IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国電力株式会社の特許一覧

特開2022-124330ハンドルアダプタ及びハンドルアダプタユニット
<>
  • 特開-ハンドルアダプタ及びハンドルアダプタユニット 図1
  • 特開-ハンドルアダプタ及びハンドルアダプタユニット 図2
  • 特開-ハンドルアダプタ及びハンドルアダプタユニット 図3
  • 特開-ハンドルアダプタ及びハンドルアダプタユニット 図4
  • 特開-ハンドルアダプタ及びハンドルアダプタユニット 図5
  • 特開-ハンドルアダプタ及びハンドルアダプタユニット 図6
  • 特開-ハンドルアダプタ及びハンドルアダプタユニット 図7
  • 特開-ハンドルアダプタ及びハンドルアダプタユニット 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124330
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】ハンドルアダプタ及びハンドルアダプタユニット
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/02 20060101AFI20220818BHJP
【FI】
H02G1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022035
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】舞田 隆弥
(72)【発明者】
【氏名】野村 明成
【テーマコード(参考)】
5G352
【Fターム(参考)】
5G352AE05
(57)【要約】
【課題】従来公知の間接活線工具に連結して用いることができ、かつ作業者にとって作業し易い位置に操作用のハンドルを移動して操作することができるハンドルアダプタを提供する。
【解決手段】従来公知の間接活線工具50の手元側の基端部50aに設けられるソケット連結部51に連結して用いられるハンドルアダプタであって、ソケット連結部51に着脱可能に係止される連結金具2と、この連結金具2に接続される足し棒3と、この足し棒3の外側面上に周設され、足し棒3の中心軸方向にスライドする筒状の可動部4と、この可動部4の外側面4a上に突設されるハンドル5と、足し棒3の外側面上における所望の位置に可動部4を係止させる係止構造6と、を備えてなるハンドルアダプタ1Aによる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間接活線工具の手元側の基端部に設けられるソケット連結部に連結して用いられるハンドルアダプタであって、
前記ソケット連結部に着脱可能に係止される連結金具と、
前記連結金具に接続される足し棒と、
前記足し棒の外側面上に周設され、前記足し棒の中心軸方向にスライドする筒状の可動部と、
前記可動部の外側面上に突設されるハンドルと、
前記足し棒の前記外側面上における所望の位置に前記可動部を係止させる係止構造と、を備えていることを特徴とするハンドルアダプタ。
【請求項2】
前記足し棒は、直列状に連結される複数の連結パーツからなり、
前記可動部は、前記連結パーツ同士の継ぎ目上をスライド可能であることを特徴とする請求項1に記載のハンドルアダプタ。
【請求項3】
前記所望の位置は2箇所以上であり、
前記係止構造は、
前記可動部に取設されるロックピンと、
前記足し棒の前記外側面上の前記所望の位置に形成されて、前記ロックピンの先端が挿入されるピン受け穴と、を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハンドルアダプタ。
【請求項4】
前記足し棒は、直列状に連結される複数の連結パーツを備え、
前記所望の位置は2箇所以上であり、
前記係止構造は、
前記可動部に取設されるロックピンと、
前記足し棒の前記外側面上における前記所望の位置に形成されて、前記ロックピンの先端が挿入されるピン受け穴と、を備え、
前記連結パーツ同士の継ぎ目は、前記足し棒において前記連結金具の最寄り位置に形成され前記ピン受け穴である第1のピン受け穴と、前記第1のピン受け穴の次に前記連結金具に近い位置に形成され前記ピン受け穴である第2のピン受け穴との間に配されており、
前記第1のピン受け穴を備える前記連結パーツの長さが最短であることを特徴とする請求項1に記載のハンドルアダプタ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のハンドルアダプタと、
前記間接活線工具の前記ソケット連結部と前記ハンドルアダプタの間に介設されるジョイントアダプタと、を備えてなるハンドルアダプタユニットであって、
前記ハンドルアダプタは、前記ハンドルを着脱可能に取設するハンドル接続構造を備え、
前記ジョイントアダプタは、
第2の連結金具と、
前記第2の連結金具に接続される第2のソケット連結部と、
前記第2のソケット連結部に前記ハンドルを着脱可能に取設する前記ハンドル接続構造と、を備えていることを特徴とするハンドルアダプタユニット。
【請求項6】
前記ハンドル接続構造は、
前記ハンドルアダプタの前記可動部、及び、前記ジョイントアダプタの前記第2のソケット連結部、に設けられる嵌合用凹部と、
前記ハンドルに設けられ、前記嵌合用凹部に嵌設される嵌合用凸部と、を備え、
前記嵌合用凸部は、
前記ハンドルの周側面に対して出没自在に設けられる突起と、
前記突起を前記ハンドルの内側から外側に押し出すように付勢する弾性材と、
前記弾性材による前記突起の押し出し動作を規制する操作棒と、を備えていることを特徴とする請求項5に記載のハンドルアダプタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間接活線工作業で使用される間接活線工具(例えば共用操作棒等)に取付可能なハンドルアダプタ及びこのハンドルアダプタを備えたハンドルアダプタユニットに関する。
【0002】
一般に、電線路の保守工事の多くは、当該電線路を停電することなく、間接活線作業によって作業者の安全を担保しつつ実施されている。このような間接活線作業では、通常、作業者が高所作業車のバケット上などにてヤットコなどの間接把持工具や絶縁操作棒(共用操作棒)などを操作し、離れた位置にある充電状態の電線などを把持し、電気機器を取り付けまたは取り外しなどが行われる。
このような間接活線作業では、共用操作棒(後段の図1中の共用操作棒50を参照)がよく使用される。また、このような共用操作棒は、棒体(後段の図1中の棒体53を参照)の先端部に先端工具装着用の連結金具(後段の図1中の連結金具52を参照)を備えるとともに、その手元側の端部(基端部)にソケット連結部(後段の図1中のソケット連結部51を参照)を備えている。
さらに、上述のような共用操作棒における連結金具は、例えば略円柱状の外形を有し、その軸線方向先端面に、当該方向に進退可能であり、かつ連結金具内に内蔵されたバネによって当該方向基端部側への押込み力に抗して突出方向に付勢される可動突部を備えており、さらに連結金具の側面の対向する位置に突設される一対の係合ピンを備えている。
また、上述のような共用操作棒におけるソケット連結部は、棒体側に配される先端側の端部が閉塞されるとともに、その軸線方向基端側が開口する円筒カップ状の外形を有し、その周側面の対向する位置にそれぞれ側面視略T字型をなし、かつ鈎型の端部を有する案内溝を備えている。
【0003】
そして、上述のような共用操作棒は、その先端に種々の先端工具を装着することで様々な間接活線作業を行うことができる上、このような共用操作棒の連結金具を例えば防護管ストッパ等に連結することで、目的とする操作対象を共用操作棒により直接操作することもできる。
その一方で、操作対象に対する共用操作棒による作業が、例えば回転力(トルク)を作用させることである場合、共用操作棒の基端部側の周側面を把持して作業者が、棒体の中心軸を基軸に単に回動させるだけでは、十分な回転力を発生させることができないという課題があった。
上述のような課題を解決するための先願としては、例えば以下に示すような発明が知られている。
【0004】
特許文献1には「皮剥ぎ器」という名称で、遠隔操作棒を回転させることにより、送電状態における架空電線の回りに被覆剥取具を回転させて被覆を剥ぎ取る皮剥ぎ器に関する発明が開示されている。
そして、特許文献1の図1には、遠隔操作棒の手元側の端部に工具であるトルクレンチを取り付けて使用するという技術内容が開示されている。
この場合、遠隔操作棒の手元側の端部において十分な回転力を発生させることができる。
【0005】
特許文献2には「補助グリップ、及び当該補助グリップを装着した共用操作棒」という名称で、間接活線工作業で使用される絶縁操作棒に取付可能な補助グリップ及び当該補助グリップを備えた絶縁操作棒に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示される補助グリップは、本願発明と同一の出願人によるものであり、共用操作棒の基端部のソケット連結部に連結可能な連結金具と、その軸線方向に沿って当該連結金具と連結され、前記共用操作棒における棒体部の直径よりも大きい幅を有する握り部とを備えてなることを特徴とするものである。
上記構成の特許文献2に開示される補助グリップによれば、共用操作棒に十分な回転力を与えることができる上、補助グリップ自体が落下するなどの危険がなくなるので、高い安全性とともに高い操作性を発揮させることができる。
【0006】
特許文献3には「全天候型操作棒」という名称で、架空電線の配線工事等の間接活線作業に使用され、雨天でも安全、確実に作業ができる全天候型操作棒に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示される全天候型操作棒は、同文献中の図1に示される符号をそのまま用いて説明すると、基体となる固定パイプ1と、この固定パイプ1に回転自在に貫挿された操作パイプ2と、この操作パイプ2の下端部に挿入され、一体として回転するように固定されたシャフト3と、このシャフト3に固定され前記シャフト3を回転させるハンドル4と、固定パイプ1と操作パイプ2との摺動部に配設され、操作パイプ1の上端部を支持する上部エンドカバーと、操作パイプの下端部を支持する下部エンドカバー8と、上部エンドカバー5と操作パイプ2とを一体として回転するように連結する連結部材と、上部エンドカバー5の上部に固定され、工具ユニットに回転力を伝達するジョイント6とを備えてなるものである。
特許文献3に開示される発明によれば、強度を落とすことなく操作棒の軽量化を図ることができる。さらに、特許文献3に開示される発明によれば、雨天時でも作業者が安全で作業がしやすく、感電の心配もない全天候型操作棒を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012-161161号公報
【特許文献2】特開2011-244552号公報
【特許文献3】特開2008-253059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の特許文献1に開示される技術の場合は、遠隔操作棒の手元側の端部からトルクレンチが容易に落脱するという課題がある。
そして、高所作業時に遠隔操作棒の手元側から意図せずトルクレンチが落脱した場合、落下事故が起こるおそれがあり、高所作業時にその周辺環境の安全性を確保しづらいという課題があった。
【0009】
上述の特許文献2に開示される発明の場合は、絶縁操作棒(共用操作棒)の基端部側に接続された補助グリップが作業中に落脱する心配はないものの、補助グリップにおける握り部を作業者が確実に把持するには、手の平のサイズよりも過度に大きくすることができない。このため、特許文献2に開示される補助グリップを用いる場合でも、共用操作棒にさほど大きな回転力を付加することはできなかった。
また、特許文献2に開示される発明の場合は、補助グリップの操作位置が、作業者の頭上になるような場合でも、作業者にとって作業し易い位置に補助グリップを移動することができなかった。
【0010】
上述の特許文献3に開示される発明の場合は、全天候型操作棒を新たに準備する必要があり、従来公知の絶縁操作棒(共用操作棒)をそのまま流用できないので、不経済であった。
【0011】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、従来公知の間接活線工具(例えば共用操作棒)に着脱することができ、かつ作業者にとって作業し易い位置に操作用のハンドルを移動して操作することができるハンドルアダプタ及びこのハンドルアダプタを用いてなるハンドルアダプタユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための第1の発明は、間接活線工具の手元側の基端部に設けられるソケット連結部に連結して用いられるハンドルアダプタであって、ソケット連結部に着脱可能に係止される連結金具と、この連結金具に接続される足し棒と、この足し棒の外側面上に周設され、足し棒の中心軸方向にスライドする筒状の可動部と、この可動部の外側面上に突設されるハンドルと、足し棒の外側面上における所望の位置に可動部を係止させる係止構造と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において連結金具は、間接活線工具である例えば共用操作棒(絶縁操作棒)に設けられる係合タイプ(例えばツイストロック機構等)の連結構造においてオス側の連結構造として作用する。また、上記連結金具に接続される足し棒は、間接活線工具である例えば共用操作棒に所望の長さを付加するという作用を有する。さらに、可動部は、ハンドルを支持するという作用を有する。加えて、可動部は、足し棒の周側面上をその中心軸方向にスライドすることで、ハンドルを足し棒の中心軸方向の所望の位置に移動させるという作用を有する。加えて、ハンドルは作業者によって操作されることで、足し棒の中心軸を基軸にした回転力を作用させることができる。また、係止構造は、足し棒の外側面上の所望の位置に、可動部を係止して位置決めさせるという作用を有する。
上記構成の第1の発明によれば、足し棒の中心軸方向の所望の位置で発生させた回転力を、連結金具を介して間接活線工具(共用操作棒)に伝達することができ、これにより間接的に間接活線工具に回転力を作用させることが可能になる。
【0013】
第2の発明は、上述の第1の発明であって、足し棒は、直列状に連結される複数の連結パーツからなり、可動部は、連結パーツ同士の継ぎ目上をスライド可能であることを特徴とするものである。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第2の発明において足し棒が複数の連結パーツからなることで、足し棒の全長を所望に調節することが可能になる。
また、第2の発明において、可動部が連結パーツ同士の継ぎ目上をスライドすることで、足し棒が複数の連結パーツからなる場合でも、この足し棒の中心軸方向の所望の位置に可動部及びこの可動部に支持されるハンドルを配設可能にするという作用を有する。
【0014】
第3の発明は、上述の第1又は第2の発明であって、所望の位置は2箇所以上であり、係止構造は、可動部に取設されるロックピンと、足し棒の外側面上の所望の位置に形成されて、上記ロックピンの先端が挿入されるピン受け穴と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第3の発明は、上述の第1又は第2の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第3の発明において所望の位置が2箇所以上に特定されるとともに、この所望の位置において可動部に取設されるロックピンの先端が、足し棒の外側面上に形成されるピン受け穴に挿入されることで、上記所望の位置に可動部を確実に固定するという作用を有する。つまり、ハンドルの操作時に、可動部が足し棒上を滑り動作してしまい、ハンドル操作により生じるトルクが足し棒に伝達されなくなるのを防ぐという作用を有する。
よって、上記構成の第3の発明によれば、ハンドルの操作時に、足し棒上において可動部が意図せず位置ずれを起こすのを防ぐという作用を有する。
【0015】
第4の発明は、上述の第1の発明であって、足し棒は、直列状に連結される複数の連結パーツを備え、所望の位置は2箇所以上であり、係止構造は、可動部に取設されるロックピンと、足し棒の外側面上における所望の位置に形成されて、ロックピンの先端が挿入されるピン受け穴と、を備え、連結パーツ同士の継ぎ目は、足し棒において連結金具の最寄り位置に形成されピン受け穴である第1のピン受け穴と、第1のピン受け穴の次に連結金具に近い位置に形成されピン受け穴である第2のピン受け穴との間に配されており、第1のピン受け穴を備える連結パーツの長さが最短であることを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明において足し棒を構成する複数の連結パーツによる作用は、上述の第2の発明における連結パーツによる作用と同じである。
また、第4の発明において係止構造を構成するロックピン及びピン受け穴による作用は、上述の第3の発明におけるロックピン及びピン受け穴による作用と同じである。
そして、第4の発明において、足し棒上に形成される第1のピン受け穴と第2のピン受け穴の間に連結パーツ同士の継ぎ目を配置するとともに、第1のピン受け穴を備える連結パーツの長さを最短にすることで、第4の発明を足し棒の長さが長い状態と短い状態の両方の形態からいずれか所望の方を選んで使用することを可能にするという作用を有する。
【0016】
第5の発明は、上述の第1乃至第3のいずれかの発明であるハンドルアダプタと、間接活線工具のソケット連結部とハンドルアダプタの間に介設されるジョイントアダプタと、を備えてなるハンドルアダプタユニットであって、ハンドルアダプタは、ハンドルを着脱可能に取設するハンドル接続構造を備え、ジョイントアダプタは、第2の連結金具と、この第2の連結金具に接続される第2のソケット連結部と、この第2のソケット連結部にハンドルを着脱可能に取設する上述のハンドル接続構造と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第5の発明において、ハンドルアダプタを備えることによる作用は、第1乃至第3のそれぞれの発明による作用と同じである。
また、ジョイントアダプタにおける第2の連結金具は、この第2の連結金具に連結される第2のソケット連結部を間接活線工具のソケット連結部に連結させるという作用を有する。また、ジョイントアダプタにおける第2のソケット連結部は、ジョイントアダプタにハンドルアダプタの連結金具を連結させるという作用を有する。これにより、ジョイントアダプタは、間接活線工具にハンドルアダプタを連結させるという作用を有する。
さらに、ジョイントアダプタにおける第2のソケット連結部は、ハンドルが接続された際にハンドルを支持するという作用を有する。そして、第2のソケット連結部にハンドルが接続された場合は、そのハンドルを操作することで間接活線工具に回転力を作用させるという作用を有する。これにより、ジョイントアダプタにハンドルを接続することで、ハンドルアダプタと同様の作用を奏する。
【0017】
第6の発明は、上述の第5の発明であって、ハンドル接続構造は、ハンドルアダプタの可動部、及び、ジョイントアダプタの第2のソケット連結部、に設けられる嵌合用凹部と、ハンドルに設けられ、嵌合用凹部に嵌設される嵌合用凸部と、を備え、嵌合用凸部は、ハンドルの周側面に対して出没自在に設けられる突起と、この突起をハンドルの内側から外側に押し出すように付勢する弾性材と、この弾性材による突起の押し出し動作を規制する操作棒と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第6の発明は、上述の第5の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第6の発明において、ハンドルに設けられる嵌合用凸部が、ハンドルアダプタの可動部、又はジョイントアダプタの第2のソケット連結部に設けられる嵌合用凹部と嵌合することで、ハンドルアダプタの可動部、又はジョイントアダプタの第2のソケット連結部にハンドルを接続して固定するという作用を有する。
さらに、上記嵌合用凸部において突起が、ハンドルの周側面上に突出することで、ハンドルアダプタの可動部、又はジョイントアダプタの第2のソケット連結部においてハンドルがロックされる。この場合、ハンドルアダプタの可動部、又はジョイントアダプタの第2のソケット連結部からハンドルが脱落するのが妨げられる。
他方、上記突起が、ハンドルの周側面下に収容されることで、ハンドルアダプタの可動部、又はジョイントアダプタの第2のソケット連結部においてハンドルのロック状態が解除される。この場合、ハンドルアダプタの可動部、又はジョイントアダプタの第2のソケット連結部からハンドルを離脱させることができる。
また、上記嵌合用凸部において弾性材は、上述の突起をハンドルの内側から外側に向かって押し出すように付勢するという作用を有する。さらに、操作棒はハンドルの外側から操作されることで、上述の弾性材が突起をハンドルの外側に向かって押し出す動作を規制するという作用を有する。つまり、この操作棒をハンドルの外側から操作することで、ハンドルの周側面上に突出している突起を、ハンドルの周側面下に引っ込めた状態にすることができる。
【発明の効果】
【0018】
上述のような第1の発明によれば、間接活線工具の基端部に足し棒を連結することができるので、間接活線工具の長さを所望分だけ伸ばすことができる。
また、第1の発明では、可動部を移動させることで、足し棒の中心軸方向の所望の位置にハンドルを配設することができる。
これにより、第1の発明によれば、間接活線工具の手元側の所望の位置にハンドルを配置して操作することができる。
この場合、第1の発明であるハンドルアダプタを用いてその連結対象である間接活線工具に対して、足し棒の中心軸を基軸にした回転力を作用させる際の操作性を向上させることができる。
つまり、第1の発明が足し棒を備えない場合は、仮に間接活線工具にハンドルを連結することができたとしても、そのハンドルの設置場所が例えば作業者の頭上になってしまう場合があり、このような場合は作業者にとって必ずしもハンドルが操作し易いとは言えない。
これに対し第1の発明では、足し棒の中心軸方向の所望の位置にハンドルを移動可能に構成されていることで、作業者にとって作業しやすい位置にハンドルを移動して操作することができる。
よって、第1の発明によれば、間接活線工具を用いて操作対象に回転力を付加する作業を、効率的かつ容易に行うことができる。
【0019】
第2の発明は、上述の第1の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第2の発明では、足し棒がその長さが調節可能に構成されていることで、ハンドルの可動範囲を所望に変更することができる。
この結果、間接活線工具の基端部に設けられるソケット連結部が、作業者の手元位置から大きく離れている場合でも、足し棒の長さを所望に変更することで、作業者にとって操作し易い位置にハンドルを配置することができる。
よって、第2の発明によれば、ハンドルアダプタの利便性を一層向上させることができる。
【0020】
第3の発明は、上述の第1又は第2の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第3の発明において、足し棒の外側面上への可動部の固定が、ロックピンとピン受け穴との係合によりなされることで、ハンドルの操作中に足し棒上において可動部が意図せず位置ずれを起こすのを防ぐことができる。
この場合、ハンドルを備えた可動部が、足し棒の周側面上で滑ったり、空回りしたりするのを好適に防ぐことができる。この結果、ハンドルを操作することで生じる回転力を、足し棒及びこの足し棒に連結される共用操作棒に確実に伝達することができる。
よって、第3の発明によれば、性能がより優れたハンドルアダプタを提供することができる。
【0021】
第4の発明は、上述の第1の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第4の発明によれば、足し棒を第1のピン受け穴を備えた連結パーツのみにより構成することで、必要に応じてハンドルを支持する可動部の稼働範囲が大幅に短い又は全くない形態のハンドルアダプタに変形させることができる。
この場合、間接活線工具の基端部側においてハンドルアダプタを配設するための空間が狭い場合でも、上記のように変形させたハンドルアダプタを連結することが可能になる。この結果、第4の発明であるハンドルアダプタを用いて間接活線工具に回転力を付加することができる。
よって、第4の発明によれば、ハンドルアダプタの利便性を大幅に向上させることができる。
【0022】
第5の発明を構成するハンドルアダプタの効果は、上述の第1乃至第3のいずれかの発明であるハンドルアダプタによる効果と同じである。
また、第5の発明では、ハンドルアダプタを構成するハンドルが着脱可能に構成され、かつこのハンドルをジョイントアダプタの第2のソケット連結部にも取設することができる。つまり、第5の発明では、ハンドルアダプタに用いるハンドルと、ジョイントアダプタに用いるハンドルを共用することができる。
また、上述のような第5の発明において、ハンドルを備えたジョイントアダプタは、先の第4の発明における足し棒を第1のピン受け穴を備えた連結パーツのみで構成してなるハンドルアダプタ(変形タイプのハンドルアダプタ)と同じ効果を奏する。
この場合、ハンドルを備えたジョイントアダプタを、間接活線工具の基端部に連結してハンドルを操作することで、間接活線工具に回転力を作用させることができる。
つまり、第5の発明によれば、間接活線工具の基端部側の空間が狭くてハンドルアダプタを連結することができない場合でも、よりコンパクトな形態のジョイントアダプタを接続するだけで間接活線工具に回転力を作用させることができる。
よって、第5の発明によれば、先の第4の発明とその形態が異なっているが、第4の発明と同様にハンドルアダプタの利便性を大幅に向上させることができる。
つまり、第5の発明によれば、先の第4の発明の場合のように足し棒の長さを変更する必要がなく、ハンドルアダプタのハンドルをジョイントアダプタに付け替えるだけでよいので、第4の発明に比べてその操作性を向上させるという効果も奏する。
【0023】
第6の発明は、上述の第5の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第6の発明によれば、ハンドルの操作棒を操作するだけで嵌合用凸部の突起をハンドルの周側面下に引っ込めた状態にすることができる。
このため、第6の発明によれば、ハンドルアダプタの可動部又はジョイントアダプタの第2のソケット連結部から、ジョイントアダプタの第2のソケット連結部又はハンドルアダプタの可動部へのハンドルの付け替え作業を容易に行うことができる。
また、第6の発明では、操作棒の操作を停止すると自動的に嵌合用凸部の突起がハンドルの周側面上に押し出された状態になり、ハンドルがロックされてジョイントアダプタの第2のソケット連結部又はハンドルアダプタの可動部から取外せなくなる。
よって、第6の発明によれば、ハンドルアダプタとジョイントアダプタの間でのハンドルの付け替え作業を容易にするとともに、意図せずハンドルがハンドルアダプタ又はジョイントアダプタから外れてしまうのを好適に防ぐことができる。
さらに、第6の発明によれば、ハンドルのロックとその解除を極めて簡単な構造により実現できるので、第6の発明であるハンドルアダプタユニットの製造に要するコストを廉価にできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例1に係るハンドルアダプタとその取設対象である間接活線工具の側面図である。
図2】(a)本発明の実施例1に係るハンドルアダプタを係止構造側からみた側面図であり、(b)同ハンドルアダプタをハンドル側からみた側面図である。
図3】(a)本発明の実施例1に係るハンドルアダプタにおける係止構造の内部構造を示すイメージ図であり、(b)図3(a)中のX-X線断面図である。
図4】本発明の実施例1に係るハンドルアダプタの使用方法を説明するための側面図である。
図5】(a)本発明の実施例2に係るハンドルアダプタにおいて連結パーツ同士を連結した状態を示す側面図であり、(b)同ハンドルアダプタの連結パーツを分離した状態の一部を切欠いて示す側面図である。
図6】本発明の実施例3に係るハンドルアダプタユニットとその取設対象である間接活線工具の側面図である。
図7】本発明の実施例3の変形例に係るハンドルアダプタユニットの側面図である。
図8】(a),(b)はいずれも本発明の実施例3の変形例に係るハンドルアダプタユニットにおけるハンドルの中心軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態に係るハンドルアダプタ及びハンドルアダプタユニットについて図1乃至図8を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
[実施例1]
<1-1;実施例1の構造について>
はじめに、図1及び図2を参照しながら本発明の実施例1に係るハンドルアダプタの概要について説明する。
図1は本発明の実施例1に係るハンドルアダプタとその取設対象である共用操作棒の側面図である。また、図2(a)は本発明の実施例1に係るハンドルアダプタを係止構造側からみた側面図であり、(b)は同ハンドルアダプタをハンドル側からみた側面図である。
実施例1に係るハンドルアダプタ1Aは、間接活線工具である共用操作棒50の手元側の基端部50aに設けられるソケット連結部51に連結して用いられ、共用操作棒50にその棒体53の中心軸を基軸にした回転力を作用させるための後付けアダプタである。
このような実施例1に係るハンドルアダプタ1Aは、図1及び図2に示すように、共用操作棒50のソケット連結部51に着脱可能に係止される連結金具2と、この連結金具2に接続される足し棒3と、この足し棒3の外側面上に周設され、足し棒3の中心軸方向にスライドする筒状の可動部4と、この可動部4の外側面4a上に突設される2つのハンドル5と、足し棒3の外側面上における所望の位置に可動部4を係止させる係止構造6と、を備えてなるものである。
なお、本実施形態では、可動部4の外側面4a上にハンドル5を2つ(一対)設ける場合を例に挙げて説明しているが、ハンドル5は1つでも目的とする機能を十分に発揮させることができる。
なお、ハンドル5は可動部4に螺着してもよい。より具体的には、ハンドル5の端部にねじ山5aを形成するとともに、可動部4の外側面4a上にハンドル連結穴4bを形成しておき、ねじ山5aを有するハンドル5の端部をハンドル連結穴4bに螺着してもよい。
【0027】
ここで、図3を参照しながら実施例1に係るハンドルアダプタ1Aの係止構造6について説明する。
図3(a)は本発明の実施例1に係るハンドルアダプタにおける係止構造の内部構造を示すイメージ図であり、(b)は図3(a)中のX-X線断面図である。なお、図1及び図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、図3(b)では、圧縮コイルばね14の記載を省略している。
図3(a)に示すように、足し棒3の周側面上に筒状の可動部4を係止しておくための係止構造6は、例えば可動部4の厚み方向を貫通して設けられるロックピン6aと、足し棒3の周側面上に形成されてロックピン6aの先端を挿入するためのピン受け穴6bにより構成してもよい。
また、ロックピン6aは、例えば図3(a)に示すように、棒状の軸10の一端に、平板状の頭部11を固設したものを用いてもよい。この場合、作業者がロックピン6aの頭部11を摘むことで、軸10の操作を容易に行うことができる。
この場合は、例えば図示しないが、可動部4のピン挿通孔4cにロックピン6aを螺着しておき、ロックピン6aの頭部11を回動操作することで軸10を足し棒3に形成されるピン受け穴6bに向かって出没させることができるよう構成してもよい。
この場合は、係止構造6の構造をシンプルにできるものの、間接活線作業用の装備を装着した指先でロックピン6aの頭部11を回動する操作を行うことは煩雑な上、作業者にとって大きな負担になる。このような事態を回避すべく、ロックピン6aを弾性材により付勢する作動機構を備えた係止構造6を用いてもよい。
【0028】
上述のような作動機構を備えた係止構造6は、例えば図3(a)に示すように、可動部4の外側面4a上に突設され、ロックピン6aにおける軸10の一部を収容するケーシング9と、軸10の周側面上に巻回される圧縮コイルばね14を備えるものでもよい(任意選択構成要素)。
なお、上述の係止構造6では、ロックピン6aの軸10の端部が、可動部4を貫通して形成されるピン挿通孔4cから足し棒3側に導出されている。
また、上述の係止構造6では、ロックピン6aを構成する軸10の周側面上に係止用突起12が突設されるとともに、圧縮コイルばね14の隙間にこの係止用突起12を突設することで、ロックピン6aの軸10に圧縮コイルばね14を係止しておくことができる。
さらに、上述の係止構造6では、図3(b)に示すようにケーシング9の内壁に軸10の中心軸に沿って形成される溝13が凹設されており、この溝13の中空部内に係止用突起12がスライド可能に収容されている。
加えて、上述の係止構造6では、圧縮コイルばね14の頭部11側の端部が軸10に差し込まれるなどして係止されるとともに、圧縮コイルばね14の他方の端部がケーシング9の内壁に差し込まれるなどして係止されている。このため、上述の係止構造6においてロックピン6aをその軸10の頭部11側に引き抜くように、つまり図3(b)中の符号Aで示す方向に引き抜くように力を作用させると、圧縮コイルばね14の復元力によりロックピン6aの軸10には、軸10を元の位置に引き戻そうとする力が作用する。つまり、ロックピン6aの軸10に、図3(a)中の符号Bで示す方向に引き戻すように力が作用する。
つまり、上述の係止構造6におけるロックピン6aは圧縮コイルばね14により、足し棒3に形成されるピン受け穴6bに向かって軸10を押し出すように付勢されている。
【0029】
そして、図3(a),(b)に示すような係止構造6を備える場合、作業者がロックピン6aの頭部11を摘んで図3(a)中の符号Aで示す方向に引き抜くとともに、ロックピン6aを軸10の中心軸を基軸にその周方向に所望量だけ回動させて、係止用突起12を溝13から引き抜いて、ケーシング9の開口に係止しておくことで、ピン受け穴6bから軸10が引き抜かれた状態を維持することができる。
つまり、上記動作により、可動部4が足し棒3の周側面上に係止(固定)された状態が解除される。この結果、足し棒3の中心軸方向に可動部4をスライドさせることが可能になる。
【0030】
この後、可動部4を足し棒3上の所望の位置に移動させた後、ケーシング9の開口に係止されているロックピン6aを再び操作して、溝13から引き抜かれた係止用突起12を再び溝13内に戻してやることで、圧縮コイルばね14の復元力により、ロックピン6aの軸10を足し棒3側に向かって押し出すように付勢することができる。これにより、可動部4に形成されるピン挿通孔4cからロックピン6aの軸10が再び足し棒3側に導出された状態となる。
そして、可動部4のピン挿通孔4cから導出されたロックピン6aの先端が、足し棒3に形成されるピン受け穴6bに進入することで、ロックピン6aとピン受け穴6bの係合関係が再び形成されて、足し棒3の周側面上における可動部4のスライドが規制される。
このように、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aでは、足し棒3においてピン受け穴6bが形成されている位置に可動部4を固定することができる。
なお、本実施形態では可動部4に係止構造6を一対設ける場合を例に挙げて説明しているが、係止構造6が1つでも目的とする機能を十分に発揮させることができる。
【0031】
<1-2;実施例1の使用方法及び作用・効果について>
次に、図1,2及び図4を参照しながら実施例1に係るハンドルアダプタ1Aの使用方法及び作用・効果について説明する。
図4は本発明の実施例1に係るハンドルアダプタの使用方法を説明するための側面図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例1に係るハンドルアダプタ1Aは、先の図1に示す共用操作棒50(間接活線工具)に接続して用いられる。
より具体的には、まず従来公知の共用操作棒50のソケット連結部51に実施例1に係るハンドルアダプタ1Aの連結金具2を連結する。次いで、足し棒3上の所望の位置に可動部4をスライドさせて係止構造6を操作することで、足し棒3上の所望の位置に可動部4を係止(固定)することができる。
この後、作業者が可動部4に設けられるハンドル5を手で把持して、このハンドル5を足し棒3の中心軸を基軸にした所望方向に回動させることで、足し棒3に回転力を作用させることができる。
また、この動作により、足し棒3に生じた回転力が連結金具2及びソケット連結部51を介して共用操作棒50に伝わり、最終的に棒体53の中心軸を基軸に共用操作棒50を回動させることができる。
【0032】
このように実施例1に係るハンドルアダプタ1Aは、足し棒3を備えていることでハンドル5を、足し棒3上の所望の位置に移動させることができる。
この場合、作業者は自らが作業し易い位置にハンドル5を移動して、そこでハンドル5の操作を行うことができるので、共用操作棒50をその中心軸を基軸に回動させる作業を容易かつスムーズに行うことができる。
なお、本実施形態では、図1,2及び図4に示すように、足し棒3の中心軸方向の3箇所にピン受け穴6bを設ける場合を例に挙げて説明しているが、ピン受け穴6bの形成箇所は3箇所に特定する必要はなく、所望の2箇所又は3箇所以上に設定してよい。
【0033】
<1-3;実施例1の変形例について>
実施例1に係るハンドルアダプタ1Aは、図1,2及び図4に示すように、足し棒3の連結金具2を備えない側の端部にストッパ7aを備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、足し棒3上において可動部4をスライドさせる際に、足し棒3の端部から可動部4が抜け落ちてしまうのを好適に防ぐことができる。
このように実施例1に係るハンドルアダプタ1Aがストッパ7aを備える場合は、その操作性を向上させることができる。
【0034】
さらに、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aは、図1,2及び図4に示すように、足し棒3はストッパ7aに加えて、このストッパ7aを備えない側の端部(足し棒3の連結金具2を備える側の端部に)にストッパ7bを備えるとともに、ストッパ7a又はストッパ7bに可動部4が接触した際に、係止構造6におけるロックピン6aの配置が、足し棒3上におけるピン受け穴6bの形成位置と一致するよう構成してもよい(任意選択構成要素)。
この場合、足し棒3のそれぞれの端部側にハンドル5を備える可動部4を配置して固定する作業を容易かつスムーズに行うことができる。
よって、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aが上述のようにストッパ7a及びストッパ7bを備える場合は、足し棒3のそれぞれの端部側において可動部4を固定する作業を一層容易にできるので、ハンドルアダプタ1Aの操作性を一層向上させることができる。
【0035】
また、図1,2及び図4に示すように、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aは、連結金具2と足し棒3の間に、ローレット円柱部8を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
このローレット円柱部8は、その側面上にローレット加工が施された円柱体である。また、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aがローレット円柱部8を備えていることで、共用操作棒50のソケット連結部51に、ハンドルアダプタ1Aを係合連結する際に、作業者が実施例1に係るハンドルアダプタ1Aをねじって回転させる動作を行うことを容易にすることができる。
よって、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aがローレット円柱部8を備えている場合は、共用操作棒50へのハンドルアダプタ1Aの着脱作業を容易にできるので、ハンドルアダプタ1Aの操作性をより向上させることができる。
【0036】
また、図1乃至図4では、係止構造6がロックピン6a及びピン受け穴6bを備える場合を例に挙げて説明しているが、係止構造6はこれ以外の構造であってもよい。
より具体的には、係止構造6が先の図3(a),(b)に示すような付勢機構を有することなく、ピン挿通孔4cにロックピン6aを単に螺着して固定する場合、足し棒3にピン受け穴6bを形成する代わりに、足し棒3の中心軸方向に延びる溝を形成するとともに、この溝内にロックピン6aの先端を挿入させるよう構成してもよい(図示せず;任意選択構成要素)。
この場合、ロックピン6aの先端で足し棒3を押圧することで、足し棒3上に可動部4を固定することができる。これにより、足し棒3上の任意の位置に可動部4及びハンドル5を配置して固定することができる。つまり、足し棒3がピン受け穴6bを備える場合は、ピン受け穴6bの形成位置にしか可動部4を固定することができないが、このピン受け穴6bに代えて足し棒3の中心軸方向に延びる溝を備えることで、可動部4の固定位置の自由度を大幅に向上させることができる。
さらに、この場合は、ロックピン6aの先端が、足し棒3の中心軸方向に形成される図示しない溝内に収容されることで、ハンドル5を操作して足し棒3に回転力を作用させる際に、可動部4が足し棒3の周方向に滑って空回りするのを好適に防ぐことができる。
よって、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aの係止構造を上述のように構成する場合は、ハンドル5の設置位置の自由度を高めることができるので、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aの利便性及び実用性を向上させることができる。
【0037】
[実施例2]
<2-1;実施例2の構造について>
本発明の実施例2に係るハンドルアダプタについて図5を参照しながら説明する。
図5(a)は本発明の実施例2に係るハンドルアダプタにおいて連結パーツ同士を連結した状態を示す側面図であり、(b)は同ハンドルアダプタの連結パーツを分離した状態の一部を切欠いて示す側面図である。なお、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、図5(a),(b)では、足し棒の構造が理解されやすいよう、足し棒上に設けられる可動部、ハンドル及び係止構造(ロックピン)の記載を省略している。
実施例2に係るハンドルアダプタ1Bの足し棒15は、図5(a),(b)に示すように、連結金具2に連結される足し棒15を、直列状に連結されてなる2つの連結パーツ15a及び連結パーツ15bにより構成してもよい(任意選択構成要素)。
【0038】
また、上述のような足し棒15を構成する連結パーツ15a,15bは、例えば以下に示すような構造を備えることで連結して一体化することができる。
詳細には、例えば図5(a),(b)に示すように、実施例2に係る足し棒15は、中空管からなる連結パーツ15a,15bのそれぞれの内側に内筒18a,18bを備えるとともに、内筒18a,18bはそれぞれの開口端を覆うように接続端19a、接続端19bを備えている。
さらに、連結パーツ15bはその中空部に連結ボルト22が挿設されており、この連結ボルト22の先端は、接続端19bの厚み方向を貫通してなるボルト挿通孔21から導出されている。なお、連結パーツ15bにおける連結ボルト22の基端側(接続端19bから導出されない側の端部)は、ボルト操作ハンドル23に接続されており、このボルト操作ハンドル23を操作することで、連結ボルト22をその中心軸を基軸に回動させることができるよう構成されている。
他方、連結パーツ15a内に配される接続端19aは、連結パーツ15bの接続端19b(ボルト挿通孔21)から導出される連結ボルト22の先端を螺着させるためのボルト固定孔20を備えている。
また、連結パーツ15a及び連結パーツ15bの周側面上には、図示しない係止構造6のロックピン6aを係止するためのピン受け穴16a~16cが形成されている。
【0039】
図5(a),(b)に示すような実施例2に係るハンドルアダプタ1Bでは、連結パーツ15bの開放端部に、連結ボルト22の先端が導出される側の連結パーツ15bの端部を挿入した後、ボルト操作ハンドル23を操作して連結ボルト22をその軸方向に回動させることで、連結ボルト22の先端を連結パーツ15a側のボルト固定孔20に螺着することができる。
これにより、連結パーツ15a及び連結パーツ15bを直列状に連結することができ、足し棒15を形成することができる。
また、図5(a),(b)に示すような実施例2に係るハンドルアダプタ1Bでは、連結パーツ15aの端部直径(外々寸法)と連結パーツ15bの端部直径(外々寸法)を略同一にしておくことで、連結パーツ15aと連結パーツ15bを連結した際に生じる継ぎ目17に段差が生じるのを防ぐことができる。
この場合、足し棒15の周側面上に可動部4を設けた際に、可動部4を、足し棒15上に形成される連結パーツ15aと連結パーツ15bの継ぎ目17上を支障なくスライドさせることができる。
【0040】
<2-2;実施例2の作用・効果について>
上述のような実施例2に係るハンドルアダプタ1Bによれば、足し棒15の長さを所望に変更することができる。
これにより、足し棒15上に設けられる可動部4(ハンドル5)の可動範囲が大きくする又は小さくすることが可能になる。
この結果、このような実施例2に係るハンドルアダプタ1Bによれば、共用操作棒50の基端部50aから作業者にとってハンドル操作し易い場所が大きく離れている場合でも、足し棒15の全長を長くすることで対応することができる。
その一方で、共用操作棒50の基端部50aから作業者にとってハンドル操作し易い場所がさほど離れておらず、長い足し棒15自体がハンドル操作の妨げになるような場合は、足し棒15の長さを極力短くしたハンドルアダプタ1Bを使用することで、共用操作棒50に回転力を作用させることができる。
よって、実施例2に係るハンドルアダプタ1Bによれば、その利便性を大幅に向上させることができる。
【0041】
<2-3;実施例2の変形例について>
さらに、実施例2に係るハンドルアダプタ1Bでは、連結パーツ15aと連結パーツ15bの継ぎ目17を、足し棒15において連結金具2の最寄り位置に形成されるピン受け穴16aと、連結金具2に2番目に近い位置に形成されるピン受け穴16bの間に配設するとともに、連結金具2の最寄り位置に形成されるピン受け穴16aを備える連結パーツ15aの長さが、連結パーツ15bの長さよりも短くなるよう構成してもよい(任意選択構成要素)。
より詳細には、足し棒15が図示しない2以上の連結パーツからなる場合は、連結金具2の最寄り位置に形成されピン受け穴を備える連結パーツの長さが最短になるよう構成してもよい(任意選択構成要素)。
この場合、実施例2に係るハンドルアダプタ1Bの足し棒15を連結パーツ15aのみで構成することで、その全長を足し棒15の全長よりも短くすることができる。
この場合、共用操作棒50の基端部50aと、作業者にとってハンドル操作し易い位置にほとんど差がなく、足し棒15を配設するための十分なスペースが確保できない場合でも、足し棒15を連結パーツ15aのみで構成してなるハンドルアダプタ1Bを用いることで共用操作棒50に回転力を作用させることができる。
よって、上述のような実施例2の変形例に係るハンドルアダプタ1Bによれば、ハンドル5を備えた可動部4の可動範囲を所望に広げたり、狭めたりすることができる。この結果、実施例2に係るハンドルアダプタ1Bを使用可能な場面を増やすことができるので、本発明のハンドルアダプタの操作性及び利便性を一層向上させることができる。
【0042】
[実施例3]
<3-1;実施例3の構造について>
本発明の実施例3に係るハンドルアダプタユニットについて図6を参照しながら説明する。
図6は本発明の実施例3に係るハンドルアダプタユニットとその取設対象である共用操作棒の側面図である。なお、図1乃至図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例3に係るハンドルアダプタユニットは、図6に示すように、例えば本発明に係るハンドルアダプタと、その連結対象である共用操作棒50(間接活線工具)と本発明に係るハンドルアダプタの間に介設されるジョイントアダプタ25と、を備えてなるものである。なお、ここでは本発明に係るハンドルアダプタとして、上述の実施例1に係るハンドルアダプタ1Aを備える場合を例に挙げて説明する。
また、実施例3に係るハンドルアダプタユニットを構成する本発明に係るハンドルアダプタの構造及びその作用・効果は、上述の実施例1,2に係るハンドルアダプタ1A,1Bと同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0043】
さらに、実施例3に係るハンドルアダプタユニットにおけるジョイントアダプタ25は、例えば図6に示すように、本発明に係るハンドルアダプタの連結金具2と同じ構造を有する第2の連結金具2’と、この連結金具2’に接続され共用操作棒50のソケット連結部51と同じ構造を有するソケット連結部26と、このソケット連結部26の周側面に凹設され、上述の実施例1に係るハンドルアダプタのハンドル5を着脱可能に接続するためのハンドル連結穴4bを備えてなるものである。
なお、実施例3に係るハンドルアダプタユニット24において、ハンドル5の端部に形成される接続用のねじ山5aと、ジョイントアダプタ25におけるソケット連結部26、及び、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aの可動部4、に凹設され上記ハンドル5のねじ山5aを螺設するためのハンドル連結穴4bの組み合わせが、本発明におけるハンドル接続構造である。
【0044】
<3-2;実施例3による作用・効果について>
上述のような実施例3に係るハンドルアダプタユニット24によれば、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aのハンドル5を、ジョイントアダプタ25のソケット連結部26に形成されるハンドル連結穴4bに接続(螺設)することができる。
つまり、実施例3に係るハンドルアダプタユニット24によれば、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aと、ジョイントアダプタ25の間でハンドル5を共用できる。
この場合、ハンドル5を備えたジョイントアダプタ25を、間接活線工具である共用操作棒50のソケット連結部51に連結することで、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aを用いることなくジョイントアダプタ25のみを用いて共用操作棒50にその棒体53の中心軸を基軸にした回転力を作用させることができる。
つまり、ハンドル5を備えたジョイントアダプタ25は、先の実施例2の変形例に係るハンドルアダプタ1Bにおいて、足し棒15を連結パーツ15aのみで構成する場合と同様の作用・効果を奏する。ただし、実施例3に係るジョイントアダプタ25の方が、連結金具2’の中心軸方向サイズをコンパクトにすることができる。
上述のような実施例3に係るハンドルアダプタユニット24によれば、共用操作棒50の基端部50a側に、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aを連結するためのスペースを確保することが困難な状況でも、ハンドル5を備えたジョイントアダプタ25を用いて共用操作棒50に回転力を作用させることができる。
【0045】
<3-3;実施例3の変形例の構造について>
最後に、図7及び図8を参照しながら実施例3の変形例に係るハンドルアダプタユニットについて説明する。
先の実施例3に係るハンドルアダプタユニット24では、ジョイントアダプタ25のソケット連結部26や、実施例1に係るハンドルアダプタ1Aの可動部4に対して、ハンドル5が螺設されている。
この場合、例えばハンドル5を2つ備える場合は、ハンドル5の着脱作業時に、それぞれのハンドル5に対してその中心軸を基軸に回動する動作を行う必要がある。この場合、作業者にとって間接活線作業用の装備を装着した手指でこの作業を行うことは極めて煩雑であった。このような事情に鑑み、ハンドル5をその中心軸を基軸に回動させることなく着脱できるよう改良したものが実施例3の変形例に係るハンドルアダプタユニットである。
【0046】
図7は本発明の実施例3の変形例に係るハンドルアダプタユニットの側面図である。また、図8(a),(b)はいずれも本発明の実施例3の変形例に係るハンドルアダプタユニットにおけるハンドルの中心軸方向断面図である。なお、図1乃至図6に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
実施例3の変形例に係るハンドルアダプタユニット24’は、先のハンドルアダプタユニット24におけるハンドル5とその接続構造に代えて、図7に示すようなハンドル27とその接続構造(ハンドル接続構造28)を備えてなるものである。
また、ハンドル接続構造28は、ジョイントアダプタ25’のソケット連結部26、及び実施例1に係るハンドルアダプタ1A’の可動部4、に凹設される嵌合用凹部28aと、ハンドル27の一の端部に形成される嵌合用凸部28bからなり、嵌合用凹部28aに嵌合用凸部28bをワンタッチで着脱できるよう構成されるものである。
【0047】
上述のようなハンドル27は、図8(a),(b)に示すように、例えばハンドル本体29の一の端部側の周側面に対して出没自在に設けられる一対の突起31と、ハンドル本体29の内側から外側に向かって上述の一対の突起31を押し出すように付勢する弾性材32(例えば板バネ等)と、ハンドル本体29内においてこの弾性材32による一対の突起31の押し出し動作を規制するとともに、ハンドル本体29の外側から直接又は間接的に操作可能な操作棒34を備えてなるものである。
また、実施例3のハンドル27において中空状のハンドル本体29は、例えばハンドル27の胴部をなす分割パーツ29aと、その一の端部側をなす分割パーツ29bと、その他の端部側をなす分割パーツ29cからなり、これらが互いに螺着されて一体化されている。
また、ハンドル本体29が分割パーツ29a~29cからなることで、その中空部内に突起31や弾性材32、さらには操作棒34等の部品を収容することができる。
【0048】
より詳細には、実施例3の変形例に係るハンドルアダプタユニット24’において、ジョイントアダプタ25’を構成するソケット連結部26、及び実施例1に係るハンドルアダプタ1A’を構成する可動部4に形成される嵌合用凹部28aは、つまりハンドル接続構造28を構成する嵌合用凹部28aは、ハンドル27の分割パーツ29aを収容する穴の内壁にさらに、ハンドル27の周側面上に出没自在に突設される突起31を収容するための穴が形成されてなるものである。
【0049】
また、実施例3のハンドル27は、ハンドル本体29をなす分割パーツ29bの厚み方向を貫通するように突起出没孔30が形成されるとともに、抜け止め用の係止用フランジ31aを備えた突起31がこの突起出没孔30に、分割パーツ29b内側から嵌設されている。
つまり、実施例3に係るハンドルアダプタユニット24’におけるハンドル接続構造28の嵌合用凸部28bは、上述の嵌合用凹部28aに挿入されるハンドル本体29の一の端部側(分割パーツ29b)とその周側面上に出没自在に突設される一対の突起31により構成されている。
さらに、実施例3の変形例に係るハンドル27は、ハンドル本体29内において上述の一対の突起31を一体に連結する例えば板バネからなる弾性材32を備え、この弾性材32の中央部分に、ハンドル本体29の中心軸方向と略平行に配される操作棒34の端部が当接している。
加えて、操作棒34の弾性材32に当接しない側の端部には、操作ボタン36が設けられ、この操作ボタン36が分割パーツ29cに形成される操作ボタン用孔35から、ハンドル本体29の外側に突出するように設けられている。
なお、操作ボタン36の周縁にも係止用フランジ36aが設けられており、操作ボタン36が操作ボタン用孔35から落脱することがない。
【0050】
<3-4;実施例3の変形例の使用方法について>
実施例3の変形例に係るハンドル27の一の端部側(突起31を備えている側の端部)を、ハンドルアダプタユニット24’におけるソケット連結部26(ジョイントアダプタ25’)、及び可動部4(実施例1に係るハンドルアダプタ1A’)、に形成される嵌合用凹部28aに接続するには、まず、ハンドル27の分割パーツ29cから突出する操作ボタン36を分割パーツ29a側に向かって押し込む。
この動作により、ハンドル本体29内に収容される操作棒34が分割パーツ29b側に向かってスライドして、操作棒34により弾性材32が押し曲げられる[図8(b)を参照]。
そして、弾性材32が操作棒34により押し曲げられることで、弾性材32の端部に接続されている一対の突起31がハンドル本体29の中空側に引き込まれて、一対の突起31がともにハンドル27の一の端部側の周側面下に没した状態となる[図8(b)を参照]。
この状態で、ハンドル27の一の端部側(分割パーツ29b側)を嵌合用凹部28a内に挿入し、この後、操作ボタン36を押圧力から解放すると上述の逆の動作が起こる。
つまり、操作棒34による押圧力から弾性材32が解放されることで、弾性材32が元の形[図8(a)を参照]に復元し、弾性材32の外形が復元することで一対の突起31が、再びハンドル27の一の端部側の周側面上に突出した状態になる。
そして、この一対の突起31が、嵌合用凹部28aに形成される小さい方の穴にそれぞれ係合することで、ハンドル27がロック(固定)される(図7を参照)。
【0051】
また、実施例3の変形例に係るハンドルアダプタユニット24’におけるソケット連結部26(ジョイントアダプタ25’)、及び可動部4(実施例1に係るハンドルアダプタ1A’)、からハンドル27を取外すには、接続されているハンドル27の操作ボタン36をハンドル本体29側に押圧することで操作棒34を操作して、ハンドル本体29の一の端部側(分割パーツ29a)の周側面上に突出している突起31を、その周側面下に没した状態にしてから、嵌合用凹部28aからハンドル27を引き抜けばよい。
【0052】
また、図8(a),(b)に示すように、ハンドル27はハンドル本体29の中空部内における突起31と操作棒34の間で、かつ操作棒34が進入する方向側の弾性材32と接触する位置に支持軸33を備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、操作棒34を分割パーツ29b側にスライドさせて弾性材32を押し曲げる際の弾性材32の端部(突起31が取設される部分)の軌跡を、操作棒34の中心軸に対して直交する方向にすることができる。
この場合、突起出没孔30内における突起31の出没動作をスムーズに行うことができる。
さらに、図7及び図8では、ハンドル27の一の端部側に一対の突起31を備える場合を例に挙げているが、突起31を1つのみ備える場合も目的とする効果を十分に発揮させることができる。
【0053】
<3-5;実施例3の変形例による効果について>
上述のような実施例3の変形例に係るハンドルアダプタユニット24’によれば、先の図6に示すハンドルアダプタユニット24を用いる場合に比べて、ソケット連結部26(ジョイントアダプタ25’)や可動部4(実施例1に係るハンドルアダプタ1A’)へのハンドル27の着脱作業を迅速かつ容易にすることができる。
よって、実施例3の変形例に係るハンドルアダプタユニット24’を用いて共用操作棒50を操作する場合の作業性及び利便性を大幅に向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上説明したように本発明は、間接活線工作業で使用される間接活線工具(例えば共用操作棒等)に取付可能なハンドルアダプタ及びこのハンドルアダプタを備えたハンドルアダプタユニットであり、送電設備に関する技術分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1A,1A’ ,1B…ハンドルアダプタ 2,2’…連結金具 3…足し棒 4…可動部 4a…外側面 4b…ハンドル連結穴 4c…ピン挿通孔 5…ハンドル 5a…ねじ山 6…係止構造 6a…ロックピン 6b…ピン受け穴 7a,7b…ストッパ 8…ローレット円柱部 9…ケーシング 10…軸 11…頭部 12…係止用突起 13…溝 14…圧縮コイルばね 15…足し棒 15a,15b…連結パーツ 16a~16c…ピン受け穴 17…継ぎ目 18a,18b…内筒 19a,19b…接続端 20…ボルト固定孔 21…ボルト挿通孔 22…連結ボルト 23…ボルト操作ハンドル 24,24’…ハンドルアダプタユニット 25,25’…ジョイントアダプタ 26…ソケット連結部 27…ハンドル 28…ハンドル接続構造 28a…嵌合用凹部 28b…嵌合用凸部 29…ハンドル本体 29a~29c…分割パーツ 30…突起出没孔 31…突起 31a…係止用フランジ 32…弾性材 33…支持軸 34…操作棒 35…操作ボタン用孔 36…操作ボタン 36a…係止用フランジ 50…共用操作棒(間接活線工具) 50a…基端部 51…ソケット連結部 52…連結金具 53…棒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8