(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123948
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】車両管理装置、車両管理システム、および、車両管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220818BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021426
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上松 健治
(72)【発明者】
【氏名】北原 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】白石 春樹
(72)【発明者】
【氏名】前畑 実
(72)【発明者】
【氏名】岡田 貴穂
(72)【発明者】
【氏名】立野 克明
(72)【発明者】
【氏名】久木元 修
(72)【発明者】
【氏名】片岡 智春
(72)【発明者】
【氏名】重松 愛弓
(72)【発明者】
【氏名】一津屋 美岐
(72)【発明者】
【氏名】池田 知弘
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】作業者の負担を減らして効率良く貸出車両の状態変化を確認することができる技術を提供する。
【解決手段】貸出車両の管理を行う車両管理装置は、前記貸出車両の走行の状況を示す走行状況データを外部から取得するデータ取得部と、取得された前記走行状況データに基づき前記貸出車両の状態変化を推定し、該推定された前記貸出車両の状態変化に基づき前記貸出車両の要確認部位を特定する推定部と、前記要確認部位を含む確認用画像の撮影指示を送信する撮影指示部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貸出車両の管理を行う車両管理装置であって、
前記貸出車両の走行の状況を示す走行状況データを外部から取得するデータ取得部と、
取得された前記走行状況データに基づき前記貸出車両の状態変化を推定し、該推定された前記貸出車両の状態変化に基づき前記貸出車両の要確認部位を特定する推定部と、
前記要確認部位を含む確認用画像の撮影指示を送信する撮影指示部と、
を備える、車両管理装置。
【請求項2】
前記撮影指示部は、前記確認用画像の撮影指示を前記貸出車両の利用者に送信する、請求項1に記載の車両管理装置。
【請求項3】
前記貸出車両の状態変化の確認を作業者に指示する確認指示を前記確認用画像に基づいて作成し、前記作業者に前記確認指示を送信する確認指示部を更に備える、請求項1又は2に記載の車両管理装置。
【請求項4】
前記貸出車両の状態変化の確認を前記確認用画像に基づいて行う確認部を更に備える、請求項1又は2に記載の車両管理装置。
【請求項5】
前記推定部は、過去の前記確認用画像に基づく確認結果に関する蓄積データに基づいて前記貸出車両の状態変化を推定する、請求項3又は4に記載の車両管理装置。
【請求項6】
前記走行状況データは、前記車両の周囲の状況を撮影した映像データと、前記車両の走行履歴を示す走行履歴データとを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の車両管理装置。
【請求項7】
前記撮影指示部は、前記貸出車両の状態変化がないと推定される場合においても前記貸出車両の画像の撮影指示を送信する、請求項1から6のいずれか1項に記載の車両管理装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の車両管理装置と、
前記貸出車両の走行の状況を検出し、検出した前記状況を前記走行状況データとして前記車両管理装置に送信する走行状況検出装置と、
を備える、車両管理システム。
【請求項9】
前記貸出車両の利用者が有し、前記車両管理装置と通信可能な利用者端末を更に備える、請求項8に記載の車両管理システム。
【請求項10】
前記貸出車両の状態変化の確認を行う作業者が有し、前記車両管理装置と通信可能な作業者端末を更に備える、請求項8又は9に記載の車両管理システム。
【請求項11】
前記利用者端末は、
前記確認用画像を撮影可能に設けられる撮影部と、
前記撮影部で撮影される被写体を表示可能に設けられる表示部と、
前記確認用画像の撮影時に、前記撮影部と、前記被写体である前記貸出車両との位置関係を合わせるガイドを前記表示部に表示させる制御部と、
を備える、請求項8から10のいずれか1項に記載の車両管理システム。
【請求項12】
前記走行状況検出装置はドライブレコーダである、請求項8から11のいずれか1項に記載の車両管理システム。
【請求項13】
装置を用いて貸出車両の管理を行う車両管理方法であって、
前記貸出車両の走行の状況を示す走行状況データを取得するデータ取得工程と、
前記走行状況データに基づき前記貸出車両の状態変化を推定し、該推定された前記貸出車両の状態変化に基づき前記貸出車両の要確認部位を特定する推定工程と、
前記要確認部位を含む画像の撮影指示を送信する撮影指示工程と、
を備える、車両管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両管理装置、車両管理システム、および、車両管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両貸出サービスを利用するユーザが使用した後の車両の状態を正確に評価する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示される車両状態評価装置は、ユーザが使用した車両の画像および当該画像を撮影した場所の位置情報を、車両の貸出時および返却時のそれぞれにおいて、ユーザによって操作される無線端末から取得する端末情報取得部と、車両の貸出時画像と返却時画像とを比較して、返却時における変化を検出する車両変化検出部と、貸出時位置情報および返却時位置情報に基づいて、貸出時画像および返却時画像の信頼度を判定する画像信頼度判定部とを備える。端末情報取得部が取得する車両の画像は、車両の全体画像である。車両の全体画像は、例えば、車両の前後左右の四方を順次撮影した静止画( 静止画像)や、車両を中心に360度移動して車両の全体を撮影した動画(動画像)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、貸出車両の損傷および汚れに関しては、依然として作業者が確認した方が好ましいことがある。一方で、全ての確認を作業者に任せると作業者の負担が増大することが懸念される。特許文献1のように、車両の全体画像から車両の損傷や汚れを判断する構成とすると、作業者の負担が大きくなることが懸念される。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑み、作業者の負担を減らして効率良く貸出車両の状態変化を確認することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の車両管理装置は、貸出車両の管理を行う車両管理装置であって、前記貸出車両の走行の状況を示す走行状況データを外部から取得するデータ取得部と、取得された前記走行状況データに基づき前記貸出車両の状態変化を推定し、該推定された前記貸出車両の状態変化に基づき前記貸出車両の要確認部位を特定する推定部と、前記要確認部位を含む確認用画像の撮影指示を送信する撮影指示部と、を備える構成(第1の構成)となっている。
【0008】
上記第1の構成の車両管理装置において、前記撮影指示部は、前記確認用画像の撮影指示を前記貸出車両の利用者に送信する構成(第2の構成)であることが好ましい。
【0009】
上記第1又は第2の構成の車両管理装置は、前記貸出車両の状態変化の確認を作業者に指示する確認指示を前記確認用画像に基づいて作成し、前記作業者に前記確認指示を送信する確認指示部を更に備える構成(第3の構成)であることが好ましい。
【0010】
上記第1又は第2の構成の車両管理装置は、前記貸出車両の状態変化の確認を前記確認用画像に基づいて行う確認部を更に備える構成(第4の構成)であってよい。
【0011】
上記第3又は第4の構成の車両管理装置において、前記推定部は、過去の前記確認用画像に基づく確認結果に関する蓄積データに基づいて前記貸出車両の状態変化を推定する構成(第5の構成)であることが好ましい。
【0012】
上記第1から第5のいずれかの構成の車両管理装置において、前記走行状況データは、前記車両の周囲の状況を撮影した映像データと、前記車両の走行履歴を示す走行履歴データとを含む構成(第6の構成)であることが好ましい。
【0013】
上記第1から第6のいずれかの構成の車両管理装置において、前記撮影指示部は、前記貸出車両の状態変化がないと推定される場合においても前記貸出車両の画像の撮影指示を送信する構成(第7の構成)であることが好ましい。
【0014】
上記目的を達成するために本発明の車両管理システムは、上記構成の車両管理装置と、前記貸出車両の走行の状況を検出し、検出した前記状況を前記走行状況データとして前記車両管理装置に送信する走行状況検出装置と、を備える構成(第8の構成)となっている。
【0015】
上記第8の構成の車両管理システムは、前記貸出車両の利用者が有し、前記車両管理装置と通信可能な利用者端末を更に備える構成(第9の構成)であることが好ましい。
【0016】
上記第8又は第9の構成の車両管理システムは、前記貸出車両の状態変化の確認を行う作業者が有し、前記車両管理装置と通信可能な作業者端末を更に備える構成(第10の構成)であることが好ましい。
【0017】
上記第8から第10のいずれかの構成の車両管理システムにおいて、前記利用者端末は、前記確認用画像を撮影可能に設けられる撮影部と、前記撮影部で撮影される被写体を表示可能に設けられる表示部と、前記確認用画像の撮影時に、前記撮影部と、前記被写体である前記貸出車両との位置関係を合わせるガイドを前記表示部に表示させる制御部と、を備える構成(第11の構成)であることが好ましい。
【0018】
上記第8から第11のいずれかの構成の車両管理システムにおいて、前記走行状況検出装置はドライブレコーダである構成(第12の構成)が好ましい。
【0019】
上記目的を達成するために本発明の車両管理方法は、装置を用いて貸出車両の管理を行う車両管理方法であって、前記貸出車両の走行の状況を示す走行状況データを取得するデータ取得工程と、前記走行状況データに基づき前記貸出車両の状態変化を推定し、該推定された前記貸出車両の状態変化に基づき前記貸出車両の要確認部位を特定する推定工程と、前記要確認部位を含む画像の撮影指示を送信する撮影指示工程と、を備える構成(第13の構成)となっている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、作業者の負担を減らして効率良く貸出車両の状態変化を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】車両管理装置における車両管理方法の流れを示すフローチャート
【
図5】確認指示の作成処理の流れを示すフローチャート
【
図7】利用者端末において実行される、確認用画像の撮影を支援する処理の一例を示すフローチャート
【
図8】表示画面にガイドが表示された例を示す模式図
【
図9】確認用画像の送信を完了した後の表示画面の例を示す模式図
【
図11】作業者端末において実行される、損傷の確認を支援する処理の一例を示すフローチャート
【
図12】確認指示の表示画面への表示例を示す模式図
【
図13】確認結果のデータの送信を完了した後の表示画面の例を示す模式図
【
図14】変形例の車両管理装置の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
<1.車両管理システム>
図1は、本発明の実施形態に係る車両管理システム100の概略構成を示す図である。
図1に示すように、車両管理システム100は、車両管理装置1と、走行状況検出装置2と、利用者端末3と、作業者端末4とを備える。なお、車両管理システム100は、利用者端末3と作業者端末4とのうち少なくとも一方を備えない構成であってもよい。
【0024】
車両管理装置1は、貸出車両の管理を行う装置である。すなわち、車両管理装置1は、詳細には貸出車両管理装置である。同様に、車両管理システム100は、詳細には貸出車両管理システムである。貸出車両は、例えば、レンタカー、カーシェアリングサービスで利用されるシェアカー、自家用車の代わりに使用する代車等である。本実施形態では、貸出車両はレンタカーである。車両管理装置1の詳細については後述する。
【0025】
走行状況検出装置2は、例えばインターネットや携帯電話回線網などのネットワーク5を介して車両管理装置1と通信可能に設けられる。走行状況検出装置2は、貸出車両に搭載される。走行状況検出装置2は、貸出車両の走行の状況を検出し、検出した状況を走行状況データとして車両管理装置1に送信する。貸出車両の走行の状況には、走行状況検出装置2を搭載する車両自身の状況だけではなく、当該車両の周囲の状況を含むことが好ましい。例えば、貸出車両の走行の状況には、貸出車両の周囲に存在する物体の状況が含まれてよい。貸出車両の周囲に存在する物体には、例えば、他の車両、人、路上の静止物等が含まれる。
【0026】
本実施形態においては、走行状況検出装置2はドライブレコーダである。本構成によれば、車両の走行の状況について、車両の周囲の状況を含めた多くの情報を得ることができる。ただし、走行状況検出装置2は、ドライブレコーダ以外の装置であってもよく、例えばミリ波レーダ、スマートフォン等であってもよい。また、走行状況検出装置2は、貸出車両の複数の部位に取り付けられ無線タグと、当該複数の無線タグと対になって使用されるスキャナとを備える装置であってもよい。この構成において、スキャナは、貸出車両に搭載され、ネットワーク5を介して車両管理装置1と通信可能である。例えば、貸出車両に損傷が発生した場合、損傷箇所およびその近傍に配置される無線タグが損傷又は脱落して、スキャナは当該無線タグから情報を取得できなくなる。このために、貸出車両に取り付けられる各無線タグからの情報を監視することにより、車両の損傷の可能性および損傷箇所の推定を行うことができる。また、同様に貸出車両の複数の部位に取り付けられた衝撃(振動)センサが、走行状況検出装置であってもよい。当該衝撃センサにより衝撃(異常振動)とその発生個所を検出することが可能である。
【0027】
利用者端末3は、車両管理装置1と通信可能である。詳細には、利用者端末3は、ネットワーク5を介して車両管理装置1と通信可能に設けられる。利用者端末3は、貸出車両の利用者が有する端末である。利用者端末3は、詳細には持ち運び可能な携帯端末である。本実施形態では、貸出車両の利用者はレンタカーの利用者である。ただし、貸出車両がシェアカーである場合には、貸出車両の利用者はシェアカーの利用者である。また、貸出車両の利用者は、車両の運転者であってよいが、車両の運転者以外の乗員であってもよい。利用者端末3は、貸出車両の利用者が個人的に有する端末であってよいが、例えばレンタカー業者から貸し出される専用端末であってもよい。当該専用端末は、車両管理装置1に対応した専用端末であり、車両の貸し出しと共に車両の利用者に貸し出される。利用者端末3は、例えばスマートフォンやタブレット端末であり、レンタカー等の利用者用のアプリをインストールすることにより必要な機能および動作が実現される。利用者端末3の詳細については後述する。
【0028】
作業者端末4は、車両管理装置1と通信可能である。詳細には、作業者端末4は、ネットワーク5を介して車両管理装置1と通信可能に設けられる。作業者端末4は、作業者が有する端末である。作業者は、貸出車両に損傷や汚れ等の状態変化が生じているか否かの確認を行う者である。本実施形態では、作業者は、レンタカー業者に所属する者又は関係者である。作業者端末4は、例えば、作業者が個人的に有する端末、又は、レンタカー業者から貸与される端末である。作業者端末4は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、或いは、パーソナルコンピュータであり、作業者用のアプリをインストールすることにより必要な機能および動作が実現される。作業者端末4の詳細については後述する。
【0029】
本実施形態の車両管理システム100では、後述のように、車両管理装置1が走行状況検出装置2からの情報に基づいて貸出車両に状態変化があると推定される場合に、状態変化の可能性がある部位を含む画像の撮影と、撮影した画像の車両管理装置への送信とを外部に指示する構成となっている。このために、車両の状態変化の確認を行う作業者は、車両管理装置1から状態変化の可能性が高い部位を含む画像を取得して、当該画像により状態変化の可能性が高い部位を重点的に確認すればよく、作業量を減らすことができる。すなわち、本実施形態によれば、作業者の負担を減らして効率良く貸出車両の状態変化を確認することができる。
【0030】
また、本実施形態の車両管理システム100では、好ましい形態として、貸出車両の状態変化の可能性がある部位を含む画像の撮影および送信を、利用者端末3で行えばよい構成となっている。このために、貸出車両の状態変化の可能性がある部位を含む画像の撮影を行うために特別な装置を準備する必要がなく、車両管理システムに必要となるコストを抑制することができる。
【0031】
また、本実施形態の車両管理システム100では、貸出車両の状態変化の可能性がある部位を含む画像を作業者端末4に送信することができるために、作業者は、貸出車両の返却場所に常駐しなくても貸出車両の状態変化の確認を行うことができる。このために、本実施形態の車両管理システム100によれば、貸出車両の受け渡しを無人で行うことができる。
【0032】
<2.車両管理装置>
(2-1.車両管理装置の構成)
図2は、本発明の実施形態に係る車両管理装置1の構成を示すブロック図である。なお、
図2においては、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載は省略されている。
図2に示すように、車両管理装置1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを備える。
【0033】
制御部11は、車両管理装置1の全体を統括的に制御するコントローラである。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、および、ROM(Read Only Memory)等を含んで構成される。記憶部12は、例えばハードディスクドライブ(HDD)等により構成される。記憶部12は、各種のプログラムや各種のデータを記憶する。記憶部12は、複数種類のデータを、データの種類ごとに設けられるデータベース121~125に区別して記憶する。通信部13は、ネットワーク5と有線又は無線で接続され、ネットワーク5を介して、走行状況検出装置2、利用者端末3、および、作業者端末4と通信を行う。
【0034】
図2に示すデータ取得部111、推定部112、撮影指示部113、および、確認指示部114は、制御部11のCPUがコンピュータプログラムに従って演算処理を実行することにより実現される制御部11の機能である。換言すると、車両管理装置1は、データ取得部111と、推定部112と、撮影指示部113と、確認指示部114とを備える。なお、確認指示部114は、必須ではなく、場合によっては、車両管理装置1は、確認指示部114を備えなくてもよい。
【0035】
また、制御部11が備えるデータ取得部111、推定部112、撮影指示部113、および、確認指示部114のうち少なくともいずれか1つは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。また、データ取得部111、推定部112、撮影指示部113、および、確認指示部114は、概念的な構成要素である。1つの構成要素が実行する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてよい。
【0036】
また、本実施形態では、車両管理装置1は1つのサーバ装置で構成される。ただし、車両管理装置1は、クラウドサーバとして構成され、各機能部111~114の機能が、複数のサーバに分散され、複数のクラウドサーバが協働して車両管理装置1としての機能を発揮する構成であってもよい。
【0037】
データ取得部111は、外部からデータを取得する。詳細には、データ取得部111は、自装置1の外部から通信部13を介してデータを取得する。外部から取得するデータには、走行状況検出装置2から送信されるデータが含まれる。すなわち、データ取得部111は、貸出車両の走行の状況を示す走行状況データを外部から取得する。走行状況データは、車両の周囲の状況を撮影した映像データ(動画データ)と、車両の走行履歴を示す走行履歴データとを含むことが好ましい。このように構成することにより、車両の走行時の状況について多くの情報を得ることができ、貸出車両の状態変化の推定を適切に行うことができる。
【0038】
本実施形態においては、走行状況検出装置2はドライブレコーダであり、データ取得部111は、映像データと走行履歴データとの両方を取得することができる。映像データおよび走行履歴データは、これらのデータが得られた時間の情報を含む。なお、本実施形態のドライブレコーダ2は、カメラと、GPS(Global Positioning System)とを備える。カメラは、例えば、車両の前方又は後方、或いは、前方および後方を撮影する。走行履歴データは、車両自身の現在より前の走行の状態を示すデータである。走行履歴データには、例えば、各時間における、車両の位置、速度、および、加速度等が含まれる。
【0039】
データ取得部111は、取得したデータの種別を識別し、識別結果に応じてデータの種別に対応するデータベース(DB)121~125を選択する。データの種別の識別は、例えばデータに含まれるIDが利用される。データ取得部111は、取得したデータを選択したデータベースに書き込む。例えば、データ取得部111は、取得した映像データを映像データベース121に書き込む。データ取得部111は、取得した走行履歴データを走行履歴データベース122に書き込む。なお、本実施形態においては、データ取得部111は、映像データおよび走行履歴データ以外のデータも取得する。例えば、データ取得部111は、利用者端末3から後述の確認用画像のデータを取得し、作業者端末4から後述の確認結果のデータを取得する。
【0040】
また、本実施形態では、データ取得部111は、走行状況検出装置2から送信される全てのデータをデータベース121、122に書き込む。このように構成することにより、例えば、貸出車両において状態変化(例えば損傷)の発生時、および、その前後の走行状況について情報を蓄積することができ、状態変化の判定精度を向上させることができる。また、車両とは別の位置に状態変化の発生時等の走行状況データを保存することができ、例えば事故によって走行状況検出装置2が破損した場合でも、事後的に走行状況の確認を行うことができる。
【0041】
推定部112は、データ取得部111で取得された走行状況データに基づき貸出車両の状態変化を推定する。貸出車両の状態変化には、例えば車両の損傷や、車両の汚れ等が含まれる。本実施形態では、推定部112は、映像データと走行履歴データとに基づいて貸出車両の損傷の可能性を推定する。また、推定部112は、推定された貸出車両の状態変化に基づき貸出車両の要確認部位を特定する処理も行う。本実施形態では、当該処理も推定部112による推定処理に含まれる。要確認部位は、車両の状態変化の可能性がある場合に特定され、車両の状態変化の可能性がある部位を指す。推定部112は、所定のタイミングで推定処理を行う。所定のタイミングは、例えば、貸出車両の返却のタイミングである。ただし、所定のタイミングは、これに限らず、例えば、貸出車両が返却される前の、車両走行中のいずれかのタイミングであってもよい。所定のタイミングは、例えば、車両の走行中において、一定時間が経過するごとや、一定のデータ量が取得されるごと等であってもよい。推定部112による状態変化の推定処理の詳細については後述する。
【0042】
撮影指示部113は、貸出車両の状態変化の可能性がある部位(要確認部位)を含む確認用画像の撮影指示を送信する。撮影指示部113は、自装置1の外部に撮影指示を送信する。これによれば、貸出車両に状態変化の可能性があると推定される場合に、車両管理装置1は、状態変化の可能性がある部位を含む画像を外部から受信することができる。そして、当該受信データを利用することによって、作業者は、車両の状態変化が生じている可能性が高い部位を重点的に確認するといったことができる。このために、作業者は、作業負担を減らして効率良く貸出車両の状態変化を確認することができる。なお、本実施形態では、好ましい形態として、確認用画像は静止画像である。また、撮影指示には、自装置1への確認用画像の送信指示が含まれてもよい。ただし、アプリの機能により、撮影した確認用画像が自動的に車両管理装置1に送信される構成としてもよいために、撮影指示に確認用画像の送信指示が含まれなくてもよい。
【0043】
本実施形態では、撮影指示部113は、確認用画像の撮影指示を貸出車両の利用者に送信する。詳細には、撮影指示部113は、確認用画像の撮影指示のデータを利用者端末3に送信する。本構成によれば、確認用画像の撮影を行うために特別な装置を準備する必要をなくすことができる。なお、確認用画像の撮影および送信は、貸出車両の返却場所(例えばレンタカー業者の敷地)に設置される専用の装置が利用されてもよい。専用の装置は、貸出車両が特定の位置を通過した場合に、確認用画像を自動的に撮影して送信する構成であってよい。また、別の例として、例えば白線等によりマーキングが施された所定の位置に貸出車両を停車させて、専用の装置による撮影が行われる構成としてもよい。所定の位置への停車指示は、例えば、貸出車両に搭載されるナビゲーション装置等が利用されてよい。
【0044】
なお、本実施形態では、確認用画像は、貸出車両の損傷の可能性がある部位(要確認部位)を含む画像である。貸出車両の損傷の可能性がある部位については、推定部112によって推定される。また、撮影指示部113は、確認用画像の自装置1への送信を指示する。また、貸出車両の利用者は、撮影指示部113の指示により、利用者端末3を利用して損傷の可能性がある部位を含む画像の撮影と送信を行うが、この点の詳細については後述する。
【0045】
本実施形態では、好ましい形態として、車両管理装置1が確認指示部114を備える。確認指示部114は、貸出車両の状態変化の確認を作業者に指示する確認指示を確認用画像に基づいて作成する。また、確認指示部114は、作業者に作成した確認指示のデータを送信する。これによれば、作業者は、貸出車両の返却場所に常駐しなくても貸出車両の状態変化の確認を行うことができる。このために、貸出車両の受け渡しを無人とすることができる。詳細には、確認指示部114は、貸出車両の損傷の確認を作業者に指示する確認指示データを、利用者により送信された確認用画像に基づいて作成する。作業者は、確認指示部114からの確認指示により、作業者端末4で受信した画像を利用して損傷の確認を行う。また、作業者は、損傷の確認結果のデータを車両管理装置1に送信する。この点の詳細については後述する。
【0046】
(2-2.車両管理方法)
図3は、本発明の実施形態に係る車両管理装置1における車両管理方法の流れを示すフローチャートである。
図3に示す車両管理方法は、例えば、車両(本例ではレンタカー)に搭載される走行状況検出装置2であるドライブレコーダの動作の開始により始まる。ドライブレコーダ2は、動作の開始により、映像データおよび走行履歴データを車両管理装置1に送信する。なお、ドライブレコーダ2の動作は、例えば、車両のACCがオンされること等に連動して自動的に開始されることが好ましい。ただし、ドライブレコーダ2の動作は、貸出車両の利用者等によって手動で開始される構成であってもよい。また、本実施形態では、車両の状態変化は、一例として車両の損傷であるために、以下においては、車両の状態変化のことを単に損傷と表現することがある。
【0047】
ステップS1では、データ取得部111が、ドライブレコーダ2から走行状況データの取得を開始する。詳細には、データ取得部111は、映像データおよび走行履歴データの取得を開始する。データ取得部111は、取得した映像データを映像データベース121に書き込む。データ取得部111は、取得した走行履歴データを走行履歴データベース122に書き込む。なお、本実施形態では、データ取得部111は、ドライブレコーダ2から取得した映像データおよび走行履歴データを一定の時間単位で各データベース121、122に書き込む。データ取得部111の映像データおよび走行履歴データの取得を開始すると、次のステップS2に処理が進められる。
【0048】
ステップS2では、推定部112が貸出車両の返却タイミングであるか否かを監視する。貸出車両の利用者は、貸出車両の返却をレンタカー業者に知らせる必要がある。貸出車両の返却情報は、利用者端末3からネットワーク5を介して車両管理装置1に送信される構成であってよい。この構成の場合、推定部112は、利用者端末3から返却情報を受信したタイミングを返却タイミングとして判定できる。なお、別の構成として、貸出車両の返却情報は、利用者から貸出車両の返却の連絡を受けたレンタカー業者から車両管理装置1に送信される構成であってもよい。この場合には、推定部112は、例えばレンタカー業者の端末等からネットワーク5を介して返却情報を受信したタイミングを返却タイミングとして判定することができる。
【0049】
推定部112は、貸出車両の返却タイミングであると判定すると(ステップS2でYes)、次のステップS3に処理を進める。推定部112は、貸出車両の返却タイミングでないと判定すると(ステップS2でNo)、ステップS2の監視を続ける。
【0050】
ステップS3では、推定部112が、貸出車両の損傷を推定する損傷推定処理を行う。推定部112は、映像データベース121および走行履歴データベース122からステップS1で書き込みを行った各データを読み出し、読み出した映像データおよび走行履歴データに基づいて損傷推定処理を行う。ここで、
図4を参照して、損傷推定処理について説明する。なお、
図4は、損傷推定処理の流れを示すフローチャートである。
図4は、ステップS3の処理の詳細例を示す。
【0051】
ステップS31では、推定部112が、映像データおよび走行履歴データの少なくともいずれか一方に通常時に対する異変があるか否かを判定する。通常時は、貸出車両に損傷(状態変化)が生じていない場合を指す。通常時のデータは、予め記憶部12に記憶しておいたデータの他、過去に蓄積されたデータが利用されてよい。例えば、通常時に比べて大きな映像の乱れ、通常時に比べて急な緯度経度のずれ、通常時に比べて急な加速度変化等は、異変として抽出される。異変があると判定されると(ステップS31でYes)、次のステップS32に処理が進められる。異変がないと判定されると(ステップS31でNo)、ステップS35に処理が進められる。
【0052】
ステップS32では、推定部112が、抽出された異変について過去に類似の異変があったか否かを判定する。過去の異変に関するデータは、確認結果データベース125に蓄積されている。確認結果データベース125については後述する。過去に類似の異変があると判定されると(ステップS32でYes)、次のステップS33に処理が進められる。過去の類似の異変は1つの場合だけでなく、複数の場合もあり得る。過去に類似の異変がないと判定されると(ステップS32でNo)、ステップS34に処理が進められる。
【0053】
なお、ステップS31で、互いに異なる時間帯に生じた複数の異変が抽出される可能性がある。この場合には、複数の異変のそれぞれに対してステップS32およびステップS33の処理が行われる。
【0054】
ステップS33では、推定部112が、抽出された異変が車両に損傷を与える可能性があるか否かを判定する。詳細には、推定部112は、ステップS31で抽出された異変における走行状況の詳細と、類似している異変における走行状況の詳細とを比較する。例えば、異変が生じた時間帯の加速度の変化状況、異変が生じた時間帯の位置情報や映像データから得られる車両の周囲の状況等が比較される。車両の周囲の状況には、例えば、車線数、車線の幅、付近にガードレールや壁等の障害物が存在するか否か等が含まれる。推定部112は、走行状況の詳細の比較結果と、過去のデータにおける車両の損傷に関する作業者の判断結果とを考慮して、抽出された異変が車両に損傷を与える可能性があるか否かを判定する。損傷を与える可能性があると判定されると(ステップS33でYes)、次のステップS34に処理を進める。損傷を与える可能性がないと判定されると(ステップS33でNo)、ステップS35に処理を進める。
【0055】
ステップS34では、推定部112は、貸出車両に損傷の可能性があると推定する。ステップS35では、推定部112は、貸出車両に損傷の可能性がないと推定する。ステップS34およびステップS35の処理が完了すると、
図3に示すステップS4に処理が進められる。
【0056】
なお、推定部112は、損傷の可能性があると推定した場合(ステップS34の場合)には、損傷推定箇所の特定を行う。過去に類似の異変がないために損傷の可能性があると推定した場合(ステップS32でNo)には、推定部112は、例えば、車両の全体に損傷の可能性があると判断して、損傷推定箇所を車両全体としてよい。また、別の例として、推定部112は、映像解析、衝撃が加わった方向、又は、舵角等から、損傷推定箇所が車両の前後左右のいずれであるかを特定してもよい。また、過去に類似の異変があって損傷の可能性があると推定した場合には(ステップS33でYes)、推定部112は、過去の類似の異変の場合の損傷箇所を損傷推定箇所としてよい。この場合にも、推定部112は、過去の類似の異変のデータだけでなく、映像解析、衝撃が加わった方向、又は、舵角等の走行状況データも考慮して、損傷推定箇所を特定してもよい。また、走行状況データに上述したスキャナからのデータが含まれる場合には、スキャナから得られる異変箇所を損傷推定箇所としてよい。
【0057】
ステップS4では、撮影指示部113が、推定部112が損傷の可能性があると推定したか否かを確認する。推定部112が損傷の可能性があると推定した場合(ステップS4でYes)、撮影指示部113は、次のステップS5に処理を進める。推定部112が損傷の可能性がないと推定した場合(ステップS4でNo)、撮影指示部113は、
図3に示す一連の処理を終了する。この場合、例えば、車両管理装置1から利用者端末3に貸出車両の返却手続きが完了したことが通知される。
【0058】
ステップS5では、撮影指示部113が利用者端末3に撮影指示のデータの送信を行う。詳細には、撮影指示部113は、撮影指示を作成して当該作成した撮影指示のデータの送信を行う。撮影指示部113は、例えばドライブレコーダ2から送信されるデータ(走行履歴データ等)に含まれる識別情報等により、貸出車両の利用者を特定し、予め記憶部12等に記憶されている送信宛先を用いて利用者端末3に撮影指示のデータを送信する。
【0059】
撮影指示は、推定部112で推定された車両の損傷推定箇所(状態変化の可能性がある部位)の情報に基づき作成される。撮影指示には、車両の損傷推定箇所(要確認部位)を含む画像を貸出車両の利用者に撮影してもらうために必要な情報が含まれる。撮影指示部113は、貸出車両の車両情報を車両情報データベース124から取得する。車両情報には、車種、車体色、全長、全幅、全高等の情報が含まれる。車両情報は、例えばレンタカー業者等によって車両情報データベース124に登録されている。なお、撮影指示部113は、例えばドライブレコーダ2から送信されるデータ(走行履歴データ等)に含まれる識別情報等を用いて、車両情報データベース124から該当する貸出車両の車両情報を取得する。撮影指示部113は、取得した車両情報に基づいて、車両の損傷推定箇所が撮影されるように車両の撮影箇所に関する撮影指示情報を生成し、撮影指示のデータに含める。撮影指示には、撮影した画像の自装置1への送信指示も含まれる。また、撮影指示には、上述の車両情報、および、撮影箇所以外の撮影条件(例えば最低輝度値、撮影者位置、ズーム量など)が含まれることが好ましい。なお、撮影者位置(カメラ位置)は、例えば撮影対象箇所からの距離および角度である。
【0060】
例えば、貸出車両の前方の左ライト部分に損傷の可能性がある場合、撮影指示部113は、前方の左ライトを含む画像を撮影させる。詳細には、撮影指示部113は、例えば、車両の前面が撮影されるように撮影指示を作成する。左ライト部分に損傷の可能性があるために、左ライト部分を拡大した画像が撮影されるように撮影指示がなされてもよい。このようにすれば、損傷推定箇所の確認作業の時間を短縮できる。ただし、本実施形態のように左ライト部分だけでなく、その周囲を含む画像が撮影されるように撮影指示がなされることにより、作業者が車両の損傷を正確に確認することができる。撮影指示は、損傷推定箇所と、その周辺に絞った箇所の画像を撮影するように指示されることが好ましい。また、撮影指示に含まれる撮影箇所は、車両の外側の面だけでなく、内側の面が含まれてもよい。
【0061】
撮影指示の作成、および、そのデータの送信が完了すると、次にステップS6に処理が進められる。なお、推定部112において、貸出車両の複数箇所において損傷の可能性が認められる場合がある。この場合、各損傷推定箇所を含む画像が撮影されるように、撮影指示が作成される。
【0062】
ステップS6では、確認指示部114が、先に行った撮影指示に対応して貸出車両の利用者が撮影した確認用画像を取得する。詳細には、確認用画像は、データ取得部111で取得され、確認用画像データベース123に書き込まれる。確認用画像データベース123に書き込まれたタイミングで、確認指示部114は、確認用画像データベース123から確認用画像を読み出して取得する。確認用画像が取得されると、次のステップS7に処理が進められる。
【0063】
ステップS7では、確認指示部114が、取得した確認用画像に基づいて確認指示を作成する。確認指示は、作業者に対して貸出車両の損傷の確認を指示する指示内容を有する。ここで、
図5を参照して、確認指示の作成処理について説明する。なお、
図5は、確認指示の作成処理の流れを示すフローチャートである。
図5は、ステップS7の処理の詳細例を示す。
【0064】
ステップS71では、確認指示部114は、取得した確認用画像と、通常時の画像との比較処理を行う。通常時の画像は、貸出車両に損傷(状態変化)が生じていない場合の画像であり、このような画像は、例えば予め記憶部12に記憶されている。通常時の画像は、貸出車両の貸出時に撮影された画像であってもよい。確認指示部114は、比較の結果を取得すると、次のステップS72に処理を進める。
【0065】
ステップS72では、確認指示部114が、比較結果に基づいて損傷の可能性の有無について判定する。比較結果から通常時の画像との差異が認められない場合には、損傷の可能性がないと判定する。比較の結果から通常時との差異が認められる場合には、作業者の確認結果が得られている過去のデータのうち、類似する画像と比較して損傷の可能性の有無を判定する。当該損傷の可能性の判定には、映像データおよび走行履歴データも適宜利用されてよい。なお、類似する画像がない場合には、損傷でないと結論付けることができないために、損傷の可能性があると判定してよい。損傷の可能性が判定されると、次のステップS73に処理が進められる。
【0066】
ステップS73では、確認指示部114が損傷の可能性の判定結果に応じて作業者への確認指示を作成する。例えば、確認指示部114は、損傷の可能性がないと判定した場合、貸出車両の利用者が撮影した撮影画像(確認用画像)に、損傷の確認に必要となる情報を含めて確認指示とする。損傷の確認に必要となる情報には、例えば、損傷の確認を促すメッセージ情報や、損傷の確認結果を入力する画面情報等が含まれてよい。また、例えば、確認指示部114は、損傷の可能性があると判定した場合、上述した損傷がないと判定された場合の情報に、損傷推定箇所の情報を加えて確認指示を作成する。損傷推定箇所が複数存在する場合は、各損傷推定箇所について確認するように確認指示を作成する。確認指示が作成されると、
図3に示すステップS8に処理が進められる。なお、損傷推定箇所は、通常の画像との差異が認められる箇所である。
【0067】
なお、本実施形態では、確認用画像から損傷の可能性の有無を判定して確認指示を作成する構成としているが、場合によっては、損傷の可能性の有無を判定することなく、確認指示が作成されてもよい。また、場合によっては、損傷の可能性の有無の判定により、損傷の可能性がないと判定される場合には、作業者への確認指示が行われない構成としてもよい。
【0068】
ステップS8では、確認指示部114が、作成した確認指示のデータを作業者端末4に送信する。これにより、作業者は、確認指示の内容にしたがって損傷の有無の確認作業を行う。確認指示のデータが送信されると、次のステップS9に処理が進められる。
【0069】
ステップS9では、データ取得部111が、先に行った確認指示に対応して作業者が返信した確認結果を取得する。データ取得部111は、受信した確認結果を確認結果データベース125に書き込む。本実施形態では、作業者から返信された確認結果に、これと関連する、推定部112および確認指示部114による損傷の可能性の判定結果等の情報を紐づけて、これらを確認結果データベース125に保存する。すなわち、確認結果データベース125には、損傷の可能性を判定するために使用できる有益なデータが蓄積されることになる。確認結果の取得により、
図3に示す一連の処理が終了する。車両管理装置1は、損傷が生じたことが確認された場合等、必要がある場合には、利用者端末3に貸出車両の返却に関わる情報を通知する。
【0070】
以上の説明からわかるように、本実施形態においては、推定部112は、過去の確認用画像に基づく確認結果に関する蓄積データに基づいて貸出車両の状態変化(例えば損傷)を推定する構成となっている。このために、推定部112による貸出車両の状態変化の推定精度を、データの蓄積量に応じて向上させることができる。なお、確認指示部114による貸出車両の状態変化の可能性の有無の判定についても同様のことが言える。すなわち、車両管理装置1は、確認用画像に基づく確認結果のデータの蓄積量が増えるにつれて貸出車両の状態変化の推定(可能性判定)の精度が向上する学習型の装置と言える。なお、過去の確認用画像に基づく確認結果に関わる蓄積データは、確認結果データベース125に蓄積されたデータである。また、過去の確認用画像に基づく確認結果は、例えば、作業者の確認結果である。また、推定部112や確認指示部114による状態変化の可能性に関わる推定および判定処理は、ディープラーニングにより学習した学習済みモデルを用いて行うことが好ましい。
【0071】
<3.利用者端末>
(3-1.利用者端末の構成)
図6は、本発明の実施形態に係る利用者端末3の構成を示すブロック図である。なお、
図6においては、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載は省略されている。
図6に示すように、利用者端末3は、制御部31と、撮影部35と、表示部36とを備える。利用者端末3は、記憶部32と、通信部33と、操作部34とを更に備える。
【0072】
制御部31は、利用者端末3の全体を統括的に制御するコントローラである。制御部31は、例えば、CPU、RAM、および、ROM等を含んで構成される。記憶部32は、例えばRAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子により構成される。記憶部32は、各種のアプリケーションソフトウェア(アプリ)や各種のデータを記憶する。通信部33は、ネットワーク5と無線で接続され、ネットワーク5を介して車両管理装置1と通信を行う。操作部34は、利用者端末3の操作を可能とする。操作部34は、例えば、タッチパネル、ボタン、又は、回転体のうち、少なくともいずれか1つで構成される。
【0073】
撮影部35は、例えばCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子を有するカメラである。撮影部35は、上述の確認用画像を撮影可能に設けられる。表示部36は、例えば液晶パネルや有機ELパネル等を用いて構成される。表示部36は、撮影部35で撮影される被写体を表示可能に設けられる。すなわち、利用者が確認用画像を撮影するために撮影部35を貸出車両に向けると、表示部36の表示画面36a(
図8等参照)に貸出車両の画像が表示される。
【0074】
本実施形態では、制御部31は、記憶部32に記憶されるアプリにしたがった演算処理をCPUに実行させることにより、利用者の貸出車両の撮影を支援する機能を発揮する。ここで言う貸出車両の撮影は、車両管理装置1から送信される撮影指示にしたがった貸出車両の撮影のことである。
【0075】
詳細には、制御部31は、確認用画像の撮影時に、撮影部35と、被写体である貸出車両との位置関係を合わせるガイド200(
図8等参照)を表示部36に表示させる。これによれば、貸出車両の利用者は、作業者が損傷等の確認を行うために適した画像を、ガイド200を利用して簡単に撮影することができる。なお、貸出車両は車両情報を予め準備し易いため、適切なガイド200の表示をさせ易い。
【0076】
(3-2.確認用画像の撮影を支援する処理)
図7は、利用者端末3において実行される、確認用画像の撮影を支援する処理の一例を示すフローチャートである。確認用画像の撮影を支援する処理は、例えば、撮影指示のデータを受信した利用者端末3において専用アプリを実行させることにより開始される。
【0077】
ステップS101では、制御部31は、撮影部35による画像の撮影を可能とする撮影モードを開始させる。これにより、表示部36の表示画面36aに被写体が表示される状態となる。撮影モードが開始されると、次のステップS102に処理が進められる。
【0078】
ステップS102では、制御部31は、表示画面36aにガイド200を表示させる。ガイド200は、撮影指示のデータに含まれる撮影箇所の指示データおよび車両情報データを用いて求められる。
図8は、表示画面36aにガイド200が表示された例を示す模式図である。
図8に示す例では、ガイド200はガイド線である。詳細には、ガイド200は、矩形の枠線である。
図8に示す例では、ガイド200として表示される矩形の枠線の位置と、撮影することを指示された貸出車両の前面の外縁の位置とを一致させることが求められる。表示画面にガイド200が表示されると、次のステップS103に処理が進められる。
【0079】
なお、被写体に重ねて表示されるガイド200は、矩形のガイド線でなくてもよい。例えば、ガイドは、車両の撮影させたい部位の形状をした輪郭線でもよい。また、ガイドは、線である必要はなく、例えば車両の撮影したい部位を模した図形等であってもよい。ガイドがこのような図形である場合には、ガイドが被写体に重ねられた場合でも表示画面36aに映る被写体が見えるように、ガイドは透明又は半透明であることが好ましい。このようにすることにより、撮影箇所に対する距離、ズーム量、および、角度等を、簡単に規定の条件にすることができる。
【0080】
ステップS103では、制御部31が、確認用画像の撮影条件を満たし、撮影できる状態となった(撮影OKとなった)か否かを確認する。
図8に示す例では、ガイド200として表示される矩形の枠線の位置と、撮影することを指示された貸出車両の前面の外縁の位置とが一致した場合に、撮影OKとなったと判定される。撮影OKとなった場合(ステップS103でYes)、次のステップS104に処理が進められる。一方、撮影OKとなっていない場合(ステップS103でNo)、ステップS106に処理が進められる。
【0081】
ステップS104では、制御部31は、撮影部35による確認用画像の撮影を実行させる。すなわち、撮影条件を満たすと、利用者端末3は自動的に確認用画像を撮影する。
図8に示す例では、ガイド200として表示される矩形の枠線の位置と、撮影指示された貸出車両の前面の外縁の位置とが一致したと判定された場合に、自動的に確認用画像の撮影が行われる。なお、自動的に確認用画像を撮影する構成の代わりに、確認用画像の撮影を、利用者端末3を利用する利用者に促す構成としてもよい。例えば、画面表示、音声、発光等によって撮影を促す構成としてよい。ステップS104の撮影処理が完了すると、次のステップS105に処理が進められる。
【0082】
ステップS105では、制御部31は、撮影した確認用画像(画像データ)を、通信部33を利用して車両管理装置1に送信する。本実施形態で、制御部31は、好ましい形態として、送信の完了を利用者に知らせる。
図9は、確認用画像の送信を完了した後の表示画面36aの例を示す模式図である。
図9では、表示画面36aに送信完了を知らせる文字が表示されている。これにより、貸出車両の利用者は、確認用画像の送信が完了したことを明確に認識することができる。送信の完了は、文字表示に限らず、図形等を表示させることにより通知されてもよい。また、表示画面36aを利用することなく、送信完了が利用者に知らされてもよく、例えば、音声を利用して送信完了が知らされてもよい。
【0083】
ステップS106では、制御部31は、撮影条件を満たすために利用者がすべき行動を指示する行動指示を作成する。これにより、貸出車両の利用者は、より簡単に確認用画像の撮影を行うことができる。本実施形態では、行動指示は表示画面に表示される。ただし、これに限らず、行動指示は音声により行われる構成でもよい。行動指示が作成されると、ステップS107に処理が進められる。
【0084】
ステップS107では、行動指示が表示画面36aに表示される。
図8に示す例では、ガイド200と、被写体である貸出車両との位置関係を合わせるために、利用者が採るべき行動を指示する指示情報が表示画面に表示される。詳細には、利用者に対して枠線の位置と車両の外縁とを一致させるために、どのように動けばよいかを指示する指示情報が表示画面36aに表示される。より詳細には、
図8では、ガイド200として表示される枠線の位置に対して車両の外縁が内側に大きく離れており、表示画面36aに映る車両の像を大きくする必要がある。このために、「あと○m、車両に近づいてください」との指示が表示画面36aに表示されている。行動指示を表示させる処理が完了すると、ステップS103に処理が戻される。撮影OKとなるまで、ステップS103の確認処理、および、ステップS106およびS107の行動指示処理が繰り返される。
【0085】
<4.作業者端末>
(4-1.作業者端末の構成)
図10は、本発明の実施形態に係る作業者端末4の構成を示すブロック図である。なお、
図10においては、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載は省略されている。
図10に示すように、作業者端末4は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、操作部44と、表示部45とを備える。
【0086】
制御部41は、作業者端末4の全体を統括的に制御するコントローラである。制御部41は、例えば、CPU、RAM、および、ROM等を含んで構成される。記憶部42は、例えばRAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子により構成される。記憶部42は、各種のアプリや各種のデータを記憶する。通信部43は、ネットワーク5と無線で接続され、ネットワーク5を介して車両管理装置1と通信を行う。操作部44は、作業者端末4の操作を可能とする。操作部44は、例えば、タッチパネル、ボタン、又は、回転体のうち、少なくともいずれか1つで構成される。表示部45は、例えば液晶パネルや有機ELパネル等を用いて構成される。
【0087】
本実施形態では、制御部41は、記憶部42に記憶されるアプリにしたがった演算処理をCPUに実行させることにより、作業者の損傷の確認を支援する機能を発揮する。ここで言う損傷の確認は、車両管理装置1から送信される確認指示にしたがった確認処理のことである。
【0088】
(4-2.確認処理を支援する処理)
図11は、作業者端末4において実行される、損傷の確認を支援する処理の一例を示すフローチャートである。損傷の確認の支援は、例えば、確認指示のデータを受信した作業者端末4において専用アプリを実行させることにより開始される。
【0089】
ステップS111では、制御部41は、表示画面45a(
図12等参照)に確認指示を表示させる。確認指示は、例えば、指示を示す文字情報と、確認用画像とを含んで構成される。
図12は、確認指示の表示画面45aへの表示例を示す模式図である。なお、
図12に示す例では、車両管理装置1の確認指示部114が損傷の可能性があると判定している。このために、確認指示を示す文字情報と確認用画像との他に、損傷推定箇所を示すマーカ300が表示されている。マーカ300は、損傷推定箇所を囲む円形状の線と、矢印図形とを含む。ただし、マーカ300は、損傷推定箇所を指示することができればよいので、マーカの構成は適宜変更されてよい。マーカ300は、例えば文字等で構成されてもよい。確認指示の表示画面45aへの表示が完了すると、ステップS112に処理が進められる。
【0090】
ステップS112では、制御部41が、作業者の確認処理が完了したか否かを確認する。作業者は、確認指示にしたがって、確認用画像を観察して損傷が存在するか否かを確認する。なお、損傷が存在するか否かの判断を行い易いように、表示画面45aに表示される確認用画像は、作業者の操作により自由に拡大および縮小ができる構成であることが好ましい。作業者は、確認結果を、確認結果入力用の画面表示にしたがって入力する。例えば、制御部41は、当該入力の完了が確認された場合に、作業者の確認処理が完了したと判定する。確認処理が完了したと判定すると(ステップS112でYes)、次のステップS113に処理が進められる。確認処理が完了したと判定されるまで、ステップS112の処理が繰り返される。
【0091】
ステップS113では、制御部41が、作業者の確認結果データを、通信部43を利用して車両管理装置1に送信する。本実施形態で、作業者の確認処理が完了したと判定されると、自動的に確認結果が車両管理装置1に送信される構成である。ただし、作業者の確認処理が完了したと判定された場合に、作業者に確認結果の送信を行ってよいか否かを確認する構成としてもよい。
【0092】
また、本実施形態では、制御部41は、好ましい形態として、送信の完了を作業者に知らせる。
図13は、確認結果データの送信を完了した後の表示画面45aの例を示す模式図である。
図13では、表示画面45aに送信完了を知らせる文字が表示されているただし、送信の完了は、文字表示に限らず、図形等を利用して表示されてもよい。また、送信の完了は、表示画面45aを利用することなく、例えば、音声等を利用して通知されてもよい。
【0093】
<5.変形例>
以上に示した実施形態では、推定部112によって貸出車両に状態変化があると推定された場合に限って、撮影指示部113による撮影指示が行われる構成とした。ただし、これは例示に過ぎない。撮影指示部113は、走行状況データに基づいて貸出車両の状態変化がないと推定される場合においても貸出車両の画像の撮影指示を送信する構成であってもよい。このように構成することにより、走行状況データだけからでは推定できない貸出車両の状態変化を確認することが可能になる。
【0094】
すなわち、撮影指示部113は、走行状況データに基づいて貸出車両の状態変化がないと推定される場合でも、貸出車両の所定の画像の撮影指示を送信する構成としてもよい。所定の画像は、例えば、貸出車両の汚れ(状態変化の一例)の有無や、貸出車両の装備品の紛失(状態変化の一例)の発生等を確認するための画像であってよい。貸出車両の汚れとしては、例えば、貸出車両のボディの汚れの他、車室内の汚れ(例えば飲料をこぼすことによって生じる汚れ等)が挙げられる。
【0095】
具体的には、所定の画像は、貸出車両の全体画像や、貸出車両の室内の画像等であってよい。全体画像は、例えば車両の前後左右の四方を別々に撮影した画像で構成されてよい。全体画像の撮影は、貸出車両の返却場所に配置される専用の装置で行われてよい。このような構成とした場合でも、損傷の確認について作業者の負担は低減されている。このために、作業者の負担が極端に増えることを抑制しつつ、車両の状態変化をより適切に確認できる。また、このように構成することで、車両の経時変化(色の劣化等)を考慮した損傷の有無の判断を行うことも可能となる。例えば、レンタカー等は、海の近くや鉄道の駅の近傍等、車両にとって過酷な条件で保管されることが多く、経時変化を考慮した損傷の有無の判定が重要となることがある。
【0096】
なお、例えば、車両の全体画像の撮影が指示される構成等の場合には、車両の損傷の可能性がある部位(要確認部位)を含む確認用画像は、損傷の可能性がある部位を拡大して撮影した画像とすることが好ましい。
【0097】
また、別の言い方をすると、貸出車両の管理を行う車両管理システムにおいて、貸出車両の返却のタイミングで、貸出車両の利用者が貸出車両を撮影した画像を車両管理装置(例えばサーバ装置)に送信しない場合には、当該システムは、貸出車両の返却を受け付けない構成としてよい。このように構成することで、貸出車両の状態変化が生じているにもかかわらず、利用者が特に責めを負うことなく貸出車両の返却を完了してしまうといった事態が生じることを抑制することができる。
【0098】
このような構成においては、例えば、貸出車両の燃料メータや充電メータ等の撮影および送信が返却条件とされてもよい。これにより、燃料等が貸出前の状態に戻されることなく返却されることを防止することができる。
【0099】
以上では、確認用画像の確認は、作業者が行う構成としたが、これは例示である。
図14は、変形例の車両管理装置1Aの構成を示すブロック図である。変形例の車両管理装置1Aの制御部11Aは、その機能として確認部115を備える。すなわち、車両管理装置1Aは確認部115を備える。なお、変形例では、制御部11Aは、その機能として確認指示部114(
図2参照)は備えない。
【0100】
確認部115は、貸出車両の状態変化の確認を確認用画像に基づいて行う。例えば、確認部115は、貸出車両の貸出前の画像と、利用者が利用者端末3から送信した確認用画像(損傷推定箇所等を撮影した画像)との比較結果に基づいて車両の状態変化(損傷等)の有無を判定する構成であってよい。当該判定処理は、例えば
図5に示すステップS72の処理と同様であってよい。当該判定は、ディープラーニングにより学習した学習済みモデルを用いて行うことが好ましい。
【0101】
<6.留意事項等>
本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。また、本明細書中に示される複数の実施形態及び変形例は可能な範囲で適宜組み合わせて実施されてよい。
【0102】
例えば、貸出車両の貸出時(利用開始時)に所定の撮影を行うことを要件としてもよい。従来、レンタカーの貸出時には、利用者と作業者とが車両の状態を確認して貸出時の車両状態について同意する。貸出時と返却時とで、同一の条件で撮影する構成とすることにより、作業者がその場に居ない場合でも、前述の同意を得たことと同じとできる。また、撮影車両の同一性を担保するために、撮影場所にマークとなる物(日時が表示される物が好ましい)を配置して、これとナンバープレートとを同時に撮影することを返却等の条件とすることが好ましい。
【符号の説明】
【0103】
1、1A・・・車両管理装置
2・・・走行状況検出装置(ドライブレコーダ)
3・・・利用者端末
4・・・作業者端末
31・・・制御部(利用者端末の制御部)
35・・・撮影部
36・・・表示部(利用者端末の表示部)
100・・・車両管理システム
111・・・データ取得部
112・・・推定部
113・・・撮影指示部
114・・・確認指示部
115・・・確認部
200・・・ガイド