IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カプコンの特許一覧

特開2022-124316ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム
<>
  • 特開-ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム 図1
  • 特開-ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム 図2
  • 特開-ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム 図3
  • 特開-ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム 図4
  • 特開-ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム 図5
  • 特開-ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム 図6
  • 特開-ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム 図7
  • 特開-ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム 図8
  • 特開-ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124316
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20220818BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20220818BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20220818BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
A63F13/30
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022011
(22)【出願日】2021-02-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
(57)【要約】
【課題】ユーザの期待感を更に向上させることが可能なゲームプログラムを提供する。
【解決手段】ゲームプログラムは、ゲーム装置5の制御部56を、抽選を実行することが可能な抽選権前売りガチャチケットを、特殊抽選リストに含まれている複数の抽選対象キャラクタのうちの少なくとも一つが未確定な状態でユーザに付与する抽選権付与手段563として機能させる。また、ゲームプログラムは、サーバ装置2の制御部23を、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後に未確定の抽選対象キャラクタを確定して、特殊抽選リストに含まれている複数の抽選対象キャラクタの全てを認識可能にする抽選リスト管理手段233として機能させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
抽選リストに含まれている複数の抽選対象ゲーム媒体の中から、ユーザに関連付けるゲーム媒体を抽選により決定する抽選手段と、
前記抽選を実行することが可能な抽選権を、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体のうちの少なくとも一つが未確定な状態で前記ユーザに付与する抽選権付与手段と、
前記ユーザに前記抽選権が付与された後に未確定の抽選対象ゲーム媒体を確定して、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てを認識可能にする抽選リスト管理手段と、として機能させる
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記抽選手段は、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てが確定することを条件に、前記抽選を実行する
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記抽選リスト管理手段は、前記抽選権が前記ユーザに付与された後の現実の事象に基づいて、前記未確定の抽選対象ゲーム媒体に関連付けるべきゲーム媒体を決定する
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記抽選リスト管理手段は、前記抽選権が前記ユーザに付与された後の前記ユーザのゲームのプレイ履歴に基づいて、前記未確定の抽選対象ゲーム媒体に関連付けるべきゲーム媒体を決定する
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記抽選リスト管理手段は、前記抽選権が前記ユーザに付与された後の前記ユーザのゲームのプレイ履歴に基づいて、前記抽選リストの種類を更に決定する
請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記抽選リスト管理手段は、前記抽選権が前記ユーザに付与された後の前記ユーザの選択に基づいて、前記未確定の抽選対象ゲーム媒体に関連付けるべきゲーム媒体を決定する
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記未確定の抽選対象ゲーム媒体が確定することにより複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てが認識可能となる抽選リストを所定の抽選リストとするとき、
前記抽選リスト管理手段は、前記抽選権が前記ユーザに付与された後の前記ユーザのゲームのプレイ履歴に基づいて、前記所定の抽選リストを用いた抽選を実行するか否かを決定する
請求項1~6のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記抽選権を第1抽選権とし、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てが認識可能になった後に前記ユーザに付与される抽選権を第2抽選権とするとき、
前記第2抽選権に対応した前記抽選を行う場合よりも、前記第1抽選権に対応した前記抽選を行う場合の方が前記抽選の対価又は結果が優遇されている
請求項1~7のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記抽選手段は、
前記抽選として、複数の抽選処理を順に行うものであり、
前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の少なくとも一つが未確定な状態で複数の抽選処理のうちの一部の抽選処理を実行するとともに、
前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てが確定した後に、複数の抽選処理のうちの残りの抽選処理を実行して、ユーザに関連付けるゲーム媒体を決定する
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記抽選手段は、
前記一部の抽選処理の結果が所定の条件を満たしている場合には、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てが確定した後に前記残りの抽選処理を実行して、ユーザに関連付けるゲーム媒体を決定し、
前記一部の抽選処理の結果が所定の条件を満たしていない場合には、前記一部の抽選処理に続いて前記残りの抽選処理を実行して、ユーザに関連付けるゲーム媒体を決定する
請求項9に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
抽選リストに含まれている複数の抽選対象ゲーム媒体の中から、ユーザに関連付けるゲーム媒体を抽選により決定する抽選部と、
前記抽選を実行することが可能な抽選権を、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体のうちの少なくとも一つが未確定な状態で前記ユーザに付与する抽選権付与部と、
前記ユーザに前記抽選権が付与された後に未確定の抽選対象ゲーム媒体を確定して、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てを認識可能にする抽選リスト管理部と、を備える
ゲーム装置。
【請求項12】
抽選リストに含まれている複数の抽選対象ゲーム媒体の中から、ユーザに関連付けるゲーム媒体を抽選により決定する抽選部と、
前記抽選を実行することが可能な抽選権を、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体のうちの少なくとも一つが未確定な状態で前記ユーザに付与する抽選権付与部と、
前記ユーザに前記抽選権が付与された後に未確定の抽選対象ゲーム媒体を確定して、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てを認識可能にする抽選リスト管理部と、を備える
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置、及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1に記載のゲーム装置は、ゲーム上のアイテムの内容がユーザに認識されない状態で当該アイテムをユーザに付与するとともに、アイテムの付与後に所定時期が到来することに基づいて、当該アイテムの内容をユーザが認識できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-87666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のゲーム装置では、所定時期が到来するまでの期間はアイテムの内容をユーザが認識できないものの、当該アイテムの内容はユーザへの付与時に既に確定している。これがユーザの期待感を低下させる要因となっている。
本開示の目的は、ユーザの期待感を更に向上させることが可能なゲームプログラム、ゲーム装置、及びゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の側面は、コンピュータを、
抽選リストに含まれている複数の抽選対象ゲーム媒体の中から、ユーザに関連付けるゲーム媒体を抽選により決定する抽選手段と、
前記抽選を実行することが可能な抽選権を、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体のうちの少なくとも一つが未確定な状態で前記ユーザに付与する抽選権付与手段と、
前記ユーザに前記抽選権が付与された後に未確定の抽選対象ゲーム媒体を確定して、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てを認識可能にする抽選リスト管理手段と、として機能させるゲームプログラムである。
【0006】
第1の側面において、前記抽選手段は、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てが確定することを条件に、前記抽選を実行することができる。
第1の側面において、前記抽選リスト管理手段は、前記抽選権が前記ユーザに付与された後の現実の事象に基づいて、前記未確定の抽選対象ゲーム媒体に関連付けるべきゲーム媒体を決定することができる。
【0007】
第1の側面において、前記抽選リスト管理手段は、前記抽選権が前記ユーザに付与された後の前記ユーザのゲームのプレイ履歴に基づいて、前記未確定の抽選対象ゲーム媒体に関連付けるべきゲーム媒体を決定することができる。
第1の側面において、前記抽選リスト管理手段は、前記抽選権が前記ユーザに付与された後の前記ユーザのゲームのプレイ履歴に基づいて、前記抽選リストの種類を更に決定することができる。
【0008】
第1の側面において、前記抽選リスト管理手段は、前記抽選権が前記ユーザに付与された後の前記ユーザの選択に基づいて、前記未確定の抽選対象ゲーム媒体に関連付けるべきゲーム媒体を決定することができる。
第1の側面において、前記未確定の抽選対象ゲーム媒体が確定することにより複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てが認識可能となる抽選リストを所定の抽選リストとするとき、
前記抽選リスト管理手段は、前記抽選権が前記ユーザに付与された後の前記ユーザのゲームのプレイ履歴に基づいて、前記所定の抽選リストを用いた抽選を実行するか否かを決定することができる。
【0009】
第1の側面において、前記抽選権を第1抽選権とし、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てが認識可能になった後に前記ユーザに付与される抽選権を第2抽選権とするとき、
前記第2抽選権に対応した前記抽選を行う場合よりも、前記第1抽選権に対応した前記抽選を行う場合の方が前記抽選の対価又は結果が優遇されていることができる。
【0010】
第1の側面において、前記抽選手段は、
前記抽選として、複数の抽選処理を順に行うものであり、
前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の少なくとも一つが未確定な状態で複数の抽選処理のうちの一部の抽選処理を実行するとともに、
前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てが確定した後に、複数の抽選処理のうちの残りの抽選処理を実行して、ユーザに関連付けるゲーム媒体を決定することができる。
【0011】
第1の側面において、前記抽選手段は、
前記一部の抽選処理の結果が所定の条件を満たしている場合には、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てが確定した後に前記残りの抽選処理を実行して、ユーザに関連付けるゲーム媒体を決定し、
前記一部の抽選処理の結果が所定の条件を満たしていない場合には、前記一部の抽選処理に続いて前記残りの抽選処理を実行して、ユーザに関連付けるゲーム媒体を決定することができる。
【0012】
第2の側面は、
抽選リストに含まれている複数の抽選対象ゲーム媒体の中から、ユーザに関連付けるゲーム媒体を抽選により決定する抽選部と、
前記抽選を実行することが可能な抽選権を、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体のうちの少なくとも一つが未確定な状態で前記ユーザに付与する抽選権付与部と、
前記ユーザに前記抽選権が付与された後に未確定の抽選対象ゲーム媒体を確定して、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てを認識可能にする抽選リスト管理部と、を備えるゲーム装置である。
【0013】
第3の側面は、
抽選リストに含まれている複数の抽選対象ゲーム媒体の中から、ユーザに関連付けるゲーム媒体を抽選により決定する抽選部と、
前記抽選を実行することが可能な抽選権を、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体のうちの少なくとも一つが未確定な状態で前記ユーザに付与する抽選権付与部と、
前記ユーザに前記抽選権が付与された後に未確定の抽選対象ゲーム媒体を確定して、前記抽選リストに含まれている複数の前記抽選対象ゲーム媒体の全てを認識可能にする抽選リスト管理部と、を備えるゲームシステムである。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、ユーザの期待感を更に向上させることが可能なゲームプログラム、ゲーム装置、及びゲームシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態のゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態の通常抽選リストの一例を示す図である。
図3】第1実施形態の特殊抽選リストの一例を示す図である。
図4】第1実施形態の特殊抽選リストの月間MVP枠の確定状態の推移を示すタイムチャートである。
図5】(A),(B)は、Sランクの月間MVP枠のキャラクタ、Aランクの月間MVP枠のキャラクタの一例を模式的に示す図である。
図6】第1実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例を示す図である。
図7】第1実施形態のゲーム装置及びサーバ装置の動作例を示すシーケンスチャートである。
図8】第1実施形態の第2変形例の特殊抽選リストの一例を示す図である。
図9】第2実施形態のゲーム装置及びサーバ装置の動作例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
本開示のゲームシステム1の第1実施形態について図面を参照して説明する。
<ゲームの説明>
図1に示されるゲームシステム1では、サーバ装置2及び複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されており、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0017】
本実施形態のゲームは、ゲームシステム1において実行されるオンラインのゲームである。以下では、そのようなゲームとして野球形式のゲームを例に挙げて説明する。このゲームでは、ゲーム装置5のユーザが、単数又は複数のプレイヤキャラクタを仮想ゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタのチームを、ノンプレイヤキャラクタのチームと対戦させたりすることができる。プレイヤキャラクタはオブジェクトに相当する。
【0018】
本実施形態のゲームでは、ユーザがゲーム媒体を取得することができる。ゲーム媒体とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤが仮想空間において操作するプレイヤキャラクタ、アイテム、並びにゲーム内で使用可能な消費媒体等である。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による購入やクエストのクリア、各種ゲーム内のイベントの報酬、ガチャと呼ばれる抽選方法等により入手することができる。
【0019】
消費媒体は、仮想ゲーム空間内で使用可能な仮想通貨やポイント、アイテム、プレイヤキャラクタ等であって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストの報酬として、又は現実社会での課金によりユーザに付与される。
仮想通貨は、有償の仮想通貨であってもよいし、無償の仮想通貨であってもよい。有償の仮想通貨は、課金により取得される仮想通貨である。無償の仮想通貨は、課金によらずに取得される仮想通貨である。無償の仮想通貨は、例えばゲームのログイン時にユーザに付与される特典(いわゆるログインボーナス)、あるいはクエスト等のゲームイベントのクリアによりユーザに付与される特典等、ゲームの進行に応じて取得可能であってもよい。
【0020】
クエストとは、ゲーム内で達成すべき課題や条件等が関連付けられたゲームコンテンツである。クエストには、そのクリア条件が設定されている。ユーザのゲーム行動によりクエストのクリア条件が達成されるとユーザに所定の報酬が付与される。なお、クエストにはクリア条件以外の課題(いわゆるミッション)が関連付けられていてもよい。当該ミッションを達成しつつクリア条件を成就することで、ユーザにはクリア報酬に加えてミッションクリア報酬が付与される。
【0021】
ガチャとは、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体はユーザに付与される。ガチャを行うために消費されるゲーム媒体には、例えば課金操作によりユーザに付与される有償ゲーム媒体である「有償石」や、ゲーム行動を通じてユーザに付与される無償ゲーム媒体である「無償石」がある。なお、「ゲーム媒体をユーザに付与する」とは「ゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連付ける」と同義である。また、「ゲーム媒体をユーザが所有する」とは「ゲーム媒体が、ユーザを示す識別情報に関連付けられている」と同義である。
【0022】
ユーザがガチャ等で入手可能なプレイヤキャラクタやアイテム等のゲーム媒体には、その所定パラメータの一つとして、希少価値を示すレアリティと称されるパラメータが予め設定されている。具体的には、レアリティが高いとは、希少価値が高い、すなわちゲーム内で入手し難いことを意味し、レアリティが低いとは、希少価値が低い、すなわちゲーム内で入手し易いことを意味する。本実施形態のゲームでは、各ゲーム媒体に、Sランク、Aランク、及びBランクのいずれかのレアリティが予め設定されている。Sランクが最も高いレアリティであり、そこからAランク、Bランクの順でレアリティが低くなる。
【0023】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)等の家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)等の携帯用ゲーム機、もしくはパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の電子機器であるゲーム装置5を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0024】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1はサーバ装置2及び複数のゲーム装置5により構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラム及びゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5のゲームデータの管理、より詳細にはアカウント毎のゲームデータの管理を行う。
【0025】
ゲーム装置5はユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラム及びゲームデータの受信、具体的にはダウンロード及びインストールを行う。各ユーザには、ゲーム装置5に対応付けられて、識別情報及びパスワードを含むアカウント情報が割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時にゲーム装置5からサーバ装置2に送信されて、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0026】
ユーザ認証を経てサーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ、例えばゲーム進行状況に関するデータをサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像及び音声をディスプレイ61及びスピーカ62からそれぞれ出力しつつ、ゲームを進行させる。
【0027】
<ゲームシステム1の構成>
以下、図1を参照して、サーバ装置2及びゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5のそれぞれは互いに同一の構成を有している。
【0028】
<サーバ装置2の構成>
図1に示されるように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22、及び制御部23を有している。ネットワークインターフェース21及び記憶部22はバス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0029】
ネットワークインターフェース21はインターネット及びLAN等の通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能に接続されている。
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びSSD(Solid State Drive)等で構成されている。記憶部22には、本実施形態のゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB(Data Base)221及び抽選リストDB222等の各種データが記憶されている。
【0030】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号毎に、ユーザ情報、ユーザに付与されたゲーム媒体、及びユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報等が対応付けられて記憶されている。ユーザ情報は、ユーザ名、及びユーザランク等の情報を含む。プレイヤキャラクタに関する情報とは、プレイヤキャラクタのレベルやステータス、当該プレイヤキャラクタに関連付けられたアイテム等である。また、プレイヤキャラクタに関する情報には、プレイヤキャラクタに関連付けられている通貨の額やアイテム等も含まれている。
【0031】
抽選リストDB222には、ガチャに対応した抽選処理を行う際に用いられる複数の抽選リストが記憶されている。抽選リストには、ゲーム媒体に関する情報と、抽選による選択確率とが関連付けられて記憶されている。ゲーム媒体に関する情報とは、ゲーム媒体の名称、能力、パラメータ、及びレアリティ等である。パラメータとは、例えばゲーム媒体がプレイヤキャラクタの場合、打力や走力、守備力等である。
【0032】
本実施形態のプレイヤキャラクタに対応したガチャの抽選処理は、例えば第1抽選処理、第2抽選処理の順で行われる。第1抽選処理は、抽選により最終的にユーザに関連付けられるプレイヤキャラクタを当選キャラクタとするとき、Sランク、Aランク、及びBランクの複数のレアリティの中から、当選キャラクタが有するレアリティを抽選により特定する処理である。第2抽選処理は、第1抽選処理で特定されたレアリティを有する複数のプレイヤキャラクタの中から抽選により1つのキャラクタを決定する処理である。このようなプレイヤキャラクタのガチャに対応した抽選処理を行うために、抽選リストDB222には例えば図2に示されるような通常抽選リスト222aが記憶されている。
【0033】
図2は、プレイヤキャラクタの通常ガチャに用いられる通常抽選リスト222aの一例を示したものである。図2に示されるように、通常抽選リスト222aでは、プレイヤキャラクタのレアリティと、レアリティの抽選確率と、キャラクタ名と、キャラクタの抽選確率とが規定されている。
【0034】
レアリティの抽選確率は、対応するレアリティの第1抽選処理における抽選確率を示したものである。通常抽選リスト222aでは、第1抽選処理におけるSランクの抽選確率が「10[%]」に、Aランクの抽選確率が「30[%]」に、Bランクの抽選確率が「60[%]」にそれぞれ設定されている。各レアリティの抽選確率の合計値は「100[%]」である。
【0035】
キャラクタ名は、各レアリティで当選する可能性のあるプレイヤキャラクタの名称を示したものである。以下では、便宜上、当選する可能性のあるプレイヤキャラクタを「抽選対象キャラクタ」と称する。各レアリティの抽選対象キャラクタは、それぞれのレアリティに属する多数のキャラクタの中から予め選定される。通常抽選リスト222aに記載されているプレイヤキャラクタは、通常抽選により選択される可能性のある抽選対象ゲーム媒体に相当する。
【0036】
キャラクタの抽選確率は、第2抽選処理における抽選対象キャラクタの抽選確率を示したものである。各レアリティに属する複数の抽選対象キャラクタのそれぞれの抽選確率の合計値は「100[%]」である。
この通常抽選リスト222aを用いて第1抽選処理及び第2抽選処理が行われた場合、実際のキャラクタの抽選確率はレアリティの抽選確率とキャラクタの抽選確率とを乗算した値となる。例えばキャラクタ1の実際の抽選確率は、レアリティの抽選確率である「10[%]」と、キャラクタの抽選確率である「20[%]」とを乗算することにより得られる「2[%]」である。
【0037】
また、抽選リストDB222には例えば図3に示されるような特殊抽選リスト222bも記憶されている。特殊抽選リスト222bは、抽選により選択される可能性のある複数のプレイヤキャラクタのうちの少なくとも一つが未確定な抽選リストである。
具体的には、図3に示されるように、特殊抽選リスト222bでは、Sランクの抽選対象キャラクタに月間MVP枠のキャラクタ及び複数の通常キャラクタA~Eが含まれている。月間MVP枠のキャラクタには、現実のプロ野球における月間MVPの選手が選択される。図4に示されるように、現実のプロ野球で月間MVPの選手が選出される時期を「MVP選出時期Tb」とすると、MVP選出時期Tbよりも前の時点では月間MVP枠のキャラクタは未確定である。MVP選出時期Tbにおいて月間MVPの選手が決定すると、その選手が月間MVP枠のキャラクタとして選択される。これに対し、通常キャラクタA~Eは、Sランクのレアリティに属する多数のキャラクタの中から予め選定されている。
【0038】
図3に示されるように、特殊抽選リスト222bでは、Aランクの抽選対象キャラクタにも同様に月間MVPのキャラクタ及び複数の通常キャラクタが含まれている。
なお、Sランクの月間MVP枠及びAランクの月間MVP枠には異なるキャラクタを選択してもよい。例えば、Sランクの月間MVP枠のキャラクタには、月間MVPの投手及び野手のうち、月間MVPの投手を選択し、Aランクの月間MVP枠のキャラクタには月間MVPの野手を選択してもよい。
【0039】
また、図5(A),(B)に示されるように、Sランクの月間MVP枠及びAランクの月間MVP枠には同一のキャラクタを選択してもよい。この場合、Sランクの月間MVP枠に選択されるキャラクタ、及びAランクの月間MVP枠に選択されるキャラクタはレアリティが異なることとなる。なお、図5(A),(B)では、星の数でレアリティが示されている。
【0040】
図1に示される制御部23は、CPU及び半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、サーバ装置2の動作を制御する。制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、抽選リスト管理手段233、及び抽選手段234として機能する。これらの手段231~235はそれぞれ、情報処理部、照合部、抽選リスト管理部、及び抽選部に相当する。
【0041】
―情報処理手段231―
情報処理手段231は各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、アカウント情報、ゲームデータ等が挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、ガチャで得られたゲーム媒体に関する情報等が挙げられる。
【0042】
―照合手段232―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いてユーザアカウントの認証を行う。
―抽選リスト管理手段233―
抽選リスト管理手段233は、抽選リストDB222に記憶されている各種の抽選リストを管理する。例えば、抽選リスト管理手段233は、予め定められた期間が経過したときに、抽選リストに含まれているプレイヤキャラクタを変更したり、抽選確率を変更したりすることにより既存のガチャの内容を更新する。また、抽選リスト管理手段233は、抽選リストDB222に登録されている抽選リストを削除することにより既存のガチャを削除したり、抽選リストDB222に新たな抽選リストを登録することにより新たなガチャを出現させたりする。
【0043】
また、抽選リスト管理手段233は、図3に示される特殊抽選リスト222bを更新する。具体的には、抽選リスト管理手段233は、月間MVPの選手の選出時期よりも前の時点で、月間MVP枠のキャラクタが未確定の状態で図3に示されるような特殊抽選リスト222bを作成する。その後、抽選リスト管理手段233は、現実のプロ野球において月間MVPの選手が選出されると、その選手の情報を所定の情報管理サーバから取得するとともに、その情報に基づいて特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタを確定する。抽選リスト管理手段233は、このような特殊抽選リスト222bの更新を毎月行う。
【0044】
―抽選手段234―
抽選手段234は、ユーザの抽選要求であるガチャの実施要求に応じて複数の抽選対象ゲーム媒体の中から少なくとも一つのゲーム媒体を抽選によりユーザに関連付ける抽選処理を実行する。具体的には、ユーザがゲーム装置5に対してガチャの実施操作を行うと、ゲーム装置5からサーバ装置2にガチャの実施要求が送信される。抽選手段234は、このガチャの実施要求に応じて、抽選リストの中からゲーム媒体毎の当選確率に基づいて、複数の抽選対象ゲーム媒体の中から少なくとも一つのゲーム媒体を抽選により選択する。抽選手段234は、選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを関連付ける。これにより、ユーザには、自身でガチャを引くことにより当選したゲーム媒体が付与される。
【0045】
例えば、ユーザがゲーム装置5に対して通常ガチャの実施操作を行った場合、ゲーム装置5からサーバ装置2に通常ガチャの実施要求が送信される。この場合、抽選手段234は、図2に示される通常抽選リスト222aを用いて一つのプレイヤキャラクタを選択する。具体的には、抽選手段234は、図2に示される通常抽選リスト222aを用いることにより、当選キャラクタが有するレアリティとして、「レアリティの当選確率」の欄に記載の抽選確率に基づいてSランク、Aランク、及びBランクの中から一つのレアリティを抽選により特定する第1抽選処理を実行する。その後、抽選手段234は、第1抽選処理で特定されたレアリティを有する複数のプレイヤキャラクタの中から「キャラクタの抽選確率」の欄に記載の抽選確率に基づいて一つの当選キャラクタを決定する第2抽選処理を行う。
【0046】
一方、抽選手段234は、ゲーム媒体の一つである前売りガチャチケット及び通常ガチャチケットがユーザに付与された場合、図3に示される特殊抽選リスト222bを用いた抽選処理を実行する。前売りガチャチケットは、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタが確定するよりも前にユーザが入手可能なチケットである。通常ガチャチケットは、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタが確定した後にユーザが入手可能なチケットである。本実施形態では、前売りガチャチケットが第1抽選権に相当し、通常ガチャチケットが第2抽選権に相当する。
【0047】
ユーザに前売りガチャチケットが付与された場合、そのチケットの付与時点では、現実のプロ野球において月間MVPの選手が選出されていないため、図3に示される特殊抽選リスト222bにおいて月間MVP枠のキャラクタは未確定である。この場合、抽選手段234は、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタが確定した時点で、図3に示される特殊抽選リスト222bを用いて第1抽選処理及び第2抽選処理を実行することにより一つの当選キャラクタを決定する。
【0048】
一方、ユーザに通常ガチャチケットが付与された場合、そのチケットの付与時点では、現実のプロ野球において月間MVPの選手が選出されているため、図3に示される特殊抽選リスト222bにおいて月間MVP枠のキャラクタが確定している。この場合、抽選手段234は、ユーザに通常ガチャチケットが付与された時点で、図3に示される特殊抽選リスト222bを用いて第1抽選処理及び第2抽選処理を実行することにより一つの当選キャラクタを決定する。
【0049】
なお、以下では、便宜上、図2に示される通常抽選リスト222aに基づく抽選を「通常抽選」と称し、図3に示される特殊抽選リスト222bに基づく抽選を「特殊抽選」と称する。
<ゲーム装置5の構成>
図1に示されるように、ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62、及びタッチパッド63が外部接続又は内蔵されている。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55、及び制御部56を有している。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、及び記憶部55はバス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0050】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために通信ネットワーク6に通信可能に接続されている。
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に基づいて動画形式でゲーム画像を描画する。ゲーム画像には、キャラクタ及び仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトが含まれる。グラフィック処理部52は、例えば液晶型のディスプレイ61に接続されており、動画形式で描画されたゲーム画像をゲーム画面としてディスプレイ61上に表示する。
【0051】
オーディオ処理部53は、スピーカ62に接続されており、制御部56の指示に基づいてゲーム音声を再生及び合成するとともに、そのゲーム音声をスピーカ62から出力させる。
操作部54は、タッチパッド63に接続されており、操作及び入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザはタッチパッド63をタッチ操作することでゲーム装置5に操作信号を入力することができる。
【0052】
記憶部55はHDD、SSD、RAM、及びROM等で構成されている。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、及びゲーム装置5のアカウント情報等が格納されている。
制御部56は、CPUや半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、ゲーム装置5の動作を制御する。制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、抽選権付与手段563、抽選受付手段564、音声制御手段565、及び表示制御手段566として機能する。これらの手段561~566はそれぞれ、通信部、ゲーム実行部、抽選権付与部、抽選受付部、音声制御部、及び表示制御部に相当する。
【0053】
―通信手段561―
通信手段561はネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2と通信を行う。
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に基づいて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成するとともに、その情報をサーバ装置2に送信する。例えば通信手段561はアカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、及びガチャ実施要求等をサーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送信される新たなゲームデータ、及び抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報等をサーバ装置2から受信する。
【0054】
―ゲーム実行手段562―
ゲーム実行手段562は、ユーザによるタッチパッド63の操作に基づいて、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクト及びテクスチャ等のデータを、記憶部55から読み込む、又はサーバ装置2から受信する。ゲーム実行手段562は、仮想ゲーム空間オブジェクト及びテクスチャ等のデータを用いてゲームプログラムを実行しつつ、2次元又は3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52により処理されることで、その処理後のゲーム画像がディスプレイ61に逐次表示される。
【0055】
ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、ゲーム装置5のユーザの操作に基づいてキャラクタを配置させて、そのユーザの操作及びゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。
―抽選権付与手段563―
抽選権付与手段563は、ユーザのゲーム行動や課金操作等に基づいて、特殊抽選を要求することが可能な前売りガチャチケット及び通常ガチャチケットをユーザに付与する。抽選権付与手段563は、月間MVP枠のキャラクタが確定する前の時点では、例えば無償石を消費するというゲーム行動に基づいてユーザに前売りガチャチケットを付与する。また、抽選権付与手段563は、月間MVP枠のキャラクタが確定した後は、例えば無償石又は有償石を消費するというゲーム行動に基づいてユーザに通常ガチャチケットを付与する。
【0056】
―抽選受付手段564―
抽選受付手段564は、ユーザがタッチパッド63等を操作してガチャの実施を要求した場合には、その旨をサーバ装置2に送信する。例えば、抽選受付手段564は、ユーザが通常ガチャの実施を要求した場合には、その旨をサーバ装置2に送信する。また、抽選受付手段564は、ユーザが前売りガチャチケット又は通常ガチャチケットを取得した場合には、その旨をサーバ装置2に送信する。
【0057】
―音声制御手段565―
音声制御手段565は、ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5に対するユーザの操作等に基づいてスピーカ62の音声出力を制御する。
―表示制御手段566―
表示制御手段566は、ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5に対するユーザの操作等に基づいてディスプレイ61の表示出力を制御する。例えば、表示制御手段566は、キャラクタの確認画面やガチャの実施画面等をディスプレイ61に表示する。
【0058】
次に、図6を参照して、表示制御手段566によりディスプレイ61に表示される画面の例を説明する。
表示制御手段566は、図6に示されるチケット購入画面70をディスプレイ61に表示する。チケット購入画面70は、ユーザが前売りガチャチケット又は通常ガチャチケットを購入する際に用いられる画面である。チケット購入画面70には、画面名表示部700、第1選択ボタン701、第2選択ボタン702、及び提供割合表示ボタン703が設けられている。
【0059】
画面名表示部700には、図6に示されるチケット購入画面70において購入可能なチケットの種別が表示されている。図6に示されるチケット購入画面70は、5月の月間MVPのキャラクタに対応した特殊抽選のチケットを購入することが可能な画面の一例を示したものであるため、その旨が画面名表示部700に記載されている。
【0060】
第1選択ボタン701は、前売りガチャチケットを購入する際に操作するボタンである。第1選択ボタン701は、MVP選出時期Tbになるまで操作可能、換言すれば図3に示される特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタが確定するまで操作可能である。MVP選出時期Tb以降になると、第1選択ボタン701はグレーアウト表示されて操作できなくなる。
【0061】
チケット購入画面70において第1選択ボタン701の下部には、第1選択ボタン701を操作可能な時期、換言すれば前売りガチャチケットの購入可能時期が表示されている。また、チケット購入画面70において第1選択ボタン701の右側の部分には、前売りガチャチケットの購入に必要なゲーム媒体が表示されている。このチケット購入画面70の一例では、前売りガチャチケットの購入に100個の無償石が必要な場合が例示されている。
【0062】
第2選択ボタン702は、通常ガチャチケットを購入する際に操作するボタンである。第2選択ボタン702は、MVP選出時期Tb以降に操作可能、換言すれば図3に示される特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタが確定した後に操作可能となる。MVP選出時期Tbになるまでは、第2選択ボタン702はグレーアウト表示されており操作することができない。このように、チケット購入画面70では、第1選択ボタン701及び第2選択ボタン702のいずれか一方が操作可能である。
【0063】
チケット購入画面70において第2選択ボタン702の下部には、第2選択ボタン702を操作可能な時期、換言すれば通常ガチャチケットの購入可能時期が表示されている。また、チケット購入画面70において第2選択ボタン702の右側の部分には、通常ガチャチケットの購入に必要なゲーム媒体が表示されている。このチケット購入画面70の一例では、通常ガチャチケットの購入に200個の無償石又は50個の有償石が必要な場合が例示されている。
【0064】
このように、本実施形態のゲームシステム1では、前売りガチャチケットの購入費用よりも通常ガチャチケットの購入費用の方が高くなっている。換言すれば、通常ガチャチケットに対応した特殊抽選を行うために必要な対価よりも、前売りガチャチケットに対応した特殊抽選を行うために必要な対価の方が優遇されている。
【0065】
提供割合表示ボタン703は、前売りガチャチケット又は通常ガチャチケットの購入により要求可能な特殊抽選の抽選確率を確認する際に操作するボタンである。前売りガチャチケットが購入可能な時期、すなわちMVP選出時期Tbよりも前の時期に提供割合表示ボタン703が操作された場合には、図3に示されるような特殊抽選リスト222bが、月間MVP枠のキャラクタを認識できない状態でディスプレイ61に表示される。すなわち、複数の抽選対象キャラクタのうちの一部を認識できない状態で特殊抽選リスト222bが表示される。
【0066】
一方、通常ガチャチケットの購入が可能になると、すなわちMVP選出時期Tbになると、図3に示される特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタが確定する。したがって、MVP選出時期Tb以降に提供割合表示ボタン703が操作された場合には、月間MVP枠のキャラクタを含め、複数の抽選対象キャラクタの全てが認識可能な状態で、図3に示されるような特殊抽選リスト222bがディスプレイ61に表示される。
【0067】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
次に、図7を参照して、サーバ装置2の制御部23及びゲーム装置5の制御部56により実行される処理の手順について具体的に説明する。
MVP選出時期Tbよりも前の時点では、図6に示される第1選択ボタン701がユーザにより操作されると、図7に示されるように、ゲーム装置5の制御部56では、その操作が抽選権付与手段563により検出される(ステップS10)。この場合、抽選権付与手段563はユーザに前売りガチャチケットを付与する。具体的には、抽選権付与手段563は、ユーザが前売りガチャチケットを取得した旨をサーバ装置2に通知する(ステップS11)。これにより、サーバ装置2では、前売りガチャチケットの付与情報がユーザの識別番号に対応付けられてユーザDB221に記憶される(ステップS20)。このユーザDB221に記憶されている前売りガチャチケットの付与情報には、ユーザに付与された前売りガチャチケットの個数の情報等が含まれている。
【0068】
その後、MVP選出時期Tbになると、サーバ装置2の制御部56では、抽選リスト管理手段233が、選出された月間MVPの選手の情報を所定の情報管理サーバから取得することで(ステップS21)、図3に示される特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタを確定する(ステップS22)。これにより、特殊抽選リスト222bの全ての抽選対象キャラクタが確定する。その後、抽選手段234は、ゲーム装置5からユーザによる抽選の実行を要求する指示を受け付けたことに応じて、ユーザの識別番号に対応付けられている前売りガチャチケットが存在するか否かを判断し(ステップS23)、前売りガチャチケットが存在する場合には(ステップS23:YES)、特殊抽選リスト222bを用いた特殊抽選を実行する(ステップS24)。この特殊抽選は、ユーザに関連付けられている前売りガチャチケットの個数に対応した回数だけ実行される。各特殊抽選で選択された当選キャラクタは、ユーザの識別番号に関連付けられてユーザDB221に記憶される、すなわちユーザに付与される。
【0069】
なお、ユーザによる抽選の実行を要求する指示を受け付ける場合に、ゲーム装置5のディスプレイ61には、抽選の実行を要求する指示を受け付ける画像とともに、提供割合表示ボタン703が表示される。これにより、ユーザは抽選を実行するのに先だって、前売りチケット購入時には確認できなかった全ての抽選対象キャラクタ、及び抽選対象キャラクタの当選確率を確実に確認できる。なお、抽選手段234は、全ての抽選対象キャラクタが確定した場合に、ゲーム装置5からユーザによる抽選の実行を要求する指示を受け付けることなく抽選を実行してもよい。
【0070】
MVP選出時期Tb以降に、図6に示される第2選択ボタン702がユーザにより操作されると、ゲーム装置5の制御部56では、その操作が抽選権付与手段563により検出される(ステップS12)。この場合、抽選権付与手段563はユーザに通常ガチャチケットを付与する。具体的には、抽選権付与手段563は、ユーザが通常ガチャチケットを取得した旨をサーバ装置2に通知する(ステップS13)。その後、ゲーム装置5からユーザによる抽選の実行を要求する指示を受け付けたことに応じて、サーバ装置2の制御部56では、抽選手段234が、図3に示される特殊抽選リスト222bを用いた特殊抽選を実行する。この特殊抽選は、ユーザが取得した通常ガチャチケットの個数に対応した回数だけ実行される。各特殊抽選で選択された当選キャラクタは、ユーザの識別番号に関連付けられてユーザDB221に記憶される、すなわちユーザに付与される。
【0071】
なお、ユーザによる抽選の実行を要求する指示を受け付ける場合に、ゲーム装置5のディスプレイ61には、抽選の実行を要求する指示を受け付ける画像とともに、提供割合表示ボタン703が表示される。これにより、ユーザは抽選を実行するのに先だって、前売りチケット購入時に確認した全ての抽選対象キャラクタ、及び抽選対象キャラクタの当選確率を再度確認できる。なお、抽選手段234は、全ての抽選対象キャラクタが確定した場合に、ゲーム装置5からユーザによる抽選の実行を要求する指示を受け付けることなく抽選を実行してもよい。
【0072】
以上をまとめると、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、抽選リスト(特殊抽選リスト222b)に含まれている複数の抽選対象ゲーム媒体(抽選対象キャラクタ)の中から、ユーザに関連付けるゲーム媒体(プレイヤキャラクタ)を抽選により決定する抽選手段234として機能させる。また、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、抽選を実行することが可能な抽選権(前売りガチャチケット)を、抽選リスト(特殊抽選リスト222b)に含まれている複数の抽選対象ゲーム媒体(抽選対象キャラクタ)のうちの少なくとも一つが未確定な状態でユーザに付与する抽選権付与手段563として機能させる。さらに、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、ユーザに抽選権(前売りガチャチケット)が付与された後に未確定の抽選対象ゲーム媒体(抽選対象キャラクタ)を確定して、抽選リスト(特殊抽選リスト222b)に含まれている複数の抽選対象ゲーム媒体(抽選対象キャラクタ)の全てを認識可能にする抽選リスト管理手段233として機能させる。
【0073】
<効果>
本実施形態のゲームシステム1では、ユーザに前売りガチャチケットが付与された時点では、特殊抽選リスト222bに含まれている月間MVPのキャラクタが未確定の状態になっている。その後、未確定の月間MVPのキャラクタが確定した時点で特殊抽選リスト222bの全てのキャラクタが認識可能となる。これにより、未確定の月間MVPのキャラクタが確定するまでの間、ユーザは、どのようなプレイヤキャラクタを取得できるかがわからない状態であるため、ユーザの期待感を向上させることができる。
【0074】
抽選手段234は、月間MVPのキャラクタが確定することを条件に、換言すれば特殊抽選リスト222bに含まれている複数の抽選対象キャラクタの全てが確定することを条件に特殊抽選を実行する。これにより、複数の抽選対象キャラクタの全てが確定するまでは特殊抽選自体が実行されることがないため、ユーザの期待感を更に向上させることができる。
【0075】
抽選リスト管理手段233は、前売りガチャチケットがユーザに付与された後の現実の事象に基づいて、具体的には現実のプロ野球における月間MVPの選手の選出に基づいて、特殊抽選リスト222bの未確定の抽選対象キャラクタに関連付けるべきキャラクタを決定する。この構成によれば、ユーザは現実のプロ野球を体験しながら未確定の月間MVPのキャラクタにどの選手が選ばれるかに思いを巡らすことができるため、ユーザの期待感を更に向上させることができる。
【0076】
通常ガチャチケットに対応した特殊抽選を行う場合よりも、前売りガチャチケットに対応した特殊抽選を行う場合の方が、抽選の対価、具体的には無償石及び有償石の消費量が優遇されている。この構成によれば、前売りガチャチケットの購入をユーザに促し易くなる。
【0077】
<第1変形例>
次に、第1実施形態のゲームシステム1の第1変形例について説明する。
本変形例の抽選リスト管理手段233は、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後のユーザのゲームのプレイ履歴に基づいて、特殊抽選リスト222bの未確定の抽選対象キャラクタに関連付けるべきキャラクタを決定する。
【0078】
例えば、抽選リスト管理手段233は、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後、MVP選出時期Tbになるまでの期間に、ユーザがゲーム上のクエスト及びミッションを所定の回数だけ達成したか否かを監視する。抽選リスト管理手段233は、MVP選出時期Tbになった時点でクエスト及びミッションの達成回数が所定の回数未満である場合には、未確定の抽選対象キャラクタとして、月間MVPの野手の選手を選択する。
【0079】
一方、抽選リスト管理手段233は、MVP選出時期Tbになった時点でクエスト及びミッションの達成回数が所定の回数以上である場合には、未確定の抽選対象キャラクタとして、月間MVPの投手の選手を選択する。
このように、本実施形態のゲームシステム1では、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後のユーザのゲームのプレイ履歴に基づいて、特殊抽選リスト222bの未確定の抽選対象キャラクタに関連付けるべきキャラクタを決定する。この構成によれば、ユーザのゲーム履歴が特殊抽選リスト222bに反映されるため、ゲーム性を更に向上させることができる。
【0080】
<第2変形例>
次に、第1実施形態のゲームシステム1の第2変形例について説明する。
本変形例の抽選リスト管理手段233は、第1変形例と同様に、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後、MVP選出時期Tbになるまでの期間に、ユーザがゲーム上のクエスト及びミッションを所定の回数だけ達成したか否かを監視する。抽選リスト管理手段233は、MVP選出時期Tbになった時点でクエスト及びミッションの達成回数が所定の回数未満である場合には、未確定の抽選対象キャラクタとして、月間MVPの野手の選手を選択する。
【0081】
一方、抽選リスト管理手段233は、MVP選出時期Tbになった時点でクエスト及びミッションの達成回数が所定の回数以上である場合には、未確定の抽選対象キャラクタとして月間MVPの野手及び投手の両方の選手を選択する。この場合、抽選リスト管理手段233は、図8に示されるように、月間MVP枠が2つ設けられたた特殊抽選リスト222bを新たに作成する。
【0082】
このように、本変形例の抽選リスト管理手段233は、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後のユーザのゲームのプレイ履歴に基づいて、図4に示される特殊抽選リスト222b、及び図8に示される特殊抽選リスト222bのいずれを用いるかを、換言すれば特殊抽選リスト222bの種類を決定する。この構成によれば、第1変形例のゲームシステム1と同様に、ユーザのゲーム履歴が特殊抽選リスト222bに反映されるため、ゲーム性を更に向上させることができる。
【0083】
<第3変形例>
次に、第1実施形態のゲームシステム1の第3変形例について説明する。
本変形例の抽選リスト管理手段233は、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後のユーザの選択に基づいて、特殊抽選リスト222bの未確定の抽選対象キャラクタに関連付けるべきキャラクタを決定する。
【0084】
例えば、本変形例のゲーム装置5では、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後に、ユーザは、ゲーム装置5を操作することにより、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタとして、第1リーグの選手及び第2リーグの選手のいずれを選出するかを選択することができる。その選択情報はゲーム装置5の通信手段561によりサーバ装置2に送信される。サーバ装置2の抽選リスト管理手段233は、ゲーム装置5において第1リーグの選手が選択されている場合には、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタとして、第1リーグの月間MVPの選手を選択する。一方、抽選リスト管理手段233は、ゲーム装置5において第2リーグの選手が選択されている場合には、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタとして、第2リーグの月間MVPの選手を選択する。
【0085】
この構成によれば、ユーザの選択が特殊抽選リスト222bに反映されるため、ユーザフレンドリーなゲームを提供することが可能となる。
なお、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタとして、現実の月間MVPの投手の選手を選出するか、野手の選手を選出するかを選択できるようになっていてもよい。
【0086】
<第4変形例>
次に、第1実施形態のゲームシステム1の第4変形例について説明する。
本変形例の抽選リスト管理手段233は、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後のユーザのゲームのプレイ履歴に基づいて、前売りガチャチケットに対応した抽選として、図2に示される通常抽選リスト222aを用いた通常抽選を行うか、図3に示される特殊抽選リスト222bを用いた特殊抽選を行うかを決定する。
【0087】
例えば、抽選リスト管理手段233は、第1変形例等と同様に、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後、MVP選出時期Tbになるまでの期間に、ユーザがゲーム上のクエスト及びミッションを所定の回数だけ達成したか否かを監視する。抽選リスト管理手段233は、MVP選出時期Tbになった時点でクエスト及びミッションの達成回数が所定の回数未満である場合には、前売りガチャチケットに対応した抽選として、図2に示される通常抽選リスト222aを用いた通常抽選を行う。
【0088】
一方、抽選リスト管理手段233は、MVP選出時期Tbになった時点でクエスト及びミッションの達成回数が所定の回数以上である場合には、前売りガチャチケットに対応した抽選として、図3に示される特殊抽選リスト222bを用いた特殊抽選を行う。
この構成によれば、前売りガチャチケットに対応した抽選にユーザのゲーム履歴が反映されるため、ゲーム性を更に向上させることができる。
【0089】
なお、本変形例を含め、第1変形例及び第2変形例のゲーム履歴の条件には、クエスト及びミッションの達成回数だけでなく、任意のゲーム履歴の条件を用いることができる。例えば、ゲームシステム1が提供する野球形式のゲームにおいて例えばプレイヤキャラクタの選手の各種パラメータを強化することが可能である場合には、所定のパラメータが予め定められた条件を満たす選手を育成するという条件をゲーム履歴の条件として用いてもよい。また、ゲームシステム1が提供する野球形式のゲームにおいて例えばユーザの現実の移動距離に基づいてプレイヤキャラクタを取得できる等、ユーザの現実の移動距離がゲームプレイにおいて何らかの効果を発生する場合には、ユーザが所定距離だけ移動するという条件をゲーム履歴の条件として用いてもよい。さらに、MVP選出時期Tbになるまでの期間に特定のガチャを所定回数実行するという条件や、そのガチャの結果が所定の条件を満たすという条件をゲーム履歴の条件として用いてもよい。なお、ガチャの結果に対する所定の条件とは、例えばユーザが既に所持しているプレイヤキャラクタと同一のキャラクタをガチャにより取得するという条件である。
【0090】
<第5変形例>
次に、第1実施形態のゲームシステム1の第5変形例について説明する。
本変形例の抽選リスト管理手段233は、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後のユーザのゲームのプレイ履歴が所定条件を満たしているか否かに基づいて、図3に示される特殊抽選リスト222bのSランクの月間MVP枠のキャラクタ及びAランクの月間MVP枠のキャラクタを開放するか否かを決定する。
【0091】
具体的には、抽選リスト管理手段233は、ユーザのゲームのプレイ履歴が第1の所定条件を満たしている場合には、特殊抽選リスト222bにおいてSランクの月間MVP枠のキャラクタを当選対象に選択する。一方、抽選リスト管理手段233は、ユーザのゲームのプレイ履歴が第1の所定条件を満たしていない場合には、特殊抽選リスト222bにおいてSランクの月間MVP枠のキャラクタを当選対象に選択しない。
【0092】
また、抽選リスト管理手段233は、ユーザのゲームのプレイ履歴が第2の所定条件を満たしている場合には、特殊抽選リスト222bにおいてAランクの月間MVP枠のキャラクタを当選対象に選択する。一方、抽選リスト管理手段233は、ユーザのゲームのプレイ履歴が第2の所定条件を満たしていない場合には、特殊抽選リスト222bにおいてAランクの月間MVP枠のキャラクタを当選対象に選択しない。
【0093】
なお、第1の所定条件及び第2の所定条件は同一の条件であってもよいし、異なる条件であってもよい。第1の所定条件及び第2の所定条件としては、クエスト及びミッションの達成回数等、上述した任意のゲームのプレイ履歴を用いることが可能である。
また、抽選リスト管理手段233は、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後のユーザのゲームのプレイ履歴が所定条件を満たしているか否かに基づいて、図3に示される特殊抽選リスト222bのレアリティの抽選確率及びキャラクタの抽選確率を変化させてもよい。また、抽選手段234は、ユーザに前売りガチャチケットが付与された後のユーザのゲームのプレイ履歴が所定条件を満たしているか否かに基づいて、特殊抽選を実行するか否かを決定してもよい。
【0094】
[第2実施形態]
次に、ゲームシステム1の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態のゲームシステム1との相違点を中心に説明する。
本実施形態のサーバ装置2の制御部23及びゲーム装置5の制御部56は図9に示される処理を実行する。なお、図9に示される処理において、図7に示される処理と同一の処理には同一の符号を付すことにより重複する説明を割愛する。
【0095】
図9に示されるように、本実施形態のサーバ装置2では、前売りガチャチケットの付与情報がユーザの識別番号に対応付けられてユーザDB221に記憶された後(ステップS20)、抽選手段234が、前売りガチャチケットに対応した特殊抽選の一部を実行する(ステップS200)。具体的には、抽選手段234は、前売りガチャチケットに対応した特殊抽選のうち、第1抽選処理を、すなわち当選キャラクタのレアリティを特定する処理を実行する。これにより、前売りガチャチケットがユーザに付与された時点で、特殊抽選の第1抽選処理だけが実行される。このとき、当選キャラクタのレアリティの情報をゲーム装置5のディスプレイ61に表示することで、レアリティの情報をユーザに認知させてもよい。
【0096】
その後、抽選手段234は、ステップS23の処理で肯定的な判断を行った場合(ステップS23:YES)、前売りガチャチケットに対応した特殊抽選の残りを実行する(ステップS201)。具体的には、抽選手段234は、前売りガチャチケットに対応した特殊抽選のうち、残りの第2抽選処理を、すなわち当選キャラクタを特定する処理を実行する。
【0097】
このように、本実施形態の抽選手段234は、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタが未確定な状態で特殊抽選の第1抽選処理を実行するとともに、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタが確定した後に特殊抽選の残りの第2抽選処理を実行して、ユーザに関連付けるプレイヤキャラクタを決定する。このような構成であっても、第1実施形態のゲームシステム1と同一又は類似の作用及び効果を得ることができる。
【0098】
<第1変形例>
次に、第2実施形態のゲームシステム1の第1変形例について説明する。
本変形例の抽選手段234は、図9に示されるステップS200の処理において、特殊抽選の第1抽選処理及び第2抽選処理を共に実行する。その際、抽選手段234は、特殊抽選リスト222bの通常キャラクタが当選した場合には、そのキャラクタをユーザに付与する。そのキャラクタの情報はゲーム装置5のディスプレイ61に表示される。
【0099】
一方、ステップS200の処理で特殊抽選の第1抽選処理及び第2抽選処理を行った際に、特殊抽選リスト222bのSランク又はAランクの月間MVP枠のキャラクタが当選した場合には、その当選結果はゲーム装置5のディスプレイ61に表示されない。すなわち当選結果は秘匿とされる。その後、ステップS23の処理において月間MVP枠のキャラクタが確定した際に、抽選手段234は、ステップS23及びS201の処理に代えて、当選したSランク又はAランクの月間MVP枠のキャラクタをユーザに付与する処理を実行する。そのキャラクタの情報はゲーム装置5のディスプレイ61に表示される。
【0100】
なお、抽選手段234は、ステップS200の処理で特殊抽選の第1抽選処理及び第2抽選処理を行った際に通常キャラクタが当選した場合、その通常キャラクタをユーザが保有しているか否かに基づいて、通常キャラクタをユーザに付与するか否かを決定してもよい。例えば、抽選手段234は、当選した通常キャラクタをユーザが保有している場合には、そのキャラクタをユーザに即座に付与する。この場合、前売りガチャチケットがユーザに付与された時点で通常キャラクタがユーザに付与されることになる。一方、抽選手段234は、当選した通常キャラクタをユーザが保有していない場合には、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタが確定した時点で、その通常キャラクタをユーザに付与する。この場合、前売りガチャチケットがユーザに付与された後、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタが確定するまでの期間は、通常キャラクタの当選結果は秘匿とされる。
【0101】
<第2変形例>
次に、第2実施形態のゲームシステム1の第2変形例について説明する。
本変形例の抽選手段234は、図9に示されるステップS200の処理において、前売りガチャチケットに対応した特殊抽選の第1抽選処理を実行した際に、そのレアリティの当選結果がSランクであるか否かを判断する。本変形例では、レアリティの当選結果がSランクであるか否かが所定の条件に相当する。抽選手段234は、レアリティの当選結果がSランクである場合には、特殊抽選リスト222bの月間MVP枠のキャラクタが確定した後に、第2抽選処理を実行することにより、ユーザに付与するプレイヤキャラクタを決定する。一方、抽選手段234は、レアリティの当選結果がAランク又はBランクである場合には、第1抽選処理に続いて第2抽選処理を実行して、ユーザに付与するプレイヤキャラクタを決定する。
【0102】
このような構成によれば、前売りガチャチケットがユーザに付与された際にAランク又はBランクのキャラクタが当選した場合には、そのキャラクタがユーザに即座に付与されるため、ユーザフレンドリーなゲームを提供できる。
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段及び処理手順は一例であり、本発明、その適用物、又はその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段及び処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0103】
例えば、ゲームシステム1では、通常ガチャチケットに対応した特殊抽選を行う場合よりも、前売りガチャチケットに対応した特殊抽選を行う場合の方が、抽選の結果が優遇、具体的には月間MVP枠のキャラクタが当選する確率が優遇されていてもよい。
上記の実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンター等に提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0104】
上記のゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、及びパズルゲーム等であってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
上記の実施形態では、オブジェクトがプレイヤキャラクタである場合を例示したが、これに限定されない。例えば、オブジェクトは、仮想ゲーム空間内で使用されるカードやアイテム等であってもよい。
【0105】
上記の実施形態では、サーバ装置2及び複数のゲーム装置5が一体となってゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムの全ての手段、例えば抽選リスト管理手段233、抽選手段234、及び抽選権付与手段563等が、サーバ装置2単体、ゲーム装置5単体、サーバ装置2及びゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうちの組み合わせ可能な2つの装置(例えばサーバ装置2とゲーム装置5での分散処理等)に備えられていてもよい。また、サーバ装置2、ゲーム装置5、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかに関しても適宜変更可能である。例えば、上記実施形態で例示したゲーム装置5のゲーム実行手段562、抽選権付与手段563、抽選受付手段564等について、サーバ装置2の制御部23が、各種プログラムを実行することにより、これらの手段として機能してもよい。
【0106】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、及び他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0107】
1…ゲームシステム
2…サーバ装置
5…ゲーム装置
23,56…制御部(コンピュータ)
233…抽選リスト管理手段
234…抽選手段
563…抽選権付与手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9