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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012441
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】微生物の培養システム
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
C12M1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020114267
(22)【出願日】2020-07-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和1年7月2日、The International Water Association主催、IWAlgae2019にて発表。
(71)【出願人】
【識別番号】598123138
【氏名又は名称】学校法人 創価大学
(71)【出願人】
【識別番号】520240616
【氏名又は名称】宏成建商株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520240627
【氏名又は名称】株式会社ランドテック
(71)【出願人】
【識別番号】520241015
【氏名又は名称】株式会社エナジーデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】特許業務法人エム・アイ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】戸田 龍樹
(72)【発明者】
【氏名】岸 正敏
(72)【発明者】
【氏名】関根 睦実
(72)【発明者】
【氏名】田中 健児
(72)【発明者】
【氏名】寺川 光宏
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 智也
(72)【発明者】
【氏名】中山 勲
(72)【発明者】
【氏名】宝泉 佳貴
(72)【発明者】
【氏名】寺島 隆造
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029BB04
4B029CC01
4B029DA04
4B029DB11
4B029DF04
4B029DG06
4B029GA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の容器を構造物の高さ方向に並べて配置し、容器間を連結しても、液圧が抑えられる強固な構造にする必要はなく、強度が低い、安価な材料の使用が可能となるシステムを提供すること。
【解決手段】微生物の培養システムは、構造物の外壁面もしくは斜面に近隣もしくは隣接し、または該構造物の外壁そのものとして該構造物の高さ方向に配列するように設置され、微生物を含む培養液を収容する複数の容器(リアクター)10と、培養液を所定の条件に調整するための調整槽11と、調整槽で調整された培養液を最上部に配置されたリアクター10に供給する調整槽用ポンプ12とを含む。各リアクター10は、所定の液面高さで培養液をオーバーフローさせ、連結される1段下のリアクター10もしくは調整槽11に供給する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光合成を行う微生物の培養システムであって、
構造物の外壁面もしくは斜面に近隣もしくは隣接し、または該構造物の外壁そのものとして該構造物の高さ方向に配列するように設置され、微生物を含む培養液を収容する複数の容器と、
前記培養液を所定の条件に調整するための調整槽と、
前記調整槽で調整された前記培養液を最上部に配置された前記容器に供給する液供給手段と
を含み、
前記各容器が、所定の液面高さで前記培養液をオーバーフローさせ、連結される1段下の容器もしくは前記調整槽に供給する、微生物の培養システム。
【請求項2】
前記最上部に配置された容器の上部に設置され、前記液供給手段から供給された前記培養液を貯留する高架水槽を含み、
前記高架水槽から前記最上部に配置された容器へ前記培養液を供給する、請求項1に記載の微生物の培養システム。
【請求項3】
前記複数の容器の太陽光が当たる外側面を覆うように設置され、可視光を透過し、赤外光を反射する赤外光反射素材もしくは赤外光を吸収する赤外光吸収素材をそれぞれが備えた複数の被覆部材を含む、請求項1または2に記載の微生物の培養システム。
【請求項4】
前記被覆部材は、離間して配置される2つの透明部材の一方もしくは両方の内側面に隣接して前記赤外光反射素材もしくは前記赤外光吸収素材が配置されている、請求項3に記載の微生物の培養システム。
【請求項5】
前記赤外光反射素材は、Low-E(Low Emissivity)膜である、請求項3または4に記載の微生物の培養システム。
【請求項6】
前記被覆部材は、反転可能とされる、請求項4に記載の微生物の培養システム。
【請求項7】
前記各容器間を連結する複数の連結管を含み、
前記連結管の径は、前記各容器においてオーバーフローする培養液の量に応じて決定される、請求項1~6のいずれか1項に記載の微生物の培養システム。
【請求項8】
前記各容器に収容された前記培養液を撹拌するための空気を供給する複数の空気供給手段と、
前記各容器内と外部とを遮断しつつ該各容器内の空気を排出する複数のフィルタ部材と
を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の微生物の培養システム。
【請求項9】
前記各容器と前記各空気供給手段とを接続する複数の空気供給管を含み、
前記各空気供給管は、前記各容器内の培養液の液面高さより高い位置まで立ち上がる立ち上がり部を有する、請求項8に記載の微生物の培養システム。
【請求項10】
前記調整槽内へ二酸化炭素を供給するガス供給手段と、
前記調整槽内の前記培養液の温度を調整するための温度調整手段と
を含み、
前記調整槽において、前記培養液の二酸化炭素および酸素の濃度と、前記培養液のpHと、該培養液の温度とを少なくとも調整する、請求項1~9のいずれか1項に記載の微生物の培養システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光合成を行う微生物の培養システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光合成を行う微生物として知られる微細藻類は、健康食品、化粧品、天然着色料、飼料、餌料、燃料、バイオマテリアル等として幅広く利用されている。微細藻類を培養する培養システム(バイオリアクター)として、建物の外壁材料として用いることができる透明もしくは半透明で板状のハウジングからなるプレート型のバイオリアクターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2533627号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
都市部等の狭いスペースに構築された構造物は、高さ方向に延び、上記のプレート型の複数の容器(リアクター)を構造物の高さ方向に並べて配置し、容器間を連結することができる。
【0005】
しかしながら、複数の容器を構造物の高さ方向に並べて配置し、容器間を連結すると、配置された位置が下方になるほど容器にかかる液圧荷重が大きくなり、液圧に耐えうる強固な構造にする必要があるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、光合成を行う微生物の培養システムであって、
構造物の外壁面もしくは斜面に近隣もしくは隣接し、または該構造物の外壁そのものとして該構造物の高さ方向に配列するように設置され、微生物を含む培養液を収容する複数の容器と、
培養液を所定の条件に調整するための調整槽と、
調整槽で調整された培養液を最上部に配置された容器に供給する液供給手段と
を含み、
各容器が、所定の液面高さで培養液をオーバーフローさせ、連結される1段下の容器もしくは調整槽に供給する、微生物の培養システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の容器を構造物の高さ方向に並べて配置し、容器間を連結しても、液圧が抑えられる強固な構造にする必要はなく、強度が低い、安価な材料の使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】微生物の培養システムの構成例を示した図。
図2】培養システムが設置される場所の例を示した図。
図3】各リアクター内の培養液の流れを説明する図。
図4】リアクターの前面にLow-E単層ガラスを配置した例を示した図。
図5】リアクターの前面にLow-E複層ガラスを配置した例を示した図。
図6】Low-E複層ガラスの向きを反転させる方法について説明する図。
図7】リアクター間を連結する管について説明する図。
図8】管にエアーフィルターを取り付けた構成を示した図。
図9】エアーポンプから空気を供給する方法について説明する図。
図10】水圧試験の結果を示した図。
図11】夏季日中の調整槽の温度、気温、各リアクター内の温度の計測結果を示した図。
図12】Low-E複層ガラスの構成を示した図。
図13】光強度、温度の計測位置について説明する図。
図14】光強度の計測結果を示した図。
図15】温度およびリアクター内の吸光度の計測結果を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、培養システムの構成例を示した図である。培養システムは、光合成を行う微生物(以下、単に微生物と呼ぶ。)を培養するシステムである。培養システムは、複数の容器(リアクター)10と、微生物の培養に必要な培養液を所定の条件に調整するための調整槽11と、培養液を供給する調整槽用ポンプ12とを含む。
【0010】
微生物としては、微細藻類やシアノバクテリア等が挙げられる。これらの微生物は、増殖速度が速いことから、COの固定や有用物質の生産等において注目されている。有用物質としては、健康食品原料、化粧品原料、天然着色料原料、餌料原料、飼料原料、バイオ燃料原料、バイオマテリアル原料等が挙げられる。
【0011】
微細藻類やシアノバクテリアは、クロレラやスピルリナ等の植物プランクトンである。例えば、化粧品に使用されるアスタキサンチン(赤色色素)は、微細藻類の1つであるヘマトコッカスを使用して工業的に生産される。健康食品で使用される青色色素は、シアノバクテリアの1つであるスピルリナを使用して工業的に生産される。
【0012】
これらの微生物は、培養液中で太陽光を受け、COを吸収して光合成を行い、増殖する。培養液は、水と微生物の栄養分となる栄養塩とが含まれる培地に、微生物が懸濁されたものである。栄養塩には、窒素、リン、硫黄、無機金属イオン(K、Mg2+、Fe2+、Mn2+等)などが含まれる。
【0013】
微生物を含む培養液は、調整槽11においてCOガスが供給され、所定のCO濃度に調整される。調整槽11には、COガスを供給するCOボンベ13が接続される。培養液のpHは、COガス、塩酸、水酸化ナトリウム等を用いて、微生物の増殖に適した5~10に調整することができる。培養液の酸素濃度は空気などの気体を通気させ、微生物の増殖に適した濃度(300%空気飽和以下)に調整することができる。
【0014】
微生物を含む培養液は、調整槽11において所定の温度に調整される。調整槽11は、温度を調整するためのヒーター14およびクーラー15を備える。培養液の温度は、微生物の生長に適した温度範囲(15~35℃)に調整される。
【0015】
調整槽11は、培養液中のCO濃度、栄養塩および温度を均一にするため、空気を吹き込むノズル16と、ノズル16に接続されるエアーポンプ17とを備える。ノズル16から空気を吹き込むことで、培養液をバブリングし、撹拌する。空気は、培養液を撹拌するとともに、微生物の光合成を阻害する酸素を除去する。調整槽11に吹き込む空気量は、エアーポンプ17の空気吐出量を制御することにより調整することができる。培養液の酸素濃度は、吹き込む空気量を調整することにより調整することができる。空気吐出量は、エアーポンプ17の吐出ラインに設けた弁により調整することができる。
【0016】
リアクター10は、背面板と、透明もしくは半透明の正面板と、背面板と正面板とに連続する4つの側板とから構成される厚さの薄いプレート型のリアクターである。背面板と側板は、透明もしくは半透明でなくてもよく、コンクリートや金属板等であってもよい。背面板と正面板の大きさは、同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。なお、リアクター10は、円筒形のカラム型やチューブ型のリアクターであってもよい。しかしながら、カラム型は奥行きがあるので、太陽の光が届きにくい部分があり、チューブ型は長さが長いと流れの抵抗が大きいことから、プレート型のリアクターが望ましい。
【0017】
リアクター10は、背面板と、正面板と、4つの側板とにより密閉空間を形成し、密閉空間内に微生物を含む培養液を収容する。リアクター10は、収容された培養液を撹拌し、COを供給し酸素を除去するため、調整槽11と同様、ノズル18と、エアーポンプ19とを備える。
【0018】
リアクター10は、吹き込まれた空気が上部の空間に滞留し、リアクター10内の圧力が上昇していくため、空気を外部へ排出するための空気抜き弁20を備える。
【0019】
複数のリアクター10は、都市部等の狭いスペースに構築された構造物の外壁面に近隣もしくは隣接して設置される。構造物は、鉛直方向に延びる外壁面を有するビル等である。図2には、ビル等の構造物の外壁面70から突出する部分に複数のリアクター10をかけ、垂れ下がるように設置している例を示している。ここでは、ビルを一例として挙げたが、これに限定されるものではない。図2に示すように、丘のような天然構造物の斜面28や屋根29に近隣もしくは隣接して設置してもよい。なお、複数のリアクター10は、構造物の外壁そのものとして用いることも可能である。ここでは、構造物の外壁面に近隣して設置されるものとして説明する。
【0020】
再び図1を参照して、複数のリアクター10は、構造物の高さ方向に並べて設置され、リアクター10間が管21により連結される。
【0021】
調整槽11内の培養液は、調整槽用ポンプ12により最上部のリアクター10に適宜供給される。このため、培養液は、最上部のリアクター10に断続的に供給されることになり、調整槽用ポンプ12を起動および停止を繰り返す必要がある。調整槽用ポンプ12の起動および停止の繰り返しの頻度が多いと、ポンプの故障の原因となる。そこで、構造物の屋上にバッファーの役割を果たす高架水槽22を設置し、調整槽用ポンプ12で培養液を高架水槽22に供給しておき、高架水槽22から適宜培養液を供給することができる。
【0022】
高架水槽22は、高架水槽22の底に設けられる供給弁23を介して最上部のリアクター10と管21により接続される。高架水槽22は、供給弁23を適宜開き、最上部のリアクター10に培養液を供給する。供給弁23の開度を調整することで、供給する培養液の量を調整することができる。高架水槽22への送液の頻度は、高架水槽22の液面レベルを基に調整することができる。高架水槽22は、周囲に保温材が設けられ、培養液の温度を一定に保持することができる。
【0023】
各リアクター10は、1段上のリアクター10もしくは高架水槽22から下方に培養液が供給されるように供給側の管21が接続される。また、各リアクター10は、所定の液面高さで培養液をオーバーフローさせ、連結される1段下のリアクター10もしくは調整槽11に供給するように排出側の管21が接続される。
【0024】
これにより、調整槽11、高架水槽22、各リアクター10を順に通り、調整槽11へ戻る1つの系を形成し、培養液が系内を循環する。系内は、密閉空間とされ、外部からの他の微生物の侵入が抑制される。
【0025】
微生物は、各リアクター10に一定期間滞留する。各リアクター10は、太陽の光が当たる側の正面板が透明もしくは半透明であることから、各リアクター10内に太陽の光が入射される。このため、微生物は、各リアクター10内で光合成を行い、増殖する。
【0026】
調整槽11の1段下には、回収槽24が設けられる。調整槽11と回収槽24とは、回収弁25を介して接続され、回収弁25を適宜開くことにより調整槽11から回収槽24へ増殖した微生物を含む培養液の一部を回収する。微生物は、沈殿やろ過等の分離プロセスを使用して培養液から分離され、回収される。
【0027】
回収槽24へ培養液の一部が回収されると、調整槽11内の培養液の量が減少する。このため、減少した量の培養液を補給するべく、補給槽26が設けられる。補給槽26は、調整槽11へ回収によって減少した量の培地を補給する。補給槽26は、培地のみを貯留する。なお、補給槽26から培地を供給するために、補給ポンプ27が設けられる。
【0028】
図3を参照して、各リアクター10内をどのように培養液が流れるかについて説明する。図3では、構造物の高さ方向に2段に並ぶ2つのリアクター10a、10bが管21bにより連結されている。ここでは、説明を容易にするためにリアクター10を2段としている。上側のリアクター10aには、培養液の供給側の管21aと、培養液の排出側の管21bとが接続される。下側のリアクター10bには、培養液の供給側の管として、上側のリアクター10aの排出側の管21bが接続され、培養液の排出側の管21cが接続される。
【0029】
管21aは、上側のリアクター10aの底部に近隣した側面に接続され、上側のリアクター10aの底部へ培養液を供給する。管21bは、上側のリアクター10aの頂部に近隣した側面に接続され、上側のリアクター10aの液面付近の培養液をオーバーフローにより排出する。上側のリアクター10a内の底から管21bの断面の流路部分の最下部までの距離が、上側のリアクター10a内の培養液の液面高さHとなる。
【0030】
上側のリアクター10aへの培養液は、適宜供給される。管21aは、上側のリアクター10aの側面から該上側のリアクター10aの側面に沿って下側に延びており、管21a内の液面高さは、上側のリアクター10a内の液面高さとほぼ同じ高さとなる。
【0031】
下側のリアクター10bも、上側のリアクター10aと同じ高さ位置に管21b、21cが接続される。このため、上側のリアクター10aでオーバーフローした培養液は、管21bを通して下側のリアクター10bの底部へ供給される。そして、下側のリアクター10bでオーバーフローした培養液が、管21cを通してさらに下側のリアクターもしくは調整槽11へ供給される。管21b内の液面高さは、下側のリアクター10b内の液面高さとほぼ同じ高さとなる。
【0032】
上側のリアクター10aと下側のリアクター10bとを連結する管21b内には、空気による空洞が形成され、空洞により上側のリアクター10aと下側のリアクター10bとが分離される。このため、各リアクター10にかかる液圧は、各リアクター10内の液面高さHのみに依存することとなる。
【0033】
本システムでは、各リアクター10a、10bの液面高さを低くして、各リアクター10にかかる液圧を小さくする。これにより、単層ガラスやプラスチックバッグ等の耐圧性が低い、安価な部材を、高さ方向に並べて構成した高層ならびに大規模なリアクターに用いることができる。
【0034】
プラスチックバッグ等の使用が可能となれば、自由な形状でシステムの高層化・大規模化を実現することができる。また、構造物の外壁面もしくは斜面に近隣もしくは隣接して設置し、または外壁そのものとして用いることができるため、壁面や斜面の自由な形状の利用が可能となり、視覚的デザインを向上させることができる。さらに、構造物の高さ方向に並べて設置するため、都市部のような密集地でも光エネルギーを利用した微生物の生産が可能となる。
【0035】
図1に示す複数のリアクター10を構造物の高さ方向に並べて設置し、リアクター10間を連結する構成のみでは、太陽からの光として、赤外光もリアクター10内の培養液に入射される。すると、赤外光は培養液に熱を伝え、培養液の温度が上昇する。調整槽11は、ヒーター14およびクーラー15を備えているが、太陽光放射の強い夏季においては、十分に培養液を冷却することはできない。また、リアクター10は、プレート型であるため、比表面積が大きく、熱の放散速度が高い。このため、外部の気温が低い冬季においては、温度制御に多大なエネルギーが必要となる。
【0036】
そこで、光合成に必要な可視光のみを選択的に透過し、熱の原因となる赤外光を反射もしくは吸収する特殊材料を利用し、保温効果が得られる構成とする。
【0037】
図4は、リアクター10から離間した前面に、特殊材料として赤外光反射素材もしくは赤外光吸収素材を備えた被覆部材を配置した例を示した図である。以下、赤外光反射素材を用いるものとし、その赤外光反射素材をLow-E(Low Emissivity)膜とし、Low-E膜を設ける透明もしくは半透明な部材をガラスとして説明する。なお、Low-E膜部分は赤外光吸収フィルムであってもよく、透明もしくは半透明な部材はガラスに限定されるものではなく、アクリル板やフィルム等であってもよい。
【0038】
図4(a)では、Low-E単層ガラス30をリアクター10の前面に配置している。ここで、前面とは、リアクター10の太陽の光が当たる側(外側)である。Low-E単層ガラス30は、ガラス31を外側に、Low-E膜32をリアクター10に対向させ、支持部材等を使用してリアクター10から一定距離だけ離間して配置される。
【0039】
太陽光は、赤外光、可視光を含む。赤外光は、大部分がLow-E膜32で反射し、一部が透過する。なお、可視光は、大部分がLow-E膜32を透過する。リアクター10とLow-E単層ガラス30との間には隙間33が設けられ、隙間33を空気が流れる。Low-E膜32を透過した赤外光の一部による熱は、流れる空気に伝達されるため、リアクター10への入熱が抑制される。
【0040】
Low-E膜32の材料としては、銀、クロム、銅、チタン、白金、金、亜鉛、酸化スズ等を用いることができる。Low-E膜32は、これらの金属を積層した多層膜であってもよい。なお、これらの材料は一例であり、可視光を透過し、赤外光を反射させることができる材料であれば、これらの材料に限定されるものではない。Low-E単層ガラス30は、ガラス表面に上記の銀等の特殊金属膜をコーティングして作製することができる。
【0041】
太陽光放射の強い夏季では、赤外光を反射し、隙間33を流れる空気流によりリアクター10内への入熱を抑制することで、調整槽11が備えるクーラー15による温度調整のみで十分に系内の培養液の温度を所定の範囲に維持することができる。
【0042】
また、外気温が低い冬季においても、Low-E単層ガラス30によりリアクター10が直接外気に触れるのを防ぐため、リアクター10内の培養液からの放熱を抑制することができる。図4(b)に示すように、Low-E単層ガラス30とリアクター10とに跨る閉鎖部材34を設け、空気の流れを止めることができる。これにより、Low-E単層ガラス30とリアクター10との間に介在する空気層35により保温効果が得られ、リアクター10内の培養液からの放熱をより効果的に抑制することができる。空気層35は、熱伝導率が低いため、保温材や断熱材として機能する。
【0043】
リアクター10は、例えば上面および底面に閉鎖部材34を出し入れ可能にする収納部を備えることができる。夏季においては、収納部に閉鎖部材34を収納することにより隙間33を開放して空気が流れるようにし、冬季においては、収納部から閉鎖部材34を引き出し、隙間33の上部および下部を閉鎖して空気層35を形成することができる。なお、このような構成は一例であり、閉鎖部材34により隙間33の上部および下部を開閉できればいかなる構成であってもよい。
【0044】
培養液は、放熱する際、赤外光を放出する。赤外光は、Low-E膜32で反射し、培養液へと戻る。このため、培養液からの放熱は、Low-E膜32によっても抑制される。なお、リアクター10の構造物側からも熱が放熱するため、構造物側には、グラスウールやロックウール等の保温材36を設けることができる。保温材36は、冬季のみ取り付けてもよいし、一年中、取り付けたままであってもよい。
【0045】
Low-E単層ガラス30をリアクター10の前面に離間して配置する構成を採用することで、温度制御のコストを大幅に削減することができ、年間を通した培養を実現することが可能となる。また、この構成を採用することで、設置地域の適用範囲を広げることができる。なお、設置地域の気候に応じて、閉鎖部材34のない夏季タイプのみ、閉鎖部材34を設けた冬季タイプのみを設置してもよい。
【0046】
Low-E単層ガラス30を用いても、系内の培養液の温度を所定の温度範囲に維持することが可能であるが、より効果的に温度を維持する構成を、図5を参照して説明する。
【0047】
図5は、図4に示したLow-E単層ガラス30に代えて、Low-E複層ガラス40をリアクター10の前面に配置した例を示した図である。Low-E複層ガラス40は、Low-E単層ガラス41のLow-E膜42に対向してガラス43が設けられ、Low-E単層ガラス41とガラス43との密閉された空間に空気層44を有している。空気層44は、空気の流れがなく熱伝導率が低いことから、リアクター10への入熱を抑制し、培養液から外部への放熱を抑制する。なお、空気中に水分を多く含むと、熱伝導率が高くなることから、空気中の水分を減少させるべく、空気層44にはシリカゲル等の吸湿材が封入される。
【0048】
夏季においては、Low-E膜42により赤外光を反射するため、リアクター10への入熱を抑制することができる。また、空気層44も、入熱を抑制することから、より効果的にリアクター10の温度を所定の温度範囲に維持することができる。
【0049】
冬季においては、外気温が低く、プレート型のリアクターは比表面積が大きく、放熱しやすいことから、赤外光を出来るだけ取り入れるほうが望ましい。しかしながら、Low-E膜42は、赤外光を反射してしまう。また、リアクター10から放射される赤外光が外部へ逃げてしまう。
【0050】
そこで、冬季においては、Low-E複層ガラス40の向きを反転させることができる。これにより、Low-E単層ガラス41がリアクター10に対向した位置になるため、赤外光を取り入れることが可能となり、外部へ逃げる赤外光を反射させることで、冬季においても培養液の温度を所定の温度範囲に維持することができる。
【0051】
Low-E複層ガラス40の向きを反転させる方法としては、図6に示すようなLow-E複層ガラス40の幅方向の中央に回転軸45を設け、回転軸45を中心として回転させる方法を一例として挙げることができる。Low-E複層ガラス40は、リアクター10の前面全体を覆う幅を有する場合、その幅が広いことから、リアクター10から離して配置しなければ回転させることができない。
【0052】
そこで、Low-E複層ガラス40を幅方向に複数に分割し、分割した個々のLow-E複層ガラス40に回転軸45を設け、個々に回転させることができる。なお、回転軸45の回転は、手動で行ってもよいし、モータ等を取り付け、自動で行ってもよい。また、回転軸45は、Low-E複層ガラス40の幅方向の中央に限定されるものではなく、高さ方向の中央であってもよい。
【0053】
なお、Low-E膜42を複層ガラスの内側両面に設置し、向きを反転させなくても、夏季・冬季の両方で遮熱と保温を実現するシステムとしてもよい。
【0054】
図7は、リアクター10間を連結する管21について説明する図である。管21は、上側のリアクター10aから下側のリアクター10bへオーバーフローした培養液を供給する。管21の径が数mmの細いチューブを使用すると、リアクター10の上部に滞留する空気がチューブ内に入り込み、その上にオーバーフローした培養液が流れ込むと、管21内に空気が気泡として残った状態になる。
【0055】
管21内に気泡50が存在しない場合、図7(a)に示すように、上側のリアクター10aから管21内に培養液が流れ込むと、管21内の液面が上昇し、管21内と下側のリアクター10b内の液面高さがほぼ同じ高さになるように管21内から下側のリアクター10b内へと培養液が流れる。すなわち、管21内へ培養液が所定量流れ込むと、同量の培養液が下側のリアクター10bへ流れる。このため、系内を培養液が円滑に循環する。
【0056】
一方、管21内に気泡50が存在する場合、図7(b)に示すように、上側のリアクター10aから管21内に所定量の培養液が流れ込んでも、気泡50が変形し、培養液が流れ込んだ分だけ液面高さが上昇しない。より詳細には、空気の浮力のほうが液の流れる力(重量や抵抗の関数)を上回るため、液の流入が停止する。このため、管21内と下側のリアクター10b内の液面高さが同じ高さになるように管21内から下側のリアクター10b内へと培養液が流れるにしても、所定量ではなく、これより少ない量となる。これでは、培養液を円滑に循環させることができない。
【0057】
そこで、管21内に空気が入り込み、その上にオーバーフローした培養液が流れ込んでも、空気が管21内から抜けるように、図7(c)に示すように、管21の径を大きくすることができる。管21の径が数mmの場合、空気が抜けないことから、数cmとすることができる。管21の径は、オーバーフローする培養液の量に応じて決定することができる。
【0058】
例えば、培養液の流量が6~8L/minである場合、流速が0.4~0.6m/sとなるように径を決定すれば、空気が管21内から抜け、正常に流れる。したがって、上記範囲の流量であれば、鉛直方向に延びる管21は、例えば内径Dが13mmのものを用いることができる。なお、鉛直方向に延びる部分が内径13mmの管であればよいことから、リアクター10と接続される水平方向に延びる部分は、内径Dが13mmより小さくても、同じ径でも、大きくてもよい。径が異なる管を連結して用いる場合、ソケットを用いて連結することができる。図7(c)にその一例を拡大して示す。
【0059】
図8は、管21にエアーフィルター51を取り付けた構成を示した図である。培養液が循環する系内は、外部の空気中に存在する他の微生物等が侵入しないように密閉空間であることが望ましい。エアーポンプ19により各リアクター10に供給された空気は、各リアクター10内の培養液を撹拌した後、空気抜き弁20により外部へ排出される。このとき、培養液の撹拌により液面が揺れるため、管21へと繋がる接続部分全体が液面下となる場合がある。接続部が液面より下側になった場合、管21の空気の抜け道がなくなるため、エアーフィルター51を取り付け、エアーフィルター51から空気を逃がすことができる。これにより、リアクター10から管21への培養液の流れを円滑に行うことができる。
【0060】
空気を逃がすためには、開放部のみ設けられればよいが、開放部のみでは外部から他の微生物等が侵入するという問題がある。そこで、外部から他の微生物等の侵入を防止しつつ空気のみを流通させることができるエアーフィルター51を設置することができる。
【0061】
エアーフィルター51は、各リアクター10の培養液の排出側の管21の水平に延びる部分の上側に設けることができる。ここでは、排出側の管21に取り付ける例を示したが、これに限られるものではなく、管21内の培養液が溜まっている部分以外であればよいことから、管21の鉛直方向に延びる部分の液面高さより高い位置に設けてもよい。
【0062】
図9は、エアーポンプ19から空気を供給する方法について説明する図である。リアクター10とエアーポンプ19は、図9(a)に示すように管52を用いて連結することができる。なお、エアーポンプ17から調整槽11へ空気を供給する際も、同様の方法を採用することができる。
【0063】
エアーポンプ19の吐出側の管52の途中に逆止弁53が設けられる。これにより、リアクター10の培養液がエアーポンプ19へ流入することを抑止しつつ、吸引した空気を圧縮して吐出し、リアクター10へ供給することができる。
【0064】
しかしながら、何らかの理由で逆止弁が破損した場合、もしくは逆止弁で液漏れが発生する場合は、エアーポンプ19内へ培養液が流入し、空気を圧縮して吐出することができなくなる。
【0065】
そこで、図9(b)に示すように、リアクター10とエアーポンプ19を連結する管52を、一度液面高さより高い位置までコの字状に立ち上げた形状とすることができる。管52は、最も高い位置にある水平方向に延びる立ち上げ部54がリアクター10内の液面高さより高い位置にあるため、立ち上げ部54を通り抜けて培養液が逆流することを防止することができる。このような立ち上げ部54を有する管52を使用する場合においても、逆止弁53を用いることができる。
【0066】
実際に、本システムを使用して各リアクター10にかかる水圧の試験を行った。試験では、培養液に代えて水を用い、図1に示すようにプレート型のリアクターを高さ方向に3段に並べ、互いを管により連結した装置を用いた。3段に並べた装置高さは、約11mであった。
【0067】
図10に水圧試験の結果を示す。比較のために、従来のリアクター間を高さ方向に単に直列に連結したシステムの結果も示す。従来のシステムは、最上部のリアクターの底部と中段のリアクターの上部、中段のリアクターの底部と最下部のリアクターの上部とをそれぞれ連結した構造のシステムである。
【0068】
従来のシステムは、「Direct connection」で示され、最上部のリアクターは、水がもつエネルギーを水柱の高さに置き換えたヘッドが2.8mであり、0.028MPaの水圧がかかっている。中段のリアクターは、最上部のリアクターの水面まで連続しているため、ヘッドが6.2mであり、0.062MPaの水圧がかかっている。最下部のリアクターは、中段のリアクターを介して最上部のリアクターの水面まで連続しているため、ヘッドが9.6mもあり、0.096MPaの水圧がかかっている。
【0069】
一方、本システムは、「Overflow」で示され、最上部、中段、最下部のいずれのリアクターも、ヘッドが2.8mで、約0.03MPaの水圧しか、かからなかった。また、撓みを表す「Deflection」も、約6mm程度で、破損の可能性がある15~20mmより十分に小さい値となった。この結果から、複数のリアクター10を構造物の高さ方向に並べて配置し、リアクター10間を連結しても、強固な構造にする必要はなく、強度が低い、安価な材料の使用が可能となることが確認できた。
【0070】
クーラー15を備える調整槽11を稼働させ、夏季日中の調整槽11の温度、気温、各リアクター10内の温度を計測した。図11は、その計測結果を示した図である。横軸は、計測日を示し、縦軸は計測した温度(℃)を示す。計測日はいずれも2019年である。
【0071】
調整槽11の温度は、クーラー15による制御で、約30℃にほぼ一定に保持されている。これに対し、中段のリアクター内、下段のリアクター内の温度は、気温が高くなると、45℃を超えた。微細藻類は、40℃を超えると生存することができないので、気温が高い夏季においては、各リアクター10で何らかの温度調整を行う必要があることが分かった。
【0072】
そこで、図4および図5に示したLow-E単層ガラス30やLow-E複層ガラス40を設置し、その遮熱効果について検証を行った。検証には、図12に示す構成のLow-E複層ガラス40を使用し、微生物としてクロレラ(Chlorella sorokiniana NIES-2173)を用い、培地としてC培地を用いた。温度は、室温とし、光源にハロゲン灯500kw、2本を使用した。
【0073】
Low-E複層ガラス40は、2枚のガラス60、61の一方にLow-E膜62が設けられ、Low-E膜62が設けられたガラス60と、ガラス61とがスペーサ63により一定の間隔で離間して配置される。ガラス60とガラス61との間は空気が封入されている。空気が抜けないように封着材で封止され、空気中の水分を除去するため、吸湿材64が封入されている。
【0074】
Low-E複層ガラス40は、可視光が70.5%、赤外光を含む全波長の日射が36.9%、紫外線が18.5%の透過率を有するものを使用した。
【0075】
検証は、図13に示すように、Low-E複層ガラス40の有無により行い、矢線で示す(1)~(3)、(5)の位置において可視光の光強度を計測した。図14に光強度の計測結果を示す。Low-E複層ガラス40の表面(位置(1))では、1350μmol photons/m/sで、Low-E複層ガラス40の裏面(位置(2))では、840μmol photons/m/sと計測された。また、リアクター10の表面(位置(3))では、600μmol photons/m/sと計測された。一方、Low-E複層ガラス40のないリアクター10の表面(位置(5))では、838μmol photons/m/sと計測された。Low-E複層ガラス40がある方が、約30%光強度が低く、可視光の透過度が約70%であることが確認できた。
【0076】
図15は、図13に示す矢線(1)、(3)、(4)、(5)、(6)の位置で計測した温度、波長750nmの吸光度(OD750)を示した図である。吸光度は、光が通過する際に強度がどの程度弱まるかを示す無次元量である。吸光度は、分光光度計を使用して計測した。
【0077】
Low-E複層ガラス40がある場合、Low-E複層ガラス40の表面(位置(1))では、約60℃の温度が続いたが、リアクター10内の温度(位置(4))が5日間を通して35℃以下に保つことができた。微細藻類は、OD750の結果に示すように、吸光度が3倍以上となり、良好に増殖し、比増殖速度1d-1以上という速い速度が得られた。なお、比増殖速度は、単位時間の倍加量である。
【0078】
Low-E複層ガラス40がない場合、リアクター10内の温度(位置(6))は2時間程度で45℃を超え、50℃程度の温度に維持された。リアクター10内の微細藻類は、40℃を超える温度であるため、白濁し、死滅したことが示唆された。
【0079】
これらの結果から、Low-E複層ガラス40をはじめとする赤外線反射素材の微生物の培養における有効性が示された。
【0080】
本システムによれば、各リアクター10の幅(水平方向の長さ)を大きくし、構造物の高さ方向(鉛直方向または傾斜方向)の長さを短くし、それを高さ方向に連結していくことで、都市部等の狭いスペースでも、大容量のリアクターを実現することができる。また、ビル等の高さ方向に延びる構造物の壁面を効率的に利用することができる。
【0081】
リアクター10にかかる液圧が小さいため、リアクター10を耐圧性が低い単層ガラスやプラスチックバッグ等で形成することができ、メンテナンスが容易となる。また、リアクター10の前面をLow-E複層ガラス40等の断熱材で覆うことができ、リアクター10に汚れがつきにくくなり、紫外線による劣化も防ぐことができる。このため、通常のバッグリアクターよりもメンテナンスフリーで長期間きれいに使用することができる。リアクター10は、微生物の増殖により様々な模様を形成し、壁面のデザインとしても利用することが可能である。
【0082】
これまで本発明の微生物の培養システムについて上述した実施形態をもって詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0083】
10、10a、10b…リアクター
11…調整槽
12…調整槽用ポンプ
13…COボンベ
14…ヒーター
15…クーラー
16、18…ノズル
17、19…エアーポンプ
20…空気抜き弁
21、21a、21b、21c、52、54…管
22…高架水槽
23…供給弁
24…回収槽
25…回収弁
26…補給槽
27…補給ポンプ
28…斜面
29…屋根
30、41…Low-E単層ガラス
31、43、60、61…ガラス
32、42、62…Low-E膜
33…隙間
34…閉鎖部材
35、44…空気層
36…保温材
40…Low-E複層ガラス
45…回転軸
50…気泡
51…エアーフィルター
53…逆止弁
54…立ち上げ部
63…スペーサ
70…外壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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