように構成された部分)側の端部でフィルム110の第1面111Aに接合され、少なくとも幅方向における開口部(同じく、この時点では開口部が形成されるように構成された部分)とは反対側の端部では第1面111Aに接合されていない。基部条片123Aは、例えば開口部とは反対側の端部から係合部122Aまでが第1面111Aに非接合であってもよい。また、基部条片123Aは、図示された例のように開口部側の端部に形成される凸部124の裏面のみで第1面111Aに接合され、他の部分では第1面111Aに非接合であってもよい。あるいは、凸部124が形成されない場合に、基部条片123Aは、開口部側の端部のみで第1面111Aに接合され、他の部分では第1面111Aに非接合であってもよい。
【0026】
図9は、図8に示す容器の使用時の断面図である。図9に示されるように、収納空間SPの内圧が上昇した場合には、開口部101の両側で第1面111Aが引張られる力に対して第1面111Aに接合された蓋部130が対抗するのに加えて、ジッパー部122の係合部122A,122Bが形成された部分で基部条片123A,123Bがフィルム110の第1面111Aによって拘束されないため、係合部122A,122Bにかかる力がさらに低減され、ジッパー部122の係合が解除されて開口部101から内容物Cが漏出するのを防止することができる。
【0027】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。本発明の属する技術の分野の当業者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0028】
100,300…容器、101…開口部、110…フィルム、111A…第1面、111B…第2面、112…トップシール、113…ボトムシール、114…サイドシール、120…長尺部材、121…切裂き条片部、122…ジッパー部、122A,122B…係合部、123…タブ、123A,123B…基部条片、124,125…凸部、130…蓋部、131…粘着層、222A…雄部材、222B…雌部材、300…容器、315…ポイントシール部、C…内容物、SP…収納空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9