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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124238
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】簡易ブーツ
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/02 20060101AFI20220818BHJP
   A43B 3/20 20220101ALI20220818BHJP
【FI】
A43B3/02
A43B3/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021021888
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】505075570
【氏名又は名称】株式会社東京プロカラーラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 茂
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA07
4F050BC34
4F050FA00
4F050HA28
(57)【要約】
【課題】平面状素材から作ることができ製造が容易な簡易ブーツを提供。
【解決手段】簡易ブーツ1は、靴および足を覆ってブーツを形成する簡易ブーツであって、靴および足の右側を覆う右片と、靴および足の左側を覆う左片とを備え、後縁部同士を一体的に連結し、前縁部同士および下縁部同士を分離可能に掛止する構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴および足を覆ってブーツを形成する簡易ブーツであって、
前記靴および前記足の右側を覆う右片と、
前記靴および前記足の左側を覆う左片と、
を備え、
前記右片および前記左片は、
それぞれ、前縁部、後縁部、上縁部、下縁部、前記後縁部と前記下縁部との間に設けられた後下縁部、前記前縁部と前記下縁部との間に設けられた前下縁部と、前記右片の前縁部と前記左片の前縁部とを分離可能に掛止するための前縁掛止部と、前記右片の下縁部と前記左片の下縁部とを分離可能に掛止するための下縁掛止部とを備え、
さらに、前記右片の前記後縁部および前記左片の前記後縁部を一体的に連結した構成とし、
さらに、前記前縁掛止部および前記下縁掛止部の掛止により、前記右片の前記上縁部と前記左片の前記上縁部とで前記足が挿入される足用開口部を形成し、前記右片の前記後下縁部と前記左片の前記後下縁部とで前記靴の踵を露出する踵用開口部を形成し、前記右片の前記前下縁部と前記左片の前記前下縁部とで前記靴の前側部分を露出する靴前側用開口部を形成する構成としたことを特徴とする簡易ブーツ。
【請求項2】
前記右片および前記左片は、平面状素材で構成したことを特徴とする請求項1に記載の簡易ブーツ。
【請求項3】
前記右片および前記左片は、帯を裁断して形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の簡易ブーツ。
【請求項4】
前記右片の前記後縁部および前記左片の前記後縁部は、足首のラインに沿った曲線部を有していることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の簡易ブーツ。
【請求項5】
前記右片および前記左片は、面対称に形成したことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の簡易ブーツ。
【請求項6】
前記右片の前記後縁部および前記左片の前記後縁部は、継目なしに連結していることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の簡易ブーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴および足を覆ってブーツを形成する簡易ブーツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の簡易ブーツとして、たとえば、特許文献1には、短靴における足下防水カバーが開示されている。
【0003】
この防水カバーは、非通気性生地から成るカバー本体に脛下覆部と靴覆部とを一体形成し、脛下覆部の下端は靴踵の付近に位置し、靴覆部には靴底に掛止する底掛け部を形成し、カバー本体の後側または前側に開閉部を設けた構成となっている。
【0004】
また、後側に開閉部を設けた後開き式の場合、靴の前部を入れる穴をカバー本体の前面下部に設け、前側に開閉部を設けた前開き式の場合、靴の踵を入れる穴をカバー本体の後面下部に設けた構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実願昭59-169703号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この構成では、靴の前部または踵を入れる穴を有する形状のため立体成型する必要があり、製造が煩雑になる。
しかも、穴は予め所定の大きさに形成されているため、靴の形状やサイズにより靴にフィットしない場合が生じる。
【0007】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、平面状素材から作ることができるので製造が容易で、しかも靴の形状やサイズにかかわらず靴にフィットすることができる簡易ブーツを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、靴および足を覆ってブーツを形成する簡易ブーツであって、靴および足の右側を覆う右片と、靴および足の左側を覆う左片とを備え、右片および左片は、それぞれ、前縁部、後縁部、上縁部、下縁部、後縁部と下縁部との間に設けられた後下縁部、前縁部と下縁部との間に設けられた前下縁部と、右片の前縁部と左片の前縁部とを分離可能に掛止するための前縁掛止部と、右片の下縁部と左片の下縁部とを分離可能に掛止するための下縁掛止部とを備え、さらに、右片の後縁部および左片の後縁部を一体的に連結した構成とし、さらに、前縁掛止部および下縁掛止部を掛止したとき、右片の上縁部と左片の上縁部とで足が挿入される足用開口部を形成し、右片の後下縁部と左片の後下縁部とで靴の踵を露出する踵用開口部を形成し、右片の前下縁部と左片の前下縁部とで靴の前側部分を露出する靴前側用開口部を形成する構成としたことを特徴とするものである。
【0009】
右片および左片は、平面状素材で構成するのが好ましい。
【0010】
また、右片および左片は、帯を裁断して形成するのが好ましい。
【0011】
右片の後縁部および左片の後縁部は、足首のラインに沿った曲線部を有していることが好ましい。
【0012】
さらに、右片および左片は、面対称に形成するのが好ましい。
【0013】
さらに、右片の前記後縁部および左片の前記後縁部は、継目なしに連結した構成としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、平面状素材から作ることができるので製造が容易で、しかも靴の形状やサイズにかかわらず靴にフィットすることができる簡易ブーツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本発明の第1実施形態に係る簡易ブーツを示す側面図。
図2】同簡易ブーツを示す展開図。
図3】同簡易ブーツを示す斜視図。
図4】同簡易ブーツを靴に装着する説明図。
図5】同簡易ブーツの製造工程を説明するための図。
図6】本発明の第2実施形態に係る簡易ブーツを示す側面図。
図7】同簡易ブーツを示す展開図。
図8】同簡易ブーツの製造工程を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。
【0017】
図1は、第1実施形態に係る簡易ブーツ1を示している。
【0018】
この簡易ブーツ1は、靴2および足3を覆ってブーツを形成するようになっている。
【0019】
すなわち、この簡易ブーツ1は、たとえばハイヒールなどの靴2の前側部分2aおよび踵2bを除く中央部2c並びに足3の甲3aおよび足首近傍3bを覆い、ブーツのように外観形成されている。
【0020】
この簡易ブーツ1は、図2にも示すように、靴2および足3の右側を覆う右片4と、靴2および足3の左側を覆う左片5とを備えている。
【0021】
右片4および左片5は、たとえば和服の帯などの平面状素材15(図5に示す。)で形成され、それぞれ、前縁部4a,5a、後縁部4b,5b、上縁部4c,5c、下縁部4d,5d、後縁部4b,5bと下縁部4d,5dとの間に設けられた後下縁部4e,5e、前縁部4a,5aと下縁部4d,5dとの間に設けられた前下縁部4f,5fとを備え、面対称に形成されている。
【0022】
こらら右片4および左片5の前縁部4a,5a、上縁部4c,5c、下縁部4d,5d、後下縁部4e,5e、前下縁部4f,5fには、右片4および左片5の素材とは別のたとえば布などの素材で形成された補強部材6a,6c,6d,6e,6f,7a,7c,7d,7e,7fが取り付けられている。
【0023】
また、右片4の後縁部4bおよび左片5の後縁部5bは、詳細は後述するが、たとえば縫合により一体的に連結されている。
【0024】
さらに、右片4の前縁部4aおよび左片5の前縁部5aには、それぞれ、たとえば複数の穴(前縁掛止部)8…,9…が所定間隔を空けて設けられている。
【0025】
そして、これら穴8…,9…にたとえば靴紐(前縁掛止部)10を通して結ぶことにより、右片4の前縁部4aと左片5の前縁部5aとを分離可能に掛止することができるようになっている。
【0026】
さらに、右片4の下縁部4dと左片5の下縁部5dとには、たとえば鉤上部材とこの鉤状部材が係合するリング状の係合部材とからなる面状テープ(下縁掛止部)11,11が設けられていて、右片4の下縁部4dと左片5の下縁部5dとを分離可能に掛止することができるようになっている。
【0027】
そして、図3にも示すように、靴紐10により右片4の前縁部4aと左片5の前縁部5aとを掛止するとともに面状テープ11,11により右片4の下縁部4dと左片5の下縁部5dとを掛止することにより、右片4の上縁部4cと左片5の上縁部5cとで足3が挿入される足用開口部12が形成し、右片4の後下縁部4eと左片5の後下縁部5eとで靴2の踵2bを露出する踵用開口部13が形成され、右片4の前下縁部4fと左片5の前下縁部5fとで靴2の前側部分2aを露出する靴前側用開口部14が形成されるようになっている。
【0028】
さらに、右片4の後縁部4bおよび左片5の後縁部5bは、図2に示すように、足首3bのラインに沿った曲線部4g,5gを有していて、これら曲線部4g,5gをが一体的に連結されることにより、図1に示すように、簡易ブーツ1は、足首3bにフィットするようになっている。
【0029】
次に、簡易ブーツ1の靴2への装着は、図4(a)に示すように、面状テープ11,11を分離した状態から靴底2dに巻き付け、図4(b)に示すように、面状テープ11,11を係合させる.
【0030】
また、右片4および左片5の成型は、たとえば帯などの平面状素材6を右片4および左片5の形状に裁断して形成されている。
【0031】
以上の構成によれば、平面状素材15から作ることができるので製造が容易である。しかも、靴紐10や面状テープ11,11の調整により、靴2の形状やサイズにかかわらず靴2にフィットすることができる。
【0032】
この場合、面状テープ11,11は、靴底2dに位置するので、デザインを損ねることがなく、すっきりとした外観となる。
【0033】
さらに、曲線部4g,5gを設けたことにより、足首3bにフィットするので、ずり落ちることがなく綺麗に履くことができる。
【0034】
さらに、素材として帯を利用することにより、綺麗に仕上げることができ、しかも帯の再利用ができる。
【0035】
<第2実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の第2実施形態について説明する。
【0036】
図6は、第2実施形態に係る簡易ブーツ1を示している。
【0037】
本実施形態では、図7に示すように、右片4の後縁部4bおよび左片5の後縁部5bは、継目なしに連結されている。
【0038】
すなわち、上記第1実施形態の曲線部4g,5gが設けられていないため、製造は、図9に示すように、右片4および左片5が一体となって帯6から裁断されるようになっている。
【0039】
このような構成によれば、足首3bへのフィットは無くなるが、右片4と左片5との連結工程が不要となり、製造がさらに容易になる。
【0040】
なお、上記実施形態では、右片4および左片5は、帯等の平面状素材15から形成したが、素材はこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0041】
1 簡易ブーツ
2 靴
3 足
4 右片
5 左片
4a 前縁部
5a 前縁部
4b 後縁部
5b 後縁部
4c 上縁部
5c 上縁部
4d 下縁部
5d 下縁部
4e 後下縁部
5e 後下縁部
4f 前下縁部
5f 前下縁部
8 前縁掛止部(穴)
10 前縁掛止部(靴紐)
11 下縁掛止部(面状テープ)
12 足用開口部
13 踵用開口部
14 靴前側用開口部
15 平面状素材(帯)
4g 曲線部
5g 曲線部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8