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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123861
(43)【公開日】2022-08-24
(54)【発明の名称】酵母加水分解物を含む化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9728 20170101AFI20220817BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
A61K8/9728
A61Q19/00
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022018660
(22)【出願日】2022-02-09
(31)【優先権主張番号】21305186
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】508283406
【氏名又は名称】シャネル パフュームズ ビューテ
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128761
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 恭子
(72)【発明者】
【氏名】フザティ ニコラ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA031
4C083AA032
4C083AA072
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC422
4C083AC612
4C083AC622
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC852
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD202
4C083AD212
4C083AD332
4C083AD352
4C083AD392
4C083AD411
4C083AD412
4C083AD492
4C083AD572
4C083AD602
4C083AD642
4C083AD662
4C083BB51
4C083CC02
4C083CC05
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE07
4C083EE12
4C083FF01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】皮膚の保湿を促進するため、および/または乾燥からヒトの皮膚を保護するため、および/またはバリア機能を改善するため、および/または皮膚の老化を防止/低減するための化粧品を提供する。
【解決手段】生理学的に許容される媒体中に、少なくとも1種のピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を含む化粧品組成物による。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的に許容される媒体中に、少なくとも1種のピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を含む化粧品組成物。
【請求項2】
前記加水分解物が、酵素的な加水分解物であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記酵母ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)が、ツバキ(Camellia japonica)の浸出物から得られることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記加水分解物が、前記加水分解物の乾燥物質重量の20重量%から60重量%のタンパク質を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記加水分解物が以下のステップを含むプロセスによって得られることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧品組成物:
- 少なくとも40g/Lのピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)を水に可溶化するステップと、
- 酵素的に加水分解するステップと、
- 可溶性相と不溶性相とを分離して可溶性相を回収するステップと、
- 酵素的に不活性化するステップと、
- 任意選択で濃縮および滅菌濾過するステップ。
【請求項6】
少なくとも0.1重量%の前記ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
局所塗布に適していることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
保湿を改善するため、および/または乾燥からヒトの皮膚を保護するため、および/またはバリア機能を改善するための、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物または請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物の非治療的な化粧的使用。
【請求項9】
皮膚の老化を防止/低減するための、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物または請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物の非治療的な化粧的使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、ツバキ(Camellia japonica)の浸出物から得られたピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)種の酵母の加水分解物を含む化粧品組成物であり、皮膚の保湿を促進するため、および/または乾燥からヒトの皮膚を保護するため、および/またはバリア機能を改善するため、および/または皮膚の老化を防止/低減するための化粧品における、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)種の酵母の加水分解物の使用でもある。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、主に3つの層、すなわち、最も表層から順に、表皮、真皮、皮下組織から構成されている。
【0003】
表皮は、特に、角化細胞(大多数)、メラニン細胞(皮膚では色素形成に関与する)、ランゲルハンス細胞から構成されている。その機能は、体を外部環境から保護し、その完全性を確保し、特に微生物や化学物質の浸透を遅らせ、皮膚に含まれる水分の蒸発を防ぐことである。
【0004】
これを行うために、角化細胞は、連続的で方向づけられた成熟プロセスを受ける。この成熟プロセスでは、表皮の基底層に位置する角化細胞が、それらの分化の最終段階で、タンパク質とセラミドなどの脂質で構成され、角化された膜の形で完全に角質化され、死細胞である角質細胞を形成する。この分化プロセスの間に、角質間表皮脂質も形成され、角質層で二重層(シート)の形で組織化される。それらは、前記の角質化された膜とともに、表皮のバリア機能に関与する。
【0005】
しかし、表皮のバリア機能は、特定の気候条件(例えば、寒さや風の影響下)で、またはストレスや疲労の影響下で破壊される可能性があり、特に、それによって、皮膚を乾燥させ、緊張や発赤などの不快感を引き起こすアレルゲン、刺激剤または微生物の浸透を促進し、皮膚の色やしなやかさ、輝きを損なう可能性もある。
【0006】
この現象を防止または改善するために、皮膚に存在する水分を捕捉し、その蒸発を遅らせること意図して、糖やポリオールなどの吸湿剤を含有する皮膚の化粧品組成物を塗布することはすでに行われている。さらに、これらの組成物は、活性剤をしばしば包含しており、これら活性剤は、皮膚の再生プロセス、特に角化細胞の分化、表皮脂質合成および角質細胞の結合、または皮膚の天然保湿因子(NMF)の成分の内因性合成、特にプロテオグリカンの合成のいずれかに関与する様々な生物学的標的の1種または複数種に作用する。
【0007】
プロテオグリカンは、さらに皮膚の保湿や引き締めに重要な役割を果たしており、特にヒアルロン酸がその役割を果たしている。しかし、加齢とともに、ヒアルロン酸は量も質も低下し、皮膚の乾燥やたるみ、弾力性の低下を招き、その結果、しわが目立ってくる。そのため、ヒアルロン酸の生成を促進できる活性剤を見つける必要がある。
【0008】
このような活性剤の例としては、特にα-およびβ-ヒドロキシ酸、特に乳酸、グリコール酸、サリチル酸、尿素、またはアミノスルホン化合物が挙げられる。
【0009】
しかし、皮膚の保湿や老化防止をより効果的に行うことができる新しい化粧品用活性剤を提供する必要性がある。
【0010】
加えて、消費者が合成成分をできるだけ含有しない天然物を求める傾向が強まっていることや、化学工業からの化合物に対する規制がますます厳しくなっていることを考えると、これらの化粧品活性剤は天然物由来であることが望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、この効果のため、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)種の酵母の加水分解物を含む新しい化粧品組成物を提供することにある。
【0012】
酵母ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)は、オガタエア・ナガニシイ(Ogataea naganishii)としても知られており、日本の椿またはツバキ(Camellia japonica)の浸出物から分離できる。この特定の酵母は、これまで、ツバキ(Camellia japonica)とサカキ・オクナ(Sakaki ochnacea)の2つの植物で、および日本にある1つの地理的地域でのみ同定されている。酵母ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)株は、ATCC(アメリカンタイプカルチャーコレクション)バンクから番号32418で得ることもできる。
【0013】
酵母ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)によるグリコール酸、クロロプロパンジオール誘導体、ヒドロキシケトエステル、プロパノール、ムスコン、グリコレートなどの分子の生産に関する特許は先行技術から知られているが、化粧品用途やこの酵母に由来する有効成分を記載した先行技術文書はない。
【0014】
驚くべきことに、本発明者らは、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を培養した角化細胞に塗布することで、ヒアルロン酸の産生、さらには皮膚のバリア機能と保湿とに関与するいくつかのタンパク質の合成を刺激することが可能であることを実証した。したがって、これらの加水分解物は、皮膚の老化を防ぐ/遅らせるために使用でき、また、皮膚の保湿やバリア機能を改善させるために使用できる。
【0015】
そのため、本発明は、第1の態様によれば、酵母ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)のバイオマスの加水分解物を含む組成物に関する。特に、本発明は、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)種の酵母の少なくとも1種の加水分解物を含む組成物に関し、前記酵母はツバキ(Camellia japonica)の浸出物から得られる。
【0016】
本発明は、特に酵母ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)の水への可溶化ステップと、酵素的に加水分解するステップと、可溶性相と不溶性相とを分離して可溶性相を回収するステップと、酵素的に不活性化するステップと、任意選択で加水分解物の濃縮後、滅菌濾過するステップとを含む調製プロセスによって得られたピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)種の酵母の少なくとも1種の加水分解物を含む組成物にも関する。
【0017】
ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物は、天然起源のものであり、有利に、保湿およびバリア機能を攻撃することなく、その効果があり、老化防止効果もある。したがって、従来の技術の問題点を解決できる。化粧品に使用できるが、優先的には局所塗布に適した形態で使用する。化粧品組成物は、少なくとも0.1重量%のピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を含む。
【0018】
第2の態様によると、本発明は、保湿を改善するため、および/または乾燥からヒトの皮膚を保護するため、および/またはバリア機能を改善するため、および/または皮膚の老化を防止/低減するための、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物または前記加水分解物を含有する組成物の非治療的な化粧的使用に関する。
【0019】
その他の特徴や利点は、本発明の詳細な説明と、それに続く実施例から明らかになるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0020】
定義
「ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物」という用語は、酵母ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)に由来する任意の活性成分を意味することを意図している。この加水分解物は、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)を加水分解する少なくとも1つのステップを含むプロセスによって得られた製品である。「ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物」という用語は、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)の発酵によってのみ生成される分子を除く。
【0021】
用語「ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)」は、サッカロミセス(Saccharomycetaceae)科、ピキア(Pichia)属、およびピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)種の任意の酵母を意味することを意図している。酵母ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)の菌株は、ATCC 32418番で酵母コレクションに登録されている。それはオガタエア・ナガニシイ(Ogataea naganishii)という名前でも知られている。ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)は、ツバキ(Camellia japonica)の浸出物から分離できる。
【0022】
「ツバキ(Camellia japonica)の浸出物」とは、ツバキ(Camellia japonica)という植物から分泌される物質のことである。
【0023】
ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物
したがって、本発明の主題は、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)種の酵母の少なくとも1種の加水分解物を含む化粧品組成物である。
【0024】
好ましい一実施形態によれば、酵母ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)は、ツバキ(Camellia japonica)の浸出物から得られるか、またはATCC 32418番で寄託された菌株から得られる。加水分解物は、特に、タンパク質および/または炭水化物を含むことができる。加水分解物がタンパク質を含む場合、加水分解物の乾燥物質重量の20重量%から60重量%のタンパク質を優先的に含む。
【0025】
一実施形態によれば、加水分解物は、炭水化物を、加水分解物の乾燥物質重量の5重量%から25重量%、より優先的には12重量%含む。
【0026】
優先的に、灰分は、5重量%から35重量%の間であり、さらにより優先的には20重量%から30重量%の間である。
【0027】
生灰分は、電気マッフル炉を使用して加水分解物の試料を550℃で焼却した際の残留物を秤量することによって測定できる。
【0028】
加水分解物は、優先的には酵素的な加水分解によって得られる。したがって、加水分解物は優先的に酵素的な加水分解物である。例として、加水分解に使用される酵素は、タンパク質分解酵素または炭水化物分解酵素であってよい。
【0029】
ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物は、固形または液状であってよい。
【0030】
液状の場合、加水分解物は淡黄色の透明な液体の形態をしており、特有の臭いがある。
【0031】
固形の場合、加水分解物はマルトデキストリン、アラビアガム、大豆レシチン、イソマルトから選ばれた支持体と結合している。1つの特に適切な実施形態によれば、加水分解物+支持体の組み合わせは、少なくとも10重量%の加水分解物および最大90重量%の支持体からなる。
【0032】
加水分解物が支持体に結合した固形の場合、前述のタンパク質、糖分、灰分の含有量は変更され、支持体は一般的に糖分を主成分とする。
【0033】
ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物は、任意選択で、化粧品組成物、特に、前記加水分解物の少なくとも0.1重量%を含む組成物に組み込むことができる。特に、この組成物は、クリームやローションなど、局所塗布に適した形態である。
【0034】
抽出プロセス
ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物は、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)を加水分解するステップを少なくとも1回含む任意のプロセスによって得ることができる。特に好ましくは、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物は、酵素的に加水分解するステップを含むプロセスによって得られる。
【0035】
このような加水分解物を得るためのプロセスの前に、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)のバイオマスを製造することが望ましい。このステップは、酵母の発育に適した培地で酵母を培養する方法に従って、当業者にとって従来の方法で行われる。バイオマスが得られると、活性分子を得るために加水分解が行われる。
【0036】
特に好適な一実施形態によれば、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物は、以下のステップを行うことによって得られる:
- 少なくとも40g/Lの割合の酵母ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)を水に可溶化するステップと、
- 加水分解、優先的には酵素的に加水分解するステップと、
- 可溶性相と不溶性相とを分離して可溶性相を回収するステップと、
- 酵素的に不活性化し、任意選択で濾過するステップと、
- 任意選択で濃縮および滅菌濾過するステップ。
【0037】
加水分解条件は、酵母の細胞壁および酵母の細胞内媒体の両方を加水分解するように選択され、優先的には、加水分解は酵素的に行われる。
【0038】
可溶性相と不溶性相の分離は、例えば、遠心分離、濾過、デカンテーションなどの任意の手段で行われる。優先的には、可溶性相と不溶性相の分離は、遠心分離によって行われ、とりわけ可溶性タンパク質を含有する可溶性相を回収できる。
【0039】
酵素の不活性化は、優先的には熱処理によって行われる。この不活化は、その後酵素サプライヤーの推奨に従って行われる。
【0040】
任意で、このプロセスは、可溶性相の回収後、懸濁液中の粒子を除去するための濾過ステップを含む。このように、この濾過ステップは、回収された可溶性相の精製を可能にし、高分子量の分子(酵素やポリマーなど)を除去するために行われる。
【0041】
この段階で得られた加水分解物は、優先的に、異なる多孔度のフィルターを用いて、各段階での濾液を保存しながら連続的に限外濾過を行う方法および/またはクロマトグラフィー法により、任意選択で、さらに濃縮および/または精製できる。
【0042】
加水分解および濾過で得られた、濃縮および滅菌濾過の前または後に得られた加水分解物は、液状のピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物である。
【0043】
その後、得られた加水分解物を乾燥して、支持体に結合させることにより、固形にできる。この段階は、以下のステップを行うことで実行できる:
- 噴霧乾燥用支持体、好ましくはマルトデキストリンを、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物に、最大90%(質量/体積で)加える;
- その後、この溶液を真空下で濃縮する;
- 熱処理により存在している可能性のある細菌を除去する;
- 噴霧乾燥により粉体を得ることができる。
【0044】
前記したプロセスの各ステップは、個々に見て、天然素材から活性剤を抽出する分野では日常的に行われており、当業者であれば一般的な知識に基づいてその反応パラメータを調整できる。
【0045】
化粧品組成物
本発明の主題は、生理学的に許容される媒体中に、少なくとも1種のピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を含む化粧品組成物である。
【0046】
本発明により使用される組成物は、前記の加水分解物に加えて、生理学的に許容され、好ましくは化粧的に許容される媒体、すなわち、毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応の危険性がなく、特に不快感(赤み、張り、刺すような感じ)を引き起こさない、人間の皮膚と接触して使用するのに適した媒体を一般的に含んでいる。
【0047】
それは、有利に、顔、首、手の皮膚に塗布することができ、任意選択で襟足の皮膚に塗布でき、また、変形例として体のあらゆる部分に塗布できる。この加水分解物を含有する組成物は、朝および/または夜に、顔全体、首、手に塗布でき、および任意選択で襟足に塗布でき、体にさえ塗布できる。
【0048】
有利に、前記化粧品または皮膚科学的組成物は、粉末、乳剤、マイクロ乳剤、ナノ乳剤、懸濁液、溶液、ローション、クリーム、水性もしくは水性-アルコール性ゲル、泡、美容液、エアロゾル溶液もしくは分散剤、または脂質ベシクルの分散剤の形態であってよい。
【0049】
乳剤の場合は、油中水型乳剤および水中油型乳剤であってよい。
【0050】
また、本発明による化粧品または皮膚科用組成物は、様々な成分や投与形態に応じて選ばれた溶媒を含んでいてもよい。
【0051】
例として、水(好ましくは、脱塩水やフローラルウォーター)およびエタノールなどのアルコールが挙げられる。
【0052】
前記化粧品組成物は、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物に加えて、以下を含んでいてもよい:
- この分野においては通常の少なくとも1種の添加剤、例えば、皮膚軟化剤もしくは保湿剤、ゲル化剤および/もしくは増粘剤、界面活性剤、油剤、活性剤、染料、防腐剤、酸化防止剤、有機もしくは無機の粉末、日焼け止め剤、芳香剤から選ばれる少なくとも1種の化合物;
- 1種または複数種の保湿剤、例えば、ポリオール(グリセロール、ジグリセロール、プロパンジオール、カプリリルグリコール、ペンチレングリコール、ヘキサンジオール)、糖類、ヒアルロン酸などのグリコサミノグリカンおよびそれらの塩やエステル;およびLipidure PMBなどのポリクオタニウム。前記保湿剤は、組成物の総重量の約0%から30%、好ましくは0.005%から10%の含有量で組成物に存在する。
【0053】
- 1種類または複数種の皮膚軟化剤、例えば、ホホバエステル、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエステル(ミリスチン酸オクチルドデシル、トリエチルヘキサノイン、炭酸ジカプリリル、イソステアリン酸イソステアリル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)などのエステル類、シア脂(シア脂エキス、シア脂エチルエステル;Lipex Sheasoft、Lipex Shea-U、Lipex Shea、Lipex Shealight、Lipex Shea Trisの名称で販売)、モリンガバター(モリンガオイル/水素添加モリンガオイルエステル)などのバター類、ロウ類(フサアカシア花ロウおよびヒマワリロウ種子ロウ、C10~18のトリグリセリド)、植物油、フィトスクワラン、アルカン類(ウンデカン、トリデカン)などから選ばれる。前記皮膚軟化剤は、組成物の総重量の約0.1%から30%、好ましくは0.5%から10%の含有量で組成物中に存在することができる。
【0054】
- 1種または複数種の水相ゲル化剤および/または増粘剤、例えば、セルロース系誘導体、植物由来のガム(グアー、ローカストビーン、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン)、微生物由来のガム(キサンタン)、粘土(ラポナイト)、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸(AMPS)および/またはアクリルアミドおよび/またはアクリル酸および/またはアクリル酸の塩またはアクリル酸のエステルの親水性または両親媒性、架橋または非架橋のホモおよびコポリマー(Aristoflex AVC、Aristoflex AVS、Aristoflex HMB、Simulgel NS、Simulgel EG、Simulgel 600、Simulgel 800、Pemulen、carbopol、Sepiplus 400、Seppimax zen、Sepiplus S、Cosmedia SPの名称で販売)から選ばれる。前記ゲル化剤および/または増粘剤は、組成物の総重量の約0.1%から10%の含有量で組成物中に存在するであろう。
【0055】
- 1種または複数種の界面活性剤、レシチン、ポリグリセロール誘導体、糖誘導体(Montanov 68、Montanov 202、Montanov 82、Montanov L、Easynovの名称で販売されているグルコシド誘導体またはキシロシド誘導体)、リン酸塩(Sensanov WRの名称で販売されているC20~22のアルキルリン酸塩)など。前記界面活性剤は、組成物の総重量に対して、約0.1重量%から8重量%、好ましくは0.5重量%から3重量%の含有量で存在することができる。
【0056】
- 生物学的活性を有し、生物学的部位を介して皮膚に有効性を有する、天然、生物工学的または合成起源の1種または複数種の活性剤、例えば、ビタミンCおよびその誘導体(アスコルビルグルコシド、3-O-エチルアスコルビン酸、テトライソパルミチン酸アスコルビル)、ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンEおよびその誘導体、ビタミンB3もしくはナイアシンアミド、パンテノールなどのビタミン、微量元素、アラントイン、アデノシン、ペプチド(パルミトイルテトラペプチド-7、パルミトイルトリペプチド-1、パルミトイルペンタペプチド-4、アセチルジペプチド-1セチルエステル、アセチルテトラペプチド-5;NPリジン、Matrixyl3000、Idealift、Eyeserylの名称で販売)、植物抽出物(スペインカンゾウエキス、ツボクサ葉エキス、ライムギ種子エキス)、酵母抽出物、グリコール酸もしくは乳酸などのα-ヒドロキシ酸、トラネキサム酸およびその誘導体、例えばトラネキサム酸セチルエステル、から選択される。前記活性剤は、組成物の総重量の約0.1%から10%の含有量で組成物中に存在することができる。
【0057】
化粧品において通常使用される他の添加物は、本発明による組成物に存在してもよく、特に防腐剤、酸化防止剤、または芳香剤は、本技術分野において既知である。
【0058】
当業者は、前記組成物がその特性をすべて維持できるように、組成物に対して加えられるものの性質と量を、これらすべての任意選択の添加剤の中から選択できる。
【0059】
化粧的使用
本発明による化粧品組成物は、皮膚の保湿およびバリア機能の強化に特に効果的である、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を含む。特に、皮膚への塗布により、それは以下のことを可能にする:
- 保湿を維持し、
- バリア機能を強化し、
- ヒトの皮膚を乾燥から保護し、
- 皮膚の生体力学的特性を強化し、
- しわの出現を減らす。
【0060】
有利に、本発明による化粧品組成物は、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を含み、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物は、ヒト角化細胞におけるヒアルロン酸合成を刺激して、保湿作用および老化防止作用を促進できる。
【0061】
本発明による化粧品組成物は、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を含み、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物は、バリア機能の恒常性を維持しながら、皮膚の保湿を向上するために、ヒアルロン酸合成酵素2、アクアポリン3、カスパーゼ14、フィラグリン、デスモグレイン-1、ロリクリンの発現を増加させることもできる。
【0062】
本発明は、このようにピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物の化粧的な効果のための非治療的な化粧的な使用、単独または組成物での使用を対象としており、特に、皮膚の保湿の向上、皮膚のバリアの強化、皮膚の老化の防止/軽減から選ばれた少なくとも1つの化粧品の効果を対象としている。
【0063】
本発明の目的のために、用語「非治療的な使用」は、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物またはそれを含む組成物の化粧的使用を意味することを意図し、病気ではない健康な対象、特に、皮膚が健康である対象への使用を意図する。
【0064】
本発明は、間もなく、以下の非限定的な実施例によって説明される。
【実施例0065】
[実施例1]
有効成分(AI1)
実施例1(AI1)のピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を、以下のプロセスによって得る:
- ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)を水に可溶化、優先的に50g/Lの割合で可溶化、
- 炭水化物分解酵素を使用して酵素的に加水分解、
- 可溶性相と不溶性相との分離、
- 熱処理により酵素的に不活性化、
- 濾過、
- 濃縮、
- 濾過および滅菌濾過。
【0066】
得られたピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物には以下の特徴がある:45%の炭水化物および7%のタンパク質(乾燥物質に対する割合として)。
【0067】
[実施例2]
有効成分(AI2)
実施例2(AI2)のピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を、以下のプロセスによって得る:
- ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)を水に可溶化、優先的に50g/Lの割合で可溶化、
- タンパク質分解酵素を使用して酵素的に加水分解、
- 可溶性相と不溶性相との分離、
- 熱処理により酵素的に不活性化、
- 濾過、
- 濃縮、
- 濾過および滅菌濾過。
【0068】
得られたピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物には以下の特徴がある:12%の炭水化物および29%の灰分および59%のタンパク質(乾燥物質に対する割合として)。加水分解物は、淡黄色の透明な水性の液体の形態をしており、特有の臭いがある。
【0069】
[実施例3]
有効成分(AI3)
実施例3(AI3)のピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物は、実施例2のそれと同様のプロセスによって得られ、炭素を使用する濾過ステップを含む。
【0070】
得られたピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物には以下の特徴がある:45%の炭水化物および11%のタンパク質(乾燥物質重量に対する割合として)。
【0071】
[実施例4]
本発明の外にある有効成分(AI4)
実施例4(AI4)の加水分解物を、以下のプロセスによって得る:
- ピキア・アノマラ(Pichia anomala)を水に可溶化、優先的に20g/Lの割合で可溶化、
- ピキア・アノマラ(Pichia anomala)溶液の塩基性加水分解、
- 可溶性相と不溶性相との分離、例えば、濾過、遠心分離またはデカンテーション、
- 可溶性相の回収、
- 分子を回収するために濾過して精製、
- タンパク質の酵素的な加水分解、優先的にタンパク質分解酵素の方法による、
- 5000Daより小さい大きさのバイオペプチドを回収するために、濾過して精製。
【0072】
[実施例5]
ヒアルロン酸合成おけるピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物の効果
この試験の目的は、in vitroでのヒト角化細胞でのヒアルロン酸合成に与えるピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物(AI2)の効果と、本発明の範囲外にある有効成分(AI4)の効果とを比較することである。
【0073】
研究の手順を以下に記載する。
【0074】
正常なヒト角化細胞を播種した後、37℃、5%のCOを含むインキュベータにおいてインキュベートする。その後、培地を除去し、有効成分を含む培地と交換する。
- 1.00%(V/V)のAI2
- 1.00%(V/V)のAI4。
【0075】
次に、37℃、5%COを含む雰囲気で48時間、細胞をインキュベートする。上清を回収し、ELISAアッセイにより分析する。
【0076】
結果を以下の表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
このように、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物(AI2)だけがヒアルロン酸合成を刺激する。
【0079】
以下のように有効成分(加水分解物)の投与量を変えて、研究を行った:
- 0.25%および1.00%(V/V)のAI1
- 0.25%および1.00%(V/V)のAI2
- 0.25%および1.00%(V/V)のAI3
【0080】
結果を以下の表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】
このように、1%のピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物はヒアルロン酸合成を刺激し、AI1の場合は57%、AI2の場合は50%、AI3の場合は48%刺激する。上記で説明したように、保湿を維持するため、および皮膚の弾性において、ヒアルロン酸は重要な役割を果たす。年齢とともにヒアルロン酸の含有量が減ることで、乾燥して皮膚がたるみ、さらにその弾性も失われ、結果的にしわの出現につながる。当業者は知っているように、皮膚でのヒアルロン酸合成を刺激する製品は、皮膚が乾燥するのを防止して、皮膚の保湿を向上させ、皮膚の老化(特に、しわの出現)を軽減/防止することを可能にする。このように、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物は、これらの用途に使用できる。
【0083】
[実施例6]
HAS-2およびアクアポリン3の発現におけるピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物の効果
この研究の目的は、HAS-2およびアクアポリン3をコードするmRNAの発現を増加する能力について、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物AI1、AI2、およびAI3の効果を評価することである。
【0084】
この研究は、定量PCRにより正常なヒト角化細胞で行った。
【0085】
研究の手順を以下に記載する。
【0086】
正常なヒト角化細胞を播種した後、37℃、5%のCOを含むインキュベータにおいてインキュベートする。
【0087】
その後、培地を除去し、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)に由来する有効成分を含有する培地と交換する:
- 0.25%および1.00%(V/V)のAI1
- 0.25%および1.00%(V/V)のAI2
- 0.25%および1.00%(V/V)のAI3。
【0088】
次に、37℃、5%COを含む雰囲気で、細胞をインキュベートする。細胞を回収して、HAS-2、アクアポリン3、カスパーゼ14、フィラグリンの研究のため、全RNAを抽出する。RNAを逆転写して、得られた相補的DNAを、定量的PCR技術を使用して分析した。
【0089】
参照対照のmRNAも、アクアポリン3とHAS-2のmRNAと同時に分析した。
【0090】
蛍光(SYBRグリーン)の取り込みの定量化は、サーモサイクラーを使用して継続的に測定した。Ct分析(相対的な定量化)は、ソフトウェアを使用して行った。
【0091】
結果を以下の表5に示す。
【0092】
【表3】
【0093】
このように、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物AI1、AI2、およびAI3は、保湿作用のために知られているタンパク質である、HAS-2およびアクアポリン3の発現を増加させる。したがって、これらの加水分解物は、皮膚の保湿向上のために使用できる。
【0094】
[実施例7]
表皮の物理的障壁の遺伝子おけるピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物の効果
本研究は、表皮の物理的障壁の遺伝子であるデスモグレイン-1、フィラグリン、ロリクリン、カスパーゼ14の発現を増加する能力について、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物のAI2の効果を評価することに目標を設定している。
【0095】
この研究は、定量PCRにより正常なヒト角化細胞で行った。
【0096】
研究の手順を以下に記載する。
【0097】
正常なヒト角化細胞を播種した後、37℃、5%のCOを含むインキュベータにおいてインキュベートする。その後、培地を除去し、0.5%、1.0%および2.0%(V/V)のAI2に由来する製品を含有する培地と交換する。
【0098】
次に、37℃、5%COを含む雰囲気で、細胞をインキュベートする。抽出した全RNAを逆転写して、得られた相補的DNAを、定量的PCR技術を使用して分析した。
【0099】
デスモグレイン-1、フィラグリン、ロリクリン、カスパーゼ14の遺伝子のmRNAを、標準化のために参照対照のmRNAと同時に分析した。
【0100】
蛍光(SYBRグリーン)は、サーモサイクラーの方法で継続的に測定した。Ct分析(相対的な定量化)は、ソフトウェアを使用して行った。
【0101】
結果を以下の表6に示す。
【0102】
【表4】
【0103】
2.0%で試験したところ、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物AI2は、表皮の物理的障壁の遺伝子の発現を有意に増加させている。このように、それは皮膚のバリア機能を補強できる。
【0104】
[実施例8]
膜ネットワーク、特に密接結合におけるピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物の効果
この研究の目的は、密接結合の主要な構成要素の1つである、閉鎖帯ZO-1によって形成された膜ネットワークにおけるピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物の効果を視覚化することである。
【0105】
研究は、0.4mMのラウリル硫酸ナトリウム(SLS)で攻撃した後、正常なヒト角化細胞の免疫細胞診により行った。
【0106】
研究の手順を以下に記載する。
【0107】
正常なヒト角化細胞を播種した後、37℃、5%のCOを含むインキュベータにおいてインキュベートする。次に、密接結合ネットワークを形成するため、正常なヒト角化細胞を1mM CaCl溶液で48時間処理する。次に、正常なヒト角化細胞を0.4mM SLS溶液で30分間処理する。
【0108】
インキュベーションの終わりに、SLS溶液を除去し、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物を含有する培地と交換する:
- 0.25%および1.00%(V/V)のAI1
- 0.25%および1.00%(V/V)のAI2
- 0.25%および1.00%(V/V)のAI3。
【0109】
37℃、5%COを含む湿った雰囲気のインキュベータで48時間、細胞をインキュベートする。
【0110】
細胞を蛍光色素分子の方法によって免疫標識する。視覚化は、画像分析システムに接続された顕微鏡下で行う。ZO-1の標識の強度は、細胞膜に存在する緑色の蛍光の強度に比例する。緑色が強いほど、ZO-1の合成の量が高い。
【0111】
さらに、Matlabソフトウェアを使用して、定量的な画像解析を行った。この定量化は発現を任意の単位(AU)で表したものである。
【0112】
結果は以下の通りである。ヒト角化細胞がSLS攻撃を受けた後、CaClで誘導されるZO-1膜ネットワークは大きく損なわれる。
【0113】
攻撃を受けたヒト角化生成細胞において0.25%で、次に1%で試験され、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物はZO-1膜ネットワークの合成と形成をそれぞれ増加した:
- AI1の場合は127%および139%
- AI2の場合は33%と46%
- AI3の場合は47%と79%。
【0114】
したがって、ピキア・ナガニシイ(Pichia naganishii)加水分解物は、密着結合形成に関与する遺伝子の発現を増加し、それによって皮膚のバリア機能および保湿の向上を可能にする。
【0115】
[実施例9]
化粧品組成物
次の組成物は、当業者にとって従来の方法で調製できる。以下に示す量は、重量のパーセンテージで表現している。大文字の成分は、INCI名により同定している。
【0116】
【表5】
【0117】
【表6】
【0118】
これらの組成物は、毎日、朝および/または夜に、皮膚に塗布できる。
【外国語明細書】