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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124126
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】DA変換装置
(51)【国際特許分類】
   H03M 1/78 20060101AFI20220818BHJP
【FI】
H03M1/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021713
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】521068080
【氏名又は名称】株式会社HSEL
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 美香
(72)【発明者】
【氏名】深谷 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】廣木 良香
【テーマコード(参考)】
5J022
【Fターム(参考)】
5J022AB03
5J022BA02
5J022CA08
5J022CF02
(57)【要約】
【課題】原音の再現性が高く、グリッジの発生、影響を抑制することができるDA変換装置を提供する。
【解決手段】PCM方式のデジタル信号をR-2Rラダー回路を用いてアナログ信号に変換するDA変換装置1であって、デジタル信号のデジタル値の中央値を記憶する記憶手段4と、記憶手段4が記憶する中央値に対するデジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上である対象デジタル信号と対象デジタル信号に続く後続デジタル信号の間に補間デジタル信号を挿入するアップサンプリング手段2と、デジタル信号をアナログ信号に変換する変換手段3と、を有し、アップサンプリング手段2は、中央値に対するデジタル信号のデジタル値の差異が所定値より小さい場合には補間デジタル信号を挿入しないDA変換装置1を提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCM方式のデジタル信号をR-2Rラダー回路を用いてアナログ信号に変換するDA変換装置であって、
前記デジタル信号のデジタル値の中央値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する前記中央値に対する前記デジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上である対象デジタル信号と前記対象デジタル信号に続く後続デジタル信号の間に補間デジタル信号を挿入するアップサンプリング手段と、
前記デジタル信号を前記アナログ信号に変換する変換手段と、を有し、
前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記デジタル信号の前記デジタル値の差異が前記所定値より小さい場合には前記補間デジタル信号を挿入しないDA変換装置。
【請求項2】
前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記デジタル値の差異が前記中央値の所定比率以上である前記デジタル信号を前記対象デジタル信号とする、
請求項1に記載のDA変換装置。
【請求項3】
前記所定比率が2%以上30%以下である、
請求項2に記載のDA変換装置。
【請求項4】
前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記対象デジタル信号の前記デジタル値の差異に基づいて挿入する前記補間デジタル信号の数を変更する、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のDA変換装置。
【請求項5】
前記アップサンプリング手段は、少なくとも前記対象デジタル信号と前記後続デジタル信号の前記デジタル値に基づいて前記補間デジタル信号の前記デジタル値を算出する、
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のDA変換装置。
【請求項6】
PCM方式のデジタル信号をR-2Rラダー回路を用いてアナログ信号に変換するDA変換装置であって、
前記デジタル信号のデジタル値の中央値を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段が記憶する前記中央値に対する前記デジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上である第1デジタル信号と前記第1デジタル信号に続く第1後続デジタル信号の間に補間デジタル信号を挿入するアップサンプリング手段と、
前記デジタル信号を前記アナログ信号に変換する変換手段と、を有し、
前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記デジタル信号の前記デジタル値の差異が前記所定値より小さい第2デジタル信号と前記第2デジタル信号に続く第2後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の数を前記第1デジタル信号と前記第1後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の数より少なくするDA変換装置。
【請求項7】
前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記デジタル値の差異が前記中央値の所定比率以上である前記デジタル信号を前記第1デジタル信号とし、前記中央値に対する前記デジタル値の差異が前記中央値の所定比率より小さい前記デジタル信号を前記第2デジタル信号とする、
請求項6に記載のDA変換装置。
【請求項8】
前記所定比率が2%以上30%以下である、
請求項7に記載のDA変換装置。
【請求項9】
前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記第1デジタル信号の前記デジタル値の差異及び前記中央値に対する前記第2デジタル信号の前記デジタル値の差異に基づいて挿入する前記補間デジタル信号の数を変更する、
請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載のDA変換装置。
【請求項10】
前記アップサンプリング手段は、前記第2デジタル信号と前記第2後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の数を前記第1デジタル信号と前記第1後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の数の50%以下とする、
請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載のDA変換装置。
【請求項11】
前記アップサンプリング手段は、少なくとも前記第1デジタル信号と前記第1後続デジタル信号の前記デジタル値に基づいて前記第1デジタル信号と前記第1後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の前記デジタル値を算出し、少なくとも前記第2デジタル信号と前記第2後続デジタル信号の前記デジタル値に基づいて前記第2デジタル信号と前記第2後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の前記デジタル値を算出する、
請求項6から請求項10までのいずれか1項に記載のDA変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DA変換装置として、例えば、特許文献1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-67976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術では、入力されるデジタル信号のサンプリング周波数(例えば、44.1kHz)より高い周波数(例えば、20MHz)で標本化することで、量子化誤差を小さくするオーバーサンプリングを行うものであり、デジタル信号をアナログ信号に変換する際にR-2Rラダー回路のスイッチング動作により発生するノイズ(グリッジ)はデジタル信号のデジタル値に関わらず高い周波数に応じて非常に高い頻度で発生してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本開示は、原音の再現性が高く、グリッジの発生、影響を抑制することができるDA変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために以下によって把握される。
(1)本発明のDA変換装置は、PCM方式のデジタル信号をR-2Rラダー回路を用いてアナログ信号に変換するDA変換装置であって、前記デジタル信号のデジタル値の中央値を記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶する前記中央値に対する前記デジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上である対象デジタル信号と前記対象デジタル信号に続く後続デジタル信号の間に補間デジタル信号を挿入するアップサンプリング手段と、前記デジタル信号を前記アナログ信号に変換する変換手段と、を有し、前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記デジタル信号の前記デジタル値の差異が前記所定値より小さい場合には前記補間デジタル信号を挿入しない。
(2)上記(1)において、前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記デジタル値の差異が前記中央値の所定比率以上である前記デジタル信号を前記対象デジタル信号とする。
(3)上記(2)において、前記所定比率が2%以上30%以下である。
(4)上記(1)から(3)までのいずれかにおいて、前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記対象デジタル信号の前記デジタル値の差異に基づいて挿入する前記補間デジタル信号の数を変更する。
(5)上記(1)から(4)までのいずれかにおいて、前記アップサンプリング手段は、少なくとも前記対象デジタル信号と前記後続デジタル信号の前記デジタル値に基づいて前記補間デジタル信号の前記デジタル値を算出する。
(6)本発明のDA変換装置は、PCM方式のデジタル信号をR-2Rラダー回路を用いてアナログ信号に変換するDA変換装置であって、前記デジタル信号のデジタル値の中央値を記憶する記憶手段と、前記記憶手段が記憶する前記中央値に対する前記デジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上である第1デジタル信号と前記第1デジタル信号に続く第1後続デジタル信号の間に補間デジタル信号を挿入するアップサンプリング手段と、前記デジタル信号を前記アナログ信号に変換する変換手段と、を有し、前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記デジタル信号の前記デジタル値の差異が前記所定値より小さい第2デジタル信号と前記第2デジタル信号に続く第2後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の数を前記第1デジタル信号と前記第1後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の数より少なくする。
(7)上記(6)において、前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記デジタル値の差異が前記中央値の所定比率以上である前記デジタル信号を前記第1デジタル信号とし、前記中央値に対する前記デジタル値の差異が前記中央値の所定比率より小さい前記デジタル信号を前記第2デジタル信号とする。
(8)上記(7)において、前記所定比率が2%以上30%以下である。
(9)上記(6)から(8)までのいずれかにおいて、前記アップサンプリング手段は、前記中央値に対する前記第1デジタル信号の前記デジタル値の差異及び前記中央値に対する前記第2デジタル信号の前記デジタル値の差異に基づいて挿入する前記補間デジタル信号の数を変更する。
(10)上記(6)から(9)までのいずれかにおいて、前記アップサンプリング手段は、前記第2デジタル信号と前記第2後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の数を前記第1デジタル信号と前記第1後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の数の50%以下とする。
(11)上記(6)から(10)までのいずれかにおいて、前記アップサンプリング手段は、少なくとも前記第1デジタル信号と前記第1後続デジタル信号の前記デジタル値に基づいて前記第1デジタル信号と前記第1後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の前記デジタル値を算出し、少なくとも前記第2デジタル信号と前記第2後続デジタル信号の前記デジタル値に基づいて前記第2デジタル信号と前記第2後続デジタル信号の間に挿入する前記補間デジタル信号の前記デジタル値を算出する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、原音の再現性が高く、グリッジの発生、影響を抑制することができるDA変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るDA変換装置のブロック図である。
図2】R-2Rラダー回路の例を示す図である。
図3】DA変換の処理フローの例を示す図である。
図4】アナログ波形のデジタル信号への変換を示す概念図である。
図5】補間デジタル信号を挿入しない場合のDA変換の例を示す図である。
図6】補間デジタル信号を挿入した場合のDA変換の例を示す図である。
図7】DA変換後のアナログ信号の例を示す図である。
図8】DA変換後のアナログ信号の例を示す図である。
図9】DA変換後のアナログ信号をフィルタ処理した例を示す図である。
図10】DA変換後のアナログ信号をフィルタ処理した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施形態について詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るDA変換装置1のブロック図である。
DA変換装置1は、例えば、コンパクトディスク(CD)などのオーディオ用のデジタル信号を入力してアナログ信号に変換する装置である。DA変換装置1により変換されたアナログ信号はスピーカーなどに入力されて、CDなどの音楽データが再生される。
【0011】
図1において、アップサンプリング手段2は、入力されるデジタル信号のデジタル値を検知して、入力されるデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上である場合にこのデジタル信号を対象デジタル信号とする。そして、この対象デジタル信号と対象デジタル信号に続く後続デジタル信号の間に補間デジタル信号を挿入する。また、アップサンプリング手段2は、入力されるデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値より小さい場合には補間デジタル信号を挿入しない。
【0012】
変換手段3は、アップサンプリング手段2により処理されたデジタル信号をアナログ信号にDA変換する。DA変換する方式はいくつかあり、例えば、抵抗ラダー型、抵抗ストリング型、容量アレイ型、ΔΣ(デルタ・シグマ)型、電流源スイッチ型(電流ソース型)などがある。抵抗ラダー型は、構成が簡単で、低消費電力で、回路規模が小さいとの特徴があり、本実施形態において変換手段3は、抵抗ラダー型のDA変換方式を用いたものとしてもよい。
【0013】
記憶手段4は、デジタル値の中央値を記憶する。デジタル値の最大値は、入力されるデジタル信号の量子化ビット数により一義的に決定され、最小値である0と最大値より中央値が算出される。例えば、CDの場合、量子化ビット数は16ビットであり、0~65、535の65、536段階の量子化ビット数による音声データで構成されている。この場合、最大値は65、535であり、中央値は32、768である。したがって、記憶手段4は、入力されるデジタル信号の量子化ビット数を記憶して、記憶した量子化ビット数からデジタル値の最大値を算出し、この最大値から中央値を算出するようにしてもよい。
【0014】
DA変換装置1に入力されるデジタル信号は、例えば、PCM(Pulse Code Modulation)方式のデジタル信号である。PCM方式のデジタル信号は、音声などのアナログ信号を、アナログ-デジタル変換回路により、デジタル信号に変換する変調方式の一つである。
【0015】
PCM方式のデジタル信号は、信号の強度を一定周期で標本化(サンプリング)したものである。アナログ信号の強度をサンプリング周波数に従って一定間隔で測定し、定められたビット数の範囲で整数値として量子化する。例えば、CDの音声はサンプリング周波数44.1kHz、量子化ビット数16ビットで記録されており、これは毎秒44、100回信号を測定し、その強度を65、536(216)段階のデジタル値で表していることを意味する。同様にハイレゾの音声は、例えば、サンプリング周波数96kHz、量子化ビット数24ビットで記録されており、CDよりも原音をより高精度に記録、再生することができる。
【0016】
図2は、R-2Rラダー回路7の例を示す図である。図1の変換手段3は、R-2Rラダー回路7を有するようにしてもよい。R-2Rラダー回路7は、参照電圧V(ref)をR-2Rの抵抗で分圧していき、その電流をそれぞれのデジタルビットに応じた重み付けをして出力する回路である。重み付けをして出力された電流は電流電圧変換器8に入力されて電圧に変換されて、出力電圧V(OUT)が出力される。図2に示すR-2Rラダー回路7は、簡略化のため4ビットに対応した回路の例を示している。
【0017】
R-2Rラダー回路7に入力されるデジタル信号D0、D1、D2、D3に応じてスイッチSW0、SW1、SW2、SW3が切り替わり、これによってデジタル信号D0、D1、D2、D3に応じた出力電圧V(OUT)が出力される。スイッチSW0、SW1、SW2、SW3が切り替わることで回路に電流が流れたり切断されたりするため、この過渡現象に起因したノイズ(グリッジ)が発生することがある。
【0018】
R-2Rラダー回路7がNビットの回路の場合、任意のスイッチSWKが接続された場合の出力電圧V(OUT)=参照電圧V(ref)/2となる。R-2Rラダー回路7は、このスイッチSWKの組み合わせによって、デジタル信号をアナログ信号の電圧に変換するものである。
【0019】
図3は、DA変換の処理フローの例を示す図である。
デジタル信号を入力し(ステップS1)、入力されたデジタル信号をI2Sに変換する(ステップS2)。I2Sは、IC間でデジタル音声データをシリアル転送するための規格である。記憶手段4は、入力されI2Sに変換されたデジタル信号の中央値を記憶する(ステップS3)。
【0020】
記憶手段4が記憶した中央値に対するデジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上である場合には、アップサンプリング手段2が補間デジタル信号を挿入する(ステップS4)。アイソレータによりデジタル信号とアナログ信号を分離することで、デジタル信号のノイズがアナログ信号に乗らないようにして(ステップS5)、変換手段3が、デジタル信号をアナログ信号に変換する(ステップS6)。
【0021】
変換されたアナログ信号をローパスフィルタによってノイズ除去して(ステップS7)、アナログ信号を出力する(ステップS8)。
【0022】
図4は、アナログ波形のデジタル信号への変換を示す概念図である。
図5は、補間デジタル信号を挿入しない場合のDA変換の例を示す図である。
図6は、補間デジタル信号を挿入した場合のDA変換の例を示す図である。
図4におけるデジタル信号10Daは、図5における20Da、図6における30Daに相当し、図4おけるデジタル信号10Dbなどについても同様である。
【0023】
PCM方式によるアナログ信号のデジタル信号への変換は、アナログ信号の強度をサンプリング周波数に従って一定間隔で測定して標本化し、定められたビット数の範囲で整数値として量子化するものである。例えば、CDの場合には、サンプリング周波数が44.1kHzであり、量子化ビット数が16ビットである。
【0024】
図4においてグラフ10に示す波形11は、CDなどのデジタル信号を作成する前の原音のアナログ波形であり、波長はグラフ10においては一定で波長Faである。デジタル信号10Da、10Db、10Dc、10Dd、10Deは、波形11からCDの場合には44.1kHzの周波数に従って一定間隔でアナログ信号の強度を測定し、これをデジタル信号に変換したものである。CDの場合、一定間隔は1/44100秒であり、デジタル信号10Da、10Dbの間隔SFaは1/44100秒である。
【0025】
図4において、説明のためアナログ波形とデジタル信号を同じグラフ10に記載しているが、アナログ波形とデジタル信号では縦軸の内容は異なるものであり、これは図5図6においても同様である。すなわち、アナログ波形では縦軸は連続的な振幅の値であるが、デジタル値では、これを量子化ビット数に量子化した整数値である。
【0026】
図5において、グラフ20に示す波形21は、図4におけるデジタル信号10Daなどに相当するデジタル信号20Da、20Db、20Dc、20Dd、20Deに基づいてアナログ変換した出力波形を示している。デジタル信号20Daなどにより再現した波形21の波長はグラフ20においては一定で波長Fbである。
【0027】
図4に示す原音のアナログ波形である波形11の波長は波長Faであり、グラフ10とグラフ20の時間軸は同じであるため、明らかに波長Fa>波長Fbであり、波長Fbは波長Faの半分程度になっている。このように、図4に示すアナログ信号のサンプリング周波数では、原音の再現性が良好でない場合が発生する。
【0028】
図6において、グラフ30は、図4におけるデジタル信号10Daなどに相当するデジタル信号30Da、30Db、30Dc、30Dd、30Deの間にそれぞれ補間デジタル信号30Dab、30Dbc、30Dcd、30Ddeを挿入した状態を示している。
【0029】
グラフ30においては、デジタル信号30Daなどの間に1個の補間デジタル信号30Dabなどを挿入しており、デジタル信号30Da、30Dbの間隔SFaに対して、デジタル信号30Daと補間デジタル信号30Dabの間隔SFbは半分になっている。
【0030】
デジタル信号30Da、30Db、30Dc、30Dd、30Deと補間デジタル信号30Dab、30Dbc、30Dcd、30Ddeに基づいてアナログ変換したアナログ信号の出力波形である波形31は、グラフ30においては一定で波長Fcである。
【0031】
図4に示す原音のアナログ波形である波形11の波長は波長Faであり、グラフ10とグラフ30の時間軸は同じであるため、ほぼ波長Fa=波長Fcである。このように、補間デジタル信号30Dabなどを挿入することで、原音のアナログ波形である波形11に対して再現性の高いアナログ波形である波形31を得ることができる。
【0032】
図6において、補間デジタル信号30Dabなどは、デジタル信号30Da、30Db、30Dc、30Dd、30Deの間に1個挿入しているが、これに限定されず、複数個挿入してもよい。
【0033】
図7図8は、DA変換後のアナログ信号の例を示す図である。すなわち、図6で示す補間デジタル信号30Dabなどを挿入したデジタル信号を変換手段3によってアナログ信号に変換したものである。
【0034】
図7においてグラフ40に示すとおり、波形41のアナログ値Aaは、デジタル信号をアナログ信号に変換した際に発生するグリッジGのノイズ値Agに対して十分大きく、SN比が非常に高くなっている。このため、雑音が殆ど聞こえない原音に近い再生が可能なアナログ信号になっている。
【0035】
図8においてグラフ50に示すとおり、波形51のアナログ値Abは、デジタル信号をアナログ信号に変換した際に発生するグリッジGのノイズ値Agとほぼ同等であり、SN比が非常に低くなっている。このため、原音に本来存在しない大きな雑音が発生し、再生した場合に不快に感じるアナログ信号になっている。
【0036】
図2に示すR-2Rラダー回路7を用いてデジタル信号をアナログ信号に変換する際、R-2Rラダー回路7のスイッチSW0、SW1、SW2、SW3が接続状態と切断状態が切り替わることで回路に電流が流れたり切断されたりするため、この過渡現象に起因したノイズ(グリッジ)が発生することがある。
【0037】
デジタル信号の周波数が大きくなるほどR-2Rラダー回路7のスイッチSW0などの切り替わり回数が多くなるため、グリッジの発生頻度が高くなる。そして、図6に示すように、補間デジタル信号30Dabなどを挿入してデジタル信号の周波数を高くすると、このデジタル信号をアナログ信号に変換する場合のグリッジの発生頻度は、補間デジタル信号30Dabなどを挿入しない場合より高くなる。
【0038】
図8に示すように、デジタル信号のデジタル値が小さい場合に補間デジタル信号を挿入してデジタル信号の周波数を高くすると、このデジタル信号をアナログ信号に変換した場合、グリッジの発生頻度が高くなり、この影響でSN比が非常に低いアナログ信号になってしまう。
【0039】
このため、アップサンプリング手段2は、入力されたデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上である対象デジタル信号とこの対象デジタル信号に続く後続デジタル信号の間に補間デジタル信号を挿入するようにしており、入力されたデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値より小さい場合には、補間デジタル信号を挿入しないようにしている。
【0040】
すなわち、アップサンプリング手段2は、入力されたデジタル信号のデジタル値の中央値に対するデジタル信号のデジタル値の差異が、グリッジが発生しても影響が少なく、良好なSN比となる所定値以上である場合には、図6に示すように、補間デジタル信号30Dabなどを挿入することで、原音のアナログ波形である波形11に対して再現性の高いアナログ波形である波形31を得るようにしている。
【0041】
図6において、対象デジタル信号がデジタル信号30Daの場合、デジタル信号30Daに続く後続デジタル信号はデジタル信号30Dbである。そして、デジタル信号30Daと後続デジタル信号であるデジタル信号30Dbの間に補間デジタル信号30Dabを挿入している。同様に、対象デジタル信号がデジタル信号30Dbの場合、デジタル信号30Dbに続く後続デジタル信号はデジタル信号30Dcである。そして、デジタル信号30Dbと後続デジタル信号であるデジタル信号30cの間に補間デジタル信号30Dbcを挿入している。
【0042】
このような対象デジタル信号の該否の判断と、この判断に基づく補間デジタル信号の挿入を順次各デジタル信号について行うことで、入力されたデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上である場合には補間デジタル信号を挿入して原音に対する再現性を高くし、入力されたデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値より小さいデジタル信号については、補間デジタル信号を挿入しないで、アナログ信号に変換する際のグリッジの発生を抑制するようにしている。
【0043】
DA変換装置1は、デジタル値の中央値を記憶する記憶手段4を有し、アップサンプリング手段2は、補間デジタル信号を挿入する対象となるデジタル信号である対象デジタル信号の該否の判断において、記憶手段4が記憶するデジタル値の中央値に対するデジタル値の差異が中央値の所定比率以上である場合に、そのデジタル信号を対象デジタル信号とするようにしてもよい。デジタル値の中央値は、入力されるデジタル信号の量子化ビット数により一義的に決定される。
【0044】
例えば、CDの場合、量子化ビット数は16ビットであり、0~65、535の65、536段階の量子化ビット数になる。原音のアナログ信号において、波形はマイナスとプラスの振幅で表現される。これに対応したデジタル値の振幅は、0~65、535の中央値である32、768からの差異で表現され、-32、768~32、767の範囲になる。対象デジタル信号の該否の判断に係る所定比率は、この中央値である32、768に対する差異の比率である。例えば、所定比率が5%の場合、+5%の閾値は、32、768×1.05の端数切り上げにより、34、407であり、-5%の閾値は、32、768×0.95の端数切り下げにより、31、129であり、デジタル値が34、407以上又は31、129以下のデジタル信号が対象デジタル信号となる。
【0045】
所定比率は、2%以上30%以下であることが望ましく、より好適には2%以上15%以下であることが望ましく、更に好適には2%以上7%以下であることが望ましい。このようにすることで、変換後のアナログ信号において所定のSN比を確保することができる。そして、所定比率をこの範囲にすることで、所定比率以上であるデジタル信号については補間デジタル信号を挿入して原音に対する再現性を高くし、所定比率より小さいデジタル信号については、補間デジタル信号を挿入しないで、アナログ信号に変換する際のグリッジの発生を抑制することができる。すなわち、所定比率が大き過ぎると補間デジタル信号を挿入して原音に対する再現性を高くする対象が少なくなって原音の再現性が不十分になり、所定比率が小さ過ぎるとアナログ信号に変換する際のグリッジの発生を抑制する対象が少なくなってSN比が不十分となる。
【0046】
図6において、補間デジタル信号30Dabなどは、デジタル信号30Da、30Db、30Dc、30Dd、30Deの間に1個挿入しているが、これに限定されず、複数個挿入してもよい。
【0047】
デジタル信号のデジタル値が大きく、これを変換したアナログ信号において良好なSN比が得られる場合には、より多くの補間デジタル信号を挿入することで、より原音の再現性が高いアナログ信号を出力することができる。
【0048】
したがって、アップサンプリング手段2は、入力されたデジタル信号のデジタル値の中央値に対する対象デジタル信号のデジタル値の差異に基づいて挿入する補間デジタル信号の数を変更するようにしてもよい。また、アップサンプリング手段2は、入力されたデジタル信号のデジタル値の中央値に対する対象デジタル信号のデジタル値の差異の中央値に対する比率に基づいて挿入する補間デジタル信号の数を変更するようにしてもよい。いずれの場合も、中央値に対する対象デジタル信号のデジタル値の差異に基づいて挿入する補間デジタル信号の数を変更するものである。挿入する補間デジタル信号の数は、1個であってもよく、2個、3個、4個、5個、10個、20個などの複数個であってもよい。
【0049】
アップサンプリング手段2は、少なくとも対象デジタル信号と後続デジタル信号のデジタル値に基づいて挿入する補間デジタル信号のデジタル値を算出するようにしてもよい。例えば、図6において、デジタル信号30Daが対象デジタル信号であり、デジタル信号30Dbが後続デジタル信号である場合に、挿入する補間デジタル信号30Dabのデジタル値は、少なくともデジタル信号30Daとデジタル信号30Dbのデジタル値により補間デジタル信号のデジタル値を予測して、挿入するようにしてもよい。
【0050】
この場合、補間デジタル信号のデジタル値を対象デジタル信号であるデジタル信号30Daと後続デジタル信号であるデジタル信号30Dbのデジタル値の平均値にしてもよい。あるいは、対象デジタル信号であるデジタル信号30Daと後続デジタル信号であるデジタル信号30Dbのデジタル値から正弦波を予測し、この正弦波に乗るデジタル値から補間デジタル信号のデジタル値を算出するようにしてもよい。
【0051】
また、対象デジタル信号であるデジタル信号30Daと後続デジタル信号であるデジタル信号30Dbだけでなく、対象デジタル信号の1つ前のデジタル信号や後続デジタル信号の1つ後のデジタル信号のデジタル値を含めて補間デジタル信号のデジタル値を予測して、挿入するようにしてもよい。更に、対象デジタル信号の1つ前のデジタル信号や後続デジタル信号の1つ後のデジタル信号だけでなく、対象デジタル信号の複数個前、後続デジタル信号の複数個後のデジタル信号のデジタル値を含めて補間デジタル信号のデジタル値を予測して、挿入するようにしてもよい。
【0052】
図9図10は、DA変換後のアナログ信号をフィルタ処理した例を示す図である。
図9に示すグラフ60は、図7に示すグラフ40と同様に、補間デジタル信号を挿入したデジタル信号をアナログ信号に変換して、ローパスフィルタによって処理した波形61を示すものである。したがって、波形61の波長Ffは、図7に示す波形41の波長Fdと同じである。
【0053】
図10は、図8に示す場合と異なり、補間デジタル信号を挿入しないでデジタル信号をアナログ信号に変換して、フィルタ処理した波形71を示すものである。したがって、波形71の波長Fgは、図8に示す波形51の波長Feより長くなっている。このようにすることで、グリッジが発生するのを抑制している。
【0054】
図9図10に示す波形61、波形71は、デジタル信号を変換手段3によって変換したアナログ信号である波形41などをローパスフィルタによって処理したものである。ローパスフィルタによって、一定以上の周波数の部分をカットしてノイズを除去し、SN比の高いアナログ信号としている。ローパスフィルタがカットする周波数はアナログ信号の内容や求めるSN比などによって選択することが可能であり、例えば、2.5MHz以上の周波数成分をカットするようにしてもよい。
【0055】
このように、第1実施形態に係るDA変換装置1は、入力されたデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上であるデジタル信号については補間デジタル信号を挿入して原音の再現性を高くし、入力されたデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値より小さいデジタル信号については、補間デジタル信号を挿入しないで、アナログ信号に変換する際のグリッジの発生を抑制するようにしている。
【0056】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るDA変換装置1について説明する。以下、第2実施形態に係るDA変換装置1が、第1実施形態に係るDA変換装置1と異なる内容についてのみ説明する。
【0057】
第1実施形態に係るDA変換装置1において、アップサンプリング手段2は、入力されるデジタル信号のデジタル値を検知して、入力されるデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上である場合にこのデジタル信号を対象デジタル信号として、この対象デジタル信号と対象デジタル信号に続く後続デジタル信号の間に補間デジタル信号を挿入し、入力されるデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値より小さい場合には補間デジタル信号を挿入しないものである。
【0058】
第2実施形態に係るDA変換装置1において、アップサンプリング手段2は、入力されるデジタル信号のデジタル値を検知して、入力されるデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値以上である場合にこのデジタル信号を第1対象デジタル信号として、この第1デジタル信号と第1デジタル信号に続く第1後続デジタル信号の間に補間デジタル信号を挿入し、入力されるデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異が所定値より小さい第2デジタル信号とこの第2デジタル信号に続く第2後続デジタル信号の間に挿入する補間デジタル信号の数を第1デジタル信号と第1後続デジタル信号の間に挿入する補間デジタル信号の数より少なくするものである。
【0059】
また、第2実施形態に係るDA変換装置1において、アップサンプリング手段2は、中央値に対するデジタル値の差異が中央値の所定比率以上であるデジタル信号を第1対象デジタル信号とし、中央値に対するデジタル値の差異が中央値の所定比率より小さいデジタル信号を第2対象デジタル信号とするようにしてもよい。
【0060】
所定比率は、2%以上30%以下であることが望ましく、より好適には2%以上15%以下であることが望ましく、更に好適には2%以上7%以下であることが望ましい。このようにすることで、変換後のアナログ信号において所定のSN比を確保することができる。
【0061】
アップサンプリング手段2は、中央値に対する第1デジタル信号のデジタル値の差異及び中央値に対する第2デジタル信号のデジタル値の差異に基づいて挿入する補間デジタル信号の数を変更するようにしてもよい。挿入する補間デジタル信号の数は、1個でも複数個でもよい。
【0062】
アップサンプリング手段2は、第2デジタル信号と第2後続デジタル信号の間に挿入する補間デジタル信号の数を第1デジタル信号と第1後続デジタル信号の間に挿入する補間デジタル信号の数の所定割合以下にするようにしてもよい。所定割合以下は、70%以下であることが望ましく、より好適には50%以下であることが望ましく、更に好適には30%以下であることが望ましい。
【0063】
例えば、第1デジタル信号と第1後続デジタル信号の間に挿入する補間デジタル信号の数が10個の場合、第2デジタル信号と第2後続デジタル信号の間に挿入する補間デジタル信号の数を5個以下、すなわち、5個、4個、3個、2個、1個、あるいは0個とするようにしてもよい。このように、中央値に対する第2デジタル信号のデジタル値の差異によっては、補間デジタル信号を挿入しないようにしてもよい。
【0064】
アップサンプリング手段2は、少なくとも第1デジタル信号と第1後続デジタル信号のデジタル値に基づいて第1デジタル信号と第1後続デジタル信号の間に挿入する補間デジタル信号のデジタル値を算出し、少なくとも第2デジタル信号と第2後続デジタル信号のデジタル値に基づいて第2デジタル信号と第2後続デジタル信号の間に挿入する補間デジタル信号のデジタル値を算出するようにしてもよい。具体的なデジタル値の算出の方法の例は、第1実施形態の対象デジタル信号と後続デジタル信号の場合と同様である。
【0065】
このように、第2実施形態に係るDA変換装置1は、入力されたデジタル信号のデジタル値の中央値に対する個々のデジタル信号のデジタル値の差異によって第1デジタル信号と第2デジタル信号に区分して、差異が所定値以上の第1デジタル信号については、挿入する補間デジタル信号の数を多くして原音の再現性を高くし、差異が所定値より小さい第2デジタル信号については、挿入する補間デジタル信号の数を第1デジタル信号より少なくして、アナログ信号に変換する際のグリッジの発生を抑制するようにしている。
【0066】
本発明に係るDA変換装置1は、事前にデジタル信号を処理する必要がなく、CDなどのデジタル信号をそのまま入力してノイズが低く原音に近いアナログ信号に変換するので、一般的に使用される転送速度の遅いCDプレーヤーなどでもリアルタイムに変換することができるため利便性が高い。
【0067】
以上説明したように、本発明によれば、原音の再現性が高く、デジタル値が小さいデジタル信号をアナログ信号に変換する際のグリッジの発生を抑制することができるDA変換装置1を提供することができる。
【0068】
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を実施しても良い。
【0069】
このように、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0070】
1 DA変換装置
2 アップサンプリング手段
3 変換手段
4 記憶手段
7 R-2Rラダー回路
8 電流電圧変換器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10