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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124368
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】システム及びプログラム等
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20220818BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20220818BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20220818BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G09B29/00 A
G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】32
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022098
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
(72)【発明者】
【氏名】依藤 勇規
(72)【発明者】
【氏名】小野塚 竜太
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
【Fターム(参考)】
2C032HC08
2C032HC17
2C032HC31
2C032HD11
2F129AA03
2F129BB03
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE57
2F129GG17
2F129GG18
2F129HH02
2F129HH12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光電管式の速度計測機を探知するシステム及びプログラムを提供する。
【解決手段】車両50に設けられる電子機器10は、撮像部により取得した撮像画像を解析し、第1送受光器31又は第2送受光器33の関連要素を認識したか否かを判定する。関連要素を認識した場合は、地図に重ねて、「速度取締地点です」とメッセージが表示されたウィンドウを表示することで速度取締地点又は光電管式の速度計測機30の設置地点への接近をユーザに報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられ、車両の進路を横切る測定光を送受光する送受光器への接近を警報する警報制御を行う制御部を有するシステム。
【請求項2】
前記送受光器は速度計測機に用いられる
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御部は、前記送受光器に関連する関連要素を認識して前記警報制御を行う
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記送受光器に関連する関連要素を複数認識して前記警報制御を行う
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記送受光器に関連する関連要素を認識し、認識した関連要素の種類に応じて異なる前記警報制御を行う
請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御部は、前記送受光器に関連する関連要素を認識し、認識した関連要素の数に応じて異なる前記警報制御を行う
請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る車道上に設置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る車道上の路肩寄りに設置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る車道と歩道との間の分離帯の車道側に設置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る暖色系のロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る反射材を備えたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路上において前後に配置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路上において間隔3m以上で前後に配置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る非常駐車帯に設置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両に対して右の路肩側に配置された反射器を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る歩道側から車道側に向いている人を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る所定の種類の服装を着用した人を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映るロードコーン付近にて留まっている人を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像から歩道上にて高さ1m~1.2mの範囲に所定時間動かない人の頭部を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路を横切る測定光を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路上において間隔3mで前後一対の進路上を横切る測定光を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路上において波長が同一で前後一対の進路上を横切る測定光を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路上において前後一対で進路上を横切る平行な測定光を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る路面から9cm未満で前記車両の進路上を横切る測定光を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る路肩に停車したワンボックスカーを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映るパイプ椅子を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記送受光器に関連する関連要素から所定の範囲内に前記車両が走行する車道と交差する高架橋を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記制御部は、地図情報に基づき、前記送受光器に関連する関連要素から所定の範囲内に前記車両が走行する車道と交差する高架橋を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記制御部は、他車両が取得した情報に基づき取得される、前記送受光器に関連する関連要素から所定の範囲内に前記車両が走行する車道と交差する高架橋上の囲い情報を、前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記制御部は、SNS情報に基づき取得される、前記送受光器に関連する関連要素から所定の範囲内に前記車両が走行する車道と交差する高架橋上の囲い情報を、前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から29のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記制御部は、地図情報に基づき、前記車両が所定の距離以上の直線が続く所定の区間を走行していることを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行う
請求項1から30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
コンピュータに請求項1から31のいずれか一項に記載のシステムの機能を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム及びプログラム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2は、車両速度取締装置から発射されたマイクロ波を受信し、車両速度取締装置が存在することを検出した場合には警報を出力する電子機器を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-064588号公報
【特許文献2】特開2017-096728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば車両の進路を横切る測定光を送受光する送受光器を用いた、いわゆる光電管式の速度計測機が使用されている。光電管式の速度計測機として、装置が軽量でコンパクトであるため特定の場所に固定されない移動式オービスがあり、例えばGPSや地図情報から設置位置を特定することは困難である。また、車両に対してマイクロ波やレーザ光を照射して速度を計測するものではないため、特許文献1、2のように直接的に光電管式の速度計測機を検知するのは困難である。
【0005】
上述した課題に鑑み、本発明の目的の一つは、例えばいわゆる光電管式の速度計測機の探知に関するシステム及びプログラム等を提供することなど従来よりも優れたシステム及びプログラム等を提供することである。
【0006】
本発明の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正又は分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)システムは、車両に設けられ、車両の進路を横切る測定光を送受光する送受光器への接近を警報する警報制御を行う制御部を有する。
【0008】
このようにすると、ユーザは、車両において、車両の進路を横切る測定光を送受光する送受光器への接近の警報を得ることができる。車両の進路を横切る測定光を送受光する送受光器としては、いわゆる光電管式の速度計測機とするとよい。このようにすれば車両の進路を横切る測定光を送受光する送受光器を用いたいわゆる光電管式の速度計測機が設置されている可能性のある地点への接近をユーザに把握させることができる。
【0009】
例えば、光電管式の速度計測機は、第1送受光器、第1反射器、第2送受光器、第2反射器、計測制御部を有する。
【0010】
第1送受光器及び第2送受光器は、それぞれ測定光(以下、それぞれ「第1測定光」、「第2測定光」という。)を照射し、内蔵する光電センサが反射された測定光の受光を検出する。第1反射器は第1送受光器の測定光照射部に対向して設置され、第1送受光器から照射される第1測定光を第1送受光器に向けて反射可能である。第2反射器は第2送受光器の測定光照射部に対向して設置され、第2送受光器から照射される第2測定光を第2送受光器に向けて反射可能である。
【0011】
第1送受光器及び第2送受光器は、例えば車道の幅方向片側に設置され、第1反射器及び第2反射器は車道の幅方向他側に設置される。例えば、第1送受光器及び第1反射器と第2送受光器及び第2反射器は、それぞれ測定光が車両の進路を横切るように、つまりは測定光が車道の幅方向に照射されるように設置される。
【0012】
例えば、第1送受光器は速度計測におけるタイマスタート用の送受光器であり、第1送受光器及び第1反射器は第2送受光器及び第2反射器より車両の進路上において手前側(具体的には、車道の進行方向に対して後側(進行方向に対して上流側))に設置される。第2送受光器は速度計測におけるタイマストップ用の送受光器であり、第2送受光器33及び第2反射器は第1送受光器及び第1反射器より車両の進路上において奥側(車道の進行方向に対して前側)に設置される。このように第1送受光器及び第1反射器と、第2送受光器及び第2反射器は、車両の進路上(車道の進行方向)において第1測定光と第2測定光が前後に平行に且つ一定の間隔を有するように設置される。
【0013】
例えば計測制御部は、第1送受光器及び第2送受光器と接続され、第1送受光器及び第2送受光器からの情報を受信可能である。計測制御部は、第1送受光器により車両の通過(厳密には前輪の通過)が検知されると内蔵されているタイマをスタートし、続いて第2送受光器により車両の通過(厳密には前輪の通過)が検知されるとタイマをストップさせる。計測制御部は、このタイマの値、即ち車両の前輪が第1測定光を通過してから第2測定光を通過するまでの時間と間隔との関係から車両の速度を計測する機能を有する。また計測制御部は、表示部に計測結果として車両の速度を表示したり、計測結果が所定の速度を超えている場合に警報を行ったりする機能を有してもよい。
【0014】
(2)前記送受光器は速度計測機に用いられるのがよい。このようにすると送受光器を用いた速度計測機による取締の接近をユーザに把握させることができる。
【0015】
特に、送受光器を用いたいわゆる光電管式の速度計測機(光電管式オービスとも称する)への接近を警報する警報制御を行うとよく、この警報内容としては光電管式以外の速度計測機への接近を示す警告ではなく、光電管式の速度計測機がある位置への接近を示す警告とするとよい。例えば、「この先、500mオービスがあります。速度注意!」ではなく、「この先500m、光電管式オービスが設置されている可能性があります。速度注意!」、あるいは「この先500m、光電管式オービスがあります。速度注意!」のように警告するとよい。「この先500m、光電管式オービスが設置されている可能性があります。速度注意!」でもよいが、特に「この先500m、光電管式オービスに関連するロードコーンがあります。速度注意!」のように、具体的に光電管式オービスに関連する物を示すものを備えるとよく、特に、光電管式オービスに関連する少なくとも一部の物を示すものを備えるとよい。このようにすれば、ユーザはその物に着目して、その位置に注意を払ったり、実際に光電管式オービスが設置されていたか否かを容易に確認したりすることが、可能となる。警告内容はシステムの記憶手段に記憶しておき、音声、文字列、画像等によって出力する構成とするとよい。従来のシステムは、速度計測機の位置自体を記憶しその速度計測機への接近を示す内容の警告をしていたが、光電管式オービスのように、速度計測機を設置するか否かを随時変更する構成であり、且つ車両に対してマイクロ波やレーザ光を照射して速度を計測するものではない場合、直接的に速度計測機を検出できない光電管式オービスへの接近についても警告可能とするものである。
【0016】
(3)前記制御部は、前記送受光器に関連する関連要素を認識して前記警報制御を行う。送受光器自体や、反射器、計測制御部も関連要素の一つである。このように送受光器自体や送受光器に関連する関連要素を認識することで、直接送受光器を検出できる場合だけでなくとも、送受光器を用いた速度計測機への接近を探知し、ユーザに警告することができる。
【0017】
(4)前記制御部は、前記送受光器に関連する関連要素を複数認識して前記警報制御を行うのがよい。このようにすると、複数の関連要素を認識して警報制御を行うことで、送受光器を誤認識する確率を低減し、誤った警告を抑制することできる。
【0018】
(5)前記制御部は、前記送受光器に関連する関連要素を認識し、認識した関連要素の種類に応じて異なる前記警報制御を行うのがよい。例えば認識した関連要素がロードコーン関係であった場合と、監視員関係であった場合とで、異なる警報制御を行う。このようにすると、認識した関連要素の種類に応じて異なる警報制御を行うことで、ユーザに光電管式オービスの接近の根拠を明確に示すことができる。
【0019】
(6)前記制御部は、前記送受光器に関連する関連要素を認識し、認識した関連要素の数に応じて異なる前記警報制御を行うのがよい。例えば認識した関連要素が多いほど光電管式オービスへの接近の確度が高いことから、その確度が高いほどユーザへ強く注意喚起する警報とする。このようにすると、認識した関連要素の数に応じて異なる警報制御を行うことで、ユーザに対してより適切な警報を行うことができる。
【0020】
(7)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る車道上に設置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。小型であって路上に設置される送受光器は、車両や歩行者との接触を避けるため、送受光器の周囲にロードコーンが設置される場合が多い。そこで車両の前方を撮像した画像から当該ロードコーンを送受光器の関連要素として認識することで、設置位置が固定されず、且つ車両に対してマイクロ波やレーザ光を照射して速度を計測するものではない送受光器を用いた速度計測機への接近を間接的に検出することができる。
【0021】
(8)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る車道上の路肩寄りに設置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。送受光器の周囲に配置されるロードコーンは車道上の路肩寄りに配置されることが多い。そこで車両の前方を撮像した画像から車道上の路肩寄りに設置されたロードコーンを送受光器の関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0022】
(9)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る車道と歩道との間の分離帯の車道側に設置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。送受光器の周囲に配置されるロードコーンは車道と歩道との間の分離帯の車道側に配置されることが多い。そこで車両の前方を撮像した画像から車道と歩道との間の分離帯の車道側に設置されたロードコーンを関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0023】
(10)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る暖色系のロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。送受光器の周囲に配置されるロードコーンは赤色、オレンジ色、黄色等の暖色系である場合が多い。そこで車両の前方を撮像した画像から暖色系のロードコーンを関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0024】
(11)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る反射材を備えたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。送受光器の周囲に配置されるロードコーンは反射材を備えている場合が多い。そこで車両の前方を撮像した画像から反射材を備えたロードコーンを関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0025】
(12)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路上において前後に配置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。速度計測機としての送受光器は通常タイマスタート用とタイマストップ用で前後一対配置され、送受光器周囲に配置されるロードコーンもそれに合わせて車道上に前後一対配置される場合が多い。そこで車両の前方を撮像した画像から車両の進路上において前後に配置されたロードコーンを関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0026】
(13)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路上において間隔3m以上で前後に配置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。速度計測機としての送受光器は速度計測のためタイマスタート用とタイマストップ用との間隔が定まっており、その間隔は3mである場合が多い。そのため送受光器周囲に配置されるロードコーンもそれに合わせて間隔3m以上で前後一対配置される場合が多い。そこで車両の前方を撮像した画像から車両の進路上において間隔3m以上で前後に配置されたロードコーンを関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0027】
(14)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る非常駐車帯に設置されたロードコーンを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。速度計測機としての送受光器は十分な設置スペースの取れる非常駐車帯に設置される場合があり、送受光器周囲に配置されるロードコーンもそれに合わせて非常駐車帯に配置される場合がある。そこで車両の前方を撮像した画像から非常駐車帯に設置されたロードコーンを関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0028】
(15)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両に対して右の路肩側に配置された反射器を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。送受光器を用いる速度計測機は、送受光器から照射される測定光を反射する反射器を有している。そこで車両の前方を撮像した画像から反射器を関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0029】
(16)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る歩道側から車道側に向いている人を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。速度計測機に用いられる送受光器は、周囲に速度計測機を管理する監視員がいる場合が多い。通常の歩行者は歩道に沿って歩行することから歩道に沿った方向を向いているが、監視員は車道に設けられた速度計測機や通行車両を監視するため、歩道側から車道側を向いている場合が多い。そこで車両の前方を撮像した画像から歩道側から車道側に向いている人(監視員)を送受光器の関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0030】
(17)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る所定の種類の服装を着用した人を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。送受光器の周囲にいる監視員は、主に警察官であり、制服等の所定の種類の服装を着用している場合が多い。そこで車両の前方を撮像した画像から所定の種類の服装を着用した人(監視員)を送受光器の関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0031】
(18)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映るロードコーン付近にて留まっている人を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。送受光器の周囲にいる監視員は、送受光器を用いた速度計測機を監視するために、その場に留まっていることが多い。送受光器の周囲にはロードコーンが設置され、監視員もその付近に留まっている。そこで車両の前方を撮像した画像からロードコーン付近にて留まっている人(監視員)を送受光器の関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0032】
(19)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像から歩道上にて高さ1m~1.2mの範囲に所定時間動かない人の頭部を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。送受光器の周囲にいる監視員は、パイプ椅子等に着座して速度計測機を監視する場合が多い。そうすると歩道上にて高さ1m~1.2mの範囲に監視員の頭部は位置し、監視中頭部はその位置から動かない場合が多い。そこで車両の前方を撮像した画像から歩道上にて高さ1m~1.2mの範囲に所定時間動かない人の頭部を送受光器の関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0033】
(20)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路を横切る測定光を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。
【0034】
いわゆる光電管式の速度計測機では、送受光器から照射される測定光は車両の進路上を横切る方向に照射され、当該測定光は通常肉眼では視認できないが、スマートフォン等でも使用されているカメラ等の撮像部は赤外域等の肉眼よりも広域の波長の光を撮像可能である。そこで車両の前方を撮像した画像から車両の進路を横切る測定光を関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。例えば、車両に、望遠の赤外線カメラを、進行方向前方を向けて設置し、赤外線カメラによって撮像された映像の中に道路を左右に横切る光に相当する像を検出した場合に、「前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路を横切る測定光」であると認識するとよい。特に、道路内の第一の所定の範囲内を横切るが、道路内の第一の所定の範囲外である第二の所定の範囲は横切っていない光を検出した場合に、「前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路を横切る測定光」であると認識するとよい。第一の所定の範囲としては、例えば、車道に相当する箇所とするとよく、第二の所定の範囲としては歩道に相当する範囲とするとよい。このようにすれば、車両の速度を測定するために道路を横切る光をより確実に認識でき、誤報を低減できる。特に、第一の所定の範囲としては、車道であって自車両と同じ進行方向の車線の範囲とするとよい。例えば片側1車線の対面通行の道路である場合には、現在自車の進路となっている方の車線の範囲とするとよい。例えば片側2車線、両側で4車線の道路であれば、現在自車の進路となっている方の2車線の範囲とするとよい。第一の所定範囲と第二の所定範囲との間には所定の空間を設けるとよい。このようにすればより誤報を軽減できる。
【0035】
(21)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路上において間隔3mで前後一対の進路上を横切る測定光を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。速度計測機としての送受光器は速度計測のためタイマスタート用とタイマストップ用との間隔が定まっており、その間隔は3mである場合が多い。そこで車両の前方を撮像した画像から車両の進路上において間隔3mで前後一対の進路上を横切る測定光を関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0036】
(22)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路上において波長が同一で前後一対の進路上を横切る測定光を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。速度計測機としてのタイマスタート用とタイマストップ用の送受光器はそれぞれ同一波長の測定光を用いる場合が多い。そこで車両の前方を撮像した画像から車両の進路上において波長が同一で前後一対の進路上を横切る測定光を関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0037】
(23)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路上において前後一対で進路上を横切る平行な測定光を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。速度計測機としてのタイマスタート用とタイマストップ用の送受光器は、正確に速度を計測するには前後平行に測定光を照射する必要がある。そこで車両の前方を撮像した画像から車両の進路上において前後一対で進路上を横切る平行な測定光を関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0038】
(24)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る路面から9cm未満で前記車両の進路上を横切る測定光を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。速度計測機としての送受光器は、通常車両の前輪の通過を検知するため、測定光は車体の下面より下側となるように照射する必要がある。そこで車両の前方を撮像した画像から路面から9cm未満で前記車両の進路上を横切る測定光を関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより確実に検出することができる。
【0039】
(25)前記制御部は、前記画像に映る路肩に停車したワンボックスカーを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。監視員が使用する車両はワンボックスカーが多く、速度計測機の近くに停車させている。そこで前記関連要素に加えて、車両の前方を撮像した画像からワンボックスカーを関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより一層確実に検出することができる。
【0040】
(26)前記制御部は、前記画像に映るパイプ椅子を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。監視員はパイプ椅子に着座している場合が多い。そこで前記関連要素に加えて、車両の前方を撮像した画像からパイプ椅子を関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより一層確実に検出することができる。
【0041】
(27)前記制御部は、前記車両の前方を撮像した画像に映る前記送受光器に関連する関連要素から所定の範囲内に前記車両が走行する車道と交差する高架橋を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。速度計測機に周囲には、当該速度計測機により計測した車両の速度が所定の速度以上である場合等に当該車両を撮影するために高架橋がある場合が多い。車両が走行する車道と交差する高架橋から撮影を行えば車両の正面からの撮影が可能である。そこで撮影画像に基づき前記関連要素から所定の範囲内にある高架橋を関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより一層確実に検出することができる。
【0042】
(28)前記制御部は、地図情報に基づき、前記関連要素から所定の範囲内に前記車両が走行する車道と交差する高架橋を前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。速度計測機に周囲には、当該速度計測機により計測した車両の速度が所定の速度以上である場合等に当該車両を撮影するために高架橋がある場合が多い。車両が走行する車道と交差する高架橋から撮影を行えば車両の正面からの撮影が可能である。そこで地図情報に基づき前記関連要素から所定の範囲内にある高架橋を関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより一層確実に検出することができる。
【0043】
(29)前記制御部は、他車両が取得した情報に基づき取得される、前記送受光器に関連する関連要素から所定の範囲内に前記車両が走行する車道と交差する高架橋上の囲い情報を、前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。高架橋から高架橋下を通過する車両を撮影するスペースを確保するため、高架橋上には柵等で囲いが形成されている場合が多い。近年は他車両が取得した情報を取得することも可能であり、このような他車両が取得した情報から囲い情報を取得して、関連要素して認識することで送受光器を用いた速度計測機への接近をより一層確実に検出することができる。
【0044】
(30)前記制御部は、SNS(Social Networking Service)情報に基づき取得される、前記送受光器に関連する関連要素から所定の範囲内に前記車両が走行する車道と交差する高架橋上の囲い情報を、前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。近年はSNSに道路の状況に関する情報である道路情報等が投稿されている場合があり、このようなSNS情報から囲い情報を取得して、関連要素して認識することで送受光器を用いた速度計測機への接近をより一層確実に検出することができる。
【0045】
(31)前記制御部は、地図情報に基づき、前記車両が所定の距離以上の直線が続く所定の区間を走行していることを前記送受光器に関連する関連要素として認識して前記警報制御を行うのがよい。速度計測機が設置されるのは、車両が十分な速度を出すことができる長い直線区間である場合が多い。そこで地図情報に基づき前記車両が所定の距離以上の直線が続く所定の区間を走行していることを前記関連要素として認識することで、送受光器を用いた速度計測機への接近をより一層確実に検出することができる。
【0046】
(32)コンピュータに上記(1)から(31)のいずれか一つのシステムの機能を実現させるためのプログラムとするとよい。このようにすれば、上記(1)から(31)の機能をコンピュータに実行させることができる。
【0047】
上述した(1)から(32)に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、(1)に示した発明の全て又は一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、(1)から(32)に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。また「~の場合」「~のとき」という記載があったとしても、その場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらはよりよい構成の例を示しているものであって、これらの場合やときでない構成についても権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、従来よりも優れたシステム及びプログラム等を提供することができる。例えばいわゆる光電管式の速度計測機の探知に関するシステム及びプログラム等を提供することも可能となりうる。
【0049】
なお、本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」「~可能である」などといった記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】第1実施形態に係る電子機器及び速度計測機の配置を示す概略上面図である。
図2】第1実施形態に係る電子機器、速度計測機、及び高架橋の配置を示す概略上面図である。
図3】第1実施形態に係る電子機器の電気的な構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る電子機器の動作を示すフローチャートである。
図5】第1実施形態に係る電子機器の表示画面の一例を示す図である。
図6】第2実施形態に係る電子機器の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0051】
[第1実施形態]
以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号(数字の後にa、bなどを付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、以下の説明で参照する各図において、各部材、各領域等を認識可能な大きさとするために、実際とは縮尺を異ならせている場合がある。以下、本開示のシステムを、車両に搭載されるシステムであって、速度計測機を探知するシステムに適用した場合を説明する。車両は、自動車とするとよいが、4輪自動車に限らず、例えばバイク等の2輪車や4輪以上の大型輸送車等としてもよい。
【0052】
従来の取締は、速度を測定する第一の場所と、そこから少し先に設けた速度違反車両を駐車させて運転者に反則切符の署名等をさせる第二の場所を設けて、第一の場所から第二の場所に速度違反車両の情報を送って取締を行っていた。そのため、2箇所の場所が必要になる。2名から3名の警察官と数台のクルマが停められるスペースが必要というものであった。ところが、移動式オービスは、軽量で小型であり、その場で速度違反車両の写真を撮って後日自宅などに速度違反の通知書を送付する方式のため1箇所で、警察官が一人でも速度取締りが可能である。
【0053】
<構成>
図1は、第1実施形態に係るシステムの構成を示す図である。電子機器10は、本開示に係るシステムを適用した電子機器である。電子機器10は、車両50の進路を横切る測定光を送受光する送受光器を有する速度計測機30を探知する探知機である。なお本実施形態では1台の車両50を例に説明するが、本実施形態は他の車両にも同様に適用可能である。図1に示す速度計測機の外観は一例で、これとは異なる外観であってもよい。測定光は、特定波長の光で、所定の波長を有するレーザー光である。特定波長は、例えば赤外光領域に属する。
【0054】
電子機器10は、例えば、ほぼ直方体状の筐体10bを有するモニター型の機器である。電子機器10は、車両50の車室内に設置される。電子機器10は、例えば両面テープを用いて、ダッシュボード51上に取り付けられたブラケット10aを介して設置される。電子機器10の正面には、開口部が設けられている。電子機器10は、この開口部の位置で画像を表示するための表示部12を有する。また電子機器10の裏面には、車両前方を撮像可能な撮像部13が設けられている。電子機器10の筐体10bは、樹脂又はその他の材料で形成されている。なお、電子機器10は、本実施形態ではダッシュボード51上に設置される電子機器としているが、フロントガラス(例えば、上端付近)や、天井(例えば、フロントガラスとの境界付近)等の、車両50の別の場所に設置される電子機器であってもよい。
【0055】
撮像部13は、車両50の前方の画角内(視野内)の映像を撮像可能なカメラである。撮像部13は、例えば赤外域の光も撮像可能ある。撮像部13は、例えば望遠機能を有している。ブラケット10aは、電子機器10の向きを上下、左右に調整可能な構成をなしている。当該ブラケット10aにより電子機器10の向きを調整することで撮像部13の撮像方向を変更可能である。撮像部13の撮像レンズは、例えば電子機器10の筐体10bの背面側に設けられるとよい。電子機器10の外部に撮像装置が設けられ、電子機器10はこの撮像装置により撮像された画像である撮像画像を取得してもよい。この場合、撮像装置は、電子機器10とは独立して位置及び姿勢(撮像方向)を調整可能な構成である。撮像装置は、例えば、フロントガラス、ダッシュボードその他の車両の前方を撮像可能な位置に設置されるとよい。
【0056】
速度計測機30は、車両50の速度の取締が行われる地点である速度取締地点に設置される。速度計測機30は、速度取締装置、速度測定装置などとも呼ばれることがある。速度取締地点は、車両50の走行状況(例えば、車両が速度を出しやすいこと)、交通事故の発生状況(例えば、事故の発生数が多い地点)等の状況を勘案して、決定される。速度取締地点の一例として、車両50が走行する路線(道路)のうち、カーブ又はカーブの先の地点がある。
【0057】
速度計測機30は、光電管式オービスとも称し、都市高速その他の道路等の路線に設置される。速度計測機30は、第1送受光器31、第1反射器32、第2送受光器33、第2反射器34、及び計測制御部35を有する。
【0058】
第1送受光器31及び第2送受光器33は、それぞれ測定波としての測定光(第1測定光L1、第2測定光L2)を照射し、内蔵する光電センサが反射された測定光の受光を検出する。第1反射器32は第1送受光器31の測定光照射部に対向して設置され、第1送受光器31から照射される第1測定光L1を第1送受光器31に向けて反射可能である。第2反射器34は第2送受光器33の測定光照射部に対向して設置され、第2送受光器33から照射される第2測定光L2を第2送受光器33に向けて反射可能である。以下、第1送受光器31及び第2送受光器33を併せて「送受光器31、33」、第1反射器32及び第2反射器34を併せて「反射器32、34」、第1測定光L1及び第2測定光L2を併せて「測定光L1、L2」と称する場合がある。
【0059】
第1送受光器31及び第2送受光器33は、例えば図1に示すように車道RWの幅方向片側(図1では左側)に設置されており、第1反射器32及び第2反射器34は車道RWの幅方向他側(図1では右側)に設置されている。より具体的には、図1において、第1送受光器31及び第2送受光器33は車道RW脇の歩道SWに面した路肩に設置され、第1反射器32及び第2反射器34はセンターラインCL上に設置されている。歩道SWは、車道RWとの境界として縁石による分離帯SEを有しており、第1送受光器31及び第2送受光器33は分離帯SEより車道RW側に設置されている。なお、分離帯SEは縁石の他、柵、ガードレール、ポール、樹木が設けられていてもよい。
【0060】
また、第1送受光器31及び第1反射器32と第2送受光器33及び第2反射器34は、それぞれ測定光L1、L2が車両50の進路を横切るように、つまりは測定光L1、L2が車道RWの幅方向に照射されるように設置されている。道路を横切る幅方向としては、例えば車道RWを垂直に横断する方向、例えばセンターラインCLと直行する方向とされている。第1送受光器31及び第2送受光器33は路面に平行且つ所定の高さで測定光L1、L2が車両50の進路上を横切るように設置されている。この所定の高さは車両50の車体下面より低い高さであり、例えば9cm未満である。出射した光が例えば車両50のタイヤに当たるように高さや出射方向等の調整が行われている。第1送受光器31及び第2送受光器33は車両50の車輪(例えば前輪)が測定光L1、L2を遮ることで、車両50の通過を検知可能である。
【0061】
第1送受光器31は速度計測におけるタイマスタート用の送受光器であり、第1送受光器31及び第1反射器32は第2送受光器33及び第2反射器34より車両50の進路上において手前側(車道RWの進行方向に対して後側(進行方向に対して上流側))に設置されている。第2送受光器33は速度計測におけるタイマストップ用の送受光器であり、第2送受光器33及び第2反射器34は第1送受光器31及び第1反射器32より車両50の進路上において奥側(車道RWの進行方向に対して前側)に設置されている。このように第1送受光器31及び第1反射器32と、第2送受光器33及び第2反射器34は、車両50の進路上(車道RWの進行方向)において第2測定光L2と第1測定光L1が前後に平行に且つ一定の間隔Dを有するように設置されている。この一定の間隔Dは車両50の速度計測上設定される値であり、例えば3mである。
【0062】
計測制御部35は、第1送受光器31及び第2送受光器33と例えばケーブルを介して接続され、第1送受光器31及び第2送受光器33からの情報を受信可能である。なお、計測制御部35は無線通信で第1送受光器31及び第2送受光器33と接続されてもよい。計測制御部35は、第1送受光器31により車両50の通過(厳密には前輪の通過)が検知されると内蔵されているタイマをスタートし、続いて第2送受光器33により車両50の通過(厳密には前輪の通過)が検知されるとタイマをストップさせる。計測制御部35は、このタイマの値、即ち車両50の前輪が第1測定光L1を通過してから第2測定光L2を通過するまでの時間と間隔Dとの関係から車両50の速度を計測する機能を有する。また計測制御部35は、例えば図示しない表示部に計測結果として車両50の速度を表示したり、計測結果が所定の速度を超えている場合に警報を行ったりする機能を有してもよい。
【0063】
また、速度計測機30の周辺には、当該速度計測機30の第1送受光器31、第2送受光器33に関連する要素である関連要素が設置されている。関連要素は、光電管式の速度計測機を用いた取締が行われる取締地点の目印となる要素ということができ、当該取締地点又はその周辺に存在する又は存在する可能性のある物、人その他の要素をいうとよい。なお、第1送受光器31自体、第2送受光器33自体や、第1反射器32、第2反射器34、計測制御部35も関連要素の一つである。例えば図1では、本実施形態における関連要素として、第1ロードコーン41、第2ロードコーン42、監視員43が図示されている。
【0064】
第1ロードコーン41はパイロンとも称されるものであり、矩形板状の底部41aから中空円錐状のコーン部41bが立設した形状をなしている。コーン部41bの表面には光を反射する帯状の反射材41cが付されている。第1ロードコーン41は、例えば全体としてオレンジ色、赤色、黄色等の暖色系をなし、反射材41cは白色をなしている。第2ロードコーン42も同様の構成である。以下、第1ロードコーン41と第2ロードコーン42を併せて「ロードコーン41、42」とも称する場合がある。
【0065】
また、第1ロードコーン41は、車道RWの幅方向左側であって歩道SWに面して設置され、第1送受光器31に対し車両50の進路方向において手前側に設置されている。第2ロードコーン42は車道RWの幅方向左側であって歩道SWに面して設置され、第2送受光器33に対して車両50の進路方向において奥側に設置されている。このように、第1ロードコーン41と第2ロードコーン42は車両50の進路方向において、間に第1送受光器31及び第2送受光器33が配置されるように間隔D以上の間隔で配置されている。
【0066】
監視員43は例えば警察官であり、紺色、黒色等の寒色系の制服や帽子等の所定の種類の服装を着用している。なお、監視員43は、所定の種類の服装として、反射ベストを着用していたり、帽子に代えてヘルメットをかぶっていたりしてもよい。また監視員43は、車道を走行する車両50を監視すべく、パイプ椅子43a等の椅子に着座しつつ、歩道側から車道側に向いている。着座している監視員43は、歩道上にて高さ1m~1.2mの範囲に頭部が位置していることが多い。
【0067】
また、図2に示すように第1送受光器31、第2送受光器33に関連する関連要素としては、例えば速度計測機30付近に監視員43の使用する車両が停車している。監視員43の使用する車両は、例えば、速度計測機30よりも車両の進路上において奥側に停車している。監視員43の使用する車両と速度計測機30との距離は、例えば、撮像部13でこれらを同時に撮像できる距離、又は当該車両を撮像してから所定時間内に第1送受光器31、第2送受光器33を撮像できる距離である。当該車両は箱型ボディのいわゆるワンボックスカー44であることが多い。
【0068】
また、第1送受光器31、第2送受光器33に関連する関連要素として、車両50が走行する車道RWと交差する高架橋45a、45bがある。図2では、車両50の進路上の前方側の高架橋45aと後方側の高架橋45bがあり、いずれも速度計測機30から所定の距離(例えば200m)の範囲内に位置している。高架橋45a、45b上には、速度計測機30側に指向した取締用カメラ46a、46bが設置されており、取締用カメラ46a、46bの周りには仕切り用の柵47a、47bが設置されている。取締用カメラ46a、46bは、例えば速度計測機30の計測制御部35と通信可能であり、速度計測機30を通過した速度違反の車両を撮影可能である。また車両50の前方側の高架橋45aに他車両60が通行している。当該他車両60は、車両50との車車間通信やインターネットを介して外部に情報を送信可能である。
【0069】
図3は、電子機器10の電気的な構成を示すブロック図である。制御部11は、電子機器10の各部を制御する。制御部11は、例えば、演算処理回路、およびメモリを含むコンピュータである。演算処理回路は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はその他の演算処理回路を含む。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)又はその他の揮発性のメモリを含む。演算処理回路は、メモリにデータを一時的に読み出して演算処理を行うことにより、各種の制御を行う。
【0070】
表示部12は、画像を表示する。表示部12は、例えば3.2インチのカラーTFT液晶ディスプレイである。表示部12は、有機ELディスプレイ又はその他の方式の表示装置でもよい。
【0071】
撮像部13は、車両50の前方を撮像する。撮像部13は、本実施形態では電子機器10に搭載されているが、例えばドライブレコーダやスマートフォン等の他の撮像機能を有する装置と無線又は有線で接続され当該他の撮像機能を用いてもよい。撮像部13は、測定光L1、L2の波長域を含む赤外域の光を撮像可能であってもよい。撮像画像は静止画像でも動画像であってもよい。撮像画像の解析のアルゴリズムは問わないが、例えば、深層学習を用いた方法、機械学習を用いた方法(パターンマッチング法等)の方法がある。制御部11は、撮像部13から取得した画像を解析して、上述した第1送受光器31、第2送受光器33に関連する関連要素を示す所定の画像部分を認識する処理を行う。関連要素を示す所定の画像部分は、例えば関連要素の外観の形状、色、配置に基づき認識されるとよい。
【0072】
スピーカ14は、音声を出力する。GPS(Global Posisioning System)受信部15は、アンテナおよび受信回路を含み、GPS衛星からの信号を受信する。GPS受信部15は、受信した信号を処理して位置情報を出力する。位置情報は、例えば緯度情報および経度情報を含み、さらに高度情報を含んでもよい。位置情報は、電子機器10の現在位置を示す位置情報であるが、電子機器10の現在位置を示す位置情報とみなすようにするとよい。
【0073】
通信部16は、外部装置と通信する。通信部16は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)又はその他の方式の無線通信を行う。通信部16は、例えば他車両60からの情報を取得するいわゆる車車間通信や、インフラ設備(路側機)からの情報を取得するいわゆる路車間通信が可能である。また、通信部16は、インターネット上のSNS情報を取得することが可能である。SNS情報は、例えばTwitter(登録商標)に例示されるSNSに投稿された情報で、文字の情報を含むとよい。文字の情報は、電子機器10のユーザ又は第三者が作成した文や、ハッシュタグと呼ばれるラベル等とするとよい。
【0074】
記憶部17は、データを記憶する。記憶部17は、例えば、制御部11が各種の制御を行うためのプログラムを記憶する。制御部11は、記憶部17からメモリにプログラムを読み出してこれを実行する。また、記憶部17は、地図を示す地図データ、各種施設の種類やその所在地を示すデータ、警報対象物への接近を報知するためのデータ、ルート案内機能を実現するためのデータなどを記憶する。警報対象物は、例えば、居眠り運転事故地点、速度計測機(光電管式の他、レーダー方式、ループコイル式、Hシステム、LHシステム、移動式等)、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等がある。記憶部17は、これらの警報対象物の種別情報と、その位置を示す位置情報と、表示部12に表示する画像(例えば、模式図又は写真)のデータと、音声データとを対応付けて記憶する。
【0075】
記憶部17は、関連要素の画像認識のための情報及びプログラムを蓄積したデータベース17a(図3では「DB」と表記)を有する。データベース17aに蓄積される関連要素の画像認識のための情報は、電子機器10の製品出荷段階で既に蓄積されているもののほか、後述するように、所定の事業者のサーバ装置により配信された情報が蓄積されてもよい。
【0076】
なお、記憶部17は、データを永続的に記憶する記憶媒体を含んでもよい。記憶部17は、例えば、光学式記録媒体、磁気記録媒体、および半導体記録媒体、又はその他の記録媒体を含んでもよい。記憶部17に記憶されるデータは、適宜、クラウドコンピューティングその他の外部記憶手段に記憶されてよい。
【0077】
操作部18は、ユーザの操作を受け付ける。操作部18は、例えば、タッチセンサ、音量調整ボタン、および作業用ボタンを含む。タッチセンサは、表示部12の表面に設けられ、ユーザによりタッチされた位置を検出する。音量操作ボタンは、スピーカ14から出力される音声の音量を調整するために操作される。作業用ボタンは、各種の作業を行うためのボタンである。
【0078】
センサ部19は、各種のセンサを含む。センサ部19は、例えば、地磁気センサ、加速度センサ、および照度センサを備える。地磁気センサは、地磁気を検出して北方向が進行方向に対してどの方向にあるかを検出するセンサである。加速度センサは、車両50の前後、左右、上下の加速度を検出するセンサである。照度センサは、車室内の明るさを示す照度を検出するセンサである。
【0079】
装着部20は、外部記憶媒体が装着される装着部である、外部記憶媒体は、例えば、メモリカードである。この場合、装着部20は、メモリカードスロットである。記憶部17に記憶されるデータは、外部記憶媒体を介して取り込まれてもよい。このデータとして、新規な警報対象(ターゲット)の情報(経度・緯度等の位置情報、種別情報等)の更新情報がある。
【0080】
電源部21は、電源から供給された電力を、電子機器10内の各部に供給する。電源部21は、例えば、電源スイッチおよびDCジャックを含む。DCジャックは、シガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続されて電源供給を受ける。電源スイッチは、電子機器10の電源をオン又はオフするためのスイッチである。
【0081】
発光部22は、種々の色で発光する。発光部22は、例えば発光ダイオードを含む。
【0082】
ケーブル端子部23は、外部の接続ケーブルが接続される端子である。例えば、接続ケーブルは、電子機器10は、車両50に実装されているOBD-IIコネクタに接続するケーブルである。OBD-IIコネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両50のECUに接続され、各種の車両情報が出力される。
【0083】
レーザー光受信部24は、レーザー方式に対応した速度計測機から、測定波としてのレーザー光を受信する。このレーザー光は、所定のパルス幅及びパルス間隔を有するパルスレーザーである。レーザー光の波長は、例えば905nmである。レーザー光受信部24は、例えば、可視光カットフィルタ、可視光カットフィルタを通過した光を集光するレンズ、レンズにより集光された光を受光する受光素子(例えば、フォトダイオード)及び受光素子からの信号を処理する回路を有する。
【0084】
レーダー波受信部25は、レーダー方式に対応した速度計測機から、測定波としてのレーダー波を受信する。レーダー波としては、所定のマイクロ波、所定のステルス取締器が計測する瞬間だけ電波を発射するステルス波、通常レーダー波、Kバンド及びXバンドに対応する新型レーダー波、及びキャンセル告知がある。レーダー波受信部25は、例えばアンテナ及び受信回路を有する。
【0085】
無線受信部26は、所定の周波数の無線信号を受信する。無線信号として、例えば、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、所轄系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警察無線等の周波数に属する無線信号がある。無線受信部26は、例えばアンテナ及び受信回路を有する。
【0086】
本実施形態の制御部11は、車両50の走行中に所定の警報を発する警報制御を行う。例えば、制御部11は、車両50が速度計測機に接近したことを警報する警報制御を行う。本実施形態の制御部11は、第1送受光器31及び第2送受光器33の一方又は両方への接近、即ち第1送受光器31及び第2送受光器33を用いた光電管式の速度計測機30への接近を警報する警報制御を行う機能を有する。なお、第1送受光器31及び第2送受光器33へ接近していることの警報は、適宜、第1送受光器31及び第2送受光器33が存在することの警報と読み替えられてもよく、光電管式の速度計測機30へ接近していることの警報は、適宜、速度計測機30が存在することの警報と読み替えられてもよい。
【0087】
制御部11は、第1送受光器31又は第2送受光器33の関連要素を認識して警報制御を行う。この警報制御を行うための関連要素は複数であってもよい。また、認識した関連要素の種類に応じて異なる警報制御を行ってもよい。警報制御を行う関連要素の具体的な条件については後述する。また、制御部11は、レーザー光受信部24により測定波としてのレーザー光を受信した場合、又はレーダー波受信部25により測定波としてのレーダー波を受信した場合に、警報する警報制御を行う。制御部11は、無線受信部26により無線信号を受信した場合に、警報する警報制御を行う。警報制御は、速度計測機の種類や、無線信号の周波数によって警報の内容が異なるようにするとよい。警報制御は、表示、光、音又はこれらの組み合わせ、その他人間が知覚可能な方法により警報する制御とするとよい。
【0088】
電子機器10は、上記以外にも、周知のレーザー探知機やレーダー探知機が備える機能を有するとよい。例えば、速度計測機として、固定式、移動式等と呼ばれるもの等、多数存在する。移動式は、例えば、可搬式および車両に搭載される方式がある。電子機器10は、このような光電管式以外の速度計測機からのレーザー光を受光し、警報を発する機能を有してもよい。
【0089】
<動作>
本実施形態の動作を説明する。図4は、第1実施形態の電子機器10の制御部11の動作を示すフローチャートである。制御部11は、電子機器10の動作を開始すると、以下で説明する処理を実行する。電子機器10の動作の開始の契機は特に問わないが、例えば、電子機器10の電源がオンされたこと、又はナビゲーション機能におけるルート案内機能の実行が開始されたこと等を契機とするとよい。
【0090】
制御部11は、まずステップS1において、撮像部13により車両前方を撮像した撮像画像を取得する。
【0091】
次に、制御部11は、ステップS2において、取得した撮像画像を解析し、第1送受光器31又は第2送受光器33の関連要素の1つの種類としてのロードコーンを認識したか否かを判定する。当該関連要素としてのロードコーンの認識の判定は、撮像画像内にて所定の条件を満たすロードコーンに相当する画像部分があるか否かにより行う。
【0092】
制御部11は、例えば図1であれば、撮像画像に映る車道RW上に設置された第1ロードコーン41及び第2ロードコーン42の両方を関連要素として認識する。具体的には、本実施形態では、下記のようなロードコーンに関する所定の条件を満たすロードコーンを関連要素として認識するとよい。
【0093】
制御部11は、ロードコーンに関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映る車道RW上の路肩寄りに設置された第1ロードコーン41及び第2ロードコーン42を関連要素として認識するとよい。
【0094】
制御部11は、ロードコーンに関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映る車道RWと歩道SWとの間の分離帯SEの車道RW側に設置された第1ロードコーン41及び第2ロードコーン42を関連要素として認識するとよい。
【0095】
制御部11は、ロードコーンに関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映る暖色系の第1ロードコーン41及び第2ロードコーン42を関連要素として認識するとよい。
【0096】
制御部11は、ロードコーンに関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映る反射材41cを備えた第1ロードコーン41及び第2ロードコーン42を関連要素として認識するとよい。
【0097】
制御部11は、例えば撮像画像に映る車両50の進路上において前後に配置された第1ロードコーン41及び第2ロードコーン42を関連要素として認識するとよい。特に本実施形態の制御部11は、ロードコーンに関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映る車両50の進路上において間隔3m以上で前後に配置された第1ロードコーン41及び第2ロードコーン42を関連要素として認識するとよい。
【0098】
制御部11は、ロードコーンに関する所定の条件の1つとして、図示しないが、例えば撮像画像に映る非常駐車帯に設置されたロードコーンを関連要素として認識するとよい。
【0099】
本実施形態の制御部11は、上述した複数のロードコーンに関する所定の条件のうちの例えば3つ以上満たしたとき、ステップS2の判定結果を「Yes」と判定する。なお、ステップS2の判定結果を「Yes」と判定する所定の条件を満たした数は3つに限られず任意に設定可能であり、1つとしてもよいが、複数とするとよい。また、上記のロードコーンに関する所定の条件の少なくとも一部を使用しなくてもよい。
【0100】
また、ロードコーンの認識において上述した各所定の条件では第1ロードコーン41及び第2ロードコーン42の両方を認識することとしているが、例えば各所定の条件を満たす第1ロードコーン41及び第2ロードコーン42のいずか一方のみを関連要素として認識してもよい。
【0101】
制御部11は、ステップS2で「Yes」と判定した場合、つまり撮像画像から上述のような所定の条件を満たすロードコーンを認識した場合は、ステップS6に処理を進める。一方、ステップS2で「No」と判定した場合、ステップS3に処理を進める。
【0102】
制御部11は、ステップS3において、取得した撮像画像を解析し、第1送受光器31又は第2送受光器33の関連要素の1つの種類としての監視員43を認識したか否かを判定する。当該関連要素としての監視員43の認識の判定は、撮像画像内にて所定の条件を満たす監視員43に相当する画像部分があるか否かにより行う。
【0103】
具体的には、本実施形態では、下記のような監視員に関する所定の条件を満たす人を関連要素として認識するとよい。
【0104】
制御部11は、監視員に関する所定の条件の1つとして、例えば図1であれば、撮像画像に映る歩道SW側から車道RW側に向いている人(監視員43)を関連要素として認識するとよい。
【0105】
制御部11は、監視員に関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映る歩道SW側から紺色、黒色等の寒色系の制服や帽子、反射ベスト、ヘルメット等の所定の種類の服装を着用した人(監視員43)を関連要素として認識するとよい。
【0106】
制御部11は、監視員に関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映るロードコーン(第1ロードコーン41、第2ロードコーン42)付近にて留まっている人(監視員43)を関連要素として認識するとよい。
【0107】
制御部11は、監視員に関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映る歩道SW上にて高さ1m~1.2mの範囲に所定時間動かない人(監視員43)の頭部を関連要素として認識するとよい。
【0108】
本実施形態の制御部11は、上述した複数の監視員に関する所定の条件のうちの例えば3つ以上満たしたとき、ステップS3の判定結果を「Yes」と判定する。なお、ステップS3の判定結果を「Yes」と判定する所定の条件を満たした数は3つに限られず任意に設定可能であり、1つとしてもよいが、複数とするとよい。また、上記の監視員に関する所定の条件の少なくとも一部を使用しなくてもよい。
【0109】
制御部11は、ステップS3で「Yes」と判定した場合、つまり撮像画像から上述のような所定の条件を満たす監視員43を認識した場合は、ステップS6に処理を進める。一方、ステップS3で「No」と判定した場合、ステップS4に処理を進める。
【0110】
制御部11は、ステップS4において、取得した撮像画像を解析し、第1送受光器31又は第2送受光器33の関連要素の1つの種類としての測定光L1、L2を認識したか否かを判定する。当該関連要素としての測定光L1、L2の認識の判定は、撮像画像内にて所定の条件を満たす測定光L1、L2に相当する画像部分があるか否かにより行う。
【0111】
制御部11は、例えば図1であれば、撮像画像に映る車両50の進路を横切る第1測定光L1及び第2測定光L2の両方を関連要素として認識する。具体的には、本実施形態では、下記のような測定光に関する所定の条件を満たす測定光を関連要素として認識するとよい。
【0112】
制御部11は、測定光に関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映る車両50の進路上において間隔3mで前後一対の進路上を横切る第1測定光L1及び第2測定光L2を関連要素として認識するとよい。
【0113】
制御部11は、測定光に関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映る車両50の進路上において波長が同一で前後一対の進路上を横切る第1測定光L1及び第2測定光L2を関連要素として認識するとよい。
【0114】
制御部11は、測定光に関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映る車両50の進路上において前後一対で進路上を横切る平行な第1測定光L1及び第2測定光L2を関連要素として認識するとよい。
【0115】
制御部11は、測定光に関する所定の条件の1つとして、例えば撮像画像に映る路面から9cm未満で前記車両50の進路上を横切る第1測定光L1及び第2測定光L2を関連要素として認識するとよい。
【0116】
本実施形態の制御部11は、上述した複数の測定光に関する所定の条件のうちの例えば3つ以上満たしたとき、ステップS4の判定結果を「Yes」と判定する。なお、ステップS2の判定結果を「Yes」と判定する所定の条件を満たした数は3つに限られず任意に設定可能であり、1つとしてもよいが、複数とするとよい。また、上記の測定光に関する所定の条件の少なくとも一部を使用しなくてもよい。
【0117】
また、測定光L1、L2の認識において上述した各所定の条件では第1測定光L1及び第2測定光L2の両方を認識することとしているが、例えば各所定の条件を満たす第1測定光L1及び第2測定光L2のいずか一方のみを関連要素として認識してもよい。
【0118】
制御部11は、ステップS4で「Yes」と判定した場合、つまり撮像画像から上述のような所定の条件を満たす測定光を認識した場合は、ステップS6に処理を進める。一方、ステップS4で「No」と判定した場合、ステップS5に処理を進める。
【0119】
制御部11は、ステップS5において、取得した撮像画像を解析し、上記ステップS2からS4以外の第1送受光器31又は第2送受光器33の関連要素(その他の関連要素)を認識したか否かを判定する。具体的には、本実施形態では、下記のようなその他の関連要素に関する所定の条件を満たすものを関連要素として認識する。
【0120】
制御部11は、その他の関連要素に関する所定の条件の1つとして、例えば図1であれば、撮像画像に映る車両50が走行する車道RWの右側に配置された第1反射器32及び第2反射器34を関連要素として認識する。第1反射器32及び第2反射器34の認識は、車道RWの右側の配置だけでなく、車両50の進路方向における間隔3mであることを認識の条件としてもよい。
【0121】
制御部11は、その他の関連要素に関する所定の条件の1つとして、例えば図2に示したように、撮像画像に映る路肩に停車したワンボックスカー44を関連要素として認識する。ワンボックスカー44の認識は外観形状だけでなく、色(例えば白色)を認識の条件としてもよい。
【0122】
制御部11は、その他の関連要素に関する所定の条件の1つとして、撮像画像に映るパイプ椅子43aを関連要素として認識する。パイプ椅子43aには監視員43が着座していることを条件としてもよい。
【0123】
本実施形態の制御部11は、上述した複数のその他の関連要素に関する所定の条件のうちの所定数以上、例えば2つ以上満たしたとき、ステップS5の判定結果を「Yes」と判定する。なお、ステップS5の判定結果を「Yes」と判定する所定の条件を満たす所定数は2つに限られず任意に設定可能であり、1つとしてもよいが、複数とするとよい。
【0124】
また、その他の関連要素の認識において上述した各所定の条件では第1反射器32及び又は第2反射器34の両方を認識することとしているが、例えば所定の条件を満たす第1反射器32及び又は第2反射器34のいずか一方のみを関連要素として認識してもよい。
【0125】
制御部11は、ステップS5で「Yes」と判定した場合、つまり撮像画像から上述のような所定の条件を満たす他の関連要素を認識した場合は、ステップS6に処理を進める。一方、ステップS5で「No」と判定した場合、ステップS7に処理を進める。
【0126】
制御部11は、ステップS6において、速度計測機30への接近を警報する制御を行い、つまり警報制御をONにして、ステップS1の処理に戻る。当該警報制御は、速度計測機30への接近をユーザが認識できる方法により行われればよく、例えば、音声の出力、警報画面の表示部12への表示、および発光部22の発光制御の少なくともいずれかが用いられる。なお、本実施形態において、警報は、速度取締地点又は光電管式の速度計測機30の設置地点への接近をユーザに報知することである。また、制御部11は、警報とともに、電子機器10の撮像部13又はドライブレコーダ等により、撮像画像を記憶部17に記憶させてもよい。例えば、制御部11は、速度計測機30に接近したと判定した時点の前及び後の少なくとも一方を含む期間の撮像画像を記録させるとよい。
【0127】
図5は、警報画面の一例を示す図である。図5に示す警報画面は、マップ画面M1に、ウィンドウW1を重ねて配置した画面である。制御部11は、地図Mに重ねてウィンドウW1を表示することにより警報を発する。地図Mは、地図データとGPS受信部15からの位置情報とに基づいて特定される。地図M上には、車両50の位置(自車位置)を示すアイコンIが配置されている。自車位置は、GPS受信部15からの位置情報に基づいて特定される。なお、本実施形態のアイコンは、文字、記号、図形、その他のオブジェクトに代えられてもよい。
【0128】
図5(A)に示す例では、ウィンドウW1には、「速度取締地点です」という、速度計測機30への接近を示すメッセージが表示されている。また、制御部11は、「速度取締地点です」という音声を、スピーカ14から出力するとよい。制御部11は、受信したレーザー光の信号の特徴やその他の方法により、速度計測機の種別(例えば、光電管式、半固定式、固定式、移動式)が判定できる場合は、速度計測機の種別の報知を含む警報を発する制御を行うとよい。制御部11は、光電管式の速度計測機30と特定できた場合、例えば図6(B)に示すように、「光電管式の速度取締地点です」というメッセージにより報知してもよい。
【0129】
また、認識した関連要素の種類に応じて異なる警報制御を行ってもよい。例えば認識した関連要素がロードコーン関係であった場合、監視員関係であった場合、測定光関係であった場合、その他の関連要素であった場合で、異なる警報制御を行ってもよい。
【0130】
また、速度計測機30への接近を示すメッセージとともに、速度計測機30への接近の確度を報知してもよい。速度計測機30への接近の確度は、例えば認識された関連要素の種類や認識された関連要素の重要度、関連要素の数、等に応じて、パーセントで示したり、段階分けしたレベル(数値や大中小、等)で示したりする。
【0131】
一方、制御部11は、ステップS7においては、警報を行わないようにして、ステップS1の処理に戻る。ステップS7の処理は、警報制御の実行中の場合に、その警報制御を停止させる(つまりOFFする)処理である。つまり、ステップS6では、ステップS2からS3が全て「No」であり、第1送受光器31及び第2送受光器33の関連要素を認識できていない。従って、ステップS6では、この時点で警報制御を行っていない場合はそのままの状態を維持し、ステップS5で警報制御を開始している場合は、当該警報制御を終了する。
【0132】
図4の処理の終了の契機は特に問わないが、例えば、操作部18の操作により電子機器10の電源がオフされたこと、又はルート案内機能が停止されたことを契機とするとよい。
【0133】
このように本実施形態の電子機器10の制御部11は、撮像部13等でロードコーン41、42を認識して速度取締に関する警報を行う。小型であって路上に設置される送受光器31、33は、車両や歩行者との接触を避けるため、送受光器31、33の周囲にロードコーン41、42が設置される場合が多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から当該ロードコーン41、42を送受光器31、33の関連要素として認識することで、設置位置が固定されず、且つ車両50に対してレーダー波やレーザー光を照射して速度を計測するものではない送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近を間接的に検出することができる。
【0134】
本実施形態のように、ロードコーン41、42の設置位置が、歩行者が通行しない領域(例えば車道RW)であるときに速度取締に関する警報を行うとよい。ロードコーン41、42の設置位置が、歩行者が通行する領域(例えば歩道SW)であるときには速度取締に関する警報を抑制する(例えば行わない)ようにするとよい。
【0135】
本実施形態のように、ロードコーン41、42の設置位置が(左側の)路肩に寄っているとき、速度取締に関する警報をするようにするとよい。ロードコーン41、42の設置位置が(左側の)路肩に寄っていないとき、速度取締に関する警報を抑制する(例えば行わない)ようにするとよい。送受光器31、33の周囲に配置されるロードコーン41、42は車道RW上の路肩寄りに配置されることが多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から車道RW上の路肩寄りに設置されたロードコーン41、42を送受光器31、33の関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0136】
本実施形態のように、歩道SWと車道RWを分離するための分離帯S(柵や縁石等)が存在し、その分離帯Sの車道RW側にロードコーン41、42が検出されたときに速度取締に関する警報を抑制する(例えば行わない)ようにするとよい。歩道SWと車道RWを分離するための分離帯S(柵や縁石等)が存在し、その分離帯Sの歩道SW側にロードコーン41、42が検出されたときに速度取締に関する警報を抑制する(例えば行わない)ようにするとよい。送受光器31、33の周囲に配置されるロードコーン41、42は車道RWと歩道SWとの間の分離帯Sの車道RW側に配置されることが多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から車道RWと歩道SWとの間の分離帯Sの車道RW側に設置されたロードコーン41、42を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0137】
本実施形態のように、ロードコーン41、42が、暖色系である場合には速度取締に関する警報をするようにするとよい。ロードコーン41、42が、暖色系でない場合には速度取締に関する警報を抑制する(例えば行わない)ようにするとよい。送受光器31、33の周囲に配置されるロードコーン41、42は赤色、オレンジ色、黄色等の暖色系である場合が多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から暖色系のロードコーン41、42を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0138】
本実施形態のように、ロードコーン41、42に反射材41cを備える場合には速度取締に関する警報をするようにするとよい。ロードコーン41、42に反射材41cを備えない場合には速度取締に関する警報を抑制する(例えば行わない)ようにするとよい。送受光器31、33の周囲に配置されるロードコーン41、42は反射材41cを備えている場合が多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から反射材41cを備えたロードコーン41、42を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0139】
本実施形態のように、ロードコーン41、42は上記の位置に1つ以上認識されたとき警報をするようにしてもよいが、特に2つ認識された場合に警報を行うとよい。2つの間隔は概ね3mであるときに警報を行ったり強い警報を行うようにするとよい。2つの間隔が所定距離(例えば10m、望ましくは10m)を超える距離に相当する場合には警報を行わないようにするとよい。多数のロードコーン41、42が配列されている場合には路肩工事の可能性が高いので、速度取締警報(速度計測機への接近についての警報)をしないようにするとよい。速度計測機30としての送受光器31、33は通常タイマスタート用とタイマストップ用で前後一対配置され、送受光器31、33周囲に配置されるロードコーン41、42もそれに合わせて車道RW上に前後一対配置される場合が多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から車両50の進路上において前後に配置された41、42を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。速度計測機30としての送受光器31、33は速度計測のためタイマスタート用とタイマストップ用との間隔が定まっており、その間隔は3mである場合が多い。そのため送受光器31、33周囲に配置されるロードコーン41、42もそれに合わせて間隔3m以上で前後一対配置される場合が多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から車両50の進路上において間隔3m以上で前後に配置されたロードコーン41、42を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0140】
例えば首都高速では非常駐車帯を使って取締りがおこなわれることも多くある。本実施形態のように、非常駐車帯にロードコーン41、42がある場合には、取締警報(速度計測機への接近についての警報)を行う方向の処理を行うとよい。警報を行う方向の処理とは、その他の警報を行う方向の条件がある場合にその条件を満たしたときには警報を行うこと、一方、警報を行わない条件がある場合にはその条件を満たしたときには警報を行わない。また警報を行う方向の処理としては、警報に段階がある場合には、その警報の段階(レベル)を上げること、すでに警報行っている場合により強く警報を行うこと、等も含まれる。速度計測機30としての送受光器31、33は十分な設置スペースの取れる非常駐車帯に設置される場合があり、送受光器31、33周囲に配置されるロードコーン41、42もそれに合わせて非常駐車帯に配置される場合がある。そこで車両50の前方を撮像した画像から非常駐車帯に設置されたロードコーン41、42を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0141】
ロードコーン41、42等の物体をカメラで検知し、例えばロードコーン41、42が等間隔で2個設置されている場合は光電管の可能性がある、
【0142】
または、歩道に椅子を置いて座っている人を検知した場合、光電管やその他取締の可能性がある。
【0143】
また本実施形態の電子機器10の制御部11は、速度計測機30を用いる監視員43を認識して速度取締に関する警報を行う。
【0144】
歩道SWから車道RWを向いている監視員43がいれば、取締警報を行う方向の処理を行うとよい。速度計測機30に用いられる送受光器31、33は、周囲に速度計測機30を管理する監視員43がいる場合が多い。通常の歩行者は歩道に沿って歩行することから歩道に沿った方向を向いているが、監視員43は車道RWに設けられた速度計測機30や通行車両50を監視するため、歩道SW側から車道RW側を向いている場合が多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から歩道SW側から車道RW側に向いている人(監視員43)を送受光器31、33の関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0145】
また、紺色、黒色等の寒色系の制服や帽子、反射ベスト、ヘルメット等の所定の種類の服装を着用した監視員43がいれば、取締警報を行う方向の処理を行うとよい。送受光器31、33の周囲にいる監視員43は、主に警察官であり、制服等の所定の種類の服装を着用している場合が多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から所定の種類の服装を着用した人(監視員43)を送受光器31、33の関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0146】
ロードコーン41、42付近に留まっている監視員43がいれば、取締警報を行う方向の処理を行うとよい。送受光器31、33の周囲にいる監視員43は、送受光器31、33を用いた速度計測機30を監視するために、その場に留まっていることが多い。送受光器31、33の周囲にはロードコーン41、42が設置され、監視員43もその付近に留まっている。そこで車両50の前方を撮像した画像からロードコーン41、42付近にて留まっている人(監視員43)を送受光器31、33の関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0147】
歩道SW上にて高さ1m~1.2mの範囲に所定時間動かない監視員43の頭部があれば、取締警報を行う方向の処理を行うとよい。送受光器31、33の周囲にいる監視員43は、パイプ椅子43a等に着座して速度計測機30を監視する場合が多い。そうすると歩道上にて高さ1m~1.2mの範囲に監視員43の頭部は位置し、監視中頭部はその位置から動かない場合が多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から歩道上にて高さ1m~1.2mの範囲に所定時間動かない人の頭部を送受光器31、33の関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0148】
また本実施形態の電子機器10の制御部11は、光電管式の速度計測機30が発する測定光L1、L2を認識して速度取締に関する警報を行う。
【0149】
測定光L1、L2が車道RWを横切る形で検出された場合には、取締警報を行う方向の処理を行うとよい。いわゆる光電管式の速度計測機30では、送受光器31、33から照射される測定光L1、L2は車両50の進路上を横切る方向に照射され、当該測定光L1、L2は通常肉眼では視認できないが、スマートフォン等でも使用されているカメラ等の撮像部は赤外域等の肉眼よりも広域の波長の光を撮像可能である。そこで車両50の前方を撮像した画像から車両50の進路を横切る測定光L1、L2を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。例えば、車両50に、望遠の赤外線カメラを、進行方向前方を向けて設置し、赤外線カメラによって撮像された映像の中に道路を左右に横切る光に相当する像を検出した場合に、「前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路を横切る測定光」であると認識するとよい。特に、道路内の第一の所定の範囲内を横切るが、道路内の第一の所定の範囲外である第二の所定の範囲は横切っていない光を検出した場合に、「前記車両の前方を撮像した画像に映る前記車両の進路を横切る測定光」であると認識するとよい。第一の所定の範囲としては、例えば、車道RWに相当する箇所とするとよく、第二の所定の範囲としては歩道に相当する範囲とするとよい。このようにすれば、車両50の速度を測定するために道路を横切る光をより確実に認識でき、誤報を低減できる。特に、第一の所定の範囲としては、車道RWであって自車両50と同じ進行方向の車線の範囲とするとよい。例えば片側1車線の対面通行の道路である場合には、現在自車の進路となっている方の車線の範囲とするとよい。例えば片側2車線、両側で4車線の道路であれば、現在自車の進路となっている方の2車線の範囲とするとよい。第一の所定範囲と第二の所定範囲との間には所定の空間を設けるとよい。このようにすればより誤報を軽減できる。
【0150】
2本の測定光L1、L2が所定の間隔(特に3m程度の間隔)で車道RWを横切る形で検出された場合には、特に取締警報を行う方向の処理を行うとよい。所定以上の間隔があるときには、取締警報を抑制する方向の処理を行うとよい。速度計測機30としての送受光器31、33は速度計測のためタイマスタート用とタイマストップ用との間隔が定まっており、その間隔は3mである場合が多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から車両50の進路上において間隔3mで前後一対の進路上を横切る測定光L1、L2を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0151】
本実施形態のように、2本の測定光L1、L2の波長が同一であること、波長は赤外領域であること、測定光L1、L2の検知を行うための、測定光L1、L2の波長を受光する撮像部13を備えるとよい。撮像部13は、本実施形態のように赤外領域に感度を有するカメラであるとよい。速度計測機30としてのタイマスタート用とタイマストップ用の送受光器31、33はそれぞれ同一波長の測定光L1、L2を用いる場合が多い。そこで車両50の前方を撮像した画像から車両50の進路上において波長が同一で前後一対の進路上を横切る測定光L1、L2を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0152】
上記ロードコーン41、42の認識と組み合わせると特によい。ロードコーン41、42の認識及び/または測定光L1、L2の認識をトリガーとして、映像(撮像画像)を記録するとよい。
【0153】
本実施形態のように、2本の測定光L1、L2が予め規定された間隔(概ね3m間隔とするとよい。)であるかを検出する機能を備えるとよい。予め規定された間隔(概ね3m間隔とするとよい。)でない場合には、誤測定の可能性がありうる旨を示す報知を行うとよい。特に予め規定された間隔よりも狭い場合に誤測定の可能性がありうる旨を示す報知を行うとよい。
【0154】
本実施形態のように、2本の測定光L1、L2が平行か否かを検出する機能を備えるとよい。平行でない場合には誤測定の可能性がありうる旨を示す報知を行うとよい。速度計測機30としてのタイマスタート用とタイマストップ用の送受光器31、33は、正確に速度を計測するには前後平行に測定光L1、L2を照射する必要がある。そこで車両50の前方を撮像した画像から車両50の進路上において前後一対で進路上を横切る平行な測定光L1、L2を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0155】
本実施形態のように、地面から9cm以上高い位置に測定光L1、L2を検出した場合には、誤測定の可能性がありうる旨を示す報知を行うとよい。速度計測機30としての送受光器31、33は、通常車両の前輪の通過を検知するため、測定光L1、L2は車体の下面より下側となるように照射する必要がある。そこで車両50の前方を撮像した画像から路面から9cm未満で前記車両の進路上を横切る測定光L1、L2を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0156】
また本実施形態の電子機器10の制御部11は、第1送受光器31又は第2送受光器33に関連するその他の関連要素を認識して速度取締に関する警報を行う。
【0157】
本実施形態のように、右側の路肩側にリフレクタ(反射器32、34)があるか否かを判定し、ある場合には、取締警報を行う方向の処理を行うとよい。送受光器31、33を用いる速度計測機30は、送受光器31、33から照射される測定光L1、L2を反射する反射器32、34を有している。そこで車両50の前方を撮像した画像から反射器32、34を関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより確実に検出することができる。
【0158】
本実施形態のように、その他の設置物の検出として、例えばロードコーン41、42とともに路肩に停車するワンボックスカー44が検出された場合には、取締警報を行う方向の処理を行うとよい。監視員43が使用する車両はワンボックスカー44が多く、速度計測機30の近くに停車させている。そこで前記関連要素に加えて、車両50の前方を撮像した画像からワンボックスカーを関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより一層確実に検出することができる。
【0159】
また本実施形態のように、その他の設置物として、パイプ椅子43aが検出された場合には、取締警報を行う方向の処理を行うとよい。監視員43はパイプ椅子43aに着座している場合が多い。そこで前記関連要素に加えて、車両50の前方を撮像した画像からパイプ椅子43aを関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより一層確実に検出することができる。
【0160】
以上のように本実施形態のシステムは、車両50に設けられ、車両50の進路を横切る測定光L1、L2を送受光する送受光器31、33への接近を警報する警報制御を行う制御部11を有している。また当該システムの機能を実現させるためのプログラムを有している。このようにすると、ユーザは、車両50において、車両50の進路を横切る測定光L1、L2を送受光する送受光器31、33への接近の警報を得ることができる。車両50の進路を横切る測定光L1、L2を送受光する送受光器31、33としては、いわゆる光電管式の速度計測機とするとよい。このようにすれば車両50の進路を横切る測定光L1、L2を送受光する送受光器31、33を用いたいわゆる光電管式の速度計測機が設置されている可能性のある地点への接近をユーザに把握させることができる。
【0161】
また本実施形態のように送受光器31、33は速度計測機30に用いられるのがよい。このようにすると送受光器31、33を用いた速度計測機30による取締の接近をユーザに把握させることができる。
【0162】
特に、本実施形態のように送受光器31、33を用いたいわゆる光電管式の速度計測機30(光電管式オービスとも称する)への接近を警報する警報制御を行うとよく、この警報内容としては光電管式以外の速度計測機30への接近を示す警告ではなく、光電管式の速度計測機30がある位置への接近を示す警告とするとよい。例えば、「この先、500mオービスがあります。速度注意!」ではなく、「この先500m、光電管式オービスが設置されている可能性があります。速度注意!」、あるいは「この先500m、光電管式オービスがあります。速度注意!」のように警告するとよい。「この先500m、光電管式オービスが設置されている可能性があります。速度注意!」でもよいが、特に「この先500m、光電管式オービスに関連するロードコーンがあります。速度注意!」のように、具体的に光電管式オービスに関連する物を示すものを備えるとよく、特に、光電管式オービスに関連する少なくとも一部の物を示すものを備えるとよい。このようにすれば、ユーザはその物に着目して、その位置に注意を払ったり、実際に光電管式オービスが設置されていたか否かを容易に確認したりすることが、可能となる。警告内容はシステムの記憶手段に記憶しておき、音声、文字列、画像等によって出力する構成とするとよい。従来のシステムは、速度計測機30の位置自体を記憶しその速度計測機30への接近を示す内容の警告をしていたが、光電管式オービスのように、速度計測機30を設置するか否かを随時変更する構成であり、且つ車両50に対してマイクロ波やレーザー光を照射して速度を計測するものではない場合、直接的に速度計測機30を検出できない光電管式オービスへの接近についても警告可能とするものである。
【0163】
制御部11は、送受光器31、33に関連する関連要素を認識して前記警報制御を行う。関連要素は送受光器31、33自体や、反射器32、34、計測制御部も関連要素の一つである。このように送受光器31、33に関連する関連要素を認識することで、直接送受光器31、33を検出できる場合だけでなくとも、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近を探知し、ユーザに警告することができる。
【0164】
制御部11は、送受光器31、33に関連する関連要素を複数認識して前記警報制御を行う。このようにすると、複数の関連要素を認識して警報制御を行うことで、送受光器31、33を誤認識する確率を低減し、誤った警告を抑制することできる。
【0165】
制御部11は、送受光器31、33に関連する関連要素を認識し、認識した関連要素の種類に応じて異なる警報制御を行う。例えば認識した関連要素がロードコーン41、42関係であった場合と、監視員関係であった場合とで、異なる警報制御を行う。このようにすると、認識した関連要素の種類に応じて異なる警報制御を行うことで、ユーザに光電管式オービスの接近の根拠を明確に示すことができる。
【0166】
また制御部11は、送受光器31、33に関連する関連要素を認識し、認識した関連要素の数に応じて異なる警報制御を行う。例えば認識した関連要素が多いほど光電管式オービスへの接近の確度が高いことから、その確度が高いほどユーザへ強く注意喚起する警報とする。このようにすると、認識した関連要素の数に応じて異なる警報制御を行うことで、ユーザに対してより適切な警報を行うことができる。
【0167】
以上のように電子機器10が、速度計測機30に関する警報を発することで、車両50の運転者等のユーザに速度取締への注意を払わせ、これが安全運転に資することになる。
【0168】
[第2実施形態]
上記第1実施形態の電子機器10は、制御部11がロードコーン41、42、監視員43、測定光L1、L2、その他の関連要素のいずれかを認識すると警報を行うが、所定数以上の関連要素の種類を認識した場合に警報を行うようにしてもよい。本実施形態の電子機器10の構成は第1実施形態と同じであるため、各部同じ符号を付して説明を省略する。
【0169】
図6は、第2実施形態の電子機器10の制御部11の動作を示すフローチャートである。図4の第1実施形態と同じ処理には同じ符号を付して説明を省略する。
【0170】
本実施形態の制御部11は、ステップS1において撮像部13により車両前方を撮像した撮像画像を取得し、ステップS2において、取得した撮像画像を解析し、第1送受光器31又は第2送受光器33の関連要素としてのロードコーン41、42を認識したか否かを判定する。制御部11は、ステップS2で「Yes」と判定した場合、つまり撮像画像から第1実施形態で述べたような所定の条件を満たすロードコーン41、42を認識した場合は、ステップS11に処理を進める。一方、ステップS2で「No」と判定した場合、ステップS3に処理を進める。制御部11は、ステップS11において、認識関連要素種類数を1加えてステップS3に処理を進める。
【0171】
制御部11は、ステップS3において、取得した撮像画像を解析し、第1送受光器31又は第2送受光器33の関連要素としての監視員43を認識したか否かを判定する。制御部11は、ステップS3で「Yes」と判定した場合、つまり撮像画像から第1実施形態で述べたような所定の条件を満たす監視員43を認識した場合は、ステップS12に処理を進める。一方、ステップS3で「No」と判定した場合、ステップS4に処理を進める。制御部11は、ステップS12において、認識関連要素種類数を1加えてステップS4に処理を進める。
【0172】
制御部11は、ステップS4において、取得した撮像画像を解析し、第1送受光器31又は第2送受光器33の関連要素としての測定光L1、L2を認識したか否かを判定する。制御部11は、ステップS4で「Yes」と判定した場合、つまり撮像画像から第1実施形態で述べたような所定の条件を満たす測定光L1、L2を認識した場合は、ステップS13に処理を進める。一方、ステップS4で「No」と判定した場合、ステップS14に処理を進める。制御部11は、ステップS13において、認識関連要素種類数を1加えてステップS14に処理を進める。
【0173】
制御部11は、ステップS14において、取得した撮像画像を解析したり、GPS受信部15や通信部16を介して取得した情報に基づき、第1送受光器31又は第2送受光器33の他の関連要素を認識したか否かを判定する。
【0174】
ステップS14での他の関連要素は、第1実施形態で他の関連要素として認識していた第1反射器32又は第2反射器34、路肩に停車したワンボックスカー44、パイプ椅子43aに加えて、これらの関連要素、及びステップS2からステップS4で認識された関連要素(ロードコーン41、42、監視員43、測定光L1、L2)の位置から所定範囲内にある関連要素を認識する。具体的には、本実施形態では、下記のようなその他の関連要素に関する所定の条件を満たすものを関連要素として認識する。
【0175】
例えば、制御部11は、その他の関連要素に関する所定の条件の1つとして、図2に示したように、上述した関連要素から所定の範囲(例えば200m)内に車両50が走行する車道RWと交差する高架橋45a、45bを関連要素として認識する。この高架橋45a、45bを認識する1つの手法は、例えば撮像画像内にて高架橋に相当する画像部分があるか否か基づき行うとよい。
【0176】
この高架橋45a、45bを認識する手法は、高架橋45a、45bの認識は撮像画像に基づくものに限らず、例えば制御部11は、記憶部17に記憶されている地図データやGPS受信部15に基づく位置情報に基づいて、上述した関連要素から所定の範囲(例えば200m)内の高架橋45a、45bを関連要素として認識するとよい。
【0177】
制御部11は、高架橋45a、45bを認識する1つの手法として、通信部16を介して、他車両60が取得した情報を取得して、当該他車両60からの情報に基づき、上述した関連要素から所定の範囲(例えば200m)内の高架橋45a、45bを関連要素として認識するとよい。
【0178】
本実施形態の制御部11は、撮影画像、地図データやGPS情報、他車両60からの情報の3つの手法のうちいずれかの1つの手法により高架橋45a、45bを認識した場合には、その他の関連要素の条件を1つ満たしたと判定する。なお、高架橋45a、45bを認識する手法は任意に設定可能であり、例えば他車両からの情報を取得できない場合は、撮影画像と地図データやGPS情報のみで高架橋の認識の判定を行ってもよい。また高架橋45a、45bを認識したと判定する数も任意に設定可能であり、2つの手法で高架橋45a、45bを認識したとき、又は3つの手法で高架橋45a、45bを認識したときに、その他の関連要素の条件を1つ満たしたと判定してもよい。また、1つの手法により高架橋45a、45bを認識する毎に、その他の関連要素の条件を1つ満たしたと判定してもよい。
【0179】
制御部11は、高架橋45a、45bの認識だけでなく、その他の関連要素に関する所定の条件の1つとして、通信部16を介してSNS情報を取得し、当該SNS情報から取得した高架橋45a、45b上の囲い(柵47a、47b)の情報を関連要素として認識するとよい。
【0180】
SNS情報における高架橋45a、45b上の囲い(柵47a、47b)の情報は、例えばハッシュタグ付きのキーワードから光電管式の速度計測機30に関する投稿を絞り込み、投稿内に記載又は付随する位置情報から囲い(柵47a、47b)の情報を取得する。
【0181】
このように、すでに認識した関連要素から前方に所定の範囲内(例えば200m以内とするとよい)に、車道RWと交差する高架橋45aがある箇所は、取締警報を行う方向の処理を行うとよい。高架橋45aから違反車を撮影する可能性があるためである。またすでに認識した関連要素の後方であって、所定の範囲内(例えば200m以内とするとよい)に、高架橋45bがある箇所は、取締警報を行う方向の処理を行うとよい。速度計測機30に周囲には、当該速度計測機30により計測した車両50の速度が所定の速度以上である場合等に当該車両50を撮影するために高架橋45a、45bがある場合が多い。車両50が走行する車道RWと交差する高架橋45a、45bから撮影を行えば車両50の正面からの撮影が可能である。そこで車両50の前方を撮影した画像及び/又は地図情報に基づき前記関連要素から所定の範囲内にある高架橋45a、45bを関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより一層確実に検出することができる。
【0182】
高架橋45a、45b側の路肩部分に、囲いがしてあることが(他車両60によって)検出された場合には、より取締警報を行う方向の処理を行うとよい。例えば交差する高架の道路の路肩側に目隠し(工事用フェンス等)があることを、他車両60のドライブレコーダで検出してサーバにアップし、そのサーバからその地点の情報を得るようにするとよい。高架橋45a、45bから高架橋下を通過する車両50を撮影するスペースを確保するため、高架橋上には柵等で囲いが形成されている場合が多い。近年は他車両60が取得した情報を取得することも可能であり、このような他車両60が取得した情報から囲い情報を取得して、関連要素して認識することで送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより一層確実に検出することができる。
【0183】
SNSのハッシュタグで、取締に関連するハッシュタグを記憶しておき(例えば#移動式オービス)、そのハッシュタグでSNSを検索して、テキスト情報(と位置情報)を取得して抽出するパーサーを備え、その抽出した情報から位置情報を得る機能を備えるとよい。近年はSNS情報に道路情報等が投稿されている場合があり、このようなSNS情報から囲い情報を取得して、関連要素して認識することで送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより一層確実に検出することができる。
【0184】
また、制御部11は、例えば記憶部17に記憶されている地図情報に基づき、車両50が所定の距離以上の直線が続く所定の区間を走行していることを前記関連要素として認識してもよい。この所定の区間は、例えば記憶部17に記憶されている光電管式の速度計測機30が設置されている可能性の高い区間であってもよい。スピードが出やすい道路、光電管が設置可能、すぐ近くにカメラを設置できる高架橋45a、45bがある、この3点の条件を満たす箇所に、「新取締機設置エリア(仮)」として、GPS警報を行うという形でもよい。GPS警報は、GPS情報が示す地点が取締地点と所定の接近関係を有する場合に発せられる警報で、例えば、地図上に予め警報する区域を定めGPS情報に基づき当該区域内に入ったときに行う警報とするとよい。速度計測機30が設置されるのは、車両50が十分な速度を出すことができる長い直線区間である場合が多い。そこで地図情報に基づき前記車両50が所定の距離以上の直線が続く所定の区間を走行していることを前記関連要素として認識することで、送受光器31、33を用いた速度計測機30への接近をより一層確実に検出することができる。
【0185】
制御部11は、ステップS14で「Yes」と判定した場合、つまり上述した所定の条件を満たす他の関連要素を認識した場合は、ステップS15に処理を進める。一方、ステップS14で「No」と判定した場合、ステップS16に処理を進める。制御部11は、ステップS15において、認識関連要素種類数を1加えてステップS16に処理を進める。
【0186】
制御部11は、ステップS16において、認識した関連要素の種類数である認識関連要素種類数が所定数以上であるか否かを判定する。所定数は任意に設定可能であり、例えば本実施形態では3に設定してあるものとする。
【0187】
制御部11は、ステップS16で「Yes」と判定した場合、つまりは認識関連要素種類数が所定数以上であった場合は、ステップS6に処理を進め、第1実施形態と同様に警報を行う。一方、ステップS16で「No」と判定した場合、ステップS7に処理を進め、警報を行わない。
【0188】
このように本実施形態の電子機器10の制御部11は、認識した関連要素の種類数に応じて警報の要否を判定する。警報は認識関連要素種類数に応じて異ならせてもよい。例えば認識した関連要素が多いほど光電管式の速度計測機30の接近の確度が高いことから、その確度が高いほどユーザへ強く注意喚起する警報とする。なお、認識した関連要素の種類数でなく、上述した条件を満たす関連要素の数をカウントしてもよい。
【0189】
以上のように、電子機器10が、光電管式の速度計測機30に関する警報を発することで、車両50の運転者等のユーザに速度取締への注意を払わせ、これが安全運転に資することになる。
【0190】
[変形例]
本開示は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0191】
(変形例1)
電子機器10の制御部11は、撮像部で車両50の前方を撮像した画像からロードコーン41、42、監視員43、測定光L1、L2、その他の関連要素の一部が認識されなかった場合に、警報を発する制御を抑制するとよい。この場合、警報を発する制御を抑制ことは、警報を発しないことのほか、警報を発しても抑制しない場合に比べて、音量を小さくする、表示を小さくする、警報レベルを低くするなどの方法がある。このようにすれば、光電管式の速度計測機30の誤認識による警報を抑制でき、ユーザへの無駄な情報の提供を抑えられる。
【0192】
(変形例2)
上述した各実施形態で説明した構成および動作の一部が省略又は変更されてもよい。例えば、光電管式の速度計測機30は、ロードコーン41、42や監視員43を必ずしも有しなくてもよいし、速度計測機30の動作や設置に用いられるのであれば、他の要素が加わってもよい。
【0193】
上述した第1実施形態及び第2実施形態におけるステップS1において認識するロードコーンを第1ロードコーン41及び第2ロードコーン42の両方とするか一方とするか、ステップS3において認識する測定光を第1測定光L1及び第2測定光L2の両方とするか一方とするか、ステップS5において認識する反射器を第1反射器32又は及び第2反射器34の両方とするか一方とするか、を予め電子機器10の設定画面等に表示してユーザ操作により設定しておき、その設定に従って判定を行うようにしてもよい。また、ステップS2からS5、S14における判定結果を「Yes」と判定する所定の条件を満たす所定数、あるいは、ステップS2からS5、S14の各所定の条件がどのような組み合わせのとき「Yes」と判定するか、を予め電子機器10の設定画面等に表示してユーザ操作により設定しておき、その設定に従って「Yes」「No」の判定を行うようにしてもよい。
【0194】
また、第1実施形態及び第2実施形態におけるステップS2からS5、S14の判定のそれぞれについて、判定を行うか否かの設定を設けるとよい。
【0195】
(変形例3)
電子機器10の制御部11は、上記第1実施形態及び第2実施形態で述べたロードコーン41、42、監視員43、測定光L1、L2、その他の関連要素の認識に加えて又は代えて、無線受信部26により速度取締に関係する所定の周波数の無線信号を受信し、その受信した結果に基づいて警報制御を行ってもよい。取締地点やその周辺では、速度取締に関する無線(現場取締無線も呼ばれる。)の無線信号が伝搬することがあるからである。速度取締に関係する所定の周波数は例えば350.1MHzとするとよい。
【0196】
例えば制御部11は、この所定の周波数の無線信号を受信した場合に、上述した速度計測機30への接近の確度を上げる(例えば警報レベルを上げる)、又は受信しない場合は確度を下げる(例えば警報レベルを下げる)とよい。または、この所定の周波数の無線信号の受信を送受光器の関連要素の1つとして認識し、かつ所定の周波数の無線信号を受信したことを警報する条件の1つとしてもよい。このようにすれば、光電管式の速度計測機30への接近を示す警報の確度が向上することが期待できる。換言すると、光電管式の速度計測機30の誤認識による警報をより抑制でき、ユーザへの無駄な情報の提供を抑えられる。
【0197】
電子機器10が行う警報制御は、速度計測機30による取締地点の通過前に警報を発する制御のほか、取締地点の通過中や通過後に警報する制御を発する制御としてもよい。この場合の警報制御は、例えば「光電管式オービスによる取締地点を通過中の可能性があります。」というメッセージ、又は「光電管式オービスによる取締地点を通過した可能性があります。」というメッセージを表示や音によって発する制御とするとよい。このような警報制御も、運転者の安全運転に資することが期待できる。このような警報制御は、例えば車両50の前方を撮像した画像に限らず、側方又は後方を撮影した画像に基づいて行うことができる。また、関連要素を認識するための方法は、撮像画像を用いて認識する方法のほか、各種センサその他の関連要素の存在を検出する検出手段を用いて認識する方法が考えられる。
【0198】
本発明の範囲は,明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく,本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも,その範囲に含むものである。本発明のうち,特許を受けようとする構成を,添付の特許請求の範囲に特定したが,現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても,本明細書に開示される構成を,将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0199】
なお、本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0200】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0201】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。
【符号の説明】
【0202】
10 :電子機器
11 :制御部
12 :表示部
13 :撮像部
14 :スピーカ
15 :GPS受信部
16 :通信部
17 :記憶部
17a :データベース
18 :操作部
19 :センサ部
20 :装着部
21 :電源部
22 :発光部
23 :ケーブル端子部
24 :レーザー光受信部
25 :レーダー波受信部
26 :無線受信部
30 :速度計測機
31 :第1送受光器
32 :第1反射器
33 :第2送受光器
34 :第2反射器
35 :計測制御部
40 :車両
41 :第1ロードコーン
41a :底部
41b :コーン部
41c :反射材
42 :第2ロードコーン
43 :監視員
43a :パイプ椅子
44 :ワンボックスカー
45a、45b :高架橋
46a、46b :取締用カメラ
47a、47b :柵
50 :車両
60 :他車両


図1
図2
図3
図4
図5
図6