IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マイテックスの特許一覧

特開2022-124437電子レンジ対応加熱・保温材及びその製造方法
<>
  • 特開-電子レンジ対応加熱・保温材及びその製造方法 図1
  • 特開-電子レンジ対応加熱・保温材及びその製造方法 図2
  • 特開-電子レンジ対応加熱・保温材及びその製造方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124437
(43)【公開日】2022-08-25
(54)【発明の名称】電子レンジ対応加熱・保温材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 59/02 20060101AFI20220818BHJP
   A47J 36/02 20060101ALI20220818BHJP
   F24C 7/02 20060101ALI20220818BHJP
   B32B 25/20 20060101ALI20220818BHJP
   B32B 7/027 20190101ALI20220818BHJP
【FI】
F16L59/02
A47J36/02 B
F24C7/02 561A
B32B25/20
B32B7/027
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021067369
(22)【出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】514166171
【氏名又は名称】株式会社マイテックス
(72)【発明者】
【氏名】岡野 照夫
【テーマコード(参考)】
3H036
3L086
4B055
4F100
【Fターム(参考)】
3H036AA09
3H036AB12
3H036AC03
3L086AA01
3L086AA13
3L086DA29
4B055AA50
4B055BA02
4B055BA23
4B055CB16
4B055CC46
4B055DB15
4B055FA02
4B055FB18
4B055FB49
4B055FC06
4B055FC10
4B055FC11
4B055FD10
4F100AA20B
4F100AA20C
4F100AA23A
4F100AG00B
4F100AG00C
4F100AK52A
4F100AN02A
4F100BA03
4F100BA06
4F100CA08B
4F100DG06B
4F100DG06C
4F100DJ00B
4F100DJ00C
4F100EJ46
4F100GB41
4F100JJ01
4F100JJ02B
4F100JJ02C
4F100JJ10D
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子レンジで加熱するため、板状のフェライトシリコンゴムの上下にそれぞれ接するように断熱材を設置し、適度な熱伝導を行えるようにして、電子レンジで最適な加熱・保温ができる様にした素材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】食器の底の部分に加熱保温用材を封じこめ、食器の底の高台内部に加熱保温素材を担持させ、加熱保温素材部分のみが、加熱保温されるようにしているため、安全であり、且つ、容器自体の保温効果を増量させ、保温温度維持を長くさせる事ができるようにした、素材及びその製造方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レンジ対応の加熱・保温において、フェライトシリコンゴムを使用し、フェライトシリコンの上下を、断熱材で挟み、片面の断熱材にポリホウ酸ナトリウム難燃性組成物を含侵させることを特徴とする加熱・保温材及びその製造方法。
【請求項2】
ポリホウ酸ナトリウム難燃性組成物を含侵した断熱材に、貫通孔を空け開口率により、断熱効果を抑制させ、熱伝導により被加熱物質への温度上昇が急激にならないようにすることを特徴とする、加熱・保温材及びその製造方法。
【請求項3】
請求項1に対して、フェライトシリコンゴムの上に、潜熱蓄熱剤を載せ、保温効果を維持させることを特徴とする加熱・保温材及びその製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジで加熱するため、板状のフェライトシリコンゴムの上下にそれぞれ接するように断熱材を設置し、適度な熱伝導を行えるようにして、電子レンジで最適な加熱・保温ができる様にした材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食器の加熱保温をする場合、予め食器全体を湯煎したり、恒温層に入れたりして食器を温めている。湯煎器や恒温層は、常に電源をオンの状態で管理する関係上、消費電力も多く、また、設置場所の確保が必要である。
【0003】
上述の場合、予め湯煎し食器を取り出し、水分を除去し、また、恒温層から加熱された熱い食器を取り出し,付いた水分を拭き取る作業が発生している。
【0004】
予め食器の底に水をはり、電子レンジにかけ加熱する方法はあるが、毎回、温水を流し捨て、その後水分を拭き取る作業が発生している。
【0005】
電子レンジで食物や飲料水を加熱することは、日常生活の通常の行為であり、被加熱物を電子レンジに掛けると、容器も食材からの熱が伝わり加熱してしまい熱くて持てない事がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、食器の底の必要な部分のみを、電子レンジで短時間に、安全に加熱保温をする事を目的としている。
【0007】
市場では電子レンジは、簡便性と安価という理由から、各家庭や業務用施設に幅広く普及している。
【0008】
しかし、電子レンジに掛けた直後は、高温で食材を取り出せるが、食器等の部分まで、高温になり、火傷の危険性がある。
【0009】
取り出した後の食材温度は、逆に急激に冷めるため、摂食に適する60℃~65℃を維持する事が難しい。また、蓄熱材を使う方法もあるが、電子レンジで急加熱すると、蓄熱材の劣化が進み、寿命が短くなるため、繰り返しの回数に制限がつき使えないという問題点があった。
【問題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、食器の底の部分に加熱保温用材を封じこめ、食器の底の高台内部に加熱保温材を担持させれば、加熱保温材部分のみが、加熱保温されるので安全であり、且つ、容器自体の保温効果を増量させ、保温温度維持を長くさせる事ができる。
【0011】
本発明での断熱材は、200℃域ではパルプ・ガラスビーズ組成、パルプ・ガラスビー・シリカエアロジェル組成、及び1000℃域では生体溶解性ロックウール・セラミックビーズ組成の高耐熱断熱材である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、予め食器の必要部分のみを短時間で加熱保温ができるので、調理から配膳時、摂食に至る距離と時間を考慮して、本素材に施された貫通孔の総面積比率と熱伝導を考慮して、食器に担持させれば、摂食時の最適温度である60℃から65℃を保温維持できる。
【0013】
本発明の加熱保温材の基材は、フェライトシリコンであるため、安定性、安全性、であり、更に、軽量で、大きさも自由に選択でき、電子レンジにより短時間で加熱保温ができる。
【0014】
本発明で使用される潜熱蓄熱剤は、ミョウバンを主成分とする潜熱蓄熱剤や、エリスリトールやマンニトールを主成分とするもので、食品由来からの素材であり無害、難燃性で、更に、水の約10分の1の体積で保温効果を保てるので、コンパクト及び軽量な食器が実現可能である。
【0015】
上述の発明に、潜熱蓄熱剤を積層する事で、更に長時間保温温度維持が出来る。
【0016】
本発明のフェライトシリコンゴムの上下に積層される断熱材の片面に、貫通孔を施し、開けた貫通孔の総面積の比により、断熱効果及び熱伝導効果を制御させ、電子レンジ加熱により急激な温度上昇を抑制する事が可能となる。
【0017】
電子レンジでの急激な温度上昇は、被加熱物質に割れや、組成変化の影響を及ぼし理想的な加熱・保温が出来ない。この熱伝導による温度制御が可能になることで、被加熱物質への急激な温度上昇の悪影響を抑制できる特徴がある。
【0018】
本発明では、食器の底の部分に加熱保温用材を封じこめ、食器の底の高台内部に加熱保温材を担持させれば、加熱保温材部分のみが、加熱保温されるので安全であり、且つ、容器自体の保温効果を増量させ、保温温度維持を長くさせる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】全体構造図
図2】A1-A1断面図
図3】B1-B1断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の全体構造図である。1aは、パルプ・ガラスビー・シリカエアロジェル組成、または パルプ・ガラスビーズ組成、または生体溶解性ロックウール・セラミックビーズ組成の素材に対し、ポリホウ酸ナトリウム難燃剤性組織物を、含侵させた素材、(以下、超薄硬断熱材と称す)、1bは、貫通孔、1cは、フェライトシリコンゴム、1dは、パルプ・ガラスビー・シリカエアロジェル組成、または、パルプ・ガラスビーズ組成、または、生体溶解性ロックウール・セラミックビーズ組成の素材(以下、超薄断熱材と称す)である。1cフェライトゴムが電子レンジにより加熱されると、発生したフェライトゴムの熱が、1a超薄硬断熱材を伝わり、その上に置かれる容器や食材を加熱する。1b貫通穴があることで、上方向への熱の伝わり方が抑えられる。1b貫通孔の大きさや数をあらかじめ調整した内容にすることで、急激な加熱しすぎを防ぎ、適度な温度を容器や食材に伝えることができる。1cフェライトシリコンゴムの下側は、1d超薄断熱材で覆われているため、傷が付き難く、また熱伝導が良くないため、保温効果があり、下側のプレートや机などを焦がさないように、更に食材の配膳時に人が手で触れることで起こる火傷を防止するように構成されている。貫通孔の数や大きさは、電子レンジの熱源に合わせて調整ができるため、最適な素材の構成が容易にできる構造となっている。
【0021】
図2は、A1-A1の断面図を示している。図3は、B1-B1の断面図で、図2に加えて、1eの潜熱蓄熱材を追加したもので、1fは電子レンジプレート面を示している。電子レンジで加熱された、1cフェライトゴムは、1a超薄硬断熱材を通して、急激な加熱がないように調整されて、1e蓄熱材を加熱するように構成されている。これにより、1f電子レンジプレート面から、高周波電流により急加熱された1cフェライトゴムの熱が、適度に調整された後、1e蓄熱材を加熱するため、容器や食材を適温に温め、長時間の保温ができるように構成されている。
【産業上の利用の可能性】
【0022】
本発明によれば、電子レンジの普及率は国民1人当たり1台の1億4000万台になっており、流行の新型ウイルスなどの影響で、生活様式が様変わりし、テイクアウトが主流になり、家庭内の食生活も電子レンジで温める事が多くなることにより、容器や陶器器等の食器の底部に本発明の素材を内蔵させ、或いは陶磁器の底の高台内に、本発明の素材を内蔵し、電子レンジに掛ければ素材のあたる必要部分のみが、短時間で加熱保温されることにより、安全に取扱いが出来る。予め加熱保温された食器に調理後の食材を載せ、配膳すれば、摂食時の快適温度の60℃前後を保つ事が容易に出来る。
【0023】
本発明によれば、外食産業、ホテル、レストラン、フードコート、ドライブイン、旅館、航空機、船舶等、加熱保温が重要な要素となる施設の維持温度と時間には、当該加熱保温素材の上に、潜熱蓄熱剤を積層すれば、加熱保温後の温度維持は長時間に及び、調理後の配膳までに時間を要する場合、又は、ルームサービス等の、配膳に距離や時間を費やす場合には、長時間温度維持が出来る。
【0024】
本発明で使用する潜熱蓄熱剤は、ミョウバンを主成分とする潜熱蓄熱剤や、エリスリトールやマンニトールを主成分とするもので、食品由来からの素材であり、無害、難燃性で安全であるため、広い分野で使用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1a・・・パルプ・ガラスビー・シリカエアロジェル組成、または
パルプ・ガラスビーズ組成、または
生体溶解性ロックウール・セラミックビーズ組成の素材
に対し、ポリホウ酸ナトリウム難燃剤性組織物を含侵させた素材
1b・・・貫通孔
1c・・・フェライトシリコンゴム
1d・・・パルプ・ガラスビー・シリカエアロジェル組成、または
パルプ・ガラスビーズ組成、または
生体溶解性ロックウール・セラミックビーズ組成の素材
1e・・・潜熱蓄熱材
1f・・・電子レンジプレート面
図1
図2
図3