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特開2022-124185情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124185
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220818BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021801
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一
(72)【発明者】
【氏名】盛林 敏之
(72)【発明者】
【氏名】松井 涼
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】グループで行動するユーザに対して適切なサービスを提供することができる情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る情報提供装置は、取得部と、提供部とを備える。取得部は、所定のイベントに参加するユーザと、ユーザに対して所定のグループ条件を満たした他ユーザとを含むグループの特性に関するグループ特性情報を取得する。提供部は、取得部によって取得されたグループ特性情報に基づいて、グループに対して所定のサービスを提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のイベントに参加するユーザと、前記ユーザに対して所定のグループ条件を満たした他のユーザとを含むグループの特性に関するグループ特性情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記グループ特性情報に基づいて、前記グループに対して所定のサービスを提供する提供部と
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記イベントに参加する際に行った前記ユーザの行動情報に基づいて、前記ユーザに同伴する同伴ユーザを検出する検出部をさらに備え、
前記取得部は、
前記ユーザおよび前記同伴ユーザを含む前記グループの前記グループ特性情報を取得すること
を特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記検出部は、
前記同伴ユーザが所定数未満であった場合、前記ユーザに関するユーザ情報に基づいて、前記ユーザと目的が類似する類似ユーザを検出し、
前記取得部は、
前記ユーザおよび前記類似ユーザを含む前記グループの前記グループ特性情報を取得すること
を特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記グループ特性情報は、
前記グループに含まれるユーザ数の情報を含み、
前記提供部は、
前記ユーザ数に基づいて、前記イベントが開催されるイベント位置および所定位置の間の経路における移動手段に関する移動手段情報を提供すること
を特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記グループ特性情報は、
前記グループに含まれるユーザそれぞれに関するユーザ情報を含み、
前記提供部は、
該ユーザ情報に基づいて、前記イベントが開催されるイベント位置および所定位置の間の経路に存在する施設で使用可能な特典情報を提供すること
を特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記イベントは、
所定の施設で開催されるイベントであって、
前記提供部は、
前記グループに含まれるユーザそれぞれの位置情報と、前記施設の内部における混雑情報とに基づいて、前記施設の内部における所定の目的位置までの推奨経路に関する推奨経路情報を提供すること
を特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の情報提供装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つに記載の情報提供装置と、
前記ユーザが扱う端末装置であって、前記情報提供装置から提供される情報を受信する端末装置と
を備えることを特徴とする情報提供システム。
【請求項8】
所定のイベントに参加するユーザと、前記ユーザに対して所定のグループ条件を満たした他ユーザとを含むグループの特性に関するグループ特性情報に基づいて、前記グループに対して所定のサービスを提供すること
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばコンサートなどのイベント時に、イベント施設周辺の混雑を緩和させる技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来技術にあっては、イベント時のバス運行事業者の運行管理システムにおいて、イベント施設にあるバス乗り場のモードが切り替えられ、臨時のバスが当該バス乗り場から出発できるようにすることで、バス待ちの人を減らすようなサービス提供が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/079778号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、各ユーザに対してサービスを提供しているに過ぎず、例えば、複数のユーザを含むグループに対して適切なサービスが提供されているとはいえなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、グループで行動するユーザに対して適切なサービスを提供することができる情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報提供装置は、取得部と、提供部とを備える。前記取得部は、所定のイベントに参加するユーザと、前記ユーザに対して所定のグループ条件を満たした他ユーザとを含むグループの特性に関するグループ特性情報を取得する。前記提供部は、前記取得部によって取得された前記グループ特性情報に基づいて、前記グループに対して所定のサービスを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、グループで行動するユーザに対して適切なサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報提供方法の概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す機能ブロック図である。
図4図4は、ユーザ情報の一例を示す図である。
図5図5は、施設情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報提供装置によって実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、変形例に係る混雑回避の誘導方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報提供装置、情報提供システムおよび情報提供方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報提供方法の概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報提供方法の概要を示す図である。なお、図1では、実施形態に係る情報提供方法によって、所定のグループとみなしたユーザに対してイベント会場から所定の目的地(例えば、自宅等)までの移動手段に関する情報を提供する場合を例に挙げて説明する。
【0011】
図1に示す例では、実施形態に係る情報提供方法を実行することで、イベント会場からグループ(例えば、家族)で帰宅する場合に、電車で帰宅するよりもタクシーで帰宅するほうがより経済的である旨の情報を提供することができる。
【0012】
具体的には、実施形態に係る情報提供方法では、まず、イベントに参加するユーザに対して所定のグループ条件を満たした他のユーザの有無を検出する。図1に示す例では、ユーザに同伴する同伴ユーザを他のユーザとして検出する。なお、同伴ユーザは、ユーザとともにイベントに参加するユーザであってもよく、イベントには参加せずにイベント会場付近まで同伴する(一緒に移動する)ユーザであってもよい。
【0013】
つづいて、実施形態に係る情報提供方法では、ユーザおよび同伴ユーザを含むグループの特性に関するグループ特性情報を取得する。図1に示す例では、グループ特性情報は、グループのユーザ数の情報である。なお、グループ特性情報は、ユーザ数の情報以外にも、グループに含まれるユーザの情報に基づく各種情報を含むが、かかる点については後述する。
【0014】
そして、実施形態に係る情報提供方法では、グループ特性情報に基づいて、グループに対して所定のサービスを提供する。図1に示す例において、実施形態に係る情報提供方法では、グループに含まれるユーザ数に基づいて、イベント会場から自宅までの経路における最も経済的な移動手段の情報を、例えば、ユーザの端末装置40を介してグループへ提供する。
【0015】
すなわち、図1に示す例では、グループで自宅まで帰宅する場合に、徒歩および電車(イベント会場付近の駅(イベント会場ごとにテーブル等で記憶)から乗車とする)を使った経路1の料金と、タクシーを使った経路2の料金とを比較し、安い経路(移動手段)である経路2の情報をグループに対して提供する。なお、情報の提供先は、グループに含まれるユーザ全員の端末装置を対象としてもよく、グループに含まれるいずれか1のユーザ(同伴ユーザ含む)の端末装置を対象としてもよい。
【0016】
このように、実施形態に係る情報提供方法によれば、グループで行動するユーザに対して適切なサービスを提供することができる。さらに、実施形態に係る情報提供方法によれば、グループで行動するユーザに対して適切なサービスを提供することで、グループ単位での人流制御が可能となる。
【0017】
なお、図1に示す例では、帰宅経路において、最も安い経路(移動手段)を提供したが、例えば、帰宅に要する時間が最も短い経路や、最も疲れにくい(徒歩が少ない)経路等を提供するようにしてもよい。
【0018】
また、図1に示す例では、グループに含まれるユーザ全員が同じ目的地(自宅)である場合を示したが、例えば、ユーザそれぞれの自宅が違う場合には、解散場所を目的地としてもよい。尚、解散場所は、ユーザが手動で設定したり、また各自の目的地から所定条件で決定する(各目的地への共通の経路から所定距離範囲内の所定種別の施設・駅等)ようにしても良い。
【0019】
また、自宅が異なるユーザがタクシーで帰宅する場合には、降りる順番(経由する順番
)の情報を併せて提供してもよい。また、図1に示す例では、イベント会場から自宅までの帰路(復路)における移動手段を提供したが、自宅からイベント会場までの往路における移動手段を提供してもよい。
【0020】
また、図1に示す例では、ユーザに同伴する同伴ユーザをグループとして設定する場合を示したが、同伴ユーザがいない、もしくは、少ない場合には、例えば、イベントに参加した他のユーザの中から目的が類似する類似ユーザをグループの一員として設定してもよい。なお、図1を用いる場合、類似ユーザは、例えば、ユーザの自宅と目的地が近い他のユーザである。
【0021】
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報提供システムの構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供システム1の構成例を示すブロック図である。
【0022】
図2に示すように、情報提供システム1は、情報提供方法を実行する情報提供装置10と、端末装置40と、定点カメラ60とを含み、これらはインターネット網などの通信ネットワークNを介して通信可能に接続される。なお、図2では、図示の簡略化のため、端末装置40および定点カメラ60をそれぞれ1つ示したが、複数であってもよい。
【0023】
端末装置40は、ユーザ(同伴ユーザや後述する類似ユーザを含む)に所持されて使用される装置である。なお、端末装置40としては、例えばスマートフォンやタブレット端末などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0024】
端末装置40には、例えばGPS(Global Positioning System)衛星からの信号に基づいてユーザの位置(正確には端末装置40の位置)を示す位置情報を検出するGPS受信機などが含まれる。端末装置40は、検出した位置情報を情報提供装置10へ送信することができる。
【0025】
また、端末装置40は、情報提供装置10から提供される各種情報を受信して、不図示の表示部に表示したり、音声出力したりすることができる。
【0026】
定点カメラ60は、移動経路や、施設内、施設周辺、目的地周辺に設置される。また、定点カメラ60は、移動経路上に複数台設置されてもよい。
【0027】
定点カメラ60は、ユーザが移動する経路や、施設内、施設周辺、目的地周辺を撮像し、撮像されたカメラ画像を情報提供装置10へ送信することができる。なお、定点カメラ60のカメラ画像は、動画データであるが、これに限られず、静止画データ(所定時間間間隔で撮影)などであってもよい。かかるカメラ画像は、情報提供装置10において混雑情報として取得されるが、これについては後述する。
【0028】
なお、定点カメラ60は、ユーザが移動する経路や、施設内、施設周辺、目的地周辺の人を検知する人体検知センサであってもよい。人体検知センサとしては、例えば赤外線信号を用いた焦電センサなどを採用することができる。
【0029】
なお、上記したように、情報提供装置10が、端末装置40の位置情報に基づいて混雑情報を取得する場合、言い換えると、定点カメラ60のカメラ画像が混雑情報として利用されない場合、定点カメラ60は除去されてもよい。
【0030】
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の構成例について説明する。図3は、実施形態に係る情報提供装置10の構成例を示す機能ブロック図である。なお、図3のブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0031】
換言すれば、図3のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0032】
図3に示すように、情報提供装置10は、通信部11と、制御部20と、記憶部30とを備える。
【0033】
通信部11は、通信ネットワークNに双方向通信可能に接続する通信インターフェイスであり、端末装置40および定点カメラ60等との間で情報の送受信を行う。
【0034】
制御部20は、取得部21と、検出部22と、提供部23とを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0035】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20の取得部21、検出部22および提供部23として機能する。
【0036】
また、制御部20の取得部21、検出部22および提供部23の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0037】
また、記憶部30は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部30には、ユーザ情報31、施設情報32および各種プログラムなどが記憶される。
【0038】
ユーザ情報31は、ユーザ(同伴ユーザや類似ユーザを含む)に関する情報である。図4は、ユーザ情報31の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザ情報31には、「ユーザID」、「位置情報」および「属性」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0039】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「位置情報」は、ユーザの位置を示す情報である。「位置情報」は、例えば、緯度経度等の座標で表わされる。また、「位置情報」は、ユーザが所定の施設に存在する場合、施設の内部における位置であってもよい。例えば、「位置情報」は、ユーザがスタジアムやコンサート会場に存在する場合、スタジアムやコンサート会場の座席位置であってもよい。
【0040】
「属性」は、ユーザの属性を示す属性情報である。「属性」には、ユーザの年齢、性別、住所、趣味、嗜好などの情報が含まれるが、これらはあくまでも例示であって限定されるものではない。
【0041】
なお、図4に示す例では、便宜上、「位置情報」を「P1」といったように抽象的な記載とするが、「P1」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0042】
施設情報32は、情報提供装置10によって提供される特典を使用可能な施設に関する情報である。図5は、施設情報32の一例を示す図である。図5に示すように、施設情報32には、「施設ID」、「施設位置」および「特典」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0043】
「施設ID」は、施設を識別する識別情報である。「施設位置」は、施設が存在する位置を示す情報である。「特典」は、施設が発行する特典に関する情報である。「特典」は、例えば、使用期限、特典内容、発行限度数等の情報が含まれる。
【0044】
次に、制御部20の各機能(取得部21、検出部22および提供部23)について説明する。
【0045】
取得部21は、各種情報を取得する。例えば、取得部21は、イベントに参加するユーザや、ユーザと同伴する同伴ユーザ、ユーザと目的が類似する類似ユーザ等に関するユーザ情報を取得する。なお、同伴ユーザおよび類似ユーザの検出方法については、後述の検出部22によって検出される。
【0046】
ユーザ情報には、例えば、ユーザの位置情報や、行動情報、属性情報等が含まれる。位置情報は、例えば、緯度経度等の座標であってもよく、イベントが開催されている施設の内部の位置(例えば、座席位置等)であってもよい。行動情報は、ユーザの行動に関する情報であり、インターネット上における行動情報や、実際の行動情報が含まれる。
【0047】
インターネット上における行動情報には、例えば、イベントに参加するためのチケット等を購入するための行動や、検索に関する行動等が含まれる。実際の行動情報とは、例えば、ユーザが実際に行った場所や、施設、実際に参加したイベント等の情報が含まれる。
【0048】
また、属性情報は、ユーザの属性に関する情報であり、例えば、人口統計学的な属性であるデモグラフィック属性や、心理学的な属性であるサイコグラフィック属性等の情報である。
【0049】
デモグラフィック属性には、例えば、ユーザの年齢や、性別、住所、職業等がある。サイコグラフィック属性には、ユーザの価値観やライフスタイル、詳細には、ユーザの趣味や嗜好等がある。
【0050】
取得部21は、ユーザの入力操作により得られた情報をそのままユーザ情報として取得してもよく、ユーザの入力操作により得られた情報を基にユーザ情報を推定してもよい。
【0051】
また、取得部21は、後述する検出部22によって設定されたグループの特性に関するグループ特性情報を取得する。例えば、グループ特性情報は、グループに含まれるユーザ数の情報である。
【0052】
また、グループ特性情報は、ユーザ数の他に、例えば、グループに含まれるユーザの統計学的な情報が含まれてもよい。具体的には、グループ特性情報には、例えば、グループに含まれるユーザのうち、過半数以上が○○好き(あるいは、嫌い)等といった嗜好の傾向に関する情報が含まれる。
【0053】
また、グループ特性情報は、グループに含まれるユーザの平均年齢や、性別比等のユーザそれぞれに関する情報が含まれてもよい。また、グループ特性情報は、グループに含まれるすべてのユーザがイベントに参加している場合、イベントが開催されている位置(施設や場所等)の内部における位置情報(座席位置等)が含まれてもよい。
【0054】
検出部22は、イベントに参加するユーザや、同伴ユーザ、類似ユーザを検出する。イベントに参加するユーザは、例えば、ユーザ情報のうち、イベント参加のためのチケットを購入する行動情報に基づいて検出する。
【0055】
また、検出部22は、例えば、チケットを購入する際に複数枚のチケットを購入した場合に、購入枚数に応じたユーザ数の同伴ユーザを検出する。なお、検出部22は、例えば、チケット購入枚数が1枚であっても、別途同伴ユーザが存在する旨の情報をユーザから受け付けてもよい。また、検出部22は、イベントに参加するユーザに対して同伴ユーザの有無や人数を直接問い合わせてもよい。尚、スマートホンを用いた電子チケットの場合は、複数枚で購入したチケットを各スマートホンに分配する際に分配対象のスマートホンを紐づけることにより(識別可能に記録する)、スマートホン単位での同伴ユーザ判定が可能となる。
【0056】
あるいは、検出部22は、他のユーザの位置情報に基づいて、イベント当日に対象のユーザと行動を共にしている他のユーザを同伴ユーザとして検出してもよい。
【0057】
また、検出部22は、同伴ユーザのユーザ数が所定数未満(ゼロを含む)であった場合、イベントに参加するユーザや他のユーザのユーザ情報に基づいて、ユーザと目的が類似する類似ユーザを検出する。
【0058】
例えば、検出部22は、イベントを終えて帰宅しようとしているユーザがいる場合、かかるユーザの周囲に存在し、かつ、かかるユーザの自宅と目的地が近い他のユーザを類似ユーザとして検出する。なお、検出部22は、自宅に限らず、例えば、ユーザがレストラン等の所定の施設や場所を目的地としている場合に、かかる目的地と近い(あるいは同じ)位置を目的地とする他のユーザを類似ユーザとして検出してもよい。
【0059】
そして、検出部22は、イベントに参加するユーザ、同伴ユーザ、および、類似ユーザの検出結果に応じたグループを設定する。具体的には、検出部22は、同伴ユーザが所定数以上である場合には、イベントに参加するユーザおよび同伴ユーザを含むグループを設定する。これにより、後段の提供部23において、ユーザおよび同伴ユーザを含むグループに対して適切なサービスを提供することができる。また、検出部22は、同伴ユーザがゼロで、類似ユーザが存在する場合には、イベントに参加するユーザおよび類似ユーザを含むグループを設定する。
【0060】
また、検出部22は、同伴ユーザが所定数未満で、類似ユーザが存在する場合には、イベントに参加するユーザ、同伴ユーザおよび類似ユーザを含むグループを設定する。これにより、同伴ユーザがいない、もしくは、少数である場合に、目的が類似する類似ユーザと即席的にグループを設定して適切なサービスを提供することができる。また、検出部22は、同伴ユーザおよび類似ユーザが存在しない場合、グループの設定を行わない。
【0061】
なお、検出部22は、例えば、他のユーザが類似ユーザとして検出されることを拒否する指示を受けている場合には、かかる他のユーザを類似ユーザが除外してグループを設定する。
【0062】
提供部23は、取得部21によって取得されたグループ特性情報に基づいて、グループに対して所定のサービスを提供する。
【0063】
例えば、提供部23は、グループに含まれるユーザ数に基づいて、イベントが開催されるイベント位置および所定位置の間の経路における移動手段に関する移動手段情報を提供する。
【0064】
具体的には、提供部23は、グループに含まれるユーザ数でイベント位置および所定位置(例えば、自宅)の間の経路(往路または復路)を移動する場合、最も安い移動手段に関する移動手段情報を提供する。
【0065】
なお、提供部23は、グループに含まれるユーザの平均年齢や、年齢分布に基づいて、最も移動距離または移動時間が短い移動手段や、徒歩が少ない移動手段に関する移動手段情報を提供してもよい。
【0066】
また、提供部23は、グループに含まれる各ユーザの所定位置(最終目的地)が異なる場合には、解散位置を所定位置とする移動手段情報を提供してもよい。かかる場合の解散位置は、例えば、解散位置から各ユーザの最終目的地までの距離の総和が最も小さく位置や、解散位置から各ユーザの最終目的地までの距離の範囲が所定値以内に納まる位置を設定する。
【0067】
また、提供部23は、グループに含まれる各ユーザの所定位置が異なり、かつ、移動手段がタクシーである場合には、降りる順番(到着順番)の情報を移動手段情報とともに提供してもよい。また、降りる順番は、例えば、ユーザによって予め指定されてもよく、あるいは、料金が最も安い順番や、移動時間が最も短い順番等であってもよい。
【0068】
このように、提供部23は、移動手段情報を提供することで、グループにとって最適な移動手段を提供することができる。
【0069】
また、提供部23は、移動手段情報の他に、例えば、グループに含まれるユーザそれぞれに関するユーザ情報に基づいて、イベントが開催されるイベント位置および所定位置の間の経路に存在する施設で使用可能な特典情報を提供する。特典情報は、例えば、施設で使用可能な割引券やクーポン、ポイント等である。
【0070】
例えば、提供部23は、イベント位置および所定位置の間の経路検索をユーザから受け付けた場合に、経路の検索結果とともに、経路上で使用可能な特典情報を提供する。また、提供部23は、イベント位置から所定位置までの経路を予測し、例えば、イベント終了後に、特典情報をプッシュ通知してもよい。
【0071】
また、提供部23は、グループに含まれる各ユーザの嗜好に基づいて、特典情報を発行する施設を決定してもよい。例えば、提供部23は、○○好きが過半数以上のグループの場合、○○を提供する施設の特典情報を提供する。
【0072】
あるいは、提供部23は、グループに含まれるユーザの中から特定のユーザの指定を受け付けた、指定されたユーザのユーザ情報に基づいて決定した施設の特典情報を提供してもよい。
【0073】
また、提供部23は、例えば、施設の混雑状況に基づいて特典情報を提供してもよい。例えば、提供部23は、カメラ画像等を基に推定した混雑度が所定値未満の施設の特典情報を提供する。あるいは、提供部23は、所定時間後に混雑が予想される場合には、かかる時間を除いた時間で使用可能な特典情報を発行してもよい。
【0074】
また、提供部23は、グループに含まれるユーザ数に応じて特典情報を提供してもよい。例えば、提供部23は、所定数以上で来店した場合に特典を受けられる特典情報の場合、グループのユーザ数が所定数以上のグループに対してかかる特典情報を提供する。
【0075】
このように、提供部23は、特典情報を提供することで、例えば、混雑していない施設へ人流を誘導したり、混雑していない経路へ人流を誘導したりできる。
【0076】
また、提供部23は、イベントが開催されている施設の内部に存在するユーザに対しても各種情報を提供することができる。例えば、提供部23は、グループに含まれるユーザそれぞれの施設の内部における位置情報と、施設の内部における混雑情報とに基づいて、施設の内部における所定の目的位置までの推奨経路に関する推奨経路情報を提供する。
【0077】
例えば、提供部23は、グループに含まれるすべてのユーザを混雑していない経路を通って、同じ出入り口(混雑していない出入り口がより好ましい)へ誘導する推奨経路を提供する。また、目的位置は、出入り口に限らず、例えば、トイレや、レストラン、グッズ売り場等の位置であってもよい。
【0078】
また、提供部23は、例えば、ユーザによって施設の内部において集合場所が指定された場合や、集合してから施設の外部へ出る等の指定がされた場合には、施設の内部における集合場所を目的位置とする推奨経路情報を提供する。
【0079】
なお、混雑情報は、現在の混雑状況を示す情報であり、例えば、施設の内部に設置されたカメラの画像に基づいて検出可能である。あるいは、混雑情報は、過去の混雑状況に基づいて推定される所定時間後の混雑状況を示す情報であってもよい。
【0080】
このように、提供部23は、推奨経路情報を提供することで、グループに含まれるユーザに対して混雑することなく目的位置まで到達できる推奨経路を提供することができるとともに、グループのユーザを見失うことを高精度に回避することができる。
【0081】
次に、図6を用いて、実施形態に係る情報提供装置10において実行される処理の手順について説明する。図6は、実施形態に係る情報提供装置10によって実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0082】
図6に示すように、まず、取得部21は、イベントに参加するユーザの行動情報を取得する(ステップS101)。
【0083】
つづいて、検出部22は、取得した行動情報に基づいて、ユーザに同伴する同伴ユーザがいるか否かを判定する(ステップS102)。検出部22は、同伴ユーザがいる場合(ステップS102:Yes)、同伴ユーザのユーザ数が所定数以上であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0084】
検出部22は、同伴ユーザが所定数以上である場合(ステップS103:Yes)、ユーザおよび同伴ユーザを含むグループを設定する(ステップS104)。
【0085】
つづいて、取得部21は、検出部22によって設定されたグループの特性に関するグループ特性情報を取得する(ステップS105)。つづいて、提供部23は、取得部21によって取得されたグループ特性情報に基づいて、グループに対して各種情報を提供し(ステップS106)、処理を終了する。
【0086】
一方、ステップS103において、検出部22は、同伴ユーザが所定数未満であった場合(ステップS103:No)、ユーザ情報に基づいて、ユーザと目的が類似する類似ユーザがいるか否かを判定する(ステップS107)。
【0087】
検出部22は、類似ユーザがいる場合(ステップS107:Yes)、ユーザ、同伴ユーザおよび類似ユーザを含むグループを設定し(ステップS108)、ステップS105に移行する。なお、検出部22は、類似ユーザがいない場合(ステップS107:No)、ステップS104に移行する。
【0088】
一方、ステップS102において、検出部22は、同伴ユーザがいない場合(ステップS102:No)、類似ユーザがいるか否かを判定する(ステップS109)。
【0089】
検出部22は、類似ユーザがいる場合(ステップS109:Yes)、ユーザおよび類似ユーザを含むグループを設定し(ステップS110)、ステップS105に移行する。なお、検出部22は、類似ユーザがいない場合(ステップS109:No)、処理を終了する。
【0090】
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置10は、取得部21と、提供部23とを備える。取得部21は、所定のイベントに参加するユーザと、ユーザに対して所定のグループ条件を満たした他ユーザとを含むグループの特性に関するグループ特性情報を取得する。提供部23は、取得部21によって取得されたグループ特性情報に基づいて、グループに対して所定のサービスを提供する。これにより、グループで行動するユーザに対して適切なサービスを提供することができる。
【0091】
次に、変形例として、イベント会場の座席(エリア)の混雑回避のための誘導方法例について説明する。本誘導方法は、観客一人一人が座席に待機している状況をモニターすることで、イベント主催者側からの要請通りに、その場で指定された時間待機している人に対してのみ、クーポンやポイント等の特典を付与できるようにし、強制力を行使しないことで、観客が積極的にかつ、気持ちよく待機に協力できるようにすることを特徴とする。
【0092】
図7は、変形例に係る混雑回避の誘導方法を示す図である。かかる誘導方法は、情報提供装置10によって実行される。具体的には、図7に示すように、情報提供装置10は、イベント会場のエリアEA1~ED7それぞれに、イベント終了後の要請待機時間、要請に応じた場合の提供ポイントを割り当てておき、待機要請に従った場合には割り当てられたポイントを該当のユーザ(観客)に提供(当該ユーザの登録スマートフォンに送信)するものである。なお、提供ポイントは、各エリアEA1~ED7に含まれる複数の座席それぞれに異なるポイントが割り当てられてもよい。
【0093】
各ユーザの座席位置情報(エリア位置あるいは座席番号)については、チケット購入情報時にユーザのスマートフォン情報を登録することや、チケット画像をユーザがスマートフォンのカメラで取り込み、その情報をサーバに送信・登録すること等により、取得し利用できる。
【0094】
また、ユーザが待機要請に応じたかどうかは、各ユーザのスマートホンの位置検知機能を用いたユーザ位置の変化情報(時刻と位置データ)や、イベント会場の出口に設けた退出検知ゲート(近距離通信によるスマートフォンとの通信等)により、イベント会場からの退出時刻とイベント終了時間の差異等により判断できる。
【0095】
そして、座席毎の要請待機時間、待機要請に応じた場合の提供ポイントについては、図7に示したような、座席毎(エリア毎:各エリアにある座席データは別途設定)の要請待機時間、待機要請に応じた場合の提供ポイントのテーブルデータを記憶しておくことにより、判断が可能となる。
【0096】
ポイント付与については、要請待機時間との差に応じて削減することが望ましい。例えば、要請待機時間より早く退席した場合は「差異時間(分)×2ポイント削減(下限0ポイント)」、要請待機時間より遅く退席した場合は「5分までは削減無、5分以降は(差異時間(分)-4)×1ポイント削減(下限10ポイント)」とするなどして、人流制御効果を高めるようにするのが好ましい。この際、各ユーザのスマートフォンには、イベント終了からの経過時間、要請待機時間、その時点での提供ポイント等を表示するようにすれば(管理サーバからデータ送信、あるいはスマートフォンで各データ、時刻データから演算)、ユーザの認識が高まり、より効果的になる。尚、このようなポイント算出は、算出式やテーブル(要請待機時間との差異とポイント削減値)により算出できる。
【0097】
そして、グループについては、グループの各メンバー(各メンバーのスマートフォン)に対してこのようなポイントを配布するか、代表(代表のスマートフォン)に対してこのようなポイントを配布するかを選択できるようにし(管理サーバより代表のスマートフォンに選択の通知)、選択内容(代表のスマートフォンから管理サーバへの回答)に応じて管理サーバが対象のスマートフォンにポイントを配布する。グループの場合、イベント終了後にグループで食事を行う等のグループ行動によりポイントを使用することが多くなるので、代表にまとめてポイントを付与することもできる上述の方法は有効である。
【0098】
また、ユーザによりチケット購入時には、座席指定のための情報として、図Xに示すような「座席毎の要請待機時間、要請に応じた場合の提供ポイント」情報を表示するようにする。これにより、ユーザはイベント終了時の待機時間やその際に提供されるポイントの情報を考慮して座席選択が行えるようになり、ユーザの利便性が向上する。
【0099】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 情報提供システム
2 経路
10 情報提供装置
11 通信部
20 制御部
21 取得部
22 検出部
23 提供部
30 記憶部
31 ユーザ情報
32 施設情報
40 端末装置
60 定点カメラ
N 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7