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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123911
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】外装材
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20220818BHJP
【FI】
E04F13/08 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021373
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】390018463
【氏名又は名称】アイジー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】荒木和彦
(72)【発明者】
【氏名】竹屋孝志
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA57
2E110AB04
2E110AB22
2E110BA03
2E110BA12
2E110BB04
2E110BB22
2E110BB23
2E110BB33
2E110CB02
2E110DA10
2E110DB14
2E110DB23
2E110DC06
2E110DC12
2E110DD02
2E110GA24Z
2E110GA33W
2E110GA33X
2E110GB02W
2E110GB02X
2E110GB03W
2E110GB06W
2E110GB06X
2E110GB07W
2E110GB07X
2E110GB16X
2E110GB32X
2E110GB43Z
2E110GB45W
2E110GB45X
2E110GB48W
2E110GB48X
2E110GB49Z
2E110GB54Z
2E110GB55X
2E110GB56X
2E110GB63X
(57)【要約】
【課題】複雑な印刷技術を必要とせず、エンボス加工やプレス加工のみであっても、変化に富んだ化粧面を有する外装材を提供する。
【解決手段】外装材の短手方向において、幅が異なる複数種の矩形ブロックを組み合わせ、一部の矩形ブロックでは内部をさらに分割し、該矩形ブロックの表面には明度の差をつけた加工を施すことにより、塗装を施さなくても、高い意匠性を実現することができる外装材。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁を形成する長尺状の外装材において、
外装材の長手方向に貫通した複数の横目地と、
該横目地の間に複数の縦目地が設けられ、
該横目地と該縦目地によって区画化された矩形ブロックと、
一部の該縦目地の間にさらに横目地が設けられ、
該縦目地と該横目地によってさらに区画化されたブロック
とからなることを特徴とする外装材。
【請求項2】
前記矩形ブロックおよび前記ブロックの表面には、凹凸模様が施され、
該凹凸模様は前記矩形ブロックおよび前記ブロックごとに、不規則に配置された請求項1に記載の外装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物の外壁等に使用される外装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実際のタイルやレンガを用いず、エンボス加工やプレス加工など様々な加工や成形方法により、タイル模様やレンガ模様を表現した外装材が数多く上市されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平08-006435号公報
【特許文献2】特開2004-190437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、建築板同士の目地を目立たなくさせるために、様々な大きさ及び縞方向のタイルを組合せ、さらに建築板の反りを軽減させることができる外装材が提供されているが、縞模様による光の乱反射や、凹凸感だけでは、単調な印象をもたらしてしまいかねない。
【0005】
特許文献2は、凹凸面の高さに変化をつけ、さらにそこに印刷を施すことにより、変化に富んだ模様が提供されている。凹凸の高さが異なっていたとしても、実際に現場で使用される外装材は遠くから見ることが多く、その高さの差による意匠性が十分に発揮されない可能性がある。またグラビアオフセット印刷では、複数回の印刷工程が必要であり、よりリアルなブロック調を表現するためには、複雑なエンボス加工等の加工も必要になってくる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明では、外装材の短手方向において幅が異なる複数種の矩形ブロックを組合せ、このうち、一部の矩形ブロックは内部でさらに分割し、長手方向に隣り合う矩形ブロックの表面意匠が異なるように配置した外装材を提供する。
【0007】
また各矩形ブロック表面に施された模様は、明度の差をつけることにより、エンボス加工やプレス加工の後に塗装を施さなくても、変化に富んだ高い意匠性を有する。
【発明の効果】
【0008】
エンボス加工やプレス加工のみであっても、変化に富んだ化粧面を形成することができる。その他、長手方向に貫通した横目地により、施工目地が目立たず、ランダムに配置した各凹凸模様により、さらに自然なブロック調の模様を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る外装材の代表例を示す側面図である。
図2】本発明に係る外装材の代表例を示す部分拡大端面図である。
図3】本発明に係る外装材の施工状態を示す断面図である。
図4】本発明に係る外装材の化粧面を示す正面図である。
図5】本発明に係る外装材の化粧面を示す部分拡大正面図である。
図6】本発明に係る外装材に塗装を施した場合の化粧面を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0010】
以下、図面を用いて本発明に係る外装材の実施例について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略している。図1は本発明に係る外装材の一実施例の側面図である。図2の(a)は本発明に係る外装材の雄部の拡大端面図であり、図2の(b)は本発明に係る外装材の雌部の拡大端面図である。図3は本発明に係る外装材の一実施例の施工状態を示す断面図である。図4は本発明に係る外装材の一実施例の化粧面を示す正面図である。図5の(a)は本発明に係る外装材の矩形ブロック1つ分の部分拡大正面図であり、図5の(b)は本発明に係る外装材の矩形ブロック2つ分の部分拡大正面図である。図6は本発明に係る外装材に塗装を施した場合の一実施例を示す化粧面の正面図である。
【0011】
図1には本発明に係る外装材の一実施例の側面図を示している。外装材1は金属製表面材2と裏面材3と芯材4から成る。金属製表面材2は例えば、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、合成樹脂製板材、例えば塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種をロール成形、プレス成形、等によって各種形状に成形したものである。裏面材3はアルミニウム蒸着紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の一種、または二種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート状物や、前記金属鋼板等からなるものでも良い。
【0012】
芯材4は、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノールフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリアフォーム等、の合成樹脂発泡体からなるものであり、例えばレゾール型フェノールの原液と、硬化剤、発泡剤を混合し、金属製表面材2、または裏面材3の裏面側に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化させて形成したものである。また、芯材4中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、防火性、耐火性を向上させることもできる。
【0013】
図2の(a)は外装材1の雄部5の拡大図を示している。雄部5は、固定面21に固定部22があり、固定面21と嵌合片24の間には嵌合溝23が形成され、嵌合片24の屋外側には化粧面10につながる段差25が設けられている。
【0014】
図2の(b)は外装材1の雌部6の拡大図を示している。雌部6は、突出片26と係合片28の間に係合溝27が設けられている。係合溝27には防水性を高めるためにパッキン29が設けられてもよい。パッキン29は例えば、ポリ塩化ビニル系、クロロプレン系、クロロスルホン化ポリエチレン系、エチレンプロピレン系、アスファルト含有ポリウレタン系、EPMやEPDM等の一般的に市販されているもので構わない。
【0015】
図3は外装材1の施工状態の一実施例を示している。外装材1は固定具32を用いて、躯体31に施工することができる。また、嵌合片24は係合溝27に、係合片28は嵌合溝23にそれぞれ係合することにより、外装材1同士が連結される。
【0016】
図4は本発明に係る外装材1の化粧面10の正面図を示している。化粧面10について詳説すると、外装材1の長手方向に貫通した横目地7により分割され、横目地7と直交するように縦目地8が複数設けられ、横目地7と縦目地8によって区画化された矩形ブロック9が形成される。なお、看者に単調な印象を与えてしまいかねないため、横目地7は不規則な間隔で設けられる方が好ましい。
【0017】
さらに、矩形ブロック9の一部には、縦目地8の間に設けられた横目地7aによって分割された、小ブロック9aおよび中ブロック9bが形成される。また、矩形ブロック9は、斜め割ブロック41、凹凸ブロック42および石割ブロック43のように、複数の表面意匠がランダムに配置されている。
【0018】
横目地7aは、縦目地8を短手方向に2等分した位置ではなく、矩形ブロック9をおおよそ1:2もしくは1:3程度に分割する位置に設けるのが好ましい。また、隣接する横目地7aは、その位置が重ならないように配置される。例えば、雄部5側に小ブロック9a、雌部6側に中ブロック9bが設けられた矩形ブロック9に隣接する矩形ブロック9では、雄部5側に中ブロック9b、雌部6側に小ブロック9aを配置するなど、各ブロックを交互に配置することが望ましい。矩形ブロック9、小ブロック9aおよび中ブロック9bの表面意匠はランダムに配置されている一方、小ブロック9aと中ブロック9bの分割の仕方には規則性を見出すことができる配置とすると、より複雑な印象を看者に与えることができる。あるいは、横目地7aによって小ブロック9a:中ブロック9b=1:2の割合で分割された矩形ブロック9に隣接する矩形ブロック9は、小ブロック9a:中ブロック9b=1:3の割合で分割されるものでも良い。
【0019】
図5の(a)は、互いに隣接する斜め割ブロック41および石割ブロック43の部分拡大図である。斜め割ブロック41は1つ1つの割れ模様が大きく、またエンボス加工が浅い部分もあるため、明度が高くなる。一方、石割ブロック43はブロック全体に細かいエンボス加工を施しているため、光の反射が起こりにくくなり、明度が低くなる。
【0020】
図5の(b)は、化粧面3における小ブロック9aおよび中ブロック9bの部分拡大図を示したものである。斜め割ブロック41はエンボスの深さの違いにより、深斜め割ブロック41aおよび浅斜め割ブロック41bからなる。エンボスの深さを変えることにより、光が当たった場合の影の出方を変えることができ、同じ模様であっても、異なる印象を看者に与えることができる。
【0021】
したがって、同一の模様のエンボス加工であっても、その加工深度を変えることにより明度の差が発生し、変化に富んだ化粧面を形成することができる。
【0022】
図6は化粧面3に塗装を施した場合の一実施例を示した正面図である。塗装部51は、ロールコーター等により塗装した場合に塗料が塗られる部分である。明度が高い浅斜め割ブロック41bは、塗装部51の面積が大きくなり、明度が低い石割ブロック43では塗装部51の面積が小さくなり、より高い意匠性を実現することができる。
【0023】
さらに塗装を施すことにより、明度の差がより顕著になり、高い意匠性を有した外装材を提供することができる。
【0024】
以上に開示したものは、一実施例に過ぎず、各ブロックの表面意匠はもっと複数種類あってもよく、塗装はしなくても良い。また、本実施例の外装材の他、窯業系外装材で構成されても構わない。
【符号の説明】
【0025】
1 外装材
2 金属製表面材
3 裏面材
4 芯材
5 雄部
6 雌部
7 横目地
7a 横目地
8 縦目地
9 矩形ブロック
9a 小ブロック
9b 中ブロック
10 化粧面
21 固定面
22 固定部
23 嵌合溝
24 嵌合片
25 段差
26 突出片
27 係合溝
28 係合片
29 パッキン
31 躯体
32 固定具
41 斜め割ブロック
41a 深斜め割ブロック
41b 浅斜め割ブロック
42 凹凸ブロック
43 石割ブロック
52 塗装部
53 非塗装部
図1
図2
図3
図4
図5
図6