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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022123992
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】計量混合機を含むシステム
(51)【国際特許分類】
   B01F 35/80 20220101AFI20220818BHJP
   A23L 27/10 20160101ALI20220818BHJP
   A23L 27/20 20160101ALI20220818BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20220818BHJP
   A61K 8/00 20060101ALN20220818BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALN20220818BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALN20220818BHJP
【FI】
B01F15/04 F
A23L27/10
A23L27/20
B01F15/02 B
A61K8/00
A61Q13/00 100
A61Q1/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021498
(22)【出願日】2021-02-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】399005482
【氏名又は名称】水野 善郎
(71)【出願人】
【識別番号】521068507
【氏名又は名称】前田 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180208
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 洋
(72)【発明者】
【氏名】水野 善郎
(72)【発明者】
【氏名】前田 一樹
【テーマコード(参考)】
4B047
4C083
4G037
【Fターム(参考)】
4B047LB02
4B047LB09
4B047LG43
4B047LP02
4B047LP09
4B047LP20
4C083BB21
4C083BB41
4C083FF01
4C083FF05
4G037AA03
4G037BC01
4G037BD02
4G037BE03
(57)【要約】
【課題】
本発明の課題は、意図した配合の最終混合体を、予め長さ当たりの有効成分が均一に製造したスティック中間体を複数使用して、分離する長さを計測し、その長さ分のスティック中間体を分離するという簡単な操作で、必要な分量の有効成分を取得し混合することにより生成することができる計量混合システムを提供することである。
【解決手段】
有効成分に必要な添加物を混合して生成した、長さ当たりの有効成分が均一である複数種類のスティック中間体を使用して、個々の前記スティク中間体の長さを計量し切断分離することで、意図した配合の最終混合体を生成する計量混合機を含むシステム。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分に必要な添加物を混合して生成した、長さ当たりの有効成分が均一である複数種類のスティック中間体を使用して、個々の前記スティク中間体の長さを計ることにより計量し切断分離することで、意図した配合の最終混合体を生成する計量混合機を含むシステム。
【請求項2】
前記複数種類のスティック中間体には、前記有効成分の種類が同一ではあるが横断面の断面積又は前記均一とする濃度が異なるスティック中間体が含まれることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スティック中間体は、前記有効成分の種類又は大小に応じて、前記使用に供されない端部の形状が変化させられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記添加物は、基溶剤、結合剤、潤滑剤、ph調整剤から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記スティック中間体にはコーティングを施してあることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記スティク中間体の供給及び流通に利用される、前記スティック中間体が複数収納できるマガジンをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
請求項1のシステムにおいて、a)前記最終混合体を生成した後、必要な添加物を混合して打錠する打錠手段、b)前記最終混合体を生成した後、必要な添加物を混合して液体生成する液体生成手段、c)前記最終混合体を生成した後、分包する分包手段から選ばれる少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記計量混合機は、有効成分となる原材料の必要量に応じて、前記横断面の断面積を増減させたスティク中間体を使用可能であることを特徴とする請求項1のシステム。
【請求項9】
前記システムは、個人の薬物治療に適応させた自動調剤機を含むシステムであって、該自動調剤機に前記計量混合機が組み入れられていることを特徴とする請求項1のシステム。
【請求項10】
前記システムは、調理スパイスを調合するシステムであることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、工場生産プロセスの原材料計量混合に使用するシステムであることを特徴とする請求項1のシステム。
【請求項12】
前記システムは、個人に合わせた化粧品、医薬部外品もしくは香水の精製、塗色の生成から選ばれる少なくとも一つにおける原材料計量混合に使用するシステムであることを特徴とする請求項1のシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意図した配合の最終混合体を生成する計量混合機を含むシステム、特にスティック中間体を使用した計量混合機を含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数種類の材料から混合体を生成する場合、個々の材料の重量を測定することにより個々の材料の分量を計量することが通常であった。重量測定による分量の計量は、重量測定機器を操作するため熟練
の技術が要求され、煩雑な作業であった。
従来の調剤又は自己調整において、錠剤に予め設けられた分割線に従って、1/2、1/4というように製造時に設けられた長さもしくは位置において分割するスコアリングは存在していたが、任意の長さもしくは位置において分割できない方式であった。仮に予め設けられた分割線以外の長さもしくは位置で分割する場合、分量を正確に計量するには、非常に高度で煩雑な作業を要することになる。
【0003】
特許文献1には、多量の小さな顆粒状の材料を使用して、投与する容積を変化させることにより、分量を計量する技術が記載されている。
投与チャンバの容積を設定する調節装置を有し、前記調節装置は、前記投与チャンバの容積を変化させるために駆動装置によって回転軸線に平行に前後に動くことができる少なくとも1つの可動的に取り付けられた調節要素を有する投与ユニットを特徴の一つする投与器具に関する技術である。
【0004】
移送開口部相互間の配置状態及び回転軸線の実質的に水平な位置合わせの結果として、投与チャンバ内の容積を変化させる調節装置をチャンバの位置とは無関係に、簡単な仕方で案内することができるため、投与器具をコンパクトに保つことができることが記載されている。
【0005】
しかしながら、計量混合機能に着目すると、不定形の小粒状製剤を使用するためその収容するための投与チャンバを必要するものであり、計量のために投与チャンバ内の容積を変化させる調節装置を必要とするものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2006-526629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、意図した配合の最終混合体を、予め長さ当たりの有効成分が均一に製造したスティック中間体を複数使用して、必要分量に相当する長さを計り、その長さ分のスティック中間体を切断分離するという簡単な操作で、必要な分量の有効成分を計量し混合することにより生成することができる計量混合機を含むシステムを提供することである。
ここでスティック中間体とは、所定の有効成分と必要な添加物とを混合して生成した、長さ当たりの有効成分が均一である棒状に成形した、原材料となる有効成分から最終混合体を生成するまでの中間プロセスで使用される材料のことを指す用語である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の観点では、有効成分に必要な添加物を混合して生成した、長さ当たりの有効成分が均一である複数種類のスティック中間体を使用して、個々の前記スティク中間体の長さを計ることにより計量し切断分離することで、意図した配合の最終混合体を生成する計量混合機を含むシステムが提供される。
ここで、前記複数種類のスティック中間体には、前記有効成分の種類が同一ではあるがその断面積又は前記均一とする濃度が異なるスティック中間体が含まれる、としてもよい。
さらには、前記スティック中間体は、前記有効成分の種類又は大小に応じて、前記使用に供されない端部(以下、後端部という。)の形状が変化させられている、としてもよい。後端部の長さ、横断面の形状、横断面の面積といったスティック中間体の後端部を特徴づける形状に変化が加えられることによって、スティック中間体の識別性が高まり、スティック中間体の取違を防止することができる。
【0009】
ここで前記添加物は、基溶剤、結合剤、潤滑剤、ph調整剤から選ばれる少なくとも一つである、としてもよい。
【0010】
前記スティック中間体にはコーティングを施してある、としてもよい。
【0011】
上記システムは、前記スティク中間体の供給及び流通に利用される、前記スティック中間体が複数収納できるマガジンをさらに含む、としてもよい。
マガジンをシステムに含むことにより、スティック中間体の供給及び流通における取り扱いが容易になり、さらには品質の保全も容易になる。
【0012】
上記システムにおいて、a)前記最終混合体を生成した後、必要な添加物を混合して打錠する打錠手段、b)前記最終混合体を生成した後、必要な添加物を混合して液体生成する液体生成手段、c)前記最終混合体を生成した後、分包する分包手段から選ばれる少なくとも一つをさらに含む、としてもよい。
【0013】
前記計量混合機は、有効成分となる原材料の必要量に応じて、その横断面の直径等を変えて断面積を増減させたスティク中間体を使用可能である、としてもよい。
【0014】
上記システムは、個人の薬物治療に適応させた自動調剤機を含むシステムであって、該自動調剤機に前記計量混合機が組み入れられている、としてもよい。
【0015】
上記システムは、調理スパイスを調合するシステムである、としてもよい。
【0016】
上記システムは、工場生産プロセスの原材料計量混合に使用するシステムである、としてもよい。
【0017】
上記システムは、個人に合わせた化粧品、医薬部外品又は香水の精製、塗色の生成から選ばれる少なくとも一つにおける原材料計量混合に使用するシステムである、としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施例のシステムのハードウエア構成を示した概略図である。
図2図2は、本実施例の計量混合機に使用されるスティック中間体とマガジンの概略図である。
図3図3は、本実施例のスティック中間体の生成プロセスを示すフローチャートである。
図4図4は、本実施例の計量混合機の主要構成を示した概略図である。
図5図5は、本実施例の打錠機の主要構成を示した概略図である。
図6図6は、本実施例の液体生成機の主要構成を示した概略図である。
図7図7は、本実施例の分包機の主要構成を示した概略図である。
図8図8は、本実施例の投薬機の主要構成を示した概略側面透視図である
図9図9は、本実施例の計量混合機で生成された最終混合体シリンダーに吐き出された状態を示したイメージ図である。
図10図10は、プランジャーロッドの押し出しにより、シリンダー内の最終混合体が投薬される様子を示したイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
意図した配合の最終混合体を簡単な操作で精度よく生成できるシステムを提供するという目的を、予め長さ当たりの有効成分が均一に製造されたスティック中間体を複数使用して、それらのスティック中間体を分離する長さを計測し、その長さ分のスティック中間体を分離する機能を備えた計量混合機を含むシステムにより実現した。
【実施例0020】
(システム構成図)
図1は、本実施例のシステムに含まれるハードウエア構成を示した概略図である。本実施例は、本発明のシステムを調剤業務又は自己調整に適用したものであるが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない。例えば、化粧品、医薬部外品又は香水の精製あるいは塗色の生成における原材料計量混合に使用するシステムなどに適用可能である。 また、調理スパイス調合するシステムに適用することも可能である。 さらには、システムの規模も個人の使用に適用されるコンパクトなシステムから工場生産プロセスまで適用可能である。
【0021】
本実施例に含まれる構成の説明を続ける。種類の異なるスティック中間体を収納するマガジン1001a、1001b、1001c、計量混合機1003、打錠機1010,液体生成機1011そして分包機1012という構成である。
【0022】
ここではスティック中間体1002a、1002b、1002cという3種類のスティック中間体が計量混合機1003によって使用される。ユーザによるダイヤル1004a、1004b、1004cの回転操作に連動するリニアアクチュエーターにより、先端を切断位置に位置合わせしたスティック中間体を直線移動させる。
【0023】
それぞれのスティック中間体の切断分離される長さは、スティック中間体の初期位置と直線移動量とから測定され、スティック中間体1002a、1002b、1002cに対応する表示部1005a、1005b、1005cに表示される。
【0024】
所望の長さに切断される位置への直線移動が完了すると、ユーザは切断ボタン1006の押下げを行う。切断ボタンへの押下げに連動して動作する切断分離部のカッターにより、所望の長さの中間体スティックが切断分離される。切断分離部については、後で図4を用いて説明する。
【0025】
切断分離された中間体スティックは、収集・混合部1007によって、収集され、混合される。そして、均質化部1008で均質化されて、最終混合体1009が生成される。
【0026】
生成された最終混合体1009は、必要に応じて打錠機1010に供給されて打錠され、液体生成機1011に供給されて液化され、分包機1012に供給されて分包されるようにシステムが構築されている。
【0027】
ここでは、3種類のスティック中間体が使用されているが、本発明で採用可能なスティック中間体の種類はこれに限定されるものではなく、目的とする最終混合体の構成に応じて適宜変更されうる。
又、上記計量混合機と、打錠機、液体生成機、分包機から選ばれる少なくとも1つを組み込んだ自動調剤機として構成し、予め調剤レシピを入力することによって組み込まれた機器を制御する制御装置によって、上記リニアアクチュエーター、チャック、切断分離部を動作させる、としてもよい。
【0028】
図2は、本実施例の計量混合機に使用されるスティック中間体とマガジンの概略図である。
ここで、スティック中間体は横断面が円である棒状に成形されている。ここでスティック中間体1002a、1002b、1002cの断面の直径2001a、2001b、2001cは、それぞれRa、Rb、Rcである。最終混合体に必要な有効成分の分量の大小に応じて、直径を変化させて断面積の異なるスティック中間体が採用されている。
ここでは、横断面が円である棒状のスティック中間体を採用し、有効成分の大小に応じて断面積が異なるスティック中間体が採用されたが、本発明で採用可能なスティック中間体のバリュエーションは、これに限定されるものではない。必要な有効成分の大小だけでなく、有効成分の種類に応じて、スティック中間体の長さ、横断面の形状あるいは断面積が異なるものを採用してもよい。
【0029】
それぞれのスティック中間体の後端部2002a、2002b、2002cは、スティック中間体の種類を識別するためにその形状に変化が加えられている。
後端部2002aには、横断面を四角にした上で、そのサイズを一部縮小し、特徴的な切り欠きを形成して変化が加えられている。
後端部2002bには、本体の直径よりも大きくフランジ状に突出した部分を2ヶ所形成した変化が加えられている。
後端部2002cには、本体よりも直径を小さくしたうえでフランジ状の突出を1ヶ所形成し変化が加えられている。
このように有効成分の種類や大小に応じて、スティック中間体において、計量混合使用しない後端部の形状を変化させることにより、どの種類のスティック中間体かの識別性が高まり、計量混合作業に係る者が、中間体の取違をすることを防止する効果がある。
【0030】
スティック中間体の表面はコーティングされて保護されている。さらに、供給もしくは流通における毀損からの保護や運搬における取り扱いの便利のため、それぞれのスティック中間体は、マガジン1001a、1001b、1001cに格納されている。
計量混合機に使用されるときに、マガジンの取り出し口2002a、2002b、2002cから取り出される。
ここでマガジンの運搬や保管における管理のため各マガジン或いは個々の中間体スティックにマイクロRFIDを取付けもしくは埋め込み、RFIDの読取により、運搬や保管における管理を効率化してもよい。
【0031】
図3は、本実施例のスティック中間体の生成プロセスを示すフローチャートである。
有効成分投入ステップS3001において、スティック中間体製造者によって、スティック中間体生成釜に生成予定のスティック中間体に必要な分量の有効成分が投入される。
ここで、同一有効成分のスティック中間体について、スティック中間体一つ当たりの投入量を変えて、異なる濃度のスティック中間体を投入することとする。
【0032】
添加物混合ステップS3002において、スティック中間体製造者によって、投入された有効成分に必要な添加物が混合される。
ここで添加物としては、基溶剤、結合剤、潤滑剤、ph調整剤等が採用される。
【0033】
均一化ステップS3003において、スティック中間体製造業者によって、投入された有効成分と添加物が撹拌され、均一化される。
【0034】
成形ステップS3004において、混合体が、スティック中間体製造業者によって、本体部が所定の横断面形状の棒であって後端部の形状を変形させた型に、均一化された有効成分と添加物の混合体が注入され、後端部に変形が施された棒状に固められる。
上記添加物のうち結合剤については、この成形ステップにおいて、混合されてもよい。
【0035】
コーティングステップS3005において、スティック中間体製造業者によって、棒状に固められた混合体に表面がコーティングされて、スティック中間体本体が完成する。
【0036】
マガジン収納ステップS3006において、スティック中間体製造業者によって、コーティングされて完成した、所定の本数のスティック中間体がマガジンに収納される。
【0037】
供給・流通ステップS3007において、スティック中間体製造業者、供給業者あるいは流通業者によって、スティック中間体収納されたマガジンが流通し、スティック中間体の需要者に供給される。
【0038】
このように有効成分の密度を均一に生成されて、所定の直径もしくは断面積の棒状に成形されたスティック中間体は、小粒状の有効成分よりも取り扱いが簡単で、熟練を要しない長さを計る操作により計量精度を出すことができるという効果がある。
また、有効成分の種類が同一であるが、その有効成分の濃度を異なるスティック中間体を生成することにより、調剤又は自己調整の現場において異なる濃度のスティック中間体を利用することにより、所望の用量を正確に計量することが容易になる効果がある。
さらに、コーティングが表面に施され、マガジンに格納されることにより、運搬や保管での毀損の恐れが少なく、供給・流通における品質の保全の取り扱いが容易になる。また、供給された需要者においても、保管やその使用における取り扱いが容易になる。
【0039】
図4は、本実施例の計量混合機の機能構成を示した概略図である。
ここで、図1に記載の部位については、同じ図番を記載してある。
計量混合機1003は、スティック中間体の差し込み口4001a、4001b、4001c、リニアアクチュエーター4002a、4002b、4002c、リニアアクチュエーターによって移動されたスティック中間体をその位置で固定するチャック4003a、4003b、4003c、切断分離部4004a、4004b、4004c、収集・混合部1007、均質化部1008という構成である。
【0040】
計量混合機は、まず必要とするスティック中間体を選択し、いずれかもしくはすべての差し込み口に差し込んで使用する。
【0041】
先端が切断位置に合わさるまで差し込まれたスティック中間体は、図1で示したダイヤル1004a、1004b、1004cの回転操作に連動するリニアアクチュエーター4002a、4002b、4002cにより、直線移動する。
【0042】
それぞれのスティック中間体の切断分離される長さは、先端を切断位置に合わて設定された初期位置と直線移動量とから測定され、図1に示した表示部1005a、1005b、1005cに表示される。
【0043】
それぞれ必要とする容量に相当する長さが測定された複数のスティック中間体は、その長さ分だけ切断分離部4004a、4004b、4004cから突き出した状態でチャック4003a、4003b、4003cで固定され、切断分離部4004a~4004cによって切断分離される。
計量のための操作は、初期にスティック中間体の先端を所定の初期位置にセットして、必要容量に応じた長さ分を切断分離部から突き出すようにリニア移動量である長さを測定すればよいので、特別な操作も操作への習熟も不要であり、重量や容積の測定よりも容易に分量の計量の正確さを実現することが可能である。
【0044】
ここで差し込み口、リニアアクチュエーター、切断分離部そしてチャックの数は3つとしているが、本発明の計量混合機の差し込み口、リニアアクチュエーター、切断分離部そしてチャックの数は、3つの限定されるものではなく、必要に応じて増減した構成が採用可能である。
【0045】
切断されて元のスティック中間体から分離したスティック中間体4005は、収集・混合部1007で集められ、混合される。
収集・混合されたスティック中間体は、均質化部1008において、ホモナイザー4006により細かい破片に刻まれ、均質化されて、最終混合体1009が生成される。
生成された最終混合体は、排出口4007から排出される。
【0046】
有効成分となる原材料の必要量に応じて、先に述べたように、その横断面の直径をRa、RbあるいはRcというように増減させて、その断面積が異なるスティク中間体を使用する。
【0047】
図5は、打錠機1010の主要構成を示した概略平面図である。
排出口4007の形状に適合させた打錠機フィーダー5001、打錠機フィーダーから供給される最終混合体を受け取る複数の凹部5002、凹部に収納された最終混合体を杵で圧縮する加圧部5003、そして圧縮されて形成された錠剤を排出する排出部5004という構成である。
【0048】
図6は、液体生成機1011の主要構成を示した概略側面透視図である。
排出口4007の形状に適合させた液体生成機投入口6001、溶液注入口6002、撹拌機6003そして液体生成物を取り出す取出し口6004という構成である。
【0049】
図7は、分包機1012の主要構成を示した概略側面透視図である。
排出口4007の形状に適合させた分包機投入口7001を有する収容部7002、投入された最終混合体を分配する分配部7003、分配された最終混合体をパッキングするパック部7004、最終混合体がパッキングされた薬剤パックを排出する排出部7005、分包が完了して排出された薬剤パック7006という構成である。
【0050】
以上のような構成を組合わせて、個人の薬物治療に適応させた自動調剤機を含むシステムに適用してもよい。自動調剤機に、ここで示した計量混合機を組み入れてもよい。ターゲットとする個人の薬物治療に必要な薬剤の調剤又は自己調整に必要な有効成分は、マガジンに収納した中間体スティックとして提供する。
【実施例0051】
(投薬機とその投薬機に組み入れられる計量混合機)
図8は、本実施例の投薬機の主要構成を示した概略側面透視図である。
投薬機8001は、実施例1で示した構成の計量混合機8002を投薬機筐体の内部に組み込んでいる。計量混合機8002で生成された混合体が、弁機構を備えた吐出し口8003より、シリンダー8004に吐き出されるように設けられている。プランジャーロッド8005の動作により、投薬口8006より投薬するように設けられている。
ここで投薬機筐体のサイズを少なくとも本概略側面透視図の横方向で8cm以下、縦方向で15cm以下のいわゆるスマホサイズ以下に納めることにより、個人がポケット等に入れて手軽に持ち運べるようにすることとする。
【0052】
図9は、本実施例の計量混合機8002で生成された最終混合体9001がシリンダー8004に吐き出された状態を示したイメージ図である。
【0053】
図10は、ユーザによるプランジャーロッド8005の押し出しにより、シリンダー内の最終混合体10001が投薬される様子を示したイメージ図である。
【0054】
ここでは、最終混合体をそのまま投薬しているが、シリンダー内に最終混合体が収まっている状態で水等の溶媒をシリンダーに注入し、溶液とした後に投薬する方式であってもよい。
【0055】
以上のような計量混合機を組み込んだ投薬機を提供することにより、取り扱いが容易な中間体スティックを利用して、個人が自身の薬物治療に必要な薬剤の自己調整を容易に行い、投薬することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、製薬業界、調剤業界、化粧品業界、料理業界あるいは塗装業界において適用可能である。また、各種工場の生産プロセスにおけるにおいて適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1001a マガジン
1002a 中間体スティック
1003 計量混合機
1010 打錠機
1011 液体生成機
1012 分包機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予めスティック中間体製造業者において有効成分に必要な添加物を混合して所定の直径もしくは断面積の棒状に生成した、長さ当たりの有効成分が均一である複数種類のスティック中間体を使用して薬物治療に必要な薬剤の調剤又は自己調整をするシステムであって
個々の前記スティク中間体の長さを計ることにより計量し切断分離することで、意図した配合の最終混合体を生成する計量混合機を含むシステム。
【請求項2】
前記複数種類のスティック中間体には、前記有効成分の種類が同一ではあるが横断面の断面積又は前記均一とする濃度が異なるスティック中間体が含まれることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スティック中間体は、前記有効成分の種類又は大小に応じて、前記使用に供されない端部の形状が変化させられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記添加物は、基溶剤、結合剤、潤滑剤、ph調整剤から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記スティック中間体にはコーティングを施してあることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記スティク中間体の供給及び流通に利用される、前記スティック中間体が複数収納できるマガジンをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
請求項1のシステムにおいて、a)前記最終混合体を生成した後、必要な添加物を混合して打錠する打錠手段、b)前記最終混合体を生成した後、必要な添加物を混合して液体生成する液体生成手段、c)前記最終混合体を生成した後、分包する分包手段から選ばれる少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記計量混合機は、有効成分となる原材料の必要量に応じて、前記横断面の断面積を増減させたスティク中間体を使用可能であることを特徴とする請求項1のシステム。
【請求項9】
前記システムは、個人の薬物治療に適応させた自動調剤機を含むシステムであって、該自動調剤機に前記計量混合機が組み入れられていることを特徴とする請求項1のシステム。
【請求項10】
(削除)
【請求項11】
(削除)
【請求項12】
(削除)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の第一の観点では、予めスティック中間体製造業者において有効成分に必要な添加物を混合して所定の直径もしくは断面積の棒状に生成した、長さ当たりの有効成分が均一である複数種類のスティック中間体を使用して薬物治療に必要な薬剤の調剤又は自己調整をするシステムであって、個々の前記スティク中間体の長さを計ることにより計量し切断分離することで、意図した配合の最終混合体を生成する計量混合機を含むシステムが提供される。
ここで、前記複数種類のスティック中間体には、前記有効成分の種類が同一ではあるがその断面積又は前記均一とする濃度が異なるスティック中間体が含まれる、としてもよい。
さらには、前記スティック中間体は、前記有効成分の種類又は大小に応じて、前記使用に供されない端部(以下、後端部という。)の形状が変化させられている、としてもよい。後端部の長さ、横断面の形状、横断面の面積といったスティック中間体の後端部を特徴づける形状に変化が加えられることによって、スティック中間体の識別性が高まり、スティック中間体の取違を防止することができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予めスティック中間体製造業者において有効成分に必要な添加物を混合して所定の直径もしくは断面積の棒状に生成した、長さ当たりの有効成分が均一である複数種類のスティック中間体を使用して薬物治療に必要な薬剤の調剤又は自己調整をするシステムであって
個々の前記スティク中間体の長さを計ることにより計量し切断分離することで、意図した配合の最終混合体を生成する計量混合機を含むシステム。
【請求項2】
前記複数種類のスティック中間体には、前記有効成分の種類が同一ではあるが横断面の断面積又は前記均一とする濃度が異なるスティック中間体が含まれることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スティック中間体は、前記有効成分の種類又は大小に応じて、前記使用に供されない端部の形状が変化させられていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記添加物は、基溶剤、結合剤、潤滑剤、ph調整剤から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記スティック中間体にはコーティングを施してあることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記スティク中間体の供給及び流通に利用される、前記スティック中間体が複数収納できるマガジンをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
請求項1のシステムにおいて、a)前記最終混合体を生成した後、必要な添加物を混合して打錠する打錠手段、b)前記最終混合体を生成した後、必要な添加物を混合して液体生成する液体生成手段、c)前記最終混合体を生成した後、分包する分包手段から選ばれる少なくとも一つをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記計量混合機は、有効成分となる原材料の必要量に応じて、前記横断面の断面積を増減させたスティク中間体を使用可能であることを特徴とする請求項1のシステム。
【請求項9】
前記システムは、個人の薬物治療に適応させた自動調剤機を含むシステムであって、該自動調剤機に前記計量混合機が組み入れられていることを特徴とする請求項1のシステム。