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特開2022-124397ISO認証取得支援及び運用支援システム
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  • 特開-ISO認証取得支援及び運用支援システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124397
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】ISO認証取得支援及び運用支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20220818BHJP
【FI】
G06Q10/06 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022140
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】519016099
【氏名又は名称】株式会社フォーイーチ
(72)【発明者】
【氏名】田村 充
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ISOマネジメントシステムの構築に必要な情報を簡単に入力又は記録でき、かつ、ファイル情報記憶部(第2記憶部)に記憶させた情報と、活動記録情報記憶部(第3記憶部)に記憶させた情報と、をシームレスに閲覧及び活用できるISO認証取得支援及び運用支援システムを提供する。
【解決手段】ISO認証取得及び運用支援システム1は、ISOマネジメントシステムの規格要求事項を記憶する要求事項記憶部(第1記憶部)11と、通信回線を介して管理サーバに接続されたユーザー使用端末に入力した文書情報、端末を介して送信した文書ファイル、ISO認証取得に必要な書類を作成する際の雛形ファイル又はこれらの中から選択される1以上の情報又はファイルを記憶するユーザー情報記憶部(第2記憶部)12と、ユーザーの活動記録情報を記憶する活動記録情報記憶部(第3記憶部)13と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ISOマネジメントシステムの規格要求事項を記憶する要求事項記憶部(第1記憶部)と、
通信回線を介して管理サーバに接続されたユーザー使用端末に入力した文書情報、前記端末を介して送信した文書ファイル、ISO認証取得に必要な書類を作成する際の雛形ファイル、又はこれらの中から選択される1以上の情報又はファイルを記憶するユーザー情報記憶部(第2記憶部)と、
ユーザーの活動記録情報を記憶する活動記録情報記憶部(第3記憶部)と、
を備えたISO認証取得及び運用支援システム。
【請求項2】
第2記憶部に記憶された前記文書情報にマークアップ言語で記述された文書(マークアップ文書)情報が含まれる場合に、前記マークアップ文書に第2記憶部に記憶された前記文書ファイル又は前記雛形ファイルをリンクさせるデータ処理機能を有することを特徴とする請求項1記載のISO認証取得及び運用支援システム。
【請求項3】
第1記憶部、第2記憶部、第3記憶部又はこれらの中から選択される1以上の記憶部に記憶された情報を、通信回線を介して管理サーバに接続されたユーザー使用端末表示部に表示させる表示機能を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のISO認証取得及び運用支援システム。
【請求項4】
第1記憶部、第2記憶部、第3記憶部又はこれらの中から選択される1以上の記憶部に記憶された情報を、通信回線を介して管理サーバに接続された審査員又は審査機関使用端末表示部に表示させる表示機能を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のISO認証取得及び運用支援システム。
【請求項5】
第1記憶部に記憶された要求事項と、
第2記憶部に記憶されたファイル情報と、
を通信回線を介して管理サーバに接続されたユーザー使用端末表示部に同時に表示させるデータ参照機能を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のISO認証取得及び運用支援システム。
【請求項6】
第1記憶部、第2記憶部、第3記憶部又はこれらの中から選択される1以上の記憶部に、情報を記憶させた場合、当該記憶された情報を閲覧、削除、追加、変更又は承認行為を行った場合に、前記行為を行った日時を記録する機能を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のISO認証取得及び運用支援システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ISOマネジメントシステム要求事項に基づく認証を取得するために必要な情報(要求事項、文書、ファイル、活動記録情報等)の記録、修正、管理を支援するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ISOマネジメントシステムの構築作業を行うためには、文書作成ソフト、計算ソフト、画像ソフト等複数のソフトを別々に使用する必要があった。前記作業を行うに際しては、ISOマネジメントシステムの要求事項を参照しながら、前記複数のソフトを使用し、品質マニュアル又は環境マニュアルをはじめとする各種書類を作成することが要求されており、ISOマネジメントシステムの構築作業をシームレスに行うことができなかった。
また、ISOマネジメントシステムの構築作業を行うためには、関連するユーザー情報をソフトウエアごと、かつ、ファイルごとに作成する必要があるため、文書管理にかかる手間とコストが課題であった。
【0003】
既に報告されているISOマネジメントシステムに関するISO認証取得支援システムとしては、『文書内の情報と活動』をwebサイトにおいて動的に連動させて表示し、各専用画面上で計画とルールを確認し、登録から承認を可能とし、PDCAが画面上で展に開でき、各データベース(以下、DB)からフィルタリングされたテーブルにて、「マニュアル」「手順書」群のスリム化と各種文書生成及び活動証跡を自動化するもの(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ISO等のマネジメントシステムの審査に必要な文書を準備及び保管することのでき、マネジメントシステムに関連付けられた文書ファイルを閲覧等することができる文書管理システム(例えば、特許文献2参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-192276
【特許文献2】特開2018-041290
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のISO認証取得支援システムでは、各DB(ルールDB、計画/活動DB、規格DB等)をベースとした入力を行う必要がある。したがって、DBごとに入力形式や入力方法が異なる場合や、入力画面が複数存在する場合があり、入力作業が煩雑であった。
くわえて、DBごとに文書や活動証跡を構築する必要があったため、ISOマネジメントしシステムにおける文書全体の一覧性を十分に確保することが難しかった。
【0007】
また、従来の文書管理システムでは、特定のDBソフトウエアをベースにシステムを構築しているため、前記システムを利用する場合には特定のDBソフトウエアをインストールする必要があった。従来の文書管理システムにおいて、特定のDBソフトウエアがインストールされていない利用環境では、システムを動作させることができない場合や、システムの動作が制限されてしまう場合があった。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ISOマネジメントシステムの構築に必要な情報を簡単に入力又は記録でき、かつ、ファイル情報記憶部(第2記憶部)に記憶させた情報と、活動記録情報記憶部(第3記憶部)に記憶させた情報と、をシームレスに閲覧及び活用できるISO認証取得支援及び運用支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1] ISOマネジメントシステムの規格要求事項を記憶する要求事項記憶部(第1記憶部)と、
通信回線を介して管理サーバに接続されたユーザー使用端末に入力した文書情報、前記端末を介して送信した文書ファイル、ISO認証取得に必要な書類を作成する際の雛形ファイル、又はこれらの中から選択される1以上の情報又はファイルを記憶するユーザー情報記憶部(第2記憶部)と、
ユーザーの活動記録情報を記憶する活動記録情報記憶部(第3記憶部)と、
を備えたISO認証取得及び運用支援システム。
【0010】
[2] 第2記憶部に記憶された前記文書情報にマークアップ言語で記述された文書(マークアップ文書)情報が含まれる場合に、前記マークアップ文書に第2記憶部に記憶された前記文書ファイル又は前記雛形ファイルをリンクさせるデータ処理機能を有することを特徴とする[1]記載のISO認証取得及び運用支援システム。
【0011】
[3] 第1記憶部、第2記憶部、第3記憶部又はこれらの中から選択される1以上の記憶部に記憶された情報を、通信回線を介して管理サーバに接続されたユーザー使用端末の表示部に表示させる表示機能を備えることを特徴とする[1]又は[2]記載のISO認証取得及び運用支援システム。
【0012】
[4] 第1記憶部、第2記憶部、第3記憶部又はこれらの中から選択される1以上の記憶部に記憶された情報を、通信回線を介して管理サーバに接続された審査員又は審査機関使用端末の表示部に表示させる表示機能を備えることを特徴とする[1]~[3]のいずれか1項に記載のISO認証取得及び運用支援システム。
【0013】
[5] 第1記憶部に記憶された要求事項と、
第2記憶部に記憶されたファイル情報と、
を通信回線を介して管理サーバに接続されたユーザー使用端末の表示部に同時に表示させるデータ参照機能を有することを特徴とする[1]~[4]のいずれか1項に記載のISO認証取得及び運用支援システム。
【0014】
[6] 第1記憶部、第2記憶部、第3記憶部又はこれらの中から選択される1以上の記憶部に、情報を記憶させた場合、当該記憶された情報を閲覧、削除、追加、変更又は承認行為を行った場合に、前記行為を行った日時を記録する機能を有することを特徴とする[1]~[5]のいずれか1項に記載のISO認証取得及び運用支援システム。
【発明の効果】
【0015】
本発明のISO認証取得支援及び運用支援システムを用いることによって、ISOマネジメントシステムの要求事項、ユーザー要求事項及び前記要求事項に従って記述した文章又は画像データをシステムに登録することができ、ユーザーは効率よくISOマネジメントシステムの構築及び運用ができる。
【0016】
また、本発明のISO認証取得支援及び運用支援システムを用いることによって、ISOマネジメントシステムの構築に必要な情報を簡単に要求事項記憶部(第1記憶部)へ記録でき、かつ、ファイル情報記憶部(第2記憶部)に記憶させた情報と、活動記録情報記憶部(第3記憶部)に記憶させた情報と、をシームレスに閲覧及び活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態によるISO認証取得支援及び運用支援システムの構成である。
図2】マークアップ文書化する前と後の対比画像である。
図3】第1記憶部に記憶された要求事項と、第2記憶部に記憶されたファイル情報と、を表示部に同時に表示させた際の画像である。
図4】表示部に表示させたISOマネジメントシステム要求事項の項の表示を変更する前と後の対比画像である。
図5】本発明の実施の形態によるISO認証取得支援及び運用支援システムの表示画像及び構成である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明のISO認証取得支援及び運用支援システムについて、図面を用いて詳細に説明する。本明細書において、ISOとは国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称であるとともに、ISOが策定した国際規格及びその認証を示す。
【0019】
<<ISO認証取得支援及び運用支援システム>>
図1は、本発明のISO認証取得支援及び運用支援システムの構成である。図1に本実施形態と関連した主要部ブロック図を示した。図1において、1はISO認証取得支援及び運用支援システム、11は第1記憶部、12は第2記憶部、13は第3記憶部、14は入力部、15は表示部、111は規格要求事項、112は規格要求事項の解説、121は文書情報、122はファイル参照部、123は文書ファイル、124は雛形ファイル、131は活動記録、132は活動記録ファイル、141は規格要求事項入力部、142はユーザー情報入力部、151はユーザー使用端末の表示部、152は審査員又は審査機関使用端末の表示部、である。
【0020】
(システムの概要)
ISO認証取得支援及び運用支援システム1は、ISOマネジメントシステム要求事項に基づく認証を取得するために必要な情報(要求事項、文書、ファイル、活動記録情報等)の記録、修正、管理を支援することを目的とするシステムである。
このISO認証取得支援及び運用支援システム1は、少なくともISOマネジメントシステムの規格要求事項を記憶する要求事項記憶部(以下、第1記憶部11)と、ユーザー使用端末の入力部を介して入力された文書情報、文書ファイル、雛形ファイル、を記憶するユーザー情報記憶部(以下、第2記憶部12)と、ユーザー使用端末の入力部を介して入力されたユーザーの活動記録情報を記憶する活動記録情報記憶部(以下、第3記憶部13)と、前記各記憶部に情報を入力するための入力部14と、前記各記憶部に記憶された情報を所望の端末の画像表示装置に画像を表示するための表示部15と、を備える。
【0021】
<第1記憶部>
第1記憶部11は、メモリやハードディスク等により構成され、ISO認証取得支援及び運用支援システム1として機能させるために必要な、ISOマネジメントシステムの規格要求事項111を記憶する。
【0022】
また、第1記憶部11には、ISOマネジメントシステムの規格要求事項111の他に、ISOマネジメントシステムの規格要求事項の解説112も記憶させることができる。解説112とは、例えば、文書で表現されている規格要求事項111を、事例などを用いてユーザーに分かり易く表現した文書、図表を指す。
【0023】
第1記憶部11へISOマネジメントシステムの規格要求事項111を記憶させる方法としては、特に限定されるものではないが、通信回線を介してISO認証取得支援及び運用支援システム1に接続されたサービス提供者端末の入力部14を介して第1記憶部11に規格要求事項111等を記憶させることができる。
【0024】
第1記憶部11に記憶した規格要求事項111及び/又はその解説112は、章・節・項ごとに分けて記録させ、後述する表示部15に表示することもできる。
【0025】
(規格要求事項)
規格要求事項111は、ISOマネジメントシステムの規格要求事項を示している。規格要求事項とは、ISOマネジメントシステム規格の本文において組織が実現すべき基本要件を意味する。例えば、規格要求事項は規格ごとに定められており、ISO9001規格の品質マネジメントシステムの規格要求事項はISO9001に規定されており、ISO14001規格の環境マネジメントシステムの規格要求事項はISO14001に規定されている。
【0026】
<第2記憶部>
第2記憶部12は、メモリやハードディスク等により構成され、ISO認証取得支援及び運用支援システム1として機能させるために必要な、ユーザー情報を記憶する。
【0027】
第2記憶部12へ記憶させるユーザー情報としては、規格要求事項を実現するために必要な情報であれば特に限定されるものではないが、例えば、規格要求事項を実現するためのマニュアルを構成する、文書情報121、ファイル参照部122、文書ファイル123、雛形ファイル124を挙げることができる。
【0028】
第2記憶部12へユーザー情報を記憶させる方法としては、特に限定されるものではないが、ユーザー自身が通信回線を介してISO認証取得支援及び運用支援システム1に接続されたユーザー使用端末の入力部15を介して第2記憶部12にユーザー情報等を記憶させることができる。
【0029】
また、本発明に係るISO認証取得支援及び運用支援システム1は、第2記憶部12に記憶された情報を、通信回線を介してISO認証取得支援及び運用支援システム1に接続されたユーザー使用端末の表示部16及び/又は審査員又は審査機関使用端末の表示部17に表示させることができる。
当該機能により、ユーザー(マニュアル作成者、活動記録作成者)、審査員、審査機関等が第2記憶部12に記憶された情報を自身の端末を用いて直接閲覧することができる。
【0030】
(文書情報)
文書情報121は、規格要求事項を実現するための文書情報で構成される。文書情報とは、ISOマネジメントシステムを認証取得する組織が、ISOマネジメントシステムの要求事項に従って実現する内容をまとめた文書を指し、マニュアル、規程、規定、手順書、要領、様式などが含まれる。
例えば、第2記憶部12へ記憶可能な文書情報121としては、ISOマネジメントシステムに関するユーザー要求事項、ISO規格が要求する文書化された情報、ユーザーがISO認証取得に必要であると判断した文書化された情報等を挙げることができる。
【0031】
文書情報121には、書式のないテキストデータを使用することもできるし、書式付きテキストデータを使用することもできる。文書情報121に書式付きテキストデータを用いる場合、文字のサイズ、文字の色、文字のフォントや装飾、下線の有無、取消線の有無、箇条書き、表組等をユーザーが任意に選択することができる。
【0032】
(マークアップ文書)
本発明のISO認証取得及び運用支援システム1は、文書情報121に書式付きテキストデータを使用する場合、任意の文字列を任意の記号や符号でマークアップし、マークアップ言語で記述された文書(以下、マークアップ文書)とすることにより、マークアップ文書をファイル名として、ファイル参照部122に記憶させた文書ファイル123及び/又は雛形ファイル124とリンクさせることができるデータ処理機能を備えることができる。
【0033】
任意の文字列としては、特に限定されるものではないが、例えば、規定の名称、ファイル名、作業名、活動名等を使用することができ、記号や数字を含んでいてもよい。
任意の記号や符号としては、特に限定されるものではないが、例えば、「」、『』、()、[]、〈〉、{}、〔〕、##、“”、¥¥等を使用することができる。
【0034】
ユーザーが、マークアップ文書にファイル参照部122に記憶させた文書ファイル123及び/又は雛形ファイル124をリンクさせた場合、リンクさせたファイルの種類に応じて、マークアップ文書の文字サイズ、文字の色、文字のフォントや装飾、下線の有無等を変更し、表示部に表示させることができる。
また、マークアップ文書は、文字列に@を使用し、かつ、@に続けてURLを記載することで、URLを指定することもできる。また、前記マークアップ文書には外部の文書ファイルをリンクすることもできる。
【0035】
マークアップ文書の一例を第2記憶部12に記憶された文字情報121を表示部に表示した画像(図2)を用いて説明する。
【0036】
図2Aの画像は、第2記憶部12に記憶された文字情報121を表示部に表示した画像であって、マークアップ文書化する前の画像である。図2Bの画像は、第2記憶部12に記憶された文字情報121を表示部に表示した画像であって、マークアップ文書化した後の画像である。
例えば、マークアップ文書を作成する場合、すなわち図2に示した「該当する文書」又は「該当する様式」に記載された文字にファイルをリンクする場合、入力部を介して前記「該当する文書」又は「該当する様式」の欄に規定の名称、ファイル名等の文字列を入力し、前記文字列の前後を「」等の記号で囲むことにより、前記文字列をファイルとして参照することができる(図2B)。
【0037】
前述したように、マークアップ文書に文書ファイル123及び/又は雛形ファイル124を直接リンクする機能を備えることにより、従来の文書作成ソフト及び表計算ソフトを用いてリンクを作成した場合に生じる、いわゆる「リンクが切れた状態」の発生を防止することができ、確実にマークアップ文書を参照することができる。
また、文書ファイル123及び/又は雛形ファイル124のファイル名を変更した場合に、リンクされたマークアップ文書の文字列も同時に変更される機能を追加することもできる。
【0038】
(ファイル参照部)
ファイル参照部122は、文書情報121中のマークアップ文書にリンクするための各種ファイルを備えることができる。ファイル参照部122に備えられるファイルとしては、例えば、文書ファイル123及び/又はISO認証取得に必要な書類を作成する際の雛形ファイル124が挙げられる。
【0039】
(文書ファイル)
文書ファイル123には、ISO認証取得に必要なISOマネジメントシステムに関連する文書データ(組織で定めたマニュアル、規程、規定、手順の表示、手順書、図表、記録、様式、要領等)を格納することができる。なお、文書ファイル123には、文字の他に図表や画像が含まれていてもよい。
【0040】
(雛形ファイル)
雛形ファイル124は、第3記憶部13に記憶される活動記録ファイル132の元となるファイルであり、ユーザーの活動を記録するための雛形となるファイルである。雛形ファイル124としては、ISO認証取得に必要なISOマネジメントシステムよって作製が要求される活動を記録する様式、手順書等を例示することができる。
また、ユーザーが自身の活動記録を活動記録ファイル132に記憶する際には、雛形ファイル124を複写して使用することができる。
【0041】
<第3記憶部>
第3記憶部13は、メモリやハードディスク等により構成され、ISO認証取得支援及び運用支援システム1として機能させるために必要な、ユーザーの活動情報である、活動情報131及び/又は活動記録ファイル132を記憶する。
【0042】
第3記憶部13は、ユーザーの活動情報131及び/又は活動記録ファイル132を記憶する部分であり、活動記録作成者であるユーザーが、後に説明するユーザー使用端末の入力部15を介して編集又はアップロードを行うことができる。
【0043】
(活動記録)
活動記録131とは、ISOマネジメントシステムの規格要求事項に従ってユーザーが行った活動又は規格要求事項を実現するためのマニュアルを構成する、文書情報121、ファイル参照部122、文書ファイル123、雛形ファイル124に従ってユーザーが行った活動を記録した文書、図表、写真、画像等である。
また、ユーザーは、自身の活動記録131をユーザー情報等入力部15を介して直接第3記憶部13に記憶させることもできるし、ユーザーが作成した手元のファイルを第三記憶部13アップロードすることもできる。
【0044】
(活動記録ファイル)
活動記録作成者であるユーザーは、第2記憶部12に記憶された雛形ファイル124を複写し、複写したファイルに活動内容を記載し又は編集することができる。活動記録ファイル132とは、複写した雛形ファイル124にユーザーの活動記録131を記録したファイルを意味しており、文書、図表、写真、画像等を示す。
【0045】
また、活動記録ファイル132は、第2記憶部13に記憶された活動記録131について、記憶された情報の位置をドラッグ作業にて自由に移動することができ、要求事項改訂時、ユーザー情報変更時に必要となる作業が軽減かつ効率的に行うことができる。
【0046】
本発明のISO認証取得支援及び運用支援システム1に係る、第1記憶部11、第2記憶部12、第3記憶部13に情報を記憶させた場合、当該記憶された情報を閲覧、削除、追加、変更又は承認行為を行った場合に、前記行為を行った日時を記録する機能を備えることができる。これにより、ISO認証取得に必要なユーザーの活動を容易に記録・管理することができる。
【0047】
<入力部>
入力部14は、少なくともISOマネジメントシステムの規格要求事項を入力する規格要求事項記憶部141と、ISOマネジメントシステムの規格要求事項に従ってユーザーが行った活動内容を入力するユーザー情報入力部142と、を備える。
入力部14は、キーボード及びマウスを含んで構成されており、ISO認証取得支援及び運用支援システム1のサービス提供者、ユーザー等からの入力操作を受け付ける。
【0048】
(規格要求事項入力部)
規格要求事項入力部141は、サービス提供者により操作され、サービス提供者端末より入力されたISOマネジメントシステムの規格要求事項を取得する。規格要求事項入力部141は、キーボード及びマウスを含んで構成されており、ISO認証取得支援及び運用支援システム1のサービス提供者からの入力操作を受け付ける。
【0049】
(ユーザー情報入力部)
ユーザー情報入力部142は、ISO認証取得支援及び運用支援システム1を使用するユーザーにより操作され、ユーザー使用端末より入力された文書情報121、文書ファイル123、雛形ファイル124、活動記録131、活動記録ファイル132等のユーザーに関する情報を取得する。ユーザー情報入力部142は、キーボード及びマウスを含んで構成されており、ISO認証取得支援及び運用支援システム1のユーザーからの入力操作を受け付ける。
【0050】
<表示部>
表示部15は、第1記憶部11、第2記憶部12、第3記憶部13に記憶させた情報を表示させる機能を備える。表示部15は、ブラウン管表示装置(CRT)や、液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置により構成され、ISO認証取得支援及び運用支援システム1の機能に係る表示を行う。
【0051】
また、本発明に係る表示部15には、第1記憶部11、第2記憶部12、第3記憶部13に記憶させた情報をユーザーが使用する端末の表示部(以下、ユーザー使用端末の表示部151)に表示させる機能に加えて、第2記憶部12、第3記憶部13に記憶させた情報をISO認証を審査する審査員又は審査機関が使用する端末の表示部(以下、審査員又は審査機関使用端末の表示部152)に表示させる機能を加えることができる。
【0052】
当該機能を用いることにより、ユーザーはISO認証取得に必要な自身の活動記録をはじめとする文書情報等を審査官又は審査機関に対して別個に郵送、メール送信等する必要がなく、郵便費用や手間を削減できる利点がある。
また、審査官又は審査機関にとっては、ユーザーの活動記録等を紙文書で確認等を行う必要がなくなる利点がある。
【0053】
(表示機能)
表示部15に、第1記憶部11、第2記憶部12、第3記憶部13に記憶させた情報を表示させる際には、第1記憶部11に記憶されたISOマネジメントシステムに係る規格要求事項の章、節、項に沿って、文書情報121、文書ファイル123、雛形ファイル124、活動記録131を関連付けて表示する機能を付与することもできる。
【0054】
また、本発明のISO認証取得支援及び運用支援システム1は、第2記憶部12又は第3記憶部13に記憶させた情報と、第1記憶部11に記憶させた規格要求事項111と、をユーザー使用端末の表示部151に同時に表示させる表示機能を備えることができる(図3)。一の端末の表示部に同時表示する機能を備えることにより、容易に要求事項とユーザー情報又はユーザー活動情報とを比較することができる。
【0055】
また、本発明のISO認証取得支援及び運用支援システム1は、第1記憶部11、第2記憶部12又は第3記憶部13に記憶させた情報をISOマネジメントシステム要求事項の章・節・項ごとに分類して表示する表示機能を備えることができる。
【0056】
本発明のISO認証取得支援及び運用支援システム1は、前記情報を表示部15に表示する際に、ISOマネジメントシステム要求事項の章、節及び/又は項の表示位置、配列をドラッグ作業にて自由に移動する機能を備えることができる。当該機能により、要求事項改訂時、ユーザー情報変更時に必要となる作業が軽減かつ効率的に行うことができる。
【0057】
前記機能について図4を用いて説明する。例えば、ISOマネジメントシステム要求事項の項の表示位置を変更したい場合には、変更したい項(例えば「4.1当社およびその状況の理解」)をマウス等を用いて画面上で選択し、変更したい項を移動させたい章、節及び/又は項の場所(例えば「6.1リスク及び機会への取り組み」と「6.2品質目標及びそれを達成するための計画策定」との間)へドラッグ作業をする(図4A)ことによって、変更したい項を移動させることができる(図4B)。
【0058】
(ユーザー使用端末の表示部)
ユーザー使用端末の表示部151は、ユーザーが使用する端末に備わる表示部を意味する。ユーザーは、自身が使用するユーザー使用端末の表示部151を介して、ISO認証取得支援及び運用支援システム1に係る第1記憶部11、第2記憶部12、第3記憶部13に記憶させた情報を自身の端末に表示し、記憶された情報を閲覧することができる(図5)。
【0059】
(審査員又は審査機関使用端末の表示部)
審査員又は審査機関使用端末の表示部152は、ISO認証を審査する審査員又は審査機関が使用する端末に備わる表示部を意味する。
【0060】
審査員又は審査機関は、自身が使用する端末の表示部を介して、ISO認証取得支援及び運用支援システム1に係る第2記憶部12、第3記憶部13に記憶させた情報を閲覧することができる。
当該機能により、審査員又は審査機関は、第2記憶部12に記憶されている審査対象となる組織のマニュアルと、第3記憶部13に記憶されている審査対象となる組織活動記録を閲覧し、参照することができる。
【0061】
本発明は、審査員又は審査機関使用端末の表示部152に、ISO認証取得支援及び運用支援システム1に係る、第2記憶部12、第3記憶部13に記憶させた情報を表示させる機能を備えることができる。
【0062】
当該機能を用いることにより、ユーザーはISO認証取得に必要な自身の活動記録をはじめとする文書情報等を審査官又は審査機関に対して別個に郵送、メール送信等する必要がなく、郵便費用や手間を削減できる利点がある。
また、審査官又は審査機関にとっては、ユーザーの活動記録等を紙文書で確認等を行う必要がなくなる利点がある。
【0063】
審査官又は審査機関が本発明のISO認証取得支援及び運用支援システム1を用いることにより、審査官又は審査機関は文書審査、1次審査、2次審査、是正対応等を当該システム1上で行うことができる。第三者審査を非対面で行うことができ、有効な審査を効率的に実現することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 ISO認証取得支援及び運用支援装置
11 第1記憶部
12 第2記憶部
13 第3記憶部
14 入力部
15 表示部
111 規格要求事項
112 規格要求事項の解説
121 文書情報
122 ファイル参照部
123 文書ファイル
124 雛形ファイル
131 活動記録
132 活動記録ファイル
141 規格要求事項入力部
142 ユーザー情報入力部
151 ユーザー使用端末の表示部
152 審査員又は審査機関使用端末の表示部

図1
図2
図3
図4
図5