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特開2022-124046宿泊施設評価システム、宿泊施設評価方法、サーバ装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124046
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】宿泊施設評価システム、宿泊施設評価方法、サーバ装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20220818BHJP
   G16H 50/80 20180101ALI20220818BHJP
【FI】
G06Q50/12
G16H50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021579
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】517417739
【氏名又は名称】株式会社サクラクオリティマネジメント
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】特許業務法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 剛史
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC25
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】宿泊施設について、感染症拡大防止対策に係る評価を行い、当該感染症拡大防止対策に係る評価結果を踏まえて、総合評価を行い、評価結果を可視化する技術を提供する。
【解決手段】本発明は、アンケート調査結果の中から、感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第2充足率を満たしているか否かで感染症拡大防止対策評価を行う感染症拡大防止対策評価部と、調査結果の中から、全てのアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第3充足率を満たしているかどうかで総合評価を行う総合評価部とを備え、総合評価部は、前記感染症拡大対策評価の結果より過大な評価を行わないように総合評価の結果を微調整するサーバ装置である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調査結果を受け付ける入出力制御部と、
前記調査結果に基づいて、調査対象施設での顧客の時系列的な流れの中で前記顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数に対する前記調査対象施設の第1充足率を演算し、各サービスシーン別にクリア比率を求めるサービスシーン別演算部と、
前記各サービスシーンについて、前記第1充足率及び前記クリア比率に基づいてシーン別に評価を行うサービスシーン別評価部と、
前記調査結果の中から、感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第2充足率を満たしているか否かで感染症拡大防止対策評価を行う感染症拡大防止対策評価部と、
前記調査結果の中から、全てのアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第3充足率を満たしているかどうかで総合評価を行う総合評価部と、
前記評価の結果に係る表示データを生成する表示データ生成部と、
を備え、
前記総合評価部は、前記感染症拡大対策評価の結果より過大な評価を行わないように総合評価の結果を微調整する
を有するサーバ装置。
【請求項2】
前記調査結果に基づいて、調査対象施設に係るサービス要素別の調査項目に対する調査対象施設の第4充足率を演算するサービス要素別演算部と、
前記調査結果の中から、サービス要素別に参照すべきアンケート項目に対する実行状況を検出し、実行状況が前記第4充足率を満たしているか否かにより、サービス要素別の評価を行うサービス要素別評価部と、を更に有する
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
調査員の端末装置と、ユーザの端末装置、サーバ装置とからなる宿泊施設評価システムにおいて、
前記調査員の端末装置は、
調査結果を送信する第1送信部を備え、
前記サーバ装置は、
調査結果を受け付ける入出力制御部と、
前記調査結果に基づいて、調査対象施設での顧客の時系列的な流れの中で前記顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数に対する前記調査対象施設の第1充足率を演算し、各サービスシーン別にクリア比率を求めるサービスシーン別演算部と、
前記各サービスシーンについて、前記第1充足率及び前記クリア比率に基づいてシーン別の評価を行うサービスシーン別評価部と、
前記調査結果の中から、感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第2充足率を満たしているか否かで感染症拡大防止対策評価を行う感染症拡大防止対策評価部と、
前記調査結果の中から、全てのアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第3充足率を満たしているかどうかで総合評価を行う総合評価部と、
前記評価の結果に係る表示データを生成する表示データ生成部と、
前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信する第2送信部と、を備え、
前記ユーザの端末装置は、
前記表示データを受信する受信部と、
前記表示データを表示する表示部と、を備え、
前記総合評価部は、前記感染症拡大対策評価の結果より過大な評価を行わないように総合評価の結果を微調整する
宿泊施設評価システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
前記調査結果に基づいて、調査対象施設に係るサービス要素別の調査項目に対する調査対象施設の第4充足率を演算するサービス要素別演算部と、
前記調査結果の中から、サービス要素別に参照すべきアンケート項目に対する実行状況を検出し、実行状況が前記第4充足率を満たしているか否かにより、サービス要素別の評価を行うサービス要素別評価部と、を更に有する
請求項3に記載の宿泊施設評価システム。
【請求項5】
調査員の端末装置と、ユーザの端末装置、サーバ装置とからなる宿泊施設評価システムによる宿泊施設評価方法において、
前記調査員の端末装置では、
第1送信部が、調査結果を送信し、
前記サーバ装置では、
入出力制御部が、調査結果を受け付け、
サービスシーン別演算部が、前記調査結果に基づいて、調査対象施設での顧客の時系列的な流れの中で前記顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数に対する前記調査対象施設の第1充足率を演算し、各サービスシーン別にクリア比率を求め、
サービスシーン別評価部が、前記各サービスシーンについて、前記第1充足率及び前記クリア比率に基づいてシーン別の評価を行い、
感染症拡大防止対策評価部が、前記調査結果の中から、感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第2充足率を満たしているか否かで感染症拡大防止対策評価を行い、
総合評価部が、前記調査結果の中から、全てのアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第3充足率を満たしているかどうかで総合評価を行い、
表示データ生成部が、前記評価の結果に係る表示データを生成し、
第2送信部が、前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信し、
前記ユーザの端末装置では、
受信部が、前記表示データを受信し、
表示部が、前記表示データを表示し、
前記総合評価部は、前記感染症拡大対策評価の結果より過大な評価を行わないように総合評価の結果を微調整する
宿泊施設評価方法。
【請求項6】
前記サーバ装置では、
サービス要素別演算部が、前記調査結果に基づいて、調査対象施設に係るサービス要素別の調査項目に対する調査対象施設の第4充足率を演算し、
サービス要素別評価部が、前記調査結果の中から、サービス要素別に参照すべきアンケート項目に対する実行状況を検出し、実行状況が前記第4充足率を満たしているか否かにより、サービス要素別の評価を行う
請求項5に記載の宿泊施設評価方法。
【請求項7】
コンピュータを、
調査結果を受け付ける入出力制御部、
前記調査結果に基づいて、調査対象施設での顧客の時系列的な流れの中で前記顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数に対する前記調査対象施設の第1充足率を演算し、各サービスシーン別にクリア比率を求めるサービスシーン別演算部、
前記各サービスシーンについて、前記第1充足率及び前記クリア比率に基づいてシーン別の評価を行うサービスシーン別評価部、
前記調査結果の中から、感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第2充足率を満たしているか否かで感染症拡大防止対策評価を行う感染症拡大防止対策評価部、
前記調査結果の中から、全てのアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第3充足率を満たしているかどうかで総合評価を行う総合評価部、及び
前記評価の結果に係る表示データを生成する表示データ生成部、として機能させ、
前記総合評価部は、前記感染症拡大対策評価の結果より過大な評価を行わないように総合評価の結果を微調整する
プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
前記調査結果に基づいて、調査対象施設に係るサービス要素別の調査項目に対する調査対象施設の第4充足率を演算するサービス要素別演算部、及び
前記調査結果の中から、サービス要素別に参照すべきアンケート項目に対する実行状況を検出し、実行状況が前記第4充足率を満たしているか否かにより、サービス要素別の評価を行うサービス要素別評価部、としても機能させる
請求項7に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染症拡大防止対策に係る現状の評価をふまえて、ホテルや旅館等の宿泊施設を適正に評価し、改善提案等を行う宿泊施設評価システム、宿泊施設評価方法、サーバ装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホテルや旅館等の宿泊施設では、来客数、更には顧客単価を増加させるべく、サービスの向上を心掛けている。そして、そのようなサービスの向上を図るために、自施設のサービスの現状の見直し、更なる付加的なサービスの導入を検討しているが、そのような見直しを行うためには、顧客による客観的な評価が極めて参考になる。そこで、多くの宿泊施設では、顧客によるアンケートを実施し、当該アンケート結果に基づいて、自施設の見直し等を行っているのが実情である。そして、そのような見直しを効率よく行うために、種々の技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、所定属性の宿泊施設に対して専門家が過去実施した評価の各項目と、当該項目に関する評価結果に応じて当該専門家が評価レポートに記載した文章とを対応付けたテーブルを記憶し、ユーザ指定の属性に応じた宿泊施設に係る各評価項目に関してユーザが下した評価結果を取得し、評価レポートを生成する宿泊施設評価支援システムが開示されている。
【0004】
さらに、特許文献2では、ホテル端末から価格帯別の客室内容データを受信し、そのデータを価格帯別に登録し、顧客端末よりアンケート結果情報を受信し、アンケート結果情報を価格帯別にホテル毎に集計し、集計結果に基づいて、価格帯別にホテルの順位付けを行って順位付け表を記憶するホテル評価システムが開示されている。
【0005】
また、特許文献3では、ホテル及び該ホテルの部屋の属性に関するホテル属性情報を各ホテルから受け付け、またそれらの属性に対する重要度を部屋予約者から受け付け、これらのホテル属性情報及び重要度情報、並びに評価の対象であるホテルの部屋の利用料金の額に基づいて、前記ホテルの部屋の評価に関する評価値を算出するホテル評価方法及びホテル評価装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-220193号公報
【特許文献2】特開2005-70991号公報
【特許文献3】特開2002-15192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1乃至3に開示された技術では、感染症拡大防止対策に係る評価をふまえて、総合評価を行い、評価結果を可視化することはなされていない。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、宿泊施設について、感染症拡大防止対策に係る評価を行い、当該感染症拡大防止対策に係る評価結果を踏まえて、総合評価を行い、評価結果を可視化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るサーバ装置は、調査結果を受け付ける入出力制御部と、前記調査結果に基づいて、調査対象施設での顧客の時系列的な流れの中で前記顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数に対する前記調査対象施設の第1充足率を演算し、各サービスシーン別にクリア比率を求めるサービスシーン別演算部と、前記各サービスシーンについて、前記第1充足率及び前記クリア比率に基づいてシーン別の評価を行うサービスシーン別評価部と、前記調査結果の中から、感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第2充足率を満たしているか否かで感染症拡大防止対策評価を行う感染症拡大防止対策評価部と、前記調査結果の中から、全てのアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第3充足率を満たしているかどうかで総合評価を行う総合評価部と、前記評価の結果に係る表示データを生成する表示データ生成部と、を備え、前記総合評価部は、前記感染症拡大対策評価の結果より過大な評価を行わないように総合評価の結果を微調整する。
【0010】
本発明の第2の態様に係る宿泊施設評価システムは、調査員の端末装置と、ユーザの端末装置、サーバ装置とからなる宿泊施設評価システムにおいて、前記調査員の端末装置は、調査結果を送信する第1送信部を備え、前記サーバ装置は、調査結果を受け付ける入出力制御部と、前記調査結果に基づいて、調査対象施設での顧客の時系列的な流れの中で前記顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数に対する前記調査対象施設の第1充足率を演算し、各サービスシーン別にクリア比率を求めるサービスシーン別演算部と、前記各サービスシーンについて、前記第1充足率及び前記クリア比率に基づいてシーン別の評価を行うサービスシーン別評価部と、前記調査結果の中から、感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第2充足率を満たしているか否かで感染症拡大防止対策評価を行う感染症拡大防止対策評価部と、前記調査結果の中から、全てのアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第3充足率を満たしているかどうかで総合評価を行う総合評価部と、前記評価の結果に係る表示データを生成する表示データ生成部と、前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信する第2送信部と、を備え、前記ユーザの端末装置は、前記表示データを受信する受信部と、前記表示データを表示する表示部と、を備え、前記総合評価部は、前記感染症拡大対策評価の結果より過大な評価を行わないように総合評価の結果を微調整する。
【0011】
本発明の第3の態様に係る宿泊施設評価方法は、調査員の端末装置と、ユーザの端末装置、サーバ装置とからなる宿泊施設評価システムによる宿泊施設評価方法において、前記調査員の端末装置では、第1送信部が、調査結果を送信し、前記サーバ装置では、入出力制御部が、調査結果を受け付け、サービスシーン別演算部が、前記調査結果に基づいて、調査対象施設での顧客の時系列的な流れの中で前記顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数に対する前記調査対象施設の第1充足率を演算し、各サービスシーン別にクリア比率を求め、サービスシーン別評価部が、前記各サービスシーンについて、前記第1充足率及び前記クリア比率に基づいてシーン別の評価を行い、感染症拡大防止対策評価部が、前記調査結果の中から、感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第2充足率を満たしているか否かで感染症拡大防止対策評価を行い、総合評価部が、前記調査結果の中から、全てのアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第3充足率を満たしているかどうかで総合評価を行い、表示データ生成部が、前記評価の結果に係る表示データを生成し、第2送信部が、前記表示データを前記ユーザの端末装置に送信し、前記ユーザの端末装置では、受信部が、前記表示データを受信し、表示部が、前記表示データを表示し、前記総合評価部は、前記感染症拡大対策評価の結果より過大な評価を行わないように総合評価の結果を微調整する。
【0012】
本発明の第4の態様に係るプログラムは、コンピュータを、調査結果を受け付ける入出力制御部、前記調査結果に基づいて、調査対象施設での顧客の時系列的な流れの中で前記顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数に対する前記調査対象施設の第1充足率を演算し、各サービスシーン別にクリア比率を求めるサービスシーン別演算部、前記各サービスシーンについて、前記第1充足率及び前記クリア比率に基づいてシーン別の評価を行うサービスシーン別評価部、前記調査結果の中から、感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第2充足率を満たしているか否かで感染症拡大防止対策評価を行う感染症拡大防止対策評価部、前記調査結果の中から、全てのアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階を認定するための第3充足率を満たしているかどうかで総合評価を行う総合評価部、及び前記評価の結果に係る表示データを生成する表示データ生成部、として機能させ、前記総合評価部は、前記感染症拡大対策評価の結果より過大な評価を行わないように総合評価の結果を微調整する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、宿泊施設について、感染症拡大防止対策に係る評価を行い、当該感染症拡大防止対策に係る評価結果を踏まえて、総合評価を行い、評価結果を可視化する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る宿泊施設評価システムの構成図である。
図2】同システムのサーバ装置の構成図である。
図3】サーバ装置における評価部の詳細な構成図である。
図4】同システムの端末装置の構成図である。
図5】同システムによる処理手順を示すフローチャートである。
図6】サービスシーン別評価結果の表示例を示す図である。
図7】サービスシーン別加点評価結果の表示例を示す図である。
図8】安心安全評価結果の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
【0016】
図1には、本発明の一実施形態に係る宿泊施設評価システムの構成を示し説明する。
【0017】
同図に示されるように、宿泊施設評価システムは、サーバ装置1と、調査員の端末装置2と、ユーザの端末装置3とが、インターネット等の通信網4を介して無線又は有線で接続され、構成されている。ここでいう「ユーザ」とは、評価業務を請け負ったコンサルタントやホテルや旅館等の宿泊施設の経営者等である。但し、これに限定されない。
【0018】
端末装置2,3としては、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ等、各種のものを採用できる。
【0019】
このような構成において、サーバ装置1は、調査員の端末装置2で入力された調査結果を受付け、調査結果の情報に基づいて、対象となる宿泊施設の評価を行う。
評価についての詳細は後述するが、例えば、サーバ装置1は、
1)サービスシーン別評価
2)サービスシーン別加点評価
3)サービス要素別評価
4)サービス要素別加点評価
5)感染症拡大防止対策評価
6)安心安全評価
7)総合評価
を少なくとも実行する。
【0020】
サーバ装置1は、これら評価結果を、ユーザの端末装置3で閲覧可能となるようにHTMLデータを生成し、ユーザの端末装置3に送信する。ユーザの端末装置3は、このHTMLデータを受信し、ブラウザ等の機能により、表示部に各評価結果を表示する。サーバ装置1では、各評価結果を蓄積し、ビッグデータを構築することで、当該ビッグデータに基づく機械学習により改善シナリオをより好適に提案できるようにする。
【0021】
図2には、宿泊施設評価システムのサーバ装置の構成を示し説明する。
【0022】
同図に示されるように、サーバ装置1は、全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)等の制御部11を備えている。制御部11は、バスライン18を介して、通信部12、記憶部13と接続されている。通信部12は、通信網4を介して、調査員の端末装置2やユーザの端末装置3と通信するための通信インタフェースである。
【0023】
記憶部13は、RAM(Random Access Memory)RAM(Read Only Memory)等のメモリやハードディスクドライブ(HDD;Hard Disc Drive)等で構成されており、制御部11で実行されるプログラム14を記憶している。更に、記憶部13は、ユーザデータベース(以下、DBという)15、調査結果DB16、及び評価用DB17等の各種DBを少なくとも有している。
【0024】
より詳細には、ユーザDB15には、ユーザであるホテル、旅館、民宿等の宿泊施設の名称、住所、電話番号、メールアドレス等の属性情報がユーザIDと対応付けられて記憶されている。調査結果DB16には、調査員の端末装置2より送信された、或いは予め取得した調査対象の宿泊施設に関する調査結果が記憶されている。
【0025】
評価用DB17には、各種の評価ごとに、数段階(この例では、5段階)の評価を行うために、各段階で参照するアンケート項目、及び各段階が認められるための当該アンケート項目に関わる実行の充足率等がテーブル形式で記憶されている。
【0026】
即ち、例えば、サービスシーン別評価であれば、各サービスシーンの加点評価を行う際に、参照すべきアンケート項目、及び演算で得られた充足率が記憶されており、サービス要素別評価であれば、各サービス要素別評価を行う際に、参照すべきアンケート項目、及び演算で得られた充足率が記憶されており、感染症拡大防止対策評価であれば、コロナ等の感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべき、アンケート項目、及び充足率が記憶されており、安心安全評価についても、同様に参照すべきアンケート項目、及び充足率が記憶されている。
【0027】
総合評価の場合には、すべてのアンケート項目、充足率に基づいて、どの段階にあるのかを評価することになるが、詳細は後述するが、その際、感染症拡大防止対策評価の評価値が参照され、微調整が行われることになる。
【0028】
また、評価用DB17では、評価結果が蓄積されると共に、各調査結果において改善すべき項目が記憶されている。より詳細には、評価用DB17には、調査項目が、
a)コストをかけずして用意に改善できる項目
b)コストがかかるが改善した方がよい項目
c)アレルギー表示ミス等、早急に改善すべき項目
にカテゴライズされて、a)乃至c)を特定可能なように記憶されている。そして、調査項目が、a)乃至c)のいずれに分類されるかは、評価結果に基づく学習結果により適宜更新されるようにしている。
【0029】
このような構成において、制御部11は、記憶部13のプログラム14を実行することで、主制御部11a、入出力制御部11b、評価部11c、学習部11d、表示データ生成部11e、及び送受信制御部11fとして機能する。
【0030】
主制御部11aは、統括的な制御を司る。入出力制御部11bは、調査員の端末装置2から送信された調査結果等の入出力を受け付ける。本実施形態では、調査員による調査項目は2140項目に及び、受付けからチェックアウト等に至るまでの時系列的に並ぶサービスシーン別、及びサービス要素別にカテゴライズされている。調査結果は、記憶部13の調査結果DB16に適宜記憶される。評価部11cは、調査結果DB16に記憶されている調査結果に基づいて、評価対象の宿泊施設を評価する。
【0031】
より詳細には、評価部11cは、図3に示されるように、サービスシーン別演算部31a、サービスシーン別評価部31b、サービス要素別演算部31c、サービス要素別評価部31d、感染症拡大防止対策評価部31e、安心安全評価部31f、及び総合評価部31gを有する。尚、評価の前提として、評価指標である1~5ダイヤモンドについては、クリア得点と、プレミアム得点、及び満点等が予め調整され、定義され、評価用DB17に記憶されている。
【0032】
サービスシーン別演算部31aは、予約、建物、外構ランドスケープ、駐車場、エントランス、ロビー、フロント、コンシェルジェ、アテンドサービス、EV、エレベーターホール、客室通路、ドア、客室、バスルーム、クラブラウンジ、ビジネスセンター、コーヒーラウンジ、プール、フィットネス、アミューズメント、レストラン、大浴場、スパ及びエステ、バー、イブニングサービス、ハウスキーピング、ルームサービス、ランドリー及びクリーニング、共用部、その他、付帯施設及びサービス、ウェークアップコール、朝食、チェックアウト、リムジン、及び管理に至るまでの時系列的な流れの中で、顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数と、当該調査項目数に対する調査対象施設の充足率を演算し、各サービスシーン別にクリア比率の評価を行う。このとき、前回の調査結果との関係や、競合ホテル平均等と比較すること等により、或いは評価用DB17に記憶されている改善項目a)乃至c)の状況を把握することで、改善シナリオの提案を行ってもよい。
【0033】
サービスシーン別評価部31bは、予約、建物、外構ランドスケープ、駐車場、エントランス、ロビー、フロント、コンシェルジェ、アテンドサービス、EV、エレベーターホール、客室通路、ドア、客室、バスルーム、クラブラウンジ、ビジネスセンター、コーヒーラウンジ、プール、フィットネス、アミューズメント、レストラン、大浴場、スパ及びエステ、バー、イブニングサービス、ハウスキーピング、ルームサービス、ランドリー及びクリーニング、共用部、その他、付帯施設及びサービス、ウェークアップコール、朝食、チェックアウト、リムジン、及び管理に至るまでの時系列的な流れの中で、顧客が接する各サービスシーンについての評価(ダイヤモンド指標)を先に求めた充足率に基づいて行う。このとき、評価用DB17に記憶されている改善項目a)乃至c)の状況を把握することで、改善シナリオの提案を行うようにしてもよい。
【0034】
サービス要素別演算部31cは、後述するサービス要素別の調査項目に対する調査対象施設の充足率を演算する。このとき、評価用DB17に記憶されている改善シナリオを特定することで、改善シナリオの提案を行うようにしてもよい。この例では、サービス要素は、意匠性、積極性、共感性、地域文化性、顧客配慮、情報提供、海外対応、業務専念、快適性、環境配慮、機能性、丁寧さ、迅速性、正確性、安心安全、維持管理、清潔感、プライバシー、及びバリアフリーにカテゴライズされているが、これには限定されないことは勿論である。なお、改善シナリオの提案については、前回の評価結果や、競合ホテル平均との比較を行えば、より精度の高く改善シナリオの提案を行うことができる。
【0035】
サービス要素別評価部31cは、前述したサービス要素別に参照すべきアンケート項目に対する実行が、先に求めた充足率を満たしているか否かにより、サービス要素別の加点評価(ダイヤモンド指標)を行う。
【0036】
感染症拡大防止対策評価部31eは、評価用DB17を参照して、コロナ等の感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階(1~5ダイヤモンド)を認定するための充足率を満たしているかどうかで、感染症拡大防止対策評価を行う。
【0037】
安心安全評価部31fは、評価用DB17を参照して、安心安全評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階(1~5ダイヤモンド)を認定するための充足率を満たしているかどうかで、安心安全評価を行う。
【0038】
総合評価部31gは、評価用DB17を参照して、すべてのアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階(1~5ダイヤモンド)を認定するための充足率を満たしているかどうかで総合評価を行う。但し、総合評価部31gは、感染症拡大対策評価の結果より過大な評価を行わないように、微調整を行う。例えば、総合評価が5ダイヤモンドであり、感染症拡大対策評価が4ダイヤモンドである場合には、総合評価を4ダイヤモンドとする。これにより、コロナ禍で、感染症拡大防止対策が必須となっている現状において適正な評価を行うことが可能となる。
【0039】
図2の説明に戻り、表示データ生成部11fは、評価結果についてHTML等で表示データを生成する。そして、送受信制御部11gは、このHTML等で生成された表示データをユーザの端末装置3に送信するよう制御する。学習部11eは、評価が繰り返される中で蓄積される調査結果のデータ、及びその判定結果等について機械学習を実施し、その学習結果に基づいて評価用DBの改善項目のカテゴライズを適宜更新することで、評価並びに提案の精度を高める役割を担っている。
【0040】
図4には、調査員の端末装置2の構成を示し説明する。尚、ユーザの端末装置3の構成も同様である。
【0041】
同図に示されるように、端末装置2(端末装置3も同様)は、全体の制御を司る制御部21を備えている。制御部21は、バスライン26を介して、通信部22、操作部23、表示部24、記憶部25と接続されている。通信部22は、インターネット等のネットワーク3を介してサーバ装置1等と通信するための通信インタフェースである。操作部23は、マウスやキーボード等の操作デバイスであり、表示部24は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。これら操作部23と表示部24とをタッチパネルとして一体化してもよい。記憶部25は、RAMやROM等のメモリやHDD等で構成されており、制御部21で実行されるメインプログラムやブラウザプログラムを記憶している。
【0042】
このような構成において、制御部21は、記憶部25のプログラムを読み出し実行することで、主制御部21a、閲覧部21b、及び送受信制御部21cとして機能する。主制御部21aは、統括的な制御を司る。閲覧部21bは、サーバ装置1から送信されたHTMLファイル等に基づく表示を表示部24に行わせ閲覧可能とする。そして、送受信制御部21cは、顧客アンケートの調査結果等を送信するなどの制御を行う。
【0043】
以下、図5のフローチャートを参照して、本発明の一実施形態に係る宿泊施設評価システムのよる処理手順を詳細に説明する。以下の処理手順は、本実施形態に係る宿泊施設評価方法の少なくとも一部に該当する。
【0044】
処理を開始すると、サーバ装置1は、送受信制御部11fが、調査員の端末装置2から送信された調査結果を、通信部12を介して受信し、入出力制御部11bが、当該調査結果を受付け、記憶部13の調査結果DB16に記憶する(S1)。
【0045】
続いて、サービスシーン別演算部31aは、予約から管理に至るまでの時系列的な流れの中で顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数と、当該調査項目数に対する調査対象施設の充足率を演算し、各サービスシーン別にクリア比率の評価を行う。このとき、例えば、前回の調査結果や、競合ホテル平均等と比較すること等により、及び評価用DB17に記憶されている改善項目a)乃至c)を参照し、その状況を把握することで、改善シナリオを提案するようにしてもよい(S2)。
【0046】
次いで、サービスシーン別評価部31bは、予約から管理に至るまでの、時系列的な流れの中で顧客が接する各サービスシーンについて上記充足率等に基づいてシーン別の評価(ダイヤモンド指標)を行う。このとき、評価用DB17に記憶されている改善項目a)乃至c)を参照し、状況を把握することで、改善シナリオを提案するようにしてもよい(S3)。
【0047】
続いて、サービス要素別演算部31cは、前述したようなサービス要素別の調査項目に対する調査対象施設の充足率を演算する。このとき、評価用DB17に記憶されている改善項目a)乃至c)を参照し、状況を把握することで、改善シナリオを提案するようにしてもよい(S4)。
【0048】
次いで、サービス要素別評価部31cは、前述したサービス要素別に参照すべきアンケート項目に対する実行が、先に求めた充足率を満たしているか否かにより、サービス要素別の加点評価(ダイヤモンド指標)を行う(S5)。
【0049】
そして、感染症拡大防止対策評価部31eは、評価用DB17を参照して、コロナ等の感染症拡大防止対策評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階(1~5ダイヤモンド)を認定するための充足率を満たしているかどうかで、感染症拡大防止対策評価を行う(S6)。
【0050】
続いて、安心安全評価部31fは、評価用DB17を参照して、安心安全評価を行う際に参照すべきアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階(1~5ダイヤモンド)を認定するための充足率を満たしているかどうかで、安心安全評価を行う(S7)。
【0051】
総合評価部31gは、評価用DB17を参照して、すべてのアンケート項目の実行状況を検出し、実行状況が各段階(1~5ダイヤモンド)を認定するための充足率を満たしているかどうかで総合評価を行う。但し、総合評価部31gは、感染症拡大対策評価の結果より過大な評価を行わないように、微調整を行う。例えば、総合評価が5ダイヤモンドであり、感染症拡大対策評価が4ダイヤモンドである場合には、総合評価を4ダイヤモンドとする。これにより、コロナ禍で、感染症拡大防止対策が必須となっている現状において適正な評価を行うことが可能となる(S8)。
【0052】
こうして、表示データ生成部11fは、評価結果についてHTML等で表示データを生成し、送受信制御部11gは、このHTML等で生成された表示データをユーザの端末装置3に送信し(S9)、一連の処理を終了する。
【0053】
以下、図6乃至図9を参照して、ユーザの端末装置3で表示される各評価結果の表示例を説明する。但し、これらは一例であって、これらには限定されない。
【0054】
先ず、図6(a)、図6(b)には、サービスシーン別評価結果の表示例を示す。
【0055】
図6(a)に示す表示例では、評価指標であるダイヤモンドについて、1から5ダイヤモンドのクリア得点、プレミアム、満点がそれぞれ示され、調査対象施設のベースラインとカテゴリ別対象クリア比率、カテゴリ別必須クリア比率等が示される。図6(a)に示す例では、調査対象施設の現状は52.20点(最下の実線で示す特性)であり、改善項目a)を考慮すれば55.66点(中央の破線で示す特性)となり、改善項目a),b)を考慮すれば58.18点(上の破線で示す特性)となる。つまり、コストをかけずして容易に改善できる項目について見直すだけで、評価の向上が見込めることになる。
【0056】
一方、図6(b)に示す表示例では、宿泊等の予約、建物、外構ランドスケープ、駐車場、エントランス、ロビー、フロント、コンシェルジェ、アテンドサービス、EV、エレベーターホール、客室通路、ドア、客室、バスルーム、クラブラウンジ、ビジネスセンター、コーヒーラウンジ、プール、フィットネス、アミューズメント、レストラン、大浴場、スパ及びエステ、バー、イブニングサービス、ハウスキーピング、ルームサービス、ランドリー及びクリーニング、共用部、その他、付帯施設及びサービス、ウェークアップコール、朝食、チェックアウト、リムジン、及び管理に至るまでの時系列的な流れの中で、顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数と、調査項目数に対する調査対象施設の充足率と、各サービスシーン別にクリア比率とが示される。さらに、前回の調査結果や、競合ホテル平均等も併せて示され、改善シナリオも示される。
【0057】
次に、図7には、サービスシーン別加点評価結果の表示例を示す。
【0058】
図7に示す表示例では、宿泊等の予約、建物、外構ランドスケープ、駐車場、エントランス、ロビー、フロント、コンシェルジェ、アテンドサービス、EV、エレベーターホール、客室通路、ドア、客室、バスルーム、クラブラウンジ、ビジネスセンター、コーヒーラウンジ、プール、フィットネス、アミューズメント、レストラン、大浴場、スパ及びエステ、バー、イブニングサービス、ハウスキーピング、ルームサービス、ランドリー及びクリーニング、共用部、その他、付帯施設及びサービス、ウェークアップコール、朝食、チェックアウト、リムジン、及び管理に至るまでの、時系列的な流れの中で顧客が接する各サービスシーンについての加点評価(ダイヤモンド指標)が示される。さらに、改善シナリオも併せて示される。
【0059】
例えば、「客室」に対する評価は、以降の事前期待に総じて強く影響を与えることがあるほか、前の体験評価が次の体験評価の事前期待に影響を与える傾向がある為、前の体験が好印象であれば次のシーンの事前期待を強化し、前の体験評価自体が高いほど次の体験に対する事前期待も強化するように改善シナリオを提案する。
【0060】
次に、図8(a)、図8(b)には、サービス要素別評価結果の表示例を示す。
【0061】
図8(a)に示す表示例では、意匠性、積極性、共感性、地域文化性、顧客配慮、情報提供、海外対応、業務専念、快適性、環境配慮、機能性、丁寧さ、迅速性、正確性、安心安全、維持管理、清潔感、プライバシー、及びバリアフリーにカテゴライズされたサービス要素のそれぞれについて、サービス要素別の調査項目に対する調査対象施設の充足率を示している。改善シナリオについても併せて示している。
【0062】
一方、図8(b)に示す表示例では、各サービス要素について、演算された評価指標(ダイヤモンド)と、改善シナリオを併せて示している。前回の評価結果や、競合ホテル平均についても併せて示し、比較可能としている。
【0063】
次に、図9には、安心安全評価の評価結果の表示例を示す。
【0064】
同図に示されるように、サービス要素別評価平均値が、平均ダイヤモンド(評価)と安心安全連想比率の観点から可視化されている。同グラフによれば、安心感を与えるために重要なサービス要素が何であるのかを明確に理解することが可能となる。
【0065】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る宿泊施設評価システム等よれば、調査員による、「安心感」に関連するサービス要素(19要素)に基づいて規定された2140項目にわたる調査結果に基づいて、予約から始まり、チェックアウト、リムジン、及び管理に至るまでの、時系列的な流れの中で顧客が接する各サービスシーン別の調査項目数と当該調査項目数に対する調査対象施設の充足率を演算し、各サービスシーン別にクリア比率を求め、それを可視化することができる。更に、この時系列的な流れの中で顧客が接する各サービスシーンについての加点評価(例えば、ダイヤモンド指標を用いる)を行い、それを可視化することができる。したがって、その時系列的な流れの中で、最適な改善提案をすることが可能となる。たとえば、サービスシーン「客室」に対する評価は、時系列的にそれ以降の事前期待に総じて強く影響を与えるほか、前の体験の評価が次の体験の事前期待に影響を与える傾向が見られるが、前のサービスシーンでの体験が好印象であるならば、次のサービスシーンの事前期待を強化したり、前の体験評価値自体が高いほど次の体験に対する事前期待を強化したりといった改善提案が可能となる。さらに、改善効果を可視化することができるので、ユーザは継続的に改善を遂行し易くなる。
【0066】
また、本発明の実施形態に係る宿泊施設評価システム等によれば、調査員による、「安心感」に関連するサービス要素(19要素)に基づいて規定された2140項目にわたる調査結果に基づいて、サービス要素別の調査項目に対する調査対象施設の充足率を演算し、それを可視化することが可能となる。更に、評価用DBに記憶されている改善項目a)乃至c)を参照し、その状況を把握することで、改善シナリオの提案を行うことも可能となる。したがって、ユーザは、サービス要素別に改善すべき要素を認識し、サービス向上に役立てることが可能となる。
【0067】
さらに、コロナ禍で、宿泊室においても、感染症拡大防止策が重要となる現状において総合評価を付与する際に、感染症拡大防止差対策評価より過大とならないように調整することで、コロナ禍において、適正に宿泊施設の評価を行うことが可能となる。
【0068】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0069】
例えば、画面表示例は上述したものに限定されず、種々の態様で改善シナリオの提案等を行うことが可能であることは勿論である。
【0070】
調査項目については、宿泊施設の品質を「安全性及び安心感」要素として整理し、その関連サービス要素を19の要素とした上で、基準を構成しているが、これには限定されず更に調査項目を詳細なものとしてもよい。
【0071】
本発明の産業上の利用可能性としては、ホテルのほか、旅館についても適用可能であることは勿論である。共通となる安心感に関する各基準について、それぞれホテルでの解釈と旅館での解釈とを使い分けることで、全国の様々な旅館、例えば、伝統的な旅館から一部客室はホテルである旅館等、全国の旅館すべてに対応が適用可能である。
【符号の説明】
【0072】
1…サーバ装置、2…端末装置、3…端末装置、4…通信網、11…制御部、11a…主制御部、11b…入出力制御部、11c…評価部、11d…学習部、11e…表示データ生成部、11f…送受信制御部、12…通信部、13…記憶部、14…プログラム、15…ユーザDB、16…調査結果DB、17…評価用DB、18…バス、21…制御部、21a…主制御部、21b…閲覧部、21c…送受信制御部、22…通信部、23…操作部、24…表示部、25…記憶部、26…バス、31a…サービスシーン別演算部、31b…サービスシーン別評価部、31c…サービス要素別演算部、31d…サービス要素別評価部、31e…感染症拡大防止対策評価部、31f…安心安全評価部、31g…総合評価部。
図1
図2
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図8