(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123929
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】端子及びコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 4/2452 20180101AFI20220818BHJP
【FI】
H01R4/2452
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021400
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】武田 拓也
【テーマコード(参考)】
5E012
【Fターム(参考)】
5E012AA03
5E012AA38
5E012AA43
(57)【要約】
【課題】汎用性の高い端子及びコネクタを提供する。
【解決手段】第1端子10は、第1保持部11と、第2保持部12と、第1圧接部13とを有する。第1保持部11は、導電性の第1芯線51と、第1芯線51を覆う絶縁性の第1被覆部52とを有する第1電線50の第1被覆部52を保持可能に設けられている。第2保持部12は、第1保持部11から離れて設けられ、第1電線50の第1被覆部52を保持可能に設けられている。第1圧接部13は、第1保持部11と第2保持部12との間に設けられ、第1電線50の第1芯線51を圧接して、第1芯線51に電気的に接続する導電性の部材である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の第1芯線と、前記第1芯線を覆う絶縁性の第1被覆部と、を有する第1電線の前記第1被覆部を保持可能に設けられている第1保持部と、
前記第1保持部から離れて設けられ、前記第1電線の前記第1被覆部を保持可能に設けられている第2保持部と、
前記第1保持部と前記第2保持部との間に設けられ、前記第1電線の前記第1芯線を圧接して、前記第1芯線に電気的に接続する導電性の第1圧接部と、
を有する端子。
【請求項2】
ハウジングに収容されると前記ハウジングに係止する係止部が形成されている、請求項1に記載の端子。
【請求項3】
ハウジングに前記端子を収容する収容方向を筒軸とする筒状部が形成されている本体部を有し、
前記第1圧接部の一部は、前記筒状部に対して、前記収容方向に沿うように形成されている、請求項1又は2に記載の端子。
【請求項4】
ハウジングに前記端子を収容する際に、治具によって押される被押圧部を少なくとも2つ有し、
前記被押圧部の少なくとも2つは、配線された前記第1電線の延設方向にずれて形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の端子。
【請求項5】
前記第1保持部、前記第1圧接部、及び、前記第2保持部は、前記第1電線を一方向に沿って配線可能に設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の端子。
【請求項6】
前記第1圧接部と前記第2保持部との間に設けられ、前記第1電線の前記第1芯線を圧接して、前記第1芯線に電気的に接続する導電性の第2圧接部を有し、
前記第1保持部から前記第1圧接部までの間隔は、前記第2保持部から前記第2圧接部までの間隔と等しい、請求項1から5のいずれか一項に記載の端子。
【請求項7】
前記第1圧接部は、前記第1保持部と前記第2保持部との間における中央に設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載の端子。
【請求項8】
一枚の板材から形成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の端子。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の端子と、
前記端子を収容すると共に、絶縁性の素材からなるハウジングと、
を備える、コネクタ。
【請求項10】
前記ハウジングは、前記第1電線が配線されると共に、第1面と、前記第1面と異なる面に形成されている第2面と、を有する形状に形成され、
前記第1面には、第1開口部が形成され、前記第2面には、第2開口部が形成され、
前記第1電線は、前記第1開口部及び前記第2開口部の少なくとも一方から引き出される、請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記ハウジングにおいて、前記第2面は、前記第1面とは反対の面として設けられている、請求項10に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記第1保持部は、延設されると共に、延設された先端を有する形状に形成され、
前記ハウジングには、前記第1保持部の先端を外部に露出させる第1露出口が形成されている、請求項9から11のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記第1圧接部は、延設されると共に、延設された先端を有する形状に形成され、
前記ハウジングには、前記第1圧接部の先端を外部に露出させる第2露出口が形成されている、請求項9から12のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項14】
導電性の第2芯線と、前記第2芯線を覆う絶縁性の第2被覆部と、を有する第2電線の前記第2被覆部を保持する第3保持部と、
前記第3保持部から離れて設けられ、前記第2電線の前記第2被覆部を保持する第4保持部と、
前記第3保持部と前記第4保持部との間に設けられ、前記第2電線の前記第2芯線を圧接して、前記第2芯線に電気的に接続する導電性の第3圧接部と、
を有する第2端子を備える、請求項9から13のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記第2端子は、前記第3保持部及び前記第4保持部が、前記第1電線の直径と異なる直径の前記第2電線の前記第2被覆部を保持可能に形成されている、請求項14に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子及びコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電線を保持する電線保持ブロックと、電線のうちの芯線を圧接する芯線圧接用刃と、電線を保持する電線保持用刃とを備える圧接結線用コネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の圧接結線用コネクタにおいては、電線をハウジングの一方向からしか引き出すことができず、使い勝手が悪く、汎用性が低いという問題がある。
【0005】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、汎用性の高い端子及びコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る端子は、
導電性の第1芯線と、前記第1芯線を覆う絶縁性の第1被覆部と、を有する第1電線の前記第1被覆部を保持可能に設けられている第1保持部と、
前記第1保持部から離れて設けられ、前記第1電線の前記第1被覆部を保持可能に設けられている第2保持部と、
前記第1保持部と前記第2保持部との間に設けられ、前記第1電線の前記第1芯線を圧接して、前記第1芯線に電気的に接続する導電性の第1圧接部と、
を有する。
【0007】
ハウジングに収容されると前記ハウジングに係止する係止部が形成されていてもよい。
【0008】
ハウジングに前記端子を収容する収容方向を筒軸とする筒状部が形成されている本体部を有し、
前記第1圧接部の一部は、前記筒状部に対して、前記収容方向に沿うように形成されていてもよい。
【0009】
ハウジングに前記端子を収容する際に、治具によって押される被押圧部を少なくとも2つ有し、
前記被押圧部の少なくとも2つは、配線された前記第1電線の延設方向にずれて形成されていてもよい。
【0010】
前記第1保持部、前記第1圧接部、及び、前記第2保持部は、前記第1電線を一方向に沿って配線可能に設けられていてもよい。
【0011】
前記第1圧接部と前記第2保持部との間に設けられ、前記第1電線の前記第1芯線を圧接して、前記第1芯線に電気的に接続する導電性の第2圧接部を有し、
前記第1保持部から前記第1圧接部までの間隔は、前記第2保持部から前記第2圧接部までの間隔と等しくてもよい。
【0012】
前記第1圧接部は、前記第1保持部と前記第2保持部との間における中央に設けられていてもよい。
【0013】
端子は、一枚の板材から形成されていてもよい。
【0014】
本発明の第2の観点に係るコネクタは、
本発明の第1の観点に係る端子と、
前記端子を収容すると共に、絶縁性の素材からなるハウジングと、
を備える。
【0015】
前記ハウジングは、前記第1電線が配線されると共に、第1面と、前記第1面と異なる面に形成されている第2面と、を有する形状に形成され、
前記第1面には、第1開口部が形成され、前記第2面には、第2開口部が形成され、
前記第1電線は、前記第1開口部及び前記第2開口部の少なくとも一方から引き出されていてもよい。
【0016】
前記ハウジングにおいて、前記第2面は、前記第1面とは反対の面として設けられていてもよい。
【0017】
前記第1保持部は、延設されると共に、延設された先端を有する形状に形成され、
前記ハウジングには、前記第1保持部の先端を外部に露出させる第1露出口が形成されていてもよい。
【0018】
前記第1圧接部は、延設されると共に、延設された先端を有する形状に形成され、
前記ハウジングには、前記第1圧接部の先端を外部に露出させる第2露出口が形成されていてもよい。
【0019】
導電性の第2芯線と、前記第2芯線を覆う絶縁性の第2被覆部と、を有する第2電線の前記第2被覆部を保持する第3保持部と、
前記第3保持部から離れて設けられ、前記第2電線の前記第2被覆部を保持する第4保持部と、
前記第3保持部と前記第4保持部との間に設けられ、前記第2電線の前記第2芯線を圧接して、前記第2芯線に電気的に接続する導電性の第3圧接部と、
を有する第2端子を備えていてもよい。
【0020】
前記第2端子は、前記第3保持部及び前記第4保持部が、前記第1電線の直径と異なる直径の前記第2電線の前記第2被覆部を保持可能に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、汎用性の高い端子及びコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】(A)は、本発明の実施の形態1に係るコネクタの斜視図(その1)である。(B)は、実施の形態1に係るコネクタの一部を断面にした斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係るコネクタの分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る第1端子及び第2端子の展開図である。
【
図4】実施の形態1に係る第1端子及び第2端子の斜視図である。
【
図5】(A)は、実施の形態1に係る第1端子の斜視図(その1)である。(B)は、実施の形態1に係る第1端子の斜視図(その2)である。
【
図6】実施の形態1に係る第1端子及びコネクタの側面図である。
【
図7】実施の形態1に係るコネクタの斜視図(その2)である。
【
図8】実施の形態1に係るコネクタの正面図である。
【
図9】ハウジングに第1端子を収容する方法を説明するための断面図(その1)であり、
図8のA-A断面図である。
【
図10】(A)は、ハウジングに第1端子を収容する方法を説明するための断面図(その2)である。(B)は、ハウジングに第1端子を収容する方法を説明するための断面図(その3)である。
【
図11】(A)は、実施の形態1に係るコネクタの効果を説明するために斜視図(その1)である。(B)は、実施の形態1に係るコネクタの効果を説明するための斜視図(その2)である。
【
図12】(A)は、比較例に係るコネクタの側面図である。(B)は、比較例に係るコネクタの効果を説明するための側面図である。
【
図13】(A)は、実施の形態1に係るコネクタの効果を説明するための側面図(その1)である。(B)は、実施の形態1に係るコネクタの効果を説明するための側面図(その2)である。
【
図14】実施の形態2に係る第1端子及びコネクタの側面図である。
【
図15】変形例に係る第1端子及びコネクタの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る第1端子10及びコネクタ1について、
図1~
図13を参照して説明する。なお、理解を容易にするために、相互に直交するXYZ座標を設定し、適宜参照する。XYZ座標のX軸方向は、
図1に示すように、コネクタ1のハウジング30に対して第1端子10を収容するために移動する収容方向D1と同一の方向である。Z軸方向は、コネクタ1に対して一方向に取り付けられる第1電線50が配線される延設方向D2と同一の方向である。Y軸方向は、X軸方向及びZ軸方向の双方向に直交する方向である。
【0024】
コネクタ1は、例えば、自動車部品としての車載用コネクタである。コネクタ1は、図示しない接続相手が+X方向に嵌合されることで、接続相手の導体部分と、第1電線50及び第2電線60とを電気的に接続するために用いられる。なお、接続相手は、例えば、基板、コネクタや電線であり、接続相手の導体部分は、例えば、基板の導体パターン、コネクタの端子や電線の導芯部分である。ただし、これに限られず、接続相手は、基板、コネクタ、及び電線以外のものであってもよい。
【0025】
第1電線50は、第1芯線51と第1被覆部52とを有する被覆電線である。第1芯線51は導電性の素材からなる。第1被覆部52は、第1芯線51を覆い、絶縁性の素材からなる。第1電線50は、延設方向D2に沿って、コネクタ1に対して一方向に取り付けられている。
【0026】
第2電線60は、第2芯線61と第2被覆部62とを有する被覆電線である。第2芯線61は導電性の素材からなる。第2被覆部62は、第2芯線61を覆い、絶縁性の素材からなる。第2電線60は、第1電線50と同様に、延設方向D2に沿って、コネクタ1に対して一方向に取り付けられている。これにより、第2電線60は、第1電線50に対して平行に配線される。この第2電線60には、その直径が、第1電線50と異なるものが用いられている。具体的に、本実施の形態1においては、第2電線60には、その直径が、第1電線50の直径よりも小さいものが用いられている。
【0027】
上記の第1電線50及び第2電線60が取り付けられるコネクタ1は、
図2に示すように、2つの第1端子10及び第2端子20と、ハウジング30とを備える。
【0028】
第1端子10は、ハウジング30に収容されていると共に、第1電線50に接続されている。第1端子10は、
図3に示すように、金属などの導電性の一枚の板材10-2を折り曲げることにより形成されている。導電性の板材10-2は、例えば、銅、銅合金、アルミニウムなどから形成されている。この第1端子10は、
図4及び
図5に示すように、第1保持部11と、第2保持部12と、第1圧接部13と、第2圧接部14と、それらを連結する本体部15と、2つの被押圧部(第1被押圧部16-1、第2被押圧部16-2)とを有する。
【0029】
第1保持部11は、第1電線50の第1被覆部52を保持可能に設けられている板状の部分である。第1保持部11は、本体部15から+X方向に延設されている。第1保持部11には、+X方向に開放されているU字形状のスリットが形成されている。このU字形状のスリットは、第1被覆部52を挟むことが可能な形状に形成されている。なお、第1保持部11のスリットには、第1被覆部52を除去する圧接刃は形成されていない。
【0030】
第2保持部12は、第1保持部11と同様に、第1電線50の第1被覆部52を保持可能に設けられている板状の部分である。第2保持部12は、本体部15から+X方向に延設されていると共に、第1保持部11から-Z方向に離れて、且つ、第1保持部11に平行に設けられている。第2保持部12には、+X方向に開放されているU字形状のスリットが形成されている。このU字形状のスリットは、第1被覆部52を挟むことが可能な形状に形成されている。なお、第2保持部12のスリットには、第1被覆部52を除去する圧接刃は形成されていない。
【0031】
第1圧接部13は、第1電線50の第1芯線51を圧接して、第1芯線51に電気的に接続する板状の部分である。第1圧接部13は、本体部15から+X方向に延設されていると共に、第1保持部11と第2保持部12との間に設けられ、これらに対して平行に設けられている。第1圧接部13には、+X方向に開放されているU字形状のスリットが形成されている。このU字形状のスリットは、その幅が、第1保持部11及び第2保持部12のスリットの幅よりも狭く形成されている。これにより、第1圧接部13は、第1被覆部52を除去してから第1芯線51を挟むことが可能な形状に形成される。また、第1圧接部13には、第1電線50の第1被覆部52を除去する圧接刃が形成されている。
【0032】
第2圧接部14は、第1圧接部13と同様に、第1電線50の第1芯線51を圧接して、第1芯線51に電気的に接続する板状の部分である。第2圧接部14は、本体部15から+X方向に延設されていると共に、第1圧接部13と第2保持部12との間に設けられ、且つ、これらに対して平行に設けられている。第2圧接部14には、+X方向が開放され、第1芯線51を挟むことが可能なU字形状のスリット部が形成されている。このU字形状のスリットは、その幅が、第1保持部11及び第2保持部12のスリットの幅よりも狭く形成されている。これにより、第2圧接部14は、第1被覆部52を除去してから第1芯線51を挟むことが可能な形状に形成される。第2圧接部14にも、第1圧接部13と同様に、第1電線50の第1被覆部52を除去する圧接刃が形成されている。
【0033】
これらの第1保持部11、第1圧接部13、第2圧接部14、及び第2保持部12は、第1電線50を延設方向D2に沿って、一方向に配線可能に設けられている。また、第1端子10は、
図6に示すように、第1保持部11から第1圧接部13までの間隔L1が、第2保持部12から第2圧接部14までの間隔L2と等しくなるように形成されている。そして、第1保持部11及び第2保持部12は、第1圧接部13と第2圧接部14との間の中央の面S1に対して対称に設けられている。
【0034】
本体部15は、
図4及び
図5に示すように、+X方向に延設されている第1及び第2保持部11、12、第1及び第2圧接部13、14の基端が接続されている部分である。本体部15には、筒状部15aと、弾性板15bと、接点部15cと、延設部15dとが形成されている。
【0035】
筒状部15aは、X軸方向(収容方向D1)を筒軸とする略四角筒形状に形成されている。この筒状部15aに対しては、第1圧接部13の一部が、X軸方向に沿う部分13aとして形成されている。また、筒状部15aに対して、第2圧接部14の一部が、X軸方向に沿う部分14aとして形成されている。これらの沿う部分13a、14aは、筒状部15aに対して接触、若しくは、わずかに離れて形成されている。沿う部分13a、14aは、ハウジングに第1端子10を収容する際に、治具による+X方向の押圧力を、筒状部15aを介して、第1圧接部13及び第2圧接部14に効率的に伝達するために形成されている。
【0036】
弾性板15bは、筒状部15aから-X方向に延設されてから、+X方向に折り曲げて形成されている。弾性板15bは、+Z方向に凸となるアーチ部分を有することで、当該アーチ部分がZ軸方向に撓み可能に設けられている。
【0037】
接点部15cは、弾性板15bのアーチ部分の頂点近傍に設けられている。接点部15cは、接続相手の相手端子と接触する部分である。
【0038】
延設部15dは、筒状部15aから-X方向に延設されている。具体的には、延設部15dは、筒状部15aの左右の側壁(-Y寄りの側壁及び+Y寄りの側壁)のそれぞれから延設されている。そして、延設部15dは、
図4に示すように、筒状部15aの左右の側壁のうちの左の側壁(-Y寄りの側壁)から延設された先端部15d-1が折り曲げられて、右の側壁(-Y寄りの側壁)から延設された先端部15d-2にX軸方向に重なるように形成されている。
【0039】
第1被押圧部16-1は、
図4及び
図5に示すように、筒状部15aの-X寄りの端面に設けられている。この第1被押圧部16-1は、ハウジングに第1端子10を収容する際に、後述する治具によって押される部分である。第1被押圧部16-1は、治具の先端部分に当接しやすいように、概ね、YZ平面に平行な面として構成されている。
【0040】
第2被押圧部16-2は、延設部15dの-X寄りの端面に設けられている。この第2被押圧部16-2は、ハウジングに第1端子10を収容する際に、治具によって、第1被押圧部16-1と共に押される部分である。第2被押圧部16-2は、治具の先端部分に当接しやすいように、概ね、YZ平面に平行な面として構成されている。なお、本実施の形態1においては、第2被押圧部16-2は、弾性板15bの-X寄りの端部よりも、さらに-X寄りに形成されている。また、この第2被押圧部16-2は、第1被押圧部16-1に対して、Z軸方向(延設方向D2)にずれて形成されている。
【0041】
第1端子10には、
図2及び
図3に示すように、ハウジング30に収容されると、ハウジング30に係止する係止部17が形成されている。係止部17は、本体部15の筒状部15aの+Z寄りの天面から突出して形成されている。また、係止部17は、X軸方向に対して傾斜する傾斜面と、傾斜面の後端に設けられた後端面とを有している。この傾斜面により、第1端子10はハウジング30に円滑に挿入されると共に、後端面がハウジング30の内面に喰い込んで係止することで、係止部17はハウジング30からの第1端子10の抜け止めとして機能する。係止部17は、例えば、筒状部15aの+Z寄りの天井壁部分の裏面からパンチ等により押圧されることで形成される。これにより、係止部17は、簡易な構造で、ハウジング30からの第1端子10の抜け止めの機能を具備できる。
【0042】
第2端子20は、第1電線50の直径と異なる直径の第2電線60を保持可能に形成されている点が相違する以外は、第1端子10と概ね同等の構成を備える。この第2端子20は、第1端子10と共にハウジング30に収容されていると共に、第2電線60に接続されている。第2端子20は、
図3に示すように、金属などの導電性の一枚の板材20-2を曲げることにより形成されている。導電性の板材20-2は、導電性の板材10-2と同じ素材から形成されている。この第2端子20は、
図4及び
図5に示すように、第3保持部21と、第4保持部22と、第3圧接部23と、第4圧接部24と、それらを連結する本体部25と、2つの被押圧部26-1、26-2とを有する。
【0043】
第3保持部21は、第2電線60の第2被覆部62を保持可能に設けられている板状の部分である。
【0044】
第4保持部22は、第3保持部21と同様に、第2電線60の第2被覆部62を保持可能に設けられている板状の部分である。
【0045】
第3圧接部23は、第2電線60の第2芯線61を圧接して、第2芯線61に電気的に接続する板状の部分である。
【0046】
第4圧接部24は、第3圧接部23と同様に、第2電線60の第2芯線61を圧接して、第2芯線61に電気的に接続する板状の部分である。
【0047】
本体部25は、第1端子10の本体部15と同じものであり、+X方向に延設されている第3及び第4保持部21、22、第3及び第4圧接部23、24の基端が接続されている部分である。本体部25には、筒状部25aと、弾性板25bと、接点部25cと、延設部25dとが形成されている。
【0048】
筒状部25aは、X軸方向(収容方向D1)を筒軸とする略四角筒形状に形成されている。この筒状部25aに対しては、第3圧接部23の一部が、X軸方向に沿う部分23aとして形成されている。また、筒状部25aに対して、第4圧接部24の一部が、X軸方向に沿う部分24aとして形成されている。第3及び第4圧接部23、24の沿う部分23a、24aは、筒状部25aに対して接触、若しくは、わずかに離れて形成されている。沿う部分23a、24aは、ハウジングに第2端子20を収容する際に、治具による+Z方向の押圧力を、筒状部25aを介して、第3圧接部23及び第4圧接部24に効率的に伝達するために形成されている。
【0049】
弾性板25b及び接点部25cは、第1端子10の本体部15の弾性板15b及び接点部15cと同じものである。
【0050】
延設部25dは、筒状部25aから-X方向に延設されている。具体的には、延設部25dは、筒状部25aの左右の側壁(-Y寄りの側壁及び+Y寄りの側壁)のそれぞれから延設されている。そして、延設部25dは、筒状部25aの左右の側壁のうちの左の側壁(-Y寄りの側壁)から延設された先端部25d-1が折り曲げられて、右の側壁(-Y寄りの側壁)から延設された先端部25d-2にX軸方向に重なるように形成されている。
【0051】
被押圧部26-1は、筒状部25aの-X寄りの端面に設けられている。この被押圧部26-1は、ハウジングに第2端子20を収容する際に、治具によって押される部分である。被押圧部26-1は、治具の先端部分に当接しやすいように、概ね、YZ平面に平行な面として構成されている。
【0052】
被押圧部26-2は、延設部25dの-X寄りの端面に設けられている。この被押圧部26-2は、ハウジングに第2端子20を収容する際に、治具によって、被押圧部26-1と共に押される部分である。被押圧部26-2は、治具の先端部分に当接しやすいように、概ね、YZ平面に平行な面として構成されている。本実施の形態1においては、被押圧部26-2は、弾性板25bの-X寄りの端部よりも、さらに-X寄りに形成されている。また、この被押圧部26-2は、被押圧部26-1に対して、Z軸方向(延設方向D2)にずれて形成されている。
【0053】
第2端子20には、
図2及び
図3に示すように、ハウジング30に収容されると、ハウジング30に係止する係止部27が形成されている。係止部27は、第1端子10の係止部17と同じものである。
【0054】
ハウジング30は、例えば、樹脂などの絶縁性の素材からなる。このハウジング30には、
図1及び
図7に示すように、第1電線50及び第2電線60が配線され、第1面30aと、第1面30aとは異なる第2面30bとを有する略直方体形状の部材である。本実施の形態1においては、第1面30aは、XY平面に平行な+Z寄りの面であり、第2面30bは、第1面30aと反対のXY平面に平行な-Z寄りの面である。また、ハウジング30において、第1面30aには、第1開口部31及び第3開口部33が形成され、第2面30bには、第2開口部32及び第4開口部34が形成されている。そして、第1電線50は、第1開口部31及び第2開口部32の少なくとも一方から引き出される。第2電線60は、第3開口部33及び第4開口部34の少なくとも一方から引き出される。
図1及び
図7においては、第1電線50及び第2電線60は、第1開口部31及び第3開口部33から引き出され、第2開口部32及び第4開口部34からは引き出されていない。
【0055】
さらに、ハウジング30は、第1面30a及び第2面30bとは異なる第3面30cを有する。本実施の形態1においては、第3面30cは、YZ平面に平行であり、且つ、+X寄りの端面である。この第3面30cには、露出口35-1、35-2、35-3、35-4が形成されている。
【0056】
図2及び
図4に示すように、露出口35-1は、第1保持部11の先端をハウジング30の外部に露出させる。露出口35-2は、第2保持部12の先端をハウジング30の外部に露出させる。露出口35-3は、第1圧接部13の先端をハウジング30の外部に露出させる。露出口35-4は第2圧接部14の先端をハウジング30の外部に露出させる。露出口35-1~35-4は、ユーザがハウジング30に対する第1端子10の収容が完了したことを視認するために形成されている。
【0057】
また、第3面30cには、露出口35-1、35-2、35-3、35-4に加えて、さらに4つの露出口36が形成されている。4つの露出口36は、第2端子20の第3及び第4保持部21、22、第3及び第4圧接部23、24の先端をハウジング30の外部に露出させる。4つの露出口36は、ユーザがハウジング30に対する第2端子20の収容が完了したことを視認するために形成されている。
【0058】
ハウジング30の内部には、
図1(B)、
図9及び
図10に示すように、第1端子10及び第2端子20を収容する端子収容室37が2つ形成されている。第1端子10及び第2端子20は、端子収容室37に、ハウジング30の-X寄りの後端面に形成されている開口38から収容方向D1に収容される。この端子収容室37には、
図9に示すように、第1端子10の第1及び第2保持部11、12、第1及び第2圧接部13、14が配置される配置空間39a~39dが形成されている。配置空間39a~39dの上下方向(Z軸方向)の寸法は、概ね、第1及び第2保持部11、12、第1及び第2圧接部13、14の厚みよりやや大きい。また、端子収容室37は、露出口35-1、35-2、35-3、35-4、及び4つの露出口36から外部に通じている。
【0059】
上述のように構成されたコネクタ1において、ハウジング30に第1端子10を収容する方法について説明する。
【0060】
先ず、
図9に示すように、作業者は、ハウジング30の端子収容室37に対して開口38から収容方向D1に第1端子10を挿入する。ハウジング30に第1端子10をある程度挿入した後に、作業者は第1電線50を第1開口部31から挿入する。第1電線50の挿入後、作業者は、治具90を用いて、さらに、端子収容室37に第1端子10を挿入していく。治具90には、第1端子10の第1被押圧部16-1に当接する第1当接面91と、第2被押圧部16-2に当接する第2当接面92とが形成されている。第2当接面92は、治具90の第1当接面91が第1被押圧部16-1に当接すると、第2被押圧部16-2にも当接するように形成されている。
【0061】
作業者が治具90を用いて、端子収容室37に第1端子10を挿入していく際、治具90からの押圧力が、第1被押圧部16-1及び第2被押圧部16-2が形成されている本体部15に伝達される。すると、
図4及び
図5に示すように、第1及び第2圧接部13、14の沿う部分13a、14aが本体部15の筒状部15aにX軸方向に沿っているため、当該沿う部分13a、14aが、筒状部15aを介して、治具90からの押圧力を受けることができる。これにより、
図10(A)、(B)に示すように、作業者は治具90を用いて、第1及び第2保持部11、12、第1及び第2圧接部13、14を、効率的に配置空間39a~39dに配置することができる。
【0062】
また、第1端子10の挿入に伴って、第1及び第2保持部11、12、第1及び第2圧接部13、14が配置空間39a~39dに配置される際に、第1及び第2保持部11、12が第1電線50の第1被覆部52を保持する。さらに、第1及び第2圧接部13、14の圧接刃が、第1電線50の第1被覆部52を除去する。そして、第1及び第2圧接部13、14は、第1電線50の第1芯線51を圧接して、第1芯線51に電気的に接続する。
【0063】
これにより、第1端子10が、第1電線50の第1芯線51に電気的に接続されると共に、コネクタ1において、ハウジング30への第1端子10の収容が完了する。
【0064】
また、作業者は、ハウジング30への第1端子10の収容と同様の要領で、
図2に示すように、第2端子20を第2電線60の第2芯線61に電気的に接続して、ハウジング30に第2端子20を収容する。
【0065】
以上より、コネクタ1において、ハウジング30への第1端子10及び第2端子20の収容が完了する。
【0066】
以上、説明したように、本実施の形態1に係るコネクタ1において、第1端子10は、
図6に示すように、第1保持部11と、第2保持部12と、それらの間に設けられている第1及び第2圧接部13、14とを有する。このため、第1圧接部13の+Z寄りの位置で第1保持部11が第1電線50を保持し、第2圧接部14の-Z寄りの位置で第2保持部12が第1電線50を保持することができる。これにより、第1端子10は、第1電線50への保持力を向上させることができると共に、第1電線50を安定して保持することができる。ひいては、
図1に示すように、第1端子10は第1電線50を安定して保持しつつ、第1電線50をハウジング30の第1開口部31から引き出したり、
図11に示すように、第1電線50を第2開口部32から引き出したりすることができる。
【0067】
例えば、
図12(A)に示す比較例に係るコネクタ1Aでは、第1端子10Aは、第2圧接部14の-Z寄りの位置のみに第2保持部12を有する。第1電線50が第1開口部31から引き出されている場合、第1端子10Aは、第1圧接部13と、ハウジング30の第1開口部31との間で第1電線50を保持することができない。これにより、コネクタ1Aの使用状況に応じて、
図12(B)に示すように、第1開口部31から引き出された第1電線50が屈曲されると、第1圧接部13と、第1電線50において第1被覆部52に覆われていない第1芯線51との接続部分に応力が集中しやすくなる。そうすると、第1端子10Aと第1電線50との電気的な接続能力が低下するおそれが生じる。
【0068】
これに対して、本実施の形態1において、
図13(A)に示すように、第1電線50が第1開口部31から引き出されている場合、第1端子10は、第1保持部11が、第1圧接部13と、ハウジング30の第1開口部31との間で第1電線50を保持する。また、
図13(B)に示すように、第1電線50が第2開口部32から引き出されている場合は、第1端子10は、第2保持部12が、第2圧接部14と、ハウジング30の第2開口部32との間で第1電線50を保持する。このため、第1圧接部13の+Z寄りの位置で第1保持部11が第1電線50を保持することができ、第2圧接部14の-Z寄りの位置で、第2保持部12が第1電線50を保持することができる。これにより、第1端子10は、第1電線50への保持力を向上させることができると共に、第1電線50を安定して保持することができる。また、第1圧接部13と、第1電線50の第1芯線51との接続部分に、第1電線50に対する外力が直接及ぶことを防ぎ、第1端子10と第1電線50との電気的な接続能力の低下を抑制することができる。ひいては、
図1に示すように、第1端子10は第1電線50を安定して保持しつつ、第1電線50をハウジング30の第1開口部31から引き出したり、
図11に示すように、第1電線50を第2開口部32から引き出したりすることができる。以上より、ハウジング30から第1電線50が引き出される方向が限定されず、コネクタ1の使い勝手を向上させることができる。ひいては、第1端子10及びコネクタ1の汎用性を向上させることができる。
【0069】
同様に、第2端子20においても、
図1及び
図11に示すように、第2電線60をハウジング30の第3開口部33から引き出したり、第2電線60を第4開口部34から引き出したりすることができる。以上より、ハウジング30から第2電線60が引き出される方向が限定されず、コネクタ1の使い勝手を向上させることができる。ひいては、第1端子10、第2端子20、及びコネクタ1の汎用性を向上させることができる。
【0070】
また、本実施の形態1に係る第1端子10には、
図2及び
図3に示すように、係止部17が形成されている。この係止部17は、ハウジング30への係止により、ハウジング30から第1端子10が脱落することを抑制することができる。
また、第2端子20に形成されている係止部27も同様の効果を奏することができる。
【0071】
また、本実施の形態1においては、
図4及び
図5に示すように、第1圧接部13には、筒状部15aに対して、収容方向D1に沿う部分13aが形成されている。同様に、第2圧接部14には、筒状部15aに対して、収容方向D1に沿う部分14aが形成されている。当該部分13a、14aは、筒状部15aを介して、治具90からの押圧力を受けることができる。これにより、
図10(A)、(B)に示すように、作業者は治具90を用いて、第1及び第2保持部11、12、第1及び第2圧接部13、14を効率的に配置空間39a~39dに配置することができる。
また、
図4及び
図5に示す第2端子20の第3及び第4圧接部23、24の筒状部25aに対して沿う部分23a、24aも同様の効果を奏することができる。
【0072】
また、本実施の形態1においては、
図4に示すように、延設部15dは、筒状部15aの左の側壁(-Y寄りの側壁)から延設された先端部15d-1が折り曲げられて、右の側壁(+Y寄りの側壁)から延設された先端部15d-2にX軸方向に重なるように沿って形成されている。これにより、先端部15d-2は、先端部15d-1を介して、治具からの押圧力を受けることができる。
また、第2端子20の延設部25dも同様の効果を奏することができる。
【0073】
また、本実施の形態1に係る第1端子10においては、
図4及び
図5に示すように、第2被押圧部16-2は、第1被押圧部16-1に対して、Z軸方向(延設方向D2)にずれて形成されている。これにより、
図10(A)、(B)に示すように、作業者は、Z軸方向において均等な押圧力を加えつつ、第1端子10を端子収容室37に挿入することができる。
また、
図4に示す第2端子20の被押圧部26-1、26-2も同様の効果を奏することができる。
【0074】
また、本実施の形態1に係る第1端子10は、
図6に示すように、第1保持部11から第1圧接部13までの間隔L1が、第2保持部12から第2圧接部14までの間隔L2と等しくなるように形成されている。これにより、ハウジング30から第1電線50が引き出される方向が限定されず、コネクタ1の使い勝手を向上させることができる。ひいては、第1端子10及びコネクタ1の汎用性を向上させることができる。
また、
図4に示す第2端子20も同様の効果を奏することができる。
【0075】
実施の形態2.
本発明の実施の形態1に係る第1端子10においては、
図6に示すように、第1保持部11と第2保持部12との間に、2本の第1及び第2圧接部13、14を有する。しかしながら、これに限られない。
図14に示す実施の形態2に係るコネクタ2のように、第1端子10’は、第1保持部11と第2保持部12との間に、1本の第1圧接部13を有していてもよい。この場合、第1端子10’の第1圧接部13は、第1保持部11と第2保持部12との間における中央に設けられている方が望ましい。
【0076】
本実施の形態2に係るコネクタ2においても、ハウジング30から第1及び第2電線50、60が引き出される方向が限定されず、コネクタ2の使い勝手を向上させることができる。ひいては、第1端子10’及びコネクタ2の汎用性を向上させることができる。
【0077】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
【0078】
例えば、本実施の形態においては、
図10に示すように、第1端子10、10’は、ハウジング30に第1端子10を収容する際に、治具90によって押される被押圧部(第1被押圧部16-1、第2被押圧部16-2)を2つ有している。しかしながら、これに限られない。第1端子10、10’は、被押圧部を3つ以上有していてもよい。
同様に、第2端子20は、第1及び第2被押圧部26-1、26-2を3つ以上有していてもよい。
【0079】
また、本実施の形態1においては、
図3に示すように、第1端子10及び第2端子20は、一枚の板材10-2、20-2から形成されている。しかしながら、これに限られない。第1端子10及び第2端子20は、複数枚の板材を組み合わされて形成されていてもよい。ただし、製造コストの観点からは、第1端子10及び第2端子20は、一枚の板材10-2、20-2から形成されている方が好ましい。
なお、実施の形態2に係る第1端子10’も同様の理由から一枚の板材から形成されている方が好ましい。
【0080】
また、本実施の形態1に係る第1端子10においては、
図4及び
図5に示すように、第2被押圧部16-2は、第1被押圧部16-1よりも-X寄りに形成されている。しかしながら、これに限られない。
図15に示すコネクタ3の第1端子10のように、第2被押圧部16-2は、第1被押圧部16-1に対してX軸方向において同じ位置に形成されていてもよい。ただし、この場合においても、第2被押圧部16-2は、第1被押圧部16-1に対して、Z軸方向(延設方向D2)にずれて形成されている方が好ましい。
【0081】
また、上記実施の形態においては、
図1に示すように、コネクタ1は、2つの第1端子10と第2端子20とを備えている。しかしながら、これに限られない。コネクタ1、2は、1つの第1端子10、10’のみを備えていてもよいし、3つ以上の端子を備えていてもよい。また、コネクタ1は、形状の異なる複数の端子を備えていてもよい。実施の形態2に係るコネクタ2についても同様である。
【0082】
また、上記実施の形態においては、第2電線60には、その直径が、第1電線50の直径よりも小さいものが用いられている。しかしながら、これに限られない。第2電線60には、その直径が、第1電線50の直径よりも大きいものが用いられていてもよい。また、第2電線60には、その直径が、第1電線50の直径と同一のものが用いられていてもよい。
【0083】
また、上記実施の形態においては、
図6に示すように、第1端子10の第1保持部11及び第2保持部12は、いずれも、第1電線50の第1被覆部52を保持している。しかしながら、これに限られない。第1保持部11及び第2保持部12のいずれかのみが、第1被覆部52を保持していてもよい。
同様に、
図4に示すように、第2端子20の第3保持部21及び第4保持部22のいずれかのみが、第2電線60の第2被覆部62を保持していてもよい。
【0084】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0085】
1,1A,2,3:コネクタ、10,10A,10’:第1端子、10-2:板材、11:第1保持部、12:第2保持部、13:第1圧接部、13a:(沿う)部分、14:第2圧接部、14a:(沿う)部分、15:本体部、15a:筒状部、15b:弾性板、15c:接点部、15d:延設部、15d-1,15d-2:先端部、16-1:第1被押圧部、16-2:第2被押圧部、17:係止部、20:第2端子、20-2:板材、21:第3保持部、22:第4保持部、23:第3圧接部、23a:(沿う)部分、24:第4圧接部、24a:(沿う)部分、25:本体部、25a:筒状部、25b:弾性板、25c:接点部、25d:延設部、25d-1,25d-2:先端部、26-1,26-2:被押圧部、27:係止部、30:ハウジング、30a:第1面、30b:第2面、30c:第3面、31:第1開口部、32:第2開口部、33:第3開口部、34:第4開口部、35-1,35-2,35-3,35-4,36:露出口、37:端子収容室、38:開口、39a,39b,39c,39d:配置空間、50:第1電線、51:第1芯線、52:第1被覆部、60:第2電線、61:第2芯線、62:第2被覆部、90:治具、91:第1当接面、92:第2当接面、D1:収容方向、D2:延設方向、L1,L2:間隔、S1:面。