(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123835
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】プリンタのトップフィーダの媒体位置決め機構のためのレベリング
(51)【国際特許分類】
B65H 1/18 20060101AFI20220815BHJP
B65H 1/14 20060101ALI20220815BHJP
B65H 3/00 20060101ALI20220815BHJP
B65H 3/06 20060101ALI20220815BHJP
B65H 3/08 20060101ALI20220815BHJP
【FI】
B65H1/18 A
B65H1/14
B65H3/00 301
B65H3/06 A
B65H3/08 342A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022009146
(22)【出願日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】21155939.8
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506231272
【氏名又は名称】エイチピー・サイテックス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】ロットマン,ジヴ
(72)【発明者】
【氏名】エリメリッヒ,オスヘル
(72)【発明者】
【氏名】デケル,ヤロン
(72)【発明者】
【氏名】ナッセル,マイド
【テーマコード(参考)】
3F343
【Fターム(参考)】
3F343FA06
3F343FB05
3F343GA01
3F343GB01
3F343GD01
3F343HA17
3F343HD14
3F343HD16
3F343HD17
3F343JA01
3F343JB02
3F343KB03
3F343KB17
3F343LA02
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3F343LC02
3F343MA02
3F343MA12
3F343MA32
3F343MA35
3F343MB02
3F343MB09
3F343MB12
3F343MC03
3F343MC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】媒体スタックが適切に位置決めされていないことに起因した係る印刷の中断を解決する又は低減するレベリングシステムを提供する。
【解決手段】プリンタのトップフィーダ用のレベリングシステム100を含み、トップフィーダは媒体位置決め機構を含む。レベリングシステムは、反射光を検出して、トップフィーダ内に据付けられた媒体スタックのトップシート上の媒体位置決め機構に対応する媒体位置決め領域を含む三次元イメージを生成するための検出器101を有する。また、レベリングシステムは、媒体スタックの底部の様々な箇所の高さを調整するように構成されたアクチュエータ103を有する。更に、それは、三次元イメージに基づいて、媒体位置決め領域の少なくとも1つのレベリングを改善するために当該高さに対する調整を選択し、当該調整を実施するようにアクチュエータを制御するためのコントローラ105を有する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタのトップフィーダ用のレベリングシステムであって、前記トップフィーダが媒体位置決め機構を含むものにおいて、前記レベリングシステムは、
反射光を検出して、前記トップフィーダ内に据付けられた媒体スタックのトップシート上の前記媒体位置決め機構に対応する媒体位置決め領域を含む三次元イメージを生成するように構成された検出器と、
前記媒体スタックの底部の様々な箇所の高さを調整するように構成されたアクチュエータと、
コントローラと、を含み、前記コントローラは、
前記三次元イメージに基づいて、前記媒体位置決め領域の少なくとも1つのレベリングを改善するために前記高さに対する調整を選択し、
前記調整を実施するように前記アクチュエータを制御する、レベリングシステム。
【請求項2】
前記媒体位置決め領域の少なくとも1つのレベリングを改善する前記調整は、
媒体ピックアップ領域内の様々な箇所のレベル間の差異の最大値を低減する調整、
前記トップシートを前記トップフィーダの給紙ウィンドウへ差し込むために前記トップシートの先端領域の高さを揃える調整、
媒体ピックアップ領域内の様々な箇所のレベル間の差異の最大値を閾値より小さくし、前記トップシートの先端領域を前記トップフィーダの給紙ウィンドウへ差し込む調整、
前記媒体位置決め機構の媒体ピックアップ機構によって首尾よくピックアップされて、前記トップフィーダの前記媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウへ給紙される前記トップシートの全体としての可能性を増加させる調整、の少なくとも1つである、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項3】
前記媒体位置決め機構は、媒体ピックアップ領域が前記媒体位置決め領域に対応する媒体ピックアップ機構を含み、前記調整が前記媒体ピックアップ領域の相互レベリングを改善することになる、及び
前記媒体位置決め機構は、先端領域が前記媒体位置決め領域に対応する給紙ウィンドウを含み、前記調整が前記給紙ウィンドウに対して前記先端領域のレベリングを改善することになる、の少なくとも一方に従う、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項4】
前記媒体位置決め機構は、厚紙ピックアップ機構、グリッパ、吸着カップ、吸気ファン、真空ベルト、ピックアップローラ、及び給紙ウィンドウの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記媒体スタックが置かれる、前記トップフィーダのステージの様々な部分の高さを調整して、前記ステージ及び前記媒体スタックの幾何学的配置を変更するように構成される、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項6】
前記アクチュエータは、前記ステージの先端から前記ステージの後端から延びる軸に対して前記ステージの幾何学的配置を変更するように構成された作動要素を含むこと、
前記アクチュエータは、前記ステージに沿って延び且つ前記ステージの先端から前記ステージの後端まで延びる軸に垂直な軸に対して、前記ステージの幾何学的配置を変更するように構成された作動要素を含むこと、
前記アクチュエータは、重力の方向に対して前記ステージの幾何学的配置を変更するように構成された作動要素を含むこと、
前記アクチュエータは、前記ステージの先端から前記ステージの後端まで延びる軸に対して対称的に位置する少なくとも2つの作動要素を含むこと、
前記アクチュエータは、少なくとも3つの作動要素の1つにおける頂点と直角をなす辺に配置された前記少なくとも3つの作動要素を含むこと、及び
前記アクチュエータは、少なくとも4つの作動要素の4つにおける頂点を有する長方形の辺に配置された前記少なくとも4つの作動要素を含むこと、の少なくとも1つに従う、請求項5に記載のレベリングシステム。
【請求項7】
前記検出器は、3Dカメラ及び2台の2Dカメラの少なくとも一方を含む、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項8】
前記媒体位置決め領域上へ、パターン化された放射線を送るための光源を更に含み、前記パターンは、三次元イメージングを可能にする、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項9】
前記媒体位置決め領域が媒体ピックアップ領域を含み、それにより、前記媒体ピックアップ領域は、前記トップシートの先端から前記トップシートの後端まで延びる軸に対して相互対称である2つの媒体ピックアップ領域を含む、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項10】
前記検出器は、少なくとも1つを上回る媒体位置決め領域を含む前記三次元イメージを生成するように構成され、前記コントローラは、前記三次元イメージにおいて、前記トップシートの少なくとも1つの媒体位置決め領域に対応する少なくとも1つの部分の場所を特定するように構成される、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項11】
前記コントローラは、前記媒体スタックの高さに基づいて、前記調整を選択するように構成されること、及び
前記検出器、前記アクチュエータ及び前記コントローラは、反復して動作するように構成され、前記トップシートの前記媒体位置決め領域の少なくとも1つのレベリングを改善する前記調整が、反復プロセスの開始点を基準とした反復プロセスの終了時の全体的な調整であること、の少なくとも1つを有する、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項12】
前記アクチュエータは、前記媒体スタックを持ち上げるように構成されたステージに結合されるように更に構成され、前記ステージが動く際に動くように構成され、前記コントローラは、前記アクチュエータの現在の位置に基づいて前記調整を選択するように構成される、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項13】
前記アクチュエータは、少なくとも1mの範囲内で動くように構成される、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項14】
トップフィーダ及び前記トップフィーダ用のレベリングシステムを含むプリンタであって、前記トップフィーダが媒体位置決め機構を含むものにおいて、前記レベリングシステムは、
前記トップフィーダ内に据付けられた媒体スタックのトップシート上の前記媒体位置決め機構に対応する媒体位置決め領域を含む三次元イメージを生成するように構成された深度カメラと、
前記媒体スタックの底部の様々な箇所の高さを変更するように構成されたアクチュエータと、
コントローラと、を含み、前記コントローラは、
前記三次元イメージの関数において、前記媒体位置決め領域の少なくとも1つのレベリングを改善するために前記高さに対する変更を計算し、
調整を実施するように前記アクチュエータを制御する、プリンタ。
【請求項15】
プロセッサにより実行可能な命令で符号化された持続性機械可読記憶媒体であって、
プリンタのトップフィーダ内へ据付けられた媒体スタックのトップシート上の媒体位置決め機構に対応する媒体位置決め領域を含む三次元イメージを受け入れるための命令と、
前記三次元イメージに基づいて、前記媒体位置決め領域のレベリングを改善するために前記媒体スタックの底部の様々な箇所の高さに対する調整を見出すための命令と、
前記調整を実施するようにアクチュエータに指示する命令と、を含む、持続性機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は概して、プリンタのトップフィーダの媒体位置決め機構によって受け入れられるために媒体スタックのトップシート(一番上のシート(用紙))を準備することに関する。
【0002】
一般に、媒体スタックは、プリンタに供給するために適切に形成されて位置決めされるべきである。例えば、媒体スタックは、段ボールのスタック(積み重ね)であることができる。係る段ボールは、それらの剛性、低い生産コスト及びリサイクル性に起因して、梱包(パッケージング)及び陳列(展示)の用途に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1A】例示的なレベリングシステムの略図である。
【
図1B】
図1Aの例示的なレベリングシステムの別の略図である。
【
図2A】第1の例示的なトップシートの略図である。
【
図2B】第1の例示的なトップシートの略図である。
【
図3A】第2の例示的なトップシートの略図である。
【
図3B】第2の例示的なトップシートの略図である。
【
図4A】第3の例示的なトップシートの略図である。
【
図4B】第3の例示的なトップシートの略図である。
【
図5A】第4の例示的なトップシートの略図である。
【
図5B】第4の例示的なトップシートの略図である。
【
図6A】第5の例示的なトップシートの略図である。
【
図6B】第5の例示的なトップシートの略図である。
【
図8】例示的な持続性機械可読記憶媒体の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
詳細な説明
段ボールに印刷するための印刷技術の1つは、フレキソ印刷(「フレキソ」と略されることが多い)である。また、フレキソ印刷は、プラスチック(ビニール)、金属フィルム、セロファン、及び紙を含む他のタイプの媒体に印刷するためにも使用される。幾つかのフレキソ印刷機は、例えば、約または最高4リニアメーター/秒の速度で印刷することを可能にする。特定の特殊ボトムフィーダ及びプリフィーダは、これらの速度をサポートするように開発されてきた。これらの供給デバイスの幾つかは、長く(例えば、約または最高15m)及び比較的重い。
【0005】
また、例えば厚紙に直接的に印刷する及びインクジェット技術を用いることができるデジタル印刷機も存在する。それらの例の1つは、ヒューレットパッカード社のC500モデルである。
【0006】
これらのフレキソ印刷機、デジタル印刷機および他のプリンタ(印刷機)は、トップフィーダを使用することができ、この場合、媒体は、スタックの上面から供給される。トップフィーダは、比較的コンパクト(小型)で、安価であることができる。また、幾つかのトップフィーダは、薄い微小のひだ付き材料のような、比較的滅多に使用されない媒体をプリンタに供給するためにも使用され得る。
【0007】
トップフィーダは、媒体スタックのトップシートをプリンタに移動させるために媒体位置決め機構を有する。幾つかの例において、係る媒体位置決め機構は、媒体スタックのトップシートを持ち上げて、それをフィーダ内に入れる又はそれを印刷デバイス内へ供給するために、ローラ、グリッパ(くわえ爪)、真空ベルト又は真空グリッパを含むことができる。媒体スタックのトップシートが反っている(歪んでいる)又は適切な位置にない場合、媒体位置決め機構はこれを正確に行うことができない可能性がある。
【0008】
媒体スタックのトップシートが適切な位置になく、それによりプリンタに適切に供給されないかもしれない場合、印刷動作は中断され、媒体スタックの上部は、媒体スタックの幾つかのシートの端部間に木製シムを挿入することによって、印刷を再開するために、人間オペレータにより再位置決めされ得る。しかしながら、印刷プロセスにおける係る中断は、多大な時間を必要とし、係る操作を安全に行うために特別訓練を受けた又は専門知識を有するオペレータによる人間の介在を必要とする。
【0009】
スタック表面のレベリング(水平調節、水平化)は、印刷プロセス中、即ちトップシートがスタックから1枚ずつ取り出される際、変化する可能性がある。例えば、次のトップシートのレベリングは、その前のトップシートとは異なる可能性があり、その理由は、これらシートの反り(歪み)が異なっているからである。従って、同じスタックからの媒体に印刷する際、2回以上の中断が起こり得る。
【0010】
本開示は、媒体スタックが適切に位置決めされていないことに起因した係る印刷の中断を解決する又は低減することを目的とする。
【0011】
本開示は、媒体スタックのトップシートの位置決め不良を検出して、係る位置決め不良を修正することを可能にするレベリングシステムに依存する。媒体スタックのトップシートのレベリングが、媒体スタックの底部において、異なる箇所の高さを互いに対して調整することによって改善され得ることが確かに見出された。係るレベリングは、幾つかの他のレベリング技術(例えば、下向きに湾曲させる)と共に、又は係る他のレベリング技術なしで使用され得る。本開示に従って、多くの場合、係るレベリングは、変化をもたらすことができ、プリンタのトップフィーダの媒体位置決め機構が媒体スタックのトップシートをプリンタに移動させること、即ち印刷不良または印刷の中断の可能性を低減することを可能にする。
【0012】
図1A及び
図1Bは、プリンタ(
図1A~
図1Bに示されていない)のトップフィーダ用の例示的なレベリングシステム100を示す。本開示によるレベリングシステムは、トップフィーダによって、特にトップフィーダの媒体位置決め機構を用いてプリンタへ供給されることを目的とした媒体スタックの幾何学的配置を変更することを可能にする機械的要素を含むシステムとして理解されるべきである。
【0013】
例示的なレベリングシステム100は、反射光を検出し且つ媒体位置決め機構に対応する媒体位置決め領域を含む三次元イメージ又は表現を生成するように構成された検出器101を含み、光は、トップフィーダ内へ据付けられた媒体スタック110のトップシート上で反射されている。光は、本説明において、例えば可視光、赤外線、音波または電波を含む、任意の波長の電磁放射線として理解されるべきである。
【0014】
検出器は、本開示において光検出デバイスとして理解されるべきである。幾つかの例において、検出器はカメラである。幾つかの例において、検出器は、3Dカメラ及び2台の2Dカメラの少なくとも一方を含む。幾つかの例において、検出器は赤外線カメラを含む。幾つかの例において、検出器は可視光カメラを含む。幾つかの例において、検出器は電波センサを含む。幾つかの例において、検出器は飛行時間型センサを含む。幾つかの例において、検出器は、LIDAR検出方式における検出器として役立つように構成される。幾つかの例において、LIDAR検出方式は、「インコヒーレント」であり、又は直接エネルギー検出に基づく。幾つかの例において、LIDAR検出方式は、コヒーレントである。
【0015】
検出器は、反射光を検出するように構成される。係る反射光、特に媒体スタックのトップシートの表面から反射された光は、実際には係るトップシートの位置に関する表示(しるし、兆候)を提供することができる。幾つかの例において、検出器は、媒体スタックのトップシートの方へ向けられる。
【0016】
検出器は、三次元イメージを生成することができる。係る三次元イメージは、例えば、同じ物体の異なる二次元イメージを組み合わせることにより生じさせることができ、係る物体は、この場合、トップシートである。三次元イメージは、トップシートの上面の表現(描写)を取得することを可能にする。本開示において「トップ(上面)」は、重力との関連で理解されるべきである。
【0017】
三次元イメージは、媒体位置決め領域を含む。係る領域は、媒体の位置決めに関連する表面領域として理解されるべきである。幾つかの例において、係る領域は、例えば、円、楕円、長方形、平行四辺形または多角形の形状のような、特定の幾何学的形状を取る。係る領域は、トップフィーダの媒体位置決め機構に対応する。トップフィーダが異なる形状または形態を取る場合があるという事実に起因して、媒体位置決め領域と媒体位置決め機構との間の対応関係は、直接的な対応関係、間接的な対応関係、又は双方の組み合わせであることができる。直接的な対応関係の場合、媒体位置決め領域は例えば、媒体位置決め機構と直接接触している媒体の領域と少なくとも部分的に一致する場合がある。例えば、トップフィーダの媒体位置決め機構が媒体の中央円形領域において媒体を把持する真空ファンを含む場合、媒体位置決め領域は、中央円形領域と直接的に一致する場合がある。間接的な対応関係の場合、媒体位置決め領域は、媒体位置決め機構と直接接触している媒体の領域(単数または複数)とは異なる場合があるが、媒体位置決め機構と直接接触している媒体の係る領域(単数または複数)に関連している。例えば、媒体の先端が差し込まれる必要がある給紙ウィンドウ、又は媒体の先端をピックアップするピックアップローラを、トップフィーダの媒体位置決め機構が含む場合、媒体位置決め領域は、場合によっては、係る先端の近傍の領域に対応する場合がある。係る先端の領域は必然的に先端を含まず、幾つかの例において、それは、それを含んでない先端の場所を示す。先端は、シートがプリンタにより処理されている際に、プリンタに最初に入る端部(エッジ)として理解されるべきである。
【0018】
検出器101は、トップフィーダ内へ据付けられた媒体スタックのトップシート上の反射光を検出することができる。媒体スタックは、媒体の様々なシートの積み重ねたものとして理解されるべきである。幾つかの例において、様々なシートは同様のサイズを有する。幾つかの例において、媒体スタックを形成するシートは、重力の方向に概して垂直な平面に平らに置かれている。幾つかの例において、媒体スタックは、10枚より多いシートを含む。幾つかの例において、媒体スタックは、100枚より多いシートを含む。幾つかの例において、媒体スタックは、50cmより大きい高さである。幾つかの例において、媒体スタックは、1mより大きい高さである。幾つかの例において、各シートは、1mmより大きい厚さを有する。幾つかの例において、各シートは、5mmより大きい厚さを有する。理解されるべきは、シートをより厚く、及び媒体スタックをより高くすることは、トップシートが重力の方向に垂直な平面から逸脱する場合がある可能性をより大きくする。
図1Aは、トップシートの例示的な逸脱角度(偏差角)102を示す。検出器により生成された三次元イメージは、例えば係る逸脱角度を検出することを可能にする。理解されるべきは、重力に垂直な平面からの逸脱(ずれ)は、トップシートの1つ又は複数の部分に又はトップシート全体に当てはまる場合がある。媒体スタックはトップフィーダ内へ据付けられ(
図1A~
図1Bには示されていない)、それにより係る媒体スタックがプリンタへ供給されているということになる。
【0019】
例示的なレベリングシステム100は、アクチュエータ103を含む。アクチュエータは、媒体スタックの底部の様々な箇所の高さを調整するように構成された機械的デバイス又はアセンブリとして理解されるべきである。幾つかの例において、アクチュエータは、玉継手のような駆動要素を含む。幾つかの例において、アクチュエータは、1つ又は複数のレバー、歯車またはピストンを含む。
図1Bに示されたように、アクチュエータ103は、例えば
図1Aの角度102を相殺する角度104により、媒体スタックの底部の幾何学的配置を変更することができる(
図1A及び
図1Bは、異なる形態にある同じレベリングシステムを表す)。媒体スタックの底部の様々な箇所の高さは、アクチュエータにより調整され得る。幾つかの例において、媒体スタックの底部の少なくとも幾つかの箇所は、異なる値により調整されるそれらの高さを有し、それにより媒体スタックのレベリングを変更し、それにより媒体スタックのトップシートのレベリングを変更する。幾つかの例において、幾つかの高さは、少なくとも1cmにより調整される。幾つかの例において、幾つかの高さは、少なくとも5cmにより調整される。理解されるべきは、アクチュエータにより達成される高さ調整は、媒体スタックの底部の少なくとも幾つかの箇所における調整閾値を上回ることができ、係る調整閾値は、トップフィーダの媒体位置決め機構の寸法公差を超える。
【0020】
例示的なレベリングシステム100は、コントローラ105を含む。コントローラ105は、三次元イメージに基づいて、媒体位置決め領域の少なくとも1つのレベリングを改善するために、高さに対する調整(値)を選択するように構成される。係る選択は、トップフィーダの媒体位置決め機構に関連して適切に配置されるようにトップシートを十分にレベリングすることを目的とする選択として理解されるべきである。幾つかの例において、三次元イメージは、理論的な水平面と比較され、それにより水平面からの逸脱がコントローラにより識別され、当該逸脱が調整により相殺される。場合によっては、当該逸脱は、調整により部分的に相殺される。例えば、湾曲したトップシートの場合、その幾何学的配置だけを変更することは、スタックの表面を平面にしない。それにも関わらず、多くの場合における係る部分的な相殺が、変化をもたらし、トップシートがプリンタに首尾よく供給されることを可能にすることが確かに見出された。コントローラ105は、調整を実施するためにアクチュエータを制御することができる。コントローラは、電気信号を検出器およびアクチュエータとやり取りするように構成される。幾つかの例において、コントローラは、検出器およびアクチュエータの1つ又は複数に無線接続される。幾つかの例において、コントローラは、ワイヤ又はケーブルにより、検出器およびアクチュエータの1つ又は複数に接続される。コントローラは、プロセッサ、及びプロセッサに結合されたデータメモリ又はデータ記憶装置のような機械可読記憶媒体を含むことができる。幾つかの例において、コントローラは更に、ネットワークからデータを受け取るためにネットワークインターフェースを含む。機械可読記憶媒体は、データを処理するために、プロセッサ及び記憶装置と相互作用するための命令セットを含むことができる。プロセッサは、オペレーティングシステムにより操作される、演算処理用の電子回路を含むことができる。
【0021】
図2Aは、検出器101を配置するのに適している箇所の1つからの、スタックのトップシートの例示的なビュー(眺め)を示す。係るビューは、トップシート201に対応し、トップシート201は媒体位置決め領域202及び203を含む。この例において、当該表現(描写)は、長方形シートの三次元表現である。しかしながら、一般に、媒体シートは、他の形状を取る場合がある。この例において、媒体位置決め領域202及び203は、媒体ピックアップ領域であり、その理由は、真空グリッパのような媒体位置決め機構がトップフィーダ(図示せず)にトップシート201を挿入するためにトップシート201に付着しようと試みる場合がある領域に対応するからである。この例において、媒体位置決め領域202は、媒体位置決め領域203より低い位置にある。この例において、媒体ピックアップ領域内の様々な箇所のレベル間の差異の最大値は、コントローラにより求められることができ、それにより、係る最大差は、この場合、領域202の箇所と領域203の別の箇所との間の高低差であろう。係る最大差は、検討されている箇所間の相対的な最大差であり、必ずしもトップシート上の任意の箇所間の絶対的な最大差でないものとして理解されるべきである。この例において、媒体位置決め領域の少なくとも1つのレベリングを改善する調整値は、検討されている媒体ピックアップ領域内の様々な箇所のレベル間の差異の最大値を低減する調整値である。係る調整値は、
図2Bで示されたように、トップシートの幾何学的配置をより平ら(水平)にされたものへ変更することにつながる。
【0022】
図3Aは、検出器101を配置するのに適している箇所の1つからの、スタックのトップシートの別の例示的なビュー(眺め)を示す。係るビューは、トップシート301に対応し、トップシート301はこの例において、媒体位置決め領域302、303及び304を含む。この例において、当該表現(描写)は、長方形シートの三次元表現である。媒体位置決め領域302及び303は、媒体ピックアップ領域であることができる。媒体位置決め領域304は、先端の近傍の領域に対応し、当該先端では、ローラのような媒体位置決め機構がトップシート301をトップフィーダ(図示せず)においてローラで運ぶように試みる場合がある、又は当該先端は、トップシートが媒体位置決め領域302及び303において取られた後にトップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウ(図示せず)へ差し込まれなければならず、その経路上でプリンタ(図示せず)へと下流に移動する。この例において、媒体位置決め領域304の箇所の高さは、非常に異なり、即ち、領域304の左側端部304Lに近い箇所が、領域304の右側端部304Rに近い箇所よりもかなり低い。この例において、コントローラは、トップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウへトップシートを差し込むためにトップシートの先端領域の高さを揃える調整を進めることができる。係る調整は、
図3Bに示されたように、トップシートの幾何学的配置をより平ら(水平)にされたものへ変更することにつながる。
【0023】
上記および他の例において、先端の場所を示すことになる先端領域に関して、先端領域は、横たわっているトップシートの幅(少なくとも幅W)の領域であることができ、トップシートの先端を含む。幅Wは、検出器204の深さ分解能dより大きくなることができる。幾つかの例において、幅Wは3dより大きい。幾つかの例において、幅Wは10dより大きい。しかしながら、幾つかの例において、先端領域は、先端の場所を示すが、単に部分的にトップシートの先端を含む。幾つかの他の例において、先端領域は、先端の場所を示すことができるが、先端の何らかの部分を含まない。
【0024】
図4Aは、検出器101を配置するのに適している箇所の別の1つからの、スタックのトップシートの別の例示的なビュー(眺め)を示す。係るビューは、トップシート401に対応し、トップシート401はこの例において、媒体位置決め領域402及び403を含む。この例において、当該表現(描写)は、長方形シートの三次元表現である。媒体位置決め領域402は、媒体ピックアップ領域であることができる。媒体位置決め領域403は、先端の近傍の領域に対応し、当該先端では、ローラのような媒体位置決め機構がトップシート401をトップフィーダ(図示せず)においてローラで運ぶように試みる場合がある、又は当該先端は、トップシートが媒体位置決め領域402において取られた後にトップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウ(図示せず)へ差し込まれなければならず、その経路上でプリンタ(図示せず)へと下流に移動する。この例において、媒体位置決め領域403の箇所の高さは、媒体位置決め領域403の外側のトップシート上の箇所(例えば、媒体位置決め領域402内の箇所)に対して非常に低い。この例において、コントローラは、トップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウへトップシートを差し込むためにトップシートの先端領域の高さを揃える調整を進めることができる。係る調整は、
図4Bに示されたように、トップシートの幾何学的配置をより適切に平ら(水平)にされたものへ変更することにつながる。
図4Bと
図4Aとの間のトップシートの幾何学的配置の変更は、
図3Bと
図3Aとの間のものと異なる角度を変更することを含む。また、単に例えば、
図4Bと
図4Aとの間でトップシートの幾何学的配置を変更することは、2つ以上の角度を変更することを含む。理解されるべきは、幾何学的配置は、媒体スタックの底部で変更され、この変更は、恐らく変位と共にトップシートを変える。
【0025】
図5Aは、検出器101を配置するのに適している箇所の別の1つからの、スタックのトップシートの別の例示的なビュー(眺め)を示す。係るビューは、トップシート501に対応し、トップシート501はこの例において、媒体位置決め領域502、503及び504を含む。この例において、当該表現(描写)は、長方形シートの三次元表現である。媒体位置決め領域502及び503は、媒体ピックアップ領域である。媒体位置決め領域504は、先端の近傍の領域に対応し、当該先端では、ローラのような媒体位置決め機構がトップシート501をトップフィーダ(図示せず)においてローラで運ぶように試みる場合がある、又は当該先端は、トップシートが媒体位置決め領域502及び503において取られた後にトップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウ(図示せず)へ差し込まれなければならず、その経路上でプリンタ(図示せず)へと下流に移動する。この例において、媒体位置決め領域502は、媒体位置決め領域503より低く、先端領域504が高すぎる。この例において、コントローラは、媒体ピックアップ領域502及び503内の様々な箇所のレベル間の差異の最大値を、閾値より小さくなるようにし且つトップシートの先端領域504をトップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウへ差し込む調整を進めることができる。係る調整は、
図5Bに示されたように、トップシートの幾何学的配置を改善されたものへ変更することにつながる。
【0026】
図6Aは、検出器101を配置するのに適している箇所の別の1つからの、スタックのトップシートの別の例示的なビュー(眺め)を示す。係るビューは、トップシート601に対応し、トップシート601はこの例において、媒体位置決め領域602、603及び604を含む。この例において、当該表現(描写)は、幾つかの反り(曲がり)を有する長方形シートの三次元表現である。媒体位置決め領域602及び603は、媒体ピックアップ領域である。媒体位置決め領域604は、先端の近傍の領域に対応し、当該先端では、ローラのような媒体位置決め機構がトップシート601をトップフィーダ(図示せず)においてローラで運ぶように試みる場合がある、又は当該先端は、トップシートが媒体位置決め領域602及び603において取られた後にトップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウ(図示せず)へ差し込まれなければならず、その経路上でプリンタ(図示せず)へと下流に移動する。この例において、媒体位置決め領域602は、媒体位置決め領域603より低く、先端領域604が高すぎる。この例において、コントローラは、媒体ピックアップ領域602及び603内の様々な箇所のレベル間の差異の最大値を、閾値より小さくなるようにし且つトップシートの先端領域604をトップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウへ差し込む調整を進めることができる。係る調整は、
図6Bに示されたように、トップシートの幾何学的配置を改善されたものへ変更することにつながる。
【0027】
上記の例の全てにおいて、コントローラは、媒体位置決め機構の媒体ピックアップ機構によって首尾よくピックアップされて、トップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウへ給紙されるための、トップシートの全体としての機会(可能性)を増加させる調整(値)を選択するように変更され得る。
【0028】
幾つかの例において、媒体位置決め機構は、トップフィーダ内へ据付けられた媒体スタックのトップシートをプリンタに移動させるように設置される。本開示に従って、トップシート上の媒体位置決め機構に対応する媒体位置決め領域の少なくとも1つのレベリングは、媒体位置決め機構が係る移動を正確に実現する機会(可能性)を増加させるために改善され得る。
【0029】
幾つかの例において、媒体位置決め機構は、媒体ピックアップ機構を有する。媒体ピックアップ機構は、特定の経路、例えば重力の方向、又は重力の方向に対して比較的小さい角度で傾斜した方向に沿って、媒体スタックの方へ移動することができる機構であることができる。本開示において、小さい角度は、15°未満、場合によっては10°未満の角度と考えられるべきである。この媒体ピックアップ機構は、トップシートを持ち上げるために、媒体スタックのトップシートをピックアップ後に、上方へ移動することができる。幾つかの例において、トップシート上のその経路に沿った媒体ピックアップ機構の突出は、少なくとも1つの位置決め領域に対応する。幾つかの例において、これら領域は、以降R1及びR2と呼ばれる、2つの媒体位置決め領域を含む。
【0030】
幾つかの例において、三次元イメージから、媒体位置決め領域R1が、距離差dHだけ、媒体位置決め領域R2より媒体ピックアップ機構から遠いという結果になる場合、コントローラは、この距離差が良好なピックアップの機会(可能性)を改善するために変更される必要があると判断することができる。場合によっては、媒体ピックアップ機構が非常に下げられているので媒体位置決め領域R2に接触して、より低く少しも移動できない場合、特定の距離が依然として媒体ピックアップ機構と媒体位置決め領域R1を分離することが生じる可能性がある。この距離は、dHとして又は異なる方法で予測され得る。例えば、この距離は、精度を改善するために、媒体スタックの幾何学的形状(例えば、トップシートの位置およびトップシートの幾何学的配置)上で下げられた状態の媒体ピックアップ機構の影響に関するデータを用いて、予測され得る。従って、コントローラは、媒体ピックアップ機構と媒体位置決め領域R1との間に残る距離が非常に大きいので、媒体ピックアップ機構がトップシート全体を持ち上げる可能性を低くするか否かを判断することができる(例えば、媒体ピックアップ機構は、この距離において、つり上げ力が小さすぎる真空グリッパを有する場合がある)。例えば、コントローラは、この距離が可能性を許容の閾値未満に低下させるか否かを判断することができる。コントローラは、媒体ピックアップ機構がトップシートを持ち上げる可能性を、この距離差の低減が増加させることができる場合に、係る距離差を低減するためにスタックの底部において如何にして高さを調整することを選択するために、個々の機械的状況および幾何学的状況を考慮に入れることができる。代案として、場合によっては、この状況は、コントローラに利用可能なメモリに格納された結果を用いて、予め解決され得る。例えば、距離差dHに関して、アクチュエータが取り付けられた箇所における媒体スタックの底部での高さが、dHBだけこの高さを増加させることにより調整されなければならないという記録が存在することができる。また、係る記録は、個々の統計データに基づいて準備され得る。従って、幾つかの例において、コントローラは、アクチュエータにより接触しているスタックのその箇所において、dHBだけ高さを調整するようにアクチュエータを制御することができる。
【0031】
本開示によるレベリングシステムの別の例において、レベリングシステムは、検出器、アクチュエータ、及びコントローラを含み、トップフィーダは、トップフィーダ内へ据付けられた媒体スタックのトップシートをプリンタに移動させるように設置された媒体位置決め機構を含む。トップシート上の媒体位置決め機構に対応する媒体位置決め領域の少なくとも1つのレベリングは、媒体位置決め機構が係る移動を正確に実施する可能性を増加させるために、改善され得る。
【0032】
幾つかの例において、トップフィーダは、媒体ピックアップ領域R1及びR2が対応する媒体ピックアップ機構を含む媒体位置決め機構を有する。係る例の幾つかにおいて、媒体位置決め機構は、トップフィーダの給紙ウィンドウも含む。媒体位置決め領域R3は、トップシートが媒体ピックアップ機構により取られた後に給紙ウィンドウへ差し込まれる必要があり、プリンタへその経路上で下流に移動する。この例において、媒体位置決め領域R3は、トップシートの先端領域である。他の例などの場合、コントローラは、アクチュエータにより接触するスタック290のその箇所において、高さを調整するためにアクチュエータを制御することができる。この例において、調整は、トップフィーダの給紙ウィンドウに対して、先端領域R3のレベリングを改善するために選択され得る。更に又は代案として、調整は、良好なピックアップの可能性を改善するために、媒体ピックアップ領域R1内の箇所のレベリングを改善するために選択され得る。更に又は代案として、調整は、良好なピックアップの可能性を改善するために、媒体ピックアップ領域R1及びR2の何れか内の箇所のレベリングを改善するために選択され得る。この例において、トップシートの先端を給紙ウィンドウへ差し込む可能性を改善する潜在的な調整が良好なピックアップの可能性を低減する場合、又は良好なピックアップの可能性を改善する潜在的な調整がトップシートの先端を給紙ウィンドウへ良好に差し込む可能性を低減する場合、フィーダの内部で全経路に沿ってトップシートを良好に移動させる全体的な可能性を改善するこれらの調整が選択され得る。幾つかの例において、媒体位置決め領域は、先端領域および2つ以上のピックアップ領域を含むことができる。例えば、レベリングシステムは、媒体スタックのトップシート上の3つの媒体位置決め領域R1、R2及びR3の3Dイメージに基づいて調整を選択するように設定されることができ、R1及びR2は媒体ピックアップ領域であり、R3は先端領域である。
【0033】
代案として、レベリングがレベリングシステムにより改善される媒体ピックアップ領域である媒体位置決め領域の数は、ゼロであることができる。例えば、レベリングシステムは、先端領域R3のような先端領域のレベリングを改善することに割り当てられ得る。言い換えれば、トップシートが、媒体位置決め機構の媒体ピックアップ機構に対応する媒体ピックアップ領域を含むが、レベリングシステムが当該先端に割り当てられることができるので、三次元イメージはこの媒体ピックアップ領域を含む必要がない。
【0034】
また、代案として、レベリングがレベリングシステムにより改善される媒体ピックアップ領域である媒体位置決め領域の数は、1であることができ、レベリングシステムは、先端領域のレベリングを改善しない。例えば、レベリングシステムは、R1のような媒体ピックアップ領域のレベリングを改善することに割り当てられることができ、その理由は、他のピックアップ領域が存在しない場合がある、又はそれらがもたらす障害がより少ないからである。このような場合、コントローラは、1つの媒体位置決め領域のレベリングを改善するために、媒体スタックの底部の異なる箇所の高さに対する調整を選択することができる。
【0035】
幾つかの例において、レベリングシステムは、トップシートをフィーダによりプリンタに首尾よく移動させるための全体的な可能性の改善がスタックの底部における異なる箇所の高さを互いに対して調整することによって達成され得るか否かを判断するために、レベリングシステムのコントローラが設定されるように変更され得る。コントローラにより検討され得る考えられる調整は、先端領域のレベリングを変更する調整、及び媒体ピックアップ領域の何れかのレベリングを変更する調整を含む。しかしながら、代案として、レベリングシステムのコントローラは、トップシートがスタックからプリンタへ、トップフィーダの経路の一部を首尾よく通過する可能性の改善が、スタックの底部における異なる箇所の高さを互いに対して調整することにより達成され得るか否かを判断するように、より割り当てられて設定され得る。
【0036】
従って、例えば、媒体位置決め領域が少なくとも2つの媒体ピックアップ領域を含む少なくとも幾つかの場合において、レベリングシステムは、代案として、媒体ピックアップ領域内の様々な箇所のレベル間の差異の最大値を低減するために調整値を選択するように変更され得る。
【0037】
また、媒体位置決め領域が少なくとも2つの媒体ピックアップ領域を含む少なくとも幾つかの例において、レベリングシステムは、代案として、媒体ピックアップ領域の相互のレベリングを改善するための調整を選択するように変更され得る。
【0038】
媒体位置決め領域が先端領域を含む少なくとも幾つかの例において、レベリングシステムはむしろ、トップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウへトップシートを差し込むために、トップシートの先端領域の高さを揃える調整を選択するように変更され得る。
【0039】
媒体位置決め領域が先端領域および少なくとも1つの媒体ピックアップ領域を含む少なくとも幾つかの例において、レベリングシステムは、代案として、媒体位置決め機構の媒体ピックアップ機構により首尾よくピックアップされ、トップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウへ給紙されることになるトップシートの全体的な可能性を増加させる調整を選択するように変更され得る。
【0040】
媒体位置決め領域が少なくとも2つの媒体ピックアップ領域および先端領域を含む少なくとも幾つかの例において、レベリングシステムは、代案として、媒体ピックアップ領域内の様々な箇所のレベル間の差異の最大値を許容の閾値より小さくして、トップシートの先端領域をトップフィーダの媒体ピックアップ機構の給紙ウィンドウへ差し込む調整を選択するように変更され得る。
【0041】
少なくとも幾つかの場合において、媒体位置決め機構は、厚紙ピックアップ機構、グリッパ、吸着カップ、吸気ファン、真空ベルト、ピックアップローラ、及び給紙ウィンドウの少なくとも1つを含むことができる。媒体位置決め機構が媒体ピックアップ機構を含む少なくとも幾つかの場合において、この媒体ピックアップ機構は、厚紙ピックアップ機構、グリッパ、吸着カップ、吸気ファン、真空ベルト、ピックアップローラの少なくとも1つを含むことができる。
【0042】
幾つかの例において、アクチュエータは、媒体スタックの底部における特定の箇所を直接的に押すように設置され得る。また、上述した少なくとも幾つかの他の例において、アクチュエータは、媒体スタックの底部における特定の箇所を直接的に押すように設置され得る。
【0043】
代案として、上記の例の少なくとも幾つかにおいて、トップフィーダは、スタックが置かれるステージを有することができ、アクチュエータは、当該ステージの及び媒体スタックの幾何学的配置を変更するために、当該ステージの様々な部分の高さを調整することができる。
【0044】
アクチュエータは、ステージの幾何学的配置を変更するために、必要に応じてステージを引く及び押すことの少なくとも一方により、ステージと相互作用する作動要素を有することができる。作動要素は、ステージに単に接触するように設置されることができ、又は引くことが使用される場合には、ステージに結合され得る。例えば、ステージの端部は、スタックがアクチュエータ上に位置する場合、作動要素上に位置することができる。当該端部は、先端(トップシートの先端に対応する)、後端、左端、及び右端(検出器の視点に対して)の何れかであることができる。別の例の場合、作動要素は、ステージの底部およびステージの頂部の少なくとも一方に接触するが、先端、後端、左端または右端に接触しないように、配置され得る。
【0045】
幾つかの例において、ステージは、異なる作動要素とそれぞれ相互作用している。媒体スタックはステージ上に位置することができる。幾つかの例において、作動要素は、ステージの下にあり、ステージの端部は単にその上に位置している。作動要素は、ステージの端部を押し上げて、ステージの幾何学的配置を変更することができる。別の例において、作動要素は、ステージの側部と相互作用する。別の例において、作動要素はステージの上に配置される。
【0046】
アクチュエータは、重力の方向に垂直なその軸の少なくとも1つ(又は、ステージが水平方向に配向されていない場合、重力の方向に対して小さい角度で傾斜した方向)に沿ってステージの幾何学的配置を変更することを可能にする任意のタイプからなることができる。幾つかの例において、係る角度は、スタックが崩壊する危険性を低減するために15°に制限される。例えば、アクチュエータは、ステージの先端からステージの後端まで延びる軸に対してステージの幾何学的配置を変更するための作動要素を含むことができる。係る軸は、ステージの中心を通る必要はない。しかしながら、アクチュエータは、係る軸がステージの中央領域に位置する場合、当該軸に対して対称的に位置する少なくとも2つの作動要素を含むようにも設定され得る。これら作動要素は、ステージの下に配置された緩衝装置であることができる。
【0047】
別の例において、更に又は代案として、アクチュエータは、ステージに沿って延び且つステージの先端からステージの後端まで延びる軸に垂直な軸に対して、ステージの幾何学的配置を変更するための作動要素を含むことができる。同様に、係る軸は、ステージの中心を通る必要はない。また、アクチュエータは、係る軸がステージの中央領域に位置する場合、当該軸に対して対称的に位置する少なくとも2つの作動要素を含むようにも設定され得る。これら作動要素は、ステージの下に配置された緩衝装置であることができる。
【0048】
幾つかの更なる例において、アクチュエータは、ステージの先端からステージの後端まで延びる軸、ステージに沿って延び且つステージの先端からステージの後端まで延びる軸に垂直な軸、及び双方のこれらの軸の何れかに対して、ステージの幾何学的配置を変更するための少なくとも3つの作動要素を含むことができる。少なくとも3つの作動要素は、少なくとも3つの作動要素の1つにおける頂点と直角をなす辺に配置され得る。これら作動要素は、ステージの下に配置された緩衝装置であることができる。
【0049】
幾つかの更なる例において、アクチュエータは、ステージの先端からステージの後端まで延びる軸、ステージに沿って延び且つステージの先端からステージの後端まで延びる軸に垂直な軸、及び双方のこれらの軸の何れかに対して、ステージの幾何学的配置を変更するための少なくとも4つの作動要素を含むことができる。少なくとも4つの作動要素は、少なくとも4つの作動要素の4つにおける頂点を有する長方形の辺に配置され得る。これら作動要素は、ステージの下に配置された緩衝装置であることができる。
【0050】
更に又は代案として、アクチュエータは、重力の方向に対してステージの幾何学的配置を変更するための作動要素を含むことができる。
【0051】
様々な作動要素は緩衝装置である必要はない。例えば、作動要素は、玉継手であることができる。
【0052】
上記の例の少なくとも幾つかにおいて、ステージは、少なくとも媒体位置決め機構の媒体ピックアップ機構の方へスタックを持ち上げるために使用されるトップフィーダのコンベヤの一部であることができる(たとえレベリングシステムが先端領域のレベリングを改善することに割り当てられる場合でも)。アクチュエータ、例えば、少なくとも1つのその作動要素は、ステージが動く際に動くためにコンベヤのステージに結合され得る。幾つかの例において、アクチュエータは、少なくとも1mの範囲内で動く場合がある。
【0053】
上記の例の少なくとも幾つかにおいて、コントローラは、アクチュエータ(即ち、ステージ)の現在の位置に基づいて、媒体スタックの底部の様々な箇所の高さに対する調整を選択することができる。例えば、ステージがピックアップ機構から離れている場合、ステージの幾何学的配置のより小さな変更(即ち、個々の角度のより小さい変化)は、媒体ピックアップ機構から距離差dHだけ異なる距離にある媒体ピックアップ領域をレベリングするのに必要である場合がある。
【0054】
更に又は代案として、上記の例の少なくとも幾つかにおいて、コントローラは、媒体スタックの高さに基づいて、調整を選択する場合がある。
【0055】
上記の例の少なくとも幾つかにおいて、検出器は、3Dカメラ(単数)及び2台の2Dカメラの少なくとも一方を含む場合がある。
【0056】
上記の例の少なくとも幾つかにおいて、レベリングシステムは、少なくとも1つの媒体位置決め領域(レベリングシステムがそのレベリングを改善するように設計されている)上に、三次元イメージングを可能にするパターンを有する、パターン化された放射線を送るための光源を更に含む場合がある。
【0057】
上記の例の少なくとも幾つかにおいて、検出器は、少なくとも1つを上回る媒体位置決め領域を含む三次元イメージを生成することができる。コントローラは、三次元イメージにおいて、トップシートの少なくとも1つの媒体位置決め領域に対応する少なくとも1つの部分の場所を特定することができる。
【0058】
上記の例の少なくとも幾つかにおいて、少なくとも2つの媒体ピックアップ領域が存在する場合、2つの媒体ピックアップ領域は、トップシートの先端からトップシートの後端まで延びる軸に対して相互対称である。
【0059】
上記の例の少なくとも幾つかにおいて、検出器、アクチュエータ及びコントローラが反復して動作する場合がある変更態様が存在し、トップシートの媒体位置決め領域の少なくとも1つのレベリングを改善する調整は、反復プロセスの開始点を基準とした反復プロセスの終了時の全体的な調整である。
【0060】
本開示に従って、上記の例のそれぞれは、トップフィーダ及びトップフィーダ用のレベリングシステムを含むプリンタでも実施される場合があり、それによりトップフィーダは、媒体位置決め機構を含む。レベリングシステムは、
トップフィーダ内へ据付けられた媒体スタックのトップシート上の媒体位置決め機構に対応する媒体位置決め領域を含む三次元イメージを生成するための深度カメラと;
媒体スタックの底部の様々な箇所の高さを変更するためのアクチュエータと;
コントローラと、を含み、コントローラは、
三次元イメージの関数(function:機能)において、媒体位置決め領域の少なくとも1つのレベリングを改善するために高さに対する変更を計算し、
調整を実施するようにアクチュエータを制御する。
【0061】
図7Aは、例示的なプリンタを示す。この例において、プリンタ700は、媒体スタック上に印刷するように構成される。プリンタは例えば、デジタル印刷機、デジタルプリンタ、インクジェットプリンタ、フレキソ印刷(短縮形でフレキソ)プリンタ、固体インクプリンタ、リソグラフィ(短縮形で「リソ」又は「オフセット」)印刷機、グラビア印刷機、輪転グラビア印刷機、スクリーン印刷機、シルクスクリーン印刷機、レーザプリンタ、発光ダイオード(LED)プリンタ、又は任意の他のタイプのプリンタ(印刷機)であることができる。幾つかの例において、プリンタは、梱包に使用されるタイプからなることができる。プリンタは、段ボール、厚紙、ボール紙、又は同種のものに印刷するように構成され得る。また、プリンタは、例えば、梱包に使用される、微小のひだ付き材料、プラスチック(ビニール)、金属フィルム、セロファン、紙、及び他のタイプの媒体に印刷するように構成され得る。プリンタは、少なくとも0.3リニアメーター/秒、又は少なくとも1リニアメーター/秒の速度で、又は不同で印刷するように構成され得る。また、プリンタは、最高4リニアメーター/秒、又は最高15リニアメーター/秒の速度で、又は不同で印刷するように構成され得る。プリンタは、カラープリンタ、単色プリンタ、「モノクロ」プリンタ、又は異なるタイプのプリンタであることができる。
【0062】
プリンタ700は、トップフィーダ720を含む。プリンタ700は、関連した制御信号をやり取りすることによって、トップフィーダを制御することができる。例えば、プリンタ700は、特定の速度で媒体シートを送るようにトップフィーダを制御することができる。例えば、この速度は、毎秒当たりの媒体シートの数で測定され得る。
【0063】
トップフィーダ720は、プリンタ700と互換性のある任意のタイプからなることができる。例えば、トップフィーダは、プリンタに段ボール、厚紙、ボール紙または同種のものを供給することができるタイプからなることができる。また、トップフィーダは、例えば梱包に使用される、微小のひだ付き材料、プラスチック(ビニール)、金属フィルム、セロファン、紙、及び他のタイプの媒体をプリンタに供給することができるタイプからなることができる。
【0064】
トップフィーダ720は、媒体位置決め機構722を含む。トップフィーダ720は、関連した信号をやり取りすることによって、媒体位置決め機構722を制御することができる。例えば、トップフィーダ720は、媒体スタックの上面から媒体シートを取るように媒体位置決め機構722を制御することができる。媒体位置決め機構722は、上記の様々なレベリングシステムの開示において間接的に説明された任意の構成を有することができる。例えば、それは、媒体ピックアップ機構および給紙ウィンドウの少なくとも一方を含むことができる。同様に、この媒体ピックアップ機構およびこの給紙ウィンドウは、上記の様々なレベリングシステムの開示において間接的に説明された構成を有することができる。係る例示的なプリンタは更に、
図1に関連して既に説明された要素を含む。
【0065】
図7Bは、別の例示的なプリンタ701を示す。例示的なプリンタ701は、例示的なプリンタ700に関連して説明された要素を含み、幾つかの例において説明されたような複数の作動要素を有するアクチュエータ703を含む。
【0066】
本開示に従って、上記の例の何れかは、プロセッサにより実行可能な命令で符号化された持続性機械可読記憶媒体によって実現され得る。機械可読記憶媒体は、実行可能な命令を格納する任意の電子的、磁気的、光学的、又は他の物理的記憶デバイスであることができる。かくして、機械可読記憶媒体は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、電子的消去可能ROM(EEPROM)、記憶ドライブ、光ディスク、及び同類のものであることができる。
図8は、プロセッサ840(例えば、コントローラ105のプロセッサ)により実行可能な命令で符号化された係る持続性機械可読記憶媒体800の一例であり、機械可読記憶媒体800は、プリンタのトップフィーダ内へ据付けられた媒体スタックのトップシート上の媒体位置決め機構に対応する媒体位置決め領域を含む三次元イメージを受け入れるための命令810、媒体位置決め領域のレベリングを改善するために媒体スタックの底部の様々な箇所の高さに対する調整を、三次元イメージに基づいて見出すための命令820、及び調整を実施するようにアクチュエータに指示するための命令830をそれぞれ含む。
【0067】
この場合、媒体位置決め領域は、上述されたような、先端領域である部分を含むことができる。また、それは、上述されたような、媒体ピックアップ領域である部分(単数または複数)を含むことができる。2つ以上の部分が存在する場合、それらは特定の距離だけ分離され得る。
【0068】
図9は、ここで説明された例示的なレベリングシステムの何れかとしてレベリングシステムを動作させるための例示的な方法を示す。係る例示的な方法は、ブロック910において、プリンタ(例えば、ここで説明された例示的なプリンタ)のトップフィーダ上に配置された、媒体スタックのトップシート上の媒体位置決め機構に関連した媒体位置決め領域を含む三次元表現を受け取ることを含む。係る例示的な方法は更に、ブロック920において、三次元表現に基づいて、媒体位置決め領域のレベリングを改善するために媒体スタックの底部の様々な箇所の高さに対する調整を見出すことを含む。また、係る例示的な方法は、ブロック930において、調整を実施するためにアクチュエータを制御することも含む。
図1A、
図1B、
図7A、
図7B又は
図8に戻って参照すると、コントローラ105、又はプロセッサ840により実行された際に命令810を実行する「受け入れ」モジュールは、ブロック910を実施するための役割を果たすことができる。
図1A、
図1B、
図7A、
図7B又は
図8に戻って参照すると、コントローラ105、又はプロセッサ840により実行された際に命令820を実行する「調整を見出す」モジュールは、ブロック920を実施するための役割を果たすことができる。
図1A、
図1B、
図7A、
図7B又は
図8に戻って参照すると、コントローラ105、又はプロセッサ840により実行された際に命令830を実行する「アクチュエータに指示する」モジュールは、ブロック930を実施するための役割を果たすことができる。
【外国語明細書】