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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123958
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】伸縮可撓管
(51)【国際特許分類】
   F16J 3/04 20060101AFI20220818BHJP
   F16L 11/11 20060101ALI20220818BHJP
   F16L 11/15 20060101ALI20220818BHJP
   F16L 27/12 20060101ALI20220818BHJP
   F16J 15/52 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
F16J3/04 B
F16L11/11
F16L11/15
F16L27/12 A
F16J15/52 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021441
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】511089583
【氏名又は名称】日本ニューロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084342
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 久巳
(74)【代理人】
【識別番号】100213883
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 雅史
(72)【発明者】
【氏名】西 勇也
(72)【発明者】
【氏名】岩本 泰一
【テーマコード(参考)】
3H104
3H111
3J043
3J045
【Fターム(参考)】
3H104JA07
3H104JA08
3H104LB01
3H111AA02
3H111BA35
3H111CA42
3H111CA47
3J043AA03
3J043BA01
3J043FA07
3J043FB20
3J045AA06
3J045CB04
3J045CB06
3J045EA10
(57)【要約】
【課題】圧縮変形、S字変形、湾曲変形等の変形量を大きくすることができ、地震等における配管の変位を確実に吸収緩和できる伸縮継手を提供する。
【解決手段】周壁Pが全長に亘って山部Mと谷部Vとが交互に連続する肉厚一様の伸縮継手F1であって、山部M1の高さH1及び山部M2の高さH2(更には、山部M1,M2の幅及び谷部Vの幅S)は、周壁Pが変形した場合に、隣合う高さH1の高い山部M1,M1の間に高さH2の低い山部M2が入り込むように設定されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁が全長に亘って山部と谷部とが交互に連続する肉厚一様の伸縮可撓管であって、
山部の高さ、山部の幅及び谷部の幅の少なくとも一つが変化するパターンを有することを特徴とする伸縮可撓管。
【請求項2】
山部の全部又は一部の高さが高低変化するパターンを有することを特徴とする、請求項1に記載するベロース型可撓管。
【請求項3】
山部の全部又は一部の幅が広狭変化するパターンを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載する伸縮可撓管。
【請求項4】
谷部の全部又は一部の幅が広狭変化するパターンを有すること特徴とする、請求項1~3の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項5】
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと低いものとが交互に並んでおり、両端部に位置する山部の高さが低いものであるパターンを有することを特徴とする、請求項1~4の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項6】
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと低いものとが交互に並んでおり、両端部に位置する山部の高さが高いものであるパターンを有することを特徴とする、請求項1~5の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項7】
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと高さの低いものとが並んでおり、各端部に位置する高い山部に隣接する山部の高さ及び中央部に位置する山部の高さが低いものであり、高さの低い山部間に一対の高さの高い山部があるパターンを有することを特徴とする、請求項1~6の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項8】
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと高さの低いものとが並んでおり、各端部に位置する低い山部に隣接する山部の高さ及び中央部に位置する山部の高さが高いものであり、高さの高い山部間に一対の高さの低い山部があるパターンを有することを特徴とする、請求項1~7の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項9】
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと高さの低いものと両山部の中間の高さのものが並んでおり、各端部に位置する山部及び中央部に位置する山部の高さが最も低いものであり、最も低い山部間の中央部に位置するの高さが最も高いものであり、最も高い山部から最も低い山部へと順次高さが低くなっているパターンを有することを特徴とする、請求項1~8の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項10】
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと高さの低いものと両山部の中間の高さのものが並んでおり、各端部に位置する山部及び中央部に位置する山部の高さが最も高いものであり、最も高い山部間の中央部に位置するの高さが最も低いものであり、最も高い山部から最も低い山部へと順次高さが低くなっているパターンを有することを特徴とする、請求項1~9の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項11】
各谷部の幅を同一とする奇数個の山部が、高さの高いものと低いものとが交互に並んでおり、高さの低い山部の幅が大きく且つ高さの高い山部の幅が小さく、高さの低い山部が端部から1つおきに位置しているパターンを有することを特徴とする、請求項1~10の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項12】
各谷部の幅を同一とする奇数個の山部が、高さの高いものと低いものとが交互に並んでおり、高さの高い山部の幅が大きく且つ高さの低い山部の幅が小さく、高さの高い山部が端部から1つおきに位置しているパターンを有することを特徴とする、請求項1~11の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項13】
高さが同一である奇数個の山部からなり、各端部の山部から中央部の山部へと山部の幅及び谷部の幅が各々順次小さくなるパターンを有することを特徴とする、請求項1~12の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項14】
高さ及び幅が各々同一である複数個の山部からなり、山部間の各谷部の幅が山部の幅より大きいパターンを有することを特徴とする、請求項1~13の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項15】
山部の高さ及び幅が各々同一である二つの山部が一組として複数組並んでおり、この一組の山部とこれに隣接する一組の山部との間の谷部の幅を各組の山部間の谷部の幅より大きくするパターンを有することを特徴とする、請求項1~14の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項16】
幅が同一である奇数個の山部からなり、各端部及び中央部に位置する山部の高さが高いものであり、各端部に位置する山部に隣接する山部及び中央部に位置する山部に隣接する各山部の高さが低いものであり、各端部に位置する山部に隣接する山部と中央部に位置する山部に隣接する各山部との間の谷部の幅が、各端部に位置する山部とこれに隣接する山部との間の谷部及び中央部に位置する山部とこれに隣接する各山部との谷部の幅より大きいものであるパターンを有することを特徴とする、請求項1~15の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項17】
幅が同一である奇数個の山部からなり、各端部及び中央部に位置する山部の高さが低いものであり、各端部に位置する山部に隣接する山部及び中央部に位置する山部に隣接する各山部の高さが高いものであり、各端部に位置する山部に隣接する山部と中央部に位置する山部に隣接する各山部との間の谷部の幅が、各端部に位置する山部とこれに隣接する山部との間の谷部及び中央部に位置する山部とこれに隣接する各山部との谷部の幅より大きいものであるパターンを有することを特徴とする、請求項1~16の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項18】
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと低いものとが並んでおり、両端部に位置する高さが最も高い山部から中央部に位置する高さが最も低い山部へと順次高さが低くなっているパターンを有することを特徴とする、請求項1~17の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項19】
奇数個の山部からなり、各端部に位置する山部の高さ及び幅が最大であり、中央部に位置する山部の高さ及び幅が最小であり、中央部の山部から各端部の山部へと山部の高さ、幅及び谷部の幅が順次大きくなっているパターンを有することを特徴とする、請求項1~18の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項20】
幅及び谷部の幅が各々同一である奇数個の山部からなり、山部の高さが中央部に位置するものから各端部に位置する山部へと順次低くなっているパターンを有することを特徴とする、請求項1~19の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項21】
奇数個の山部からなり。各端部に位置する山部から中央部に位置する山部へと山部の高さ、幅及び谷部の幅が各々順次大きくなっているパターンを有することを特徴とする、請求項1~20の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項22】
山部の高さ及び谷部の幅が各々同一である奇数個の山部からなり、山部の幅が大きい山部と小さい山部とが交互に並んでおり、端部に位置する山部の幅が大きいパターンを有することを特徴とする、請求項1~21の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項23】
高さが同一である奇数個の山部からなり、中央部に位置する山部から各端部に位置する山部へと山部の幅及び山部間の谷部の幅を順次大きくするパターンを有することを特徴とする、請求項1~22の何れかに記載する伸縮可撓管。
【請求項24】
前記パターンが周壁の全長又は一部に形成される伸縮継手であることを特徴とする、請求項1~23の何れかに記載する伸縮可撓管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震等による配管の変位を吸収する伸縮継手、連結管等の伸縮可撓管に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周壁が全長に亘って山部と谷部とが交互に連続する肉厚一様の伸縮継手等の伸縮可撓管は、山部及び谷部の軸線方向間隔が変位することにより圧縮変形、S字変形、湾曲変形等の変位が行われ、地震等の配管の変位を吸収緩和できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭50-127047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の伸縮可撓管は、例えば特許文献1に開示されるように、高さ及び幅が各々同一である山部と幅が同一である谷部とが交互に並んでいるために。隣接する山部同士が干渉して圧縮変形、S字変形、湾曲変形等の変形量が小さく、地震等における配管の変位を確実に吸収緩和できない虞れがあった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決して、圧縮変形、S字変形、湾曲変形等の変形量が大きく、地震等における配管の変位を確実に吸収緩和できる伸縮継手等の伸縮可撓管を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、周壁が全長に亘って山部と谷部とが交互に連続する肉厚一様の伸縮継手等の伸縮可撓管であって、特に上記の目的を達成すべく、山部の高さ、山部の幅及び谷部の幅の少なくとも一つが変化するパターンを有することを特徴とする伸縮可撓管を提案するものである。
【0007】
かかる本発明の伸縮可撓管の好ましい実施の形態にあっては、山部の全部又は一部の高さが高低変化するパターン、山部の全部又は一部の幅が広狭変化するパターン及び谷部の全部又は一部の幅が広狭変化するパターンの少なくとも一つを有するものである。
【0008】
具体的には、本発明の伸縮可撓管は、
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと低いものとが交互に並んでおり、両端部に位置する山部の高さが低いものであるパターン、
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと低いものとが交互に並んでおり、両端部に位置する山部の高さが高いものであるパターン、
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと高さの低いものとが並んでおり、各端部に位置する高い山部に隣接する山部の高さ及び中央部に位置する山部の高さが低いものであり、高さの低い山部間に一対の高さの高い山部があるパターン、
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと高さの低いものとが並んでおり、各端部に位置する低い山部に隣接する山部の高さ及び中央部に位置する山部の高さが高いものであり、高さの高い山部間に一対の高さの低い山部があるパターン、
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと高さの低いものと両山部の中間の高さのものが並んでおり、各端部に位置する山部及び中央部に位置する山部の高さが最も低いものであり、最も低い山部間の中央部に位置するの高さが最も高いものであり、最も高い山部から最も低い山部へと順次高さが低くなっているパターン、
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと高さの低いものと両山部の中間の高さのものが並んでおり、各端部に位置する山部及び中央部に位置する山部の高さが最も高いものであり、最も高い山部間の中央部に位置するの高さが最も低いものであり、最も高い山部から最も低い山部へと順次高さが低くなっているパターン、
各谷部の幅を同一とする奇数個の山部が、高さの高いものと低いものとが交互に並んでおり、高さの低い山部の幅が大きく且つ高さの高い山部の幅が小さく、高さの低い山部が端部から1つおきに位置しているパターン、
各谷部の幅を同一とする奇数個の山部が、高さの高いものと低いものとが交互に並んでおり、高さの高い山部の幅が大きく且つ高さの低い山部の幅が小さく、高さの高い山部が端部から1つおきに位置しているパターン、
高さが同一である奇数個の山部からなり、各端部の山部から中央部の山部へと山部の幅及び谷部の幅が各々順次小さくなるパターン、
高さ及び幅が各々同一である複数個の山部からなり、山部間の各谷部の幅が山部の幅より大きいパターン、
山部の高さ及び幅が各々同一である二つの山部が一組として複数組並んでおり、この一組の山部とこれに隣接する一組の山部との間の谷部の幅を各組の山部間の谷部の幅より大きくするパターン、
幅が同一である奇数個の山部からなり、各端部及び中央部に位置する山部の高さが高いものであり、各端部に位置する山部に隣接する山部及び中央部に位置する山部に隣接する各山部の高さが低いものであり、各端部に位置する山部に隣接する山部と中央部に位置する山部に隣接する各山部との間の谷部の幅が、各端部に位置する山部とこれに隣接する山部との間の谷部及び中央部に位置する山部とこれに隣接する各山部との谷部の幅より大きいものであるパターン、
幅が同一である奇数個の山部からなり、各端部及び中央部に位置する山部の高さが低いものであり、各端部に位置する山部に隣接する山部及び中央部に位置する山部に隣接する各山部の高さが高いものであり、各端部に位置する山部に隣接する山部と中央部に位置する山部に隣接する各山部との間の谷部の幅が、各端部に位置する山部とこれに隣接する山部との間の谷部及び中央部に位置する山部とこれに隣接する各山部との谷部の幅より大きいものであるパターン、
各山部の幅及び各谷部の幅を各々同一とする奇数個の山部が高さの高いものと低いものとが並んでおり、両端部に位置する高さが最も高い山部から中央部に位置する高さが最も低い山部へと順次高さが低くなっているパターン、
奇数個の山部からなり、各端部に位置する山部の高さ及び幅が最大であり、中央部に位置する山部の高さ及び幅が最小であり、中央部の山部から各端部の山部へと山部の高さ、幅及び谷部の幅が順次大きくなっているパターン、
幅及び谷部の幅が各々同一である奇数個の山部からなり、山部の高さが中央部に位置するものから各端部に位置する山部へと順次低くなっているパターン、奇数個の山部からなり、各端部に位置する山部から中央部に位置する山部へと山部の高さ、幅及び谷部の幅が各々順次大きくなっているパターン、
山部の高さ及び谷部の幅が各々同一である奇数個の山部からなり、山部の幅が大きい山部と小さい山部とが交互に並んでおり、端部に位置する山部の幅が大きいパターン又は
高さが同一である奇数個の山部からなり、中央部に位置する山部から各端部に位置する山部へと山部の幅及び山部間の谷部の幅を順次大きくするパターンを有するものである。すなわち、かかるバターンから選択されたものを一つ以上有するものであって、このパターンを周壁の全長に亘って形成するか、周壁の一部に亘って形成すると共に他の部分を一般的なパターン(高さが同一である山部が連続するパターン等)を形成する。
【0009】
本発明の伸縮可撓管としては、前記パターンが周壁の全長又は一部に形成される伸縮継手であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の伸縮可撓管は、山部の高さ、山部の幅及び谷部の幅の少なくとも一つが変化するパターンを有するものであり、このパターンが形成された周壁部分では山部の高さ、山部の幅又は谷部の少なくとも一つが大きく変化してその変形量を大きくできるから、地震等における配管の変位(圧縮変形、S字変形、湾曲変形等)を確実に吸収緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は本発明に係る伸縮可撓管の一例を示す半截の断面図である。
図2図2は同伸縮可撓管の圧縮変形の状態を示す断面図である。
図3図3は同伸縮可撓管のS字変形の状態を示す断面図である。
図4図4は同伸縮可撓管の湾曲変形の状態を示す断面図である。
図5図5は本発明に係る伸縮可撓管の変形例を示す半截の断面図である。
図6図6は本発明に係る伸縮可撓管の他の変形例を示す半截の断面図である。
図7図7は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図8図8は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図9図9は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図10図10は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図11図11は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図12図12は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図13図13は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図14図14は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図15図15は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図16図16は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図17図17は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図18図18は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図19図19は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図20図20は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図21図21は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図22図22は本発明に係る伸縮可撓管の更に他の変形例を示す半截の断面図である。
図23図23は従来の伸縮可撓管の半截の断面図である。
図24図24は同伸縮可撓管の圧縮変形の状態を示す断面図である。
図25図25は同伸縮可撓管のS字変形の状態を示す断面図である。
図26図26は同伸縮可撓管の湾曲変形の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を図1図4に基づいて説明する。
【0013】
図1は本発明に係る伸縮可撓管の一例を示す半截の断面図であり、図2は同伸縮管の圧縮変形の状態を示す断面図であり、図3は同伸縮管のS字変形の状態を示す断面図であり、図4は同伸縮管の湾曲変形の状態を示す断面図である。
【0014】
本発明に係る伸縮可撓管Fは、周壁Pが全長に亘って山部Mと谷部Vとが交互に連続する肉厚一様のものであって、山部Mの高さH、山部Mの幅S及び谷部Vの幅Sの少なくとも一つが変化するパターン、つまり山部Mの全部又は一部の高さHが高低変化するパターン、山部Mの全部又は一部の幅Wが広狭変化するパターン及び谷部Vの全部又は一部の幅Sが広狭変化するパターンの少なくとも一つのパターンを有するものである。
【0015】
すなわち、図1に示す伸縮可撓管の一例である伸縮継手(以下「第1伸縮継手」という)F1は、各山部Mの幅W及び各谷部Vの幅Sを各々同一とする奇数個(この例では9個)の山部Mが高さH1の高いものM1と高さH2の低いものM2とが交互に並んでおり、端部に位置する各山部M2の高さH2が低いものであるパターンからなる。
【0016】
第1伸縮継手F1においては、山部M1の高さH1及び山部M2の高さH2(更には、山部M1,M2の幅W及び谷部Vの幅S)とは、周壁Pが変形した場合に、隣合う高さH1の高い山部M1,M1の間に高さH2の低い山部M2が入り込むように設定されている。すなわち、圧縮変形した状態、S字変形した状態又は湾曲変形した状態において、隣合う高さH1の高い山部M1,M1の間に高さH2の低い山部M2が相互に干渉することなく入り込むように設定されている。
【0017】
したがって、このように高い山部M1と低い山部M2とが相互に干渉しないように設定されているから、図2に示す如く圧縮変形Aした状態、図3に示す如くS字変形Bした状態又は図4に示す如く湾曲変形Cした状態において、各変形量が十分に大きく、地震等による配管の変位を確実に吸収緩和できる。なお、図1図4においては、圧縮変形を矢印Aで示し、S字変形を矢印Bで示し、湾曲変形を矢印Cで示す(以下の図5図22において同じ)。
【0018】
ところで、比較例として従来の伸縮可撓管つまり伸縮継手fを変形させてみた。この伸縮継手fは、図23に示す如く、周壁pの長さ及び径が上記周壁Pと同一であり、9個の山部mの高さhが長尺な上記山部M1の高さH1と同一のもので、山部mの幅w及び谷部vの幅sを夫々上記山部Mの幅W及び谷部Vの幅Sと同一とするものである。
【0019】
従来の伸縮継手fでは、隣接する山部m,m同士が干渉するため変形がし辛く、図24に示す圧縮変形(矢印aで示す)、図25に示すs字変形(矢印bで示す)及び図26に示す湾曲変形(矢印cで示す)が、何れも図2図4に示す第1伸縮継手の変形量に比して大幅に小さいことが理解される。
【0020】
本発明は上記の形態(第1伸縮継手F1)に限定されず、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において適宜に改良、変更できる。例えば、図5図22に示すように、種々の形状が考えられる。
【0021】
図5に示す伸縮継手(以下「第2伸縮継手」という)F2は、第1伸縮継手と山部M1,M2の配置のみを異にするものであり、図2に示す圧縮変形A、図3に示すS字変形B及び図4に示す湾曲変形Cと同様の変形を可能とする。
【0022】
すなわち、第2伸縮継手F2は、図5に示す如く、各山部Mの幅W及び各谷部Vの幅Sを各々同一とする奇数個(この例では9個)の山部が高さH1の高いものM1と高さH2の低いものM2とが交互に並んでおり、各端部に位置する山部M1の高さH1が高いものであるパターンからなるものである。
【0023】
また、図6に示す伸縮継手(以下「第3伸縮継手」という)F3は。各山部Mの幅W及び各谷部Vの幅Sを各々同一とする奇数個(この例では9個)の山部が高さH1の高いものM1と高さのH2の低いものM2とが並んでおり、各端部に位置する高さH1の高い山部M1に隣接する山部M2の高さH2及び中央部に位置する山部M2の高さH2が低いものであり、高さH2の低い山部M2,M2間に一対の高さH1の高い山部M1,M1があるパターンからなる。このパターンにおいても、高さH1の高い山部M1,M1間に高さH2の低い山部M2が入り込むことにより、第3伸縮継手F3が圧縮変形A、S字変形B及び湾曲変形Cmの変形量が大きく、その吸収緩和が確実に行われる。
【0024】
また、図7に示す伸縮継手(以下「第4伸縮継手」という)F4は、高い山部M1と低い山部M2とを第3伸縮継手と異にするものである。すなわち、第4伸縮継手F4では、各山部M1,M2の幅W及び各谷部Vの幅Sを各々同一とする奇数個(この例では9個)の山部が高さH1の高いものM1と高さH2の低いものM2とが並んでおり、各端部に位置する山部M2に隣接する山部M1及び中央部に位置する山部M1の高さH1が高いものであり、高さH1の高い山部M1,M1間に一対の高さH2の低い山部M2,M2があるパターンからなる。
【0025】
また、図8に示す伸縮継手(以下「第5伸縮継手」という)F5は、各山部M1,M2,M3の幅W及び各谷部Vの幅Sを各々同一とする奇数個(この例では9個)の山部が高さH1の高いものM1と高さH3の低いものM3と両山部M1,M3の中間の高さH2のものM2とが並んでおり、各端部に位置する山部M3及び中央部に位置する山部M3の高さH3が最も低いものであり、最も低い山部M3,M3間の中央部に位置する山部M1の高さH1が最も高いものであり、最も高い山部M1から最も低い山部M3へと順次高さが低くなっているパターンからなる。
【0026】
また、図9に示す伸縮継手(以下「第6伸縮継手」という)F6は、第5伸縮継手F5と基本的に同じものであり、山部M1,M2,M3の位置が異なるものである。すなわち、第6伸縮継手F6は、各山部M1,M2,M3の幅W及び各谷部Vの幅Sを各々同一とする奇数個(この例では9個)の山部が高さH1の高いものM1と高さH3の低いものM3と両山部M1,M3の中間の高さH2のものM2が並んでおり、各端部に位置する山部M1及び中央部に位置する山部M1の高さH1が最も高いものであり、最も高い山部M1,M1間の中央部に位置するの高さH3が最も低いものであり、最も高い山部M1から最も低い山部M3へと順次高さが低くなっているパターンからなる。
【0027】
また、図10に示す伸縮継手(以下「第7伸縮継手」という)F7は、各谷部Vの幅Sを同一とする奇数個(この例では9個)の山部が、高さH1の高いものM1と高さH2の低いものM2とが交互に並んでおり、高さH2の低い山部M2の幅W2が大きく且つ高さH1の高い山部M1の幅W1が小さく、高さH2の低い山部M2が端部から1つおきに位置しているパターンからなる。この第7伸縮継手F7においても、圧縮変形A、S字変形B又は湾曲変形Cが十分に行われる。
【0028】
また、図11に示す伸縮継手(以下「第8伸縮継手」という)F8は。山部M1,M2の関係が第7伸縮継手と異なるに過ぎないものである。すなわち、第8伸縮継手F8は、各谷部Vの幅Sを同一とする奇数個(この例では9個)の山部が、高さH1の高いものM1と高さH2の低いものM2とが交互に並んでおり、高さH1の高い山部M1の幅W1が大きく且つ高さH2の低い山部M2の幅W2が小さく、高さH1の高い山部M1が端部から1つおきに位置しているパターンからなる。
【0029】
また、図12に示す伸縮継手(以下「第9伸縮継手」という)F9は、高さHが同一である奇数個(この例では5個)の山部M1,M2,M3からなり、各端部の山部M1から中央部の山部M3へと山部の幅W1,W2,W3及び谷部V1,V2の幅S1,S2が各々順次小さくなるパターンからなる。第9伸縮継手F9においては、山部M1,M2,M3の幅W1,W2,W3及びこれらの間の谷部V1,V2が、圧縮変形A、S字変形B又は湾曲変形Cが十分に大きく行われるように設定する。
【0030】
また、図13に示す伸縮継手(以下「第10伸縮継手」という)F10は、高さH及び幅Wが各々同一である複数個(この例では5個)の山部Mからなり、山部M,M間の各谷部Vの幅Sが山部Mの幅Wより大きいパターンからなす。この第10伸縮継手F10においては、谷部Vの幅Sを適当に設定することによりS字変形B及び湾曲変形Cの変形量を大きくすることできる。圧縮変形Aの変形量についてはさほど大きくならないが、従来の伸縮継手fと同程度には変形できる。
【0031】
また、図14に示す伸縮継手(以下「第11伸縮継手」という)F11は、基本的に第10伸縮継手と同様のものである。すなわち、第11伸縮継手は、山部Mの高さH及び幅Wが各々同一である二つの山部M,Mが一組として複数組(この例では3組)並んでおり、この一組の山部M,Mとこれに隣接する一組の山部M,Mとの間の谷部V2の幅S2を各組の山部M,M間の谷部V1の幅S1より大きくするパターンからなる。
【0032】
また、図15に示す伸縮継手(以下「第12伸縮継手」という)F12は、幅Wが同一である奇数個(この例では7個)の山部M1,M2からなり、各端部及び中央部に位置する山部M1の高さH1が高いものであり、各端部に位置する山部M1に隣接する山部M2及び中央部に位置する山部M1に隣接する各山部M2の高さH2が低いものであり、各端部に位置する山部M1に隣接する山部M2と中央部に位置する山部M1に隣接する各山部M2との間の谷部V2の幅S2が、各端部に位置する山部M1とこれに隣接する山部M2との間の谷部V1及び中央部に位置する山部M1とこれに隣接する各山部M2との谷部V1の幅S1より大きいものであるパターンからなる。
【0033】
また、図16に示す伸縮継手(以下「第13伸縮継手」という)F13は、第12伸縮継手と配置が異なっているものである、すなわち、第13伸縮継手F13は、幅Wが同一である奇数個(この例では7個)の山部M1,M2からなり、各端部及び中央部に位置する山部M2の高さH2が低いものであり、各端部に位置する山部M2に隣接する山部M1及び中央部に位置する山部M2に隣接する各山部M1の高さH1が高いものであり、各端部に位置する山部M2に隣接する山部M1と中央部に位置する山部M2に隣接する各山部M1との間の谷部V2の幅S2が、各端部に位置する山部M2とこれに隣接する山部M1との間の谷部V1及び中央部に位置する山部M2とこれに隣接する各山部M1との谷部V1の幅S1より大きいものであるパターンからなる。第11~第13伸縮継手F11,F12,F13については、第10伸縮継手F10と同様に、S字変形B及び湾曲変形Cの変形量を大きくすることできるが、圧縮変形Aについてはさほど大きくできないものの従来の伸縮継手fと同程度には変形できる。
【0034】
また、図17に示す伸縮継手(以下「第14伸縮継手」という)F14は、各山部M1,M2,M3,M4,M5の幅W及び各谷部Vの幅Sを各々同一とする奇数個(この例では9個)の山部M1,M2,M3,M4,M5が高さH1,H2,H3,H4,H5の高いものと低いものとが並んでおり、各端部に位置する高さH1が最も高い山部M1から中央部に位置する高さH5が最も低い山部M5へと順次高さが低くなっているパターンからなる。この第14伸縮継手F14は、圧縮変形A及び湾曲変形Cについては十分に変形量が大きいが、S字変形Bについては変形量が小さく、従来の伸縮継手fと同等程度となる。
【0035】
また、図18に示す伸縮継手(以下「第15伸縮継手」という)F15は、奇数個(この例では5個)の山部Mからなり、各端部に位置する山部M1の高さH1及び幅W1が最大であり、中央部に位置する山部M3の高さH3及び幅W3が最小であり、中央部の山部M3から各端部の山部M1へと山部Mの高さH、幅W及び谷部Vの幅Sが順次大きくなっているパターンからなる。この第15伸縮継手においても、第14伸縮継手F14と同様に、圧縮変形A及び湾曲変形Cについては十分に行われるが、S字変形Bについては変形量が小さく、従来の伸縮継手fと同等程度である。
【0036】
また、図19に示す伸縮継手(以下「第16伸縮継手」という)F16は、幅及び谷部の幅が各々同一である奇数個(この例では9個)の山部Mからなり、山部Mの高さHが中央部に位置するものM1から各端部に位置する山部M5へと順次低くなっているパターンからなる。この第16伸縮継手F16においては。圧縮変形A及びS字変形Bについては十分有効に行われ。湾曲変形Cについては変形量が小さく、従来の伸縮継手fと同等程度に行われる。
【0037】
また、図20に示す伸縮継手(以下「第17伸縮継手」という)F17は、奇数個(この例では5個)の山部Mからなり、各端部に位置する山部M3から中央部に位置する山部M1へと山部Mの高さH、幅W及び谷部Vの幅Sが各々順次大きくなっているパターンからなる。この第17伸縮継手F17においては、第16伸縮継手F16と同様、圧縮変形A及びS字変形Bについては十分有効に行われ、湾曲変形Cについては変形量が小さく、従来の伸縮継手fと同等程度となる。
【0038】
また、図21に示す伸縮継手(以下「第18伸縮継手」という)F18は、山部Mの高さH及び谷部Vの幅Sが各々同一である奇数個(この例では9個)の山部Mからなり、山部Mの幅Wが大きい山部M1と小さい山部M2とが交互に並んでおり、端部に位置する山部M1の幅W1が大きいパターンからなる。この第18伸縮継手F18においては、圧縮変形Aについては十分有効に行われ。S字変形B及び湾曲変形Cについては変形量が小さく、従来の伸縮継手fと同等程度に行われる。
【0039】
また、図22に示す伸縮継手(以下「第19伸縮継手」という)F19は、高さHが同一である奇数個(この例では5個)の山部Mからなり、中央部に位置する山部M1から各端部に位置する山部M3へと山部Mの幅W及び山部間の谷部Vの幅Sを順次大きくするパターンからなる。この第19伸縮継手」という)F19においても、第18伸縮継手F18と同様に、圧縮変形Aについては十分有効に行われるが、S字変形B及び湾曲変形Cについては変形量が小さく、従来の伸縮継手fと同等程度とされる。
【0040】
また、上記実施の形態では、周壁の全長に亘って図1図5図22に示す各パターンを形成する例を示したが、周壁の全長に亘って上記パターンから選択されたものを組み合わせて形成してもよい。更には、周壁の一部に上記パターンから選択されたものを形成すると共に、周壁の残部には従来の伸縮継手fに形成されたもの又はその他のものを形成するようにしてもよい。
【0041】
また、上記実施の形態では、本発明の伸縮可撓管を伸縮継手に適用した例を示したが、伸縮継手以外の連結管等の伸縮可撓管にも適用することができる。特に、長尺なものでは、必要に応じた部分を上記各パターン又はこれらを組み合わせたパターンで構成しておくことができる。
【符号の説明】
【0042】
H 山部の高さ
M 山部
P 周壁
S 谷部の幅
V 谷部
W 山部の幅
図1
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